自作スマホ? ― 2013年10月31日 00:21
自作スマホ?
ノートパソコンのハードウェアをモジュール化して、組み合わせて自作しようという話は、時々、思い出したように出てくるのだが、物になったためしがない。
理由は、高集積化が進んでいて、そんな標準化などしていては、実装ができないからだ。
商品として成立しないということである。
年々薄く、軽く、小型化する筐体、高度な制御により、高速化しながら省電力を維持するCPU、毎年のように新しく登場する通信デバイス、大型化と高精細化が進むディスプレイ・・・。
モジュールどころか、チップレベルの実装をどうするかに、メーカーは頭を抱えているのだ。
それでも、スマホからみれば、ノートパソコンの実装など、まだまだ甘い。
究極の薄さ、軽さを要求され、バッテリーに大きなスペースを食われるスマホは、高密度実装の究極といってもいい。
しかし、それをモジュール化する話が出てきた。
(モトローラが「Project Ara」を発表 - スマホを"自作"する時代がくるかも)
http://androwire.jp/articles/2013/10/30/05/index.html
ざっと記事を読んだ感想からいえば、ものにはなるまい、というところか。
「Project Araでは、endoskeletonと呼ばれるフレームとモジュールを組み合わせたスマートフォンを開発する。」
「モジュールは、ディスプレイ、キーボード、プロセッサ、バッテリーなどの各部品ごとにわかれており、これらを組み合わせることでスマートフォンを自分好みにカスタマイズできる。」(キーボード???)
嵌め込み式のモジュールを組み立てること自体に、特に難しいことはないだろう。
しかし、防水性能の確保は難しかろう。
気の利いた国産スマホは、標準で防水機能がある。
また、フレームとモジュールの双方に厚みがあるため、薄さを極限まで追求することは出来ない。
さらに、重量の低減の点でも不利がある。
デバイスの開発速度は、それぞれ異なり、あるデバイスは高性能で小型になっても、モジュール化されているため、最適なスペース効率が図れない。
これらのことから、この商品は、競争力を失ってしまう。
一部のマニア向けの商品になってしまうだろう。
この種の工業製品は、多品種少量生産に対応できる体制が整っており、製品自体を多様化することにより、モジュールを組み合わせたのと同じ効果を、既に発揮しているのだ。
さらにいえば、ハードウェアとソフトウェアの相互の関係もある。
専用デバイスを使った方が効率的なこともあれば、汎用チップにソフトを咬ませて、多用途に対応できるようにしたほうが有利な場合もある。
そのほかにも、いろいろな理由があるが、スマホの場合に難しいのは、手に持って操作する機器なので、全体のバランスの問題も大きい。
特定のモジュールの重さが重かったりすると、組み合わせたときのバランスが悪くなり、ユーザーの操作性に影響が出やすい。
最後に、決定的なダメ出しを。
フランケンシュタインの作った怪物のような、継ぎ接ぎだらけのデザインは、やはりカッコ悪い。
しかし、希望がないわけではない。
モジュール化ではなく、ユーザーからのニーズを個別に吸い上げて、ホンモノのカスタマイズを行い、設計から製造までを完全に自動化して、世界に一つだけのスマホを作ることだ。
全てが自動化の方向に向かっている現在、やって出来ないことはないだろうが、これとて、商売になるかどうかはわからない。
手に持って操作し、画面を見る必要があるので、大きさはある程度以上小さくする必要はない。
個々のデバイスの重量や大きさが、十分軽く小さくなれば、デスクトップパソコンのように、部品を買ってきて組み合わせて自作という方法がないわけではなかろう。
共通のプラットホームを作って、モジュール化するという発想自体は悪くないが、ノートパソコンの例で分かるように、実際にはなかなか困難だ。
浮沈子は、余り期待はしていないが、まあ、様子見というところか。
ノートパソコンのハードウェアをモジュール化して、組み合わせて自作しようという話は、時々、思い出したように出てくるのだが、物になったためしがない。
理由は、高集積化が進んでいて、そんな標準化などしていては、実装ができないからだ。
商品として成立しないということである。
年々薄く、軽く、小型化する筐体、高度な制御により、高速化しながら省電力を維持するCPU、毎年のように新しく登場する通信デバイス、大型化と高精細化が進むディスプレイ・・・。
モジュールどころか、チップレベルの実装をどうするかに、メーカーは頭を抱えているのだ。
それでも、スマホからみれば、ノートパソコンの実装など、まだまだ甘い。
究極の薄さ、軽さを要求され、バッテリーに大きなスペースを食われるスマホは、高密度実装の究極といってもいい。
しかし、それをモジュール化する話が出てきた。
(モトローラが「Project Ara」を発表 - スマホを"自作"する時代がくるかも)
http://androwire.jp/articles/2013/10/30/05/index.html
ざっと記事を読んだ感想からいえば、ものにはなるまい、というところか。
「Project Araでは、endoskeletonと呼ばれるフレームとモジュールを組み合わせたスマートフォンを開発する。」
「モジュールは、ディスプレイ、キーボード、プロセッサ、バッテリーなどの各部品ごとにわかれており、これらを組み合わせることでスマートフォンを自分好みにカスタマイズできる。」(キーボード???)
嵌め込み式のモジュールを組み立てること自体に、特に難しいことはないだろう。
しかし、防水性能の確保は難しかろう。
気の利いた国産スマホは、標準で防水機能がある。
また、フレームとモジュールの双方に厚みがあるため、薄さを極限まで追求することは出来ない。
さらに、重量の低減の点でも不利がある。
デバイスの開発速度は、それぞれ異なり、あるデバイスは高性能で小型になっても、モジュール化されているため、最適なスペース効率が図れない。
これらのことから、この商品は、競争力を失ってしまう。
一部のマニア向けの商品になってしまうだろう。
この種の工業製品は、多品種少量生産に対応できる体制が整っており、製品自体を多様化することにより、モジュールを組み合わせたのと同じ効果を、既に発揮しているのだ。
さらにいえば、ハードウェアとソフトウェアの相互の関係もある。
専用デバイスを使った方が効率的なこともあれば、汎用チップにソフトを咬ませて、多用途に対応できるようにしたほうが有利な場合もある。
そのほかにも、いろいろな理由があるが、スマホの場合に難しいのは、手に持って操作する機器なので、全体のバランスの問題も大きい。
特定のモジュールの重さが重かったりすると、組み合わせたときのバランスが悪くなり、ユーザーの操作性に影響が出やすい。
最後に、決定的なダメ出しを。
フランケンシュタインの作った怪物のような、継ぎ接ぎだらけのデザインは、やはりカッコ悪い。
しかし、希望がないわけではない。
モジュール化ではなく、ユーザーからのニーズを個別に吸い上げて、ホンモノのカスタマイズを行い、設計から製造までを完全に自動化して、世界に一つだけのスマホを作ることだ。
全てが自動化の方向に向かっている現在、やって出来ないことはないだろうが、これとて、商売になるかどうかはわからない。
手に持って操作し、画面を見る必要があるので、大きさはある程度以上小さくする必要はない。
個々のデバイスの重量や大きさが、十分軽く小さくなれば、デスクトップパソコンのように、部品を買ってきて組み合わせて自作という方法がないわけではなかろう。
共通のプラットホームを作って、モジュール化するという発想自体は悪くないが、ノートパソコンの例で分かるように、実際にはなかなか困難だ。
浮沈子は、余り期待はしていないが、まあ、様子見というところか。
コメントをどうぞ
※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。
※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。
※投稿には管理者が設定した質問に答える必要があります。