🐱膝とリンゴと2セント ― 2024年02月10日 22:38
膝とリンゴと2セント
(ロケットレポート:米軍は依然として二地点間通信を望んでいる。インドの 2024 年の大きな野心)
https://arstechnica.com/space/2024/02/rocket-report-us-military-still-wants-point-to-point-indias-big-2024-ambitions/
記事を読みながら、今日も英語のお勉強・・・。
「長年にわたりSpaceXについて多くの報道をしてきた者として、私は2セントを捧げたいと思います。」(As someone who has reported a lot on SpaceX over the years, I'll offer my two cents.)
「しかし、最終的には膝での小さな打ち出しをカットすることを目的として価格設定されたと私は信じています。」(However, I do believe it was ultimately priced with the intent of cutting small launch off at the knees.)
「今年のレーン1の締め切りに間に合わなかった企業は、毎年のようにまたリンゴをかじることになる」(Companies that miss this year’s Lane 1 deadline will have another bite at the apple on an annual basis)
もう、ワケワカ・・・。
単文での自動翻訳はやや異なるが、ここでの浮沈子的訳を掲げておく。
・2セントを捧げる→控えめに主張する
・膝を切る→邪魔する、断念させる
・またリンゴをかじる→次のチャンスに賭ける
作家でもあるエリックバーガーの記事を読むのは大変だ(2冊目の本を執筆中だそうです:1冊目は「リフトオフ」)。
まあ、どうでもいいんですが。
記事の中身は、あんま気になる話はない。
ロケットラボが、再使用ロケットとしてスクラッチから開発しているニュートロンが、年内に発射台にお目見えすることを目標にしているくらいか。
「我々は依然として年末までに Neutron をパッドに搭載することを目標にしている」(同社の広報担当者)
「それはそれでいいのですが、スペース X がファルコン 9 ロケットを「パッド上」に置いたのが 2009 年 1 月で、初めて打ち上げられたのは 2010 年 6 月だったことはおそらく覚えておく価値があるでしょう。」
相変わらず、辛らつだな(むしろ、懐が深いのかも)。
打ち上げロケットは、なんといっても早ければ今月の打ち上げとなるかも知れないスターシップ(IFT3:統合飛行テストの3回目)がどうなるかが焦点だ。
3度目の正直になるか、2度あることは3度あるということになるのか。
最大の懸念は、1段目の切り離し後の制御に失敗した原因が公表されていないことだな。
FAAには報告されているんだろうから、特定して対策を済ませているということだろう(未確認)。
今回は、その情報はない。
2段目の爆発の原因は、残った酸素を放出したら引火したということらしい(酸素は助燃剤)。
3度目のミッションとしては、
・軌道到達(弾道じゃなくて)
・軌道上での推進剤の移送(2段目のタンク間での移送)
・スターリンクV2(V3?)の射出装置のテスト(詳細不明)
・軌道上でのラプター2エンジンの再起動(イグナイターで点火できんのかあ?)
・大気圏再突入におけるマニューバリングと耐熱タイルの性能テスト
などが予定されている。
発射台周りや、地上の燃料ファーム(貯蔵施設)も改良されているらしいから、それらのテストも行われる(つーか、ぶっ壊れないか確認するだけ?)。
史上最大のロケットが飛ぶ。
飛ぶことは間違いないだろうが、問題は、どこまで飛ぶのか、ちゃんと飛ぶのか、機能は十全なのかということになる。
今年は、数回の統合飛行テストが想定されているようだ(既に、5回目分までは製造に取り掛かっている)。
軌道上燃料タンクなデポ、そこへ給油しに行くタンカー、肝心の月面着陸船(HLS:ヒューマンランディングシステム)、スターリンクを打ち上げる専用貨物船、一般のペイロードを運ぶ汎用貨物船のテストも必要だ。
そういえば、ナノラックスの軌道ステーション(ISSの後継の民間宇宙ステーション)「スターラブ」に関する記事も上がっている。
(スターシップは民間宇宙ステーション「スターラブ」とインドの衛星「ファルコン9」GSAT-N2を打ち上げる)
https://www.elonx.cz/starship-vynese-soukromou-kosmickou-stanici-starlab-a-falcon-9-indickou-druzici-gsat-n2/
「 Voyager Space と Airbus は、昨年 8 月にStarlab Space という名前にふさわしい合弁会社を設立しました。」
当初はロッキードマーチンが参画していたらしいが、途中からエアバスに変わって、ナノラックス→スターラブスペースとなったようだ。
「2023 年 10 月、スターラブ スペースはノースロップ グラマンと協力してステーションの開発を開始しました。」
で、この打ち上げが、スターシップなんだとさ!。
「新会社Starlab Space LLCが設立後にとった実質的な最初のステップは、2024年1月中旬に、将来のステーションが開発中のStarship打ち上げロケットによって軌道に打ち上げられるというSpaceXとの契約を結んだことだった。」
