🚀月面レース:世界が見守る白熱戦 ― 2025年05月17日 08:08
月面レース:世界が見守る白熱戦
(中国の有人船「神舟二十号」が独自宇宙ステーションへ 米中の月探査競争の行方は)
https://news.mynavi.jp/techplus/article/20250516-3322821/
「場合によっては、中国の宇宙飛行士が、アルテミス計画より早く月に降り立ち、その後も月面での主導権を握る可能性」
おっと、浮沈子的にはその結論は出ているけど、んでもって、21世紀初の人類の月面着陸については間違いなく中国が先行するけど、「その後」に言及した記事を読むのは初めてな気がする。
米国のアルテミスは、ショットで先行する中国に対し、持続的に月面にアプローチすることを特徴としていたわけだが、それも危うくなってきているからな。
エリックバーガーは、民間主導で米国が突っ走ればまだまだリードは可能としているけど、金の切れ目は縁(円)の切れ目だ(ドルだけど?)。
「一方、米国は、国際共同での月探査計画「アルテミス」を進め、2026年以降の有人月着陸を目指しているが、宇宙船やロケットの開発遅延、予算超過が続いており、計画のさらなる後退が懸念されている。」
「さらに、トランプ政権は、その先に計画されている月周回ステーション「ゲートウェイ」や月面基地の開発についても、規模の縮小や中止を提案している。」
「ISSとアルテミス計画の行方は、国際協力のあり方や形を問う試金石となりそうだ。」
つまりだな、米国には既に宇宙開発をけん引していく力がなくなり、これからは中国との国際協力を積極的に模索していくべきだと言いたいわけだ(そうなのかあ?)。
月面レースだけの話じゃない。
今回の記事のメインである中国の宇宙ステーション(CSS)にも、改めて光が当たってきている。
「中国のCSSは、こうした状況の中で独自の強みを拡大している。CSSはすでにパキスタン、タイ、南アフリカなど複数の国と共同実験を実施し、国際協力を通じた影響力の強化を図っている。ISSの運用が縮小し、2030年に退役すれば、CSSは世界の研究機関、研究者にとって魅力的な代替場所になるかもしれない。」
「ISSは現時点で、2030年の運用終了が予定されているが、現在トランプ政権は予算削減の一環として、今後の運用規模の縮小、さらには退役の前倒しなどを検討している。」
鳥嶋さんは大人だから、乗り換えるなら「今だっ!」とは言わないだろうけど、米国に引っ付いているだけが能じゃないというニュアンスを漂わせている。
もう、我が国の宇宙飛行士が月面着陸ツアーに参加することは不可能になっちまったからな(外国人の、しかも有色人種は一番後回しだし)。
中国の宇宙開発に乗り換えた方が、順番が先になることは確実だろう。
乗り換えるなら早い方がいい。
確かに、米国の技術力はずば抜けて高いし、それを維持する方策を放棄したわけじゃない。
軍事領域では、十分な予算を付けて支援し続けている。
再使用ロケットなどの効率化を取り込んで、従来の方策を急速に転換してきている。
軍事衛星についても、低軌道コンステレーションをスターシールドで展開し始めたからな。
ちょっと足踏みが続いているけど、S社のスターシップの開発も進んでいる。
技術的なベースが衰えているわけじゃない。
が、この状態が一定期間続けば、その懸念が出てくる(ロシアとかは、あからさまに出ているからな)。
軍需に偏った宇宙開発は、民生分野にも影響する。
そうなる前に、何か手を打つ必要があるだろう。
米国の宇宙開発がどうなるのかは、これからが正念場だ。
畑は違うけど、こんな記事が出ている。
(Appleが中国に依存し取り込まれている実態を暴露する「Apple in China」)
https://gigazine.net/news/20250516-apple-in-china/
「Appleがマルチタッチガラスの製造方法や、iPhone内の1000を超える部品を完璧に組み上げる方法をサプライチェーンに教えるそばから、Appleのサプライヤーはその技術をHuawei、Xiaomi、Vivo、Oppoといった中国企業に提供しました」
国家安全保障に直接かかわるロケット技術の場合、スマホと同列には語れないかも知れないが、現在の技術優位をいつまで保てるかという懸念は付きまとうからな。
まあ、どうでもいいんですが。
内向きの米国一国主義が、世界にもたらす影響は大きい。
その全貌が一気に見えたとは言えないけど、徐々に明らかになってくるに違いない。
浮沈子がウォッチしている宇宙開発分野にも、その影響は如実に現れてきている。
ポスト月面着陸レースや地球低軌道有人宇宙開発に焦点を当てた記事は、今回初めて読んだ気がする。
そう、この記事のメインテーマはCSSじゃない。
そこんとこを、読み違えちゃいけないだろうな・・・。
(中国の有人船「神舟二十号」が独自宇宙ステーションへ 米中の月探査競争の行方は)
https://news.mynavi.jp/techplus/article/20250516-3322821/
「場合によっては、中国の宇宙飛行士が、アルテミス計画より早く月に降り立ち、その後も月面での主導権を握る可能性」
おっと、浮沈子的にはその結論は出ているけど、んでもって、21世紀初の人類の月面着陸については間違いなく中国が先行するけど、「その後」に言及した記事を読むのは初めてな気がする。
米国のアルテミスは、ショットで先行する中国に対し、持続的に月面にアプローチすることを特徴としていたわけだが、それも危うくなってきているからな。
エリックバーガーは、民間主導で米国が突っ走ればまだまだリードは可能としているけど、金の切れ目は縁(円)の切れ目だ(ドルだけど?)。
「一方、米国は、国際共同での月探査計画「アルテミス」を進め、2026年以降の有人月着陸を目指しているが、宇宙船やロケットの開発遅延、予算超過が続いており、計画のさらなる後退が懸念されている。」
「さらに、トランプ政権は、その先に計画されている月周回ステーション「ゲートウェイ」や月面基地の開発についても、規模の縮小や中止を提案している。」
「ISSとアルテミス計画の行方は、国際協力のあり方や形を問う試金石となりそうだ。」
つまりだな、米国には既に宇宙開発をけん引していく力がなくなり、これからは中国との国際協力を積極的に模索していくべきだと言いたいわけだ(そうなのかあ?)。
月面レースだけの話じゃない。
今回の記事のメインである中国の宇宙ステーション(CSS)にも、改めて光が当たってきている。
「中国のCSSは、こうした状況の中で独自の強みを拡大している。CSSはすでにパキスタン、タイ、南アフリカなど複数の国と共同実験を実施し、国際協力を通じた影響力の強化を図っている。ISSの運用が縮小し、2030年に退役すれば、CSSは世界の研究機関、研究者にとって魅力的な代替場所になるかもしれない。」
「ISSは現時点で、2030年の運用終了が予定されているが、現在トランプ政権は予算削減の一環として、今後の運用規模の縮小、さらには退役の前倒しなどを検討している。」
鳥嶋さんは大人だから、乗り換えるなら「今だっ!」とは言わないだろうけど、米国に引っ付いているだけが能じゃないというニュアンスを漂わせている。
もう、我が国の宇宙飛行士が月面着陸ツアーに参加することは不可能になっちまったからな(外国人の、しかも有色人種は一番後回しだし)。
中国の宇宙開発に乗り換えた方が、順番が先になることは確実だろう。
乗り換えるなら早い方がいい。
確かに、米国の技術力はずば抜けて高いし、それを維持する方策を放棄したわけじゃない。
軍事領域では、十分な予算を付けて支援し続けている。
再使用ロケットなどの効率化を取り込んで、従来の方策を急速に転換してきている。
軍事衛星についても、低軌道コンステレーションをスターシールドで展開し始めたからな。
ちょっと足踏みが続いているけど、S社のスターシップの開発も進んでいる。
技術的なベースが衰えているわけじゃない。
が、この状態が一定期間続けば、その懸念が出てくる(ロシアとかは、あからさまに出ているからな)。
軍需に偏った宇宙開発は、民生分野にも影響する。
そうなる前に、何か手を打つ必要があるだろう。
米国の宇宙開発がどうなるのかは、これからが正念場だ。
畑は違うけど、こんな記事が出ている。
(Appleが中国に依存し取り込まれている実態を暴露する「Apple in China」)
