🚀近頃宇宙で流行るもの2024年07月13日 17:17

近頃宇宙で流行るもの


配管からのガス漏れと2段目エンジン再点火失敗。

スターライナーのヘリウム配管フランジからのガス漏れ、アリアン6の2段目エンジンの再点火(正確には、2度目の再点火)が不発に終わった話は既に取り上げた。

(スターリンク衛星、ファルコン9上段の故障で失われる)
https://spacenews.com/starlink-satellites-lost-on-falcon-9-upper-stage-failure/

「マーリンエンジン1基の初回燃焼時に第2段で液体酸素の漏れが見られたと指摘されている。」

「エンジンの部品に異常に氷が堆積した」

「同社は、エンジンの予定された1秒間の再点火中に発生した異常の性質については詳しく述べなかった。マスク氏は、エンジンが「RUD」、つまり「予定外の急速な分解」(rapid unscheduled disassembly)に見舞われたと述べた」

ファルコン9よ、おまえもか・・・。

エンジンはぶっ壊れたが、2段目の機体は破壊されず、不活性化措置は取られたようだ。

「スペースXは声明で「ステージは生き残り、衛星を展開した」と述べている。ステージはまた、ミッション終了時の標準的な手順である「自己不活性化」も可能で、ステージの分解を引き起こす可能性のある燃料タンクとバッテリーからエネルギー源を除去した。」

やれやれ・・・。

ファルコン9、特にスターリンクの打ち上げなんて飛んで当たり前、成功した打ち上げにニュース価値はなく、失敗した時だけ取り上げられるという不幸な状況になっている(そうなのかあ?)。

FAAは、待ってましたとばかりに、ファルコン9による打ち上げを全面的に停止した。

「飛行再開は、事故に関連するシステム、プロセス、手順が公共の安全に影響を及ぼさないとFAAが判断した場合に限られる」

民間宇宙旅行の打ち上げだけではなく、NASAのISSミッションも延期になる可能性が高い。

スターライナーは、8月中旬以降もISSに留まり続ける可能性が出てきた(ポート空けなくていいからな)。

まあ、どうでもいいんですが。

「宇宙産業は、この事故以前にも300回以上の連続打ち上げ成功を記録していたファルコン9への依存度をますます高めている。これは、その高い飛行率と他の乗り物への対応力不足によるものだ。」

年間100回もの打ち上げをこなすロケットに、依存するなというのが無理な話だ。

スターシップの時代になれば、その傾向はますます顕著になるだろう(たぶん、年間1000回以上)。

「ファルコン9号が何カ月も飛行停止となれば、打ち上げ計画が長期にわたる遅延に直面し、代替打ち上げの選択肢もほとんどないため、業界の多くにとって「壊滅的」となるだろう」

既に確立されたと思っていたファルコン9の打ち上げで、しかも、使い捨てとなっている2段目の、さらに、これまで1度も失敗したことがなかったマーリンD真空エンジンでトラブルが起きたことの影響は大きい。

が、形あるものは全て壊れる。

永遠に不変なものなど、この世にはない。

「壊れないものはない!」という真理だけが永遠に不変なだけだ。

スペースXに、何かが起こっている。

ボーイングにも起こり、NASAにも起こり、アリアンにも起こった何か・・・。

ダイビングのように、リスクを伴うレジャーをしていると、その辺りが何となく見えてくる気がする。

物事が上手くいっているように見えるのは、そこにリスクがなくなったからではない。

リスクは、それを回避するための措置を講じられて、一時的に表面化していないだけの話だ。

相変わらず厳然として存在し、ミッションを脅かし続けている。

適切に回避するための努力を怠れば、たちどころに表面化して禍いをもたらす。

確認を怠らず、万が一の備えを整え、避け難いと思われれば躊躇なく断念する。

今回のファルコン9のトラブルは、上手の手から水が漏れた類の話だが、それがたまたまなのか、慢心手抜き思い込みな話なのかは知らない。

原因はやがて明らかにされるだろうが、数百回の打ち上げを経てもなお、そこには魔物が潜んでいる。

使い捨ての2段目でのトラブルか・・・。

回収して、何が起こったのかを確認することはできない。

スターライナーのサービスモジュールみたいなもんだからな。

データを丹念に洗い出し、地上でのシミュレーションを行い、再現できなければ追加の打ち上げを行って確認するしかない。

開発ではそれでいいかも知れないけど、トラブルシューティングになれば、まれに起こる事象に対する仮説を検証することは難しい。

何が起こっているのか、その限度は何か、どの程度の頻度で起こるのか、回避や代替の手段はあるのか。

まあいい。

今日は、Nバンのエアコンの修理依頼に行ってきた。

蛍光塗料入りのガスに入れ替えて、漏洩か所を見つける算段をすることになった(機器的な故障でない場合)。

こっちも、配管からのガス漏れかあ!?。

幸い、エンジンの起動に問題はない。

北半球の暑い夏、ガス漏れの夏・・・。

<以下追加>ーーーーーーーーーー

(米「スペースX」 主力ロケット打ち上げ失敗 液体酸素漏れる)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240713/k10014510671000.html

「地元メディアによりますと、このロケットの失敗は、エンジンの燃焼試験の際に爆発し、積んでいた人工衛星が失われた2016年以来だということです。」

NHKが直近の失敗の例としてい取り上げたのは、アモス6の地上試験の際の爆発だ。

原因は酸素タンクの中に設置されたヘリウムを入れた複合材料のタンクによるものとされており、今回の爆発(RUD?)の原因とは異なる(たぶん)。

地元メディアのせいにしているけど(そうなのかあ?)、あんま適切とは思えないな。

機体が無事だったことを考えると、トラブったのはエンジンだけだろう。

浮沈子的に注目しているのは、今まで問題を起こしたことがない2段目のマーリンDエンジンがトラブったことだ。

液酸の配管系統(エンジン内?)からの漏れが原因かもしれないけど、そこんとこはまだ分からない。

原因究明と解決策の策定は長期間に及ぶ可能性もある。

アモス6の時も、かなり手間取ったからな(記憶では、3か月くらい止まったと思ったんだがな:2016年9月3日(事故日)から2017年1月13日まで(次の打ち上げの前日):4か月半近く止まった:大外れ!)。

「アメリカのFAA=連邦航空局は、このロケットの打ち上げを再開するには調査の完了と新たな許可が必要だとしています。」

来年まで、ファルコン9(ヘビーも)が飛ばないなんてことになれば、大騒ぎだ。

この事態の影響は、想像をはるかに超えて大きいかもしれない。

有人打ち上げはもちろん、無人の打ち上げもひっ迫しているからな。

10月10日には、エウロパクリッパーの打ち上げも予定されている(2段目は、ファルコン9と同じ)。

が、こっちはこっちで、別の問題を抱えているようだ・・・。

(NASA、エウロパ・クリッパーの電気スイッチの評価を継続)
https://blogs.nasa.gov/europaclipper/2024/07/11/nasa-continues-assessing-electrical-switches-on-europa-clipper/

「NASA のエウロパ クリッパー ミッションのエンジニアたちは、宇宙船の電気の流れを制御するトランジスタの広範なテストを続けています。」

「トランジスタの問題は、同様の部品が予想よりも低い放射線量で故障するという報告をミッションチームが受けた5月に発覚」

「2024年6月には、この問題をユーザーに知らせる業界アラートが発令」

やれやれ・・・。

<さらに追加>ーーーーーーーーーー

スペースニュースの追加記事によれば、20機のスターリンク衛星は軌道を上げることが出来ずに全機大気圏で消滅するとのこと。

合掌・・・。

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