🐱膝とリンゴと2セント ― 2024年02月10日 22:38
膝とリンゴと2セント
(ロケットレポート:米軍は依然として二地点間通信を望んでいる。インドの 2024 年の大きな野心)
https://arstechnica.com/space/2024/02/rocket-report-us-military-still-wants-point-to-point-indias-big-2024-ambitions/
記事を読みながら、今日も英語のお勉強・・・。
「長年にわたりSpaceXについて多くの報道をしてきた者として、私は2セントを捧げたいと思います。」(As someone who has reported a lot on SpaceX over the years, I'll offer my two cents.)
「しかし、最終的には膝での小さな打ち出しをカットすることを目的として価格設定されたと私は信じています。」(However, I do believe it was ultimately priced with the intent of cutting small launch off at the knees.)
「今年のレーン1の締め切りに間に合わなかった企業は、毎年のようにまたリンゴをかじることになる」(Companies that miss this year’s Lane 1 deadline will have another bite at the apple on an annual basis)
もう、ワケワカ・・・。
単文での自動翻訳はやや異なるが、ここでの浮沈子的訳を掲げておく。
・2セントを捧げる→控えめに主張する
・膝を切る→邪魔する、断念させる
・またリンゴをかじる→次のチャンスに賭ける
作家でもあるエリックバーガーの記事を読むのは大変だ(2冊目の本を執筆中だそうです:1冊目は「リフトオフ」)。
まあ、どうでもいいんですが。
記事の中身は、あんま気になる話はない。
ロケットラボが、再使用ロケットとしてスクラッチから開発しているニュートロンが、年内に発射台にお目見えすることを目標にしているくらいか。
「我々は依然として年末までに Neutron をパッドに搭載することを目標にしている」(同社の広報担当者)
「それはそれでいいのですが、スペース X がファルコン 9 ロケットを「パッド上」に置いたのが 2009 年 1 月で、初めて打ち上げられたのは 2010 年 6 月だったことはおそらく覚えておく価値があるでしょう。」
相変わらず、辛らつだな(むしろ、懐が深いのかも)。
打ち上げロケットは、なんといっても早ければ今月の打ち上げとなるかも知れないスターシップ(IFT3:統合飛行テストの3回目)がどうなるかが焦点だ。
3度目の正直になるか、2度あることは3度あるということになるのか。
最大の懸念は、1段目の切り離し後の制御に失敗した原因が公表されていないことだな。
FAAには報告されているんだろうから、特定して対策を済ませているということだろう(未確認)。
今回は、その情報はない。
2段目の爆発の原因は、残った酸素を放出したら引火したということらしい(酸素は助燃剤)。
3度目のミッションとしては、
・軌道到達(弾道じゃなくて)
・軌道上での推進剤の移送(2段目のタンク間での移送)
・スターリンクV2(V3?)の射出装置のテスト(詳細不明)
・軌道上でのラプター2エンジンの再起動(イグナイターで点火できんのかあ?)
・大気圏再突入におけるマニューバリングと耐熱タイルの性能テスト
などが予定されている。
発射台周りや、地上の燃料ファーム(貯蔵施設)も改良されているらしいから、それらのテストも行われる(つーか、ぶっ壊れないか確認するだけ?)。
史上最大のロケットが飛ぶ。
飛ぶことは間違いないだろうが、問題は、どこまで飛ぶのか、ちゃんと飛ぶのか、機能は十全なのかということになる。
今年は、数回の統合飛行テストが想定されているようだ(既に、5回目分までは製造に取り掛かっている)。
軌道上燃料タンクなデポ、そこへ給油しに行くタンカー、肝心の月面着陸船(HLS:ヒューマンランディングシステム)、スターリンクを打ち上げる専用貨物船、一般のペイロードを運ぶ汎用貨物船のテストも必要だ。
そういえば、ナノラックスの軌道ステーション(ISSの後継の民間宇宙ステーション)「スターラブ」に関する記事も上がっている。
(スターシップは民間宇宙ステーション「スターラブ」とインドの衛星「ファルコン9」GSAT-N2を打ち上げる)
https://www.elonx.cz/starship-vynese-soukromou-kosmickou-stanici-starlab-a-falcon-9-indickou-druzici-gsat-n2/
「 Voyager Space と Airbus は、昨年 8 月にStarlab Space という名前にふさわしい合弁会社を設立しました。」
当初はロッキードマーチンが参画していたらしいが、途中からエアバスに変わって、ナノラックス→スターラブスペースとなったようだ。
「2023 年 10 月、スターラブ スペースはノースロップ グラマンと協力してステーションの開発を開始しました。」
で、この打ち上げが、スターシップなんだとさ!。
「新会社Starlab Space LLCが設立後にとった実質的な最初のステップは、2024年1月中旬に、将来のステーションが開発中のStarship打ち上げロケットによって軌道に打ち上げられるというSpaceXとの契約を結んだことだった。」
地上で組み立てられて、ドデカイ打ち上げロケットに積まれて、一発で展開できるというわけだ。
「今後、ステーションを軌道上で組み立てる必要はなくなり、製造され、地球上の格納庫に統合されます。これにより、生産に必要な期間が半分、つまり 3 年に短縮され、立ち上げおよび関連運用コストも 80% 以上節約されます。」
スターシップは、アルスの記事にあったミニ衛星の大量打ち上げ(ライドシェア)に対しても、革命的変化を及ぼすだろう(2セントじゃ済まない?)。
一気に1000基くらい打ち上げることになるかも知れない(2段目を使い捨てにした時のペイロード重量は、低軌道で250トンと言われている)。
べらぼーめ・・・。
部屋の中のゾウであるスターシップは、業界に破壊的な影響力を発揮するだろう。
文字通り、その他大勢は、ニッチな市場で生き残っていくしかない。
ライドシェアでは到達することができない軌道や、特定のタイミングで上げなければならない衛星とかな。
そういう需要は一定程度あるし、軍事衛星とかは、出来れば自国のロケットで上げたいと思っている国は多いだろう(我が国もそうですけど)。
宇宙利用のすそ野を広げる効果は絶大だ。
浮沈子の予想では、2030年代半ばになれば、有人バージョンが飛ぶようになり、弾道軌道経由で旅客を運ぶことが出来るようになるだろう。
そうなれば、月世界旅行は目の前になる。
オリオン宇宙船に頼ることなく、軌道上の燃料デポで給油して、月面に直行する。
ああ、やっぱ、ゲートウェイで乗り換えることになるのかな。
月着陸船は、特殊な仕様だしな。
で、次は火星だ。
その次は木星・・・。
浮沈子は、スターシップが実現しても、火星への有人探査はムリポと見ている。
放射線防御、無重力対策、閉鎖空間での長期間の滞在エトセエトセ・・・。
いわんや木星をや・・・。
まあいい。
それらに挑戦し、解決していくのは次世代の連中だ。
それでも実現できるかどうかは分からない。
金とやる気と技術があっても、人類がやるべきかどうかという問題もある。
それを決めるのも人類だ。
いや、ひょっとすると、AIが決めることになるのかもな・・・。
(ロケットレポート:米軍は依然として二地点間通信を望んでいる。インドの 2024 年の大きな野心)
https://arstechnica.com/space/2024/02/rocket-report-us-military-still-wants-point-to-point-indias-big-2024-ambitions/
記事を読みながら、今日も英語のお勉強・・・。
「長年にわたりSpaceXについて多くの報道をしてきた者として、私は2セントを捧げたいと思います。」(As someone who has reported a lot on SpaceX over the years, I'll offer my two cents.)
「しかし、最終的には膝での小さな打ち出しをカットすることを目的として価格設定されたと私は信じています。」(However, I do believe it was ultimately priced with the intent of cutting small launch off at the knees.)
「今年のレーン1の締め切りに間に合わなかった企業は、毎年のようにまたリンゴをかじることになる」(Companies that miss this year’s Lane 1 deadline will have another bite at the apple on an annual basis)
もう、ワケワカ・・・。
単文での自動翻訳はやや異なるが、ここでの浮沈子的訳を掲げておく。
・2セントを捧げる→控えめに主張する
・膝を切る→邪魔する、断念させる
・またリンゴをかじる→次のチャンスに賭ける
作家でもあるエリックバーガーの記事を読むのは大変だ(2冊目の本を執筆中だそうです:1冊目は「リフトオフ」)。
まあ、どうでもいいんですが。
記事の中身は、あんま気になる話はない。
ロケットラボが、再使用ロケットとしてスクラッチから開発しているニュートロンが、年内に発射台にお目見えすることを目標にしているくらいか。
「我々は依然として年末までに Neutron をパッドに搭載することを目標にしている」(同社の広報担当者)
「それはそれでいいのですが、スペース X がファルコン 9 ロケットを「パッド上」に置いたのが 2009 年 1 月で、初めて打ち上げられたのは 2010 年 6 月だったことはおそらく覚えておく価値があるでしょう。」
相変わらず、辛らつだな(むしろ、懐が深いのかも)。
打ち上げロケットは、なんといっても早ければ今月の打ち上げとなるかも知れないスターシップ(IFT3:統合飛行テストの3回目)がどうなるかが焦点だ。
3度目の正直になるか、2度あることは3度あるということになるのか。
最大の懸念は、1段目の切り離し後の制御に失敗した原因が公表されていないことだな。
FAAには報告されているんだろうから、特定して対策を済ませているということだろう(未確認)。
今回は、その情報はない。
2段目の爆発の原因は、残った酸素を放出したら引火したということらしい(酸素は助燃剤)。
3度目のミッションとしては、
・軌道到達(弾道じゃなくて)
・軌道上での推進剤の移送(2段目のタンク間での移送)
・スターリンクV2(V3?)の射出装置のテスト(詳細不明)
・軌道上でのラプター2エンジンの再起動(イグナイターで点火できんのかあ?)
・大気圏再突入におけるマニューバリングと耐熱タイルの性能テスト
などが予定されている。
発射台周りや、地上の燃料ファーム(貯蔵施設)も改良されているらしいから、それらのテストも行われる(つーか、ぶっ壊れないか確認するだけ?)。
史上最大のロケットが飛ぶ。
飛ぶことは間違いないだろうが、問題は、どこまで飛ぶのか、ちゃんと飛ぶのか、機能は十全なのかということになる。
今年は、数回の統合飛行テストが想定されているようだ(既に、5回目分までは製造に取り掛かっている)。
軌道上燃料タンクなデポ、そこへ給油しに行くタンカー、肝心の月面着陸船(HLS:ヒューマンランディングシステム)、スターリンクを打ち上げる専用貨物船、一般のペイロードを運ぶ汎用貨物船のテストも必要だ。
そういえば、ナノラックスの軌道ステーション(ISSの後継の民間宇宙ステーション)「スターラブ」に関する記事も上がっている。
(スターシップは民間宇宙ステーション「スターラブ」とインドの衛星「ファルコン9」GSAT-N2を打ち上げる)
https://www.elonx.cz/starship-vynese-soukromou-kosmickou-stanici-starlab-a-falcon-9-indickou-druzici-gsat-n2/
「 Voyager Space と Airbus は、昨年 8 月にStarlab Space という名前にふさわしい合弁会社を設立しました。」
当初はロッキードマーチンが参画していたらしいが、途中からエアバスに変わって、ナノラックス→スターラブスペースとなったようだ。
「2023 年 10 月、スターラブ スペースはノースロップ グラマンと協力してステーションの開発を開始しました。」
で、この打ち上げが、スターシップなんだとさ!。
「新会社Starlab Space LLCが設立後にとった実質的な最初のステップは、2024年1月中旬に、将来のステーションが開発中のStarship打ち上げロケットによって軌道に打ち上げられるというSpaceXとの契約を結んだことだった。」
地上で組み立てられて、ドデカイ打ち上げロケットに積まれて、一発で展開できるというわけだ。
「今後、ステーションを軌道上で組み立てる必要はなくなり、製造され、地球上の格納庫に統合されます。これにより、生産に必要な期間が半分、つまり 3 年に短縮され、立ち上げおよび関連運用コストも 80% 以上節約されます。」
スターシップは、アルスの記事にあったミニ衛星の大量打ち上げ(ライドシェア)に対しても、革命的変化を及ぼすだろう(2セントじゃ済まない?)。
一気に1000基くらい打ち上げることになるかも知れない(2段目を使い捨てにした時のペイロード重量は、低軌道で250トンと言われている)。
べらぼーめ・・・。
部屋の中のゾウであるスターシップは、業界に破壊的な影響力を発揮するだろう。
文字通り、その他大勢は、ニッチな市場で生き残っていくしかない。
ライドシェアでは到達することができない軌道や、特定のタイミングで上げなければならない衛星とかな。
そういう需要は一定程度あるし、軍事衛星とかは、出来れば自国のロケットで上げたいと思っている国は多いだろう(我が国もそうですけど)。
宇宙利用のすそ野を広げる効果は絶大だ。
浮沈子の予想では、2030年代半ばになれば、有人バージョンが飛ぶようになり、弾道軌道経由で旅客を運ぶことが出来るようになるだろう。
そうなれば、月世界旅行は目の前になる。
オリオン宇宙船に頼ることなく、軌道上の燃料デポで給油して、月面に直行する。
ああ、やっぱ、ゲートウェイで乗り換えることになるのかな。
月着陸船は、特殊な仕様だしな。
で、次は火星だ。
その次は木星・・・。
浮沈子は、スターシップが実現しても、火星への有人探査はムリポと見ている。
放射線防御、無重力対策、閉鎖空間での長期間の滞在エトセエトセ・・・。
いわんや木星をや・・・。
まあいい。
それらに挑戦し、解決していくのは次世代の連中だ。
それでも実現できるかどうかは分からない。
金とやる気と技術があっても、人類がやるべきかどうかという問題もある。
それを決めるのも人類だ。
いや、ひょっとすると、AIが決めることになるのかもな・・・。
🐱ウクライナ降伏不可避:人口 ― 2024年02月11日 06:08
ウクライナ降伏不可避:人口
(ウクライナの人口問題 急減続き危機的状況<佐藤優のウチナー評論>)
https://ryukyushimpo.jp/news/entry-1772936.html
登録しないと読めない記事なんだが、なんとかコピペして読んだ(琉球新報さんにはご内密に・・・)。
「ウクライナ国民は2千万人以下しか残っていない」(トランプ政権で最も影響力のある軍人の一人、ダグラス・マグレガー:ジェームスタウン財団の報告書の専門家も同様の結論に達している)
なんと!。
(ウクライナ)
https://www.mofa.go.jp/mofaj/area/ukraine/data.html
「4,159万人(クリミアを除く)(2021年:ウクライナ国家統計局)」
ちなみに、クリミア(自治共和国)は、ざっくり200万人と言われている(もう少し多い数字もあります)。
概算で4400万人ということになる。
半分以下じゃん!?。
わが国の外務省は、こんなテキトーな数字使って仕事してるのかあ?。
まあ、どうでもいいんですが。
英文のウィキには、もう少し穏やかな数字が出ている。
(ウクライナの人口統計)
https://en.wikipedia.org/wiki/Demographics_of_Ukraine
「国連によると、 2023年時点でウクライナの人口は3,674万4,636人である。」
「2023年7月、ロイター通信は、西ヨーロッパへの難民の流入により、キエフ支配地域の人口は2,800万人まで減少した可能性があると報じた。」
うーん、全然穏やかじゃないなあ・・・。
「これは主に、現在進行中のウクライナ難民危機とロシアのウクライナ侵略による領土の喪失によるものである。」
2年間で1400万人近くの減少だ(2021年との比較:クリミア除く)。
ちなみに、クリミアを除く占領下にある州の人口は以下の通りだ(2021年)。
・ルハンシク州:2,104,531人
・ドネツク州:4,062,839人
・ザポリージャ州:1,640,876人
・ヘルソン州:1,002,923人
合計:8,811,169人
まあ、この時点でも東部の一部が占領下にあったり、現在でも4州の一部はキエフ支配下にあるから、単純に差っ引いたりしたらまずいんだろうが、そこは、まあ、テキトーに処理する。
国外へ避難している難民がどのくらいいるかは分からない。
ざっと1000万人と言われている(800万という数字も:後述)。
そうすると、人口の減少は、1900万人近くになるわけで、2021年の人口統計が仮に正しいとしても、およそ2300万人というおっそろしい数字になる。
そもそも、2021年の人口統計自体に問題があるらしい。
「人口学・社会研究所のエラ・リバノヴァ所長は12月に、2017年には既にウクライナ人は2800万人を超えていなかったと述べている」(琉球新報:2017年時点というのは、かなり踏み込んだ数字だ。)
これが本当なら、現在、キエフが支配している地域には、1000万人程度しか住んでいないことになるわけで、大問題ということになる(2800万人ー1900万人=900万人!!)。
ちなみに、2022年にロシアが併合した東部の人口は以下だ。
・ルガンスク人民共和国:1 400 000人(2022年)
・ドネツク人民共和国:2,253,560人(2020年)
ルガンスク人民共和国は、ずいぶんざっくりな数字だが、もともと推計だから問題はない(そうなのかあ?)。
しかし、900万人しかいないというのは、俄かには信じられない数字だったので、少し丁寧に調べてみようと思った。
いくつか記事も当たった。
(ウクライナ出生数減少、独立以降最大の割合 侵攻前同期比28%低下)
https://www.asahi.com/articles/ASR812SJKR81UHBI006.html
「ロシアによるウクライナ侵攻が始まる前年の2021年の同時期と比べ、ウクライナの今年半年間の出生数が28%低下」
「世界銀行によると、ウクライナ侵攻前の同国の人口は約4380万人だったが、キーウ・インディペンデントは研究機関の話として、30年には3500万人以下に減少する恐れがあると伝えている。」
なんか、浮沈子がはじき出した900万人とはかけ離れた数字のような気がする。
(アングル:ウクライナ悩ます人口減少問題、戦争終結後も経済に打撃か)
https://jp.reuters.com/article/idUSKBN2YQ04B/
「国立科学アカデミーの人口学者、エラ・リバノバ氏は、ウクライナは高齢者の割合が大きく、かねて世界で最も低い水準だった出生率は戦争が勃発して以来、0.9から0.7に低下したと説明した。」
リバノバ氏は、先の引用で2017年時点で2800万人を割り込んでいるという衝撃の推計値を出している研究者だ。
出生率も、べらぼーに低いけど、大丈夫なのかな・・・。
「100万人がロシア軍と戦っており、さらに数百万人がロシアに占領された地域に住んでいるか、ロシアに強制移動させられた。」
「現在、ロシアは国内の約5分の1を占領している。リバノバ氏は、ウクライナが支配する地域の人口は、侵攻前の政府推計の4100万人から、既に2800万人にまで減少していると見積もっている。推計では2014年にロシアに併合されたクリミアは除外されており、この地域の同年初頭の人口は約200万人だった。」
いやいや、2800万人というのは2017年の数字だから、ここから国外避難や占領地の人口を差っ引かなければならない。
ロイターの数字と、琉球新報の数字は同じ2800万人だけど、推計している次期が違うから、国外避難やロシア支配下の人口の扱いが変わってくる。
どっちなんだろうな。
「人口学者のリバノバ氏は、ウクライナ支配地域の今年初頭の人口を2800万人から3400万人と推定している。」(2023年の記事)
ほほう、推計値にも幅があるわけだ。
しかし、いずれにしても、2000万人台という数字にはかなりリアリティがある感じだ。
「ただ、政府はロシアによる侵略後に愛国心が急激に高まったことを理由に、難民の帰国をもっと楽観視している。オレクシー・ソボレフ経済副大臣は最近の円卓会議で、戦闘終結から3年以内に難民の最大75%がウクライナに戻るとの見通しを示した。」
なんか、ずいぶん楽天的な気がするなあ。
国外避難の数字も調べた。
(ウクライナ難民の最新情報|日本の受け入れ現状・問題と私たちにできる支援)
https://spaceshipearth.jp/ukraine-refugees/
「UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)によると、2023年1月現在のウクライナ国内避難民は600万人、EUの国々へ逃れた難民の数は800万人」
国外への避難民は、この時点では800万人ということになる(EU域外は、この際割愛だな:そんなあ!)。
「UNHCRによると、近隣国に渡ったウクライナの難民は約800万人で、ポーランド、ハンガリー、モルドバ、ルーマニア、ドイツ、チェコ共和国などが受け入れています。(2023年1月時点)」
ちなみに、我が国はこの時点では2000人程度だ。
(紛争はウクライナの人口問題を悪化させ、人口減少が最も大きい国の1つとなった)
https://eritokyo.jp/independent/Ukraines-war-situation-aow2133.html
「紛争後、残るウクライナ人は2800万人にとどまると推定されている。」(スコットランドの研究者)
ここでも、2800万人というのが出てきたな。
「1991年の独立時までに、約 5,200 万人がウクライナに住んでいた。」
「2001 年の国勢調査では、4,850 万人の人口が記録された。」
この辺りの数字には、各資料の間で乖離はない。
「敵対行為が勃発する前の最新の公式推計によると、2 月には 3,750 万人がキーウの支配地域に住んでいた。この数字は、年金基金のデータと携帯電話の使用状況に基づく 2020 年の推定値に近かった。」
傍証もあるし、2022年の侵攻前の数字としては、この辺りが妥当な気がする。
「今年2月、ウクライナの統計局は、ドネツクとルハンシク地域のロシア支配地域に約350万人が住んでいると推定し、2021年のロシアの国勢調査では、併合されたクリミアに240万人が記録された。」
ルガンスク・ドネツク両共和国の人口の合計は、ざっくり365万人余りだから、まあ、誤差の範囲内だ。
クリミアの数字も、やや多い気がするけど、ロシアが国勢調査を行っているわけだから、信用してもいいかもしれない(うーん、やっぱ怪しい?)。
「国連難民機関の最新のデータによると、780 万人のウクライナ人が海外にいる。しかし9月、別の国連機関は、そのうち約120万人が帰国したと報告した。」
そうすると、海外には差し引き660万人が住んでいるということなわけだ。
「ウクライナ国立科学アカデミーの人口統計学者であるエラ・リバノワ氏は、現在、政府が管理する地域に約 3,400 万から 3,500 万人が住んでいると推定している。」
これは、前の記事の数字の高値を取っている。
「しかし、多くの難民が故郷と新しい避難所の間で引き裂かれた 2 つの家に住んでいるため、数字は推測にすぎない。」
侵攻後の変化を見るとこうなる。
・2022年2月:3,750 万人(キエフ支配地域)
・国外へ避難:780万人
・帰国:120万人
・ロシア支配地域の増加に伴う減少:880万人ー350万人=530万人
3750ー780+120ー530=2,560
うーん、まあ、なんとなく無難な数字に見える。
正確な数字は分からない。
この計算は、ロシア併合州の未占領地域の人口を引き過ぎているから、キエフ支配地域という点では、過小になっている。
推計している次期もずれているし、既に1年以上前の数字もある。
細かい話(!)になるが、戦死しているウクライナ兵もいるから、数万人単位での誤差は生じるだろう(ウクライナは、戦死者数は公表していない)。
冒頭で書いたように、900万人とか言うべらぼーな数字にはならない。
が、3000万人を切っていることは間違いない感じだ。
ウィキが引用しているロイター(日本語記事と同じ)の数字(2800万人:リバノバ氏推計低値:2017年時点ではない)は、かなり真の値に近いかもしれない。
問題は、人口の減少が経済に与える影響だな。
人口の減少は、それだけで経済効果を推し量ることはできない。
年齢階層の分布とか、労働人口がどうとか、教育水準がどうとか、男女比がどうとか、そういうややっこしい要素を勘案して、国内産業とのマッチングや国際競争力との兼ね合いで決まるんだろう(不勉強でスイマセン!)。
ウクライナの人口問題について書いている記事はどれも、将来の人口増加が見込めない点を最大の問題としている。
今回は取り上げなかったけど、もう一方の戦争当事国であるロシアもまた、人口減少問題を抱えている。
ドンパチが始まってからは、国外脱出する人も多かったからな(100万人以上と言われている)。
もちろん、それ以前からの減少が続いているわけで、ウクライナほどではないにしても長期的な影響が懸念される。
両国とも、戦争なんてさっさとやめて、平和な暮らしを取り戻して子孫と国家の繁栄を享受するのがよろしいようだ・・・。
<以下追加>ーーーーーーーーーー
(アウディーイウカのウクライナ軍は危機的状況、街が南北に分断される寸前)
https://grandfleet.info/war-situation-in-ukraine/the-ukrainian-army-in-audi-ivka-is-in-a-critical-situation-the-city-is-on-the-verge-of-being-divided-into-north-and-south/
「市内北西部の足場からインダストリアル・プロスペクト通りまでの距離は300m以下」
「ウクライナ軍はアウディーイウカ南部を放棄して今直ぐ撤退を開始すべき」(ブログ管理人)
「もしアウディーイウカ南部を守るウクライナ軍部隊が包囲され降伏する羽目になればマリウポリの二の舞いになるため、それだけは避けなければならない。」(同上)
ウクライナ軍司令部としては、それは織り込み済みなのではないか。
浮沈子は、2月上旬には落ちると思っていたけど、守備隊は粘っている。
調子に乗って、犠牲を厭わず攻めてくるロシア軍を、可能な限り疲弊させるという戦術を維持している。
その戦術には、何の意味もない。
それは、昨年の反転攻勢でザルジニーが証明済みだ。
彼によれば、ロシア軍が覚悟しているこの戦争での犠牲者は、数万人でもなければ数十万人でもない。
数百万とか数千万の単位だそうだ(ホントかあ?)。
アウディーイウカに投入されている戦力は、たかだか数万人だ。
誤差の範囲内だな。