地上で組み立てられて、ドデカイ打ち上げロケットに積まれて、一発で展開できるというわけだ。
「今後、ステーションを軌道上で組み立てる必要はなくなり、製造され、地球上の格納庫に統合されます。これにより、生産に必要な期間が半分、つまり 3 年に短縮され、立ち上げおよび関連運用コストも 80% 以上節約されます。」
スターシップは、アルスの記事にあったミニ衛星の大量打ち上げ(ライドシェア)に対しても、革命的変化を及ぼすだろう(2セントじゃ済まない?)。
一気に1000基くらい打ち上げることになるかも知れない(2段目を使い捨てにした時のペイロード重量は、低軌道で250トンと言われている)。
べらぼーめ・・・。
部屋の中のゾウであるスターシップは、業界に破壊的な影響力を発揮するだろう。
文字通り、その他大勢は、ニッチな市場で生き残っていくしかない。
ライドシェアでは到達することができない軌道や、特定のタイミングで上げなければならない衛星とかな。
そういう需要は一定程度あるし、軍事衛星とかは、出来れば自国のロケットで上げたいと思っている国は多いだろう(我が国もそうですけど)。
宇宙利用のすそ野を広げる効果は絶大だ。
浮沈子の予想では、2030年代半ばになれば、有人バージョンが飛ぶようになり、弾道軌道経由で旅客を運ぶことが出来るようになるだろう。
そうなれば、月世界旅行は目の前になる。
オリオン宇宙船に頼ることなく、軌道上の燃料デポで給油して、月面に直行する。
ああ、やっぱ、ゲートウェイで乗り換えることになるのかな。
月着陸船は、特殊な仕様だしな。
で、次は火星だ。
その次は木星・・・。
浮沈子は、スターシップが実現しても、火星への有人探査はムリポと見ている。
放射線防御、無重力対策、閉鎖空間での長期間の滞在エトセエトセ・・・。
いわんや木星をや・・・。
まあいい。
それらに挑戦し、解決していくのは次世代の連中だ。
それでも実現できるかどうかは分からない。
金とやる気と技術があっても、人類がやるべきかどうかという問題もある。
それを決めるのも人類だ。
いや、ひょっとすると、AIが決めることになるのかもな・・・。
(ロケットレポート:米軍は依然として二地点間通信を望んでいる。インドの 2024 年の大きな野心)
https://arstechnica.com/space/2024/02/rocket-report-us-military-still-wants-point-to-point-indias-big-2024-ambitions/
記事を読みながら、今日も英語のお勉強・・・。
「長年にわたりSpaceXについて多くの報道をしてきた者として、私は2セントを捧げたいと思います。」(As someone who has reported a lot on SpaceX over the years, I'll offer my two cents.)
「しかし、最終的には膝での小さな打ち出しをカットすることを目的として価格設定されたと私は信じています。」(However, I do believe it was ultimately priced with the intent of cutting small launch off at the knees.)
「今年のレーン1の締め切りに間に合わなかった企業は、毎年のようにまたリンゴをかじることになる」(Companies that miss this year’s Lane 1 deadline will have another bite at the apple on an annual basis)
もう、ワケワカ・・・。
単文での自動翻訳はやや異なるが、ここでの浮沈子的訳を掲げておく。
・2セントを捧げる→控えめに主張する
・膝を切る→邪魔する、断念させる
・またリンゴをかじる→次のチャンスに賭ける
作家でもあるエリックバーガーの記事を読むのは大変だ(2冊目の本を執筆中だそうです:1冊目は「リフトオフ」)。
まあ、どうでもいいんですが。
記事の中身は、あんま気になる話はない。
ロケットラボが、再使用ロケットとしてスクラッチから開発しているニュートロンが、年内に発射台にお目見えすることを目標にしているくらいか。
「我々は依然として年末までに Neutron をパッドに搭載することを目標にしている」(同社の広報担当者)
「それはそれでいいのですが、スペース X がファルコン 9 ロケットを「パッド上」に置いたのが 2009 年 1 月で、初めて打ち上げられたのは 2010 年 6 月だったことはおそらく覚えておく価値があるでしょう。」
相変わらず、辛らつだな(むしろ、懐が深いのかも)。
打ち上げロケットは、なんといっても早ければ今月の打ち上げとなるかも知れないスターシップ(IFT3:統合飛行テストの3回目)がどうなるかが焦点だ。
3度目の正直になるか、2度あることは3度あるということになるのか。
最大の懸念は、1段目の切り離し後の制御に失敗した原因が公表されていないことだな。
FAAには報告されているんだろうから、特定して対策を済ませているということだろう(未確認)。
今回は、その情報はない。
2段目の爆発の原因は、残った酸素を放出したら引火したということらしい(酸素は助燃剤)。
3度目のミッションとしては、
・軌道到達(弾道じゃなくて)
・軌道上での推進剤の移送(2段目のタンク間での移送)
・スターリンクV2(V3?)の射出装置のテスト(詳細不明)
・軌道上でのラプター2エンジンの再起動(イグナイターで点火できんのかあ?)
