🐱ウクライナ降伏不可避:指図 ― 2024年04月01日 04:17
ウクライナ降伏不可避:指図
(「誰の指図も…」 ゼレンスキー氏側近、米中けん制発言で解任か)
https://mainichi.jp/articles/20240331/k00/00m/030/040000c
「我々はロシアでの攻撃対象について誰の指図も受けない。我々はそれらを破壊するだけだ」(3月下旬に更迭されたウクライナのダニロフ前国家安全保障国防会議書記)
(高官更迭続くウクライナ、政権内不和か 「ロシアと変わらぬ」危惧も)
https://mainichi.jp/articles/20240331/k00/00m/030/039000c
「近く駐ノルウェー大使に転出するとも報じられている。」
タカ派的発言を繰り返してきた同氏の更迭で見えてくるのは、ウクライナが西側の支援を当てにしているだけでないことは確かだ。
戦場の状況は、ウクライナにとって好ましからざる結果を導きかねない。
(ウクライナ軍、米支援なければ「徐々に」退却へ=ゼレンスキー氏)
https://jp.reuters.com/world/ukraine/ICPDTNNR7NKQVBNM4EQJ6GAVXM-2024-03-30/
「米国からの支援がなければ、われわれには防空能力も、パトリオットミサイルも、電子戦妨害装置も、155ミリ砲もないということになる。それは、一歩ずつ、徐々に退却を強いられるということだ」
「退却しなくて済む方策を考えている」
ゼレンスキー大統領の発言から見えてくるのは、米国の支援の遅れが、何をもたらすかということだな。
時間が経てば経つ程、ウクライナの領土はロシアに蚕食されていく。
ウクライナは、真面目に停戦交渉を考えているのではないのか。
占領地の全面奪還ではなく、本音は一刻も早く停戦したいのではないか。
それを妨げているのは、国内的には強硬派であり、国外では支援国そのものなのかもしれない。
浮沈子的に注目したのは、ダニロフ氏の更迭の記事に出てきた中国への批判の話だ。
「またダニロフ氏は中国への警戒感も隠してこなかった。3月19日に出演した国営テレビでは、ロシアとの停戦や和平交渉を促す中国の姿勢にいらだちを吐露。」
「ウクライナは条件を指示されることはないし、領土の主権を奪われることもない」(ダニロフ氏)
「ウクライナ政府はロシアへの影響力を持つ中国との外交も重視しており、ダニロフ氏の更迭には、中国との関係悪化を防ぐ思惑があったとも推察されている。」
ウクライナの最大の貿易相手国は、ポーランドでもなければロシアでもドイツでもない。
輸出入とも、中国が最大の貿易相手国になっている。
(第Ⅰ部 第1章 世界経済に対する地政学的不確実性の高まりと経済リスク)
https://www.meti.go.jp/report/tsuhaku2022/2022honbun/i1110000.html
「2021年のウクライナの主要な輸出相手国は、中国(全体の11.7%)、ポーランド(同7.7%)、トルコ(同6.1%)、イタリア(同5.1%)、ロシア(同4.2%)であり、主要な輸入相手国は、中国(全体の15.2%)、ドイツ(同8.5%)、ロシア(同8.5%)、ポーランド(6.9%)、ベラルーシ(同6.7%)」
と同時に、中国はウクライナにとっては、停戦の仲介国として、ロシアとの接点になっている。
米国は、仲介できないからな(武器の供与している戦争当事国だ)。
インドとかでなければ、中立の立場で交渉の仲立ちをすることは出来ない。
まあいい。
1年前、中国が仲介に乗り出した時、米国は慌てて止めに入ったからな。
今は、その米国の状況が、停戦を現実のものとしつつある。
ウクライナは、早く停戦すればするほど、失うものが少ない状況になっちまっているからな。
5月以降に想定されているロシアの大規模攻撃が行われれば、さらに多くの領土を失うことになりかねない。
戦争研究所は、3月、非線形的な侵略の可能性が高まっていると警告している。
