919速ええ!2014年04月01日 00:32

919速ええ!
919速ええ!


ポールリカールサーキットで行われたWEC世界耐久選手権公式テストで、919ハイブリッドがトップタイムを叩き出した。

(WECポール・リカール公式テスト、総合タイム結果)
http://as-web.jp/news/info.php?c_id=9&no=55444

(ポルシェ、WEC公式テストでトップタイム)
http://f1-gate.com/porsche/wec_22951.html

「各ファクトリーチームは、テストのタイムを重要視しておいらず、各々がそれぞれのテストと開発プログラムを実施していたと主張。」

まあ、そういうだろうな・・・。

919は、エンジンの耐久性に問題を抱えているようだ。

「1つの結論としては、先週ポール・リカールでテストを行っていたポルシェの信頼性。2台の919ハイブリッドは、第5セッションの最後に#14にエンジントラブルが発生するまで大きな問題なく走行した。」

公式テスト直前まで行われていた同サーキットでの919の走行ビデオが上がっている。

(ポルシェ 919ハイブリッド:ポール・リカール テスト)
https://www.youtube.com/watch?v=HH6xrFQ-01Y

いい感じで走っている。

これで、パフォーマンスとしては3社のマシンが拮抗していることが分かった。

燃料の問題はあるが、少なくともトヨタが919と同程度のパフォーマンスを持つことも分かった。

昨年までの実績を見ると、アウディとは拮抗している。

レギュレーションの変更はあるが、実際のサーキットで、タイムに優位な差が付かなかったことは特筆に価する。

3社三つ巴の争いになりそうだ。

FIAは、してやったりと思っていることだろう。

イリジウムネクスト2014年04月01日 04:11

IridiumNEXT
イリジウムネクスト


携帯型の端末で衛星回線にアクセスし、高速インターネットに接続する・・・。

そんな夢のような話を実現してくれるんじゃなかろうか、という期待を抱かせる記事があった。

(イリジウム通信衛星 軌道上66機を総入れ替え オービタルサイエンシズが全81機を製造)
http://response.jp/article/2014/03/31/220222.html

(Ready for what comes next:元ネタ)
http://www.iridium.com/about/iridiumnext.aspx

元ネタを見ても、どれ程のスループットが得られるのかは分からない。

しかし、21世紀に打ち上げるのだから、まさか2.4kbpsということはないだろう。

(インターネットアクセス)
http://kfujito2.asablo.jp/blog/2014/03/29/7261208

(衛星電話:イリジウム)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%A1%9B%E6%98%9F%E9%9B%BB%E8%A9%B1#.E3.82.A4.E3.83.AA.E3.82.B8.E3.82.A6.E3.83.A0

紆余曲折を経て現在のサービスになっているが、全部の衛星が入れ替われば、全く新しいシステムになるわけだ。

地上の端末も、刷新できるわけだし・・・。

「全衛星に、他の事業者や研究機関などの観測機器などを預かって搭載できるホステッドペイロード搭載スペースを設けているのが特徴だ。30×40×70センチメートル、最大50キログラム、消費電力50ワットのペイロードに対応する。」

衛星スペースの賃貸(販売?)である(画像参照:白い網目のかかった部分がそれらしい)。

うまい商売を考えたものだ。

打ち上げロケットの隙間に、小型の衛星を載せるというのは良くあるが、こんな話は初耳である。

スペースシャトルでも、似たようなことはやっていたが、打ち上げしっぱなしの衛星では聞いたことがない。

むろん、空きのまま打ち上げて、後から埋めるとか、入れ替えをするということは出来ない。

ウィキの記事によると、ロシアの軍事衛星と衝突したとある。

(2009年人工衛星衝突事故)
http://ja.wikipedia.org/wiki/2009%E5%B9%B4%E4%BA%BA%E5%B7%A5%E8%A1%9B%E6%98%9F%E8%A1%9D%E7%AA%81%E4%BA%8B%E6%95%85

「二つの衛星が互いに数km以内ですれ違うという事象は、毎日、非常に多く発生している。」

「イリジウム社のJohn Campbellは、2007年6月に行われたフォーラムで講演し、これらの問題のトレードオフや、イリジウム社の所有する衛星ネットワークを構成するすべての衛星一機ごとに一週間で400回も寄せられる5km以内への異常接近に関する情報を取り扱うことの難しさについてを話していた。」

