🐱欧州大戦争:ベトナムの選択2024年05月19日 09:20

欧州大戦争:ベトナムの選択


(プーチンに来訪を招請、ベトナムは「ロシアがウクライナに勝利」を確信か)
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/81045

「戦争が起きた時に、どちらに付くかは善悪や正義の問題ではない。勝つ方に付かなければならない。戦いが終わってから旗色を鮮明にしても、勝った国から冷たく扱われるだけだ。」

「中世のイタリアでは、中立だった国は勝った国に攻め滅ぼされてしまった。」

「全方位外交を標榜するベトナムは500年前のマキャベリの忠告に忠実に従った。ベトナムはウクライナ戦争がロシアの勝利で終わると確信した」

まあ、この見立てが正しいかどうかは別として、どこを切っても金太郎飴な記事ばっかし読まされている浮沈子としては、久々に頭の中がすっきりした気分になった。

「ロシアは初期の作戦の失敗を跳ね返した。緒戦に敗れても戦意を失わない。いい意味での“鈍感力”がロシアの持ち味であろう。」

それが本当かどうかはともかく(なんとなく根拠に乏しい気も)、妙に納得させられるものがある。

読みながら、思わず首を縦に振っている自分に気づいたりするのだ(あるある・・・)。

まあ、どうでもいいんですが。

「ウクライナの人口は約4000万人であり、その人口はカトリック系とギリシャ正教系に分かれる。ウクライナで祖国防衛に熱意を持っているのは主にカトリック系であり、ギリシャ正教系の人々の戦意は高くない。」

現状はもっと少ないと思われるが、宗派別の戦闘意欲というのは、ユニークな視点だ。

「カトリック系住民の意識は西欧に近く、ロシア人のような鈍感力を持ち合わせていない。そのため、戦いが長引くに連れて、ウクライナに厭戦気分が広がり始めている。」

まあ、どうでもいいんですが。

「この戦争はロシアの勝利で終わる。それならば、早い時期にロシア側に付くべきだ──。ベトナムがプーチンにハノイ訪問を要請した真の理由である。」

「プーチンがベトナムを訪問すれば、これまで中立を保ってきた多くの開発途上国はその外交姿勢を再検討することになるだろう。」

この記事の見立て通りなら、世界は転換点を迎えるということになる。

もう一つ、頭がすっきりする記事を読んだ。

(バイデンVSトランプの米大統領選、異なる世界観と針路の選択 ミード氏詳報)
https://www.sankei.com/article/20240518-T3N3HYNECBKUTKD6BC56RXJK4I/

「バイデン氏はベトナム戦争時代の産物だ。反戦活動の波が押し寄せた1970年代初めに上院議員に選ばれた。ベトナムは悲劇的な紛争だったが、左派の人々はそこから誤った教訓を学んだ。」

たまたま、ベトナム絡みとなったが、そういう選択ではない。

「米国の政策はもっと道徳的になるべきで強力な軍事力を持つべきではないと考えた。海外を回り、人権や民主主義についてレクチャー(講義)することが安定をもたらすと考えた。」

ミード氏は、それは誤りだと説く。

「穏やかに話し、太い棍棒(こんぼう)を持て(言葉は控えめでも行動する意思と準備を)」(セオドア・ルーズベルト(第26代大統領))

トランプは、こっちの選択をするに違いないと見ている。

「トランプ氏はウクライナ支援を盛り込んだ緊急予算で議会が重大局面を迎えたとき、(共和党強硬派の反対を押し切って採決に動いた同党の)ジョンソン下院議長を支持した。」

「妨害すれば阻止に成功したはずなのに孤立主義者となる最大の見せ場で動かなかった。」

浮沈子も、これは意外だったが、ミード氏は想定内と見ているようだ。

「トランプ氏は親プーチンだという見方を私は信用しない。」

「プーチンに弱みを見せるようなやり方で譲歩は得られまい。プーチンはもっと要求する気になるだろう。」

「トランプ氏は反リベラル国際主義者だが、誰かと違って、プーチンとイデオロギー上の争いをすることに興味はないだろう。」

米国がどういう選択をするかは米国民にかかっている。

「米国はあらゆる可能性を尽くした後で正しいことを行うと信じていい」(チャーチル(元英首相))

「北大西洋条約機構(NATO)から台湾、イスラエルに至るまで米国民は疑問を投げかけているが、200年以上の米国の歴史をみれば、最終的に良い答えを見いだすと思う。」