https://gigazine.net/news/20250516-apple-in-china/
「Appleがマルチタッチガラスの製造方法や、iPhone内の1000を超える部品を完璧に組み上げる方法をサプライチェーンに教えるそばから、Appleのサプライヤーはその技術をHuawei、Xiaomi、Vivo、Oppoといった中国企業に提供しました」
国家安全保障に直接かかわるロケット技術の場合、スマホと同列には語れないかも知れないが、現在の技術優位をいつまで保てるかという懸念は付きまとうからな。
まあ、どうでもいいんですが。
内向きの米国一国主義が、世界にもたらす影響は大きい。
その全貌が一気に見えたとは言えないけど、徐々に明らかになってくるに違いない。
浮沈子がウォッチしている宇宙開発分野にも、その影響は如実に現れてきている。
ポスト月面着陸レースや地球低軌道有人宇宙開発に焦点を当てた記事は、今回初めて読んだ気がする。
そう、この記事のメインテーマはCSSじゃない。
そこんとこを、読み違えちゃいけないだろうな・・・。
🚀スターシップ:航空危険区域をもたらすもの ― 2025年05月17日 12:47
スターシップ:航空危険区域をもたらすもの
(FAAライセンスの更新により、SpaceXは次回のStarship打ち上げに近づく)
https://spacenews.com/faa-license-update-brings-spacex-closer-to-next-starship-launch/
「連邦航空局(FAA)は5月15日遅く、スターシップの次回打ち上げに先立ち、同機の打ち上げライセンスを更新したと発表」
「SpaceXが南テキサスのスターベース施設から年間最大25回の打ち上げを行うことを許可する環境承認も」
「ライセンスの更新だけでは、SpaceXが次回のStarship打ち上げ(Flight 9)を実施することはできない」
「FAAがStarship Flight 8の事故調査を終了するか、飛行再開の決定を下すまで、SpaceXは打ち上げを行うことはできません」「FAAは、SpaceXが5月14日に提出した事故報告書を審査中です。」
なんだ、まだ出したばっかじゃん!?。
まあいい。
「空域および海域に関する通知によると、FAA(連邦航空局)の承認が得られれば、早ければ5月22日にも打ち上げが行われる可能性」
つまりだな、審査にはそれほど時間はかからないと見ているわけだ(1週間程度)。
大丈夫なのかあ?。
「カリブ海のタークス・カイコス諸島などの海外領土を担当する英国政府大臣スティーブン・ドーティ氏が、島々へのリスクを最小限に抑えるため、スターシップの飛行計画と飛行時間の変更を米国国務省に要請」
「航空機危険区域(AHA)は現在、バハマ諸島とタークス・カイコス諸島まで拡大」
「7便と8便におけるスターシップ機の事故により、機体の故障確率が高まり、AHAの範囲も拡大した」
「空域閉鎖の影響を受ける便は175便以上あり、その多くは危険区域を回避するため平均40分遅延する見込み」
「打ち上げは「乗り継ぎのピーク時間帯を避けて」行われ、打ち上げは東部時間午後7時30分を予定」
「タークス・カイコス諸島の主要空港であるプロビデンシアレス国際空港は、打ち上げ時間帯に閉鎖」
つまりだな、スターシップは2度の連続した失敗により、危険極まりない代物になっちまったというわけだ。
第7回:上段ロケットが「飛行中に試験中に観測されたものより数倍強い高調波応答」を経験したと発表
第8回:上昇中にスターシップの上段後部でスペースXが「エネルギーイベント」と呼ぶ現象が発生し、複数のラプターエンジンが停止し、機体は姿勢制御を失いました。機体はカリブ海上空で再突入
8回目の失敗は7回目に酷似しているけど、その原因は発表されてはいない(推測だけ)。
9回目に当たって、適切な対策が取られたかを確認することもできない(本日現在、当局が審査中)。
つまり、また、空中で爆発が起こり、木っ端みじんになって雨あられのごとく地表に降り注ぐ事態になりかねないという話なわけだ。
やれやれ・・・。
取扱注意の危険物なことは、ロケットである以上仕方ないけど、開発中の実験機は輪を掛けて危ないわけだ。
7回目と8回目のテレメトリーを比べてみたけど、機体の回転など、現象的には同じではない。
原因の特定が正確に(根本的に)行われたのか、表層的な究明に終わり、有効な対策に結びつかなかったのかは知らない。
それが、2回も続いている。
2度あることは3度ある。
つまり、繰り返される大元の原因を潰さない限りは、延々と失敗が続くということなわけだ。
「スペースXは、5月13日にスターシップ上段ロケットの長時間静止点火試験を実施するなど、フライト9の準備を進めています。」
「上段ロケットが「飛行中に試験中に観測されたものより数倍強い高調波応答」を経験した」(再掲:7回目)
つまりだな、地上で何度試験しても、飛行中の振動は再現できなかったわけで、今回(9回目)も同じ事が起こる可能性を排除できないということになる(そうなのかあ?)。
しかも、運用推力範囲を見直して振動を回避するなどの対策を取った場合、実際に飛ばしてみなければその有効性は検証が難しい。
1段目(スーパーヘビーブースター)の回収については、安定感を増してきている気がするけど、相変わらずエンジンの再点火には穴が開きっぱなしで、完全な成功は殆ど無い。
巨大ロケットを飛ばすのは確かに難しい。
要素技術が確立されていたSLSでさえ、10年の月日を要した(新規に建造されたオリオン宇宙船は、未だに確立されていません)。
スターシップは、当面は貨物機だが、ゆくゆくは有人機を目指している。
現在の基本的なアーキテクチャを継承するかどうかは分からないが、このまま押し切れると見ているのかもしれない。
最大の難関は、もちろん2段目(スターシップ宇宙船)の再突入と回収だが、ブロック2になってからは1度も挑戦できていないからな。
後戻りしている。
来週の打ち上げが実現するにせよしないにせよ、おそらくは現状のまま上がるだろう。
成功の確率は五分五分だ。
インド洋に着水できれば大成功だろうな・・・。
(FAAライセンスの更新により、SpaceXは次回のStarship打ち上げに近づく)
https://spacenews.com/faa-license-update-brings-spacex-closer-to-next-starship-launch/
「連邦航空局(FAA)は5月15日遅く、スターシップの次回打ち上げに先立ち、同機の打ち上げライセンスを更新したと発表」
「SpaceXが南テキサスのスターベース施設から年間最大25回の打ち上げを行うことを許可する環境承認も」
「ライセンスの更新だけでは、SpaceXが次回のStarship打ち上げ(Flight 9)を実施することはできない」
「FAAがStarship Flight 8の事故調査を終了するか、飛行再開の決定を下すまで、SpaceXは打ち上げを行うことはできません」「FAAは、SpaceXが5月14日に提出した事故報告書を審査中です。」
なんだ、まだ出したばっかじゃん!?。
まあいい。
「空域および海域に関する通知によると、FAA(連邦航空局)の承認が得られれば、早ければ5月22日にも打ち上げが行われる可能性」
つまりだな、審査にはそれほど時間はかからないと見ているわけだ(1週間程度)。
大丈夫なのかあ?。
「カリブ海のタークス・カイコス諸島などの海外領土を担当する英国政府大臣スティーブン・ドーティ氏が、島々へのリスクを最小限に抑えるため、スターシップの飛行計画と飛行時間の変更を米国国務省に要請」
「航空機危険区域(AHA)は現在、バハマ諸島とタークス・カイコス諸島まで拡大」
「7便と8便におけるスターシップ機の事故により、機体の故障確率が高まり、AHAの範囲も拡大した」
「空域閉鎖の影響を受ける便は175便以上あり、その多くは危険区域を回避するため平均40分遅延する見込み」
「打ち上げは「乗り継ぎのピーク時間帯を避けて」行われ、打ち上げは東部時間午後7時30分を予定」
「タークス・カイコス諸島の主要空港であるプロビデンシアレス国際空港は、打ち上げ時間帯に閉鎖」
つまりだな、スターシップは2度の連続した失敗により、危険極まりない代物になっちまったというわけだ。