弾薬もたっぷりあるし、装甲車両も数百両は投入しているが、大増産に励んでいるから問題ないんだろう(未確認)。
アウディーイウカの陥落は時間の問題となっている。
まあ、以前もそう書いたが、守備隊は意外に粘っているので比喩的表現ということにしておこうか。
ここを突破されたウクライナ軍が、次にどこを防衛線として設定するつもりなのかは知らない。
バフムトのように、郊外に陣取って粘るのかもしれない。
温存していた予備戦力で、そこをいつまで守り切れるかが問題だ。
既に、アウディーイウカはオワコンだな・・・。
([社説]危ういウクライナ支援停滞)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQODK0684U0W4A200C2000000/
「支援の停滞が続けば、「法の支配」を守る民主主義陣営の決意の揺らぎとして世界に誤ったシグナルを発することになる。」
実に、日経的健全で金太郎飴な見解だが、「民主主義陣営の決意」は、とっくの昔に消し飛んでいる。
「総額500億ユーロ(約8兆円)の支援」も、「ハンガリーのオルバン首相が反対し実現が遅れた。」
米国でも、「政治家が一致団結して進めるべきウクライナへの支援が「政争の具」となっている」
従来から言い古されてきた、この手の話がまとめて書いてある社説だな。
で、それを承知で漫然と読んでいたんだが、ちょっと気になることがあって、書いておくことにした。
「ウクライナで力による現状変更の前例をつくれば、中国の軍事力強化や北朝鮮の核ミサイル開発できびしさを増すアジアの抑止力も一段と揺さぶられる。欧州とアジアの安全保障が不可分であることはいくら強調しても足りない。」
それは、たぶん、無関係なのではないのか。
ひょっとしたら、むしろ逆かも知れない。
西側の支援が続いてウクライナとの戦争が長引き、西側の戦力も全体として削がれていく状況が続けば、中国や北朝鮮が二正面作戦を展開しやすい環境を作ることになるのではないのか。
浮沈子は、ソ連が取ってきた「平和攻勢」のことが頭に浮かんでいる。
(平和攻勢)
https://kotobank.jp/word/%E5%B9%B3%E5%92%8C%E6%94%BB%E5%8B%A2-129103
「なんらかの行きづまりを平和的手段によって打開しようとする当事国の一方的試み」
「局地戦争における軍事的膠着状態」
「当事国の一方が,交渉による解決を唱えて他方を国際世論の前に好戦国として印象づけた結果,停滞状況が解決の方向に歩み出すことがある。」
ウクライナには大変申し訳ないけど、支援を打ち切り、謹んで差し出すことで事態を収拾し、軍事的緊張を下げ、ロシアの軍備増強をけん制した方が得策なのではないか。
国家は、国益で動くべきで、正義の名のもとに国益を損なうことがあってはならない。
正義は、ころころ変わるからな。
バイデン政権は、ウクライナへの支援打ち切りを「犯罪」とまで形容している。
が、これがトランプ政権が出来れば、「正義」に様変わりすることになる。
まあ、どうでもいいんですが。
徹底抗戦を続けて長期的にロシアと戦っていれば、そのうちウクライナは消えてなくなる。
人口問題で見たように、この国はもともと滅びる運命にあるのかもしれない。
正義かどうかは別として、ロシアの侵攻は、その事態を緩和するかもしれない(ロシア化は進むでしょうけど)。
浮沈子は正義派じゃない。
ウクライナでどんな統治が行われようと、知ったことではない。
が、それはそういった途端に、我が国に跳ね返ってくる。
少子高齢化が急速に進むわが国は、いずれ消えてなくなる運命だ。
移民に対しては、「徹底抗戦」しているからな。
東京に住んでいると、それでも周り中で中国語が乱れ飛んでいる。
いずれ、中国の勢力圏に取り込まれるだろうことを、肌で感じる。
今は、春節真っ最中だしな。
プーチンは、ウクライナ紛争を、内戦として捉えている。
先日行われた、西側とのインタビューで、そう宣伝していた。
台湾問題は、中国にとって内政だそうだ(もちろん、台湾は反対だろうけど)。
ウクライナがロシア勢力圏内にすんなり収まれば、台湾も武力による抵抗を控えて、平和裏に統合されるかもしれない。
台湾有事の際に米軍が暴れまくれば、我が国はとばっちりを受けて、米軍兵士より多くの犠牲者を出すという話もある(そうなのかあ?)。
西側の経済人が指摘する通りなら、ロシアの軍需産業の隆盛は、ロシアの国民生活の向上には結びつかない(一部の関係者は別でしょうけど)。
そのことは、西側にとっても同じだろう。
緊張を緩和し、今後も平和の報酬を受け続けるべきだ。
浮沈子は、このままいけば欧州大戦争は避けられないと思っているけど、決してそれを望んでいるわけではない(プーチンも、表向きはそう言ってるしな)。
日経は、決してそういう視点には立たないだろうが、経済的発展を続けるためには、軍事的緊張は毒だ。
それを緩和するために、何をしたらいいかを真剣に考えてもらいたいな・・・。
<さらに追加>ーーーーーーーーーー
(ウクライナ敗戦で1千万人避難も 独紙報道「最悪のシナリオ」)
https://news.yahoo.co.jp/articles/f5d693546912a67bee1405d5c6c6d85893a4e72f
「ウクライナが敗戦した場合、さらに1千万人以上のウクライナ人が国外に避難する可能性」(ドイツ政府の想定:ドイツ紙ウェルト電子版)
おっと、仮に現在2800万人とすれば、残りは1800万人になる。
浮沈子の最小予想(900万人?)だと、マイナスになる(そんなあ!)。
やれやれ・・・。
これで、戦後復興が出来んのかあ?。
まあ、それよりも、欧州がウクライナの敗戦に言及している点が重要だ。
やっぱ、ヨーロッパ人はリアリストが多いな。
「大量の避難民流出と北大西洋条約機構(NATO)諸国への戦争拡大という最悪のシナリオが起こり得る」(専門家の見解:同紙)
いやいや、最悪のシナリオはまだあるぞお・・・。
(NATOに「ロシアけしかける」 軍事費負担求め、トランプ氏)
https://news.yahoo.co.jp/articles/36249a4d6feca1142172d114c64ea8a1a382884c
「自身が在任中に北大西洋条約機構(NATO)のある加盟国に対し、軍事費を適切に負担しなければロシアが攻撃してきても米国は支援せず、むしろ「好きに振る舞うようロシアをけしかけてやる」と伝えた」(トランプ氏)
「在任中、NATOとの関係を悪化させ、脱退にも言及」
これに対し、ホワイトハウスは猛然と反論している。
「残忍な(プーチン)政権に、われわれの最も親しい同盟国への侵略を促すとは、低劣で正気と思えない」
まあ、在任中の話だから、もちろん、ウクライナ侵攻以前だ。
が、今でもこの話を持ち出しているということは、何も変わっていないと見るべきだろう。
米国に関する限り、NATO第5条(集団的自衛権の発動)は死文と化している(もしトラだったらな)。
もっとも、トランプさんの発言をよく読むと、NATO加盟国が負担金を応分に払うことを求めている中でのもので、逆に言えばNATO強化につながったということも言えるかも知れない。
ショック療法というやつか。
が、現にウクライナ支援に反対していることも事実だから、再選された時にどうなるかは分からない。
「トランプ氏は、サウスカロライナ州コンウェイで開催された選挙集会で、ウクライナとロシアの戦争を終わらせるべきだと述べ、ウクライナとイスラエルに緊急資金を提供する法案可決を上院が目指す状況で、外国への追加支援にあらためて反対を表明した。」
米国が、ロシアと一緒になって、欧州を挟撃するかもしれないぞお(そんなあ!)。
まあ、どうでもいいんですが。
トランプ的ディールとして、欧州市場を捨てることはないだろうから、何らかの形で関与は続けると思われる。
ロシアと仲良く分け合うというのは、想定されるシナリオだ。
大欧州戦争は回避され、再び東西に分割された欧州には平和が訪れる。
自由と民主主義はどこへやらだな。
が、その最悪のシナリオ(?)をもたらすのは、自由の国である米国の民主主義だ。
欧州は、バイデン政権の存続を望んでいるだろうが、米国の大統領選挙に大っぴらに介入はできないからな。
ロシアは、裏では積極的に介入しているんだろうが、そういう真似は出来ないだろう(未確認)。
独裁的な専制主義と違って、為政者にとって、民主主義というのは実に不自由なもんだな・・・。
<さらにさらに追加>ーーーーーーーーーー
(アウジーイウカ陥落は「時間の問題」 分析グループ、バフムートの轍踏むなと警告)
https://forbesjapan.com/articles/detail/69050
「アウジーイウカは「陥落するかどうかではなく、いつ陥落するかの問題」になりつつある」(ウクライナの調査分析グループ、フロンテリジェンス・インサイト)
この記事では、アウディーイウカの戦略的価値について触れている。
・ロシア側がアウジーイウカを取れば、来月に予定される見せかけの選挙での再選を前に、ウラジーミル・プーチン大統領は戦果として誇れる
・ロシア軍はアウジーイウカのような州内の抵抗拠点を除去し、陣地や兵站を固めようとしている
・ウクライナ側はアウジーイウカを保持することで、ドネツク州内を走る鉄道路線を脅かし、ロシア側にウクライナ東部各地への人員や装備の輸送で、効率の悪い別の手段の使用を強いる
・アウジーイウカを離れ、数km西にある強化された陣地に退却すれば、ウクライナ側がドネツク州を貫くロシア軍の補給線を脅かし続けるのは格段に難しくなる
・ロシア側がウクライナ東部の占領を固めることにつながる。
浮沈子が別記事で読んだのは、近隣のドネツク市に対する砲撃の緩和というのもあったな。
撤退の遅れについては、別の問題が発生することになる。
記事では、バフムトの例を挙げて、適時な撤退を促している。
「ロシア軍がウクライナ側の両翼を制圧し、補給ルートを遮断すると、(ロシア側とウクライナ側の)損耗率はほぼ同じになった」(同上)
「ウクライナ軍の指揮官たちは、バフムートからの撤退を遅らせすぎた結果、ロシア側よりかなり少なく抑えていた損耗を増やし、それによってウクライナ国民からの信用を失った。」
「ウクライナ軍の一部将官の評判は地に落ち、無謀な正面攻撃をさせることで悪名高いロシア軍の将官と並べられるほどだ」(同上)
その一部将官の中には、新総司令官に着任したばかりのシルスキー大将が含まれていることは周知だ。
やれやれ・・・。
「その結果、ウクライナが3年目、さらに4年目の戦争努力を続けるために、数十万人を動員する計画に支障が出かねなくなっている。」
「国民の間では自発的に軍隊に参加しようとする熱意が薄らいできている」(同上)
まあ、ゼレンスキー政権には大規模動員をかける気がないわけだからな。
問題はない(そうなのかあ?)。
「アウジーイウカに対するロシア側の挟撃がさらに進む前に守備隊を撤退させれば、ウクライナ軍の指揮官たちは何百人の命を救えるだろうし、自分たちへの信用も保てる」
すでに、その時は過ぎている。
記事の筆者は、この撤退が戦略的損失をもたらすとは限らないと主張しているが、それには重要な条件が付いている。
「適切な武器とそれと同じくらい重要な十分な弾薬があれば、ウクライナ側はアウジーイウカから撤退して数km西の陣地を固めたあとも、ドネツク州を通るロシア側の補給線をなお攻撃できる」
が、しかし、それはない。
「状況の悪化に歯止めが利かなくなるのを回避するためには、西側からの時宜を得た援助がきわめて重要だ」(同上)
結果的に、アウディーイウカからの撤退は、戦略的損失をもたらすことになる。
状況の悪化に歯止めが掛からなくなり、撤退後の陣地を維持することも困難になることは目に見えている。
「より高性能な大砲やロケットランチャー、長距離飛行弾薬、それを発射する軍用機がもっとあれば、ウクライナ軍はアウジーイウカの廃墟をロシア軍に明け渡したあとでも、遠方からロシア軍の補給線を攻撃し、東部の状況を実際に改善していくことができる。」
そんなものはない。
それが、現実だ。
いつになったら、必要な兵器が前線に届くようになるのかの見通しもない。
「和党議員らはその頑なな姿勢によって第110旅団の死活的に重要な弾薬を枯渇させ、アウジーイウカの陥落を助長した。彼らは同旅団の死亡した兵士たちを生き返らせることはできない。」
裏切ったのは共和党の一部議員じゃない。
出来もしない口約束を繰り返し、ウクライナを戦争に駆り立てた現政権だ。
中間選挙で下院を取られ、予算成立に困難が生じることは想定の範囲内だったのにもかかわらず、軍事支援を約束し続けてきた。
バーンズ(CIA長官)は、大統領選挙の影響で米国の支援が不安定になることを、既に昨年6月にウクライナ側に伝えている。
ウクライナは、それを承知で行動してきた。
浮沈子には、当然の帰結に思える。
武器弾薬は適時に届かず、増援の兵隊は来ない。
その現実を受け入れて、次の戦略を構築しない限り、戦線は次々と崩壊していくしかない。
国外からも、国内からも支援は届かない。
ザルジニーは、どうすればいいかは9割分かっていると主張していた(CNNへの寄稿)。
シルスキーは、それを実現することが出来るんだろうか・・・。
<また追加>ーーーーーーーーーー
(“ウクライナ防空能力 支援なければ3月までしかもたず” 米紙)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240211/k10014355331000.html
「ウクライナの防空能力について(中略)ミサイルの補給など欧米から新たな支援がなければ来月までしかもたないと見ている」(アメリカ政府関係者:NYT)
「支援がなければウクライナは来月、局地的な反撃に苦戦し、初夏にはロシアの攻撃をはね返すことが困難になるおそれがある」(当局者や専門家の分析:NYT)
局地的な反撃に苦戦しているのは、昨年秋からだがな。
10月7日のイスラエルでのテロ攻撃以降、米国からの砲弾の供給は激減している(それ以前の3割程度か:未確認)。
防空用のミサイルも、このペースで行くと来月までか(ロシアの攻撃頻度にもよるんでしょうが)。
浮沈子的には、NYTの記事は、かなり楽観的な予測に基づいていると見ている。
実際の話としては、来月にはロシアの攻撃を跳ね返すことが出来なくなり、戦線が崩壊すると見ている。
いや、それでも甘いかもしれない。
その間、米国は手も足も出せないだろう。
<またまた追加>ーーーーーーーーーー
(ウクライナが敗北しない軍事的な理由:陸上作戦の視点)
https://www.spf.org/iina/articles/yamaguchi_06.html
「・・・ウクライナが敗北する気配はない。」(2023年4月3日の記事)
ウクライナの人口問題を探る中で、検索していたらヒットした記事。
内容的には、今は昔な感じだが(そうなのかあ?)、当時を思い出しながら読み返すと、現在のウクライナの苦境の原因が浮き彫りになる気がする。
それは、逆説的に、「ウクライナが敗北する軍事的な理由:陸上作戦の視点」となるからだ。
「米国はクリミア併合直後の2015年には310名の訓練支援要員を含め計364名の軍事援助団をウクライナに派遣している」
「ロシアによる侵攻の前年にあたる2021年には、カナダ200名、リトアニア30名、ポーランド40名、アメリカ150名の軍事顧問団がウクライナ軍の訓練や近代化を支援していた」
周知のとおり、西側の軍事顧問団は、全員撤退している。
まあ、逆に、ウクライナ兵を西側で教育訓練しているわけだから、この点では後退したとは言えないかも知れない。
「報道によれば、昨年秋の段階で米国はすでに168億ドル(約2兆4,500億円)以上の軍事支援を行なっている」
やっぱ、軍事支援が問題だな。
「広範な意味での情報戦やサイバー領域での戦いに関しても、西側諸国の政府機関はもちろんマイクロソフトやアマゾンなどの情報関連企業も、主としてウクライナのサイバー防衛能力を強化するため、サイバー・セキュリティ要員の訓練、制度改革、システム強化などの分野で支援してきた」
ここまでは、西側の初期の支援の話だ。
サイバー領域の話はあまり表に出てこないが、機会があれば取り上げたい。
浮沈子的最大の関心は、やはり、兵員の動員にある。
記事では、ロシアの状況も詳細に触れている。
「ロシア軍高級将校の多くは兵員補充のための人的資源は無尽蔵だとの誤解に基づいて人命を軽視した作戦指導をしてきた」
「ロシア軍が兵士の募集に深刻な問題を抱えていることは、2010年代半ばから指摘されてきた。」
「各軍の充足率は2014年の時点で82%であった。」
「兵士の約三分の一はわずかな訓練しか受けていない徴兵に依存せざるを得ない状況」
「2020年におけるロシアの総人口は、約1億4,600万、出生率1.51で、日本の約1億2,600万人、出生率1.34とよく似た人口構成」
おっと、我が国とあんま変わんないのか。
「このような社会で兵員の損耗を顧みない作戦指揮を行えば募集が困難になるのは当然で、兵士の士気は下がるし、兵士を送る家族、すなわち民衆の軍に対する信頼・支持を失う結果を招く。」
ロシアは、その後、政治的リスクを負って大規模動員を掛けたほか、前線投入において囚人を活用するなど、ありとあらゆる手段を使って兵員の増強に努めている。
「ウクライナもロシアに似た人口動態を経てきており、軍人の離職率が高いという問題を抱えてきた。」
「皮肉なことだが、この問題ゆえに本格的な軍事訓練を受けた若年層が一般社会に多く存在し、結果的に潜在的な予備兵力となったと評価されている」
へえーっ、それは知らなかったな・・・。
「ロシア軍は侵攻計画を策定する上でウクライナの動員能力を過小評価するという過ちを犯した。」
うーん、それが主因とは思えないが、まあ、影響は小さくないだろう。
ウクライナ軍の規模は、現在も100万人程度とされ、開戦当時のロシア正規軍に匹敵する。
そう簡単に負ける気づかいはなかったわけだ。
戦術面についても解説がある。
「ロシアが苦戦している理由の筆頭に自軍に対する自信過剰と敵に対する過小評価を挙げている」(英国のシンクタンク国際戦略研究所)
うーん、現状を見ると、まんまウクライナ軍に当てはまる感じがするな・・・。
「ロシアは開戦に際して15万人の兵力を展開したが、その目標は明らかに過大だった。ロシアの侵攻計画は、開戦後10日でウクライナを打倒し、8月までには全国を平定して併合することを前提とした短期決戦、いわば電撃戦を想定していた。キーウを早期に占領することでウクライナの指導層は逃走し、国家は崩壊する。また、進軍するに従って親ロシアの住民がロシア軍を支持するという楽観的なシナリオだ。」
当初の思惑は不明だが、おそらく、この通りだったに違いない。
浮沈子が、「ウクライナ降伏不可避」とサブタイトルを付けたのは、侵攻直前の状況から「ウクライナ侵攻不可避」と付けたサブタイトルに続くつもりだったが、そう見立てた動機は、ロシアの当初見込みと同じだ。
まあ、米国CIAも、当時はそう見立てていたわけだし、フランスの諜報機関は、そもそも侵攻はないと見ていたから、実際の状況は世界の専門家の予想を裏切ったわけだ。
戦術レベルの開設は詳細を極めている。
「開戦以来、両軍ともに下級指揮官のリーダーシップを重視してきた。ロシア軍は侵攻に際して127個の大隊戦術グループ(Battalion Tactical Groups: BTG)に行動地域と達成すべき任務を与えたと言われる。」
「BTGは600-800人からなっており、数個の歩兵中隊の他、砲兵、防空、工兵、後方支援の機能を備えた、コンパクトながら独立的に行動できる単位だ。」
「流動的な状況の下、比較的小規模な部隊が分散して自律的に機動し迅速に戦闘の決着をつけることがこの編成の狙いだ。」
うーん、悪くない気がするんだがな・・・。
「BTGは下級将校と下士官の能力に依存した編成」
「プロフェッショナルな志願兵が不足するロシア軍には不向きな編成」
「結果として、ロシア軍自体がこの考え方を放棄したと観測されることとなった」
やれやれ・・・。
やっぱ、机上の空論じゃダメなわけだ。
対するウクライナ軍はどうだったのか。
「2014年以来、ウクライナ軍は、低強度とはいえ10年近くにわたってロシア軍と交戦し続けてきた。この間、常にエスカレート、つまりロシア軍による大規模侵攻を念頭において準備を進めてきた。」
「特に、中堅以下の将校は、数個正面にローテーションで配置され、それぞれの正面の地形やロシア軍の戦法に習熟するよう求められてきた」
こうした準備を整えてきたウクライナ軍は、侵攻当初から十全な能力を発揮したわけだ。
ゼレンスキーは、大規模動員について、軍の内部でのローテーションで回避可能と見ているようだが、これらの対応について、ちゃんとわかってるんだろうか?。
まあいい。
兵器の詳細については割愛するが、砲兵や弾薬については重要な指摘がある。
「ウクライナ軍は、近年榴弾砲などの砲身砲や多連装ロケットの砲兵火力の強化に勤めてきた。」
「2014年のクリミア併合以来、ロシア軍との交戦における死傷者の90%が砲兵によるという経験に基づいてのことだ。」
「開戦時におけるロシアとウクライナの兵力を比較してみると、総兵力で90万人:21万人とロシアが圧倒的に優位にあるのに対し、砲兵では砲2,433門:1,176門、多連装ロケット3547軌:1.680軌とその差は決定的な水準ではなかった」
うーん、素人的には大砲の数でもロケット砲でも2倍というのは「決定的」に見えるんだがな。
確かに、総兵力4倍強という状況に比べれば、差が少ないということは言えるかも知れない。
「ウクライナ軍がロシア軍と同じ砲を使用している一方、目標の捜索と射撃の観測のためにドローンを多用し、また、砲兵部隊を効率的に運用するためにデジタル指揮統制システムを活用していることがその背景にある。」
これについては、NATO軍関係者も指摘しており、砲弾の数の差を補っているとされている。
その砲弾についても言及がある。
「砲兵の役割が高いことは砲弾の消費量が大きいことを意味し、砲弾生産力がこの要求を満たし続けるのか否かが問題」
まさに、現在がその状況にある。
大問題だ・・・。
「米国をはじめとするNATO諸国は、昨年の開戦以来ウクライナに対して150門を超える155ミリ榴弾砲を供与してきた。」
「ウクライナ軍は平均して1日に3,000発、1ヶ月にすると9万発の155ミリ砲弾を消費する。」
現在と、あまり変わらない消費量だったが、反転攻勢時は1日1万発程度は使っていたようだ。
「これに対して米国全体での同砲弾生産量は月産1万4千発、ウクライナ軍1ヶ月の消費量を生産するのに半年を要する計算となる。」
「米国防省は、砲弾やミサイルの消費が予想以上であったことを背景として、弾薬類の生産基盤を現在の約3倍にすべく強化し始めたが、これには時間を要する。155ミリ砲弾の場合、2023年春までに月産2万発、そして2025年に月産4万発の目標に達するとされる」
1年前から、増産の準備は行っていたが、それでも到底需要を満たすことはできない。
支援が再開されても、それは同じという点が重要だ。
「西側の支援が続く限り、ロシアに勝機はなさそうだ。」
「一方、ロシアが負けることも想像しがたい。」
その理由として、ウクライナの反攻における補給線が延びることを挙げているが、まさか、西側の支援が途絶えること、ウクライナの動員が困難を極めることは想定できなかったようだ。
純軍事的考察だけでは、戦争の行方を見通すことはできない。
この記事が出てから、まだ1年経っていないことを考えると、この間の状況の変化は想像以上であったことが分かる。
ウクライナ降伏不可避。
浮沈子の見立ては変わらない。
ザルジニーが指摘した通り、戦争の勝利を決めるのは「破壊と領域支配」だ。
ピンポイントの高価値目標やインフラの破壊も確かに重要だが、それが戦場の状況の改善につながるかどうかは別の話だ。
ウクライナは、短期の戦闘では成果を上げてきたが、支援が細る中、国力の差がものをいう長期戦に入って問題が噴出してきている。
現政権は、軍の改革で現状を改善できるとしているようだが、それがムリポなことは誰が見ても明らかだろう。
2800万人の国民が、1億5千万人(支配地域を含む)を超えるロシアと対峙している。
開戦当時のウクライナ軍の正規兵の戦力が21万人という記述があったが、それが本当だとすれば、予備役等で80万人が一気に増加したことになる。
もともと、離職者が多いという問題を抱えていたところに、ロシア侵攻というイベントが重なり、十分な訓練を受けずに投入された兵士は前線には送り込めなかったに違いない(未確認)。
軍内部でのローテーションだけでは、問題を解決できない理由の一つかもな。
ロシアは、少なくとも短期的に戦争を継続する体制に移行しているが、ウクライナは産業が疲弊していることと同時に、軍隊内部の問題にも取り組まなければならない。
既に書いたNYTの記事の通り、米国の支援が再開されなければ、5月には敗戦に追い込まれる。
大規模動員は不可避だし、政治的リスクから実施できないに違いない。
じり貧のまま、兵隊も武器弾薬も不足したまま、破壊と領域支配を受け続けることになる。
わが国は、太平洋戦争において本土決戦せずに無条件降伏したけど、ウクライナは、開戦当初から本土決戦だからな。
地続きの国は大変だな・・・。
<もっと追加>ーーーーーーーーーー
(ロシアが占領地域でスターリンクを使用しているとウクライナが発表)
https://www.reuters.com/world/europe/ukraines-military-intelligence-says-it-confirms-use-musks-starlink-by-russian-2024-02-11/
「ロシア占領者による所定の機器の使用事例が登録されている。これは組織的な性質を帯び始めている」(ウクライナ国防省情報総局(GUR)のアンドリー・ユソフ報道官)
「この端末はドネツク東部の部分的に占領された地域にある、交戦中のクリシチウカとアンドリーウカの町の近くで戦闘を行っているロシアの第83航空強襲旅団のような部隊によって使用されている」(ウクライナ国防省情報総局(GUR))
「ウクライナ政府関係者2人は今週初め、ロシアによるスターリンクの使用がウクライナ占領地で検知されたとロイターに語った。」
「スターリンクは2月8日、同社の端末はロシアでは稼働しておらず、スペースXはロシアでこのサービスを販売またはマーケティングしたことはなく、ロシア国内の拠点に機器を出荷したこともないと述べた。」
ちなみに、ロシアは国内でのスターリンクの使用を認めていない。
「Starlink端末が制裁対象または無許可の当事者によって使用されているという情報をSpaceXが入手した場合、当社はその申し立てを調査し、確認された場合には端末を無効化する措置を講じる」(スターリンク)
この件は、国内メディアも報じている。
(ロシア軍、スターリンクの使用を拡大 ウクライナ情報総局が確認)
https://www.asahi.com/articles/ASS2C74G1S2CUHBI018.html
「ウクライナ国防省情報総局は11日、イーロン・マスク氏が創業した米スペースX社の衛星通信サービス「スターリンク」をロシア軍が使っていることを確認したと、SNS「テレグラム」の投稿で明らかにした。」
(ロシア軍、占領地でマスク氏のスターリンク使用 ウクライナ発表)
https://mainichi.jp/articles/20240212/k00/00m/030/001000c
「スターリンクは大規模な地上設備を必要としない。マスク氏はロシアによる侵攻直後にウクライナを支援するため、同国内でのサービスを開始した。一方で、ウクライナ南部クリミア半島で使用したいとするウクライナ側の要請をマスク氏が拒否したことなども報じられていた。」
朝日はテレグラムのチェックだろう(未確認)。
毎日はロイターを元ネタにしている。
鹵獲品じゃないのかあ?。
(衛星通信スターリンク、「全ての前線で使用」 ウクライナ高官)
https://www.cnn.co.jp/tech/35208940.html
「前線で実力を示してきた。(スターリンク・システムが)良いか悪いかは好きに言えるが、事実は事実だ。間違いなく全ての前線で使われている」(ウクライナ国防省のブダノフ情報総局長:昨年9月の記事)