(【抄訳】ISW ロシアによる攻勢戦役評価 2045 ET 28.03.2024 「“非線形的”に起こりうるウクライナ情勢の悪化」)
https://note.com/panzergraf/n/ne1653d6a53bd?magazine_key=m78ab544d4ddd
「日本語訳
戦線全体でロシア軍が大規模な戦術的戦果をあげることを、ウクライナは現在、阻止しているが、米国からの安全保障支援の継続的な遅れは、もしかすると加速的なかたちで生じるかもしれない非線形的な[*注:状況の悪化/好転が反比例的/比例的に進むのではないということ]作戦レベルでのロシアの成功という脅威を高めることになる可能性が高い。」
「3月28日に公開されたCBSニュースのインタビューのなかで、ウクライナのウォロディミル・ゼレンシキー大統領は、2023年から2024年にかけての冬季にウクライナ軍がロシア軍の前進を何とか抑え込むことができたと語り、ウクライナ軍は作戦状況を安定化させているとも述べた。」
「2024年5月もしくは6月に想定されるロシア軍の新たな大規模攻勢発動に対する防衛準備が、ウクライナ軍には整っていない」
「現在のロシア軍の前進ペースが比較的遅いにもかかわらず、あまり十分な物資供給がなされていない地区におけるロシア軍の突破発生のリスクは高まり、前線全般は一見したところ以上に脆くなっている。」
「ISWの評価では、2023年10月にロシア軍が攻勢作戦を発動して以降、同軍は505平方kmの領土を奪取しており、2024年1月1日から3月28日の間に、2023年の最後の3カ月間よりも100平方km分多く支配領土を増やしている(この進撃ペースの理由は、ウクライナ側の物資不足と、秋よりも作戦行動に良好な冬の気象の組み合わせにあるのかもしれない)。」
「ロシア軍が今後、作戦レベルでの大戦果をあげるという、非線形的に生じうる、さらに厄介な機会を招く可能性がある。」
「物資不足が長々と続き、マンパワー問題への取り組み方をウクライナが決められない状況が続けば、ウクライナ側の弱みにつけ込む機会の幅は広がっていくだろう。」
以下、詳細な言及が続くが、オリジナルはこのページで確認できる。
(ロシア攻撃キャンペーンの評価、2024 年 3 月 28 日)
https://www.understandingwar.org/backgrounder/russian-offensive-campaign-assessment-march-28-2024
「ウクライナは現在、ロシア軍が前線全体で大きな戦術的進歩を遂げることを妨げているが、米国の安全保障支援の継続的な遅れは、非線形的、おそらくは指数関数的な方法を含め、ロシアの作戦成功の脅威を拡大する可能性が高い。」
米国議会下院に、支援の法案の採決を促すとはいえ、非線形的とか指数関数的などという表現を使って、ほぼ膠着状態からの劇的な変化(ウクライナにとっては敗北)を示唆している。
物資不足、兵員不足に加え、最近ではエネルギーインフラに対する攻撃が続いている。
ロシア側は、ウクライナの兵器産業に対するエネルギー供給の遮断を目指していると言うが、効果は不明だ。
遅かれ早かれ、西側の支援は再開され、砲弾もロケット弾も、戦闘に必要なだけ供給されるだろう。
が、兵員不足だけはウクライナ自身が動くしかない。
マクロンが、どれだけ息巻いて見せても、NATOは動かないからな。
そんな中、きな臭い話も出ている。
(旧ソ連の核戦争用指揮車、ウクライナの前線に現る 生産数わずか数両)
https://forbesjapan.com/articles/detail/70011
「今週、ウクライナ東部のクレミンナの森近くで、ラドガらしい車両がウクライナ側の防御線に向けて突っ込んでくるのを、ウクライナ軍のドローン(無人機)が見つけた。続いてラドガは同じドローンの体当たり攻撃を食らった。」
デビッドアックスは、ロシアが車両不足で、「場違いな車両」を前線に投入したとみているが、ゴルフカートはともかくとして、核戦争指揮偵察車が出てくることは穏やかな話ではない。