「このような衝突やニアミスが起きるたびに、機能停止した衛星を軌道外に移すなどして安全に処理する義務を課すべきだという声が巻き起こるが、いまだにそのような国際法は存在しない」

宇宙での交通事故というわけだ。

うーん、ちょっと意外な状況だな。

もちろん、予備の衛星があるので、影響は最小限に留まるだろうが、宇宙も広いようで狭いんだな。

そういえば、映画ゼロ・グラビティも、衛星の破片が原因の事故が背景となっていた。

「衛星コンステレーションの構成:
・66 operational Low Earth Orbiting (LEO) advanced communications satellites
・6 in-orbit spare satellites
・9 ground spares」

さて、このイリジウムネクストの最大の注目点はスペースXが登場するということである。

「イリジウム コミュニケーションズは打ち上げパートナーとしてスペース X社の名前を挙げており、タレス アレニア スペースではこの3月に打ち上げシミュレーション用の機材をスペース Xに引き渡しているという。」

うーん、これは注目だな。

2015年2月から2017年までというと、もう来年じゃないの!。

ファルコンの再利用ロケットや、全電化推進衛星が実用化できれば劇的にコストが下がるんだろうが、もう間に合わないだろうな。

15年後の全とっかえに、期待するしかないか・・・。

縮退の時代2014年04月01日 05:46

縮退の時代
縮退の時代


人口減少、急速な高齢化、地域の消滅、大都市集中、格差社会、縮小衰退・・・。

これから数十年間のうちに、我が国が突入する社会状況を、如何にして乗り切るか。

社会インフラをメインに考えたビジョンが、これだってさ!。

(新たな「国土のグランドデザイン」(骨子))
http://www.mlit.go.jp/common/001033676.pdf

我が国が急速に高齢化社会に突入し、発展途上型ピラミッドから、欧米型の安定した人口構造に移行する時代がやってきた。

そんなことは、浮沈子が小学生の時から言われていたし、今更何だよ?、という気がする。

(太田国交相、人口減少に危機感…「国土のグランドデザイン」骨子を発表)
http://response.jp/article/2014/03/30/220147.html

「基本戦略として、様々な機能をコンパクトな拠点に集約して、ネットワークでつなぐという「コンパクト+ネットワーク」の考え方をあげた。」

「リニア中央新幹線の開通により三大都市圏が2050年には一体化し、世界最大のスーパー・メガリージョン形成」

地方切捨て、大都市集中以外の何物でもない。

過疎化した集落は消滅させ、役所に近いところに寄せ集めてしまう。

地域の消滅を加速する政策だな。

大都市(東京)への過度な集中を、地方都市で食い止めるという発想も明記されている。

「※ 平日はブロック中枢都市で働き、休日は田舎で両親の介護を行うなど、ブロック内での地域間の連携により東京への人口移動の「防波堤」にも」

田舎は勝手に滅んでくれ!、社会資本はスーパー・メガリージョン(東京・名古屋・大阪)に集中して、効率の良い国土を作るぞ、というように浮沈子には読める。

空港や港は作ってやるから、田舎は田舎でアジアや環太平洋と直接やり取りして生き延びてくれ、スーパー・メガリージョンからのキャッシュバックに期待したりしないでくれ、大都市圏域のお零れなんてくれてやるか・・・。

そう書いてある(行間に・・・)。

地方圏域は、日本ではないのだ。

日本という国は、東京と名古屋と大阪だけあればいい。

日本の価値は、そこに集めて、後は日本とは関係なく、周辺の国に頼って生き延びてくれればいい。

そう書いてある(紙の裏に・・・)。

この手の企画物を作るときには、絵に描いた餅のビジョンに、既存の事業を適当に嵌め込んで、残った隙間を埋める政策を考え、あるいは、既存事業の拡充を図り、予算を獲得するためのツールとして使うわけだが、それにしても酷い代物を作ったものだ。

まあ、だからといって、日本列島改造論をやれというわけではない。

(日本列島改造論)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E5%88%97%E5%B3%B6%E6%94%B9%E9%80%A0%E8%AB%96