「爆発物を搭載したウクライナ軍の無人潜水艇がロシア軍艦隊に近づいた時、潜水艇は通信の接続を失い、損害を与えることなく海岸に打ち上げられた」
うーん、先日のミサイル搭載艦の襲撃を見ると、今回はクリミアでも接続は切れなかったのかもしれないな。
ウクライナでもロシアでも、スターリンクは使われているようだ。
まあ、ロシアはこっそりな感じだがな。
前線で奪ったアンテナとルーターを使えば、その地域内なら使うことが可能だ。
ウクライナが杜撰な管理をしていれば、何の問題もなく使えるだろう。
金は、たぶん、米軍が払ってくれる(予算が通ればね)。
ロシア軍が、それを認めて組織的に使うことはないだろう(たぶん)。
軍用の通信に使えば、敵軍に傍受される可能性もある(できんのかあ?)。
ウクライナはそんなことは言ってられないだろう。
使えるものは何でも使う。
砲弾がなければ、照明弾でも使っているというからな。
やれやれ・・・。
この話は、大きくはならないだろう。
何か出れば、また書くかもしれない。
<もっともっと追加>ーーーーーーーーーー
(NATO長官、ドナルド・トランプの発言は「我々の安全をすべて損なう」と発言)
https://www.bbc.com/news/world-us-canada-68269354
「トランプがホワイトハウスにいて、ウクライナをめぐって、あるいは理論的には第5条が発動されるはずの小規模な侵略にどう対応するかをめぐってNATOに分裂が生じたとしたら。 NATO同盟が懸念しているのは、こうした「もしも」のことだ。」(国防・安全保障の専門家で元NATOアナリストのパトリック・ベリー博士)
上記は、単文での自動翻訳だ(こっちの方が意味が通る)。
この稿の<さらに追加>で取り上げたトランプさんのサウスカロナイナでの発言については、もう、嵐のような非難が続いている。
ベリー博士の懸念は、欧州が抱いている不安を適切に表現している。
ストルテンベルグとかは、勇ましいことばっか言って、正直に腹のうちを見せることはないからな(まあ、それが仕事ですから)。
まさかとは思っているのだろうが、そして、大規模な侵攻があれば別なんだろうが、「理論的には」発動されるはずの第5条が空文化し、米国に関しては機能しなかったら、或いは、ウクライナへの対応について、米国との間にビミョーな亀裂が生じるのではないかという「小さな」綻びが心配なわけだ。
それは、信頼の問題だ。
少なくとも、トランプさんがホワイトハウス入りした場合、これまでの言動を考えれば、十分合理的な懸念となる。
ロシアは、正に底を尽いてくると浮沈子は見ている。
初めから、100万人の兵力を送り込むわけではない。
素万人規模の兵力で、「お試し」をすることになるだろう。
NATOの結束、NATOの反応、NATOの覚悟をサウンドする。
(ウクライナの人口問題 急減続き危機的状況<佐藤優のウチナー評論>)
https://ryukyushimpo.jp/news/entry-1772936.html
登録しないと読めない記事なんだが、なんとかコピペして読んだ(琉球新報さんにはご内密に・・・)。
「ウクライナ国民は2千万人以下しか残っていない」(トランプ政権で最も影響力のある軍人の一人、ダグラス・マグレガー:ジェームスタウン財団の報告書の専門家も同様の結論に達している)
なんと!。
(ウクライナ)
https://www.mofa.go.jp/mofaj/area/ukraine/data.html
「4,159万人(クリミアを除く)(2021年:ウクライナ国家統計局)」
ちなみに、クリミア(自治共和国)は、ざっくり200万人と言われている(もう少し多い数字もあります)。
概算で4400万人ということになる。
半分以下じゃん!?。
わが国の外務省は、こんなテキトーな数字使って仕事してるのかあ?。
まあ、どうでもいいんですが。
英文のウィキには、もう少し穏やかな数字が出ている。
(ウクライナの人口統計)
https://en.wikipedia.org/wiki/Demographics_of_Ukraine
「国連によると、 2023年時点でウクライナの人口は3,674万4,636人である。」
「2023年7月、ロイター通信は、西ヨーロッパへの難民の流入により、キエフ支配地域の人口は2,800万人まで減少した可能性があると報じた。」
うーん、全然穏やかじゃないなあ・・・。
「これは主に、現在進行中のウクライナ難民危機とロシアのウクライナ侵略による領土の喪失によるものである。」
2年間で1400万人近くの減少だ(2021年との比較:クリミア除く)。
ちなみに、クリミアを除く占領下にある州の人口は以下の通りだ(2021年)。
・ルハンシク州:2,104,531人
・ドネツク州:4,062,839人
・ザポリージャ州:1,640,876人
・ヘルソン州:1,002,923人
合計:8,811,169人
まあ、この時点でも東部の一部が占領下にあったり、現在でも4州の一部はキエフ支配下にあるから、単純に差っ引いたりしたらまずいんだろうが、そこは、まあ、テキトーに処理する。
国外へ避難している難民がどのくらいいるかは分からない。
ざっと1000万人と言われている(800万という数字も:後述)。
そうすると、人口の減少は、1900万人近くになるわけで、2021年の人口統計が仮に正しいとしても、およそ2300万人というおっそろしい数字になる。
そもそも、2021年の人口統計自体に問題があるらしい。
「人口学・社会研究所のエラ・リバノヴァ所長は12月に、2017年には既にウクライナ人は2800万人を超えていなかったと述べている」(琉球新報:2017年時点というのは、かなり踏み込んだ数字だ。)
これが本当なら、現在、キエフが支配している地域には、1000万人程度しか住んでいないことになるわけで、大問題ということになる(2800万人ー1900万人=900万人!!)。
ちなみに、2022年にロシアが併合した東部の人口は以下だ。
・ルガンスク人民共和国:1 400 000人(2022年)
・ドネツク人民共和国:2,253,560人(2020年)
ルガンスク人民共和国は、ずいぶんざっくりな数字だが、もともと推計だから問題はない(そうなのかあ?)。
しかし、900万人しかいないというのは、俄かには信じられない数字だったので、少し丁寧に調べてみようと思った。
いくつか記事も当たった。
(ウクライナ出生数減少、独立以降最大の割合 侵攻前同期比28%低下)
https://www.asahi.com/articles/ASR812SJKR81UHBI006.html
「ロシアによるウクライナ侵攻が始まる前年の2021年の同時期と比べ、ウクライナの今年半年間の出生数が28%低下」
「世界銀行によると、ウクライナ侵攻前の同国の人口は約4380万人だったが、キーウ・インディペンデントは研究機関の話として、30年には3500万人以下に減少する恐れがあると伝えている。」
なんか、浮沈子がはじき出した900万人とはかけ離れた数字のような気がする。
(アングル:ウクライナ悩ます人口減少問題、戦争終結後も経済に打撃か)
https://jp.reuters.com/article/idUSKBN2YQ04B/
「国立科学アカデミーの人口学者、エラ・リバノバ氏は、ウクライナは高齢者の割合が大きく、かねて世界で最も低い水準だった出生率は戦争が勃発して以来、0.9から0.7に低下したと説明した。」
リバノバ氏は、先の引用で2017年時点で2800万人を割り込んでいるという衝撃の推計値を出している研究者だ。
出生率も、べらぼーに低いけど、大丈夫なのかな・・・。
「100万人がロシア軍と戦っており、さらに数百万人がロシアに占領された地域に住んでいるか、ロシアに強制移動させられた。」
「現在、ロシアは国内の約5分の1を占領している。リバノバ氏は、ウクライナが支配する地域の人口は、侵攻前の政府推計の4100万人から、既に2800万人にまで減少していると見積もっている。推計では2014年にロシアに併合されたクリミアは除外されており、この地域の同年初頭の人口は約200万人だった。」
いやいや、2800万人というのは2017年の数字だから、ここから国外避難や占領地の人口を差っ引かなければならない。
ロイターの数字と、琉球新報の数字は同じ2800万人だけど、推計している次期が違うから、国外避難やロシア支配下の人口の扱いが変わってくる。
どっちなんだろうな。
「人口学者のリバノバ氏は、ウクライナ支配地域の今年初頭の人口を2800万人から3400万人と推定している。」(2023年の記事)
ほほう、推計値にも幅があるわけだ。
しかし、いずれにしても、2000万人台という数字にはかなりリアリティがある感じだ。
「ただ、政府はロシアによる侵略後に愛国心が急激に高まったことを理由に、難民の帰国をもっと楽観視している。オレクシー・ソボレフ経済副大臣は最近の円卓会議で、戦闘終結から3年以内に難民の最大75%がウクライナに戻るとの見通しを示した。」
なんか、ずいぶん楽天的な気がするなあ。
国外避難の数字も調べた。
(ウクライナ難民の最新情報|日本の受け入れ現状・問題と私たちにできる支援)
https://spaceshipearth.jp/ukraine-refugees/
「UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)によると、2023年1月現在のウクライナ国内避難民は600万人、EUの国々へ逃れた難民の数は800万人」
国外への避難民は、この時点では800万人ということになる(EU域外は、この際割愛だな:そんなあ!)。
「UNHCRによると、近隣国に渡ったウクライナの難民は約800万人で、ポーランド、ハンガリー、モルドバ、ルーマニア、ドイツ、チェコ共和国などが受け入れています。(2023年1月時点)」
ちなみに、我が国はこの時点では2000人程度だ。
(紛争はウクライナの人口問題を悪化させ、人口減少が最も大きい国の1つとなった)
https://eritokyo.jp/independent/Ukraines-war-situation-aow2133.html
「紛争後、残るウクライナ人は2800万人にとどまると推定されている。」(スコットランドの研究者)
ここでも、2800万人というのが出てきたな。
「1991年の独立時までに、約 5,200 万人がウクライナに住んでいた。」
「2001 年の国勢調査では、4,850 万人の人口が記録された。」
この辺りの数字には、各資料の間で乖離はない。
「敵対行為が勃発する前の最新の公式推計によると、2 月には 3,750 万人がキーウの支配地域に住んでいた。この数字は、年金基金のデータと携帯電話の使用状況に基づく 2020 年の推定値に近かった。」
傍証もあるし、2022年の侵攻前の数字としては、この辺りが妥当な気がする。
「今年2月、ウクライナの統計局は、ドネツクとルハンシク地域のロシア支配地域に約350万人が住んでいると推定し、2021年のロシアの国勢調査では、併合されたクリミアに240万人が記録された。」
ルガンスク・ドネツク両共和国の人口の合計は、ざっくり365万人余りだから、まあ、誤差の範囲内だ。
クリミアの数字も、やや多い気がするけど、ロシアが国勢調査を行っているわけだから、信用してもいいかもしれない(うーん、やっぱ怪しい?)。
「国連難民機関の最新のデータによると、780 万人のウクライナ人が海外にいる。しかし9月、別の国連機関は、そのうち約120万人が帰国したと報告した。」
そうすると、海外には差し引き660万人が住んでいるということなわけだ。
「ウクライナ国立科学アカデミーの人口統計学者であるエラ・リバノワ氏は、現在、政府が管理する地域に約 3,400 万から 3,500 万人が住んでいると推定している。」
これは、前の記事の数字の高値を取っている。
「しかし、多くの難民が故郷と新しい避難所の間で引き裂かれた 2 つの家に住んでいるため、数字は推測にすぎない。」
侵攻後の変化を見るとこうなる。
・2022年2月:3,750 万人(キエフ支配地域)
・国外へ避難:780万人
・帰国:120万人
・ロシア支配地域の増加に伴う減少:880万人ー350万人=530万人
3750ー780+120ー530=2,560
うーん、まあ、なんとなく無難な数字に見える。
正確な数字は分からない。
この計算は、ロシア併合州の未占領地域の人口を引き過ぎているから、キエフ支配地域という点では、過小になっている。
推計している次期もずれているし、既に1年以上前の数字もある。
細かい話(!)になるが、戦死しているウクライナ兵もいるから、数万人単位での誤差は生じるだろう(ウクライナは、戦死者数は公表していない)。
冒頭で書いたように、900万人とか言うべらぼーな数字にはならない。
が、3000万人を切っていることは間違いない感じだ。
ウィキが引用しているロイター(日本語記事と同じ)の数字(2800万人:リバノバ氏推計低値:2017年時点ではない)は、かなり真の値に近いかもしれない。
問題は、人口の減少が経済に与える影響だな。
人口の減少は、それだけで経済効果を推し量ることはできない。
年齢階層の分布とか、労働人口がどうとか、教育水準がどうとか、男女比がどうとか、そういうややっこしい要素を勘案して、国内産業とのマッチングや国際競争力との兼ね合いで決まるんだろう(不勉強でスイマセン!)。
ウクライナの人口問題について書いている記事はどれも、将来の人口増加が見込めない点を最大の問題としている。
今回は取り上げなかったけど、もう一方の戦争当事国であるロシアもまた、人口減少問題を抱えている。
ドンパチが始まってからは、国外脱出する人も多かったからな(100万人以上と言われている)。
もちろん、それ以前からの減少が続いているわけで、ウクライナほどではないにしても長期的な影響が懸念される。
両国とも、戦争なんてさっさとやめて、平和な暮らしを取り戻して子孫と国家の繁栄を享受するのがよろしいようだ・・・。
<以下追加>ーーーーーーーーーー
(アウディーイウカのウクライナ軍は危機的状況、街が南北に分断される寸前)
https://grandfleet.info/war-situation-in-ukraine/the-ukrainian-army-in-audi-ivka-is-in-a-critical-situation-the-city-is-on-the-verge-of-being-divided-into-north-and-south/
「市内北西部の足場からインダストリアル・プロスペクト通りまでの距離は300m以下」
「ウクライナ軍はアウディーイウカ南部を放棄して今直ぐ撤退を開始すべき」(ブログ管理人)
「もしアウディーイウカ南部を守るウクライナ軍部隊が包囲され降伏する羽目になればマリウポリの二の舞いになるため、それだけは避けなければならない。」(同上)
ウクライナ軍司令部としては、それは織り込み済みなのではないか。
浮沈子は、2月上旬には落ちると思っていたけど、守備隊は粘っている。
調子に乗って、犠牲を厭わず攻めてくるロシア軍を、可能な限り疲弊させるという戦術を維持している。
その戦術には、何の意味もない。
それは、昨年の反転攻勢でザルジニーが証明済みだ。
彼によれば、ロシア軍が覚悟しているこの戦争での犠牲者は、数万人でもなければ数十万人でもない。
数百万とか数千万の単位だそうだ(ホントかあ?)。
アウディーイウカに投入されている戦力は、たかだか数万人だ。
誤差の範囲内だな。
弾薬もたっぷりあるし、装甲車両も数百両は投入しているが、大増産に励んでいるから問題ないんだろう(未確認)。
アウディーイウカの陥落は時間の問題となっている。
まあ、以前もそう書いたが、守備隊は意外に粘っているので比喩的表現ということにしておこうか。
ここを突破されたウクライナ軍が、次にどこを防衛線として設定するつもりなのかは知らない。
バフムトのように、郊外に陣取って粘るのかもしれない。
温存していた予備戦力で、そこをいつまで守り切れるかが問題だ。
既に、アウディーイウカはオワコンだな・・・。
([社説]危ういウクライナ支援停滞)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQODK0684U0W4A200C2000000/
「支援の停滞が続けば、「法の支配」を守る民主主義陣営の決意の揺らぎとして世界に誤ったシグナルを発することになる。」
実に、日経的健全で金太郎飴な見解だが、「民主主義陣営の決意」は、とっくの昔に消し飛んでいる。
「総額500億ユーロ(約8兆円)の支援」も、「ハンガリーのオルバン首相が反対し実現が遅れた。」
米国でも、「政治家が一致団結して進めるべきウクライナへの支援が「政争の具」となっている」
従来から言い古されてきた、この手の話がまとめて書いてある社説だな。
で、それを承知で漫然と読んでいたんだが、ちょっと気になることがあって、書いておくことにした。
「ウクライナで力による現状変更の前例をつくれば、中国の軍事力強化や北朝鮮の核ミサイル開発できびしさを増すアジアの抑止力も一段と揺さぶられる。欧州とアジアの安全保障が不可分であることはいくら強調しても足りない。」
それは、たぶん、無関係なのではないのか。
ひょっとしたら、むしろ逆かも知れない。
西側の支援が続いてウクライナとの戦争が長引き、西側の戦力も全体として削がれていく状況が続けば、中国や北朝鮮が二正面作戦を展開しやすい環境を作ることになるのではないのか。
浮沈子は、ソ連が取ってきた「平和攻勢」のことが頭に浮かんでいる。
(平和攻勢)
https://kotobank.jp/word/%E5%B9%B3%E5%92%8C%E6%94%BB%E5%8B%A2-129103
「なんらかの行きづまりを平和的手段によって打開しようとする当事国の一方的試み」
「局地戦争における軍事的膠着状態」
「当事国の一方が,交渉による解決を唱えて他方を国際世論の前に好戦国として印象づけた結果,停滞状況が解決の方向に歩み出すことがある。」
ウクライナには大変申し訳ないけど、支援を打ち切り、謹んで差し出すことで事態を収拾し、軍事的緊張を下げ、ロシアの軍備増強をけん制した方が得策なのではないか。
国家は、国益で動くべきで、正義の名のもとに国益を損なうことがあってはならない。
正義は、ころころ変わるからな。
バイデン政権は、ウクライナへの支援打ち切りを「犯罪」とまで形容している。
が、これがトランプ政権が出来れば、「正義」に様変わりすることになる。
まあ、どうでもいいんですが。
徹底抗戦を続けて長期的にロシアと戦っていれば、そのうちウクライナは消えてなくなる。
人口問題で見たように、この国はもともと滅びる運命にあるのかもしれない。
正義かどうかは別として、ロシアの侵攻は、その事態を緩和するかもしれない(ロシア化は進むでしょうけど)。
浮沈子は正義派じゃない。
ウクライナでどんな統治が行われようと、知ったことではない。
が、それはそういった途端に、我が国に跳ね返ってくる。
少子高齢化が急速に進むわが国は、いずれ消えてなくなる運命だ。
移民に対しては、「徹底抗戦」しているからな。
東京に住んでいると、それでも周り中で中国語が乱れ飛んでいる。
いずれ、中国の勢力圏に取り込まれるだろうことを、肌で感じる。
今は、春節真っ最中だしな。
プーチンは、ウクライナ紛争を、内戦として捉えている。
先日行われた、西側とのインタビューで、そう宣伝していた。
台湾問題は、中国にとって内政だそうだ(もちろん、台湾は反対だろうけど)。
ウクライナがロシア勢力圏内にすんなり収まれば、台湾も武力による抵抗を控えて、平和裏に統合されるかもしれない。
台湾有事の際に米軍が暴れまくれば、我が国はとばっちりを受けて、米軍兵士より多くの犠牲者を出すという話もある(そうなのかあ?)。
西側の経済人が指摘する通りなら、ロシアの軍需産業の隆盛は、ロシアの国民生活の向上には結びつかない(一部の関係者は別でしょうけど)。
そのことは、西側にとっても同じだろう。
緊張を緩和し、今後も平和の報酬を受け続けるべきだ。
浮沈子は、このままいけば欧州大戦争は避けられないと思っているけど、決してそれを望んでいるわけではない(プーチンも、表向きはそう言ってるしな)。
日経は、決してそういう視点には立たないだろうが、経済的発展を続けるためには、軍事的緊張は毒だ。
それを緩和するために、何をしたらいいかを真剣に考えてもらいたいな・・・。
<さらに追加>ーーーーーーーーーー
(ウクライナ敗戦で1千万人避難も 独紙報道「最悪のシナリオ」)
https://news.yahoo.co.jp/articles/f5d693546912a67bee1405d5c6c6d85893a4e72f
「ウクライナが敗戦した場合、さらに1千万人以上のウクライナ人が国外に避難する可能性」(ドイツ政府の想定:ドイツ紙ウェルト電子版)
おっと、仮に現在2800万人とすれば、残りは1800万人になる。
浮沈子の最小予想(900万人?)だと、マイナスになる(そんなあ!)。
やれやれ・・・。
これで、戦後復興が出来んのかあ?。
まあ、それよりも、欧州がウクライナの敗戦に言及している点が重要だ。
やっぱ、ヨーロッパ人はリアリストが多いな。
「大量の避難民流出と北大西洋条約機構(NATO)諸国への戦争拡大という最悪のシナリオが起こり得る」(専門家の見解:同紙)
いやいや、最悪のシナリオはまだあるぞお・・・。
(NATOに「ロシアけしかける」 軍事費負担求め、トランプ氏)
https://news.yahoo.co.jp/articles/36249a4d6feca1142172d114c64ea8a1a382884c
「自身が在任中に北大西洋条約機構(NATO)のある加盟国に対し、軍事費を適切に負担しなければロシアが攻撃してきても米国は支援せず、むしろ「好きに振る舞うようロシアをけしかけてやる」と伝えた」(トランプ氏)
「在任中、NATOとの関係を悪化させ、脱退にも言及」
これに対し、ホワイトハウスは猛然と反論している。
「残忍な(プーチン)政権に、われわれの最も親しい同盟国への侵略を促すとは、低劣で正気と思えない」
まあ、在任中の話だから、もちろん、ウクライナ侵攻以前だ。
が、今でもこの話を持ち出しているということは、何も変わっていないと見るべきだろう。
米国に関する限り、NATO第5条(集団的自衛権の発動)は死文と化している(もしトラだったらな)。
もっとも、トランプさんの発言をよく読むと、NATO加盟国が負担金を応分に払うことを求めている中でのもので、逆に言えばNATO強化につながったということも言えるかも知れない。
ショック療法というやつか。
が、現にウクライナ支援に反対していることも事実だから、再選された時にどうなるかは分からない。
「トランプ氏は、サウスカロライナ州コンウェイで開催された選挙集会で、ウクライナとロシアの戦争を終わらせるべきだと述べ、ウクライナとイスラエルに緊急資金を提供する法案可決を上院が目指す状況で、外国への追加支援にあらためて反対を表明した。」
米国が、ロシアと一緒になって、欧州を挟撃するかもしれないぞお(そんなあ!)。
まあ、どうでもいいんですが。
トランプ的ディールとして、欧州市場を捨てることはないだろうから、何らかの形で関与は続けると思われる。
ロシアと仲良く分け合うというのは、想定されるシナリオだ。
大欧州戦争は回避され、再び東西に分割された欧州には平和が訪れる。
自由と民主主義はどこへやらだな。
が、その最悪のシナリオ(?)をもたらすのは、自由の国である米国の民主主義だ。
欧州は、バイデン政権の存続を望んでいるだろうが、米国の大統領選挙に大っぴらに介入はできないからな。
ロシアは、裏では積極的に介入しているんだろうが、そういう真似は出来ないだろう(未確認)。
独裁的な専制主義と違って、為政者にとって、民主主義というのは実に不自由なもんだな・・・。
<さらにさらに追加>ーーーーーーーーーー
(アウジーイウカ陥落は「時間の問題」 分析グループ、バフムートの轍踏むなと警告)
https://forbesjapan.com/articles/detail/69050
「アウジーイウカは「陥落するかどうかではなく、いつ陥落するかの問題」になりつつある」(ウクライナの調査分析グループ、フロンテリジェンス・インサイト)
この記事では、アウディーイウカの戦略的価値について触れている。
・ロシア側がアウジーイウカを取れば、来月に予定される見せかけの選挙での再選を前に、ウラジーミル・プーチン大統領は戦果として誇れる
・ロシア軍はアウジーイウカのような州内の抵抗拠点を除去し、陣地や兵站を固めようとしている
・ウクライナ側はアウジーイウカを保持することで、ドネツク州内を走る鉄道路線を脅かし、ロシア側にウクライナ東部各地への人員や装備の輸送で、効率の悪い別の手段の使用を強いる
・アウジーイウカを離れ、数km西にある強化された陣地に退却すれば、ウクライナ側がドネツク州を貫くロシア軍の補給線を脅かし続けるのは格段に難しくなる
・ロシア側がウクライナ東部の占領を固めることにつながる。
浮沈子が別記事で読んだのは、近隣のドネツク市に対する砲撃の緩和というのもあったな。
撤退の遅れについては、別の問題が発生することになる。
記事では、バフムトの例を挙げて、適時な撤退を促している。
「ロシア軍がウクライナ側の両翼を制圧し、補給ルートを遮断すると、(ロシア側とウクライナ側の)損耗率はほぼ同じになった」(同上)
「ウクライナ軍の指揮官たちは、バフムートからの撤退を遅らせすぎた結果、ロシア側よりかなり少なく抑えていた損耗を増やし、それによってウクライナ国民からの信用を失った。」
「ウクライナ軍の一部将官の評判は地に落ち、無謀な正面攻撃をさせることで悪名高いロシア軍の将官と並べられるほどだ」(同上)
その一部将官の中には、新総司令官に着任したばかりのシルスキー大将が含まれていることは周知だ。
やれやれ・・・。
「その結果、ウクライナが3年目、さらに4年目の戦争努力を続けるために、数十万人を動員する計画に支障が出かねなくなっている。」
「国民の間では自発的に軍隊に参加しようとする熱意が薄らいできている」(同上)
まあ、ゼレンスキー政権には大規模動員をかける気がないわけだからな。
問題はない(そうなのかあ?)。
「アウジーイウカに対するロシア側の挟撃がさらに進む前に守備隊を撤退させれば、ウクライナ軍の指揮官たちは何百人の命を救えるだろうし、自分たちへの信用も保てる」
すでに、その時は過ぎている。
記事の筆者は、この撤退が戦略的損失をもたらすとは限らないと主張しているが、それには重要な条件が付いている。
「適切な武器とそれと同じくらい重要な十分な弾薬があれば、ウクライナ側はアウジーイウカから撤退して数km西の陣地を固めたあとも、ドネツク州を通るロシア側の補給線をなお攻撃できる」
が、しかし、それはない。
「状況の悪化に歯止めが利かなくなるのを回避するためには、西側からの時宜を得た援助がきわめて重要だ」(同上)
結果的に、アウディーイウカからの撤退は、戦略的損失をもたらすことになる。
状況の悪化に歯止めが掛からなくなり、撤退後の陣地を維持することも困難になることは目に見えている。
「より高性能な大砲やロケットランチャー、長距離飛行弾薬、それを発射する軍用機がもっとあれば、ウクライナ軍はアウジーイウカの廃墟をロシア軍に明け渡したあとでも、遠方からロシア軍の補給線を攻撃し、東部の状況を実際に改善していくことができる。」
そんなものはない。
それが、現実だ。
いつになったら、必要な兵器が前線に届くようになるのかの見通しもない。
「和党議員らはその頑なな姿勢によって第110旅団の死活的に重要な弾薬を枯渇させ、アウジーイウカの陥落を助長した。彼らは同旅団の死亡した兵士たちを生き返らせることはできない。」
裏切ったのは共和党の一部議員じゃない。
出来もしない口約束を繰り返し、ウクライナを戦争に駆り立てた現政権だ。
中間選挙で下院を取られ、予算成立に困難が生じることは想定の範囲内だったのにもかかわらず、軍事支援を約束し続けてきた。
バーンズ(CIA長官)は、大統領選挙の影響で米国の支援が不安定になることを、既に昨年6月にウクライナ側に伝えている。
ウクライナは、それを承知で行動してきた。
浮沈子には、当然の帰結に思える。
