🐼再使用ロケット:ネビュラ1:惜しい! ― 2024年09月24日 10:52
再使用ロケット:ネビュラ1:惜しい!
(ディープ・ブルー・エアロスペースのホップテスト、着陸直前に異常発生)
https://spacenews.com/deep-blue-aerospace-hop-test-suffers-anomaly-moments-before-landing/
「垂直離陸、垂直着陸試験の映像には、ロケットが所定の高度まで上昇し、179秒間の飛行に使用された3基のエンジンのうち2基を停止する様子が映っている。」
どう見てもCGな1本目の動画とは異なり、2本目の映像は打ち上げから「墜落激突爆発」までの一貫したリアル映像を示している(残念ながら爆発後の「炎上&木っ端微塵」は映っていない:惜しい!:そういうことかあ?)。
まあいい。
打ち上げ、上昇、姿勢制御、降下への切り替え(エンジンの一部停止)、着陸地点への誘導、地上5mくらいまでの降下(スロットリングによる推力の制御)、ホバリングに近い速度までの減速は上手くいっている。
あとちょっとだったのにな・・・。
中国のパワードランディングの実情を初めて見た。
もちろん、これはスペースXがグラスホッパーでやっていたレベルだからな。
宇宙空間からの超音速での降下(と減速)は今後の課題だが、実用への可能性を十分感じさせてくれる。
このレベルの飛行は、おそらく我が国でも実現可能に違いない(未確認)。
エリックバーガーも記事にしている。
(中国のロケットが日曜日に着陸をわずかに逃した。ビデオは素晴らしい)
https://arstechnica.com/space/2024/09/a-chinese-rocket-narrowly-missed-a-landing-on-sunday-the-video-is-amazing/
「試験飛行は約2分半順調に進んだが、着陸直前に機体に問題が発生し、火の玉が噴き出した。」
「ファルコン9と同様に、灯油と液体酸素を燃料とするエンジンで動く。」
「早ければ11月にも、再度の高高度テスト飛行を試みる予定」
再テストへのリードタイムの短さも、S社を彷彿とさせる。
記事によれば、中国ではこのほかにも数社が再使用ロケットに取り組んでいるらしい。
Deep Blue Aerospaceは、外連味のないエンジンを採用し、基礎的な技術を積み上げて、確実な打ち上げロケットを開発しようとしているように見える。
それが実現可能であることは、ファルコン9が実証しているからな。
何の前例もなく、工学的なチャレンジを行うのとは異なる。
さらには、経済的なインセンティブ、高頻度打ち上げによる市場支配という人参もぶら下がっている。
中国の再使用ロケット技術は本物だ。
ネビュラ1のビデオ(実写版の方)は、そのことを明らかにしている。
エリックバーガーは余裕で見ているけど、やがては追いつかれ、ひょっとするとぶち抜かれる可能性もある。
米国は、国家を挙げて使い捨てロケットであるSLSを開発したが、中国は官民一体で再使用ロケットに取り組んでいる。
(中国、大型再使用ロケットを2025年と2026年に打ち上げ予定–直径が4mと5m)
https://uchubiz.com/article/new41280/
「直径が4mと5mの再使用可能なロケットを、それぞれ25年と26年に打ち上げる計画」
「2027年の試験飛行が予定されている長征10号のシングルコア版は次世代宇宙船を地球低起動(LEO)に打ち上げるのに利用され、3コア版は宇宙船「夢舟(むしゅう、Mengzhou)」を月周回軌道に打ち上げる。」
(中国、有人月探査ロケット「長征10号」の新型エンジンをテスト)
https://uchubiz.com/article/new24413/
「長征10号は2027年の試験飛行が予定されているロケットで、月探査や有人月面探査にも利用される予定」
だが、まあ、当分は1段目の再使用に留まるだろう。
