CCRと窒素 ― 2011年10月20日 20:22
CCRと窒素
CCRでは、浅いところで濃い酸素を吸う。その深度の絶対圧から高めの酸素分圧を差し引けば、概ね窒素の分圧になる。エアで同じ深度に潜るよりも小さい窒素分圧で潜れる。
だから、酸素分圧を程よく高くしてくれるCCRは、減圧症のリスクを軽減してくれるというわけだ。
それでも、1.4ataで60mほど潜ると、エアディリュエントではさすがに限界だ。窒素分圧はエアで潜るのと変わらなくなる。
この深度になると、窒素酔いという症状が顕著になる。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%AA%92%E7%B4%A0%E4%B8%AD%E6%AF%92
私などはエアでは30m位から怪しくなるので、困ってしまう。CCRでは40mまでは、なぜかさほど酔いを感じない。
ちなみに40mの酸素分圧1.4ataにおけるCCRでの窒素分圧は3.6ataで、30mのエアでの窒素分圧である約3.2ataよりも高い・・・、まあ、いい。
さて、窒素酔いに対応するにはどうしたらいいのだろうか。答えは麻酔作用がある窒素をなるべく吸わないようにすればいいのだ(当たり前だが)。代わりにヘリウムなどの不活性ガスを混合する。
じゃあ、窒素の代わりに全部ヘリウムにすればいいかというと、そうでもない。CCRで潜る程度の時間では、窒素よりもヘリウムの方が減圧時間が長くなるという、ちょっと困った問題があるのだ。そこで、窒素は窒素酔いが出ない程度に止めて、残りをヘリウムに置き換えるという考え方を採る。
これには、ヘリウムが高価であるという無視できない理由もあるのだが、CCRの場合は、アットー的にディリュエントガスの消費が少ないために、あまり腹は痛まない。
こうして、酸素とヘリウムと窒素の3種混合ガスができる。トライミックスガスである。これをディリュエントガスとして水中で運用すれば、窒素酔いにもならず、減圧時間の延長も最低限に抑えた、いいとこ取りのダイビングが楽しめるという寸法である。
そして、酸素分圧と窒素分圧を計画深度に合わせて最適に設定することを学ぶ。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%86%E3%82%AF%E3%83%8B%E3%82%AB%E3%83%AB%E3%83%80%E3%82%A4%E3%83%93%E3%83%B3%E3%82%B0#.E3.83.88.E3.83.A9.E3.82.A4.E3.83.9F.E3.83.83.E3.82.AF.E3.82.B9
さらに深いところに潜る場合については以下に記述されており、ヘリウムによる「高圧神経症候群」の改善策としてのトライミックスについて述べられている。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B7%B7%E5%90%88%E3%82%AC%E3%82%B9#.E3.83.88.E3.83.A9.E3.82.A4.E3.83.9F.E3.83.83.E3.82.AF.E3.82.B9
トライミックスについては、まだまだお勉強中なので、馬脚を現す前に退散することにしよう・・・。
CCRでは、浅いところで濃い酸素を吸う。その深度の絶対圧から高めの酸素分圧を差し引けば、概ね窒素の分圧になる。エアで同じ深度に潜るよりも小さい窒素分圧で潜れる。
だから、酸素分圧を程よく高くしてくれるCCRは、減圧症のリスクを軽減してくれるというわけだ。
それでも、1.4ataで60mほど潜ると、エアディリュエントではさすがに限界だ。窒素分圧はエアで潜るのと変わらなくなる。
この深度になると、窒素酔いという症状が顕著になる。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%AA%92%E7%B4%A0%E4%B8%AD%E6%AF%92
私などはエアでは30m位から怪しくなるので、困ってしまう。CCRでは40mまでは、なぜかさほど酔いを感じない。
ちなみに40mの酸素分圧1.4ataにおけるCCRでの窒素分圧は3.6ataで、30mのエアでの窒素分圧である約3.2ataよりも高い・・・、まあ、いい。
さて、窒素酔いに対応するにはどうしたらいいのだろうか。答えは麻酔作用がある窒素をなるべく吸わないようにすればいいのだ(当たり前だが)。代わりにヘリウムなどの不活性ガスを混合する。
じゃあ、窒素の代わりに全部ヘリウムにすればいいかというと、そうでもない。CCRで潜る程度の時間では、窒素よりもヘリウムの方が減圧時間が長くなるという、ちょっと困った問題があるのだ。そこで、窒素は窒素酔いが出ない程度に止めて、残りをヘリウムに置き換えるという考え方を採る。
これには、ヘリウムが高価であるという無視できない理由もあるのだが、CCRの場合は、アットー的にディリュエントガスの消費が少ないために、あまり腹は痛まない。
こうして、酸素とヘリウムと窒素の3種混合ガスができる。トライミックスガスである。これをディリュエントガスとして水中で運用すれば、窒素酔いにもならず、減圧時間の延長も最低限に抑えた、いいとこ取りのダイビングが楽しめるという寸法である。