プーチンは繰り返し、戦術核の使用はないと主張しているけど、浮沈子は全く信用していない。
表向きはともかく、ロシアの核戦争への敷居は、驚くほど低いと見ている。
戦略核兵器は、使われることを前提として作られ、配備されているし、秘密のベールに包まれた戦術核は、ひょっとしたらもう、ウクライナ国内(占領地域)に持ち込まれているかもしれない。
もちろん、クリミアにもな。
ウクライナが再度、反転攻勢を掛けた場合、戦場でキノコ雲が上がる可能性は高い。
「ダニロフ氏は「なぜ我々は今、戦争状態にあるのか」と切り出し、批判の矛先を西側諸国に向けた。ソ連崩壊(1991年)後にウクライナに残された核弾頭の放棄と引き換えに、ウクライナの領土保全を米英露の3カ国が約束した「ブダペスト覚書」(94年)に言及。」(毎日)
「覚書が結果としてロシアにほごにされたことを挙げ、「我々は国土を守るための兵器を奪われたまま、ロシアと向き合わなければならなくなった」と米英を糾弾した。」
ウクライナが持っていた核兵器が、戦術核だったかどうかは知らない。
ソ連崩壊時、世界第3位の核兵器保有国だったわけで、それをキープしていればロシアに舐められることもなかったに相違ない。
核兵器は、ウクライナ紛争の通奏低音のように、いかなる時でも使われ得るリスクを伴っている。
兵器は、使われるために作られ、実際に使われる。
わが国に投下された原子爆弾は、ナチスに対して使われるはずのものだったに違いないが、その前にドイツは負けちまったからな。
どっか使うところはないかと考えた挙句、我が国に落とされたわけで、想定外の使い方をされたことになる。
東京湾が投下の候補に上がっていたことも分かっており、実際に落とされていれば、千葉県、東京都、神奈川県の東京湾沿岸部は壊滅していたに違いない(被害は、広島や長崎より数倍大きい)。
米国は恐ろしいことを考えていたわけで、ロシアが具体にどこに落とすことを考えているかは想像するのもおぞましい気がする。
欧州大戦争が勃発すれば、その際に戦術核が使われることは必然だ(通常戦力を補うため)。
その製造は、秘中の秘になっているんだろうが、今、この瞬間も増産されているに違いない。
本番の欧州大戦争で使う核兵器を、ウクライナ戦線でお試しで使うことは十分想定される。
バーンズ(CIA長官)は、ロシアの高官に直接、核兵器の使用が行われた際の影響について伝えていると言われている。
その、ロシア側のカウンターパートであるナルイシキン対外情報局長官は、マクロンの派兵発言を受けて、平気で核戦争のリスクを指摘したからな・・・。
米国が何と言おうと、使う時には使うという態度を鮮明にしている。
浮沈子は、この話は対フランスではなく、対米のメッセージだと見ている。
おまいらの脅しには屈しないぞって!(そうなのかあ?)。
まあ、どうでもいいんですが。
ウクライナは、核兵器が使用されるだろうことを見越しているのかもしれない。
再度の反転攻勢ではなく、非線形的指数関数的大規模侵略の際の一つのツールとして、ふつーに使われる可能性を見ているに違いない。
核戦争指揮偵察車(ラドガ)の投入は、もちろん、ロシアの車両不足が大きな原因かもしれないが、その通常戦での運用は、逆に、核戦争が通常戦争の一部として位置付けられていることを伺わせる。
前線で、いつ核兵器が使われてもおかしくはない。
プーチンは、F-16戦闘機の投入に際しても、核兵器搭載可能であることを持ち出して西側をけん制している。
(プーチン大統領“F16戦闘機 出撃基地は第三国でも攻撃対象に”)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240328/k10014405461000.html
「・・・F16は核兵器の搭載が可能なことを考慮する必要がある」(プーチン大統領)
まあ、F-16が西側の核兵器積んで前線で爆発させれば、洒落にならんけどな・・・。