武器弾薬は適時に届かず、増援の兵隊は来ない。
その現実を受け入れて、次の戦略を構築しない限り、戦線は次々と崩壊していくしかない。
国外からも、国内からも支援は届かない。
ザルジニーは、どうすればいいかは9割分かっていると主張していた(CNNへの寄稿)。
シルスキーは、それを実現することが出来るんだろうか・・・。
<また追加>ーーーーーーーーーー
(“ウクライナ防空能力 支援なければ3月までしかもたず” 米紙)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240211/k10014355331000.html
「ウクライナの防空能力について(中略)ミサイルの補給など欧米から新たな支援がなければ来月までしかもたないと見ている」(アメリカ政府関係者:NYT)
「支援がなければウクライナは来月、局地的な反撃に苦戦し、初夏にはロシアの攻撃をはね返すことが困難になるおそれがある」(当局者や専門家の分析:NYT)
局地的な反撃に苦戦しているのは、昨年秋からだがな。
10月7日のイスラエルでのテロ攻撃以降、米国からの砲弾の供給は激減している(それ以前の3割程度か:未確認)。
防空用のミサイルも、このペースで行くと来月までか(ロシアの攻撃頻度にもよるんでしょうが)。
浮沈子的には、NYTの記事は、かなり楽観的な予測に基づいていると見ている。
実際の話としては、来月にはロシアの攻撃を跳ね返すことが出来なくなり、戦線が崩壊すると見ている。
いや、それでも甘いかもしれない。
その間、米国は手も足も出せないだろう。
<またまた追加>ーーーーーーーーーー
(ウクライナが敗北しない軍事的な理由:陸上作戦の視点)
https://www.spf.org/iina/articles/yamaguchi_06.html
「・・・ウクライナが敗北する気配はない。」(2023年4月3日の記事)
ウクライナの人口問題を探る中で、検索していたらヒットした記事。
内容的には、今は昔な感じだが(そうなのかあ?)、当時を思い出しながら読み返すと、現在のウクライナの苦境の原因が浮き彫りになる気がする。
それは、逆説的に、「ウクライナが敗北する軍事的な理由:陸上作戦の視点」となるからだ。
「米国はクリミア併合直後の2015年には310名の訓練支援要員を含め計364名の軍事援助団をウクライナに派遣している」
「ロシアによる侵攻の前年にあたる2021年には、カナダ200名、リトアニア30名、ポーランド40名、アメリカ150名の軍事顧問団がウクライナ軍の訓練や近代化を支援していた」
周知のとおり、西側の軍事顧問団は、全員撤退している。
まあ、逆に、ウクライナ兵を西側で教育訓練しているわけだから、この点では後退したとは言えないかも知れない。
「報道によれば、昨年秋の段階で米国はすでに168億ドル(約2兆4,500億円)以上の軍事支援を行なっている」
やっぱ、軍事支援が問題だな。
「広範な意味での情報戦やサイバー領域での戦いに関しても、西側諸国の政府機関はもちろんマイクロソフトやアマゾンなどの情報関連企業も、主としてウクライナのサイバー防衛能力を強化するため、サイバー・セキュリティ要員の訓練、制度改革、システム強化などの分野で支援してきた」
ここまでは、西側の初期の支援の話だ。
サイバー領域の話はあまり表に出てこないが、機会があれば取り上げたい。
浮沈子的最大の関心は、やはり、兵員の動員にある。
記事では、ロシアの状況も詳細に触れている。
「ロシア軍高級将校の多くは兵員補充のための人的資源は無尽蔵だとの誤解に基づいて人命を軽視した作戦指導をしてきた」
「ロシア軍が兵士の募集に深刻な問題を抱えていることは、2010年代半ばから指摘されてきた。」
「各軍の充足率は2014年の時点で82%であった。」
「兵士の約三分の一はわずかな訓練しか受けていない徴兵に依存せざるを得ない状況」
「2020年におけるロシアの総人口は、約1億4,600万、出生率1.51で、日本の約1億2,600万人、出生率1.34とよく似た人口構成」
おっと、我が国とあんま変わんないのか。
「このような社会で兵員の損耗を顧みない作戦指揮を行えば募集が困難になるのは当然で、兵士の士気は下がるし、兵士を送る家族、すなわち民衆の軍に対する信頼・支持を失う結果を招く。」
ロシアは、その後、政治的リスクを負って大規模動員を掛けたほか、前線投入において囚人を活用するなど、ありとあらゆる手段を使って兵員の増強に努めている。
「ウクライナもロシアに似た人口動態を経てきており、軍人の離職率が高いという問題を抱えてきた。」
「皮肉なことだが、この問題ゆえに本格的な軍事訓練を受けた若年層が一般社会に多く存在し、結果的に潜在的な予備兵力となったと評価されている」
へえーっ、それは知らなかったな・・・。
「ロシア軍は侵攻計画を策定する上でウクライナの動員能力を過小評価するという過ちを犯した。」
うーん、それが主因とは思えないが、まあ、影響は小さくないだろう。
ウクライナ軍の規模は、現在も100万人程度とされ、開戦当時のロシア正規軍に匹敵する。
そう簡単に負ける気づかいはなかったわけだ。
戦術面についても解説がある。
「ロシアが苦戦している理由の筆頭に自軍に対する自信過剰と敵に対する過小評価を挙げている」(英国のシンクタンク国際戦略研究所)
うーん、現状を見ると、まんまウクライナ軍に当てはまる感じがするな・・・。
「ロシアは開戦に際して15万人の兵力を展開したが、その目標は明らかに過大だった。ロシアの侵攻計画は、開戦後10日でウクライナを打倒し、8月までには全国を平定して併合することを前提とした短期決戦、いわば電撃戦を想定していた。キーウを早期に占領することでウクライナの指導層は逃走し、国家は崩壊する。また、進軍するに従って親ロシアの住民がロシア軍を支持するという楽観的なシナリオだ。」
当初の思惑は不明だが、おそらく、この通りだったに違いない。
浮沈子が、「ウクライナ降伏不可避」とサブタイトルを付けたのは、侵攻直前の状況から「ウクライナ侵攻不可避」と付けたサブタイトルに続くつもりだったが、そう見立てた動機は、ロシアの当初見込みと同じだ。
まあ、米国CIAも、当時はそう見立てていたわけだし、フランスの諜報機関は、そもそも侵攻はないと見ていたから、実際の状況は世界の専門家の予想を裏切ったわけだ。
戦術レベルの開設は詳細を極めている。
「開戦以来、両軍ともに下級指揮官のリーダーシップを重視してきた。ロシア軍は侵攻に際して127個の大隊戦術グループ(Battalion Tactical Groups: BTG)に行動地域と達成すべき任務を与えたと言われる。」
「BTGは600-800人からなっており、数個の歩兵中隊の他、砲兵、防空、工兵、後方支援の機能を備えた、コンパクトながら独立的に行動できる単位だ。」
「流動的な状況の下、比較的小規模な部隊が分散して自律的に機動し迅速に戦闘の決着をつけることがこの編成の狙いだ。」
うーん、悪くない気がするんだがな・・・。
「BTGは下級将校と下士官の能力に依存した編成」
「プロフェッショナルな志願兵が不足するロシア軍には不向きな編成」
「結果として、ロシア軍自体がこの考え方を放棄したと観測されることとなった」
やれやれ・・・。
やっぱ、机上の空論じゃダメなわけだ。
対するウクライナ軍はどうだったのか。
「2014年以来、ウクライナ軍は、低強度とはいえ10年近くにわたってロシア軍と交戦し続けてきた。この間、常にエスカレート、つまりロシア軍による大規模侵攻を念頭において準備を進めてきた。」
「特に、中堅以下の将校は、数個正面にローテーションで配置され、それぞれの正面の地形やロシア軍の戦法に習熟するよう求められてきた」
こうした準備を整えてきたウクライナ軍は、侵攻当初から十全な能力を発揮したわけだ。
ゼレンスキーは、大規模動員について、軍の内部でのローテーションで回避可能と見ているようだが、これらの対応について、ちゃんとわかってるんだろうか?。
まあいい。
兵器の詳細については割愛するが、砲兵や弾薬については重要な指摘がある。
「ウクライナ軍は、近年榴弾砲などの砲身砲や多連装ロケットの砲兵火力の強化に勤めてきた。」
「2014年のクリミア併合以来、ロシア軍との交戦における死傷者の90%が砲兵によるという経験に基づいてのことだ。」
「開戦時におけるロシアとウクライナの兵力を比較してみると、総兵力で90万人:21万人とロシアが圧倒的に優位にあるのに対し、砲兵では砲2,433門:1,176門、多連装ロケット3547軌:1.680軌とその差は決定的な水準ではなかった」
うーん、素人的には大砲の数でもロケット砲でも2倍というのは「決定的」に見えるんだがな。
確かに、総兵力4倍強という状況に比べれば、差が少ないということは言えるかも知れない。
「ウクライナ軍がロシア軍と同じ砲を使用している一方、目標の捜索と射撃の観測のためにドローンを多用し、また、砲兵部隊を効率的に運用するためにデジタル指揮統制システムを活用していることがその背景にある。」
これについては、NATO軍関係者も指摘しており、砲弾の数の差を補っているとされている。
その砲弾についても言及がある。
「砲兵の役割が高いことは砲弾の消費量が大きいことを意味し、砲弾生産力がこの要求を満たし続けるのか否かが問題」
まさに、現在がその状況にある。
大問題だ・・・。
「米国をはじめとするNATO諸国は、昨年の開戦以来ウクライナに対して150門を超える155ミリ榴弾砲を供与してきた。」
「ウクライナ軍は平均して1日に3,000発、1ヶ月にすると9万発の155ミリ砲弾を消費する。」
現在と、あまり変わらない消費量だったが、反転攻勢時は1日1万発程度は使っていたようだ。
「これに対して米国全体での同砲弾生産量は月産1万4千発、ウクライナ軍1ヶ月の消費量を生産するのに半年を要する計算となる。」
「米国防省は、砲弾やミサイルの消費が予想以上であったことを背景として、弾薬類の生産基盤を現在の約3倍にすべく強化し始めたが、これには時間を要する。155ミリ砲弾の場合、2023年春までに月産2万発、そして2025年に月産4万発の目標に達するとされる」
1年前から、増産の準備は行っていたが、それでも到底需要を満たすことはできない。
支援が再開されても、それは同じという点が重要だ。
「西側の支援が続く限り、ロシアに勝機はなさそうだ。」
「一方、ロシアが負けることも想像しがたい。」
その理由として、ウクライナの反攻における補給線が延びることを挙げているが、まさか、西側の支援が途絶えること、ウクライナの動員が困難を極めることは想定できなかったようだ。
純軍事的考察だけでは、戦争の行方を見通すことはできない。
この記事が出てから、まだ1年経っていないことを考えると、この間の状況の変化は想像以上であったことが分かる。
ウクライナ降伏不可避。
浮沈子の見立ては変わらない。
ザルジニーが指摘した通り、戦争の勝利を決めるのは「破壊と領域支配」だ。
ピンポイントの高価値目標やインフラの破壊も確かに重要だが、それが戦場の状況の改善につながるかどうかは別の話だ。
ウクライナは、短期の戦闘では成果を上げてきたが、支援が細る中、国力の差がものをいう長期戦に入って問題が噴出してきている。
現政権は、軍の改革で現状を改善できるとしているようだが、それがムリポなことは誰が見ても明らかだろう。
2800万人の国民が、1億5千万人(支配地域を含む)を超えるロシアと対峙している。
開戦当時のウクライナ軍の正規兵の戦力が21万人という記述があったが、それが本当だとすれば、予備役等で80万人が一気に増加したことになる。
もともと、離職者が多いという問題を抱えていたところに、ロシア侵攻というイベントが重なり、十分な訓練を受けずに投入された兵士は前線には送り込めなかったに違いない(未確認)。
軍内部でのローテーションだけでは、問題を解決できない理由の一つかもな。
ロシアは、少なくとも短期的に戦争を継続する体制に移行しているが、ウクライナは産業が疲弊していることと同時に、軍隊内部の問題にも取り組まなければならない。
既に書いたNYTの記事の通り、米国の支援が再開されなければ、5月には敗戦に追い込まれる。
大規模動員は不可避だし、政治的リスクから実施できないに違いない。
じり貧のまま、兵隊も武器弾薬も不足したまま、破壊と領域支配を受け続けることになる。
わが国は、太平洋戦争において本土決戦せずに無条件降伏したけど、ウクライナは、開戦当初から本土決戦だからな。
地続きの国は大変だな・・・。
<もっと追加>ーーーーーーーーーー
(ロシアが占領地域でスターリンクを使用しているとウクライナが発表)
https://www.reuters.com/world/europe/ukraines-military-intelligence-says-it-confirms-use-musks-starlink-by-russian-2024-02-11/
「ロシア占領者による所定の機器の使用事例が登録されている。これは組織的な性質を帯び始めている」(ウクライナ国防省情報総局(GUR)のアンドリー・ユソフ報道官)
「この端末はドネツク東部の部分的に占領された地域にある、交戦中のクリシチウカとアンドリーウカの町の近くで戦闘を行っているロシアの第83航空強襲旅団のような部隊によって使用されている」(ウクライナ国防省情報総局(GUR))
「ウクライナ政府関係者2人は今週初め、ロシアによるスターリンクの使用がウクライナ占領地で検知されたとロイターに語った。」
「スターリンクは2月8日、同社の端末はロシアでは稼働しておらず、スペースXはロシアでこのサービスを販売またはマーケティングしたことはなく、ロシア国内の拠点に機器を出荷したこともないと述べた。」
ちなみに、ロシアは国内でのスターリンクの使用を認めていない。
「Starlink端末が制裁対象または無許可の当事者によって使用されているという情報をSpaceXが入手した場合、当社はその申し立てを調査し、確認された場合には端末を無効化する措置を講じる」(スターリンク)
この件は、国内メディアも報じている。
(ロシア軍、スターリンクの使用を拡大 ウクライナ情報総局が確認)
https://www.asahi.com/articles/ASS2C74G1S2CUHBI018.html
「ウクライナ国防省情報総局は11日、イーロン・マスク氏が創業した米スペースX社の衛星通信サービス「スターリンク」をロシア軍が使っていることを確認したと、SNS「テレグラム」の投稿で明らかにした。」
(ロシア軍、占領地でマスク氏のスターリンク使用 ウクライナ発表)
https://mainichi.jp/articles/20240212/k00/00m/030/001000c
「スターリンクは大規模な地上設備を必要としない。マスク氏はロシアによる侵攻直後にウクライナを支援するため、同国内でのサービスを開始した。一方で、ウクライナ南部クリミア半島で使用したいとするウクライナ側の要請をマスク氏が拒否したことなども報じられていた。」
朝日はテレグラムのチェックだろう(未確認)。
毎日はロイターを元ネタにしている。
鹵獲品じゃないのかあ?。
(衛星通信スターリンク、「全ての前線で使用」 ウクライナ高官)
https://www.cnn.co.jp/tech/35208940.html
「前線で実力を示してきた。(スターリンク・システムが)良いか悪いかは好きに言えるが、事実は事実だ。間違いなく全ての前線で使われている」(ウクライナ国防省のブダノフ情報総局長:昨年9月の記事)
「爆発物を搭載したウクライナ軍の無人潜水艇がロシア軍艦隊に近づいた時、潜水艇は通信の接続を失い、損害を与えることなく海岸に打ち上げられた」
うーん、先日のミサイル搭載艦の襲撃を見ると、今回はクリミアでも接続は切れなかったのかもしれないな。
ウクライナでもロシアでも、スターリンクは使われているようだ。
まあ、ロシアはこっそりな感じだがな。
前線で奪ったアンテナとルーターを使えば、その地域内なら使うことが可能だ。
ウクライナが杜撰な管理をしていれば、何の問題もなく使えるだろう。
金は、たぶん、米軍が払ってくれる(予算が通ればね)。
ロシア軍が、それを認めて組織的に使うことはないだろう(たぶん)。
軍用の通信に使えば、敵軍に傍受される可能性もある(できんのかあ?)。
ウクライナはそんなことは言ってられないだろう。
使えるものは何でも使う。
砲弾がなければ、照明弾でも使っているというからな。
やれやれ・・・。
この話は、大きくはならないだろう。
何か出れば、また書くかもしれない。
<もっともっと追加>ーーーーーーーーーー
(NATO長官、ドナルド・トランプの発言は「我々の安全をすべて損なう」と発言)
https://www.bbc.com/news/world-us-canada-68269354
「トランプがホワイトハウスにいて、ウクライナをめぐって、あるいは理論的には第5条が発動されるはずの小規模な侵略にどう対応するかをめぐってNATOに分裂が生じたとしたら。 NATO同盟が懸念しているのは、こうした「もしも」のことだ。」(国防・安全保障の専門家で元NATOアナリストのパトリック・ベリー博士)
上記は、単文での自動翻訳だ(こっちの方が意味が通る)。
この稿の<さらに追加>で取り上げたトランプさんのサウスカロナイナでの発言については、もう、嵐のような非難が続いている。
ベリー博士の懸念は、欧州が抱いている不安を適切に表現している。
ストルテンベルグとかは、勇ましいことばっか言って、正直に腹のうちを見せることはないからな(まあ、それが仕事ですから)。
まさかとは思っているのだろうが、そして、大規模な侵攻があれば別なんだろうが、「理論的には」発動されるはずの第5条が空文化し、米国に関しては機能しなかったら、或いは、ウクライナへの対応について、米国との間にビミョーな亀裂が生じるのではないかという「小さな」綻びが心配なわけだ。
それは、信頼の問題だ。
少なくとも、トランプさんがホワイトハウス入りした場合、これまでの言動を考えれば、十分合理的な懸念となる。
ロシアは、正に底を尽いてくると浮沈子は見ている。
初めから、100万人の兵力を送り込むわけではない。
素万人規模の兵力で、「お試し」をすることになるだろう。
NATOの結束、NATOの反応、NATOの覚悟をサウンドする。
🐱幻の対向車:デッドレコニング ― 2024年02月12日 02:55
幻の対向車:デッドレコニング
(ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9F%E3%83%83%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3:%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%9D%E3%83%83%E3%82%B7%E3%83%96%E3%83%AB/%E3%83%87%E3%83%83%E3%83%89%E3%83%AC%E3%82%B3%E3%83%8B%E3%83%B3%E3%82%B0_PART_ONE
「原題について、公開当初は『Mission: Impossible – Dead Reckoning Part One』というタイトルであったが、2024年1月に原題から「PART ONE」が外れ、現タイトルに変更となった」
まあ、どうでもいいんですが。
「ロシアの次世代潜水艦であるセヴァストポリは推測航法(デッドレコニング/Dead Reckoning)を用いた新しい航行システムを試験運用する為、高度なAIシステムを採用した。」
「しかし、この新型AIが自我を得た事により乗務員達をかく乱させ、自らが発射した魚雷により潜水艦を沈没させ、乗務員全員が死亡する。」
ウィキのあらすじは、あまりリアルじゃない。
(ミッションインポッシブル デッドレコニングPartONEネタバレあらすじ徹底考察&解説!エンティティとガブリエルの正体と過去、マリーとイルサについて解説!)
https://otakaranet.com/mission7.html
コピペできないので、こっちで読んでもらいたい。
が、うーん、こっちもリアルじゃないな(臨場感に乏しいという意味)。
アクション映画をあらすじで読んでもつまらん・・・。
この映画は、昨年12月にメキシコに行った時に、飛行機の中で観た。
往路で途中まで観て、復路で続きを観た。
浮沈子的には、冒頭でロシアの潜水艦が、自分の発射した魚雷で撃沈されるというシーンが印象的だったな。
いるはずのない敵艦を映し出し、発射されていない魚雷を捉え、対抗するために自艦から魚雷(これは本物)を発射させ、その制御を奪って自分に命中させて沈没させる・・・。
まあ、何でもかんでもコンピューターに頼っているから、こういうことになるのだ。
だが、実際そういうことになったら恐ろしいだろうな。
なーんて事を考えながら観ていて、2か月近く経って、映画のことは忘れかけていた・・・。
(自動運転車のレーダーセンサーに「幻の対向車」を見せたり存在するはずの車両を見えなくしたりして事故を起こさせる攻撃手法「MadRadar」が開発される)
https://gigazine.net/news/20240209-madradar-hack-self-driving-cars/
「パジッチ氏らが開発したMadRadarは自動運転車に搭載されているレーダーセンサーをだまし、他の自動車が接近していることを隠蔽したり、何も存在しない場所に「幻の自動車」が出現したと錯覚させたりすることができるという、自動運転車を攻撃する手法です。研究チームはMadRadarの概念実証に成功しています。」
マジか!?。
ますは、レーダーに侵入するために、照射されている信号を解析する必要があるようだ(詳細は割愛)。
「デューク大学の研究者が開発したMadRadarは、4分の1秒未満の速さでこのパラメーターを正確に検出することが可能だそうです。」
「攻撃対象となる車両のレーダーセンサーに向けて特定の信号を送信することで、レーダーセンサーを狂わせることが可能。例えば、遠ざかっているはずの他の自動車を、接近してきていると誤検知させることができます。」
「標的となる自動車のレーダーシステムについてあまり知らなくとも、現実世界の実験でどこからともなく幻の自動車を出現させて誤認させたり、存在するはずの自動車を検出できなくしたりすることができました。我々は誰かを傷つけるためにMadRadarを開発しているわけではなく、既存のレーダーシステムに存在する問題を検証し、その設計を根本から変える必要があることを実証しています」
おっと、この話は、自分で自分を撃沈したセバストポリ潜水艦と同じじゃん!。
「レーダーセンサーを使用するアクティブクルーズコントロールが、実際には速度が全く変わっていないのに前の車両がスピードを上げていると思い込み、車両の速度を上げてしまうケースを想像してみて下さい。これが夜間に行われた場合、車両のカメラが前方の車両を認識する前に衝突してしまっているでしょう」
ヤバいな・・・。
ヤバ過ぎ!。
浮沈子の乗っているホンダのNバンには、アダプティブクルーズコントロール(ACC)が付いていて、高速道路などではアクセルから足を離して車任せで車速をコントロールしている。
乗っ取られたりしたらヤバいだろう。
デューク大学の研究者の開発した仕掛けは、レーダーアンテナに偽信号を浴びせかけるというものだが、アホな車載コンピューターに、偽データを送り込むことが出来れば、何でもアリな気がする(未確認:制御用のデータバスは、他と切り離されてるんじゃないのかあ?)。
それがAIとつるんで悪さをするようになれば、世界は破滅だ。
ああ、もうすっかり映画に毒されてる気がする。
現役のころ、西暦2000年問題にかかわったことがあるけど、あんなもんじゃ済まないだろう。
映画では、ありとあらゆるコンピューターが「エンティティ」(実在という意味)という名前のAIにハッキングされてるということだが、その割には主人公たちは平気で飛行機乗ってベニスとか移動してたけどな。
あれこそ、ヤバいんじゃないのかあ?。
まあ、映画だから、何でもアリな世界ではある。
高度に複雑化した人工システムが自我を芽生えさせるという話は、SFの世界にはありがちなネタだ。
攻殻機動隊の1作目では、「人形使い」(自称「プロジェクト2501」)という名の自律的プログラムが登場する。
そうえいば、スーパーマンでも、巨大コンピューターが世界を征服するという話が登場してたな(「電子の要塞」)。
ターミネーターの「スカイネット」も、そういう話に違いない。
おっと、マトリックスは、その内部に仮想世界を構築し、人類を「栽培」するというグロな設定だった。
先日も、イーロンマスクのニューラリンクが、初の人体装着に成功したというニュースが出ていたな。
今のところ、脳から信号を取り出すだけだが、情報を送り込んだりすることが出来るようになるのは時間の問題だろう。
洗脳された人間が、自爆テロみたいなことをやり始めたらヤバ過ぎる気がする。
まあ、そんな話は、SFじゃなくても世界中で起きてるし、AIに頼らなくたって、世界中でドンパチやってるからな。
浮沈子は、AIよりも生身の人間の方が恐ろしい気がする。
既に、世界はコンピューターなしでは回らなくなっているし、AIなしでは処理しきれないデータで溢れかえっている。
なぜ、その結論に達したのかの理由が分からないまま、言いなりになって奴隷のように生活する日々が始まっている。
コンピューターの世界に、民主主義はない(かつては、故障しやすかったので多数決とかしてたみたいですが)。
専制主義的で、権威主義的で、独裁的だ(ロシア的?)。
ああ、そういえば、エヴァンゲリオンのマギ(MAGI)は、合議制だったけどな。
えーと、アップルシード(アニメ版)に登場する「ガイア」は、老人たちと対話して決定するコンピューターとして描かれていた。
アナログ人間で、20世紀の殻をお尻にくっつけて生きている浮沈子は、コンピューターという代物を信じ切ることができない。
壊れるし、バグだらけで、いざという時には電池がない(そんなあ!)。
クルマのメカトロニクスの進展を快く思わず、電子の帝国として機械の王国と対峙させて捉えてきた。
それも、既に昔の話となり、FFで、オートマで、ACCまで付いたNバンを乗り回している。
世界はコンピューターで溢れかえり、戦場ではFPVドローンが飛び回っている。
21世紀だからな。
人間の想像力を超えて、現実の世界は変わっていく。
しかし、それは人間が作り出した世界だ。
我々の願い、欲望、夢が作り出す世界。
その世界が、人間の幸福や希望を実現するためだけにあり続けることを祈らずにはいられない・・・。
(ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9F%E3%83%83%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3:%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%9D%E3%83%83%E3%82%B7%E3%83%96%E3%83%AB/%E3%83%87%E3%83%83%E3%83%89%E3%83%AC%E3%82%B3%E3%83%8B%E3%83%B3%E3%82%B0_PART_ONE
「原題について、公開当初は『Mission: Impossible – Dead Reckoning Part One』というタイトルであったが、2024年1月に原題から「PART ONE」が外れ、現タイトルに変更となった」
まあ、どうでもいいんですが。
「ロシアの次世代潜水艦であるセヴァストポリは推測航法(デッドレコニング/Dead Reckoning)を用いた新しい航行システムを試験運用する為、高度なAIシステムを採用した。」
「しかし、この新型AIが自我を得た事により乗務員達をかく乱させ、自らが発射した魚雷により潜水艦を沈没させ、乗務員全員が死亡する。」
ウィキのあらすじは、あまりリアルじゃない。
(ミッションインポッシブル デッドレコニングPartONEネタバレあらすじ徹底考察&解説!エンティティとガブリエルの正体と過去、マリーとイルサについて解説!)