「工業再配置と交通・情報通信の全国的ネットワークの形成をテコにして、人とカネとものの流れを巨大都市から地方に逆流させる “地方分散” を推進すること」

地方の時代という掛け声の下、開発用地の地価急騰、新幹線の誘致などが起こる。

しかし、オイルショックなどが引き金となって、急速に後退した。

「日本にとって、首都の過密と地方の過疎は当時よりも一層深刻な問題になっており、少なくとも田中が日本列島改造論を著したのはこうした状況への問題提起としての意味を持っていたと考えられる。交通網の整備で様々な課題が解決するという発想は、余りに楽観的で「土建業一辺倒だ」という批判もある。地方から過密地(特に首都・東京)へ向かう交通網の整備は、逆に東京一極集中と地方過疎化を促進する要因ともなった(ストロー効果)。」

今回の「骨子」では、この点についての反省から、地方都市間交通網の充実が謳われている。

また、様々な議論はあるにしても、道路インフラが充実したことは、物流の改善に繋がった。

通信インフラも、飛躍的に充実した(山間部では携帯繋がりませんが)。

「骨子」には、国交省だけでなく、他の省庁の施策もちりばめてあるが、所詮寄せ集めで有機的な連携はない。

元々、予算取りのツールだから、真面目に作っていない。

人が密集して住んでいる大都会にはICTを活用するとあるのに、人がまばらな地方圏域にはそんな記述はない。

役人が、頭の中だけで作る施策なんて、せいぜいこんなもんだ。

この「骨子」は、それ以上のものではない。

人口減少時代の国家を滅亡から救うには、強靭な施策が必要だ。

周辺地域との交流(まあ、北朝鮮とか、ロシアとか、韓国とか、中国なんで、気が重いですが)、大胆な改革(日本語とか、止めちゃってもいいんじゃない?)、無制限の移民の受け入れと、海外移住の促進(逆効果?)・・・。

国家のアイデンティティをひっくり返すくらいの施策を打たないと、縮退どころか消滅する。

極端な話、日本の国土を他の国からの人々に明け渡して、例えば、今の日本人は全員他国に移住するくらいの発想がないと持たないんじゃないか。

日本列島は、中国語で溢れかえるわけだな・・・。

こんなことを書くと、また、なんか言われそうだが、浮沈子は真面目だ。

長い歴史の中で、こんな話はいくらでもある。

イスラエルとパレスチナだってそうだし、それこそウクライナだって似たようなもんだ。

浮沈子は、米国だって、似たようなものだと思っている(英語が通じない人、いっぱい住んでます)。

島国日本は、万世一系の天皇を戴いて、長い歴史を刻んできた。

そのことは、我が国の誇りにしていいが、極めて稀なことでもある。

大体、英国だって、中世の一時期はラテン語だったんだから・・・。

ひょっとしたらスーパー・メガシティだけに日本語が通じる人がが住んで、それ以外の国土には日本語が通じない人たちが住むようになるかもしれないな。

空中発射衛星2014年04月02日 01:16

空中発射衛星
空中発射衛星


ずいぶん前に聞いた話だと思っていたら、新手の話があるらしい。

(ボーイング F-15E戦闘機からの超小型衛星打ち上げシステム開発決定)
http://response.jp/article/2014/04/01/220322.html

(Airborne Launch Assist Space Access)
http://en.wikipedia.org/wiki/Airborne_Launch_Assist_Space_Access

(AIRBORNE LAUNCH ASSIST SPACE ACCESS (ALASA):元ネタ?)
http://www.darpa.mil/Our_Work/TTO/Programs/Airborne_Launch_Assist_Space_Access_%28ALASA%29.aspx

「100ポンド(約45キログラム)までの超小型衛星を、1回100万ドルの費用で打ち上げるのが目標。」

しかし、米国は既に空中発射ロケットを持っている。

(ペガサス (ロケット))
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9A%E3%82%AC%E3%82%B5%E3%82%B9_(%E3%83%AD%E3%82%B1%E3%83%83%E3%83%88)