(「誰の指図も…」 ゼレンスキー氏側近、米中けん制発言で解任か)
https://mainichi.jp/articles/20240331/k00/00m/030/040000c
「我々はロシアでの攻撃対象について誰の指図も受けない。我々はそれらを破壊するだけだ」(3月下旬に更迭されたウクライナのダニロフ前国家安全保障国防会議書記)
(高官更迭続くウクライナ、政権内不和か 「ロシアと変わらぬ」危惧も)
https://mainichi.jp/articles/20240331/k00/00m/030/039000c
「近く駐ノルウェー大使に転出するとも報じられている。」
タカ派的発言を繰り返してきた同氏の更迭で見えてくるのは、ウクライナが西側の支援を当てにしているだけでないことは確かだ。
戦場の状況は、ウクライナにとって好ましからざる結果を導きかねない。
(ウクライナ軍、米支援なければ「徐々に」退却へ=ゼレンスキー氏)
https://jp.reuters.com/world/ukraine/ICPDTNNR7NKQVBNM4EQJ6GAVXM-2024-03-30/
「米国からの支援がなければ、われわれには防空能力も、パトリオットミサイルも、電子戦妨害装置も、155ミリ砲もないということになる。それは、一歩ずつ、徐々に退却を強いられるということだ」
「退却しなくて済む方策を考えている」
ゼレンスキー大統領の発言から見えてくるのは、米国の支援の遅れが、何をもたらすかということだな。
時間が経てば経つ程、ウクライナの領土はロシアに蚕食されていく。
ウクライナは、真面目に停戦交渉を考えているのではないのか。
占領地の全面奪還ではなく、本音は一刻も早く停戦したいのではないか。
それを妨げているのは、国内的には強硬派であり、国外では支援国そのものなのかもしれない。
浮沈子的に注目したのは、ダニロフ氏の更迭の記事に出てきた中国への批判の話だ。
「またダニロフ氏は中国への警戒感も隠してこなかった。3月19日に出演した国営テレビでは、ロシアとの停戦や和平交渉を促す中国の姿勢にいらだちを吐露。」
「ウクライナは条件を指示されることはないし、領土の主権を奪われることもない」(ダニロフ氏)
「ウクライナ政府はロシアへの影響力を持つ中国との外交も重視しており、ダニロフ氏の更迭には、中国との関係悪化を防ぐ思惑があったとも推察されている。」
ウクライナの最大の貿易相手国は、ポーランドでもなければロシアでもドイツでもない。
輸出入とも、中国が最大の貿易相手国になっている。
(第Ⅰ部 第1章 世界経済に対する地政学的不確実性の高まりと経済リスク)
https://www.meti.go.jp/report/tsuhaku2022/2022honbun/i1110000.html
「2021年のウクライナの主要な輸出相手国は、中国(全体の11.7%)、ポーランド(同7.7%)、トルコ(同6.1%)、イタリア(同5.1%)、ロシア(同4.2%)であり、主要な輸入相手国は、中国(全体の15.2%)、ドイツ(同8.5%)、ロシア(同8.5%)、ポーランド(6.9%)、ベラルーシ(同6.7%)」
と同時に、中国はウクライナにとっては、停戦の仲介国として、ロシアとの接点になっている。
米国は、仲介できないからな(武器の供与している戦争当事国だ)。
インドとかでなければ、中立の立場で交渉の仲立ちをすることは出来ない。
まあいい。
1年前、中国が仲介に乗り出した時、米国は慌てて止めに入ったからな。
今は、その米国の状況が、停戦を現実のものとしつつある。
ウクライナは、早く停戦すればするほど、失うものが少ない状況になっちまっているからな。
5月以降に想定されているロシアの大規模攻撃が行われれば、さらに多くの領土を失うことになりかねない。
戦争研究所は、3月、非線形的な侵略の可能性が高まっていると警告している。
(【抄訳】ISW ロシアによる攻勢戦役評価 2045 ET 28.03.2024 「“非線形的”に起こりうるウクライナ情勢の悪化」)
