😼AI:その有用性と限界2025年06月09日 21:07

AI:その有用性と限界


(AppleがOpenAI「o3」のようなトップレベルのAIモデルや大規模推論モデルの限界を詳しく説明)
https://gigazine.net/news/20250609-ai-thinking-model-limit/

「研究者たちはAnthropicのClaude、OpenAIのoモデル、DeepSeek-R1、Googleのモデルといった「推論」モデルをテストし、人間の推論をどこまで再現できるかを検証しましたが、AIの推論能力のスケールアップはマーケティングで宣伝されているほどではなかった」

この記事は、素人が読み解くにはやや困難なところがあると感じる。

「Appleの研究者らは今回の論文で、「ハノイの塔」という有名なボードゲームを使うなどして各種モデルを評価しました。」

「「推論」をうたうAIはほとんどクリアできませんでした。」

「テストされたすべての推論モデルにおいて、ある複雑さの閾値を超えると精度が完全に崩壊する」

ここで言おうとしていることは、大規模推論モデル(LRM)には、複雑さに対するスケーラビリティの壁があるということのようだ(そうなのかあ?)。

「基本的に、推論をしない大規模言語モデル(LLM)では複雑度が低いほど正確で「トークン」の使用効率が高く、複雑さが増すにつれて推論モデルの方が優れた結果を示しますが、推論モデルでも問題の複雑さが増すにつれて回答の精度は減少しました。」

要するに、限界があるということを分かって使う必要があるということか。

「LLMは優れた、よく仕様化された従来のアルゴリズムの代替にはならないということです。LLMは従来のアルゴリズムほどチェスをうまくプレイできず、タンパク質を折り畳むこともできません。うまくいけば、Pythonコードを書き、自身の弱点を外部のコードで補うことができますが、それでも信頼できるものではありません。これはビジネスや社会にとって、単にo3やClaudeを複雑な問題に投入しても、確実に動作するとは限らないことを意味します。少なくとも今後10年間は​​、LLM(推論の有無にかかわらず)は特にコーディング、ブレインストーミング、そして執筆において引き続き利用されるでしょう。しかし、LLMが社会を根本的に良い方向に変えることができるような汎用(はんよう)人工知能(AGI)への直接的な道だと考えている人は、うぬぼれです」(著名な人工知能専門家のゲイリー・マーカス氏)

身も蓋もない総括だな・・・。

アップルのこの論文については、別記事も上がっている。

(「LRM(大規模推論モデル)の推論能力に限界」──Appleが論文発表)
https://www.itmedia.co.jp/aiplus/articles/2506/09/news077.html

「LLM(大規模言語モデル)とLRM(大規模推論モデル)が数学的な問題解決で、真の論理的推論ではなく、訓練データに基づく確率的なパターンマッチングに大きく依存している可能性がある」

・特定の複雑さを超えると精度が完全に崩壊
・複雑さに対する推論努力の限界と非直観的なスケーリング
・思考プロセス(推論トレース)の分析から見えるパターン

「われわれの研究結果は、現在のモデルの根本的な限界を明らかにしている。洗練された自己反省メカニズムにもかかわらず、これらのモデルは、特定の複雑さの閾値を超えると一般化可能な推論能力を開発できない」

浮沈子は、何となくシリのリリースに苦しんでいるアップルの言い訳のような気がしないでもないけど、もちろん、その件とは異なる話だ。

浮沈子的AI活用では、パズル問題を解いたりしないで、この与太ブログの品質向上(?)に一役買ってもらっている程度だから問題はない(たまに、代筆頼んだりしてな・・・)。

ディープシークがセンシティブな話題で回答拒否するくらいだ(天安門事件とかな)。

「少なくとも今後10年間は​​、LLM(推論の有無にかかわらず)は特にコーディング、ブレインストーミング、そして執筆において引き続き利用されるでしょう。」(再掲)

うーん、それで十分な気もするんだがな・・・。

😼欧州大戦争:2025年の展望2025年06月09日 23:41

欧州大戦争:2025年の展望
欧州大戦争:2025年の展望


(プーチン大統領、夏季作戦開始か…「ウクライナ倒す」最後の一撃を準備)
https://japanese.joins.com/JArticle/334770?servcode=A00&sectcode=A00

「ロシアがコスティアンティニウカ、ポクロフスクなどウクライナ東部ドンバス地域と北東部スミ州などを中心にした夏季攻勢を準備している」(ウクライナ情報局(SBU))

「スミ州の場合、ロシア軍の兵力5万人が集結しており大規模攻勢に対する懸念が出ていることから国境地域の住民らはすでに避難した状態」(エコノミスト紙)

「捕虜になったロシア将校によると、プーチン大統領はウクライナの士気を半減させられる『最後の一撃』を準備している」(ウクライナの消息筋)

「プーチン大統領はどんな代償を払ってでもロシアに象徴的な勝利を抱かせようとしている」(エコノミスト紙)

「ロシアの攻撃はクモの巣作戦への対応ではない」(ウクライナのゼレンスキー大統領)

