スピード342014年11月16日 02:05

スピード34
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エボラに感染しても、その高い死亡率にも拘らず、生き延びている人々がいる。

また、今も治療を受けている患者もいる。

エボラの進行は早く、発病してから10日ほどで死に至る。

生き延びる患者は、回復までもう少し時間が掛かるかもしれない。

中には重症のために、回復までの時間が長い患者もいるだろう。

それでも、累計の感染者に対する患者の割合は、流行の長期化に伴って徐々に減ってくる。

まあ、感染者とはいっても、実際は発病者というのが正しいんだろう。

潜伏期間中の感染者を特定することは、検査を含めて困難だ。

だから、実際の感染者は、論理的にも発表の数字よりは常に多い。

発病に至るまでの、多くの潜伏期間は7日から10日といわれている(2日から21日)。

この間の人数は、あらゆる統計に現われない。

しかも、感染したら全員が発病に至るというわけではないようだ。

エボラにも無症候性キャリアが存在するという話もある。

(【エボラ】ワクチン開発不要論! “無症候者”の免疫システム研究がカギ?(医学論文):紹介ブログ)
http://ameblo.jp/be-812/entry-11947952374.html

(【エボラ】ワクチン開発不要論! “無症候者”の免疫システム研究がカギ?:■“生還者”よりも“無症候者”がカギを握る!?(医学論文):紹介記事)
http://tocana.jp/2014/10/post_5097_entry.html

(Ebola control: effect of
asymptomatic infection
and acquired immunity:元ネタ)
http://download.thelancet.com/flatcontentassets/pdfs/PIIS0140673614618390.pdf?id=aaadpDXSyNZVP5Qg76oKu

「エボラ·コントロール:無症候性感染と獲得免疫の効果」

この短い論文を読む限り、相当数(71パーセントとか、46パーセントという数字もある)の無症候性キャリアの存在が推定される。

無症候性キャリアからの感染可能性は低いとある(そのエビデンスは提示されていない)。

この論文では、無症候性キャリアの研究が、感染抑止や治療に寄与することに重点が置かれている。

もちろん、無症候性キャリアも統計には現われない。

これらのことを考えると、我々が目にしている各国やWHOの数字は、集計漏れを別にしても、感染の実態の一部しか見ていないことが分かる。

無症候性キャリアや、潜伏期間中の感染者は、見えないのだ。

そうはいっても、誰もその正確な数字を知らないし、表面に出てきたデータを頼るしかない。

で、画像のなかでは、表現の問題はあるかもしれないが、単純に感染者から死者を差し引いた数字を「生存者」としてプロットしてみた(まあ、あんま意味ないとは思いつつ)。

最近、リベリアを中心に死者について見直しが行われたこともあり、引き算の結果である生存者の数字が急増している。

上記で引用した記事にもあるが、生存者については血液中に抗体ができているので、それを治療に活用しようという話があるらしい。

実際の効果は疑問だし、他の感染症を広めるリスクもあり、慎重な対応が必要だが、無論、何も手立てがないよりはいい。

ウィキの更新は、シエラレオネの死者数を、WHOの数字ではなく、相変わらずシエラレオネ発表の数字を採用している。

いつまで続くか分からないが、まあ、そのうち誤差の範囲になるだろう。

(Timeline of reported cases and deaths)
http://en.wikipedia.org/wiki/Ebola_virus_epidemic_in_West_Africa#Timeline_of_reported_cases_and_deaths

グラフは、例によって、ウィキの数字で作成している。

今日は、G20の記事も出た。

(G20 エボラ熱流行終息へ首脳声明)
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20141115/k10013230891000.html

「G20各国は、国際的な努力によって流行を終息させるとともに、流行が及ぼす中期的な経済的、人道的コストに対応するため、必要なことを行う」

まあ、何も言っていないのと大して違わないとは思うんだが・・・。

「将来における同様の危機による経済的影響に対処するための新しい柔軟な仕組みを探求することを求める」

どこの国がいくら拠出したとか、そういう報道に晒されるのはたくさんだということか。

提案したのがどこか分からないが、我が国もきっと一枚噛んでるに違いない。

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