第7回:上段ロケットが「飛行中に試験中に観測されたものより数倍強い高調波応答」を経験したと発表
第8回:上昇中にスターシップの上段後部でスペースXが「エネルギーイベント」と呼ぶ現象が発生し、複数のラプターエンジンが停止し、機体は姿勢制御を失いました。機体はカリブ海上空で再突入
8回目の失敗は7回目に酷似しているけど、その原因は発表されてはいない(推測だけ)。
9回目に当たって、適切な対策が取られたかを確認することもできない(本日現在、当局が審査中)。
つまり、また、空中で爆発が起こり、木っ端みじんになって雨あられのごとく地表に降り注ぐ事態になりかねないという話なわけだ。
やれやれ・・・。
取扱注意の危険物なことは、ロケットである以上仕方ないけど、開発中の実験機は輪を掛けて危ないわけだ。
7回目と8回目のテレメトリーを比べてみたけど、機体の回転など、現象的には同じではない。
原因の特定が正確に(根本的に)行われたのか、表層的な究明に終わり、有効な対策に結びつかなかったのかは知らない。
それが、2回も続いている。
2度あることは3度ある。
つまり、繰り返される大元の原因を潰さない限りは、延々と失敗が続くということなわけだ。
「スペースXは、5月13日にスターシップ上段ロケットの長時間静止点火試験を実施するなど、フライト9の準備を進めています。」
「上段ロケットが「飛行中に試験中に観測されたものより数倍強い高調波応答」を経験した」(再掲:7回目)
つまりだな、地上で何度試験しても、飛行中の振動は再現できなかったわけで、今回(9回目)も同じ事が起こる可能性を排除できないということになる(そうなのかあ?)。
しかも、運用推力範囲を見直して振動を回避するなどの対策を取った場合、実際に飛ばしてみなければその有効性は検証が難しい。
1段目(スーパーヘビーブースター)の回収については、安定感を増してきている気がするけど、相変わらずエンジンの再点火には穴が開きっぱなしで、完全な成功は殆ど無い。
巨大ロケットを飛ばすのは確かに難しい。
要素技術が確立されていたSLSでさえ、10年の月日を要した(新規に建造されたオリオン宇宙船は、未だに確立されていません)。
スターシップは、当面は貨物機だが、ゆくゆくは有人機を目指している。
現在の基本的なアーキテクチャを継承するかどうかは分からないが、このまま押し切れると見ているのかもしれない。
最大の難関は、もちろん2段目(スターシップ宇宙船)の再突入と回収だが、ブロック2になってからは1度も挑戦できていないからな。
後戻りしている。
来週の打ち上げが実現するにせよしないにせよ、おそらくは現状のまま上がるだろう。
成功の確率は五分五分だ。
インド洋に着水できれば大成功だろうな・・・。
🚀隔靴搔痒:250億kmの隔たり ― 2025年05月17日 13:25
隔靴搔痒:250億kmの隔たり
(20年前に故障したと思われていたボイジャー1号のスラスターを250億km離れた地球から遠隔で復活させることにNASAが成功)
https://gigazine.net/news/20250516-nasas-voyager-1-revives-backup-thrusters/
「2004年、ボイジャー1号の2つの内部ヒーターが電力を失って機能を停止し、その影響で主要なロールスラスターが機能しなくなってしまいました。」
「当時のNASAのエンジニアらは、壊れたヒーターは修理できない可能性が高いと判断し、バックアップ用のロールスラスターに切り替えることを選択」
「当時のチームは、主要なロールスラスターが機能しないことを受け入れても問題ありませんでした。なぜなら、完璧なバックアップがあったからです。率直に言って彼らは、ボイジャー探査機があと20年も続くとは思っていなかったでしょう」
「バックアップ用のロールスラスターでは、チューブ内に蓄積する燃料の残留物が問題になった」
「チューブ内に蓄積した残留物はスラスターの動作に悪影響を及ぼし、早ければ2025年の秋には動作が停止するリスク」
「NASAのエンジニアリングチームは、2004年に発生したスラスターの故障を再調査することに」
「その結果、ヒーターの電源を制御する回路の予期しない乱れにより、スイッチが間違った位置に切り替わったことが故障の原因である可能性が浮上。」
ほほう、故障を直すには、「叩けばいい」ということが分かったわけだ(そういうことかあ?)。
「スイッチを元の位置に戻すことができれば、ヒーターが再び動作するようになり、バックアップ用のロールスラスターが詰まった際に、再び主要なロールスラスターに切り替えられるかもしれないと判明」
メインのスラスターをオンにしたままヒーターを直す(叩く?)とか、その際にスタートラッカーによる姿勢制御の精度を上げておく必要があるとか、ややっこしい手順は割愛する。
コマンドの送信に使われるオーストラリアのアンテナが修理期間に入るため、その前にやっつけちまいたかったという話もある。
「3月20日、NASAのチームは地球から送信した信号がボイジャー1号に届き、コマンドを実行する様子を地球から見守りました。ボイジャー1号からの無線信号が地球に届くには23時間以上かかるため、NASAのチームが様子を見守っている時点ですべての作業は完了しており、「もしかしたら今頃ボイジャー1号は危機的状況になっているかもしれない」という不安を抱えていた」
因果律の問題をここで蒸し返しても仕方ないが、光速を越えて事象が伝播することはないから、この記述には相対性理論上の問題があるな。
まあ、どうでもいいんですが。
で、どーなった?。
「コマンドの実行から20分以内にヒーターの温度が劇的に上昇し始め、NASAのチームはボイジャー1号のスラスター修復ミッションが成功したことを知りました。」
目出度し目出度しだが、一つ間違えれば危機的状況に陥ることもあったわけで、そのリスクを取る判断はかなりギャンブルだったんだろう。
つーか、ボイジャーミッション自体が、いつ、何が起こってもおかしくない状況に移っているということなわけだ。
これ以上、状況が悪くなることはない・・・。
「いずれのボイジャー号も老朽化と地球からの距離が問題となっており、さまざまな問題に見舞われています。2024年にはボイジャー1号のヒーターをオンにするコマンドを送信した結果、障害保護システムが意図せず作動してしまい、通信が一時的に途絶する事態となりました。」
今回は、実際の話、たまたま成功したラッキーイベントだったのかもしれない。
今後、トランプ政権の影響下で、ボイジャーミッションが打ち切られる懸念もある。
深宇宙の過酷な環境より、そっちのリスクの方が高いかも知れないな・・・。
(20年前に故障したと思われていたボイジャー1号のスラスターを250億km離れた地球から遠隔で復活させることにNASAが成功)
https://gigazine.net/news/20250516-nasas-voyager-1-revives-backup-thrusters/
「2004年、ボイジャー1号の2つの内部ヒーターが電力を失って機能を停止し、その影響で主要なロールスラスターが機能しなくなってしまいました。」
「当時のNASAのエンジニアらは、壊れたヒーターは修理できない可能性が高いと判断し、バックアップ用のロールスラスターに切り替えることを選択」
「当時のチームは、主要なロールスラスターが機能しないことを受け入れても問題ありませんでした。なぜなら、完璧なバックアップがあったからです。率直に言って彼らは、ボイジャー探査機があと20年も続くとは思っていなかったでしょう」
「バックアップ用のロールスラスターでは、チューブ内に蓄積する燃料の残留物が問題になった」
「チューブ内に蓄積した残留物はスラスターの動作に悪影響を及ぼし、早ければ2025年の秋には動作が停止するリスク」
「NASAのエンジニアリングチームは、2004年に発生したスラスターの故障を再調査することに」
「その結果、ヒーターの電源を制御する回路の予期しない乱れにより、スイッチが間違った位置に切り替わったことが故障の原因である可能性が浮上。」
ほほう、故障を直すには、「叩けばいい」ということが分かったわけだ(そういうことかあ?)。
「スイッチを元の位置に戻すことができれば、ヒーターが再び動作するようになり、バックアップ用のロールスラスターが詰まった際に、再び主要なロールスラスターに切り替えられるかもしれないと判明」
