😼ニューラリンク:ブラインドサイト:心眼2024年09月22日 06:56

ニューラリンク:ブラインドサイト:心眼
ニューラリンク:ブラインドサイト:心眼


(Neuralink は、目の見えない人が見えるように設計されたデバイス、Blindsight の臨床試験に一歩近づいています)
https://www.elonx.cz/neuralink-je-o-krok-blize-ke-klinickym-testum-zarizeni-blindsight-ktere-ma-umoznit-slepym-videt/

「すべてのチャネル (電極) でニューロン信号を受信するだけでなく、各チャネルのニューロンを刺激することもできます。これにより、目を迂回して脳内で直接画像を生成することが可能になります。」

いろいろ含蓄にあふれた記事だが、浮沈子的に気になったのは感覚器を介さず、脳を直接刺激して画像を生成するという点だ。

この話は、ブラインドサイトにおいては視覚に限った話となるが、既にニューラリンクでは「テレパシー」において脳内の信号を取り出し、能動的にパソコンなどを操作することが出来る(<さらに追加>参照:順番逆だけど)。

「私たちは一般化されたニューラルインターフェイスの開発を試みています。」

「このロボットは脳のどの部分にも電極を埋め込むことができます。同様に、インプラントはどこにでも設置できます。」

つまりだな、視覚だけでなく、聴覚や味覚、内臓からのフィードバックも含めて、脳が受け取っている信号全てを置き換え、さらに筋肉などへの能動的な信号も含めたあらゆる脳活動のイン/アウトを制御しうるということなわけだ(そうなのかあ?)。

「Neuralink が開発しているプロテーゼは、簡単に言うと上の写真のようになります(画像参照)。これは 3 つのコンポーネントで構成されます。」(プロテーゼ:人工軟骨:ここでは視覚を生成するためのデバイス群の意?)

・カメラ:画像を携帯電話に送信します
・携帯電話:画像を処理し、必要なデータをニューラル インターフェイスに送信します。
・インターフェース:画像を必要なスキーマに変換し、ニューロンを刺激します。

携帯電話(通信機能を備えた情報処理可能なノード?)で、何らかの操作を行えば、実際には存在しないものを映したり、存在するものを消し去ったりするだけでなく、全く架空の映像を流すことさえも可能になる。

それが視覚のみならずあらゆる感覚に及べば、人間は架空の世界をリアルに感じながら生きることになる。

究極の仮想現実だな・・・。

過食と運動不足に悩む浮沈子(肥満に向けてまっしぐら!)にとっては、実に効果的なダイエットに繋がるかもしれない。

飯食ったつもりになり、食欲さえもコントロールできるようになる(そういうことかあ?)。

そうか、記憶さえも生成することが出来るようになるわけだ。

従来の記憶を消し去ったり、改変することが可能かどうかは分からないが、少なくとも新たな仮想記憶を植え付けることは可能だ。

もちろん、脳は電気的刺激だけで認識しているわけではなく、体内の化学的な刺激も感知しているから、「全て」の感覚を制御できるわけではないのかもしれないが、化学的刺激をブロックして、電気的刺激で仮想化された信号を送れば、その辺りはどうにでもなるような気もする。

脳細胞の電気的興奮を再現できればいいわけだからな(そうなのかあ?)

まあ、どうでもいいんですが。

マトリックスの世界、胡蝶の夢の世界が現実になる。

ただし、脳細胞そのものを直接弄るわけではない。

つまり、経験(感覚の時間的累積)から何を得るかというところは、相変わらず人間側に依存しているわけだ。

思想信条のコントロールはできない。

が、まあ、それだって怪しい。

「私たちは一般化されたニューラルインターフェイスの開発を試みています。」(再掲)