そして、酸素分圧と窒素分圧を計画深度に合わせて最適に設定することを学ぶ。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%86%E3%82%AF%E3%83%8B%E3%82%AB%E3%83%AB%E3%83%80%E3%82%A4%E3%83%93%E3%83%B3%E3%82%B0#.E3.83.88.E3.83.A9.E3.82.A4.E3.83.9F.E3.83.83.E3.82.AF.E3.82.B9
さらに深いところに潜る場合については以下に記述されており、ヘリウムによる「高圧神経症候群」の改善策としてのトライミックスについて述べられている。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B7%B7%E5%90%88%E3%82%AC%E3%82%B9#.E3.83.88.E3.83.A9.E3.82.A4.E3.83.9F.E3.83.83.E3.82.AF.E3.82.B9
トライミックスについては、まだまだお勉強中なので、馬脚を現す前に退散することにしよう・・・。
CCRと潜水ガス ― 2011年10月20日 20:59
CCRと潜水ガス
最近のブログでは、これまで習ってきたことの復習を、他のホームページなども引用しながら書いてきた。
潜水ガスの運用の基本は、オープンサーキットでもCCRでも同じである。
その深度で吸える最適なガスを選択する、ということだ。それが、どんなガスであるかが分からなければ、その深度に潜水することはできないし、減圧ダイビングでは効率的な減圧を行うこともできない。
CCRでさえエアディリュエントのまま60mを大きく超えるようなダイビングを行えば、酸素中毒や窒素酔いになる可能性が増大することについては既に触れてきたとおりである。
ディープダイビングには、もちろん潜水ガス以外にも様々な知識やスキルが必要になってくる。
意外にも、私にとっては最終減圧で5m付近に中性浮力で留まるのが最大の難関であったりする。
もちろん、潜水時間の管理はよりシビアになり、2種類以上のディリュエントガスを携行すれば、取り違えによる事故の可能性が発生することになる。
このへんのノウハウについては、企業秘密(?)であるかも知れないので、ここでは触れない。
陸上や水面ではたかだか100mほどの距離は大した話ではないだろうが、深度100mというのは、ダイバーにとっては大変な深さになる。
水圧は水面の11倍になるし、減圧なしでは潜れない深さになり、潜水ガス以外にも、減圧ダイビングの手順や器材に対する知識なしでは自殺行為に等しい。
そもそも、水中に長時間いること自体があらゆるリスクの増大に繋がる。強い流れに流されてしまうとか、ガスの量が足りなくなるとか、ソフノライムの反応時間や酸素曝露時間の限界を超えてしまうとか、水中危険生物に食われるとか、もう、それは様々な危険が増大する。
疲労や低体温症など、ダイバーの身体的なコンディションも心配だ。私の場合は低血糖なども気になるところだ(DMなので・・・)。
これらのリスクに対応できて、やっとディープダイビングを楽しむことができる。
しかし、それができたからといって偉くも何ともないのだ、と胆に命じるべきである。ダイビング、深きが故に貴からず、である。
最近のブログでは、これまで習ってきたことの復習を、他のホームページなども引用しながら書いてきた。
潜水ガスの運用の基本は、オープンサーキットでもCCRでも同じである。
その深度で吸える最適なガスを選択する、ということだ。それが、どんなガスであるかが分からなければ、その深度に潜水することはできないし、減圧ダイビングでは効率的な減圧を行うこともできない。
CCRでさえエアディリュエントのまま60mを大きく超えるようなダイビングを行えば、酸素中毒や窒素酔いになる可能性が増大することについては既に触れてきたとおりである。
ディープダイビングには、もちろん潜水ガス以外にも様々な知識やスキルが必要になってくる。
意外にも、私にとっては最終減圧で5m付近に中性浮力で留まるのが最大の難関であったりする。
もちろん、潜水時間の管理はよりシビアになり、2種類以上のディリュエントガスを携行すれば、取り違えによる事故の可能性が発生することになる。
このへんのノウハウについては、企業秘密(?)であるかも知れないので、ここでは触れない。
陸上や水面ではたかだか100mほどの距離は大した話ではないだろうが、深度100mというのは、ダイバーにとっては大変な深さになる。
水圧は水面の11倍になるし、減圧なしでは潜れない深さになり、潜水ガス以外にも、減圧ダイビングの手順や器材に対する知識なしでは自殺行為に等しい。
そもそも、水中に長時間いること自体があらゆるリスクの増大に繋がる。強い流れに流されてしまうとか、ガスの量が足りなくなるとか、ソフノライムの反応時間や酸素曝露時間の限界を超えてしまうとか、水中危険生物に食われるとか、もう、それは様々な危険が増大する。
疲労や低体温症など、ダイバーの身体的なコンディションも心配だ。私の場合は低血糖なども気になるところだ(DMなので・・・)。
これらのリスクに対応できて、やっとディープダイビングを楽しむことができる。
しかし、それができたからといって偉くも何ともないのだ、と胆に命じるべきである。ダイビング、深きが故に貴からず、である。