https://otakaranet.com/mission7.html
コピペできないので、こっちで読んでもらいたい。
が、うーん、こっちもリアルじゃないな(臨場感に乏しいという意味)。
アクション映画をあらすじで読んでもつまらん・・・。
この映画は、昨年12月にメキシコに行った時に、飛行機の中で観た。
往路で途中まで観て、復路で続きを観た。
浮沈子的には、冒頭でロシアの潜水艦が、自分の発射した魚雷で撃沈されるというシーンが印象的だったな。
いるはずのない敵艦を映し出し、発射されていない魚雷を捉え、対抗するために自艦から魚雷(これは本物)を発射させ、その制御を奪って自分に命中させて沈没させる・・・。
まあ、何でもかんでもコンピューターに頼っているから、こういうことになるのだ。
だが、実際そういうことになったら恐ろしいだろうな。
なーんて事を考えながら観ていて、2か月近く経って、映画のことは忘れかけていた・・・。
(自動運転車のレーダーセンサーに「幻の対向車」を見せたり存在するはずの車両を見えなくしたりして事故を起こさせる攻撃手法「MadRadar」が開発される)
https://gigazine.net/news/20240209-madradar-hack-self-driving-cars/
「パジッチ氏らが開発したMadRadarは自動運転車に搭載されているレーダーセンサーをだまし、他の自動車が接近していることを隠蔽したり、何も存在しない場所に「幻の自動車」が出現したと錯覚させたりすることができるという、自動運転車を攻撃する手法です。研究チームはMadRadarの概念実証に成功しています。」
マジか!?。
ますは、レーダーに侵入するために、照射されている信号を解析する必要があるようだ(詳細は割愛)。
「デューク大学の研究者が開発したMadRadarは、4分の1秒未満の速さでこのパラメーターを正確に検出することが可能だそうです。」
「攻撃対象となる車両のレーダーセンサーに向けて特定の信号を送信することで、レーダーセンサーを狂わせることが可能。例えば、遠ざかっているはずの他の自動車を、接近してきていると誤検知させることができます。」
「標的となる自動車のレーダーシステムについてあまり知らなくとも、現実世界の実験でどこからともなく幻の自動車を出現させて誤認させたり、存在するはずの自動車を検出できなくしたりすることができました。我々は誰かを傷つけるためにMadRadarを開発しているわけではなく、既存のレーダーシステムに存在する問題を検証し、その設計を根本から変える必要があることを実証しています」
おっと、この話は、自分で自分を撃沈したセバストポリ潜水艦と同じじゃん!。
「レーダーセンサーを使用するアクティブクルーズコントロールが、実際には速度が全く変わっていないのに前の車両がスピードを上げていると思い込み、車両の速度を上げてしまうケースを想像してみて下さい。これが夜間に行われた場合、車両のカメラが前方の車両を認識する前に衝突してしまっているでしょう」
ヤバいな・・・。
ヤバ過ぎ!。
浮沈子の乗っているホンダのNバンには、アダプティブクルーズコントロール(ACC)が付いていて、高速道路などではアクセルから足を離して車任せで車速をコントロールしている。
乗っ取られたりしたらヤバいだろう。
デューク大学の研究者の開発した仕掛けは、レーダーアンテナに偽信号を浴びせかけるというものだが、アホな車載コンピューターに、偽データを送り込むことが出来れば、何でもアリな気がする(未確認:制御用のデータバスは、他と切り離されてるんじゃないのかあ?)。
それがAIとつるんで悪さをするようになれば、世界は破滅だ。
ああ、もうすっかり映画に毒されてる気がする。
現役のころ、西暦2000年問題にかかわったことがあるけど、あんなもんじゃ済まないだろう。
映画では、ありとあらゆるコンピューターが「エンティティ」(実在という意味)という名前のAIにハッキングされてるということだが、その割には主人公たちは平気で飛行機乗ってベニスとか移動してたけどな。
あれこそ、ヤバいんじゃないのかあ?。
まあ、映画だから、何でもアリな世界ではある。
高度に複雑化した人工システムが自我を芽生えさせるという話は、SFの世界にはありがちなネタだ。
攻殻機動隊の1作目では、「人形使い」(自称「プロジェクト2501」)という名の自律的プログラムが登場する。
そうえいば、スーパーマンでも、巨大コンピューターが世界を征服するという話が登場してたな(「電子の要塞」)。
ターミネーターの「スカイネット」も、そういう話に違いない。
おっと、マトリックスは、その内部に仮想世界を構築し、人類を「栽培」するというグロな設定だった。
先日も、イーロンマスクのニューラリンクが、初の人体装着に成功したというニュースが出ていたな。
今のところ、脳から信号を取り出すだけだが、情報を送り込んだりすることが出来るようになるのは時間の問題だろう。
洗脳された人間が、自爆テロみたいなことをやり始めたらヤバ過ぎる気がする。
まあ、そんな話は、SFじゃなくても世界中で起きてるし、AIに頼らなくたって、世界中でドンパチやってるからな。
浮沈子は、AIよりも生身の人間の方が恐ろしい気がする。
既に、世界はコンピューターなしでは回らなくなっているし、AIなしでは処理しきれないデータで溢れかえっている。
なぜ、その結論に達したのかの理由が分からないまま、言いなりになって奴隷のように生活する日々が始まっている。
コンピューターの世界に、民主主義はない(かつては、故障しやすかったので多数決とかしてたみたいですが)。
専制主義的で、権威主義的で、独裁的だ(ロシア的?)。
ああ、そういえば、エヴァンゲリオンのマギ(MAGI)は、合議制だったけどな。
えーと、アップルシード(アニメ版)に登場する「ガイア」は、老人たちと対話して決定するコンピューターとして描かれていた。
アナログ人間で、20世紀の殻をお尻にくっつけて生きている浮沈子は、コンピューターという代物を信じ切ることができない。
壊れるし、バグだらけで、いざという時には電池がない(そんなあ!)。
クルマのメカトロニクスの進展を快く思わず、電子の帝国として機械の王国と対峙させて捉えてきた。
それも、既に昔の話となり、FFで、オートマで、ACCまで付いたNバンを乗り回している。
世界はコンピューターで溢れかえり、戦場ではFPVドローンが飛び回っている。
21世紀だからな。
人間の想像力を超えて、現実の世界は変わっていく。
しかし、それは人間が作り出した世界だ。
我々の願い、欲望、夢が作り出す世界。
その世界が、人間の幸福や希望を実現するためだけにあり続けることを祈らずにはいられない・・・。
🐱ウクライナ降伏不可避:画餅 ― 2024年02月12日 13:44
ウクライナ降伏不可避:画餅
(なぜウクライナ支援が必要なのか)
https://www.spf.org/iina/articles/tsuruoka_23.html
「ロシアは当初から、西側との我慢比べになれば自らが有利だと考え、西側が先に疲弊するのを狙ってきた」
「そのとおりになってしまえばG7の決意も結束も画餅だったことになる。」
今まさにそのような状況が現実になり、ロシアの「勝利」を語る専門家も増えてきている。
この記事も、その点について簡単に触れている。
幾つか、異なる表現を使っているので、整理しておこう。
「ロシアを勝たせない」
想定としては、ウクライナに有利な条件で停戦したり、何らかの形で戦闘の終結に持ち込むことが含まれる感じだ(テキトーです)。
「ロシアを負かす」
文字通り、ロシアがウクライナに降伏して、ロシア全土をウクライナが支配するということだろう(そうなのかあ?)。
「ウクライナを勝たせる」
ゼレンスキー政権が提唱するように、ロシアをウクライナ領土から駆逐したり、戦争犯罪を処理したり、賠償責任を負わせたり、EU加盟、NATO加盟など西側国家としての地位を確立することになる。
「ウクライナを負けさせない」
うーん、これはビミョーだ。
徹底抗戦を続けるということだから、たとえ亡命政府に移行して、パルチザンによる反撃を継続する状況になったとしても、「負け」じゃないと言い張ることは可能だからな。
避けるべき選択として、ロシアの「勝利」にも触れているが、これもいくつかのパターンがある。
「ウクライナの全土支配」
完全勝利だな。
似て食おうが焼いて食おうが自由自在だ。
「現在の占領地の固定化」
「ロシアを勝たせない」パターンだが、ウクライナからしてみれば、ロシアの「勝利」の一形態かも知れない(いずれ、再侵攻されると主張してますが:浮沈子も同意です)。
「ウクライナの独立や主権、民主主義が損なわれ、侵略戦争でロシアが目的を達成したり利益をあげたりする」
程度の問題はあるけど、この政治的勝利が、実質的には意味を持つだろうな。
領土と支配形態は、その表出した部分的な結果に過ぎない。
この記事を読むうえでは、以下の認識がベースになっていると見た。
「端的にいって、弱肉強食の世界は日本にとって不都合である。」
「軍事力が幅をきかせ、強国が隣国に侵略してもそのままのような世界で日本が平和と繁栄を維持することは困難」
うーん、冷戦後、NATOが東方拡大を進めてきたのは何だったんだろうと考えざるを得ない。
そりゃあ、ドンパチやったわけじゃないし、民主的な手続きで支配を進めてきたわけだが、その背景に軍事力がなかったかどうかは疑問だ。
わが国は、第二次世界大戦後、西側に組み込まれ、その安定の中で繁栄を享受してきた。
特に冷戦後は、明確に西側の一員として、盟主米国の補佐役を務めてきたわけだ。
単に、その立場が脅かされているだけの話ではないのか。
資源も、農業生産力にも乏しく、自前で国が維持できない我が国は、どんな勢力であっても交易を続けなければ生きていけない。
太平洋戦争では、なんとか自前で賄おうと進出して失敗している。
既に、最大の貿易相手国は中国だ。
政治的にも軍事的にも、西側であることを明確にしていても、実体経済の中で、新しい世界秩序を受け入れる準備は整ってきている。
浮沈子は、日米同盟が破棄されるリスクは現実的だと見ているが、この記事でも触れられている。
「米国は欧州を見捨てるという議論もある。しかし、仮に米国が欧州の同盟国を見捨てた場合に、日本のような米国の同盟国は本当に安心できるだろうか。「明日は我が身」にならない保証があるようには思えない。」
国際政治の世界で、同盟がパーシャルなものであることは常識だ。
国際連合だって、いつまで続くか分かったもんじゃない。
既に、外部には様々な地域連合や特定事案に対応した同盟が数多く作られている。
国連のレスポンスの悪さと意思決定機構の限界が露呈しているのだ。
国家は国益で動く。
正義では動かない。
「ウクライナ支援の対象が第一義的にウクライナの人々であることは当然だが、そのうえで、どのような世界をつくりたいかが問われている」
浮沈子は、ウクライナに対する軍事支援の先には、我が国が求める未来の世界はないと思っている。
「実際、ウクライナ側の期待も、日本に対してはミサイルよりも復興支援に焦点があるといえる。もちろん本音としてはミサイルなどの武器への期待もあるが、現実的な対応をしてきている。」
国破れて山河ありだ。
ロシアの勝利に終わったとしても、ウクライナへの支援が終わっていいということにはなるまい。
わが国の国益がどこにあるかをキッチリと見定め、二等国家(!)として、どれが寄るべき大樹なのかを間違えんようにしないとな・・・。
<以下追加>ーーーーーーーーーー
(ウクライナ 防空能力低下の分析相次ぐ 新指導部の対応に注目)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240212/k10014355401000.html
「アメリカの有力紙ニューヨーク・タイムズは9日、アメリカ政府関係者の話として、ウクライナは欧米からのミサイルの補給などの新たな支援がなければ3月までしか防衛能力を維持できないと伝えました。」
NYTが報じた記事については、N者自身が別記事で既報だ。
はて、「防空能力」じゃなくって、「防衛能力」まで、3月までしか持たないって言ってたっけえ?。
(“ウクライナ防空能力 支援なければ3月までしかもたず” 米紙)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240211/k10014355331000.html
「ウクライナの防空能力について、アメリカの有力紙ニューヨーク・タイムズは9日、「市民を守るために不可欠だが、たび重なる攻撃で確実に疲弊している」としたうえで、アメリカ政府関係者が、ミサイルの補給など欧米から新たな支援がなければ来月までしかもたないと見ていると伝えました。」
「さらに支援がなければウクライナは来月、局地的な反撃に苦戦し、初夏にはロシアの攻撃をはね返すことが困難になるおそれがあるとする当局者や専門家の分析を報じ、ウクライナにとって厳しい状況が続いています。」
記事の表題でも、「防空能力」が3月までということだし、NYTは反撃不能になるのは「初夏」(我が国では、5月上旬から6月上旬の梅雨入り前まで)ということだから、3月時点では、局地的反撃に苦戦はするものの、全体的な防衛能力を喪失するとまでは報じていない。
うーん、誤報じゃないのかあ?。
それとも、ニューヨークの初夏は、3月何だろうか?。
まあ、どうでもいいんですが。
ウクライナの防空体制については、先月にN社が特集している。
(ウクライナ 防空能力の課題が深刻に)
https://www.nhk.jp/p/catchsekai/ts/KQ2GPZPJWM/blog/bl/pK4Agvr4d1/bp/pjEo0bbgK1/
「撃墜に失敗したのは、短距離弾道ミサイル「イスカンデル」や極超音速ミサイル「キンジャール」です。」
・イスカンデル:低空で飛行して変則的な軌道で落下します。
・キンジャール:音速をはるかに超える速さで飛行します。
「ウクライナは地対空ミサイルシステム「パトリオット」でしか迎撃できないと訴えています。」
「これまでウクライナに供与された「パトリオット」は数基のみ。さらに、首都キーウを重点的に防衛している」
特集では触れられていないが、囮のシャヘドが飛んできて、防空ミサイルを消費させるという話もある。
それでも、迎撃するミサイルが豊富にあれば、防空はある程度可能なんだろうが、例によって、こっちも弾数が足りないわけだ。
「最大の支援国アメリカは、軍事支援の継続に必要な緊急予算が議会で承認されない事態が続いています。」
「NATO(北大西洋条約機構)は3日、ロシアに対する欧州の防空能力を強化するため、パトリオットミサイル最大1,000発を調達すると明らかにしました。ただNATOは、加盟国のミサイルの供給や備蓄を増やすためだとしていて、そこからウクライナに供与されるかは、定かではありません。」
NYTの報道を見る限り、タイムリーに供給されないことは確かだな。
「アメリカは、「ロシアが北朝鮮から弾道ミサイルの供与を受け、ウクライナに対し発射したとみられる」と明らかにしています。さらに、ロシアがイランからも短距離弾道ミサイルを入手しようとしているとの情報があるとしています。」
こういうのを、泣きっ面に蜂というんだろう。
「ウクライナのぜい弱な部分を狙い攻撃を強めるロシア。ウクライナは死傷者が増え続ける中、防空能力の向上のため欧米に一刻も早い追加の支援を求めています。」
それから、既に1か月以上たっているが、状況は悪化する一方だ。
NYTの記事報道を紹介した記事では、この話の後に、このブログでも既に取り上げたドイツの報道が続く。
「ドイツの有力紙ウェルトの電子版は10日、仮にウクライナがロシアに敗戦した場合、ウクライナで新たに1千万人が難民となり、国外へ逃れるとドイツ政府が想定していると伝えました。」
やれやれ・・・。
泣きっ面に蜂が1千万というところか。
「アメリカがウクライナへの支援を継続できるか不透明となる中で、ヨーロッパ各国が軍事支援を強化する重要性を指摘しています。」
先ごろ、ドイツのショルツ首相は、米国を訪れてバイデンと会っている。
米国の支援が再開するまで、欧州の支援強化で繋いでほしいという話だろう(テキトーです)。
が、欧州自身も、ロシアとの直接ドンパチに備えなければならず、生産した迎撃ミサイルや砲弾を右から左にウクライナに回すわけにはいかない。
昨年春に、1年間で100万発の砲弾を約束しながら、50万発余りしか渡せないわけだからな(おっと、それも3月までの話だ)。
ウクライナは、矢折れ力尽きて敗北する。
この状況に、タラレバはない。
現政権は、政治的に停戦も、降伏も出来ない。
この喫緊の状況で、ウクライナ軍は戦線に投入されていない70万人の兵士がどこにいるかを探すのが最優先の任務になっている(そうなのかあ?)。
やれやれ・・・。
米国の支援が再開されても、状況が直ちに改善されるとは限らない。
米国自身の武器弾薬の製造能力は、冷戦終結後に激減している。
それを増強するための時間は年単位だ。
来月でもなければ、初夏ですらない。
以前、N社は夏になればロシアが大攻勢をかけてくる可能性があると報じていたけど、当たっているかもしれないな。
(軍事侵攻まもなく2年 ウクライナ国境 防衛最前線はいま
2024年1月26日 20時01分)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240126/k10014336311000.html
「フィナンシャル・タイムズは、ウクライナの政府当局者の話としてロシア軍は、早ければ、ことし夏にも大規模な攻撃を仕掛け、首都キーウも攻撃の対象になる可能性があると報じています。」
この話と密接に関係するだろう情報も書いてある。
「ロシア大統領府のペスコフ報道官は1月22日、プーチン大統領がベラルーシのルカシェンコ大統領と近く首脳会談を行う方向で調整が進められていると明らかにするなど、ベラルーシとの関係をいっそう重視しています。」
首都キエフを狙うなら、ベラルーシから攻め込むのが得策だ。
2年前の侵攻直後は、理由は定かではないものの(ロシア側の停戦に向けた信頼醸成措置とも言われている)、尻尾を巻いて撤退したからな。
浮沈子は、補給線が延びきったからだろうと思ったが、それだけではないようだ。
まあいい。
こういう時に頼りになるCIAのバーンズは、ガザの人質交渉に張り付いてるし(パリから、明日13日にカイロに飛ぶようです)、ウクライナに対する米国の対応は止まったままだ。
トランプは、相変わらず暴言(?)吐きまくって、世界中の大顰蹙を買っているしな(NATOの分担金を十分払わない国には、ロシアをけしかけてやる。もちろん、米国は助けない:大統領在任当時のエピソード:まあ、今でもそう思ってるでしょうけど:未確認)。
浮沈子は、ロシアによる夏の大攻勢は、ビミョーだと見ている。
タイミングとしては、ロシアにとっては悪くない(ウクライナにとっては最悪!)。
今年中にケリを付けたければ、それも一つの選択だ。
が、来年まで待てば黙っていても転がり込んでくる「勝利」を、わざわざ大きな犠牲を払ってもぎ取りに行くだろうか?。
そうだとすれば、そこには政治的な思惑が絡んでくる。
・ロシア国内の厭戦気分が高まっている。
・西側の支援が本格的に再開される前に勝利して政治的イニシャチブを取りたい(逆に、トランプ政権の手柄にさせたくない?)。
・ウクライナの現政権に軍事的圧力を最大限に掛けて、内部から崩壊させたい。
・欧州への侵攻を少しでも早めたい。
・エトセエトセ・・・。
まあ、どうでもいいんですが。
浮沈子が、ビミョーだと見ているのは、中国の台湾併合とのスケジュール調整として、それほどウクライナ紛争の終結を急ぐ必要性があるとは思えないという理由がある。
Xデーは、2027年というのが一般的な観測だ。
慌てることはない。
腐った果実が落ちるのを、見守っているだけでいい(そうなのかあ?)。
それでも、ウクライナ軍が疲弊しているタイミングで、何らかの軍事的圧力をかけておきたいということはある。
ひょっとしたら、ロシア軍自体の意向かも知れないな。
2年前のリベンジしたいとか。
侵略戦争での勝利は難しい。
支配した領域は、統治しなければならないが、パルチザンを残して幕引きを急げば、イスラエルのガザのようなことになりかねない。
そのことは、ロシアも十分に分かっている。
ロシア領内でも、そういう話は山ほどあるからな。
ウクライナは、確かにデカいけど、ロシアにとってはある意味で国内問題だ。
どう終結させるかのプロセスは、勝利以上に重要ともいえる。
キエフ支配地域の2800万人を、ロシアがどう捌こうとしているのか。
まるっと併合すれば、ロシアの人口は飛躍的に増える。
その中に、反ロシア的勢力を抱え込むことは、決して得策ではない。
ウクライナ降伏不可避。
浮沈子の見立ては変わらない。
むしろ、既に問題は、降伏後の統治の方に移っている。
戦争をどう終わらせるのかは、それを見据えて決められるんだろう・・・。
<さらに追加>ーーーーーーーーーー
(トランプ米前大統領、NATO加盟国攻撃をロシアに「促す」……在任中の発言に批判 軍事費負担めぐり)
https://www.bbc.com/japanese/articles/cevrjpgn418o
「もし私の国がNATOでの金銭的義務を果たしていないとして、私の国がロシアから攻撃されたら、アメリカはどうするのか」
「払ってない? ちゃんと払ってない? だったらうちはおたくを守らない。むしろ、(ロシアに)好きにするよう促す。払わないとだめだ」
浮沈子的には、このやり取り自体には問題はないと思ってるんだがな。
「ドナルド・トランプは、自分がプーチンに青信号を与えるつもりだと認めた。プーチンがさらに戦争を続け、暴力をふるい、自由なウクライナに対する残虐な攻撃を続け、その侵略行為をポーランドやバルト諸国へ拡大するのを、容認するつもりだと。これはとんでもない、危険なことだ」(バイデン大統領)
何年も前の話だし、もちろん、ウクライナは本格的には侵攻されていない(クリミアの併合とドンバス地域の紛争はあったけど)。
バイデンは、いくら政治の季節だからといって、ちょっと言い過ぎな気もする。
が、まあ、確かに、米国議会を扇動し、ウクライナへの支援を滞らせている一因ではあるトランプが、寄りにも寄って、このタイミングで過去の発言を披露するというのはいかがなものかということもある。
いくら分担金の支払いを促すためとはいえ、NATO諸国の血の盟約である第5条を反故にし、あろうことかロシアに攻撃を促すというのは過激だ。
まともな米国人は、両者の発言を聞き流すだろうが、それとは別に、トランプがどう考えているかということは気になる。
投資家として、大損すると分かっているのに、「正義」のために金をドブに捨てることはない。
戦争研究所は、ロシアが勝利した場合、NATOへの将来的な支出が莫大となって割に合わないと主張していたが、ひょっとしてNATO離脱を考えているのなら、ウクライナへの直接投資は無駄だ。
むしろ、勝利するロシアに投資した方がいい(そういうことかあ?)。
トランプにとって、欧州は単なる市場に過ぎない。
その市場を維持するために、どういう投資をするのが得策化だけを考えている(たぶん)。
凋落していく欧州に引きずり込まれないように、米国の利益を最大化するにはどうすればいいかだけを考えているように思える(未確認)。
わが国と違って、米国は一等国だ。
自国をどうするかを、自らの意思で決めることが出来る。
誰の指図も受けずにな。
「ロシアによる侵攻の前年にあたる2021年には、カナダ200名、リトアニア30名、ポーランド40名、アメリカ150名の軍事顧問団がウクライナ軍の訓練や近代化を支援していた」(ウクライナ降伏不可避:人口の<またまた追加>から再掲)
NATOは、ロシアとの直接対決を避けるために、これらの顧問団を引き揚げた。
同盟国じゃないからな。
自らの国土を自らの血で贖うのはウクライナ自身の仕事だ。
浮沈子的には、ウクライナをこの時にNATOに電撃加入させ、欧州大戦争に発展するかと思ってたんだが、そうはならなかった。
ロシアへの経済制裁とウクライナへの支援を行うことにしたわけだが、そのスキームを作ったのは米国だ。
この対応が正解だったかどうかは、後の歴史家が判断することになるが、西側がロシアの本格的な軍事侵攻を阻止できなかったことは事実だ。
NATOは仲良しクラブじゃない。
血の盟約(集団的自衛)で固く結ばれた、世界最大の軍事同盟だ。
核大国としての米ロ両国は、ウクライナ紛争を第三次世界大戦に発展させないために、極めて抑制的に動いている。
戦域の拡大も、ほとんどない。
西側がロシアを追い込んだ結果、戦時体制を構築されて戦闘国家となり、NATO諸国への侵攻がリアルな懸念になっているが、プーチンは自分では制御できると思っているようだしな(ロシアもまた、一等国だ:浮沈子は、ポストプーチンでは制御不能と見ている)。
トランプが政権に返り咲いた時、この状況をどう収拾するかが見ものだ。
まあ、あまり見たくはないんだがな。
バイデン政権のままだと、ロシアはNATO諸国に侵攻するだろうな。
口では勇ましいことを言っているが、トランプ政権じゃなくたって、米国の関与は限られる(そうなのかあ?)。
ウクライナのように徹底抗戦を主張すれば、戦線は拡大し、欧州大戦争へと発展する。
軍需産業は笑いが止まらんだろう!。
ウクライナ支援の米国のメリットは、国内軍需産業の発展だからな。
そう公言して憚らない。
トランプならどうするだろうか。
前にも書いたけど、ロシアと取引して、欧州を分割することでケリをつけるだろう。
もちろん、ウクライナはのしを付けて献上する(そんなあ!)。
ウクライナの現政権はどうなるのかってかあ?。
まあ、CIA辺りが大活躍するに違いない(もう、バーンズじゃないだろうけど)。
クーデターとか仕掛けて、転覆間違いなしだ。
ロシアコネクション復活だな。
欧州大戦争は回避され、NATOは東欧諸国を失い、せいぜい小競り合い程度で収集される。
が、ロシアはいずれ、欧州をまるっと手に入れようとするだろう。
それはロシアの意向ではなく、中国の意向だ。
戦闘国家であるロシアをパシリとして使い、野心剥き出しで取りに来るだろう。
それは、台湾、韓国も同じだ。
さて、我が国はどうなるのかな。
浮沈子は、いつもここで思考停止になる。
米国だって、北米大陸の地域大国で安泰になれるかどうかは分からない。
アラスカは既にロシアの射程内だ。
トランプ政権の誕生は、米国の終わりの始まりに過ぎない。
浮沈子は、まだ、バイデンが勝つと思っているけど、だんだん分が悪くなってきているのを感じる。
バイデンが勝ったところで、米国の衰退が止まるとは思えないけどな。
むしろ、海外へのちょっかいを続けることで、衰退を加速しかねない。
トランプの米国一国主義は、我が国にとっては痛いが、米国の衰退を緩和することはできるかも知れない。
欧州の大統領が言われたように、金を払わない国との安全保障は風前の灯だ。
大増税は、覚悟しておかないとな・・・。
<さらにさらに追加>ーーーーーーーーーー
(危機的なアウディーイウカ、ウクライナ軍は夏に何も準備してこなかった)
https://grandfleet.info/war-situation-in-ukraine/audi-ivka-in-crisis-the-ukrainian-military-has-not-prepared-anything-in-the-summer/
「ヘルソン反攻時の砲弾割当量は戦車1両につき120発だったが第59機械化旅団の戦車兵は「戦車1両に15発から20発の砲弾しか供給されない(12月時点)」と、砲兵部隊の兵士も「40発の122mmロケット弾を一斉射撃できるのに現在は1度に1発しか発射できない」と証言した」
「最前線からの報告の中で最も深刻な問題は歩兵不足だ。Kyiv Independent紙の取材に応じた兵士らは「大損害を受けた歩兵部隊を補充するため砲兵部隊や兵站部門の兵士を歩兵部隊に異動させている」と証言しており、歩兵の基本的スキルを知らない兵士を塹壕に放り込むということは「今以上に多くの死傷者を出す」という意味だ」
「第59機械化旅団の砲兵部隊に所属する兵士は「元々46人いた砲兵部隊から15人が前線送りになった」「その殆どが持ち場に到着してから数日で戦死した」「歩兵のことを殆ど何もしらなかったのが原因だ」「今でも生き残っているのは4人だけ」と証言、このような非効率極まりない補充方法はバフムートでも報告されていたが、軍事アナリストのフラブスキー氏は「現在のウクライナ軍は非効率極まりない方法を選択しなければならない状況にある」と述べている」
歩兵不足+砲弾不足
→砲兵を歩兵に配置転換
→基本スキルの欠如
→戦死者の増加
→砲兵も歩兵も不足が増加
→今後、砲弾の支援が再開されても砲兵の不足から反撃できない可能性も
やれやれ・・・。
ウクライナ政権は、前線に送られていない70万人の所在を突き止めることを優先し、大規模動員せずにローテーションで兵員の不足をカバーしようとしている。
その先にあるのは、上記の事態だ。
「アウディーイウカに投入されているロシア軍兵士はバフムートで遭遇したワグナーの傭兵よりも経験豊富だ」「ウクライナ軍と同程度の訓練を受けていると感じた」(第425独立突撃大隊のヴィタリー氏(ドローン操縦者))
「ロシア軍は大きな損害を出しても結果をだしてきた」「敵はアウディーイウカ南部の工場地帯に前進するよう命じられ実行した」「ここで異次元の損失を被ったものの損害と目標達成は別問題だ」「敵は戦術的にアウディーイウカ入城を果たして前進を続けている」(軍事アナリストのセルヒイ・フラブスキー氏(ウクライナ軍元大佐))
つーことは、あれだな、数合わせのローテーションで人的損耗を拡大させ、結果を出せないどころか将来の反撃に支障をきたしかねないウクライナ軍に対し、訓練された兵士を計画的に投入しているロシア軍は、「異次元の損失」を被りながらもキッチリ結果を出しているということだ。
アウディーイウカの防御陣地(塹壕)については割愛する。
悲惨だ・・・。
まあいい。
撤退のタイミングについては、既に2月中旬に入っていることから、当初の見通しより遅れている。
ウクライナ軍は、ロシア軍に対して損害を与えていることを「戦果」としているのかもしれないが、自軍の損失を構造的に拡大させていることについては認めていないんだろう。
「ロシア軍は街を包囲することが出来ないと思う」「但し、ウクライナ軍は戦力を温存するため何れ撤退するだろう」(アウディーイウカ南部を守っている第59機械化旅団のミコラ少佐)
ものは言いようだが、もちろん、包囲されれば撤退は叶わないからな。
「アウディーイウカの状況をウクライナメディアは積極的に報じていない(恐らくクリンキーと同じように報道規制がかかっている)」(ブログ管理人)
東部戦線での後退が続く中、ちょっと変わった情報が出てきて、少し気になっている。
(ロシア攻撃キャンペーンの評価、2024 年 2 月 11 日)
https://www.understandingwar.org/backgrounder/russian-offensive-campaign-assessment-february-11-2024
「ロシア軍は占領下のドネツク州に「ツァーリ・トレイン」と呼ばれる長さ30キロメートルの障壁を建設したようだが、これは将来のウクライナ軍の攻撃に対する防衛線として機能する可能性がある。」
「オレニフカ(ドネツク市の南)からヴォルノヴァハ(ヴーレダルの南東、マリウポリの北)まで延びる長い列車の列を建設した」
2023年5月10日と2024年2月6日と10日の衛星画像の比較で確認できるようだ(浮沈子は見ていませんが)。
「ウクライナ情報筋は2月11日、ロシア軍が2,100両以上の貨車を組み立てて全長30キロメートルの列車を編成したと報告」
「この情報筋は、ロシア軍が2023年7月に列車の組み立てを開始したと報告し、ロシア軍が将来のウクライナ軍の攻撃に対する防衛線としてこの列車を使用するつもりであることを示唆した」
「最前線であるノヴォミハイリフカ南東から最も近い地点まで約6キロメートル」