メインのスラスターをオンにしたままヒーターを直す(叩く?)とか、その際にスタートラッカーによる姿勢制御の精度を上げておく必要があるとか、ややっこしい手順は割愛する。
コマンドの送信に使われるオーストラリアのアンテナが修理期間に入るため、その前にやっつけちまいたかったという話もある。
「3月20日、NASAのチームは地球から送信した信号がボイジャー1号に届き、コマンドを実行する様子を地球から見守りました。ボイジャー1号からの無線信号が地球に届くには23時間以上かかるため、NASAのチームが様子を見守っている時点ですべての作業は完了しており、「もしかしたら今頃ボイジャー1号は危機的状況になっているかもしれない」という不安を抱えていた」
因果律の問題をここで蒸し返しても仕方ないが、光速を越えて事象が伝播することはないから、この記述には相対性理論上の問題があるな。
まあ、どうでもいいんですが。
で、どーなった?。
「コマンドの実行から20分以内にヒーターの温度が劇的に上昇し始め、NASAのチームはボイジャー1号のスラスター修復ミッションが成功したことを知りました。」
目出度し目出度しだが、一つ間違えれば危機的状況に陥ることもあったわけで、そのリスクを取る判断はかなりギャンブルだったんだろう。
つーか、ボイジャーミッション自体が、いつ、何が起こってもおかしくない状況に移っているということなわけだ。
これ以上、状況が悪くなることはない・・・。
「いずれのボイジャー号も老朽化と地球からの距離が問題となっており、さまざまな問題に見舞われています。2024年にはボイジャー1号のヒーターをオンにするコマンドを送信した結果、障害保護システムが意図せず作動してしまい、通信が一時的に途絶する事態となりました。」
今回は、実際の話、たまたま成功したラッキーイベントだったのかもしれない。
今後、トランプ政権の影響下で、ボイジャーミッションが打ち切られる懸念もある。
深宇宙の過酷な環境より、そっちのリスクの方が高いかも知れないな・・・。
😼欧州大戦争:永遠の戦いと道化師の末路 ― 2025年05月17日 16:01
欧州大戦争:永遠の戦いと道化師の末路
(ロシアは永遠に戦う覚悟がある、ウクライナ軍が4州から撤退後に停戦)
https://grandfleet.info/war-situation-in-ukraine/russia-ready-to-fight-forever-ceasefire-after-ukrainian-troops-withdraw-from-four-regions/
「4州からの撤退に応じなければハルキウ州とスームィ州を占領すると脅した」「メジンスキー大統領補佐官は目的を達成するためなら何年でも戦う覚悟がある。ウクライナのその覚悟があるのか、と述べた」(Economistの記者)
「外国軍の駐留を認めず大量破壊兵器を保有しない中立的な立場」「ロシアに対する戦争賠償の請求の放棄」「4州とクリミアの喪失受け入れ」「プーチン大統領が停戦に同意するのはウクライナが4州から軍を完全に撤退させてから」「ロシアは5つ地域のロシア主権が国際的に承認されることを望んでいる」(Bloomberg)
「オーストリアモデルに準じたウクライナの中立」「双方が戦争で生じた賠償請求権の放棄」「欧州基準を採用した少数民族の権利保護」「ヘルソン州、ザポリージャ州、ドネツク州、ルハンシク州、クリミアのロシア主権承認」「停戦は5つの地域からウクライナ軍の撤退が完了してから」(ウクライナメディアのRBC-Ukraine)
ウクライナがどんな主張をしたかは知らないが、ロシアの要求(停戦条件)は相当厳しい。
ウクライナとして、非占領地域を含む4州からの撤退は受け入れられないだろうし、エコノミスト誌が報じたようにスムイ州とハルキウ州への侵攻は既に一部行われ、リアリティを持っている。
が、何より特筆すべきなのは、ロシアに停戦の意図が感じられないことだ。
数々の条件は、ウクライナが到底受け入れられないものばかりで、ウクライナに停戦させないための停戦交渉になっている。
「ロシアは永遠に戦う覚悟がある」(再掲)
永遠というのは象徴的な言い回しだが、これがウクライナだけに向けられたものと考えるのは楽観的過ぎるだろう。
「我々はスウェーデンと21年間戦った。」(再掲)
これは、1700年から1721年の大北方戦争を指していると思われるが、んなカビの生えたような話を持ち出しているのは、欧州各国首脳にこの話が深く浸み入ることを念頭にしているからに他ならない。
ロシアにたてつこうとしても無駄だと。
ロシアのメッセージは、既にゼレンスキー政権に向けられたものではなくなっている。
浮沈子的には、欧州だけではなく、特に和平を仲介しようとしている米国に対して向けられているようにも感じる。
ロシアに譲歩を求めても無駄だと。
BBCは、もっと直接的に報じているけどな。
(ロシアとウクライナが対面協議も大きな溝、捕虜1000人ずつ交換で合意)
https://www.bbc.com/japanese/articles/c0r1zqzyg4yo
「意味のある協議は、自分とプーチン大統領の間で行われるものだけだ」「プーチンと自分が会談するまでは、何も起こらない」(アメリカのドナルド・トランプ大統領)
「その協議がいつ行われるにせよ、米ロ首脳会談の場にゼレンスキー大統領が招かれる可能性は低いと見られている。」
やれやれ・・・。
米欧にはロシアに対する追加制裁を画策する動きがあるようだが、その発動の可能性はビミョーだ。
西側は、今回の協議を巡る動きの中で、プーチンのロシアが何を考えているかを嫌と言う程感じたに違いない。
今、敢えてウクライナ紛争の結末を分かっていることからだけで予想するなら、ウクライナの完全な降伏しかないだろう。
それ以外の結末は全て虚構か、願望に過ぎない。
しかもだ、それはひとえにウクライナだけの降伏ではない。
直接間接に支援し続けた西側全体の降伏であり、隠しようもない敗北なのだ。
ったく・・・。
衝撃なんてもんじゃなく、絶望的な事態だ。
敗者には相応の負担が求められる。
戦争に勝者はいないとどっかの大統領が言ってたけど(エルドアン)、敗者は存在するからな(そういうことかあ?)。
領土を持つものは領土を、資源を持つものは資源を、国際的地位を持つものはそれを、何も持たないものは将来得るありとあらゆるもの全てを求められる(米国はウクライナにそれを求めた:負け戦だってさ!)。
ぶっちゃけ、戦闘を続けるより多くを失う。
だからこそ、多大の犠牲を伴うと分かっていても為政者はドンパチに踏み切るのだ。
そして、戦闘で失ったものを含めて、敗戦でまた失う。
ロシアは何を得たのか。
プーチンが言うところの「主権国家」としての存立だろう。
世界の誰からも干渉されることなく、自国と他国の運命を決めることが出来る裁量だ。
胸先三寸で裁量される他国はたまったもんじゃないが、それが現実の世界だから仕方ない。
ロシアが払った代償は小さくない。
が、おそらく今後100年くらいは「大ロシア帝国」の看板を掲げ続けることが出来るだろう(そうなのかあ?)。
まあ、浮沈子的にも、ちょっと気が早い感じはするけどな。
欧州大戦争に勝利し、大西洋を望む丘の上にロシア国旗が翻ればそういうことになる。
しかし、メジンスキーが大北方戦争を持ち出したのには驚いたな。
プーチンがピョートル大帝気取りなのは周知だが、ロシア指導部は相当イカれている。
こんな奴らが、核兵器のボタンを握っていると考えると空恐ろしい気がする。
んでもって、もう片方の陣営はトランプが握ってるわけだ(自分でイカれてるって言ってるしな)。
やれやれ・・・。
世界は再び、相互確証破壊の核戦争の時代に逆戻りかもしれない。
浮沈子は正義派じゃない。
ウクライナの統治がどうなろうと、知ったことではない。
マジヤバの事態になる前に、ウクライナでのドンパチ止めて、欧州大戦争が始まるまでのつかの間の平和を取り戻すべきだろう。
それが不都合たと主張する国々は、その事態(戦争の継続)から利益を得ているとしか思えない。
もちろん、ロシアが筆頭だけどな・・・。
<以下追加>ーーーーーーーーーー
(ロシア側 直接協議で“永遠に戦争続ける用意ある” 米紙報道)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20250517/k10014808781000.html