「ペガサスロケットは3段式固体燃料ロケットで、巡航ミサイルに似た有翼型の形状を持ち、航空機に搭載されて空中から発射される。」

既に42回打ち上げ(切り離し?)を行い、37回成功(3回失敗、2回部分的成功)で、最近では昨年6月に行っている。

1997年以降、28回連続成功である。

ペイロードも低軌道で443kgと、まあまあ。

ただし、少し高いらしい。

「母機や1,2段等の構成が変更された事で費用は上昇、近年の年間1機体制では$20M以上にもなっている。これによって当初目指していた低コストでの運用は困難となっており、約1.5倍のペイロードで$19Mのミニットマン弾道ミサイル転用ロケットミノタウロスIに顧客が流れている。」とある。

(ミノタウロスI)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9F%E3%83%8E%E3%82%BF%E3%82%A6%E3%83%AD%E3%82%B9I

LEOで580kgだ。

あとは値付けの問題だな。

空中発射ロケットは、値段の問題だけではない。

(空中発射ロケット)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A9%BA%E4%B8%AD%E7%99%BA%E5%B0%84%E3%83%AD%E3%82%B1%E3%83%83%E3%83%88

「設備
必要な地上設備は母機発進用の滑走路やランチャのみであるため、大規模な射場を必要としない。これによって土地の確保費用や地上設備への投資、維持費が比較的少額である。」

「発射条件
地上や海上からの発射では、射場上空の氷結層の有無や雷雲の有無など、天候が発射計画を大きく左右する。これに対し成層圏では天候が安定しているため、母機が飛行可能な天候であれば地上の天候に囚われずに発射することが可能となる。また、射場の緯度によらず任意の空域で発射することが可能であるため、目標とする軌道に合わせ最適な条件で発射することが可能である。同様に公海上を発射空域に選択することが可能であり、燃焼後のロケットやフェアリング等の飛行に伴う落下物や、不具合発生による指令破壊後の落下物に伴う飛行経路直下およびその周辺領域の飛行安全確保が比較的容易である。日本のように漁業活動に伴って打ち上げ時期の制限が存在する場合においては、この制限を回避する手段としても有効である。」

「発射環境
高空では地上よりも低重力であり大気密度や大気圧も低いため、重力損失、空気抵抗損失、推力損失が低減される。これによって地上や海上から発射する場合と同等のペイロードを、より小型のロケットで目的の高度や軌道に到達させることが可能となる。地上や海上からの発射においては初段点火後のプルームの反射が機体の振動環境を悪化させる主たる原因となっているが、空中発射においてはプルームの反射が発生しないため、振動環境が比較的穏やかである。また、低い空気密度によって空力加熱も低減されるため熱環境も比較的穏やかである。」

「問題点
母機の搭載方法の問題や搭載能力に限界があるため、大きな推力を必要とする大型の人工衛星や、大きな増速を必要とする惑星探査機の打ち上げは困難である。また、年間飛翔機数が少ないと母機の維持費がコストを押し上げ、結果として高コストになってしまう場合がある。」

過去に実用になったのはペガサスだけだが、今後リリース予定のものもある。

(LauncherOne:画像参照)
http://www.virgingalactic.com/launcherOne/

ペイロードは225kgと、少し軽い。

しかし、F-15から発射する衛星は45kgだから、十分のような気がする。

「これまで、航空機を使った空中発射による人工衛星打ち上げシステムのコンセプト発表は少なくない。2011年にNASAが発表した報告書では、今回と同じボーイングが2006年に検討したF-15 グローバル ストライク イーグルの上部に空中発射システムを取りつけるシステムや、仏ダッソー社による、ミラージュIVの下部に空中発射システムを取りつけて最大70キログラムの衛星を打ち上げる「MLA」システムなど、119もの構想があるとしている。ALASAが実現すれば、長年検討されてきた低コスト打ち上げシステムが登場することになる。」

レスポンスの記事にはこうあるが、24年も前からある打ち上げ方法である。

今更、ニュースになるんだろうか。

民間が先行して、軍用としては後追いになる。

軍事衛星は、金に糸目を付けずにバンバン打ち上げてきたが、そうもいっていられなくなったのだろう。

ちっ、世知辛い世の中になったもんだぜ。

まあ、それで3060万ドルもの開発費が転がり込むんだから、ボーイングにとっては悪い話じゃあない。

1回1億円で打ち上げるらしいが、スペースXのファルコン9が再利用されたら、同じ値段で100倍のペイロードを打ち上げられるようになるかも知れない。

しかし、前述したように、空中発射ロケットのメリットは即時性ということもある。

例えば、紛争が勃発して、直ぐに衛星を展開しなければならなくなった時、常時滞空させておくのではなく、短期間の運用を想定した衛星を即時展開できればコスト的にも安上がりだし、衛星のブラッシュアップも容易だ。

