「築地です」? ― 2014年05月20日 02:03
「築地です」?
朝日新聞社の東京本社は、東京都中央区の築地というところにある。
(朝日新聞社)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9C%9D%E6%97%A5%E6%96%B0%E8%81%9E%E7%A4%BE
登記上の本社は大阪になるが、浮沈子は、てっきり東京の新聞社だと思っていた。
この会社は、今でこそ右寄りの論客から「赤新聞」呼ばわりされているが、どうして、政府や財閥からの資金を得て経営を安定させた経緯を持つ、我が国の御用新聞の一つに過ぎない。
第一次世界大戦終了の1919年、株式会社朝日新聞として改組されたとある。
お家騒動の絶えない社風もある。
東京本社が築地に移転したのは1980年だった。
「鉛活字を使わない電算写植新聞制作システム『ネルソン』導入」とあるが、あまり覚えていないな。
浮沈子は、実家が朝日新聞を購読していたが、自身は取ったことはない。
このブログは、たまたま、朝日ネットを使用しているが、これは偶然である。
で、昼飯を食った店で今日の新聞を読んでいたら、「ツキジデス」の罠がどうのこうの、という記事があった。
((ニュースの扉)ツキジデスで考える集団的自衛権 アテナイが陥った同盟の「罠」)
http://www.asahi.com/articles/DA3S11142999.html?iref=comtop_pickup_01
例によって、この会社はケチなので、会費を払わないと記事の全文を読ませない。
まあ、彼らとて、おまんまを食っていかなければならないので止むを得まい。
紙の媒体を購読する人々が減って、みんなネットでニュースを見るようになったが、タダで読まれては堪らないわけだ。
この記事の題名を見て、標題のように「築地です」に違いないと思った。
同紙は、「プロメテウスの罠」という原発シリーズを連載しており、その捻りかと思ったわけだ・・・。
さにはあらず、古代ギリシャの歴史家の名前だそうだ。
(トゥキディデス)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%88%E3%82%A5%E3%82%AD%E3%83%87%E3%82%A3%E3%83%87%E3%82%B9
「古典ギリシア語の母音の長短を考慮して音訳するとトゥーキューディデース。その他、トゥキュディデス、ツキジデスなどとカナ表記される。」
「代表作はペロポネソス戦争を実証的な立場から著した『戦史(ペロポネソス戦争の歴史)』」
(戦史 (トゥキディデス))
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%88%A6%E5%8F%B2_(%E3%83%88%E3%82%A5%E3%82%AD%E3%83%87%E3%82%A3%E3%83%87%E3%82%B9)
「古代ギリシアのアテナイ出身の歴史家トゥキディデスが著した歴史書である。」
「アテナイの興隆と衰退、ペロポネソス戦争(紀元前431年–紀元前404年)の経過を記録した本書は全8巻からなる」
朝日新聞が、この歴史家を取り上げたのは、どうやら集団的自衛権の関係で、政治家に乗せられて集団的自衛権を結ぶと、悲惨な末路になるぞ、といいたいらしい。
「トゥキディデスは、ペロポネソス戦争がギリシア世界を揺るがす大戦に発展すると考え、その記録を残す事によって後世の人々が似たような事態に直面したときに、この記録(故に戦史と称された)を教訓としてうまく活かせるようとの意図で執筆したと、序言で述べている。」
英語訳の全文は、無料で読むことが出来る。
(The History of the Peloponnesian War by Thucydides)
http://www.gutenberg.org/ebooks/7142
朝日は、どうやら、アテナイの軍事同盟が原因だといいたいらしいが、記事を読むと勃興する新勢力と、それに脅威を抱いた既存の勢力(スパルタ)が戦争に突入していくというシンプルな話で、前駐中国大使の丹羽宇一郎さんの警告を紹介しているのだ。
なあんだ、別に集団的自衛権の話じゃないじゃん・・・。
米中の軍事衝突が起こって、我が国がそれに巻き込まれるというのは、余り嬉しくないシナリオだが、台湾情勢を考えれば有り得ない話ではない。
紀元前数世紀の話を、現代の国際情勢に当て嵌めようとすることには無理があるが、人間のサガというか、業のようなものを感じる。
もちろん、現在のところ、米国の海軍力が中国のそれを圧倒しており、また、太平洋への軍事力を増強するという米国の方針もあって、そう簡単に中国が太平洋からインド洋にかけての勢力を拡大することが出来るとは思われない。
しかし、トレンドとしての中国の台頭と、それを懸念する米国という図式は、アテナイの台頭と、スパルタの関係に似ていなくもない。
「新たな国の台頭が、守りに入った大国に脅威と映り戦争へ。「これはパワーポリティクスの歴史で繰り返されてきた。『戦史』は国際政治の分野で必読書の一つ」。外務省中国課長などを務めた浅井基文・元広島市立大広島平和研究所長は語る。浅井さんは「米側は、自衛隊が北大西洋条約機構(NATO)加盟国並みに共同で行動してくれることを望んでいる」とみる。」