「建設を開始した時には前線の比較的活動が活発ではなかった地域にある」
ホントに防衛線なんだろうか?。
「ロシア人は他の目的でも列車を組み立てた可能性がある。」
もちろん、前線から6kmしか離れていなければ砲撃の対象となるわけで、機甲部隊の進軍の妨げになるかどうかはビミョーだ(固定目標だからな)。
ロシア軍は、一体、何を考えているんだろう・・・。
この情報については、引き続き注視していきたい。
アウディーイウカでの状況は、前線でのウクライナ軍の問題を浮き彫りにしている。
砲弾の不足が、ロシア軍の攻撃に対する有効な反撃を妨げるのみならず、不適切な用兵から兵士の不足を加速するという悲惨な状況を生んでいることは問題だ。
しかも、砲兵からの配置転換ということになれば、砲弾不足が解消されても戦力が十分に発揮されない事態が生じる可能性さえある。
悪循環だ。
それにしても、最盛期の砲弾供給の1割しかないという状況は悲惨だな。
当然、砲弾が不足する中での戦闘は、例え防御戦であったとしても兵士の損耗を拡大させることにつながる。
また、真逆の状況(潤沢な砲弾と訓練された兵士のローテーションが可能で、それを支える十分な動員がなされているという意味)なロシア軍が、結果を出す(支配領域を拡大する)ことに繋がっている。
ウクライナは、ドローンの生産に注力しているようだが、そして、確かにそれは前線の状況を改善する「手助け」にはなるかも知れないが、砲弾と兵士の不足を「代替」することはできない。
単一の兵器が戦況を改善するわけではない。
連携し、相補的に機能し、シナジー効果を発揮することで、ようやく効果が見えてくるわけで、それは戦車や戦闘機でも同じだ。
獲得するために多くの犠牲を払った戦車部隊が、大活躍してロシア軍を撃退したという話は聞かない(ブラッドレー(歩兵戦闘車)投入の効果は大きかったようです)。
まあ、どうでもいいんですが。
アウディーイウカは市街戦に突入していて、機甲部隊は効果を発揮できない状況だ。
今後、第2、第3の防衛線を守る際に、どれだけ活躍できるのかは分からないが、春になれば地面はぬかるんで運用に支障が出ることが見えている。
ロシア軍は、大規模攻撃のタイミングを慎重に見計らってくるだろう。
それまでに砲弾と兵士の問題を解決できなければ、大規模な反撃を許すことになりかねない。
浮沈子は、どっちの問題の解決もムリポと見ている。
砲弾は、支援が再開されても生産が追い付かずに供給のめどが立たず、大規模動員は政権側が「勝利」を手にして政治的リスクを緩和する状況が生じない限り実施不可能だ。
航空優勢を取り戻す切り札として期待されているF-16の配備も遅れるだろうしな。
最早、タラレバの話すらネタがなくなりつつある。
(ウクライナ軍 東部アウディーイウカ周辺 追加の部隊を投入)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240213/k10014356261000.html
「わが軍は防衛線を強化し、陣地を増やし、新しい効果的な戦力を使う」(ウクライナ軍の指揮官:たぶん、アヴディーウカのタヴリヤ部隊司令官オレクサンドル・タルナフスキー大将)
「軍は町にとどまって戦うことにより大きなリスクを取ろうとしている」(アメリカの経済誌フォーブス)
浮沈子は、なんか不自然な感じがして、元ネタを当った。
(ウクライナはアヴディウカ救出に向けて最良の旅団を派遣した可能性がある)
https://www.forbes.com/sites/davidaxe/2024/02/11/ukraine-may-have-deployed-one-its-best-brigades-to-try-to-save-avdiivka/?sh=5b3062725e95
「われわれは阻止線を強化し、追加の射撃陣地を設置し、新たな効果的な部隊を使用する」
「物流配送は継続しています。」
記事を書いているデビッドアックスも、何か不自然さを感じているようだ。
「ロシア侵略者の意図は明らかだ。彼らはまず第一に、北側の部隊に補給する兵站手段の支配を確立したいと考えている」
「しかし、敵の行動に対しては適切に対応します。」
タルナフスキーの投稿からは、「適切な対応」が具体的に何を意味するかは分からない。
が、状況を好転させるにはタイミングが遅すぎるし、効果も疑問だ。
「アヴディウカで次に何が起こるかは誰にも分からない。もし実際に第3突撃旅団が市内に展開しているのであれば、フルシェフスキー通り付近のロシア軍陣地を狙った反撃が予想される。」(デビッドアックス:フォーブス:以下同じ)
「しかし、ウクライナ人が突然大量の予備の弾薬が転がっているのを見つけるとは期待しないでください。」
「これらの弾薬がウクライナに届くまでには何か月もかかる可能性がある。」
「第110旅団とそれを増援している部隊は急速に空になりつつある兵器を引き続き使い続けることになるだろう。」
「弾薬がなくなったら、アヴディウカにウクライナ旅団が1つであろうが2つであろうが関係なくなる。そして、都市を強化するというウクライナ軍司令官の決定は、良くても意味不明だろう。」
「最悪の場合、もはや防御できなくなった都市から西へ逃げようとするウクライナ軍にとって大惨事になる可能性がある。」
NHKの報道では、ここんところは割愛されている。
焼け石に水どころか、敗走する自軍の兵士を妨げかねない。
焼け石に油か(そんなあ!)。
タルナフスキーの決断かどうかという点については、疑義も呈されている。
「タルナフスキー氏の決断ではなかった可能性もある。」(フォーブス)
「ザルジニ氏は、当然かどうかは別として、ウクライナ軍の死傷者を最小限に抑えるために機動防御を採用していることで知られている。対照的に、シルシキーは、これも当然のことかどうかは別として、頑固で静的な戦いで多数の死傷者を受け入れることで知られている。」
「ゼレンスキー氏がシルシキー氏を昇進させる際に、アヴディウカのために戦う意向を示した可能性がある。たとえ高コストであっても。」
N社も、この点は伝えている。
「ゼレンスキー大統領が今月、軍の総司令官を交代させた際、アウディーイウカのため大きな犠牲を払っても戦い抜く意向を示した可能性があるとも指摘しています。」
現場指揮官の判断にしては、タイミング的にも方策的にも適切とは思えないからな。
シルスキーは、補給線を失った後も、引き続きアウディーイウカに留まって抵抗を続けろと指示しているのかもしれない。
第2防衛線まで撤退するのが常道だ。
「アヴディウカ守備隊は4か月間、失った兵士1人につき10人のロシア人を殺害した可能性がある。しかし、ロシア野戦軍による包囲により、その消耗による優位性が失われる恐れがある。」(フォーブス)
「結局のところ、それは以前にも起こったことです。昨年5月、アヴディウカでの戦闘と似ても似つかない激しい戦闘で、ウクライナ守備隊は東部都市バフムートの廃墟で何か月も持ちこたえた。」
「ウクライナ人は、ロシア人が血液と引き換えに土地を奪い、都市の補給線を詰まらせるまで、失った人のために10人ものロシア人を殺害した。ウクライナの分析グループ「フロンテリジェンス・インサイト」は、「ロシア軍がウクライナの側面を占領し、補給路を妨害することに成功すると、死傷者数はほぼ同等になった」と説明した。」
「バフムートの戦いの責任者は誰だったと思いますか?そうです、シルスキーです。」
やれやれ・・・。
ウクライナ軍は、最悪の選択をしたのかもしれない。
東部戦線における最後の予備兵力の投入は、もう、後がないことを意味する。
いや、タラレバのネタとしては、いいかもしれないけどな。
シルスキーに挿げ替えたことで成果を挙げれば、ゼレンスキーの株も上がり、追加の大規模動員への道が開けるかも知れない。
他の戦線に回していた砲弾をかき集めて、短期集中でロシア軍を撃退できれば、戦果として誇ることもできる。
が、あまりにギャンブルな気がする。
ザルジニーは、それでロシア軍を撤退させることができないことを知っていたからな。
ウクライナ軍は、最後の賭けに出たのかもしれない。
勝てれば道が開ける。
敗れれば、前線を突破される。
決戦だ。
が、ロシアがアウディーイウカに配備している兵力は4万人といわれる。
対して、現在の守備兵力と援軍を合わせても、4千人程度にしかならない。
結末は見えている気がするんだがな・・・。
タラレバな話をもう一つ。
(イスラエルへの武器供与、バイデン米大統領に削減を要求 EU外相)
https://www.asahi.com/articles/ASS2F1D64S2DUHBI02S.html
「あまりにも多くの人が殺されていると思うなら、提供する武器を減らすべきだ」(欧州連合(EU)の外相にあたるボレル外交安全保障上級代表)
「国際社会がこれを虐殺だと考えるなら、武器供与について考えなければいけない」(同上)
米国がイスラエルに提供している武器には、155mm砲弾も含まれるかもしれないからな(未確認)。
昨年10月以降、ウクライナへの砲弾の供給量が激減したことを考えれば、十分あり得る話だ。
予算凍結が解除されれば、あるいは、大統領権限で取り崩し可能な44億ドルの備蓄の補充に回すことが出来れば、ウクライナへの砲弾の供給が可能になる。
が、米国がボレルの言う通り、イスラエルに対する武器供与の削減に踏み切ることはない。
断言する。
んなことをすれば、バイデン再選の目は消える。
バイデンが、ウクライナへの支援について、「必要なだけ」から「可能な限り」に切り替えたのが、昨年の10月以降であることからも、それは明らかだ。
イスラエルへの支援は、ウクライナより優先される。
もちろん、ボレルは、それを承知で発言している。
よほど腹に据えかねることがあるのか(トランプ発言とかあ?)、欧州内でのガス抜きが必要なのかは知らない。
朝日の記事によれば、イスラエルのネタニヤフ首相がガザ地区南部ラファへの攻撃拡大に先駆けて、民間人の避難計画を用意するように軍に指示したことについても触れている。
「住民たちは避難するだろう。でもどこへ? 月に?」(同上)
外交官の発言らしい、辛らつな表現だ。
もちろん、エジプトへの避難が出来ないことは承知の上だ。
100万人だからな。
なだれ込んだりしたら、目も当てられない。
国境に戦車を持ち出して備えているそうだ。
(イスラエル軍、ガザ最南端に本格攻撃へ 境界を接するエジプトは戦車送り警戒、米も批判強める)
https://www.sankei.com/article/20240210-BNLI77JZ4FK3DNRJOG4QLWD2N4/
「ラファへの攻撃はパレスチナ人をガザから追い出す狙いだと非難」(パレスチナ自治政府)
「エジプトはラファと境界を接する北東部シナイ半島に戦車約40台と装甲車両を送り、警戒を強化」
「イスラエル政府当局者は、ラファでの作戦開始前に住民らをガザ北部に移動させる方針」
ホントかあ?。
もちろん、エジプトの懸念は避難民だけじゃない。
「ラファにはハマスの4大隊が残っている」(イスラエル首相府)
ハマスの地下トンネルは、当然、エジプトと繋がっている(未確認)。
浮沈子は、最近、ガザ情勢から遠ざかっているけど、230万人の人質を取っているイスラエルは、やりたい放題やっている。
バイデンは、2期目を諦めて、イスラエルへの支援を止めたっていいような気もする。
まあ、絶対やらないだろうけどな・・・。
<また追加>ーーーーーーーーー
(トランプ氏再選なら米国はNATO離脱、元側近らが警告)
https://www.cnn.co.jp/usa/35215139.html
「米国の安全保障責任を軽視するトランプ氏の姿勢は、日本や韓国との相互防衛協定にまで拡大するとみられる。NATOを全く重視しなかったトランプ氏は、抑止力としての日韓両国での米軍駐留にも強く反対していたという。」(退役将軍でトランプ政権の大統領首席補佐官だったジョン・ケリー氏)
記事には、ボルトン補佐官(当時)の懸念も出ているけど、既に取り上げたので割愛する。
ケリー氏の話は初耳だが、まあ、想定の範囲内だ。
むしろ、米軍駐留に反対していただけということで(そうなのかあ?)、ちょっとホッとしている。
トランプの発想の原点は、軍事的緊張の緩和だな。
「ロシアのプーチン大統領も北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)総書記も問題視しておらず、むしろ米国がNATOに加盟していることでプーチン氏を刺激する形になっているとの考えを示唆」(ケリー氏)
「これらの元高官らは、トランプ氏が大統領に返り咲けばウクライナと台湾に対する支援も縮小すると見込む。」
当然だろう。
この記事では触れられていないが、イスラエルとかはどうなんだろうな。
浮沈子の記憶が確かならば、トランプは在任中、習近平主席が訪米中に中東地域でミサイル攻撃したこともあるからな。
(トランプは習近平とチョコレートケーキを食べながらシリアを攻撃した)
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2017/04/post-7402.php
「シリアへの攻撃を命令したときはフロリダ州パームビーチの「マール・ア・ラーゴ」で中国・習近平国家主席とデザートの最中だったと語った。」
「私たちはテーブルに着き、晩餐後のデザートを食べるところだった。これまで食べた中で最高に美味しいチョコレートケーキだった。習も堪能していた」
「その間に習に「イラクに59発のミサイルを発射した」と伝えたという(イラクというのはシリアの言い間違いだ)。」
言い間違いだってえ!?。
まあいい。
「美味なるチョコレートケーキの外交力を侮ってはいけない。」
そういう問題じゃなかろう・・・。
話を戻す。
つまり、中東へのある程度の関与は残すということなわけだ。
米国一国主義、内向き外交は、各国に懸念を抱かせる。
駐留米軍の削減(廃止含む)は、前方展開という米国の軍事ドクトリンの変更を意味する。
安全保障上の構造的変更であり、一朝一夕にはいかない。
が、中長期的方向性としては現実にあり得る話だ。
それは、米軍自身が推進している。
F-22やB-2のローテーション配置も、その一環かも知れない。
また、基地だけ残しておいて、貯蔵できる兵器は保管して置き、有事の際にはクリティカルな兵器と兵員だけ投入するという運用も検討されている(一部ではすでに実施されているらしい)。
浮沈子が継続的に見ている宇宙関連では、スターシップを使った全世界への1時間以内での物資(兵員も?)輸送すら検討している。
けどな、そういうのは何年もかけて、駐留先の同盟国と綿密に協議を重ねながら慎重に行う話で、金がかかるから明日から引き上げるという問題ではない(たぶん)。
NATO離脱とか、支援の削減とは次元の異なる話だ。
べらぼーめ・・・。
が、考えようによっては、トランプのような存在が、21世紀における米国のポジション変更をスムーズに行う助けになるのかもしれない。
緊張を緩和するということと弱腰になるということは異なる。
前方展開しなくても、抑止効果が発揮できるのであれば、それはそれで構わない気もする。
必要なら、チョコレートケーキ食べながら、ミサイルぶっ放すことは可能だ(そうなのかあ?)。
米国がNATOから離脱しても、緊張が緩和されてロシアの軍需産業の膨張が抑制され、戦闘国家からの離脱が可能になるのであれば、世界にとっても好ましいに違いない。
ただ、それにはいくばくかの犠牲も伴う。
ウクライナを含め、東欧諸国がロシアの影響下に入ることは避けられないかも知れない。
米国が手を引くことで、NATOの軍事力は事実上半減するだろうからな。
軍事的緊張を可能な限り避け、ドンパチやらずに移行するのか、ロシアの軍備増強が続いて、NATOが徹底抗戦する中、核兵器さえ投入されて多大の犠牲を伴った挙句に移行するのかの違いだ。
「もしトラ」から「まずトラ」へ。
その想定の中で、最良の結果を導く算段を、世界は求められている。
残念ながら、ウクライナにとっては「最良」じゃないかも知れない。
が、このまま戦闘を続け、「勝利」の見込み無く国力を疲弊させながら永遠に支援を受けて戦いの歴史を刻むことが「最良」なのかという問題はある。
浮沈子は正義派じゃない。
ウクライナでどんな統治が行われようが、知ったことではない。
ただ、米国民の選択は、おそらく間違いなく、ウクライナにおける統治の形に影響を与えるだろう。
ウクライナもまた、「もしトラ」から「まずトラ」への検討を求められている。
それは、東欧諸国も同じだ。
まあ、ハンガリーは、あんま変わんないかも知れないけどな・・・。
<またまた追加>ーーーーーーーーーー
(ロシア攻撃キャンペーンの評価、2024 年 2 月 12 日)
https://www.understandingwar.org/backgrounder/russian-offensive-campaign-assessment-february-12-2024
「ロシアの技術適応 (ロシアの目標: ウクライナでの使用に向けてシステムを最適化するための技術革新の導入)」
「ロシアのソフトウェア会社 Hardberry-Rusfaktor は、ドローンが物体を自動的に識別して位置を特定できるようにする「naka」人工知能ニューラル ネットワークを設計したと伝えられています。 Hardberry-Rusfaktor のゼネラルディレクターである Alexei German 氏は、「naka」人工ニューラル ネットワーク ソフトウェアはあらゆる種類のドローンで動作し、85% の精度で敵の装備の種類を自動的に識別し、目標の正確な座標を特定できると述べました。ジャーマン氏は、「ナカ」ニューラルネットワークの物体検出機能によって実現されたドローンは、レオパルド戦車やブラッドレー歩兵戦闘車などのNATO提供の装備を識別できると主張した。」
まあ、記事の内容に注目したこともしたんだが、この記事だけ、参照した元ネタへのリンク番号が付いていなかった(52番)。
調べたら、URLを区切る「.」が、前後に空白を置かれて「dot」になっちまってて、元ネタへのリンクが正しく張られていなかった。
やれやれ・・・。
該当する記事はこちら。
(ロシアはNATO装備を認識するドローン用のニューラルネットワークを構築した)
https://ria.ru/20240212/neyroset-1926762249.html
「ロシアでは、あらゆる種類のNAKAのドローン用にユニバーサルニューラルネットワークが作成されており、これにより、レオパルド戦車、ブラッドレー歩兵戦闘車、その他の車両を含む、特別作戦ゾーン内の敵の物体や装備を正確に識別できるようになりました。このソフトウェアを開発した会社 Hardberry-Rusfactor の Alexey German 氏は RIA Novosti に語った。」
「私たちは、NAKAと呼ばれる、あらゆる種類のドローン用のプログラムを書きました。本質的に、私たちは敵の装備を含む特定の物体を認識するニューラルネットワークについて話しています」(Alexey German氏)
「たとえば、飛行機がオペレーターのコンソールにビデオを送信すると、コンソールに読み込まれたプログラムが地形の特定の領域を緑色で強調表示し、次のように書きます。「これはヒョウで、これは確率 85 のブラッドリーです」 %」とその位置の正確な座標を示している」
うーん、グーグル翻訳は、ロシア語は苦手なようだなあ・・・。
まあいい。
内容的には、戦争研究所の記事と同じだろう。
このソフトを、ランセットに搭載するとヤバいことになりそうだ。
(ザラ ランセット)
https://en.wikipedia.org/wiki/ZALA_Lancet
「2023年9月19日、ドニエプル川の前線から約70km離れたドニプロペトロフスク地方のクリヴォイログ近くのドルギンツェボ飛行場に駐屯するウクライナのMiG-29戦闘機に対してランセットが初めて攻撃を行ったとロシア情報筋が主張した。これは、ドローンの最大航続距離が以前に宣言されていた40kmから延長されたことを示している。」
ランセットについては、このブログでも何度か触れているが、手ごろな価格の精密攻撃爆弾といったところか。
最大航続距離が延長されているようだが、特別仕様なのかもしれない(未確認)。
従来は、地形を入れたデータとかGPSで誘導されて、固定目標などに突入するしかなかったけど、標的を自動認識して爆撃することが出来るようになれば、移動目標も狙えることになる。
記事が伝えるところが正確なら、ランセットにも搭載可能ということになり、前線での使用価値は跳ね上がるだろう。
攻撃目標の最終決定に当たって、人間が介在するかどうかは不明だ。
識別率85パーセントということは、残りの15バーセントで自軍の車両に突っ込んでしまうのかもしれないしな(そんなあ!)。
「ウクライナの最高司令官ヴァレリー・ザルジニ将軍は、ロシアがランセットを「広範囲かつ効果的に」配備していると書き、それに対抗するのは「かなり難しい」と述べた。」
前総司令官ザルジニーお墨付きのランセットだが、標的識別ソフトを組み込めば鬼に金棒になる。
んなもんが、ぶんぶん飛び回る戦場に、迂闊に戦闘車両を配備すれば、飛んで火にいる夏の虫になりかねない。
おっと、夏にはロシアの大規模攻撃が予想されている。
虫刺されにはご用心というところか・・・。
<もっと追加>ーーーーーーーーーー
(ロシア軍、極超音速ミサイル「ツィルコン」初使用か ウクライナ研究機関が指摘)
https://www.sankei.com/article/20240213-AKTJYBKTLBOFLORACLBQKW6V74/
「ロシア軍がウクライナの首都キーウ(キエフ)などを標的とした7日の大規模ミサイル攻撃で、新型の極超音速巡航ミサイル「ツィルコン」を使用」(ウクライナの研究機関「キーウ法学鑑定科学調査研究所」のルビン所長)
「事実であれば、ツィルコンの実戦投入が確認されるのは初めて。」
(3M22 ジルコン)
https://en.wikipedia.org/wiki/3M22_Zircon
「ロシアが製造したスクラムジェット駆動の熱核対応極超音速巡航ミサイル」
「ミサイルの射程は低空で135~270海里(155~311マイル、250~500キロ)、半弾道軌道では最大400海里(460マイル、740キロ)と推定される。[48]平均航続距離は約 400 ~ 450 km (250 ~ 280 マイル、220 ~ 240 海里) です。[49]ロシアのメディア(2017年)によると、可能な最長航続距離は540海里(620マイル、1,000キロ)」
「ツィルコンはマッハ 8 (時速 6,100 マイル、時速 9,800 km、秒あたり 2.7 km) の速度で移動できます。」
「このため、既存の海軍防衛システムを突破する可能性が高まるのではないかという懸念が生じている。 」
「大気中を極超音速で飛行するため、その移動中に前方の気圧によってプラズマ雲が形成され、極超音速巡航段階では電波を吸収してアクティブレーダーシステムからは実質的に見えなくなります(プラズマステルス)。」
「しかし、これはミサイル上のレーダーやIRシーカーの盲目状態にもなり、移動目標(軍艦など)を攻撃するために終末段階でマッハ5~6に満たない速度まで減速した可能性が高いことを意味する。この速度であっても、ジルコンミサイルは依然として艦載防空にとって大きな挑戦となるでしょう。」
「軍艦のレーダーと電子支援措置(ESM)センサーは、22キロ離れた低空軌道を飛行するミサイルを探知する。この時点から、ミサイルがマッハ 5 ~ 6 の速度で飛行する 3M22 であると仮定すると、船舶の反応時間はわずか 12 秒になります。」
ヤバいな・・・。
ヤバ過ぎ!。
ロシアは、なんでこんなもんをウクライナで使ってるんだあ?。
(ジルコンが動作速度に達する:2017年の記事)
https://vz.ru/society/2017/4/17/866694.html
「ジルコンのもう一つの利点は、飛行経路の最終部分ではこのミサイルが機動可能になることだとレオンコフ氏は指摘する。 「この開発は『伝統を引き継いで』おり、以前のモデルの対艦ミサイルを区別する特性を保持している。最終段階ではミサイルは操縦し、目標を特定して命中する」と専門家は述べた。」
「「ジルコン」は指揮ロケットです。彼女は一人で仕事をすることも、「チームで」仕事をすることもでき、データを交換して目標を決定することができます」とレオンコフ氏は強調する。」(軍事専門家アレクセイ・レオンコフ氏)
当初は、海上艦(空母など)を攻撃するために開発されていたが、既に陸上攻撃に使用されたということになる(未確認)。
どこから発射されたかに関する言及はない。
(ロシアがウクライナで初めてジルコン極超音速ミサイルを使用、研究者らが発表)
https://www.reuters.com/world/europe/russia-uses-zircon-hypersonic-missile-ukraine-first-time-researchers-say-2024-02-12/
「ロシアはさまざまな長距離ミサイルや無人機を使用してウクライナを定期的に空爆している。ジルコンは当初海上発射兵器として設計され、後に地上発射型も開発された。」
「ルビン氏の声明では、兵器が陸上から発射されたのか海上から発射されたのかについては言及されていない。残骸から回収された痕跡は、この兵器が最近組み立てられたことを示していると同氏は述べた。」
浮沈子的懸念は、ロシアにとってウクライナの戦場は既に新兵器の効果を実戦証明するためのフィールドと化しているということだ。
西側が供与した防空システムの有効性を、実戦レベルで確認できる。
特に、発射後に操縦できるジルコンのような兵器の場合、どういう特性で攻撃することが有効なのかを試す必要があるからな。
コンバットプローブンな兵器として仕上げていくためには、欠かせないプロセスということになる。
余裕だな・・・。
が、一方で、西側もまた、貴重な実践データを取得できることになる。
迎撃ミサイルは間に合わないかも知れないけど、レーダーは終末の捕捉可能な状態になってからの飛行特性を記録しているはずだ。
今後の防空システムの開発にとって、ダイヤモンド級のデータに違いない。
なんたって、ロシア海軍が、米国海軍の空母をジルコンで撃沈するかどうかの問題だからな。
ウィキの記述にある通り、このミサイルには核弾頭が搭載できるという点も重要だ。
いつでも、好きな時にお見舞いできるぞ、と。
やれやれ・・・。
この兵器の使用については、戦術的意味などない。
米ロ双方にとって、兵器開発や実践運用の場と化しているウクライナ。
簡単にはやめられんだろうな・・・。
<もっともっと追加>ーーーーーーーーーー
(これは恐るべし! ロシア軍産複合体を大暴露する)
https://gendai.media/articles/-/124231
「軍産複合体が一時的に民生品を製造してきた会社を救済し、その後も軍産複合体の影響下に置くことで、結局、ソ連崩壊で進んだ「軍民転換」が今度は「民軍転換」といえるようなかたちで、国家との結びつきを強めている」
それは、別に驚くべきことでも何でもない。
山本五十六が、デトロイトの自動車工場を見て、米国と戦争しても2年しか優勢は続かないと喝破したように、民間の生産力を軍需生産に振り向けることは戦時においては当然の話だ。
ただ、この記事を読んで感じたのは、その移行をスムーズに行う素地がソ連崩壊後も維持されていたということだな。
「こうしたロシアの経済実態が教えてくれるのは、戦時経済における軍備生産のためのサプライチェーンの重要性だ。決していいことではないにしろ、ロシアはソ連時代からの武器製造のためのサプライチェーンの残滓(ざんし)をとどめていた。それがいま、役に立っていることになる。」
まあ、話は我が国が戦争するためにどうしたらいいかという問題提起で終わっている(そうなのかあ?)。
「どうにもやりきれないことも想定しておかなければならないのかもしれない。」
重工、川重、IHI、新明和だけで、戦争が出来るわけじゃない(住重も必要だとか、そういう話じゃない!:機関銃作るの止めちゃいましたけど・・・)。
「軍産複合体に属する企業は6000社あり、350万人を雇用している」「これらの純粋な防衛関連企業とは別に、防衛に何らかの形で関連している企業、防衛関連企業と提携している企業、請負企業が1万社あることを念頭に置けば、それがどれほど軍のためになっているかは想像がつくだろう」「この1年半だけで、防衛産業では52万人、50万人以上の新規雇用が創出された」「2交代制、場所によっては3交代制で働いている」「われわれは戦闘機用の防護服の生産量を10倍に、軍服の生産量を2.5倍に増やした」(プーチン大統領)
ロシアは、1年か2年でその状況を作り上げた。
わが国がどうするかは別の話だが、もちろん、ドンパチなどせずに済ませる(戦わずして降伏する?)方策を探ることが重要だ。
つーか、そうしなければならない。
そうでなければ、自衛隊が全滅して、敵が本土に攻め込んできて、我が国が蹂躙されていったとしても、米軍は指一本動かすことはない(トランプはそうは言ってないけど)。
竹槍の練習でもするしかないのかあ?。
いやいや、無駄な抵抗はやめて、さっさと降伏するのがよろしい。
所詮、ドンパチやっても結果は同じだ。
北海道(当然、北方領土含む)はロシア、日本海側は韓国を併合した北朝鮮、九州(沖縄含む)は中国(もちろん、台湾併合済み)に割譲され、四国(どこも欲しがらない?)と本州の一部で、慎ましく暮らすのがよろしい。
それがいやなら、北朝鮮のように庶民は草の根を食べ、ウクライナのように予算の全額を軍事費に充て、イスラエルのように核武装し、自衛のために敵国を殲滅する軍事力を平時から養うしかない(そうなのかあ?)。
固体燃料ロケット技術は、その時までちゃんと維持しておかないとな。
最近、イプシロントンでないけど、大丈夫なのかな(前回2022年10月12日(失敗):2023年度予定だったが、その後、2024年度に延期された)。
やれやれ・・・。
まあ、どうでもいいんですが。
わが国は、日米安保と核の傘という妄想(!)を抱きながら、78年間、平和と繁栄を享受してきた。
素晴らしいじゃないか!。
北方領土や拉致問題、竹島や尖閣(沖ノ鳥島も?)を抱えているけど、国境は概ね安泰だし、世界との交流も盛んだ(特に中国!)。
戦争の準備に振り回されることなく、平和ボケの日々を過ごしていける。
資源に乏しく、国土の生産力も高くはない。
勤勉な国民性と高い教育レベルを維持して、戦後の国家を運営してきた。
世界は大きく変わろうとしているけど、我が国のスタンスを変える必要があるかどうかはよくよく考えた方がいい。
調子に乗って、軍事的緊張を高めても、いいことは何もない。
ロシアの真似をしようなどとは、考えない方がいい。
周り中でドンパチやっていても、巻き込まれないように必死で立ち回らなければならない。
平和ボケの何が問題なのか。
戦争で物事を解決できるという妄想の方が、余程問題ではないのか。
ロシアは、帝国の時代も、ソ連の時代にも、冷戦終結後のロシアになってからも、その本性が変わらなかっただけの話だ。
それを優れたシステムのように見立てて、参考にすることはない。
心の中に平和の砦を築くだけではなく、社会や経済の中にも同じように砦を築き、戦にならない体制にすることこそが重要だろう。
まあ、イプシロン、失敗しちゃったしな。
大陸間弾道弾に仕立てようとしても、そう簡単に行きそうにもないからな・・・。
(なぜウクライナ支援が必要なのか)
https://www.spf.org/iina/articles/tsuruoka_23.html
「ロシアは当初から、西側との我慢比べになれば自らが有利だと考え、西側が先に疲弊するのを狙ってきた」
「そのとおりになってしまえばG7の決意も結束も画餅だったことになる。」
今まさにそのような状況が現実になり、ロシアの「勝利」を語る専門家も増えてきている。
この記事も、その点について簡単に触れている。