このニュースの意義は、たぶん、軍事衛星の運用が、これからは変わってくることを示唆している点にあるのではないか。

45kgの衛星群で、地上が支配されるわけだ。

大型軍事衛星を常時滞空させて運用していた時代は、終わろうとしているのかもしれない。

まあ、完全に無くなるわけではなくて、特性に応じて併用するということになるんだろうな。

面白かったのは、レスポンスはカテゴリーを航空と宇宙に分けているが、この記事は両方のカテゴリーに掲載されていた。

ま、そりゃそうだが・・・。

STAP2014年04月02日 02:32

STAP
STAP


STAP細胞の話が続いている。

しかし、浮沈子は、どうも腑に落ちないのだ。

論文に不正があったかどうかは、あんまり関係ないのではないだろうか。

問題は、STAP自体が存在するのかどうか。

研究者の論文作成の問題とは別に、科学的に検証を進めることが重要なのではないか。

研究者が、自分の研究に拘りがあり、その結果を信じていることは当たり前の話だ。

それを検証するために、雑誌に出したり、学会で発表して外部の批判を仰ぐ。

その際に、論文の内容におかしなところがあれば、それは当然批判されていい。

しかし、記者会見して不正があったとかなかったとかいう話なんだろうか。

浮沈子は、この件はマスコミが作り出した虚構を弄んでいるだけだと考えている。

ある研究が発表されて、追試や関連の研究が行われて評価が定まるまでは、通常でも数年から10年以上掛かるのが普通だろう。

まして、今回のように極めてドラスティックな研究の場合はなおさらである。

そんなに外野が大騒ぎしなくてもいいのではないか。

研究者同士で批判し、訂正し、改善すればいいだけである。

この発表に刺激されて、関連の研究が盛んになって、本当にシンプルな方法で多能性幹細胞が出来るようになれば素晴らしいことだ。

前にも書いたが、原理的にいって、そう簡単に分化後の細胞が多能性幹細胞に化けることは有り得ない。

そんなことになったら、臓器や固体の仕組みが持たなくなる。

遺伝子を弄くって作り出したⅰPS細胞だって、様々な問題を抱えていることだろう。

研究が進んで実用になるのは、まだまだ先のことだ。

微生物レベルの話ではなく、人間に適用するということになればなおさらである。

臨床研究にしても、慎重に行わなくてはならない。

細胞の分化については、遺伝子レベルの研究が行われてきている。

特定の遺伝子を発現させる仕組みや、逆に発現を抑制させる仕組みだ。

癌の研究にも繋がる。

我々の身体の中では、毎日のように癌化した細胞が発生しているが、生態防御の仕組みがそれを抑えている。

STAP細胞についても、特定の条件化で多能性幹細胞になるとしても、生体内ではそれを阻害する仕組みがあるかもしれない。

その辺りも含めた広範な研究が必要なんだろう。

浮沈子的には、夢のような話だが、世俗に塗れた報道を読んでいると、胸糞悪くなる。

理研が国からの補助を得られるかどうかの話とは、関係ないと思うんだが。

研究者が若い女性であったことが、政治的に取り沙汰された経緯もあるようだが、全く愚かな話である。

論文の資料の扱いや、コンタミネーションが起こった疑いがある件については、今後とも調査検討が必要だ。

このドタバタのせいで、関連の研究が阻害されることのないように願いたいものだ。

(香港の研究者が「STAP細胞と思われる細胞の作成に成功した」という衝撃的な研究結果を発表:追加)
http://rocketnews24.com/2014/04/03/428905/

(“STAP細胞作製に成功” 香港の大学教授が発表 海外メディアも注目:追加)
http://newsphere.jp/national/20140402-7/

(香港の研究チーム「STAP細胞は存在しない」:追加)
http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye2164775.html

(香港の李教授、「STAP細胞作製の再現に成功か」という報道に懸念:追加)
http://newclassic.jp/archives/11261