本当に米国がそれを望んでいるのかは別にして、グアムに戦線を後退させようとしたり、懸念される南シナ海情勢に対応する際の東アジア全体の軍事力の展開を考えた時に、我が国が一定の役割を果たすことを期待してもおかしくはない。
純粋に軍事論としては十分に有り得る話だが、政治情勢を考えると、本気でそれを期待するかどうかは別だろう。
歪な軍隊である自衛隊は、まともな戦争など出来はしない。
ツキジデスの戦記は、途中までしか書かれずに未完となり、ソクラテスの弟子が書き上げたといわれている。
歴史の中の一時の戦争など、アホな人間の性に過ぎないと気づいて、ばかばかしくなって書くのを止めたのではないか。
そして、「歴史は繰り返す」ということになる。
(歴史は繰り返す)
http://kotowaza-allguide.com/re/rekishiwakurikaesu.html
「古代ローマの歴史家クルティウス・ルフスの言葉「History repeats itself.」の訳語。
いつの時代も人間の本質に変わりないため、過去にあったことは、また後の時代にも繰り返して起きるということ。」
戦闘員である軍人が死ぬのは、ある意味で仕方ないが、現代の戦争の人的被害は、非戦闘員の死者が大部分である。
それは、戦線の後方を叩けば、そこからのロジスティクスに頼っている前線勢力を弱体化できるという作戦思想によっている。
前線の後方ということは、通常は非戦闘地域であり、軍需産業だけではなく、一般国民の生活も営まれている。
国家の総力戦である戦争には、銃後という概念はないのかも知れない。
我が国は、日米軍事同盟を結び、緊密な運用を行っている。
この先にあるのは、一括した連携と協力、出来れば一体化した運用だ。
日米韓台の軍事力を、一つの指揮権の元に統合して運用できれば、こんな有難いことはないに違いない。
本当にそういう軍事力が展開できたとして、台頭する中国を封じ込めることが出来るのだろうか。
しかし、まあ、考えてみれば、我が国自身が、かつては新興の勢力であって、軍事同盟を結び、他の国々の連合軍と戦った歴史を持つ。
性というか、業というか、戦争が本当にそういった人間の本性に根ざしているというのなら、今後も世界に争いが絶えることはない。
技術は進歩し、ミサイルが宇宙を飛び交う時代になった。
戦争の被害は、瞬時に、大規模になってきている。
ツキジデスの時代とは違うのだ。
朝日の紙面では、隣のページに「月面の所有権」について書かれていた。
((科学の扉)月はだれのもの? 探査は自由、米で「遺産化」案)
http://www.asahi.com/articles/DA3S11143009.html
絶妙のページ割であるな・・・。
朝日新聞社の東京本社は、東京都中央区の築地というところにある。
(朝日新聞社)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9C%9D%E6%97%A5%E6%96%B0%E8%81%9E%E7%A4%BE
登記上の本社は大阪になるが、浮沈子は、てっきり東京の新聞社だと思っていた。
この会社は、今でこそ右寄りの論客から「赤新聞」呼ばわりされているが、どうして、政府や財閥からの資金を得て経営を安定させた経緯を持つ、我が国の御用新聞の一つに過ぎない。
第一次世界大戦終了の1919年、株式会社朝日新聞として改組されたとある。
お家騒動の絶えない社風もある。
東京本社が築地に移転したのは1980年だった。
「鉛活字を使わない電算写植新聞制作システム『ネルソン』導入」とあるが、あまり覚えていないな。
浮沈子は、実家が朝日新聞を購読していたが、自身は取ったことはない。
このブログは、たまたま、朝日ネットを使用しているが、これは偶然である。
で、昼飯を食った店で今日の新聞を読んでいたら、「ツキジデス」の罠がどうのこうの、という記事があった。
((ニュースの扉)ツキジデスで考える集団的自衛権 アテナイが陥った同盟の「罠」)
http://www.asahi.com/articles/DA3S11142999.html?iref=comtop_pickup_01
例によって、この会社はケチなので、会費を払わないと記事の全文を読ませない。
まあ、彼らとて、おまんまを食っていかなければならないので止むを得まい。
紙の媒体を購読する人々が減って、みんなネットでニュースを見るようになったが、タダで読まれては堪らないわけだ。
この記事の題名を見て、標題のように「築地です」に違いないと思った。
同紙は、「プロメテウスの罠」という原発シリーズを連載しており、その捻りかと思ったわけだ・・・。
さにはあらず、古代ギリシャの歴史家の名前だそうだ。
(トゥキディデス)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%88%E3%82%A5%E3%82%AD%E3%83%87%E3%82%A3%E3%83%87%E3%82%B9
「古典ギリシア語の母音の長短を考慮して音訳するとトゥーキューディデース。その他、トゥキュディデス、ツキジデスなどとカナ表記される。」
「代表作はペロポネソス戦争を実証的な立場から著した『戦史(ペロポネソス戦争の歴史)』」
(戦史 (トゥキディデス))
