🐱ウクライナ降伏不可避:幻の案2024年04月13日 02:15

ウクライナ降伏不可避:幻の案
ウクライナ降伏不可避:幻の案


(プーチン大統領、2年前の停戦交渉合意案に同意の意向示す ロシアメディア報道)
https://news.ntv.co.jp/category/international/5fdeac2bcd5340a9aa18053e9cf2ab04

「イスタンブールでの合意案は、ロシア軍が侵攻前の地点まで兵を撤退することや、ウクライナがNATO加盟を放棄し、代わりとして、関係国によるウクライナの安全を保障すること、クリミア半島の軍事的解決の15年間放棄などがウクライナ側から提案され、ロシア側も前向きに評価」

当時のボリスジョンソンが乗り込んで、踏みつぶしたことはよく知られている。

ルカシェンコと猿芝居しているプーチンが、今更、そんな提案に本気で乗るかどうかは知らない。

その際だって、割譲した地域を放棄することはないだろうし、現にNATO加盟を申請しているウクライナが取り下げることはあり得ない。

安全保障協定は、英国はじめ、西側各国と個別に結んでいる。

つまり、プーチンの猿芝居は全部織り込み済みで、ウクライナが合意できない事を見込んで打っているわけだ。

しかし、情勢は厳しい。

戦線は一見膠着状態を維持しているものの、中身はグサグサだろう。

ウクライナは、徴兵年齢を引き下げ、兵員を増強しようとしているが、既に戦線に出ている兵士の動員解除は行わないこととなった。

ローテーションすることくらいか。

当然、兵力の質は落ちる。

米国の支援が再び軌道に乗るのがいつかは分からないが、あまり嬉しい話は聞こえてこない。

(プーチンを相手に「ヒトラー宥和政策」の失敗を繰り返すのか? 当時よりもひどいトランプ一派)
https://www.newsweekjapan.jp/kimura/2024/04/post-255_1.php

「英国のデービッド・キャメロン外相(元首相)は4月8日、ウクライナ戦争、北大西洋条約機構(NATO)、緊迫度を増す中東情勢について話し合うため米フロリダ州のマー・ア・ラゴ・リゾートを訪れ、ドナルド・トランプ前米大統領と会談」

「今回、ジョンソン下院議長はウクライナ支援継続を求めて訪米したキャメロン氏との会談を拒否した。ウクライナは停戦と引き換えに東部ドンバスとクリミア半島をロシアに割譲すべきだとトランプ氏は漏らしている。ウクライナに武器を供給したいと考えている共和党員は少数派だ。」

「ウクライナ追加支援が米下院を通らなければ世界は悪夢を見ることになる。」

ウクライナ紛争は、本質的には欧州マターだ。

米国の支援が必要なら、欧州が金を払って米国から購入すべきだろう。

浮沈子は、春までには戦線が崩壊すると見ていたけど、そうはなっていない。

迎撃ミサイルも枯渇してはいないし、砲弾も2割程度は撃ち返せている。

あちこちからかき集めた砲弾や、裏から回したミサイルで、最小限の撤退で凌げれば、夏くらいまでは持つかもしれない。

その間も、後退は続くから、いいことは何もないけどな。

(ロシア軍の再編スピードは予想以上、戦力規模は侵攻前よりも15%増加)
https://grandfleet.info/us-related/the-speed-of-reorganization-of-the-russian-army-is-faster-than-expected-and-the-size-of-the-force-is-15-larger-than-before-the-invasion/

「ロシア軍は弱体化するどころか侵攻前より規模が大きくなっている」(米欧州軍司令官とNATO最高司令官を兼任するクリストファー・カボリ陸軍大将)

「ロシアは予想を上回るスピードで戦力再編を行っているため戦力規模は侵攻前よりも15%ほど大きくなっている」(同上)

ロシアは西側の経済制裁で疲弊し、戦争継続が出来なくなるだけでなく、1年前くらいに国家崩壊を起こすことになってたような気がするんだがな・・・。

まあいい。

浮沈子は、自身の見立て違いから、この「ウクライナ降伏不可避」というサブタイトルを、2年以上も引きずって恥をさらしている。

浮沈子は、それでも相変わらず、米国とロシアの密約を信じているし(ウクライナはくれてやる)、ロシアが欧州侵略を狙っていることだって妄想から消えたわけではない。

裏で糸を引いているのが中国だってこともな。

イランとイスラエルが一触即発になっているのは、元をたどれば英国の威勢が衰え、パクスブリタニカが崩壊したのが原因だ。

ウクライナ紛争は、ユーラシア大陸に影響を及ぼし続けたい米国が、始めたのはいいが思惑が違ってしまったツケを払わされているだけかもしれない。

パクスアメリカーナの崩壊の始まり・・・。

まあ、どうでもいいんですが。

2年前、幻に終わった和平案が、亡霊のように彷徨い出している。

多くの犠牲を払い、戦況の推移を経てきた今、それが再び復活することはない。

この1年ほど、ロシアに占領されたウクライナの領土は、ぱっと見、ほとんど変わっていない。

浮沈子は、一気に崩壊するかと思ったが、そんなことはなかった。

ウクライナは、良く持ち堪え、善戦している。

ロシアが大攻勢に移る前に、なるべく早く、いい条件で手打ちをした方がいいと思うんだが、そのタイミングは難しい。

一度、再反転攻勢に出たところで停戦したいだろうけど、そのきっかけを得られないまま、ずるずると後退を続けている。

現在の状況では、何をやっても変わらないと思うんだがな。

今思えば、ザルジニーはいいところで交代した。

シルスキーは、敗軍の将の汚名を着せられることになるだろう。

ウクライナが、非武装地帯になるとは到底思えない。

戦火はくすぶり続け、散発的に火の手が上がり、完全にロシアが掌握することは困難だろう。

そして、それを理由に、再侵攻が行われる。

やれやれ・・・。

結局、ベラルーシみたいになって、ロシアの意のままに動く傀儡政権が出来ることになり、やがてはロシア連邦に併合される。

どういう経緯をたどるかは分からないが、結果は同じだ。

ポーランドも、バルト3国も、ハンガリーも、スロバキアも、モルドバやルーマニアも、やがては同じ道をたどる。

市民の自由な選択に基づかない国家は、周りをどれだけ固めていたとしても猜疑心からは逃れられないのだ。

ダモクレスの剣だな。

権威主義的国家は、戦争には向いているかもしれないけど、平和の時を刻むには不向きだ。

動機はどうあれ、ロシアを現在のような戦闘国家に追い込んだのは、ウクライナを支援して、経済制裁を課したりしている西側の国々だろう。

そのツケは、やがて戦場で払うことになるのかもしれない。

結局、高くつくことになる。

そりゃあ、誰だって、武力侵攻した方に勝ってもらいたいとは思っていないだろうが、好みの問題は別として、水は高い方から低い方に流れる。

逆はない。

正義には、物理の法則を覆す力はない。

ウクライナ降伏不可避。

浮沈子の見立ては変わらない。

領土奪還もなければ、ロシアの賠償や戦争犯罪者の処分もない。

失われた命、手足、心の傷は、決して元には戻らない。

そういう悲劇を少しでも減らそうとするなら、耐え難きを耐え、忍び難きを忍んで降伏するしかない。

我々が、78年前にそうしたように・・・。