CCRとヘリウム ― 2011年10月20日 23:21
CCRとヘリウム
CCRでは、ディリュエントガスにヘリウムの混合されたトライミックスを使うことがある。
宇宙では水素に次いで2番目に多い元素でありながら(ちなみに、3番目は酸素)、我が国では(フィリピンでも)値段が高いガスである(フィリピンでは、1リットル30セントで詰めてくれる→ちょっと高すぎない?)。
オープンサーキットでは、ドハデに水中にぶちまけてしまう(あーっ、もったいない!)ので、100mに潜ったりしたら、10万円位のガス代は覚悟しておく必要がある。
そこへいくと、CCRはディリュエントガスを循環させてくれるので、1万円位でも十分お釣りがくる(シリンダーに詰めなきゃいけないので)。ガスの消費量としては100分の1位で済むだろう。
この差は大きい。これだけでも、CCRで潜る価値があるというものだ(といっても、ベイルアウトで吸えば、アッという間になくなりますが)。
レジャーダイビングでは、高圧神経症候群のことはあまり気にしなくてもいいのだが(200m潜るなら別ですが)、ヘリウムも万能ではない。熱伝導率が高いため、体温を奪われていくというありがたくない特性がある。CCRの場合は、まだいいのかも知れない。呼気を循環させているのでそれほど気にしなくてもいいかも知れない(まだ、そんなに長時間吸った経験はないので・・・)。
例によって、ヘリウムについてはこのページが詳しい。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%98%E3%83%AA%E3%82%A6%E3%83%A0
この記事によると、「将来は深刻なヘリウム不足と価格高騰が予測される」そうだから、トライミックスでディープダイビングを楽しむなら、今のうちにせっせと潜っておくに限るようだ。
ちなみに、こんなページもありました。
(ヘリウムがなくなる?)
http://ytsumura.cocolog-nifty.com/blog/2011/02/post-095c.html
これは困ったことになりそうですね。まあ、しばらくは大丈夫そうですが。
ヘリウムの採掘地域については、こんなページも。
(ヘリウム資源)
http://research.kek.jp/people/wake/cryo/ss/He-resources.html
またまた、ヘリウムの不足についてのページ。
(最新型飛行船はヘリウム不足で浮かべない)
http://news.livedoor.com/article/detail/5901138/
なんか、心配になってきました。今日はこの辺で。
CCRでは、ディリュエントガスにヘリウムの混合されたトライミックスを使うことがある。
宇宙では水素に次いで2番目に多い元素でありながら(ちなみに、3番目は酸素)、我が国では(フィリピンでも)値段が高いガスである(フィリピンでは、1リットル30セントで詰めてくれる→ちょっと高すぎない?)。
オープンサーキットでは、ドハデに水中にぶちまけてしまう(あーっ、もったいない!)ので、100mに潜ったりしたら、10万円位のガス代は覚悟しておく必要がある。
そこへいくと、CCRはディリュエントガスを循環させてくれるので、1万円位でも十分お釣りがくる(シリンダーに詰めなきゃいけないので)。ガスの消費量としては100分の1位で済むだろう。
この差は大きい。これだけでも、CCRで潜る価値があるというものだ(といっても、ベイルアウトで吸えば、アッという間になくなりますが)。
レジャーダイビングでは、高圧神経症候群のことはあまり気にしなくてもいいのだが(200m潜るなら別ですが)、ヘリウムも万能ではない。熱伝導率が高いため、体温を奪われていくというありがたくない特性がある。CCRの場合は、まだいいのかも知れない。呼気を循環させているのでそれほど気にしなくてもいいかも知れない(まだ、そんなに長時間吸った経験はないので・・・)。
例によって、ヘリウムについてはこのページが詳しい。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%98%E3%83%AA%E3%82%A6%E3%83%A0
この記事によると、「将来は深刻なヘリウム不足と価格高騰が予測される」そうだから、トライミックスでディープダイビングを楽しむなら、今のうちにせっせと潜っておくに限るようだ。
ちなみに、こんなページもありました。
(ヘリウムがなくなる?)
http://ytsumura.cocolog-nifty.com/blog/2011/02/post-095c.html
これは困ったことになりそうですね。まあ、しばらくは大丈夫そうですが。
ヘリウムの採掘地域については、こんなページも。
(ヘリウム資源)
http://research.kek.jp/people/wake/cryo/ss/He-resources.html
またまた、ヘリウムの不足についてのページ。
(最新型飛行船はヘリウム不足で浮かべない)
http://news.livedoor.com/article/detail/5901138/
なんか、心配になってきました。今日はこの辺で。
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