・大気圏再突入におけるマニューバリングと耐熱タイルの性能テスト
などが予定されている。
発射台周りや、地上の燃料ファーム(貯蔵施設)も改良されているらしいから、それらのテストも行われる(つーか、ぶっ壊れないか確認するだけ?)。
史上最大のロケットが飛ぶ。
飛ぶことは間違いないだろうが、問題は、どこまで飛ぶのか、ちゃんと飛ぶのか、機能は十全なのかということになる。
今年は、数回の統合飛行テストが想定されているようだ(既に、5回目分までは製造に取り掛かっている)。
軌道上燃料タンクなデポ、そこへ給油しに行くタンカー、肝心の月面着陸船(HLS:ヒューマンランディングシステム)、スターリンクを打ち上げる専用貨物船、一般のペイロードを運ぶ汎用貨物船のテストも必要だ。
そういえば、ナノラックスの軌道ステーション(ISSの後継の民間宇宙ステーション)「スターラブ」に関する記事も上がっている。
(スターシップは民間宇宙ステーション「スターラブ」とインドの衛星「ファルコン9」GSAT-N2を打ち上げる)
https://www.elonx.cz/starship-vynese-soukromou-kosmickou-stanici-starlab-a-falcon-9-indickou-druzici-gsat-n2/
「 Voyager Space と Airbus は、昨年 8 月にStarlab Space という名前にふさわしい合弁会社を設立しました。」
当初はロッキードマーチンが参画していたらしいが、途中からエアバスに変わって、ナノラックス→スターラブスペースとなったようだ。
「2023 年 10 月、スターラブ スペースはノースロップ グラマンと協力してステーションの開発を開始しました。」
で、この打ち上げが、スターシップなんだとさ!。
「新会社Starlab Space LLCが設立後にとった実質的な最初のステップは、2024年1月中旬に、将来のステーションが開発中のStarship打ち上げロケットによって軌道に打ち上げられるというSpaceXとの契約を結んだことだった。」
地上で組み立てられて、ドデカイ打ち上げロケットに積まれて、一発で展開できるというわけだ。
「今後、ステーションを軌道上で組み立てる必要はなくなり、製造され、地球上の格納庫に統合されます。これにより、生産に必要な期間が半分、つまり 3 年に短縮され、立ち上げおよび関連運用コストも 80% 以上節約されます。」
スターシップは、アルスの記事にあったミニ衛星の大量打ち上げ(ライドシェア)に対しても、革命的変化を及ぼすだろう(2セントじゃ済まない?)。
一気に1000基くらい打ち上げることになるかも知れない(2段目を使い捨てにした時のペイロード重量は、低軌道で250トンと言われている)。
べらぼーめ・・・。
部屋の中のゾウであるスターシップは、業界に破壊的な影響力を発揮するだろう。
文字通り、その他大勢は、ニッチな市場で生き残っていくしかない。
ライドシェアでは到達することができない軌道や、特定のタイミングで上げなければならない衛星とかな。
そういう需要は一定程度あるし、軍事衛星とかは、出来れば自国のロケットで上げたいと思っている国は多いだろう(我が国もそうですけど)。
宇宙利用のすそ野を広げる効果は絶大だ。
浮沈子の予想では、2030年代半ばになれば、有人バージョンが飛ぶようになり、弾道軌道経由で旅客を運ぶことが出来るようになるだろう。
そうなれば、月世界旅行は目の前になる。
オリオン宇宙船に頼ることなく、軌道上の燃料デポで給油して、月面に直行する。
ああ、やっぱ、ゲートウェイで乗り換えることになるのかな。
月着陸船は、特殊な仕様だしな。
で、次は火星だ。
その次は木星・・・。
浮沈子は、スターシップが実現しても、火星への有人探査はムリポと見ている。
放射線防御、無重力対策、閉鎖空間での長期間の滞在エトセエトセ・・・。
いわんや木星をや・・・。
まあいい。
それらに挑戦し、解決していくのは次世代の連中だ。
それでも実現できるかどうかは分からない。
金とやる気と技術があっても、人類がやるべきかどうかという問題もある。
それを決めるのも人類だ。
いや、ひょっとすると、AIが決めることになるのかもな・・・。
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