「この場にいる誰かが、愛する人をさらに失うことになるだろう。ロシアは永遠に戦争を続ける用意がある」(ロシア代表団を率いたメジンスキー大統領補佐官)
凄まじい恫喝だな・・・。
首脳会談については含みを持たせた発言も出ている。
「両国の代表団が、一定の合意に達すれば可能だ」(ロシア大統領府のペスコフ報道官)
「首脳会談の開催に必要だとする合意の内容については言及しませんでした。」
ゼレンスキーを正当な統治者として認めないという従来の立場から考えれば、一歩前進と言うところか。
まあ、どーせ、リップサービスに決まってるけどな。
「次のステップには首脳レベルの会談が開催されなければならない」(ウクライナのウメロフ国防相)
ぺスコフの発言は、これに対するやんわりとした、しかし明確な拒否でもある。
代表団の合意が先だと明言したわけだ。
交渉の一般的な手順に従えと。
頭越しにケリを付けようとするのはよせと。
そう簡単に最強のプーチンカードは切れないと。
まあいい。
ちょろちょろ漏れてくる交渉の場での発言は、ロシアの現在の見解を如実に示していると感じられる。
(欧州大戦争:停戦協議:不合意)
https://kfujito2.asablo.jp/blog/2025/05/14/9775444
先日書いたブログの中に出てくるロシア外務次官の発言・・・。
「「交渉の準備ができているのか」という質問は、ウクライナを支援する国々とウクライナ自身に向けられるべきだと指摘。現状のウクライナ側のアプローチは「不合意」を意味する」(ロシアのリャプコフ外務次官)
終わってみれば、正にその通りになった。
米国が、どのようにして鉄壁のロシア外交を突破するつもりなのかは知らない。
いや、ひょっとすると、突破しようとしているのはウクライナの現政権なのかもしれないな・・・。
(ロシアは永遠に戦う覚悟がある、ウクライナ軍が4州から撤退後に停戦)
https://grandfleet.info/war-situation-in-ukraine/russia-ready-to-fight-forever-ceasefire-after-ukrainian-troops-withdraw-from-four-regions/
「4州からの撤退に応じなければハルキウ州とスームィ州を占領すると脅した」「メジンスキー大統領補佐官は目的を達成するためなら何年でも戦う覚悟がある。ウクライナのその覚悟があるのか、と述べた」(Economistの記者)
「外国軍の駐留を認めず大量破壊兵器を保有しない中立的な立場」「ロシアに対する戦争賠償の請求の放棄」「4州とクリミアの喪失受け入れ」「プーチン大統領が停戦に同意するのはウクライナが4州から軍を完全に撤退させてから」「ロシアは5つ地域のロシア主権が国際的に承認されることを望んでいる」(Bloomberg)
「オーストリアモデルに準じたウクライナの中立」「双方が戦争で生じた賠償請求権の放棄」「欧州基準を採用した少数民族の権利保護」「ヘルソン州、ザポリージャ州、ドネツク州、ルハンシク州、クリミアのロシア主権承認」「停戦は5つの地域からウクライナ軍の撤退が完了してから」(ウクライナメディアのRBC-Ukraine)
ウクライナがどんな主張をしたかは知らないが、ロシアの要求(停戦条件)は相当厳しい。
ウクライナとして、非占領地域を含む4州からの撤退は受け入れられないだろうし、エコノミスト誌が報じたようにスムイ州とハルキウ州への侵攻は既に一部行われ、リアリティを持っている。
が、何より特筆すべきなのは、ロシアに停戦の意図が感じられないことだ。
数々の条件は、ウクライナが到底受け入れられないものばかりで、ウクライナに停戦させないための停戦交渉になっている。
「ロシアは永遠に戦う覚悟がある」(再掲)
永遠というのは象徴的な言い回しだが、これがウクライナだけに向けられたものと考えるのは楽観的過ぎるだろう。
「我々はスウェーデンと21年間戦った。」(再掲)
これは、1700年から1721年の大北方戦争を指していると思われるが、んなカビの生えたような話を持ち出しているのは、欧州各国首脳にこの話が深く浸み入ることを念頭にしているからに他ならない。
ロシアにたてつこうとしても無駄だと。
ロシアのメッセージは、既にゼレンスキー政権に向けられたものではなくなっている。
浮沈子的には、欧州だけではなく、特に和平を仲介しようとしている米国に対して向けられているようにも感じる。
ロシアに譲歩を求めても無駄だと。
BBCは、もっと直接的に報じているけどな。
(ロシアとウクライナが対面協議も大きな溝、捕虜1000人ずつ交換で合意)
https://www.bbc.com/japanese/articles/c0r1zqzyg4yo
「意味のある協議は、自分とプーチン大統領の間で行われるものだけだ」「プーチンと自分が会談するまでは、何も起こらない」(アメリカのドナルド・トランプ大統領)
「その協議がいつ行われるにせよ、米ロ首脳会談の場にゼレンスキー大統領が招かれる可能性は低いと見られている。」
やれやれ・・・。
米欧にはロシアに対する追加制裁を画策する動きがあるようだが、その発動の可能性はビミョーだ。
西側は、今回の協議を巡る動きの中で、プーチンのロシアが何を考えているかを嫌と言う程感じたに違いない。
今、敢えてウクライナ紛争の結末を分かっていることからだけで予想するなら、ウクライナの完全な降伏しかないだろう。
それ以外の結末は全て虚構か、願望に過ぎない。
しかもだ、それはひとえにウクライナだけの降伏ではない。
直接間接に支援し続けた西側全体の降伏であり、隠しようもない敗北なのだ。
ったく・・・。
衝撃なんてもんじゃなく、絶望的な事態だ。
敗者には相応の負担が求められる。
戦争に勝者はいないとどっかの大統領が言ってたけど(エルドアン)、敗者は存在するからな(そういうことかあ?)。
領土を持つものは領土を、資源を持つものは資源を、国際的地位を持つものはそれを、何も持たないものは将来得るありとあらゆるもの全てを求められる(米国はウクライナにそれを求めた:負け戦だってさ!)。
ぶっちゃけ、戦闘を続けるより多くを失う。
だからこそ、多大の犠牲を伴うと分かっていても為政者はドンパチに踏み切るのだ。
そして、戦闘で失ったものを含めて、敗戦でまた失う。
ロシアは何を得たのか。
プーチンが言うところの「主権国家」としての存立だろう。
世界の誰からも干渉されることなく、自国と他国の運命を決めることが出来る裁量だ。
胸先三寸で裁量される他国はたまったもんじゃないが、それが現実の世界だから仕方ない。
ロシアが払った代償は小さくない。
が、おそらく今後100年くらいは「大ロシア帝国」の看板を掲げ続けることが出来るだろう(そうなのかあ?)。
まあ、浮沈子的にも、ちょっと気が早い感じはするけどな。
欧州大戦争に勝利し、大西洋を望む丘の上にロシア国旗が翻ればそういうことになる。
しかし、メジンスキーが大北方戦争を持ち出したのには驚いたな。
プーチンがピョートル大帝気取りなのは周知だが、ロシア指導部は相当イカれている。
こんな奴らが、核兵器のボタンを握っていると考えると空恐ろしい気がする。
んでもって、もう片方の陣営はトランプが握ってるわけだ(自分でイカれてるって言ってるしな)。
やれやれ・・・。
世界は再び、相互確証破壊の核戦争の時代に逆戻りかもしれない。
浮沈子は正義派じゃない。
ウクライナの統治がどうなろうと、知ったことではない。
マジヤバの事態になる前に、ウクライナでのドンパチ止めて、欧州大戦争が始まるまでのつかの間の平和を取り戻すべきだろう。
それが不都合たと主張する国々は、その事態(戦争の継続)から利益を得ているとしか思えない。
もちろん、ロシアが筆頭だけどな・・・。
<以下追加>ーーーーーーーーーー
(ロシア側 直接協議で“永遠に戦争続ける用意ある” 米紙報道)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20250517/k10014808781000.html
「この場にいる誰かが、愛する人をさらに失うことになるだろう。ロシアは永遠に戦争を続ける用意がある」(ロシア代表団を率いたメジンスキー大統領補佐官)
凄まじい恫喝だな・・・。
首脳会談については含みを持たせた発言も出ている。