そうあって欲しいと願うが、んなことは当てにはならない。

200年以上の米国の歴史を見れば、それは明らかだろう。

「諦めて喪に服すつもりは私にはない。」

WSJのコラムニストとして、健筆を続けてもらいたいものだ・・・。

<以下追加>ーーーーーーーーーー

(ロシア攻撃キャンペーンの評価、2024 年 5 月 18 日)
https://www.understandingwar.org/backgrounder/russian-offensive-campaign-assessment-may-18-2024

最近は、要約された太字のとこしか読んでないんだが、今日のISWの記事はぶっ飛んでいた!。

「ロシア安全保障会議のドミトリー・メドベージェフ副議長は、ロシアが構想する「緩衝地帯」がウクライナ全土を包含するよう求め、クレムリンの緩衝地帯構想は、ウクライナ全土を包摂するというロシアの長年の意図を薄く覆い尽くした正当化であり、おそらくは、ロシアの戦争遂行に対する国内の支持を集める努力。」

ややワケワカな自動翻訳だったので、詳細を読んでみた(メドベージェフ絡みというのも気になったからな)。

「ロシアの諸都市を警戒範囲外に置くためには、少なくともウクライナ中央部全域とウクライナ西部のかなりの部分にロシアの「衛生[緩衝]地帯」を拡大する必要があると述べた。」

まあ、改造軽飛行機に爆弾積んでリモコンで飛ばし、1300km離れたロシア本土内を攻撃しているわけだからな。

この辺りまでは、浮沈子の妄想の範囲内だ(このブログでも既に触れています)。

「もしウクライナがロシアの都市への攻撃を続ければ、ロシア軍は衛生地帯をさらにウクライナ西側のポーランドとの国境、あるいはポーランド国内まで拡張しなければならないだろうと主張」

ポーランド国内だってえ!?。

べらぼーめ・・・。

「メドベージェフがこの投稿をロシア語の電報チャンネルで公開するという決定は、彼のメッセージがロシア国内の視聴者に向けられたものであることを示唆しており、メドベージェフは予想される2024年夏のロシアの攻撃作戦に先立って、想像される将来のロシアのウクライナ勝利に関する支持と興奮を生み出すつもりである可能性がある。 、その結果、ロシア人員の大規模な損失が発生する可能性」

相変わらず、ロシア思いのISWだな(そういうことかあ?)。

記事では、ズビンチュクの「スームィ州とチェルニーヒウ州の地域を占領すべき」とする主張や、ラブロフの「拡大する緩衝地帯の下にある入植地を守るためにロシア軍はウクライナへさらに攻撃を続ける必要がある」とする主張にも触れているが、ウクライナ国内に留まっているので割愛する。

「ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は最近、ハリコフ州北部におけるロシアの攻撃作戦を、ウクライナの攻撃からベルゴロド市を守るためにウクライナ領土に「緩衝地帯」を開発するロシアの取り組みの一環であると特徴づけた」

プーチンは、せいぜい砲弾が届く範囲程度(15kmくらい?)を想定した侵略にしか言及していないと思われる。

それ自体が情報戦とも考えられるが、言葉だけを捉えればそうなる。

ラブロフの自己増殖的緩衝地帯説(「説」かあ?)も、また、際限のない拡張を内包している。

このスキームで、国外に展開することも可能だし、そもそもプーチンの特別軍事作戦が、ウクライナを丸ごと緩衝地帯に(非武装化)することが目的だから、少なくともウクライナ国内に対しては理に適っている。

が、メドベージェフはもっと直截に、ポーランドという国名にまで言及してNATOとの直接対決を示唆している。

欧州大戦争、大賛成!(そんなあ!)。

浮沈子の妄想を超えて、現実の世界は爆走を始めている(そうなのかあ?)。

事実は妄想より奇なり・・・。

<さらに追加>ーーーーーーーーーー

(ウクライナ情勢
ロシア、ウクライナ攻勢強める 北東部と南部で3集落制圧)
https://jp.reuters.com/world/ukraine/RJ67NUU4HZIQPFBC543FSASITU-2024-05-15/

