🚀再使用ロケット:JAXAの研究2024年07月02日 09:09

再使用ロケット:JAXAの研究


(日本、再利用可能な次世代ロケットの研究を実施)
https://spacenews.com/japan-conducting-studies-for-reusable-next-gen-rocket/

「宇宙政策に関する基本計画に基づき、JAXAは三菱重工と共同で、第一段再利用機能を備えた新世代ロケットの研究を開始した」(JAXA広報部)

なんだ、まだ研究段階か・・・。

「H3は、H-2Aロケットのより高性能でコスト効率の高い後継機となることを目的とした使い捨てロケットです。」(昨日、運用打ち上げに成功したようです)

「液体水素と液体酸素の混合燃料で稼働」

「液体メタンも液体水素も候補の一つです」(JAXA)

ふーん、液体メタンは流行の最先端なわけだ。

「スペースX、ブルーオリジン、ULAなどの米国のロケット企業、および中国の国営企業CASCと民間企業のランドスペースとiSpaceは、メタン・液体酸素ロケットを打ち上げたか、打ち上げ間近である。」

まあいい。

「JAXAは、H3に比べて低地球軌道(LEO)への1キログラム当たりのコストを約半分に削減することを目標としている」

「現在、JAXAとMHIが新型ロケットの詳細な検討を行っているため、目標ペイロードの能力は確定していない。」

「基本計画では、このロケットは宇宙輸送計画の一環として2030年代までに完成するとしている。このプロジェクトは、完全な再利用と有人宇宙飛行をサポートするために拡大される可能性」