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%88%A6%E5%8F%B2_(%E3%83%88%E3%82%A5%E3%82%AD%E3%83%87%E3%82%A3%E3%83%87%E3%82%B9)
「古代ギリシアのアテナイ出身の歴史家トゥキディデスが著した歴史書である。」
「アテナイの興隆と衰退、ペロポネソス戦争(紀元前431年–紀元前404年)の経過を記録した本書は全8巻からなる」
朝日新聞が、この歴史家を取り上げたのは、どうやら集団的自衛権の関係で、政治家に乗せられて集団的自衛権を結ぶと、悲惨な末路になるぞ、といいたいらしい。
「トゥキディデスは、ペロポネソス戦争がギリシア世界を揺るがす大戦に発展すると考え、その記録を残す事によって後世の人々が似たような事態に直面したときに、この記録(故に戦史と称された)を教訓としてうまく活かせるようとの意図で執筆したと、序言で述べている。」
英語訳の全文は、無料で読むことが出来る。
(The History of the Peloponnesian War by Thucydides)
http://www.gutenberg.org/ebooks/7142
朝日は、どうやら、アテナイの軍事同盟が原因だといいたいらしいが、記事を読むと勃興する新勢力と、それに脅威を抱いた既存の勢力(スパルタ)が戦争に突入していくというシンプルな話で、前駐中国大使の丹羽宇一郎さんの警告を紹介しているのだ。
なあんだ、別に集団的自衛権の話じゃないじゃん・・・。
米中の軍事衝突が起こって、我が国がそれに巻き込まれるというのは、余り嬉しくないシナリオだが、台湾情勢を考えれば有り得ない話ではない。
紀元前数世紀の話を、現代の国際情勢に当て嵌めようとすることには無理があるが、人間のサガというか、業のようなものを感じる。
もちろん、現在のところ、米国の海軍力が中国のそれを圧倒しており、また、太平洋への軍事力を増強するという米国の方針もあって、そう簡単に中国が太平洋からインド洋にかけての勢力を拡大することが出来るとは思われない。
しかし、トレンドとしての中国の台頭と、それを懸念する米国という図式は、アテナイの台頭と、スパルタの関係に似ていなくもない。
「新たな国の台頭が、守りに入った大国に脅威と映り戦争へ。「これはパワーポリティクスの歴史で繰り返されてきた。『戦史』は国際政治の分野で必読書の一つ」。外務省中国課長などを務めた浅井基文・元広島市立大広島平和研究所長は語る。浅井さんは「米側は、自衛隊が北大西洋条約機構(NATO)加盟国並みに共同で行動してくれることを望んでいる」とみる。」
本当に米国がそれを望んでいるのかは別にして、グアムに戦線を後退させようとしたり、懸念される南シナ海情勢に対応する際の東アジア全体の軍事力の展開を考えた時に、我が国が一定の役割を果たすことを期待してもおかしくはない。
純粋に軍事論としては十分に有り得る話だが、政治情勢を考えると、本気でそれを期待するかどうかは別だろう。
歪な軍隊である自衛隊は、まともな戦争など出来はしない。
ツキジデスの戦記は、途中までしか書かれずに未完となり、ソクラテスの弟子が書き上げたといわれている。
歴史の中の一時の戦争など、アホな人間の性に過ぎないと気づいて、ばかばかしくなって書くのを止めたのではないか。
そして、「歴史は繰り返す」ということになる。
(歴史は繰り返す)
http://kotowaza-allguide.com/re/rekishiwakurikaesu.html
「古代ローマの歴史家クルティウス・ルフスの言葉「History repeats itself.」の訳語。
いつの時代も人間の本質に変わりないため、過去にあったことは、また後の時代にも繰り返して起きるということ。」
戦闘員である軍人が死ぬのは、ある意味で仕方ないが、現代の戦争の人的被害は、非戦闘員の死者が大部分である。
それは、戦線の後方を叩けば、そこからのロジスティクスに頼っている前線勢力を弱体化できるという作戦思想によっている。
前線の後方ということは、通常は非戦闘地域であり、軍需産業だけではなく、一般国民の生活も営まれている。
国家の総力戦である戦争には、銃後という概念はないのかも知れない。
我が国は、日米軍事同盟を結び、緊密な運用を行っている。
この先にあるのは、一括した連携と協力、出来れば一体化した運用だ。
日米韓台の軍事力を、一つの指揮権の元に統合して運用できれば、こんな有難いことはないに違いない。
本当にそういう軍事力が展開できたとして、台頭する中国を封じ込めることが出来るのだろうか。
しかし、まあ、考えてみれば、我が国自身が、かつては新興の勢力であって、軍事同盟を結び、他の国々の連合軍と戦った歴史を持つ。
性というか、業というか、戦争が本当にそういった人間の本性に根ざしているというのなら、今後も世界に争いが絶えることはない。
技術は進歩し、ミサイルが宇宙を飛び交う時代になった。
戦争の被害は、瞬時に、大規模になってきている。
ツキジデスの時代とは違うのだ。
朝日の紙面では、隣のページに「月面の所有権」について書かれていた。
((科学の扉)月はだれのもの? 探査は自由、米で「遺産化」案)
http://www.asahi.com/articles/DA3S11143009.html
絶妙のページ割であるな・・・。

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