https://note.com/panzergraf/n/ne1653d6a53bd?magazine_key=m78ab544d4ddd
「日本語訳
戦線全体でロシア軍が大規模な戦術的戦果をあげることを、ウクライナは現在、阻止しているが、米国からの安全保障支援の継続的な遅れは、もしかすると加速的なかたちで生じるかもしれない非線形的な[*注:状況の悪化/好転が反比例的/比例的に進むのではないということ]作戦レベルでのロシアの成功という脅威を高めることになる可能性が高い。」
「3月28日に公開されたCBSニュースのインタビューのなかで、ウクライナのウォロディミル・ゼレンシキー大統領は、2023年から2024年にかけての冬季にウクライナ軍がロシア軍の前進を何とか抑え込むことができたと語り、ウクライナ軍は作戦状況を安定化させているとも述べた。」
「2024年5月もしくは6月に想定されるロシア軍の新たな大規模攻勢発動に対する防衛準備が、ウクライナ軍には整っていない」
「現在のロシア軍の前進ペースが比較的遅いにもかかわらず、あまり十分な物資供給がなされていない地区におけるロシア軍の突破発生のリスクは高まり、前線全般は一見したところ以上に脆くなっている。」
「ISWの評価では、2023年10月にロシア軍が攻勢作戦を発動して以降、同軍は505平方kmの領土を奪取しており、2024年1月1日から3月28日の間に、2023年の最後の3カ月間よりも100平方km分多く支配領土を増やしている(この進撃ペースの理由は、ウクライナ側の物資不足と、秋よりも作戦行動に良好な冬の気象の組み合わせにあるのかもしれない)。」
「ロシア軍が今後、作戦レベルでの大戦果をあげるという、非線形的に生じうる、さらに厄介な機会を招く可能性がある。」
「物資不足が長々と続き、マンパワー問題への取り組み方をウクライナが決められない状況が続けば、ウクライナ側の弱みにつけ込む機会の幅は広がっていくだろう。」
以下、詳細な言及が続くが、オリジナルはこのページで確認できる。
(ロシア攻撃キャンペーンの評価、2024 年 3 月 28 日)
https://www.understandingwar.org/backgrounder/russian-offensive-campaign-assessment-march-28-2024
「ウクライナは現在、ロシア軍が前線全体で大きな戦術的進歩を遂げることを妨げているが、米国の安全保障支援の継続的な遅れは、非線形的、おそらくは指数関数的な方法を含め、ロシアの作戦成功の脅威を拡大する可能性が高い。」
米国議会下院に、支援の法案の採決を促すとはいえ、非線形的とか指数関数的などという表現を使って、ほぼ膠着状態からの劇的な変化(ウクライナにとっては敗北)を示唆している。
物資不足、兵員不足に加え、最近ではエネルギーインフラに対する攻撃が続いている。
ロシア側は、ウクライナの兵器産業に対するエネルギー供給の遮断を目指していると言うが、効果は不明だ。
遅かれ早かれ、西側の支援は再開され、砲弾もロケット弾も、戦闘に必要なだけ供給されるだろう。
が、兵員不足だけはウクライナ自身が動くしかない。
マクロンが、どれだけ息巻いて見せても、NATOは動かないからな。
そんな中、きな臭い話も出ている。
(旧ソ連の核戦争用指揮車、ウクライナの前線に現る 生産数わずか数両)
https://forbesjapan.com/articles/detail/70011
「今週、ウクライナ東部のクレミンナの森近くで、ラドガらしい車両がウクライナ側の防御線に向けて突っ込んでくるのを、ウクライナ軍のドローン(無人機)が見つけた。続いてラドガは同じドローンの体当たり攻撃を食らった。」
デビッドアックスは、ロシアが車両不足で、「場違いな車両」を前線に投入したとみているが、ゴルフカートはともかくとして、核戦争指揮偵察車が出てくることは穏やかな話ではない。