いやいや、それはムリポだろう。

我が国には、宇宙飛行士が爆発炎上木っ端微塵になっちまったり、ISSへ行ったきり帰ってこられなくなる状況を受け入れるメンタリティはない。

また、完全再使用を実現するために、100機ものロケットを試し打にするような開発手法を認める文化(文化なのかあ?)もない。

H3は、1回失敗しただけで大騒ぎだ。

やれやれ・・・。

重工に再使用ロケットの開発を飲ませるのは大変だったろうな。

軌道打ち上げロケットのような高負荷、大エネルギーエンジンを再使用するというのは、基本的には筋が悪い。

H3のLE-9エンジンのように、低コストで使い捨てにするのが理に適っている。

そもそも、このエンジン自体が、爆発性が少ないということで有人機に向いているとして採用されたと記憶している。

それを、できたそばから捨てちまう話がスタートしたわけだ。

我が国の宇宙開発は臨機応変だな(そういうことかあ?)。

「インターステラーを含む新興企業が現在、ロケット打ち上げに取り組んでいる。」

ここの社長は、再使用ロケットに否定的だからな。

まあ、どうでもいいんですが。

15年先(開発は2030年代中だそうです)を見据えてスタートした我が国の再使用ロケットの「研究」。

100回の打ち上げと99回の失敗を受け入れて、完成させることが出来るかどうかは分からない。

中国は一足先に、再使用ロケット開発における墜落爆発炎上木っ端微塵を演じて見せた(そういうことかあ?)。

S社ほどではないにしても、トライアンドエラーを受け入れる素地は整っている(関係者の処分(粛清?)はいくらでもできるだろうしな:そうなのかあ?)。

我が国が、チャレンジや冒険を受け入れる基盤を作ることが出来るかどうかが問題だ。

S社が1段目の再使用(回収)に成功したのは2015年。

早くても、2035年ころになると思われるH4(名称未定)の1段目回収ということになると、完全に1世代(20年)遅れていることになる。

浮沈子の見立てでは、そのころにはスターシップの有人化が果たされている可能性があるからな。

もちろん、完全再使用。

彼我の差は、広がるばかりだ。

まあ、どうでもいいんですが。

名目上とは言いながら、我が国も再使用ロケットの「研究」に名乗りを上げているわけだ。

「現時点では詳細はほとんど決まっていない。」

掛け声倒れになる可能性もあるということだな(そうなのかあ?)。

我が国はこれから縮退の時期に入ることになる。

人工は半減し、GDPも縮小、開発コストはかけられず、単独国家として宇宙開発が続けられるかどうかも疑問だ。

飛ぶ鳥を落とす勢いの米国や、猛然と食らいついている中国とは比較にならない。

それはそれで仕方ない。

出来る範囲で、国際協力にも縋りながら、ちまちまと進めていくしかない。

独自の打ち上げ能力を持続していくためには、技術伝承のサイクル(20年?)で、開発を続けていくしかない。

再使用というのは、その際に頭のてっぺんに乗っけるための帽子に過ぎない。

何も新規性がないところに、開発の金を投じるわけにはいかないからな。

しかも、経費を削減するという錦の御旗もついてくる(コストを約半分に削減することを目標:再掲)。

そうでもしなければ、開発予算は取れないからな。

しかし、それはあくまでも名目だ。

実現できるかどうかは別の話。

ぶっちゃけ、浮沈子的には、我が国が再使用ロケットを本気で開発しようとしているようには見えない。

今後の展開次第では、独自打ち上げロケットの維持自体が困難になる可能性もある。

10分の1の値段で、はるかに高頻度に打ち上げられるロケット(スターシップ)があるのに(2035年時点)、なんで独自ロケットが必要なのか。

その議論に耐えられるだけの需要と技術は、我が国にはないからな(未確認)。

まあ、頑張ってくださいとしか言いようがない。

部屋の中のゾウ(スターシップ)が解き放たれた時、打ち上げロケットの世界は様変わりするだろう。

H4ロケットは、重工にとって第二のスペースジェットになりかねない。

断るに断れない事情があったのかもしれないが、ババを引いたことに違いはない。

関係者は、IFT-4をどんな思いで見守っているんだろうか・・・。

😼欧州大戦争:反戦と平和な極右2024年07月02日 18:43

欧州大戦争:反戦と平和な極右


(戦争反対が極右の役割になった現実【コラム】)
https://japan.hani.co.kr/arti/opinion/50477.html

「戦争と対外膨張を擁護した極右が軍事介入に反対し、現実主義に忠実だという保守主流や進歩に近いというリベラル勢力が非妥協的な軍事介入を主張する現実のもとで、私たちは反戦と平和のためにいったい誰に期待すべきなのか。」

この記事のリードは、全てを言い表している気がする。

「戦争と対外膨張を擁護した極右が現実主義路線を取り、現実主義に忠実だという保守主流や進歩に近いというリベラル勢力が非妥協的な軍事介入を主張する状況は、錯綜した現実だ。」

「戦争反対と平和追求のために交渉と妥協を主張して推進させる勢力はいったい誰であり、私たちは誰に期待しなければならないのだろうか。」

この問題の背景は複雑だ。

ソ連崩壊からNATO拡大、米国のあらゆる軍事介入と、その結果生じた移民・難民問題。

欧州が抱えるありとあらゆる問題が、今日の一見ワケワカの状況を生み出している。

「西側は、1990年代初めのユーゴスラビア内戦への介入にはじまり、中東で湾岸戦争、イラク戦争、アフガニスタン戦争、リビア内戦、シリア内戦、イスラム国(IS)撃退戦を経て、現在はガザ戦争とウクライナ戦争に介入している。西側は自由と民主主義、人権を名目に、こうした戦争を起こしたり介入した。名分が正しかったとしても、結果は自由と民主主義、人権からかけ離れている。」

つまりだな、イデオロギーは支配のためのツールに過ぎず、その時点で都合がいいヤツを懐から出してちらつかせているだけの話ということなわけだ。

それは、現在の極右勢力の台頭においても同じだ。

国家は国益で動くからな。

何が国益かは、状況に応じてころころ変わる。

欧州は、その意味では民主的な国家が多い(利に敏い?)。

一貫しているともいえる。

「西側の保守とリベラル主流は、極右勢力がウクライナ戦争への介入に反対するのは、ロシアのウラジーミル・プーチンの体制と一心同体である権威主義勢力であるためだと非難する。プーチンのウクライナ侵攻を擁護したり傍観するのは、主権と自由を無視するこうした者たちの認識のためであり、こうしたことはロシアの侵略行為の拡大をほう助するものだと警告する。このような主張が正しいとしても、問題は西側でなぜこのような極右勢力が躍進するのかだ。」