幾つか、異なる表現を使っているので、整理しておこう。
「ロシアを勝たせない」
想定としては、ウクライナに有利な条件で停戦したり、何らかの形で戦闘の終結に持ち込むことが含まれる感じだ(テキトーです)。
「ロシアを負かす」
文字通り、ロシアがウクライナに降伏して、ロシア全土をウクライナが支配するということだろう(そうなのかあ?)。
「ウクライナを勝たせる」
ゼレンスキー政権が提唱するように、ロシアをウクライナ領土から駆逐したり、戦争犯罪を処理したり、賠償責任を負わせたり、EU加盟、NATO加盟など西側国家としての地位を確立することになる。
「ウクライナを負けさせない」
うーん、これはビミョーだ。
徹底抗戦を続けるということだから、たとえ亡命政府に移行して、パルチザンによる反撃を継続する状況になったとしても、「負け」じゃないと言い張ることは可能だからな。
避けるべき選択として、ロシアの「勝利」にも触れているが、これもいくつかのパターンがある。
「ウクライナの全土支配」
完全勝利だな。
似て食おうが焼いて食おうが自由自在だ。
「現在の占領地の固定化」
「ロシアを勝たせない」パターンだが、ウクライナからしてみれば、ロシアの「勝利」の一形態かも知れない(いずれ、再侵攻されると主張してますが:浮沈子も同意です)。
「ウクライナの独立や主権、民主主義が損なわれ、侵略戦争でロシアが目的を達成したり利益をあげたりする」
程度の問題はあるけど、この政治的勝利が、実質的には意味を持つだろうな。
領土と支配形態は、その表出した部分的な結果に過ぎない。
この記事を読むうえでは、以下の認識がベースになっていると見た。
「端的にいって、弱肉強食の世界は日本にとって不都合である。」
「軍事力が幅をきかせ、強国が隣国に侵略してもそのままのような世界で日本が平和と繁栄を維持することは困難」
うーん、冷戦後、NATOが東方拡大を進めてきたのは何だったんだろうと考えざるを得ない。
そりゃあ、ドンパチやったわけじゃないし、民主的な手続きで支配を進めてきたわけだが、その背景に軍事力がなかったかどうかは疑問だ。
わが国は、第二次世界大戦後、西側に組み込まれ、その安定の中で繁栄を享受してきた。
特に冷戦後は、明確に西側の一員として、盟主米国の補佐役を務めてきたわけだ。
単に、その立場が脅かされているだけの話ではないのか。
資源も、農業生産力にも乏しく、自前で国が維持できない我が国は、どんな勢力であっても交易を続けなければ生きていけない。
太平洋戦争では、なんとか自前で賄おうと進出して失敗している。
既に、最大の貿易相手国は中国だ。
政治的にも軍事的にも、西側であることを明確にしていても、実体経済の中で、新しい世界秩序を受け入れる準備は整ってきている。
浮沈子は、日米同盟が破棄されるリスクは現実的だと見ているが、この記事でも触れられている。
「米国は欧州を見捨てるという議論もある。しかし、仮に米国が欧州の同盟国を見捨てた場合に、日本のような米国の同盟国は本当に安心できるだろうか。「明日は我が身」にならない保証があるようには思えない。」
国際政治の世界で、同盟がパーシャルなものであることは常識だ。
国際連合だって、いつまで続くか分かったもんじゃない。
既に、外部には様々な地域連合や特定事案に対応した同盟が数多く作られている。
国連のレスポンスの悪さと意思決定機構の限界が露呈しているのだ。
国家は国益で動く。
正義では動かない。
「ウクライナ支援の対象が第一義的にウクライナの人々であることは当然だが、そのうえで、どのような世界をつくりたいかが問われている」
浮沈子は、ウクライナに対する軍事支援の先には、我が国が求める未来の世界はないと思っている。
「実際、ウクライナ側の期待も、日本に対してはミサイルよりも復興支援に焦点があるといえる。もちろん本音としてはミサイルなどの武器への期待もあるが、現実的な対応をしてきている。」
国破れて山河ありだ。
ロシアの勝利に終わったとしても、ウクライナへの支援が終わっていいということにはなるまい。
わが国の国益がどこにあるかをキッチリと見定め、二等国家(!)として、どれが寄るべき大樹なのかを間違えんようにしないとな・・・。
<以下追加>ーーーーーーーーーー
(ウクライナ 防空能力低下の分析相次ぐ 新指導部の対応に注目)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240212/k10014355401000.html
「アメリカの有力紙ニューヨーク・タイムズは9日、アメリカ政府関係者の話として、ウクライナは欧米からのミサイルの補給などの新たな支援がなければ3月までしか防衛能力を維持できないと伝えました。」
NYTが報じた記事については、N者自身が別記事で既報だ。
はて、「防空能力」じゃなくって、「防衛能力」まで、3月までしか持たないって言ってたっけえ?。
(“ウクライナ防空能力 支援なければ3月までしかもたず” 米紙)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240211/k10014355331000.html
「ウクライナの防空能力について、アメリカの有力紙ニューヨーク・タイムズは9日、「市民を守るために不可欠だが、たび重なる攻撃で確実に疲弊している」としたうえで、アメリカ政府関係者が、ミサイルの補給など欧米から新たな支援がなければ来月までしかもたないと見ていると伝えました。」
「さらに支援がなければウクライナは来月、局地的な反撃に苦戦し、初夏にはロシアの攻撃をはね返すことが困難になるおそれがあるとする当局者や専門家の分析を報じ、ウクライナにとって厳しい状況が続いています。」
記事の表題でも、「防空能力」が3月までということだし、NYTは反撃不能になるのは「初夏」(我が国では、5月上旬から6月上旬の梅雨入り前まで)ということだから、3月時点では、局地的反撃に苦戦はするものの、全体的な防衛能力を喪失するとまでは報じていない。
うーん、誤報じゃないのかあ?。
それとも、ニューヨークの初夏は、3月何だろうか?。
まあ、どうでもいいんですが。
ウクライナの防空体制については、先月にN社が特集している。
(ウクライナ 防空能力の課題が深刻に)
https://www.nhk.jp/p/catchsekai/ts/KQ2GPZPJWM/blog/bl/pK4Agvr4d1/bp/pjEo0bbgK1/
「撃墜に失敗したのは、短距離弾道ミサイル「イスカンデル」や極超音速ミサイル「キンジャール」です。」
・イスカンデル:低空で飛行して変則的な軌道で落下します。
・キンジャール:音速をはるかに超える速さで飛行します。
「ウクライナは地対空ミサイルシステム「パトリオット」でしか迎撃できないと訴えています。」
「これまでウクライナに供与された「パトリオット」は数基のみ。さらに、首都キーウを重点的に防衛している」
特集では触れられていないが、囮のシャヘドが飛んできて、防空ミサイルを消費させるという話もある。
それでも、迎撃するミサイルが豊富にあれば、防空はある程度可能なんだろうが、例によって、こっちも弾数が足りないわけだ。
「最大の支援国アメリカは、軍事支援の継続に必要な緊急予算が議会で承認されない事態が続いています。」
「NATO(北大西洋条約機構)は3日、ロシアに対する欧州の防空能力を強化するため、パトリオットミサイル最大1,000発を調達すると明らかにしました。ただNATOは、加盟国のミサイルの供給や備蓄を増やすためだとしていて、そこからウクライナに供与されるかは、定かではありません。」
NYTの報道を見る限り、タイムリーに供給されないことは確かだな。
「アメリカは、「ロシアが北朝鮮から弾道ミサイルの供与を受け、ウクライナに対し発射したとみられる」と明らかにしています。さらに、ロシアがイランからも短距離弾道ミサイルを入手しようとしているとの情報があるとしています。」
こういうのを、泣きっ面に蜂というんだろう。
「ウクライナのぜい弱な部分を狙い攻撃を強めるロシア。ウクライナは死傷者が増え続ける中、防空能力の向上のため欧米に一刻も早い追加の支援を求めています。」
それから、既に1か月以上たっているが、状況は悪化する一方だ。
NYTの記事報道を紹介した記事では、この話の後に、このブログでも既に取り上げたドイツの報道が続く。
「ドイツの有力紙ウェルトの電子版は10日、仮にウクライナがロシアに敗戦した場合、ウクライナで新たに1千万人が難民となり、国外へ逃れるとドイツ政府が想定していると伝えました。」
やれやれ・・・。
泣きっ面に蜂が1千万というところか。
「アメリカがウクライナへの支援を継続できるか不透明となる中で、ヨーロッパ各国が軍事支援を強化する重要性を指摘しています。」
先ごろ、ドイツのショルツ首相は、米国を訪れてバイデンと会っている。
米国の支援が再開するまで、欧州の支援強化で繋いでほしいという話だろう(テキトーです)。
が、欧州自身も、ロシアとの直接ドンパチに備えなければならず、生産した迎撃ミサイルや砲弾を右から左にウクライナに回すわけにはいかない。
昨年春に、1年間で100万発の砲弾を約束しながら、50万発余りしか渡せないわけだからな(おっと、それも3月までの話だ)。
ウクライナは、矢折れ力尽きて敗北する。
この状況に、タラレバはない。
現政権は、政治的に停戦も、降伏も出来ない。
この喫緊の状況で、ウクライナ軍は戦線に投入されていない70万人の兵士がどこにいるかを探すのが最優先の任務になっている(そうなのかあ?)。
やれやれ・・・。
米国の支援が再開されても、状況が直ちに改善されるとは限らない。
米国自身の武器弾薬の製造能力は、冷戦終結後に激減している。
それを増強するための時間は年単位だ。
来月でもなければ、初夏ですらない。
以前、N社は夏になればロシアが大攻勢をかけてくる可能性があると報じていたけど、当たっているかもしれないな。
(軍事侵攻まもなく2年 ウクライナ国境 防衛最前線はいま
2024年1月26日 20時01分)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240126/k10014336311000.html
「フィナンシャル・タイムズは、ウクライナの政府当局者の話としてロシア軍は、早ければ、ことし夏にも大規模な攻撃を仕掛け、首都キーウも攻撃の対象になる可能性があると報じています。」
この話と密接に関係するだろう情報も書いてある。
「ロシア大統領府のペスコフ報道官は1月22日、プーチン大統領がベラルーシのルカシェンコ大統領と近く首脳会談を行う方向で調整が進められていると明らかにするなど、ベラルーシとの関係をいっそう重視しています。」
首都キエフを狙うなら、ベラルーシから攻め込むのが得策だ。
2年前の侵攻直後は、理由は定かではないものの(ロシア側の停戦に向けた信頼醸成措置とも言われている)、尻尾を巻いて撤退したからな。
浮沈子は、補給線が延びきったからだろうと思ったが、それだけではないようだ。
まあいい。
こういう時に頼りになるCIAのバーンズは、ガザの人質交渉に張り付いてるし(パリから、明日13日にカイロに飛ぶようです)、ウクライナに対する米国の対応は止まったままだ。
トランプは、相変わらず暴言(?)吐きまくって、世界中の大顰蹙を買っているしな(NATOの分担金を十分払わない国には、ロシアをけしかけてやる。もちろん、米国は助けない:大統領在任当時のエピソード:まあ、今でもそう思ってるでしょうけど:未確認)。
浮沈子は、ロシアによる夏の大攻勢は、ビミョーだと見ている。
タイミングとしては、ロシアにとっては悪くない(ウクライナにとっては最悪!)。
今年中にケリを付けたければ、それも一つの選択だ。
が、来年まで待てば黙っていても転がり込んでくる「勝利」を、わざわざ大きな犠牲を払ってもぎ取りに行くだろうか?。
そうだとすれば、そこには政治的な思惑が絡んでくる。
・ロシア国内の厭戦気分が高まっている。
・西側の支援が本格的に再開される前に勝利して政治的イニシャチブを取りたい(逆に、トランプ政権の手柄にさせたくない?)。
・ウクライナの現政権に軍事的圧力を最大限に掛けて、内部から崩壊させたい。
・欧州への侵攻を少しでも早めたい。
・エトセエトセ・・・。
まあ、どうでもいいんですが。
浮沈子が、ビミョーだと見ているのは、中国の台湾併合とのスケジュール調整として、それほどウクライナ紛争の終結を急ぐ必要性があるとは思えないという理由がある。
Xデーは、2027年というのが一般的な観測だ。
慌てることはない。
腐った果実が落ちるのを、見守っているだけでいい(そうなのかあ?)。
それでも、ウクライナ軍が疲弊しているタイミングで、何らかの軍事的圧力をかけておきたいということはある。
ひょっとしたら、ロシア軍自体の意向かも知れないな。
2年前のリベンジしたいとか。
侵略戦争での勝利は難しい。
支配した領域は、統治しなければならないが、パルチザンを残して幕引きを急げば、イスラエルのガザのようなことになりかねない。
そのことは、ロシアも十分に分かっている。
ロシア領内でも、そういう話は山ほどあるからな。
ウクライナは、確かにデカいけど、ロシアにとってはある意味で国内問題だ。
どう終結させるかのプロセスは、勝利以上に重要ともいえる。
キエフ支配地域の2800万人を、ロシアがどう捌こうとしているのか。
まるっと併合すれば、ロシアの人口は飛躍的に増える。
その中に、反ロシア的勢力を抱え込むことは、決して得策ではない。
ウクライナ降伏不可避。
浮沈子の見立ては変わらない。
むしろ、既に問題は、降伏後の統治の方に移っている。
戦争をどう終わらせるのかは、それを見据えて決められるんだろう・・・。
<さらに追加>ーーーーーーーーーー
(トランプ米前大統領、NATO加盟国攻撃をロシアに「促す」……在任中の発言に批判 軍事費負担めぐり)
https://www.bbc.com/japanese/articles/cevrjpgn418o
「もし私の国がNATOでの金銭的義務を果たしていないとして、私の国がロシアから攻撃されたら、アメリカはどうするのか」
「払ってない? ちゃんと払ってない? だったらうちはおたくを守らない。むしろ、(ロシアに)好きにするよう促す。払わないとだめだ」
浮沈子的には、このやり取り自体には問題はないと思ってるんだがな。
「ドナルド・トランプは、自分がプーチンに青信号を与えるつもりだと認めた。プーチンがさらに戦争を続け、暴力をふるい、自由なウクライナに対する残虐な攻撃を続け、その侵略行為をポーランドやバルト諸国へ拡大するのを、容認するつもりだと。これはとんでもない、危険なことだ」(バイデン大統領)
何年も前の話だし、もちろん、ウクライナは本格的には侵攻されていない(クリミアの併合とドンバス地域の紛争はあったけど)。
バイデンは、いくら政治の季節だからといって、ちょっと言い過ぎな気もする。
が、まあ、確かに、米国議会を扇動し、ウクライナへの支援を滞らせている一因ではあるトランプが、寄りにも寄って、このタイミングで過去の発言を披露するというのはいかがなものかということもある。
いくら分担金の支払いを促すためとはいえ、NATO諸国の血の盟約である第5条を反故にし、あろうことかロシアに攻撃を促すというのは過激だ。
まともな米国人は、両者の発言を聞き流すだろうが、それとは別に、トランプがどう考えているかということは気になる。
投資家として、大損すると分かっているのに、「正義」のために金をドブに捨てることはない。
戦争研究所は、ロシアが勝利した場合、NATOへの将来的な支出が莫大となって割に合わないと主張していたが、ひょっとしてNATO離脱を考えているのなら、ウクライナへの直接投資は無駄だ。
むしろ、勝利するロシアに投資した方がいい(そういうことかあ?)。
トランプにとって、欧州は単なる市場に過ぎない。
その市場を維持するために、どういう投資をするのが得策化だけを考えている(たぶん)。
凋落していく欧州に引きずり込まれないように、米国の利益を最大化するにはどうすればいいかだけを考えているように思える(未確認)。
わが国と違って、米国は一等国だ。
自国をどうするかを、自らの意思で決めることが出来る。
誰の指図も受けずにな。
「ロシアによる侵攻の前年にあたる2021年には、カナダ200名、リトアニア30名、ポーランド40名、アメリカ150名の軍事顧問団がウクライナ軍の訓練や近代化を支援していた」(ウクライナ降伏不可避:人口の<またまた追加>から再掲)
NATOは、ロシアとの直接対決を避けるために、これらの顧問団を引き揚げた。
同盟国じゃないからな。
自らの国土を自らの血で贖うのはウクライナ自身の仕事だ。
浮沈子的には、ウクライナをこの時にNATOに電撃加入させ、欧州大戦争に発展するかと思ってたんだが、そうはならなかった。
ロシアへの経済制裁とウクライナへの支援を行うことにしたわけだが、そのスキームを作ったのは米国だ。
この対応が正解だったかどうかは、後の歴史家が判断することになるが、西側がロシアの本格的な軍事侵攻を阻止できなかったことは事実だ。
NATOは仲良しクラブじゃない。
血の盟約(集団的自衛)で固く結ばれた、世界最大の軍事同盟だ。
核大国としての米ロ両国は、ウクライナ紛争を第三次世界大戦に発展させないために、極めて抑制的に動いている。
戦域の拡大も、ほとんどない。
西側がロシアを追い込んだ結果、戦時体制を構築されて戦闘国家となり、NATO諸国への侵攻がリアルな懸念になっているが、プーチンは自分では制御できると思っているようだしな(ロシアもまた、一等国だ:浮沈子は、ポストプーチンでは制御不能と見ている)。
トランプが政権に返り咲いた時、この状況をどう収拾するかが見ものだ。
まあ、あまり見たくはないんだがな。
バイデン政権のままだと、ロシアはNATO諸国に侵攻するだろうな。
口では勇ましいことを言っているが、トランプ政権じゃなくたって、米国の関与は限られる(そうなのかあ?)。
ウクライナのように徹底抗戦を主張すれば、戦線は拡大し、欧州大戦争へと発展する。
軍需産業は笑いが止まらんだろう!。
ウクライナ支援の米国のメリットは、国内軍需産業の発展だからな。
そう公言して憚らない。
トランプならどうするだろうか。
前にも書いたけど、ロシアと取引して、欧州を分割することでケリをつけるだろう。
もちろん、ウクライナはのしを付けて献上する(そんなあ!)。
ウクライナの現政権はどうなるのかってかあ?。
まあ、CIA辺りが大活躍するに違いない(もう、バーンズじゃないだろうけど)。
クーデターとか仕掛けて、転覆間違いなしだ。
ロシアコネクション復活だな。
欧州大戦争は回避され、NATOは東欧諸国を失い、せいぜい小競り合い程度で収集される。
が、ロシアはいずれ、欧州をまるっと手に入れようとするだろう。
それはロシアの意向ではなく、中国の意向だ。
戦闘国家であるロシアをパシリとして使い、野心剥き出しで取りに来るだろう。
それは、台湾、韓国も同じだ。
さて、我が国はどうなるのかな。
浮沈子は、いつもここで思考停止になる。
米国だって、北米大陸の地域大国で安泰になれるかどうかは分からない。
アラスカは既にロシアの射程内だ。
トランプ政権の誕生は、米国の終わりの始まりに過ぎない。
浮沈子は、まだ、バイデンが勝つと思っているけど、だんだん分が悪くなってきているのを感じる。
バイデンが勝ったところで、米国の衰退が止まるとは思えないけどな。
むしろ、海外へのちょっかいを続けることで、衰退を加速しかねない。
トランプの米国一国主義は、我が国にとっては痛いが、米国の衰退を緩和することはできるかも知れない。
欧州の大統領が言われたように、金を払わない国との安全保障は風前の灯だ。
大増税は、覚悟しておかないとな・・・。
<さらにさらに追加>ーーーーーーーーーー
(危機的なアウディーイウカ、ウクライナ軍は夏に何も準備してこなかった)
https://grandfleet.info/war-situation-in-ukraine/audi-ivka-in-crisis-the-ukrainian-military-has-not-prepared-anything-in-the-summer/
「ヘルソン反攻時の砲弾割当量は戦車1両につき120発だったが第59機械化旅団の戦車兵は「戦車1両に15発から20発の砲弾しか供給されない(12月時点)」と、砲兵部隊の兵士も「40発の122mmロケット弾を一斉射撃できるのに現在は1度に1発しか発射できない」と証言した」
「最前線からの報告の中で最も深刻な問題は歩兵不足だ。Kyiv Independent紙の取材に応じた兵士らは「大損害を受けた歩兵部隊を補充するため砲兵部隊や兵站部門の兵士を歩兵部隊に異動させている」と証言しており、歩兵の基本的スキルを知らない兵士を塹壕に放り込むということは「今以上に多くの死傷者を出す」という意味だ」
「第59機械化旅団の砲兵部隊に所属する兵士は「元々46人いた砲兵部隊から15人が前線送りになった」「その殆どが持ち場に到着してから数日で戦死した」「歩兵のことを殆ど何もしらなかったのが原因だ」「今でも生き残っているのは4人だけ」と証言、このような非効率極まりない補充方法はバフムートでも報告されていたが、軍事アナリストのフラブスキー氏は「現在のウクライナ軍は非効率極まりない方法を選択しなければならない状況にある」と述べている」
歩兵不足+砲弾不足
→砲兵を歩兵に配置転換
→基本スキルの欠如
→戦死者の増加
→砲兵も歩兵も不足が増加
→今後、砲弾の支援が再開されても砲兵の不足から反撃できない可能性も
やれやれ・・・。
ウクライナ政権は、前線に送られていない70万人の所在を突き止めることを優先し、大規模動員せずにローテーションで兵員の不足をカバーしようとしている。
その先にあるのは、上記の事態だ。
「アウディーイウカに投入されているロシア軍兵士はバフムートで遭遇したワグナーの傭兵よりも経験豊富だ」「ウクライナ軍と同程度の訓練を受けていると感じた」(第425独立突撃大隊のヴィタリー氏(ドローン操縦者))
「ロシア軍は大きな損害を出しても結果をだしてきた」「敵はアウディーイウカ南部の工場地帯に前進するよう命じられ実行した」「ここで異次元の損失を被ったものの損害と目標達成は別問題だ」「敵は戦術的にアウディーイウカ入城を果たして前進を続けている」(軍事アナリストのセルヒイ・フラブスキー氏(ウクライナ軍元大佐))
つーことは、あれだな、数合わせのローテーションで人的損耗を拡大させ、結果を出せないどころか将来の反撃に支障をきたしかねないウクライナ軍に対し、訓練された兵士を計画的に投入しているロシア軍は、「異次元の損失」を被りながらもキッチリ結果を出しているということだ。
アウディーイウカの防御陣地(塹壕)については割愛する。
悲惨だ・・・。
まあいい。
撤退のタイミングについては、既に2月中旬に入っていることから、当初の見通しより遅れている。
ウクライナ軍は、ロシア軍に対して損害を与えていることを「戦果」としているのかもしれないが、自軍の損失を構造的に拡大させていることについては認めていないんだろう。
「ロシア軍は街を包囲することが出来ないと思う」「但し、ウクライナ軍は戦力を温存するため何れ撤退するだろう」(アウディーイウカ南部を守っている第59機械化旅団のミコラ少佐)
ものは言いようだが、もちろん、包囲されれば撤退は叶わないからな。
「アウディーイウカの状況をウクライナメディアは積極的に報じていない(恐らくクリンキーと同じように報道規制がかかっている)」(ブログ管理人)
東部戦線での後退が続く中、ちょっと変わった情報が出てきて、少し気になっている。
(ロシア攻撃キャンペーンの評価、2024 年 2 月 11 日)
https://www.understandingwar.org/backgrounder/russian-offensive-campaign-assessment-february-11-2024
「ロシア軍は占領下のドネツク州に「ツァーリ・トレイン」と呼ばれる長さ30キロメートルの障壁を建設したようだが、これは将来のウクライナ軍の攻撃に対する防衛線として機能する可能性がある。」
「オレニフカ(ドネツク市の南)からヴォルノヴァハ(ヴーレダルの南東、マリウポリの北)まで延びる長い列車の列を建設した」
2023年5月10日と2024年2月6日と10日の衛星画像の比較で確認できるようだ(浮沈子は見ていませんが)。
「ウクライナ情報筋は2月11日、ロシア軍が2,100両以上の貨車を組み立てて全長30キロメートルの列車を編成したと報告」
「この情報筋は、ロシア軍が2023年7月に列車の組み立てを開始したと報告し、ロシア軍が将来のウクライナ軍の攻撃に対する防衛線としてこの列車を使用するつもりであることを示唆した」
「最前線であるノヴォミハイリフカ南東から最も近い地点まで約6キロメートル」
「建設を開始した時には前線の比較的活動が活発ではなかった地域にある」
ホントに防衛線なんだろうか?。
「ロシア人は他の目的でも列車を組み立てた可能性がある。」
もちろん、前線から6kmしか離れていなければ砲撃の対象となるわけで、機甲部隊の進軍の妨げになるかどうかはビミョーだ(固定目標だからな)。
ロシア軍は、一体、何を考えているんだろう・・・。
この情報については、引き続き注視していきたい。
アウディーイウカでの状況は、前線でのウクライナ軍の問題を浮き彫りにしている。
砲弾の不足が、ロシア軍の攻撃に対する有効な反撃を妨げるのみならず、不適切な用兵から兵士の不足を加速するという悲惨な状況を生んでいることは問題だ。
しかも、砲兵からの配置転換ということになれば、砲弾不足が解消されても戦力が十分に発揮されない事態が生じる可能性さえある。
悪循環だ。
それにしても、最盛期の砲弾供給の1割しかないという状況は悲惨だな。
当然、砲弾が不足する中での戦闘は、例え防御戦であったとしても兵士の損耗を拡大させることにつながる。
また、真逆の状況(潤沢な砲弾と訓練された兵士のローテーションが可能で、それを支える十分な動員がなされているという意味)なロシア軍が、結果を出す(支配領域を拡大する)ことに繋がっている。
ウクライナは、ドローンの生産に注力しているようだが、そして、確かにそれは前線の状況を改善する「手助け」にはなるかも知れないが、砲弾と兵士の不足を「代替」することはできない。
単一の兵器が戦況を改善するわけではない。
連携し、相補的に機能し、シナジー効果を発揮することで、ようやく効果が見えてくるわけで、それは戦車や戦闘機でも同じだ。
獲得するために多くの犠牲を払った戦車部隊が、大活躍してロシア軍を撃退したという話は聞かない(ブラッドレー(歩兵戦闘車)投入の効果は大きかったようです)。
まあ、どうでもいいんですが。
アウディーイウカは市街戦に突入していて、機甲部隊は効果を発揮できない状況だ。
今後、第2、第3の防衛線を守る際に、どれだけ活躍できるのかは分からないが、春になれば地面はぬかるんで運用に支障が出ることが見えている。
ロシア軍は、大規模攻撃のタイミングを慎重に見計らってくるだろう。
それまでに砲弾と兵士の問題を解決できなければ、大規模な反撃を許すことになりかねない。
浮沈子は、どっちの問題の解決もムリポと見ている。
砲弾は、支援が再開されても生産が追い付かずに供給のめどが立たず、大規模動員は政権側が「勝利」を手にして政治的リスクを緩和する状況が生じない限り実施不可能だ。
航空優勢を取り戻す切り札として期待されているF-16の配備も遅れるだろうしな。
最早、タラレバの話すらネタがなくなりつつある。
(ウクライナ軍 東部アウディーイウカ周辺 追加の部隊を投入)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240213/k10014356261000.html
「わが軍は防衛線を強化し、陣地を増やし、新しい効果的な戦力を使う」(ウクライナ軍の指揮官:たぶん、アヴディーウカのタヴリヤ部隊司令官オレクサンドル・タルナフスキー大将)
「軍は町にとどまって戦うことにより大きなリスクを取ろうとしている」(アメリカの経済誌フォーブス)
浮沈子は、なんか不自然な感じがして、元ネタを当った。
(ウクライナはアヴディウカ救出に向けて最良の旅団を派遣した可能性がある)
https://www.forbes.com/sites/davidaxe/2024/02/11/ukraine-may-have-deployed-one-its-best-brigades-to-try-to-save-avdiivka/?sh=5b3062725e95
「われわれは阻止線を強化し、追加の射撃陣地を設置し、新たな効果的な部隊を使用する」
「物流配送は継続しています。」
記事を書いているデビッドアックスも、何か不自然さを感じているようだ。
「ロシア侵略者の意図は明らかだ。彼らはまず第一に、北側の部隊に補給する兵站手段の支配を確立したいと考えている」
「しかし、敵の行動に対しては適切に対応します。」
タルナフスキーの投稿からは、「適切な対応」が具体的に何を意味するかは分からない。
が、状況を好転させるにはタイミングが遅すぎるし、効果も疑問だ。
「アヴディウカで次に何が起こるかは誰にも分からない。もし実際に第3突撃旅団が市内に展開しているのであれば、フルシェフスキー通り付近のロシア軍陣地を狙った反撃が予想される。」(デビッドアックス:フォーブス:以下同じ)
「しかし、ウクライナ人が突然大量の予備の弾薬が転がっているのを見つけるとは期待しないでください。」
「これらの弾薬がウクライナに届くまでには何か月もかかる可能性がある。」
「第110旅団とそれを増援している部隊は急速に空になりつつある兵器を引き続き使い続けることになるだろう。」
「弾薬がなくなったら、アヴディウカにウクライナ旅団が1つであろうが2つであろうが関係なくなる。そして、都市を強化するというウクライナ軍司令官の決定は、良くても意味不明だろう。」
「最悪の場合、もはや防御できなくなった都市から西へ逃げようとするウクライナ軍にとって大惨事になる可能性がある。」
NHKの報道では、ここんところは割愛されている。
焼け石に水どころか、敗走する自軍の兵士を妨げかねない。
焼け石に油か(そんなあ!)。
タルナフスキーの決断かどうかという点については、疑義も呈されている。
「タルナフスキー氏の決断ではなかった可能性もある。」(フォーブス)
「ザルジニ氏は、当然かどうかは別として、ウクライナ軍の死傷者を最小限に抑えるために機動防御を採用していることで知られている。対照的に、シルシキーは、これも当然のことかどうかは別として、頑固で静的な戦いで多数の死傷者を受け入れることで知られている。」
「ゼレンスキー氏がシルシキー氏を昇進させる際に、アヴディウカのために戦う意向を示した可能性がある。たとえ高コストであっても。」
N社も、この点は伝えている。
「ゼレンスキー大統領が今月、軍の総司令官を交代させた際、アウディーイウカのため大きな犠牲を払っても戦い抜く意向を示した可能性があるとも指摘しています。」
現場指揮官の判断にしては、タイミング的にも方策的にも適切とは思えないからな。
シルスキーは、補給線を失った後も、引き続きアウディーイウカに留まって抵抗を続けろと指示しているのかもしれない。
第2防衛線まで撤退するのが常道だ。
「アヴディウカ守備隊は4か月間、失った兵士1人につき10人のロシア人を殺害した可能性がある。しかし、ロシア野戦軍による包囲により、その消耗による優位性が失われる恐れがある。」(フォーブス)
「結局のところ、それは以前にも起こったことです。昨年5月、アヴディウカでの戦闘と似ても似つかない激しい戦闘で、ウクライナ守備隊は東部都市バフムートの廃墟で何か月も持ちこたえた。」
「ウクライナ人は、ロシア人が血液と引き換えに土地を奪い、都市の補給線を詰まらせるまで、失った人のために10人ものロシア人を殺害した。ウクライナの分析グループ「フロンテリジェンス・インサイト」は、「ロシア軍がウクライナの側面を占領し、補給路を妨害することに成功すると、死傷者数はほぼ同等になった」と説明した。」