記憶は、脳全体に分散して保存されていると言われている(<以下追加>参照)。

そいつを弄ることが出来るようになれば、何でもアリな状況が生まれる。

人生の経験全て、外部に蓄積された資産(家族などの社会関係を含む)や情報(卒業証書とかも?)を除く、本人の記憶に属する情報は制御可能になっちまう。

「心」は、しかし、経験(記憶)とは切り離されて存在するのではないか。

(◆心不在焉、視而不見、聽而不聞、食而不知其味。此謂脩身在正其心。「心が 動揺すると身は収まらない」…『大学』)
https://ikaebitakosuika.cocolog-nifty.com/blog/2018/11/post-1010.html

「心が動揺し正常な判断や行動を保てないでいると、物事を視ても見えず、聴いても聞こえず、食べてもその味が分からない。
 わが身を修めるには、まず自分の心を正すことである、というのはこのことをいうのである。」

やっぱ、ダイエットするには「心を正す」必要があるということなわけだ(そういうことかあ?)。

イーロンXの記事では、ラフォージ(スタートレックの登場人物)の話が出てくるが、あらゆる周波数帯での拡張視覚を得たとしても、世界には心眼でしか見えないものがあるに違いない。

最近は、スターリンク衛星が飛び回っていて、電波天文学が崩壊の危機にさらられているという話もある。

(第2世代のStarlink衛星は第1世代の32倍もの電波を放射しており電波望遠鏡による天体観測を台無しにしてしまう可能性)
https://gigazine.net/news/20240920-starlink-satellites-leak-excess-radiation

「Starlinkなどの人工衛星から放出される電波が、電波望遠鏡による天体観測を脅かしている」

まあいい。

いろいろ調べていくと、「盲視」という現象があることも分かった(ニューラリンクのプロジェクト「ブラインドサイト」と同じ英語だが、出自はこっちではないらしい:SFネタのようです)。

(盲視:blindsight)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%9B%B2%E8%A6%96

「知覚的な経験('クオリア')を伴うことなく、視覚刺激への何らかの応答を示す現象」

見えているという自覚がないのに、無意識に反応できるということなわけだ。

「網膜からV1へいたる経路は、皮質へ情報を伝達する最も主要な経路であっても、唯一の経路ではない。盲視を示す被験者で視覚が残存していることは、V1を経由せずに高次視覚野へ投射する経路によると、一般的には考えられている。」

「このようにして生じた高次視覚野での活動が、V1が存在しないときには視覚的意識(アウェアネス)を生じえないように見える」

「見えている」という意識(アウェアネス)は、V1経由であることが必要なようだ。

盲視は、一見、「心眼」のようにみえるが、脳の経路損傷や視野領域の損傷を補う代償行為みたいな感じなのかも知れない。

心ここにあらずとも、何となく見えているということなわけだ(感覚器である眼球は正常か)。

浮沈子は、両眼の水晶体は既に人工眼内レンズ(安物の単焦点レンズ)に置き換わっていて、網膜も新生血管を抑制するためにレーザーによる光凝固術で焼いている(目玉焼き2個!!)。

視覚については、いろいろと気になっているが、脳(視覚野)が無事なら、そのうちブラインドサイトで置き換えが出来るようになるかもしれない。

もっとも、最近は記憶の方が重傷で、さっき見たのは何だったっけ状態になりかねないけどな・・・。

<以下追加>ーーーーーーーーーー

(脳とは「記憶そのもの」だった──「記憶のメカニズム」の詳細が明らかに)
https://wired.jp/2017/08/12/your-brain-is-memories/

「典型的な記憶とは、過去のある時点で活発だった脳の複数の部位のつながりが、再び活性化することでしかないのです」(論文共著者のひとり、神経科学者のニコライ・ククシュキン)

「分子、イオンチャンネルの状態、酵素、転写プログラム、細胞、シナプス、それにニューロンのネットワーク全体をほじくり返してみると、記憶が蓄えられている場所など、脳内のどこにもないとわかります」(同上)