プーチンは繰り返し、戦術核の使用はないと主張しているけど、浮沈子は全く信用していない。
表向きはともかく、ロシアの核戦争への敷居は、驚くほど低いと見ている。
戦略核兵器は、使われることを前提として作られ、配備されているし、秘密のベールに包まれた戦術核は、ひょっとしたらもう、ウクライナ国内(占領地域)に持ち込まれているかもしれない。
もちろん、クリミアにもな。
ウクライナが再度、反転攻勢を掛けた場合、戦場でキノコ雲が上がる可能性は高い。
「ダニロフ氏は「なぜ我々は今、戦争状態にあるのか」と切り出し、批判の矛先を西側諸国に向けた。ソ連崩壊(1991年)後にウクライナに残された核弾頭の放棄と引き換えに、ウクライナの領土保全を米英露の3カ国が約束した「ブダペスト覚書」(94年)に言及。」(毎日)
「覚書が結果としてロシアにほごにされたことを挙げ、「我々は国土を守るための兵器を奪われたまま、ロシアと向き合わなければならなくなった」と米英を糾弾した。」
ウクライナが持っていた核兵器が、戦術核だったかどうかは知らない。
ソ連崩壊時、世界第3位の核兵器保有国だったわけで、それをキープしていればロシアに舐められることもなかったに相違ない。
核兵器は、ウクライナ紛争の通奏低音のように、いかなる時でも使われ得るリスクを伴っている。
兵器は、使われるために作られ、実際に使われる。
わが国に投下された原子爆弾は、ナチスに対して使われるはずのものだったに違いないが、その前にドイツは負けちまったからな。
どっか使うところはないかと考えた挙句、我が国に落とされたわけで、想定外の使い方をされたことになる。
東京湾が投下の候補に上がっていたことも分かっており、実際に落とされていれば、千葉県、東京都、神奈川県の東京湾沿岸部は壊滅していたに違いない(被害は、広島や長崎より数倍大きい)。
米国は恐ろしいことを考えていたわけで、ロシアが具体にどこに落とすことを考えているかは想像するのもおぞましい気がする。
欧州大戦争が勃発すれば、その際に戦術核が使われることは必然だ(通常戦力を補うため)。
その製造は、秘中の秘になっているんだろうが、今、この瞬間も増産されているに違いない。
本番の欧州大戦争で使う核兵器を、ウクライナ戦線でお試しで使うことは十分想定される。
バーンズ(CIA長官)は、ロシアの高官に直接、核兵器の使用が行われた際の影響について伝えていると言われている。
その、ロシア側のカウンターパートであるナルイシキン対外情報局長官は、マクロンの派兵発言を受けて、平気で核戦争のリスクを指摘したからな・・・。
米国が何と言おうと、使う時には使うという態度を鮮明にしている。
浮沈子は、この話は対フランスではなく、対米のメッセージだと見ている。
おまいらの脅しには屈しないぞって!(そうなのかあ?)。
まあ、どうでもいいんですが。
ウクライナは、核兵器が使用されるだろうことを見越しているのかもしれない。
再度の反転攻勢ではなく、非線形的指数関数的大規模侵略の際の一つのツールとして、ふつーに使われる可能性を見ているに違いない。
核戦争指揮偵察車(ラドガ)の投入は、もちろん、ロシアの車両不足が大きな原因かもしれないが、その通常戦での運用は、逆に、核戦争が通常戦争の一部として位置付けられていることを伺わせる。
前線で、いつ核兵器が使われてもおかしくはない。
プーチンは、F-16戦闘機の投入に際しても、核兵器搭載可能であることを持ち出して西側をけん制している。
(プーチン大統領“F16戦闘機 出撃基地は第三国でも攻撃対象に”)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240328/k10014405461000.html
「・・・F16は核兵器の搭載が可能なことを考慮する必要がある」(プーチン大統領)
まあ、F-16が西側の核兵器積んで前線で爆発させれば、洒落にならんけどな・・・。
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