それでも、再使用ロケットによる高頻度低コスト打ち上げを手に入れれば、地球低軌道衛星コンステレーションによるインターネットサービスやスパイ衛星網を構築することが可能になるし、スターリンク(スターシールド)に対抗することだってできるかもしれない。
スターシップのように2段目の再使用が可能になれば、そして、スターリンクを上回る高頻度打ち上げ需要を見出すことが出来れば、中国は真の宇宙大国へと進化する可能性がある。
うーん、やっぱスペースコロニーかなあ・・・。
まあ、どうでもいいんですが。
別稿で取り上げるかもしれないけど、インドはその中国をキャッチアップしようと猛烈に追い上げている。
軍事需要があまりなさそうなので(未確認)すそ野は広くないかも知れないけど、限られたリソースを効率的に投入して、惑星探査や月面着陸を成功させている。
が、再使用ロケットの話は聞かない(まあ、将来、ちょこっとはやるようですが)。
鳴かず飛ばずのロシアでも、再使用という話は出ていない。
欧州や我が国は、話だけ出ていて、また、要素技術の開発はしているけど、本格的に取り組んでいるとは言えない。
未だに懐疑的だ。
つーか、1年に10回程度の打ち上げなら、使い捨ての方がいいのかもしれない。
中国が再使用に積極的取り組んでいる背景には、年間100回を大幅に上回る高頻度打ち上げの需要を見据えているからに他ならない。
中国版スターリンクの先に、どんな需要が見えているのか。
浮沈子的には、そっちの方が気になる。
太陽光発電か、宇宙日傘か。
中国の場合は、インドと異なり、軍事需要が活発だからな。
米国とシスルナ空間を争うのか、中国版スターシールドを展開するのか。
世界中どこでも1時間以内に兵士を送り込める、大陸間弾道輸送ロケットを目指しているのかもしれない。
ネビュラ1の先には、無限の広がりが横たわっている。
宇宙は広大だ。
そこへの高頻度低価格のアクセスを確立することは、国家にとっては極めて重要だろう。
小さな1歩だが、既に踏み出していることの意義は大きい。
その歩みが後退することはない・・・。
(ディープ・ブルー・エアロスペースのホップテスト、着陸直前に異常発生)
https://spacenews.com/deep-blue-aerospace-hop-test-suffers-anomaly-moments-before-landing/
「垂直離陸、垂直着陸試験の映像には、ロケットが所定の高度まで上昇し、179秒間の飛行に使用された3基のエンジンのうち2基を停止する様子が映っている。」
どう見てもCGな1本目の動画とは異なり、2本目の映像は打ち上げから「墜落激突爆発」までの一貫したリアル映像を示している(残念ながら爆発後の「炎上&木っ端微塵」は映っていない:惜しい!:そういうことかあ?)。
まあいい。
打ち上げ、上昇、姿勢制御、降下への切り替え(エンジンの一部停止)、着陸地点への誘導、地上5mくらいまでの降下(スロットリングによる推力の制御)、ホバリングに近い速度までの減速は上手くいっている。
あとちょっとだったのにな・・・。
中国のパワードランディングの実情を初めて見た。
もちろん、これはスペースXがグラスホッパーでやっていたレベルだからな。
宇宙空間からの超音速での降下(と減速)は今後の課題だが、実用への可能性を十分感じさせてくれる。
このレベルの飛行は、おそらく我が国でも実現可能に違いない(未確認)。
エリックバーガーも記事にしている。
(中国のロケットが日曜日に着陸をわずかに逃した。ビデオは素晴らしい)
https://arstechnica.com/space/2024/09/a-chinese-rocket-narrowly-missed-a-landing-on-sunday-the-video-is-amazing/
「試験飛行は約2分半順調に進んだが、着陸直前に機体に問題が発生し、火の玉が噴き出した。」
「ファルコン9と同様に、灯油と液体酸素を燃料とするエンジンで動く。」
「早ければ11月にも、再度の高高度テスト飛行を試みる予定」