「バフムートの戦いの責任者は誰だったと思いますか?そうです、シルスキーです。」
やれやれ・・・。
ウクライナ軍は、最悪の選択をしたのかもしれない。
東部戦線における最後の予備兵力の投入は、もう、後がないことを意味する。
いや、タラレバのネタとしては、いいかもしれないけどな。
シルスキーに挿げ替えたことで成果を挙げれば、ゼレンスキーの株も上がり、追加の大規模動員への道が開けるかも知れない。
他の戦線に回していた砲弾をかき集めて、短期集中でロシア軍を撃退できれば、戦果として誇ることもできる。
が、あまりにギャンブルな気がする。
ザルジニーは、それでロシア軍を撤退させることができないことを知っていたからな。
ウクライナ軍は、最後の賭けに出たのかもしれない。
勝てれば道が開ける。
敗れれば、前線を突破される。
決戦だ。
が、ロシアがアウディーイウカに配備している兵力は4万人といわれる。
対して、現在の守備兵力と援軍を合わせても、4千人程度にしかならない。
結末は見えている気がするんだがな・・・。
タラレバな話をもう一つ。
(イスラエルへの武器供与、バイデン米大統領に削減を要求 EU外相)
https://www.asahi.com/articles/ASS2F1D64S2DUHBI02S.html
「あまりにも多くの人が殺されていると思うなら、提供する武器を減らすべきだ」(欧州連合(EU)の外相にあたるボレル外交安全保障上級代表)
「国際社会がこれを虐殺だと考えるなら、武器供与について考えなければいけない」(同上)
米国がイスラエルに提供している武器には、155mm砲弾も含まれるかもしれないからな(未確認)。
昨年10月以降、ウクライナへの砲弾の供給量が激減したことを考えれば、十分あり得る話だ。
予算凍結が解除されれば、あるいは、大統領権限で取り崩し可能な44億ドルの備蓄の補充に回すことが出来れば、ウクライナへの砲弾の供給が可能になる。
が、米国がボレルの言う通り、イスラエルに対する武器供与の削減に踏み切ることはない。
断言する。
んなことをすれば、バイデン再選の目は消える。
バイデンが、ウクライナへの支援について、「必要なだけ」から「可能な限り」に切り替えたのが、昨年の10月以降であることからも、それは明らかだ。
イスラエルへの支援は、ウクライナより優先される。
もちろん、ボレルは、それを承知で発言している。
よほど腹に据えかねることがあるのか(トランプ発言とかあ?)、欧州内でのガス抜きが必要なのかは知らない。
朝日の記事によれば、イスラエルのネタニヤフ首相がガザ地区南部ラファへの攻撃拡大に先駆けて、民間人の避難計画を用意するように軍に指示したことについても触れている。
「住民たちは避難するだろう。でもどこへ? 月に?」(同上)
外交官の発言らしい、辛らつな表現だ。
もちろん、エジプトへの避難が出来ないことは承知の上だ。
100万人だからな。
なだれ込んだりしたら、目も当てられない。
国境に戦車を持ち出して備えているそうだ。
(イスラエル軍、ガザ最南端に本格攻撃へ 境界を接するエジプトは戦車送り警戒、米も批判強める)
https://www.sankei.com/article/20240210-BNLI77JZ4FK3DNRJOG4QLWD2N4/
「ラファへの攻撃はパレスチナ人をガザから追い出す狙いだと非難」(パレスチナ自治政府)
「エジプトはラファと境界を接する北東部シナイ半島に戦車約40台と装甲車両を送り、警戒を強化」
「イスラエル政府当局者は、ラファでの作戦開始前に住民らをガザ北部に移動させる方針」
ホントかあ?。
もちろん、エジプトの懸念は避難民だけじゃない。
「ラファにはハマスの4大隊が残っている」(イスラエル首相府)
ハマスの地下トンネルは、当然、エジプトと繋がっている(未確認)。
浮沈子は、最近、ガザ情勢から遠ざかっているけど、230万人の人質を取っているイスラエルは、やりたい放題やっている。
バイデンは、2期目を諦めて、イスラエルへの支援を止めたっていいような気もする。
まあ、絶対やらないだろうけどな・・・。
<また追加>ーーーーーーーーー
(トランプ氏再選なら米国はNATO離脱、元側近らが警告)
https://www.cnn.co.jp/usa/35215139.html
「米国の安全保障責任を軽視するトランプ氏の姿勢は、日本や韓国との相互防衛協定にまで拡大するとみられる。NATOを全く重視しなかったトランプ氏は、抑止力としての日韓両国での米軍駐留にも強く反対していたという。」(退役将軍でトランプ政権の大統領首席補佐官だったジョン・ケリー氏)
記事には、ボルトン補佐官(当時)の懸念も出ているけど、既に取り上げたので割愛する。
ケリー氏の話は初耳だが、まあ、想定の範囲内だ。
むしろ、米軍駐留に反対していただけということで(そうなのかあ?)、ちょっとホッとしている。
トランプの発想の原点は、軍事的緊張の緩和だな。
「ロシアのプーチン大統領も北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)総書記も問題視しておらず、むしろ米国がNATOに加盟していることでプーチン氏を刺激する形になっているとの考えを示唆」(ケリー氏)
「これらの元高官らは、トランプ氏が大統領に返り咲けばウクライナと台湾に対する支援も縮小すると見込む。」
当然だろう。
この記事では触れられていないが、イスラエルとかはどうなんだろうな。
浮沈子の記憶が確かならば、トランプは在任中、習近平主席が訪米中に中東地域でミサイル攻撃したこともあるからな。
(トランプは習近平とチョコレートケーキを食べながらシリアを攻撃した)
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2017/04/post-7402.php
「シリアへの攻撃を命令したときはフロリダ州パームビーチの「マール・ア・ラーゴ」で中国・習近平国家主席とデザートの最中だったと語った。」
「私たちはテーブルに着き、晩餐後のデザートを食べるところだった。これまで食べた中で最高に美味しいチョコレートケーキだった。習も堪能していた」
「その間に習に「イラクに59発のミサイルを発射した」と伝えたという(イラクというのはシリアの言い間違いだ)。」
言い間違いだってえ!?。
まあいい。
「美味なるチョコレートケーキの外交力を侮ってはいけない。」
そういう問題じゃなかろう・・・。
話を戻す。
つまり、中東へのある程度の関与は残すということなわけだ。
米国一国主義、内向き外交は、各国に懸念を抱かせる。
駐留米軍の削減(廃止含む)は、前方展開という米国の軍事ドクトリンの変更を意味する。
安全保障上の構造的変更であり、一朝一夕にはいかない。
が、中長期的方向性としては現実にあり得る話だ。
それは、米軍自身が推進している。
F-22やB-2のローテーション配置も、その一環かも知れない。
また、基地だけ残しておいて、貯蔵できる兵器は保管して置き、有事の際にはクリティカルな兵器と兵員だけ投入するという運用も検討されている(一部ではすでに実施されているらしい)。
浮沈子が継続的に見ている宇宙関連では、スターシップを使った全世界への1時間以内での物資(兵員も?)輸送すら検討している。
けどな、そういうのは何年もかけて、駐留先の同盟国と綿密に協議を重ねながら慎重に行う話で、金がかかるから明日から引き上げるという問題ではない(たぶん)。
NATO離脱とか、支援の削減とは次元の異なる話だ。
べらぼーめ・・・。
が、考えようによっては、トランプのような存在が、21世紀における米国のポジション変更をスムーズに行う助けになるのかもしれない。
緊張を緩和するということと弱腰になるということは異なる。
前方展開しなくても、抑止効果が発揮できるのであれば、それはそれで構わない気もする。
必要なら、チョコレートケーキ食べながら、ミサイルぶっ放すことは可能だ(そうなのかあ?)。
米国がNATOから離脱しても、緊張が緩和されてロシアの軍需産業の膨張が抑制され、戦闘国家からの離脱が可能になるのであれば、世界にとっても好ましいに違いない。
ただ、それにはいくばくかの犠牲も伴う。
ウクライナを含め、東欧諸国がロシアの影響下に入ることは避けられないかも知れない。
米国が手を引くことで、NATOの軍事力は事実上半減するだろうからな。
軍事的緊張を可能な限り避け、ドンパチやらずに移行するのか、ロシアの軍備増強が続いて、NATOが徹底抗戦する中、核兵器さえ投入されて多大の犠牲を伴った挙句に移行するのかの違いだ。
「もしトラ」から「まずトラ」へ。
その想定の中で、最良の結果を導く算段を、世界は求められている。
残念ながら、ウクライナにとっては「最良」じゃないかも知れない。
が、このまま戦闘を続け、「勝利」の見込み無く国力を疲弊させながら永遠に支援を受けて戦いの歴史を刻むことが「最良」なのかという問題はある。
浮沈子は正義派じゃない。
ウクライナでどんな統治が行われようが、知ったことではない。
ただ、米国民の選択は、おそらく間違いなく、ウクライナにおける統治の形に影響を与えるだろう。
ウクライナもまた、「もしトラ」から「まずトラ」への検討を求められている。
それは、東欧諸国も同じだ。
まあ、ハンガリーは、あんま変わんないかも知れないけどな・・・。
<またまた追加>ーーーーーーーーーー
(ロシア攻撃キャンペーンの評価、2024 年 2 月 12 日)
https://www.understandingwar.org/backgrounder/russian-offensive-campaign-assessment-february-12-2024
「ロシアの技術適応 (ロシアの目標: ウクライナでの使用に向けてシステムを最適化するための技術革新の導入)」
「ロシアのソフトウェア会社 Hardberry-Rusfaktor は、ドローンが物体を自動的に識別して位置を特定できるようにする「naka」人工知能ニューラル ネットワークを設計したと伝えられています。 Hardberry-Rusfaktor のゼネラルディレクターである Alexei German 氏は、「naka」人工ニューラル ネットワーク ソフトウェアはあらゆる種類のドローンで動作し、85% の精度で敵の装備の種類を自動的に識別し、目標の正確な座標を特定できると述べました。ジャーマン氏は、「ナカ」ニューラルネットワークの物体検出機能によって実現されたドローンは、レオパルド戦車やブラッドレー歩兵戦闘車などのNATO提供の装備を識別できると主張した。」
まあ、記事の内容に注目したこともしたんだが、この記事だけ、参照した元ネタへのリンク番号が付いていなかった(52番)。
調べたら、URLを区切る「.」が、前後に空白を置かれて「dot」になっちまってて、元ネタへのリンクが正しく張られていなかった。
やれやれ・・・。
該当する記事はこちら。
(ロシアはNATO装備を認識するドローン用のニューラルネットワークを構築した)
https://ria.ru/20240212/neyroset-1926762249.html
「ロシアでは、あらゆる種類のNAKAのドローン用にユニバーサルニューラルネットワークが作成されており、これにより、レオパルド戦車、ブラッドレー歩兵戦闘車、その他の車両を含む、特別作戦ゾーン内の敵の物体や装備を正確に識別できるようになりました。このソフトウェアを開発した会社 Hardberry-Rusfactor の Alexey German 氏は RIA Novosti に語った。」
「私たちは、NAKAと呼ばれる、あらゆる種類のドローン用のプログラムを書きました。本質的に、私たちは敵の装備を含む特定の物体を認識するニューラルネットワークについて話しています」(Alexey German氏)
「たとえば、飛行機がオペレーターのコンソールにビデオを送信すると、コンソールに読み込まれたプログラムが地形の特定の領域を緑色で強調表示し、次のように書きます。「これはヒョウで、これは確率 85 のブラッドリーです」 %」とその位置の正確な座標を示している」
うーん、グーグル翻訳は、ロシア語は苦手なようだなあ・・・。
まあいい。
内容的には、戦争研究所の記事と同じだろう。
このソフトを、ランセットに搭載するとヤバいことになりそうだ。
(ザラ ランセット)
https://en.wikipedia.org/wiki/ZALA_Lancet
「2023年9月19日、ドニエプル川の前線から約70km離れたドニプロペトロフスク地方のクリヴォイログ近くのドルギンツェボ飛行場に駐屯するウクライナのMiG-29戦闘機に対してランセットが初めて攻撃を行ったとロシア情報筋が主張した。これは、ドローンの最大航続距離が以前に宣言されていた40kmから延長されたことを示している。」
ランセットについては、このブログでも何度か触れているが、手ごろな価格の精密攻撃爆弾といったところか。
最大航続距離が延長されているようだが、特別仕様なのかもしれない(未確認)。
従来は、地形を入れたデータとかGPSで誘導されて、固定目標などに突入するしかなかったけど、標的を自動認識して爆撃することが出来るようになれば、移動目標も狙えることになる。
記事が伝えるところが正確なら、ランセットにも搭載可能ということになり、前線での使用価値は跳ね上がるだろう。
攻撃目標の最終決定に当たって、人間が介在するかどうかは不明だ。
識別率85パーセントということは、残りの15バーセントで自軍の車両に突っ込んでしまうのかもしれないしな(そんなあ!)。
「ウクライナの最高司令官ヴァレリー・ザルジニ将軍は、ロシアがランセットを「広範囲かつ効果的に」配備していると書き、それに対抗するのは「かなり難しい」と述べた。」
前総司令官ザルジニーお墨付きのランセットだが、標的識別ソフトを組み込めば鬼に金棒になる。
んなもんが、ぶんぶん飛び回る戦場に、迂闊に戦闘車両を配備すれば、飛んで火にいる夏の虫になりかねない。
おっと、夏にはロシアの大規模攻撃が予想されている。
虫刺されにはご用心というところか・・・。
<もっと追加>ーーーーーーーーーー
(ロシア軍、極超音速ミサイル「ツィルコン」初使用か ウクライナ研究機関が指摘)
https://www.sankei.com/article/20240213-AKTJYBKTLBOFLORACLBQKW6V74/
「ロシア軍がウクライナの首都キーウ(キエフ)などを標的とした7日の大規模ミサイル攻撃で、新型の極超音速巡航ミサイル「ツィルコン」を使用」(ウクライナの研究機関「キーウ法学鑑定科学調査研究所」のルビン所長)
「事実であれば、ツィルコンの実戦投入が確認されるのは初めて。」
(3M22 ジルコン)
https://en.wikipedia.org/wiki/3M22_Zircon
「ロシアが製造したスクラムジェット駆動の熱核対応極超音速巡航ミサイル」
「ミサイルの射程は低空で135~270海里(155~311マイル、250~500キロ)、半弾道軌道では最大400海里(460マイル、740キロ)と推定される。[48]平均航続距離は約 400 ~ 450 km (250 ~ 280 マイル、220 ~ 240 海里) です。[49]ロシアのメディア(2017年)によると、可能な最長航続距離は540海里(620マイル、1,000キロ)」
「ツィルコンはマッハ 8 (時速 6,100 マイル、時速 9,800 km、秒あたり 2.7 km) の速度で移動できます。」
「このため、既存の海軍防衛システムを突破する可能性が高まるのではないかという懸念が生じている。 」
「大気中を極超音速で飛行するため、その移動中に前方の気圧によってプラズマ雲が形成され、極超音速巡航段階では電波を吸収してアクティブレーダーシステムからは実質的に見えなくなります(プラズマステルス)。」
「しかし、これはミサイル上のレーダーやIRシーカーの盲目状態にもなり、移動目標(軍艦など)を攻撃するために終末段階でマッハ5~6に満たない速度まで減速した可能性が高いことを意味する。この速度であっても、ジルコンミサイルは依然として艦載防空にとって大きな挑戦となるでしょう。」
「軍艦のレーダーと電子支援措置(ESM)センサーは、22キロ離れた低空軌道を飛行するミサイルを探知する。この時点から、ミサイルがマッハ 5 ~ 6 の速度で飛行する 3M22 であると仮定すると、船舶の反応時間はわずか 12 秒になります。」
ヤバいな・・・。
ヤバ過ぎ!。
ロシアは、なんでこんなもんをウクライナで使ってるんだあ?。
(ジルコンが動作速度に達する:2017年の記事)
https://vz.ru/society/2017/4/17/866694.html
「ジルコンのもう一つの利点は、飛行経路の最終部分ではこのミサイルが機動可能になることだとレオンコフ氏は指摘する。 「この開発は『伝統を引き継いで』おり、以前のモデルの対艦ミサイルを区別する特性を保持している。最終段階ではミサイルは操縦し、目標を特定して命中する」と専門家は述べた。」
「「ジルコン」は指揮ロケットです。彼女は一人で仕事をすることも、「チームで」仕事をすることもでき、データを交換して目標を決定することができます」とレオンコフ氏は強調する。」(軍事専門家アレクセイ・レオンコフ氏)
当初は、海上艦(空母など)を攻撃するために開発されていたが、既に陸上攻撃に使用されたということになる(未確認)。
どこから発射されたかに関する言及はない。
(ロシアがウクライナで初めてジルコン極超音速ミサイルを使用、研究者らが発表)
https://www.reuters.com/world/europe/russia-uses-zircon-hypersonic-missile-ukraine-first-time-researchers-say-2024-02-12/
「ロシアはさまざまな長距離ミサイルや無人機を使用してウクライナを定期的に空爆している。ジルコンは当初海上発射兵器として設計され、後に地上発射型も開発された。」
「ルビン氏の声明では、兵器が陸上から発射されたのか海上から発射されたのかについては言及されていない。残骸から回収された痕跡は、この兵器が最近組み立てられたことを示していると同氏は述べた。」
浮沈子的懸念は、ロシアにとってウクライナの戦場は既に新兵器の効果を実戦証明するためのフィールドと化しているということだ。
西側が供与した防空システムの有効性を、実戦レベルで確認できる。
特に、発射後に操縦できるジルコンのような兵器の場合、どういう特性で攻撃することが有効なのかを試す必要があるからな。
コンバットプローブンな兵器として仕上げていくためには、欠かせないプロセスということになる。
余裕だな・・・。
が、一方で、西側もまた、貴重な実践データを取得できることになる。
迎撃ミサイルは間に合わないかも知れないけど、レーダーは終末の捕捉可能な状態になってからの飛行特性を記録しているはずだ。
今後の防空システムの開発にとって、ダイヤモンド級のデータに違いない。
なんたって、ロシア海軍が、米国海軍の空母をジルコンで撃沈するかどうかの問題だからな。
ウィキの記述にある通り、このミサイルには核弾頭が搭載できるという点も重要だ。
いつでも、好きな時にお見舞いできるぞ、と。
やれやれ・・・。
この兵器の使用については、戦術的意味などない。
米ロ双方にとって、兵器開発や実践運用の場と化しているウクライナ。
簡単にはやめられんだろうな・・・。
<もっともっと追加>ーーーーーーーーーー
(これは恐るべし! ロシア軍産複合体を大暴露する)
https://gendai.media/articles/-/124231
「軍産複合体が一時的に民生品を製造してきた会社を救済し、その後も軍産複合体の影響下に置くことで、結局、ソ連崩壊で進んだ「軍民転換」が今度は「民軍転換」といえるようなかたちで、国家との結びつきを強めている」
それは、別に驚くべきことでも何でもない。
山本五十六が、デトロイトの自動車工場を見て、米国と戦争しても2年しか優勢は続かないと喝破したように、民間の生産力を軍需生産に振り向けることは戦時においては当然の話だ。
ただ、この記事を読んで感じたのは、その移行をスムーズに行う素地がソ連崩壊後も維持されていたということだな。
「こうしたロシアの経済実態が教えてくれるのは、戦時経済における軍備生産のためのサプライチェーンの重要性だ。決していいことではないにしろ、ロシアはソ連時代からの武器製造のためのサプライチェーンの残滓(ざんし)をとどめていた。それがいま、役に立っていることになる。」
まあ、話は我が国が戦争するためにどうしたらいいかという問題提起で終わっている(そうなのかあ?)。
「どうにもやりきれないことも想定しておかなければならないのかもしれない。」
重工、川重、IHI、新明和だけで、戦争が出来るわけじゃない(住重も必要だとか、そういう話じゃない!:機関銃作るの止めちゃいましたけど・・・)。
「軍産複合体に属する企業は6000社あり、350万人を雇用している」「これらの純粋な防衛関連企業とは別に、防衛に何らかの形で関連している企業、防衛関連企業と提携している企業、請負企業が1万社あることを念頭に置けば、それがどれほど軍のためになっているかは想像がつくだろう」「この1年半だけで、防衛産業では52万人、50万人以上の新規雇用が創出された」「2交代制、場所によっては3交代制で働いている」「われわれは戦闘機用の防護服の生産量を10倍に、軍服の生産量を2.5倍に増やした」(プーチン大統領)
ロシアは、1年か2年でその状況を作り上げた。
わが国がどうするかは別の話だが、もちろん、ドンパチなどせずに済ませる(戦わずして降伏する?)方策を探ることが重要だ。
つーか、そうしなければならない。
そうでなければ、自衛隊が全滅して、敵が本土に攻め込んできて、我が国が蹂躙されていったとしても、米軍は指一本動かすことはない(トランプはそうは言ってないけど)。
竹槍の練習でもするしかないのかあ?。
いやいや、無駄な抵抗はやめて、さっさと降伏するのがよろしい。
所詮、ドンパチやっても結果は同じだ。
北海道(当然、北方領土含む)はロシア、日本海側は韓国を併合した北朝鮮、九州(沖縄含む)は中国(もちろん、台湾併合済み)に割譲され、四国(どこも欲しがらない?)と本州の一部で、慎ましく暮らすのがよろしい。
それがいやなら、北朝鮮のように庶民は草の根を食べ、ウクライナのように予算の全額を軍事費に充て、イスラエルのように核武装し、自衛のために敵国を殲滅する軍事力を平時から養うしかない(そうなのかあ?)。
固体燃料ロケット技術は、その時までちゃんと維持しておかないとな。
最近、イプシロントンでないけど、大丈夫なのかな(前回2022年10月12日(失敗):2023年度予定だったが、その後、2024年度に延期された)。
やれやれ・・・。
まあ、どうでもいいんですが。
わが国は、日米安保と核の傘という妄想(!)を抱きながら、78年間、平和と繁栄を享受してきた。
素晴らしいじゃないか!。
北方領土や拉致問題、竹島や尖閣(沖ノ鳥島も?)を抱えているけど、国境は概ね安泰だし、世界との交流も盛んだ(特に中国!)。
戦争の準備に振り回されることなく、平和ボケの日々を過ごしていける。
資源に乏しく、国土の生産力も高くはない。
勤勉な国民性と高い教育レベルを維持して、戦後の国家を運営してきた。
世界は大きく変わろうとしているけど、我が国のスタンスを変える必要があるかどうかはよくよく考えた方がいい。
調子に乗って、軍事的緊張を高めても、いいことは何もない。
ロシアの真似をしようなどとは、考えない方がいい。
周り中でドンパチやっていても、巻き込まれないように必死で立ち回らなければならない。
平和ボケの何が問題なのか。
戦争で物事を解決できるという妄想の方が、余程問題ではないのか。
ロシアは、帝国の時代も、ソ連の時代にも、冷戦終結後のロシアになってからも、その本性が変わらなかっただけの話だ。
それを優れたシステムのように見立てて、参考にすることはない。
心の中に平和の砦を築くだけではなく、社会や経済の中にも同じように砦を築き、戦にならない体制にすることこそが重要だろう。
まあ、イプシロン、失敗しちゃったしな。
大陸間弾道弾に仕立てようとしても、そう簡単に行きそうにもないからな・・・。
🐱細胞の記憶:程度の問題 ― 2024年02月12日 15:48
細胞の記憶:程度の問題
(記憶や学習といった能力は脳だけのものではないという研究結果、AIやロボット分野への応用も)
https://gigazine.net/news/20240212-thinking-cells/
「記憶についての伝統的な見方は「記憶は、脳内のニューロン間のシナプス接続の安定したネットワークとして保存される」というものですが、レビン氏は「その見方は明らかに崩れています」と述べています。」(レビン氏:アメリカのタフツ大学で主に単細胞生物の研究をするマイケル・レビン)
古典主義な浮沈子には、暴論に聞こえる。
「記憶能力はニューロンだけではなくあらゆる細胞が持っている可能性があり、さらには細胞内だけではなく生物の体を流れる微細な生体電流にも保存されている」
一見、似非科学のような雰囲気を漂わせているが、プラナリアの実験(ちょっとスプラッターで、グロい感じですが)といい、オジギソウの話といい、それらしい観察が行われていることも事実のようだ。
もちろん、発生や器官の形成については、どの遺伝子を発現させるかという話だから、そのトリガー(誘導)となる因子は様々だろう。
しかし、「基礎的認知」という話は、浮沈子的には初耳だ。
「基礎的認知の研究者によると、脳とそれ以外の細胞との違いは「記憶や学習ができるかどうか」という違いではなく、「どれくらい高度に記憶や学習ができるか」という程度の問題」
このブログでは、ダイビングの話の一環として、継続的なトレーニングの重要性を指摘し、「筋肉の記憶」(マッスルメモリー:えーと、筋トレ用語とは異なります)になるまで続けることが大切ということを書いている。
まあ、それとは次元が違う話ではあるし、筋肉の記憶は、意識下に置かなくても実行可能な行動領域の話で、あくまでも「脳」の機能としての記憶ということになる。
この基礎的認知は、それとは本質的に別物だ。
が、なんとなくイメージ的に結びついてしまうなあ・・・。
遺伝学の話としては、「獲得形質の遺伝」(今は昔・・・)という、ふる~い話があるけど、この細胞の記憶が遺伝するのか、あるいは個体間のコミュニケーションを通じて水平移動するのかという命題も見えてくる気がする。
まあ、どうでもいいんですが。
浮沈子的には、へたれな脳細胞に頼らず、ハンドクリームみたいなのを塗ったり、目薬差しただけで物覚えが良くなる未来を創造する。
記憶力を増進するサプリとかな(なんか、宣伝に出てきそうですが)。
電気刺激が解明されて、健康増進効果があるということで、腕時計式の健康グッズが商売になりそうな予感もする(そうなのかあ?)。
アップルウォッチの高いヤツで、導入されるかもしれない。
「がんは体の一部が他の部分と協力しなくなった時に発生するため、生体電気により細胞に直接「話しかける」ことで、がん治療に役立つ可能性をレビン氏は指摘。さらに、細胞に正しいパターンで成長を始めるように指示する生体電気を科学者が解読できれば、機能不全に陥った腎臓や心臓などの再生にも役立つ可能性があります。」
「基礎的認知の研究は、人工知能科学者にとって『将来の人工知能は脳中心の人間モデルを模倣するに違いない』という思い込みから逃れる手段となります」
将来、大化けしそうな話だが、現在は基礎的科学に留まっている。
「AIは頭が良すぎるため、計算能力は高いですが、ロボットなどを動かして世界とかかわるのはうまくありません。基礎的認知の研究で、なぜ体が必要なのかというシステムについて、理解が進むはずです」(レビン氏と頻繁に共同研究を行うバーモント大学のロボット工学者であるジョシュ・ボンガード氏)
頭が良過ぎなくても、世界と関わるのは難しい。
人間は、身体がなければ脳細胞に栄養を送ることもできないからな。
単細胞生物と違って、多細胞だといろいろ大変だ。
さて、脳細胞を養うために、コンビニに仕入れにでも行ってこようかな・・・。
(記憶や学習といった能力は脳だけのものではないという研究結果、AIやロボット分野への応用も)
https://gigazine.net/news/20240212-thinking-cells/
「記憶についての伝統的な見方は「記憶は、脳内のニューロン間のシナプス接続の安定したネットワークとして保存される」というものですが、レビン氏は「その見方は明らかに崩れています」と述べています。」(レビン氏:アメリカのタフツ大学で主に単細胞生物の研究をするマイケル・レビン)
古典主義な浮沈子には、暴論に聞こえる。
「記憶能力はニューロンだけではなくあらゆる細胞が持っている可能性があり、さらには細胞内だけではなく生物の体を流れる微細な生体電流にも保存されている」
一見、似非科学のような雰囲気を漂わせているが、プラナリアの実験(ちょっとスプラッターで、グロい感じですが)といい、オジギソウの話といい、それらしい観察が行われていることも事実のようだ。
もちろん、発生や器官の形成については、どの遺伝子を発現させるかという話だから、そのトリガー(誘導)となる因子は様々だろう。
しかし、「基礎的認知」という話は、浮沈子的には初耳だ。
「基礎的認知の研究者によると、脳とそれ以外の細胞との違いは「記憶や学習ができるかどうか」という違いではなく、「どれくらい高度に記憶や学習ができるか」という程度の問題」
このブログでは、ダイビングの話の一環として、継続的なトレーニングの重要性を指摘し、「筋肉の記憶」(マッスルメモリー:えーと、筋トレ用語とは異なります)になるまで続けることが大切ということを書いている。
まあ、それとは次元が違う話ではあるし、筋肉の記憶は、意識下に置かなくても実行可能な行動領域の話で、あくまでも「脳」の機能としての記憶ということになる。
この基礎的認知は、それとは本質的に別物だ。
が、なんとなくイメージ的に結びついてしまうなあ・・・。
遺伝学の話としては、「獲得形質の遺伝」(今は昔・・・)という、ふる~い話があるけど、この細胞の記憶が遺伝するのか、あるいは個体間のコミュニケーションを通じて水平移動するのかという命題も見えてくる気がする。
まあ、どうでもいいんですが。
浮沈子的には、へたれな脳細胞に頼らず、ハンドクリームみたいなのを塗ったり、目薬差しただけで物覚えが良くなる未来を創造する。
記憶力を増進するサプリとかな(なんか、宣伝に出てきそうですが)。
電気刺激が解明されて、健康増進効果があるということで、腕時計式の健康グッズが商売になりそうな予感もする(そうなのかあ?)。
アップルウォッチの高いヤツで、導入されるかもしれない。
「がんは体の一部が他の部分と協力しなくなった時に発生するため、生体電気により細胞に直接「話しかける」ことで、がん治療に役立つ可能性をレビン氏は指摘。さらに、細胞に正しいパターンで成長を始めるように指示する生体電気を科学者が解読できれば、機能不全に陥った腎臓や心臓などの再生にも役立つ可能性があります。」
「基礎的認知の研究は、人工知能科学者にとって『将来の人工知能は脳中心の人間モデルを模倣するに違いない』という思い込みから逃れる手段となります」
将来、大化けしそうな話だが、現在は基礎的科学に留まっている。
「AIは頭が良すぎるため、計算能力は高いですが、ロボットなどを動かして世界とかかわるのはうまくありません。基礎的認知の研究で、なぜ体が必要なのかというシステムについて、理解が進むはずです」(レビン氏と頻繁に共同研究を行うバーモント大学のロボット工学者であるジョシュ・ボンガード氏)
頭が良過ぎなくても、世界と関わるのは難しい。
人間は、身体がなければ脳細胞に栄養を送ることもできないからな。
単細胞生物と違って、多細胞だといろいろ大変だ。
さて、脳細胞を養うために、コンビニに仕入れにでも行ってこようかな・・・。
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