「両国の代表団が、一定の合意に達すれば可能だ」(ロシア大統領府のペスコフ報道官)
「首脳会談の開催に必要だとする合意の内容については言及しませんでした。」
ゼレンスキーを正当な統治者として認めないという従来の立場から考えれば、一歩前進と言うところか。
まあ、どーせ、リップサービスに決まってるけどな。
「次のステップには首脳レベルの会談が開催されなければならない」(ウクライナのウメロフ国防相)
ぺスコフの発言は、これに対するやんわりとした、しかし明確な拒否でもある。
代表団の合意が先だと明言したわけだ。
交渉の一般的な手順に従えと。
頭越しにケリを付けようとするのはよせと。
そう簡単に最強のプーチンカードは切れないと。
まあいい。
ちょろちょろ漏れてくる交渉の場での発言は、ロシアの現在の見解を如実に示していると感じられる。
(欧州大戦争:停戦協議:不合意)
https://kfujito2.asablo.jp/blog/2025/05/14/9775444
先日書いたブログの中に出てくるロシア外務次官の発言・・・。
「「交渉の準備ができているのか」という質問は、ウクライナを支援する国々とウクライナ自身に向けられるべきだと指摘。現状のウクライナ側のアプローチは「不合意」を意味する」(ロシアのリャプコフ外務次官)
終わってみれば、正にその通りになった。
米国が、どのようにして鉄壁のロシア外交を突破するつもりなのかは知らない。
いや、ひょっとすると、突破しようとしているのはウクライナの現政権なのかもしれないな・・・。
😼欧州大戦争:内憂外患:欧州駐留米軍の規模削減 ― 2025年05月17日 20:15
欧州大戦争:内憂外患:欧州駐留米軍の規模削減
(米国、欧州駐留軍削減で年内に同盟国と協議開始=NATO大使)
https://jp.reuters.com/world/ukraine/KM7NP7NDLVOJFMLSR6EF3KAQKA-2025-05-16/
「米国は欧州駐留米軍の規模削減に向け、欧州同盟国との協議を年内に開始する」(米国のウィテカー北大西洋条約機構(NATO)大使)
「年内には確実に会談を開始するだろう。全ての同盟国はその準備ができている」
方向性としては示されていたものの、具体な動きが報じられたのは初めてだろう。
(米国が欧州軍撤退協議の開始を予告、欧共同調達への米企業参加も要求)
https://grandfleet.info/us-related/u-s-warns-of-start-of-talks-to-withdraw-troops-from-europe-calls-for-u-s-companies-to-participate-in-european-joint-procurement/
「国防総省が東欧から最大1万人の兵力削減を検討している」「検討されている兵力削減はウクライナ侵攻を受けてバイデン政権が増派した2万人の一部」「削減の規模については議論が続いている」(NBC News:4月8日)
「まだ何も決まっていないが何れNATOと協議することになる」「6月のNATO首脳会談後か、今年後半には必ず協議が始まるだろう」「同盟国は欧州軍削減に向けた準備が出来ている」「欧州軍削減は我々が30年以上も望んできたことだ」「トランプ大統領も『もう十分だ、今直ぐ削減を実行しよう。秩序ある形で行おう』と言ったばかりだ」「この状況で削減を先延ばしすることには耐えられない」「我々は現実的な結果に対処する必要があるだけ」「米国は完全には撤退しない」「我々は同盟に留まり続けて偉大なパートナー、偉大な同盟国であり続ける」(米国のウィテカーNATO大使)
「トランプ政権が削減する欧州軍の規模は「増派した2万人の一部」なのか「欧州軍本体(約10万人)なのか」は良くわからない」(航空万能論ブログ管理人)
記事は、米国の武器購入についての言及がなされているけど、浮沈子的に関心が薄いので割愛する。
「“トランプ政権はロシアではなく中国を潜在的な敵だと考え、出来るだけ多くの資金を米軍とアジアの同盟国に集中させたいと希望している。陸上戦主体の欧州と海上戦主体の太平洋では軍備に対する要求要件が異なり、欧州の再軍備に米防衛産業の生産力を割けば割くほど太平洋の強化が遅れることになる。逆に欧州が自立すれば太平洋で必要になる艦艇、潜水艦、長距離攻撃兵器に資金を集中させることが出来るだろう”」(Breaking Defense)
戦略的な選択としては悪くないが、干される欧州としては面白くないに違いない。
が、どれだけ防衛産業(やその代弁者の議員ら)が反対しようが、この方針が覆ることはないだろう。
米国に選択の余地はないのだ。
本質的に海洋国家である米国が、大陸国家であるロシアと欧州で対峙するという構図がそもそも間違っている。
急速に海軍力を増強しつつある中国に対して何もしなければ、米国はその本質的地位に基づく優位性を喪失していく。
後手後手に回り、国内産業(造船業)を疲弊させ、既に手遅れに近い状況に追い込まれている。
急速な変更は痛みを伴うが、贅沢は言っていられない。
欧州は切って捨てられる。
「米国は完全には撤退しない」「我々は同盟に留まり続けて偉大なパートナー、偉大な同盟国であり続ける」(再掲)
下手なリップサービスだな・・・。
プーチンは、このシグナルをトランプから受け取っているんだろう。
いつ頃とか、どの程度の規模とかも、アウトラインを掴んでいるはずだ。
米国の支援なき欧州など、赤子の手をひねるようなもんだ(そうなのかあ?)。
後はタイミングだな。
米国とロシアが連携すれば、戦術的効果は抜群だろう。
我々は、既にクルスク侵攻の結末において、その凄まじい結果を見せつけられている(そういうことだったのかあ?)。
痩せても枯れても、両軍は戦争のプロだ。
米国にとって、ロシアは最早敵じゃない。
世界を共に統べるパートナーだ。
逆に米国は、ロシアに同じように(世界を共に統べるパートナーとして)認めてもらわなければならない立場だ。
中国じゃなくって!。
まあ、この先どうなるかは分からない。
短期中期長期で、戦略目標も変わってくる。
重要なのは、そこに欧州は出てこないということなわけだ。
彼らは、米国にとってもロシアにとっても中国にとっても、パートナーじゃない。
じゃあ、何なのか?。
バイデン政権で国務長官を務めたアントニーブリンケンは、「テーブルに就くか、メニューに載るか」という表現をしてたな。
(【グローバルアイ】「テーブルに就くか、メニューに載るか」 中国を高ぶらせた米国務長官の発言)
https://japanese.joins.com/JArticle/316548?sectcode=120&servcode=100
「司会者は「米中の緊張がさらに深い分裂につながっていて、米中が同盟を巡って競争している」とし、米国の立場を聞いた。」
「米国外交指令塔はこの時、決心したように食卓・メニュー論を取り出した。」
「国際システムの中ではテーブルに就けなければメニューに載ることになる」
「米中競争が新たに格闘技段階に入った」
当時の各国の反応が凄まじい。
・中国
・・官営新華社が英文コラムでブリンケンを小説・映画の中の食人犯「ハンニバル・レクター」にたとえた。「ワシントンが無慈悲なゼロサムを追求している」と論評
・・環球時報が「中国語に翻訳すれば『剣の柄を握ることができなければ肉となる』という意味」としながら「弱肉強食の世界観に不気味な冷酷さと寒気が現れている」という非難社説を掲載
・北朝鮮
・・労働新聞に「米国にこれ以上『食道楽』を享受させてはならない」と猛非難する論評を掲載
・台湾
・・台湾新聞は「米国の戦略と地政学的思考が変わり、米国の国力が衰退しながら出てきた発言」としながら「トランプのような孤立主義志向の大統領当選が有力であること自体が自由主義価値外交界が失敗した事実を反映している」と懸念した。また「食卓でなければメニューという比喩は赤裸々だが現実的」としながら政府与党に警鐘
最期の台湾新聞の見立ては、浮沈子と同じだな。
確認しておこう。
欧州は既にメニューに載っている。
その自覚がないままに、徐々に手足を食いちぎられていくだろう。
まずは、ウクライナからだ。
そしてバルト3国やポーランドなどの東欧諸国、やがては北欧や南欧も。
米国は、世界統治のパートナーとしてのロシアに、手土産として欧州を与えることに決めたようだ(そういうことかあ?)。
The world is changing.