「生物が過去の一部を未来と統合し、新たな課題に挑戦できるようになる」

ほほう、これは重要な指摘だな。

記憶という「物」はなく、「脳全体の機能」として存在することなわけだ(そうなのかあ?)。

それは、生存性を高めることに決定的に寄与している。

「無限と言っていいほど膨大な数のインプットが、連鎖的に脳内を駆け巡る。ニューロン、制御分子、それによって生じたシナプスには、関連するすべての副次的事象が、その発生の時系列とともにエンコードされている」

脳の機能は複雑だ。

「記憶形成のしくみの詳細がわかるには、まだまだ時間がかかるだろう。」

しかし、それは不可能ということではない。

有限の要素が紡ぎ出す無限の可能性・・・。

我々の脳が、自らを理解するプロセスの一環だ。

いや、それは既にAIの仕事になるのかもな・・・。

<さらに追加>ーーーーーーーーーー

(脳インプラント装着で「マルチタスキング」──ニューラリンク初の被験者に訊く)
https://wired.jp/article/neuralink-first-patient-interview-noland-arbaugh-elon-musk/

「アーボーはニューラリンクが「Telepathy」(テレパシー)と名付けた研究用機器を脳に埋め込む最初の被験者となった。ブレイン・コンピューター・インターフェイス(BCI)であるTelepathyは、使用者が意図する動きの脳内信号を解読して、コンピューターのコマンドに翻訳する。アーボーがノートPCのカーソルを動かそうと考えるだけで、カーソルは動く。」

ちょっと前の記事だが、日本語で全文が読めて分かりやすいのでリンクした。

浮沈子的に意外だったのは、記事の末尾のこの記述・・・。

「──BCIの次のフロンティアは何だと思いますか?」(ワイアード)

「・・・
BCIがまだ脳に書き込むことはできないのは知っています。いまは読むだけ。知識を埋め込むことはできません。でも、いま、読める段階にいるならば、いずれ書き込むこともできるかもしれない。ちょっと恐ろしい考えで、あまり喜ばない人がたくさんいると思います。じっくり考えて、慎重に進めなければいけないことかもしれません。でも、現実味のあることだと思います。きっと明るい未来です。」

実際にインターフェースを埋め込んだアーボーの見解であるところに注目だな。

彼は恐れてはいない。

「書き込み」とあるが、ブラインドサイトもその一つの形だ(知覚信号ですが)。

「知識を埋め込む」ということとは質的に異なるだろう。

が、いずれは乗り越えてしまうに違いない。

彼は、そこに「明るい未来」を見ている。

そう、自動運転のテスラとかじゃなくて、まるで映画マトリックスの中でトリニティがヘリの操縦を瞬時にマスターするように、脳に「新たな機能」を埋め込む。

学習とか、熟練とかは過去の話になる。

浮沈子だって、運動神経に問題はないと思ってるけど、筋肉と上手く繋がっていないとこが玉に瑕なわけだ(未だにクロールの呼吸が出来ない・・・:そういうことかあ?)。

そこんところを外部デバイスに直付けして制御できるようにすれば、ヘリを飛ばすことだってできるようになるかもしれないしな。

まあいい。

脳にインプットするためのアクセスがどういう形で実現するのかは知らないが、繰り返し刺激を与え続ければ、熟練も不可能ではないかも知れない。

ダイビング関連で、「筋肉の記憶」について書いたことがある。

繰り返し手順を訓練して、筋肉が覚えるまで熟練する必要があるという話だ。

(メキシコへの道:第2章:筋肉の記憶)
https://kfujito2.asablo.jp/blog/2021/12/13/9447714

「ここで重要なのは、「筋肉の記憶」を発達させて、無意識のプロセスを拡大し、意識の負荷を軽減して、その分を他に振り向けて、ロストラインなどのリスクを減らそうという点だ。」

もちろん、筋肉は記憶できない(たぶん)。

が、脳内の回路の形成だけではなく、脳から筋肉への経路も太くする必要があるかもしれない(未確認)。

明るい未来か。

アーボーの言う通りだといいんだがな・・・。