「国防省によると、ロシア軍はハリコフ州のルキャンツィとグルボコエの2集落を新たに制圧。ザポロジエ州ではロボティネを完全に制圧した。」

数日前の記事を、ボーっと読んでいて引っかかった。

グルボコエって、どこよ!?。

一緒に出てくるルキャンツィの方は、何となくわかるんだが、グルボコエがどこなんだか、見当がつかない。

たぶん、日本語版を作る時に、翻訳者(翻訳ソフト?)がテキトーにカタカナにしたんだろうが、AFPのように固有名詞に添え字をしてくれないので確認できない。

元記事を当って確認しようとしたんだが、標題から探そうとしても見つからなかった。

仕方なく、ハリコフ(Kharkiv)をキーワードにして、日付を頼りに見つけた。

(ヨーロッパ
ロシア軍がウクライナの3つの入植地を制圧、国防省が発表)
https://www.reuters.com/world/europe/russian-forces-take-control-three-settlements-ukraine-says-defence-ministry-2024-05-15/

似て非なるタイトル、異なる分類(ウクライナ情勢:日本語版、ヨーロッパ:英語版)、自動翻訳(グーグル翻訳)を通すと、こっちでも怪しげな地名が・・・。

「国防省は声明で、ロシアの「北部」軍事集団の部隊が激しい戦闘の末、ハリコフ地方のフリボケとルキャンシの入植地を占領し、「敵の防衛の奥深く」に進軍したと発表した。」

フリボケって、どこよ!?。

が、まあ、進撃の状況や日程から、概ね推測はついている。

グルボコエ(日本語版)=フリボケ(英語版自動翻訳)=Hlyboke(英語表示)=ライボケ(浮沈子のテキトーな読み)

しかし、フリボケはいいとして、グルボコエというのは、どこから読んでも読めない気がするんだがな。

まあ、どうでもいいんですが。

ちなみに、ウィキで同じスペリングで検索すると、オデッサ州の別の村がヒットしてしまう。

(Hlyboke:スペイン語版(英語版はありません))
https://es.wikipedia.org/wiki/Hlyboke

「 •国 ウクライナ
•州 オデッサ州」

まあいい。

ロイターの日本語版の作成が、どういう仕掛けで行われているのかは知らない。

ロイターの元記事の発信地はモスクワとなっているから、試しにこの街のロシア語版を表示してみる。

(Глубокое (Одесская область))
https://ru.wikipedia.org/wiki/%D0%93%D0%BB%D1%83%D0%B1%D0%BE%D0%BA%D0%BE%D0%B5_(%D0%9E%D0%B4%D0%B5%D1%81%D1%81%D0%BA%D0%B0%D1%8F_%D0%BE%D0%B1%D0%BB%D0%B0%D1%81%D1%82%D1%8C)

自動翻訳を通すと、なんと、グルボコエが出てきた。

「グルボコエ (オデッサ地域)」

「グルボコエ(ウクライナ語: Gliboke) は、ウクライナのオデッサ地方のタタルブナリ地区 にある村です。」

ひょっとすると、ロイターの日本語記事は、ロシア語版からの翻訳なのかもしれない(未確認)。

謎は、ほぼ解けた気がする。

キリル文字はよく分からないんだが、なんとなくグルボコエと読めそうな気もする(ウクライナ語をラテンアルファベットに置き換えたGlibokeはグリボケと読める気も・・・)。

ウクライナの地名は難しい。

ロシア語読みとウクライナ語読み、さらには英語読みがごっちゃになっている。

わが国の情報ソースは、米国など英語圏からのルートが多いので、欧州の話になると早速大混乱をきたす。

今回の件も、そういう意味では非常にいい勉強になった。

確認しておこう。

「国防省によると、ロシア軍は「ハルキウ」州の「ルクヤンツィ」と「ライボケ」の2集落を新たに制圧。ザポロジエ州ではロボティネを完全に制圧した。」(再掲:一部修正)

なお、航空万能論の戦況マップでは、5月19日時点でライボケは完全制圧下とは評価されていない。

(ロシア軍がブフルヴァトカを占領、ハルキウとドネツクの複数方向で前進)
https://grandfleet.info/war-situation-in-ukraine/russian-troops-occupy-bukhruvatka-advance-in-multiple-directions-towards-kharkiv-and-donetsk/

「ハルキウ方面」

「ロシア軍の支配地域に変更はないもののグレーゾーンが拡大した」「ロシア軍がライボケとルクヤンツィからリプシ方向に前進しようとしている」(ウクライナ人が運営するDEEP STATE)

元記事が英語版からという先入観も、浮沈子的には反省点だな・・・。

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