西太平洋地域も風雲急を告げるだろう。
ここには、いくつもの地政学的地雷があるからな。
欧州は遠い国の話だが、北方領土、朝鮮半島、台湾、南シナ海は、目と鼻の先の出来事になる。
沖縄やグアムだって、安泰とは限らない(グアムはヤバいかも!)。
フィリピンも一触即発だし、南太平洋ではオーストラリアが焦点だ。
米軍が急速に太平洋にシフトすれば、確実に緊張は高まる。
欧州がロシアの餌になるのを眺めている余裕はないだろう。
米軍の欧州撤退は、我が国にとって他人事などではない。
泣いて縋って米軍に留まってもらわなければならない立場だ。
「テーブルに就くか、メニューに載るか」(再掲)
今日のニュースは、緊張感を持って受け止めないとな・・・。
<以下追加>ーーーーーーーーーー
(トランプ路線か親欧州か 東欧2国で18日大統領選)
https://www.jiji.com/jc/article?k=2025051700320&g=int
「東欧ポーランドとルーマニアで18日、それぞれ大統領選が実施される。」
「対ロシア抑止の要である駐留米軍の両国からの一部撤退も取り沙汰され、対米関係の見直しが争点の一つとなっている。」
ポーランドはヤバいからな。
米軍が引けば、即ロシアの餌食だ(そうなのかあ?)。
「トゥスク首相は、トランプ政権が欧州の安全保障への関与に消極姿勢を示す中、周辺国との防衛協力に比重を移している。」
親米派は、それに対抗してトランプ詣でして米軍の引き留めを計ろうというんだろうが、中長期的には焼け石に水だ。
「自国第一を掲げるナブロツキ氏は今月1日、ホワイトハウスでトランプ氏と面会し、米国との親和性をアピール」
結果は何とも言えないけど、情勢としては「トゥスク氏率いる中道右派「市民プラットフォーム(PO)」のチャスコフスキ・ワルシャワ市長が支持率首位」となっている(過半数には未達:来月1日の決選投票にもつれ込む公算が大きい)。
ルーマニアはどうか。
「ルーマニアでは、第1回投票を首位通過した極右政党「ルーマニア人統一同盟」のシミオン党首と、中道のダン・ブカレスト市長が対決」
「シミオン氏はかつて、隣接するモルドバとウクライナ領土の併合を主張し、両国から入国を禁止されている。」
うーん、過激だ・・・。
「ロシアの侵攻を受けるウクライナへの軍事支援に反対の立場」
「ルーマニアでは、無効となった昨年11月の第1回投票で自国第一を訴えて最多票を獲得したジョルジェスク氏が、不正を指摘されて出馬を禁じられた。シミオン氏は、大統領就任後にジョルジェスク氏を要職に起用すると示唆し、共闘姿勢を打ち出している。」
こっちは、当選の可能性が高いな(未確認)。
浮沈子的関心は、欧州が一枚岩ではないということ、そこに米軍の撤退が絡んでいること、右派勢力の台頭で、ウクライナ支援に対して徐々に亀裂が入りつつあることだ。
「ハンガリーのオルバン首相やスロバキアのフィツォ首相が、トランプ氏に共鳴」
「欧州連合(EU)や北大西洋条約機構(NATO)で、自国最優先の立場から結束を乱してきた」
最近では、ブルガリア大統領の発言とかもあった(ウクライナへの軍事支援反対!)。
「欧州諸国は新たな「問題児」の誕生に身構えている。」
問題児ねえ・・・。
欧州は、一致団結してロシアと対峙していかなければならないし、ウクライナ支援もその文脈の中で行われてきた。
おまけに、米軍撤退にも対処しなければならない。
問題児にかまけている暇はないのだ。
欧州の最大の問題点は、多様な国家の集合体であることに尽きる。
内部に本質的に抱えた問題でもある。
つまり、解決できない。
通貨統合し、シェンゲン協定で国境を撤廃しているだけでも奇跡に近い。
ウクライナ支援は、欧州全体から有志連合へとスキームが移行しつつある。
ポーランドは大丈夫かもしれないが、ルーマニアは危ないな・・・。
(米国、欧州駐留軍削減で年内に同盟国と協議開始=NATO大使)
https://jp.reuters.com/world/ukraine/KM7NP7NDLVOJFMLSR6EF3KAQKA-2025-05-16/
「米国は欧州駐留米軍の規模削減に向け、欧州同盟国との協議を年内に開始する」(米国のウィテカー北大西洋条約機構(NATO)大使)
「年内には確実に会談を開始するだろう。全ての同盟国はその準備ができている」
方向性としては示されていたものの、具体な動きが報じられたのは初めてだろう。
(米国が欧州軍撤退協議の開始を予告、欧共同調達への米企業参加も要求)
https://grandfleet.info/us-related/u-s-warns-of-start-of-talks-to-withdraw-troops-from-europe-calls-for-u-s-companies-to-participate-in-european-joint-procurement/
「国防総省が東欧から最大1万人の兵力削減を検討している」「検討されている兵力削減はウクライナ侵攻を受けてバイデン政権が増派した2万人の一部」「削減の規模については議論が続いている」(NBC News:4月8日)
「まだ何も決まっていないが何れNATOと協議することになる」「6月のNATO首脳会談後か、今年後半には必ず協議が始まるだろう」「同盟国は欧州軍削減に向けた準備が出来ている」「欧州軍削減は我々が30年以上も望んできたことだ」「トランプ大統領も『もう十分だ、今直ぐ削減を実行しよう。秩序ある形で行おう』と言ったばかりだ」「この状況で削減を先延ばしすることには耐えられない」「我々は現実的な結果に対処する必要があるだけ」「米国は完全には撤退しない」「我々は同盟に留まり続けて偉大なパートナー、偉大な同盟国であり続ける」(米国のウィテカーNATO大使)
「トランプ政権が削減する欧州軍の規模は「増派した2万人の一部」なのか「欧州軍本体(約10万人)なのか」は良くわからない」(航空万能論ブログ管理人)
記事は、米国の武器購入についての言及がなされているけど、浮沈子的に関心が薄いので割愛する。
「“トランプ政権はロシアではなく中国を潜在的な敵だと考え、出来るだけ多くの資金を米軍とアジアの同盟国に集中させたいと希望している。陸上戦主体の欧州と海上戦主体の太平洋では軍備に対する要求要件が異なり、欧州の再軍備に米防衛産業の生産力を割けば割くほど太平洋の強化が遅れることになる。逆に欧州が自立すれば太平洋で必要になる艦艇、潜水艦、長距離攻撃兵器に資金を集中させることが出来るだろう”」(Breaking Defense)
戦略的な選択としては悪くないが、干される欧州としては面白くないに違いない。
が、どれだけ防衛産業(やその代弁者の議員ら)が反対しようが、この方針が覆ることはないだろう。
米国に選択の余地はないのだ。
本質的に海洋国家である米国が、大陸国家であるロシアと欧州で対峙するという構図がそもそも間違っている。
急速に海軍力を増強しつつある中国に対して何もしなければ、米国はその本質的地位に基づく優位性を喪失していく。
後手後手に回り、国内産業(造船業)を疲弊させ、既に手遅れに近い状況に追い込まれている。
急速な変更は痛みを伴うが、贅沢は言っていられない。
欧州は切って捨てられる。