再テストへのリードタイムの短さも、S社を彷彿とさせる。
記事によれば、中国ではこのほかにも数社が再使用ロケットに取り組んでいるらしい。
Deep Blue Aerospaceは、外連味のないエンジンを採用し、基礎的な技術を積み上げて、確実な打ち上げロケットを開発しようとしているように見える。
それが実現可能であることは、ファルコン9が実証しているからな。
何の前例もなく、工学的なチャレンジを行うのとは異なる。
さらには、経済的なインセンティブ、高頻度打ち上げによる市場支配という人参もぶら下がっている。
中国の再使用ロケット技術は本物だ。
ネビュラ1のビデオ(実写版の方)は、そのことを明らかにしている。
エリックバーガーは余裕で見ているけど、やがては追いつかれ、ひょっとするとぶち抜かれる可能性もある。
米国は、国家を挙げて使い捨てロケットであるSLSを開発したが、中国は官民一体で再使用ロケットに取り組んでいる。
(中国、大型再使用ロケットを2025年と2026年に打ち上げ予定–直径が4mと5m)
https://uchubiz.com/article/new41280/
「直径が4mと5mの再使用可能なロケットを、それぞれ25年と26年に打ち上げる計画」
「2027年の試験飛行が予定されている長征10号のシングルコア版は次世代宇宙船を地球低起動(LEO)に打ち上げるのに利用され、3コア版は宇宙船「夢舟(むしゅう、Mengzhou)」を月周回軌道に打ち上げる。」
(中国、有人月探査ロケット「長征10号」の新型エンジンをテスト)
https://uchubiz.com/article/new24413/
「長征10号は2027年の試験飛行が予定されているロケットで、月探査や有人月面探査にも利用される予定」
だが、まあ、当分は1段目の再使用に留まるだろう。
それでも、再使用ロケットによる高頻度低コスト打ち上げを手に入れれば、地球低軌道衛星コンステレーションによるインターネットサービスやスパイ衛星網を構築することが可能になるし、スターリンク(スターシールド)に対抗することだってできるかもしれない。
スターシップのように2段目の再使用が可能になれば、そして、スターリンクを上回る高頻度打ち上げ需要を見出すことが出来れば、中国は真の宇宙大国へと進化する可能性がある。
うーん、やっぱスペースコロニーかなあ・・・。
まあ、どうでもいいんですが。
別稿で取り上げるかもしれないけど、インドはその中国をキャッチアップしようと猛烈に追い上げている。
軍事需要があまりなさそうなので(未確認)すそ野は広くないかも知れないけど、限られたリソースを効率的に投入して、惑星探査や月面着陸を成功させている。
が、再使用ロケットの話は聞かない(まあ、将来、ちょこっとはやるようですが)。
鳴かず飛ばずのロシアでも、再使用という話は出ていない。
欧州や我が国は、話だけ出ていて、また、要素技術の開発はしているけど、本格的に取り組んでいるとは言えない。
未だに懐疑的だ。
つーか、1年に10回程度の打ち上げなら、使い捨ての方がいいのかもしれない。
中国が再使用に積極的取り組んでいる背景には、年間100回を大幅に上回る高頻度打ち上げの需要を見据えているからに他ならない。
中国版スターリンクの先に、どんな需要が見えているのか。
浮沈子的には、そっちの方が気になる。
太陽光発電か、宇宙日傘か。
中国の場合は、インドと異なり、軍事需要が活発だからな。
米国とシスルナ空間を争うのか、中国版スターシールドを展開するのか。
世界中どこでも1時間以内に兵士を送り込める、大陸間弾道輸送ロケットを目指しているのかもしれない。
ネビュラ1の先には、無限の広がりが横たわっている。
宇宙は広大だ。
そこへの高頻度低価格のアクセスを確立することは、国家にとっては極めて重要だろう。
小さな1歩だが、既に踏み出していることの意義は大きい。
その歩みが後退することはない・・・。
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