んなのは当然だろう。

民衆は、西側の掲げるイデオロギーが嘘っぱちであることを見抜いている。

国内統治の失敗を、外交で糊塗して誤魔化そうとするのは定番の政策選択だからな。

「その結果は、地中海を越えて押し寄せる難民の行列だ。」

「欧州諸国内では、難民と移民に対する反発と憎悪が強まり、極右の基盤となった。極右政党は、政府が国民の面倒をみずに海外に出ていき軍事介入を行っているという立場をとるため、そのため手段としては、海外への軍事介入と戦争に反対せざるをえない。」

極右だって、特効薬を持っているわけではない。

ウクライナが降伏すれば、欧州には数千万人の難民が押し寄せる。

いくら反戦平和を掲げても、その政策のツケは自らが負うことになる。

それとも、EUを離脱した英国にでも送り付けるのか。

マクロンは、まだ大臣だったころ、ブレグジットを画策していた英国に対し、大量の移民を送り付けると言って恫喝した。

結局、取りうる選択には限りがあり、欧州は内部に大きな矛盾を抱えたまま、衰退の道を歩み続けている。

移民や難民は、格差を吸収する自然な人間の流れだ。

欧州が十分衰退して、移民や難民の発生国と同等になれば、問題は解決する。

そうでなくても、例えば欧州大戦争が起こって、あちこちの都市に核ミサイルが撃ち込まれる事態になれば、欧州自体から大量の移民があふれ出す。

やれやれ・・・。

「私たちは今でも毎日、地中海で遭難して死ぬ難民の悲劇を目撃している。」

地中海で難破するのがどこの船なのかは、状況によって変わるだろう。

まあいい。

欧州の極右勢力の台頭は、欧州を取り巻く政治軍事情勢の急速な変化を反映している。

「極右勢力の対外政策の懸案に対する共通点は、ウクライナ戦争への介入に反対あるいは消極的だということだ。米国でも共和党のドナルド・トランプ候補がウクライナ戦争への介入に消極的あるいは反対で、特に白人のナショナリストや右派ポピュリズム指向の支持層が、米国の海外軍事介入とウクライナ戦争に反対している。」

政治体制の相似が原因だという話には首をかしげざるを得ないけど、プーチンが大喜びしていることは間違いない。

もしトラが確トラになっても、欧州が自ら武装してロシアの軍事力に対抗する体制を作り上げるならともかく、「反戦と平和な極右」なら、願ったりかなったりというわけだ。

ロシアは、その間も着々と欧州大戦争の準備を整え続ける。

ロシアにとっては、欧州が分裂してくれた方が都合がいいかもしれない。

欧州域内で内戦状態になってくれれば言うことはない(そうなのかあ?)。

どこか、いい勘所を一押しすれば、そういう事態を労せずして演出できる可能性もある。

欧州大戦争は、欧州自身の中から始まる。

まるで、坂を転がり落ちるように、戦争への道をまっしぐらに突き進んでいる。

「戦争反対と平和追求のために交渉と妥協を主張して推進させる勢力はいったい誰であり、私たちは誰に期待しなければならないのだろうか。」(再掲)

浮沈子的には、そんな勢力はどこにもなく、期待すべき人物もいないというのが正直な感想だ。

交渉と妥協を拒否し、戦争に向かってひたすら歩み続ける事しかできない。

仮に、極右政権が出来てロシアと交渉を始めたとしても、向こうに取り込まれてしまうのが落ちだし、暫定的な停戦の場合はゼレンスキーが言うように、ロシアが欧州大戦争の準備を整える時間を与えることになるだけだろう。

ちょっと悲観的過ぎるかもしれないけど、それが現実だ。

ドンパチに至らずに事態を収束させる道は極めて細い。

その道を見出す努力をやめてはならないだろうな・・・。