「米国は完全には撤退しない」「我々は同盟に留まり続けて偉大なパートナー、偉大な同盟国であり続ける」(再掲)
下手なリップサービスだな・・・。
プーチンは、このシグナルをトランプから受け取っているんだろう。
いつ頃とか、どの程度の規模とかも、アウトラインを掴んでいるはずだ。
米国の支援なき欧州など、赤子の手をひねるようなもんだ(そうなのかあ?)。
後はタイミングだな。
米国とロシアが連携すれば、戦術的効果は抜群だろう。
我々は、既にクルスク侵攻の結末において、その凄まじい結果を見せつけられている(そういうことだったのかあ?)。
痩せても枯れても、両軍は戦争のプロだ。
米国にとって、ロシアは最早敵じゃない。
世界を共に統べるパートナーだ。
逆に米国は、ロシアに同じように(世界を共に統べるパートナーとして)認めてもらわなければならない立場だ。
中国じゃなくって!。
まあ、この先どうなるかは分からない。
短期中期長期で、戦略目標も変わってくる。
重要なのは、そこに欧州は出てこないということなわけだ。
彼らは、米国にとってもロシアにとっても中国にとっても、パートナーじゃない。
じゃあ、何なのか?。
バイデン政権で国務長官を務めたアントニーブリンケンは、「テーブルに就くか、メニューに載るか」という表現をしてたな。
(【グローバルアイ】「テーブルに就くか、メニューに載るか」 中国を高ぶらせた米国務長官の発言)
https://japanese.joins.com/JArticle/316548?sectcode=120&servcode=100
「司会者は「米中の緊張がさらに深い分裂につながっていて、米中が同盟を巡って競争している」とし、米国の立場を聞いた。」
「米国外交指令塔はこの時、決心したように食卓・メニュー論を取り出した。」
「国際システムの中ではテーブルに就けなければメニューに載ることになる」
「米中競争が新たに格闘技段階に入った」
当時の各国の反応が凄まじい。
・中国
・・官営新華社が英文コラムでブリンケンを小説・映画の中の食人犯「ハンニバル・レクター」にたとえた。「ワシントンが無慈悲なゼロサムを追求している」と論評
・・環球時報が「中国語に翻訳すれば『剣の柄を握ることができなければ肉となる』という意味」としながら「弱肉強食の世界観に不気味な冷酷さと寒気が現れている」という非難社説を掲載
・北朝鮮
・・労働新聞に「米国にこれ以上『食道楽』を享受させてはならない」と猛非難する論評を掲載
・台湾
・・台湾新聞は「米国の戦略と地政学的思考が変わり、米国の国力が衰退しながら出てきた発言」としながら「トランプのような孤立主義志向の大統領当選が有力であること自体が自由主義価値外交界が失敗した事実を反映している」と懸念した。また「食卓でなければメニューという比喩は赤裸々だが現実的」としながら政府与党に警鐘
最期の台湾新聞の見立ては、浮沈子と同じだな。
確認しておこう。
欧州は既にメニューに載っている。
その自覚がないままに、徐々に手足を食いちぎられていくだろう。
まずは、ウクライナからだ。
そしてバルト3国やポーランドなどの東欧諸国、やがては北欧や南欧も。
米国は、世界統治のパートナーとしてのロシアに、手土産として欧州を与えることに決めたようだ(そういうことかあ?)。
The world is changing.
西太平洋地域も風雲急を告げるだろう。
ここには、いくつもの地政学的地雷があるからな。
欧州は遠い国の話だが、北方領土、朝鮮半島、台湾、南シナ海は、目と鼻の先の出来事になる。
沖縄やグアムだって、安泰とは限らない(グアムはヤバいかも!)。
フィリピンも一触即発だし、南太平洋ではオーストラリアが焦点だ。
米軍が急速に太平洋にシフトすれば、確実に緊張は高まる。
欧州がロシアの餌になるのを眺めている余裕はないだろう。
米軍の欧州撤退は、我が国にとって他人事などではない。
泣いて縋って米軍に留まってもらわなければならない立場だ。
「テーブルに就くか、メニューに載るか」(再掲)
今日のニュースは、緊張感を持って受け止めないとな・・・。
<以下追加>ーーーーーーーーーー
(トランプ路線か親欧州か 東欧2国で18日大統領選)
https://www.jiji.com/jc/article?k=2025051700320&g=int
「東欧ポーランドとルーマニアで18日、それぞれ大統領選が実施される。」
「対ロシア抑止の要である駐留米軍の両国からの一部撤退も取り沙汰され、対米関係の見直しが争点の一つとなっている。」
ポーランドはヤバいからな。
米軍が引けば、即ロシアの餌食だ(そうなのかあ?)。
「トゥスク首相は、トランプ政権が欧州の安全保障への関与に消極姿勢を示す中、周辺国との防衛協力に比重を移している。」
親米派は、それに対抗してトランプ詣でして米軍の引き留めを計ろうというんだろうが、中長期的には焼け石に水だ。
「自国第一を掲げるナブロツキ氏は今月1日、ホワイトハウスでトランプ氏と面会し、米国との親和性をアピール」
結果は何とも言えないけど、情勢としては「トゥスク氏率いる中道右派「市民プラットフォーム(PO)」のチャスコフスキ・ワルシャワ市長が支持率首位」となっている(過半数には未達:来月1日の決選投票にもつれ込む公算が大きい)。
ルーマニアはどうか。
「ルーマニアでは、第1回投票を首位通過した極右政党「ルーマニア人統一同盟」のシミオン党首と、中道のダン・ブカレスト市長が対決」
「シミオン氏はかつて、隣接するモルドバとウクライナ領土の併合を主張し、両国から入国を禁止されている。」
うーん、過激だ・・・。
「ロシアの侵攻を受けるウクライナへの軍事支援に反対の立場」
「ルーマニアでは、無効となった昨年11月の第1回投票で自国第一を訴えて最多票を獲得したジョルジェスク氏が、不正を指摘されて出馬を禁じられた。シミオン氏は、大統領就任後にジョルジェスク氏を要職に起用すると示唆し、共闘姿勢を打ち出している。」
こっちは、当選の可能性が高いな(未確認)。
浮沈子的関心は、欧州が一枚岩ではないということ、そこに米軍の撤退が絡んでいること、右派勢力の台頭で、ウクライナ支援に対して徐々に亀裂が入りつつあることだ。
「ハンガリーのオルバン首相やスロバキアのフィツォ首相が、トランプ氏に共鳴」
「欧州連合(EU)や北大西洋条約機構(NATO)で、自国最優先の立場から結束を乱してきた」
最近では、ブルガリア大統領の発言とかもあった(ウクライナへの軍事支援反対!)。
「欧州諸国は新たな「問題児」の誕生に身構えている。」
問題児ねえ・・・。
欧州は、一致団結してロシアと対峙していかなければならないし、ウクライナ支援もその文脈の中で行われてきた。
おまけに、米軍撤退にも対処しなければならない。
問題児にかまけている暇はないのだ。
欧州の最大の問題点は、多様な国家の集合体であることに尽きる。
内部に本質的に抱えた問題でもある。
つまり、解決できない。
通貨統合し、シェンゲン協定で国境を撤廃しているだけでも奇跡に近い。
ウクライナ支援は、欧州全体から有志連合へとスキームが移行しつつある。
ポーランドは大丈夫かもしれないが、ルーマニアは危ないな・・・。
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