まあ、それはその通りだろうな。

規模や作戦の時期は、長期の準備を要する。

「米国がウクライナに提供しようとしていたドローン迎撃ミサイル2万発を中東地域の米軍に転換配置した」

この件が、ヘグセス米国防長官が議会に報告した、米国製特殊信管の中東転用と関連する話かどうかは不明だ。

夏季攻勢とは別の話として、今年はベラルーシとの合同演習が行われるという話もあった。

4年前、2022年早春の本格侵攻の前年、ロシアはベラルーシと合同演習を行い、その際に派遣された兵力が現地に留まったことから米軍はロシアへの侵攻が近いと判断した。

外交的に阻止しようと試みたけど、結局本格侵攻へと発展、その後、現在に至る長期戦へとつながる。

スムイ州への侵攻が5万人規模ということなら大した話じゃないけど(たぶん、緩衝地帯の創設程度)、ベラルーシにおける演習規模によっては、大きな展開があるかも知れない。

ウクライナじゃない・・・。

(ロシアは同じことを繰り返す、エストニア人は国防費増額を受け入れる

https://grandfleet.info/european-region/russia-repeats-itself-estonians-accept-increased-defense-spending/

「欧米当局者の懸念=ロシアがNATO加盟国を攻撃してくるかもしれないという恐怖は「ロシアが欧州諸国に侵攻して領土を拡張する」という話ではなく、NATOの基盤=第5条の有効性を試すという脈略で語られる」

「ロシア人系住民の保護など曖昧な問題で特定地域の対立を煽り、判断や立場が分かれそうな小規模な衝突からエスカレーションを誘い、西欧と東欧の危機感の違いを突いて加盟国間を分断し「第5条が役に立たない」と証明すること。」

NATO第5条(集団的自衛権)の発動については、浮沈子は以前から机上の空論に過ぎないと見ている。

この記事は、そこんところを時系列にシミュレーションすることで分かりやすく解説している。

「曖昧で判断や立場が分かれそうな部分を攻撃して団結されると厄介なNATOをバラバラする」「単一の欧州をロシアへの危機感が異なるグループ毎に安全保障体制を再編させる」「再編されたNATOよりも小さなグループは相対的に戦力と能力の規模が小さくなる」「結果的にロシアの影響が強くなり干渉しやすくなる世界が出来上がる」

これに対するNATOの対応は掛け声だけだ。

「冷戦終結によって希薄していた存在意義の再確認=対ロシアにおける政治的意思の再確認」「第5条の有効性を担保する各国の再軍備」「見せかけではなく有事に機能する戦力と防衛産業能力の再構築」

記事は、ウクライナ戦争で見せるロシアの残虐性はプーチン政権によるものではなくロシアの国民性に根差したものというバルト3国の防諜担当者の認識を紹介している(ちょっと生々しくて、引用できない)。

「・・・このことを欧米人に説明しても中々信じてくれない」

「欧米の諜報機関でロシアと向き合っている諜報員はロシア人の残虐性や脅威について我々と共通認識を持っている。しかし欧米の政治家や諜報機関のトップはプーチンと一握りの側近だけに戦争の責任があると考えており、戦場で見せる残虐行為がロシア人に共通する国民性だと信じていない」(エストニア内務省警備部の関係者)

「・・・私は預言者ではないので将来を言い当てることは出来ないが、それでもロシアは本質的に変わらないまま同じことを繰り返すと思っている」(エストニアのカリス大統領)

つまりだな、既に欧州内部にはロシアの侵略に対する温度差が出来上がっていて、かつてワルシャワ条約機構に属していた国と、ロシア領土に組み込まれていたバルト3国との間ですらそれが見られる。

「ロシアとウクライナの戦争が世界規模に拡大するとは思っていない」「ロシアはウクライナさえ打ち負かすことが出来ないのだからNATOを攻撃できるわけがない」「この戦争には負けている」(ウクライナについて)「欧州はこの戦争に深く関与し過ぎているため米国とロシアの合意によって戦争は終結するだろう」(ハンガリーのオルバーン首相)

地図を見れば分かる通り、ベラルーシはウクライナだけではなく、ポーランド、リトアニア、ラトビアと国境を接している(もちろん、ロシアとも)。

今年のロシアとの合同演習から、何かが始まるとすれば、浮沈子的にはウクライナとは別の展開になるような気がしている。

誰もが、早期のロシア侵攻を予期してはいない。

疲弊したロシアにその力はないと考えている。

「ロシアはフィンランド、ノルウェー、エストニア、ラトビア、リトアニア、ポーランドと接するモスクワ軍管区、レニングラード軍管区、カリーニングラード特別地区から戦力の大部分をウクライナに転用して消耗したため「NATOと戦う余裕はない」と見る向きもある」

NATO主要国やロシアと隣接する周縁国も、懸念は示すものの数年先と予想している(今年じゃ対応できないしな)。

「ウクライナ戦争が終結後、数年以内にNATO加盟国とロシアの間で戦争が勃発するかもしれない」

そこがミソだ。

ベラルーシへの派兵(合同演習のための)は、その後の展開としてポーランド、リトアニア、ラトビアへも、ウクライナへもどちらでも転用可能だからな。

ウクライナ側は、うちがヤバいと大騒ぎするだろうし、カモフラージュにはうってつけのシチュエーションだ。

2025年の展望としては、浮沈子的にはベラルーシからスバルキギャップへの侵攻が濃厚と見ている。

ロシアにとっては、カリーニングラードへのアクセスという大義名分があるしな(大義名分になるのかあ?)。

その先には、バルト海の覇権を賭けたスウェーデン海軍との死闘が待っている(そういうことかあ?)。

欧州大戦争のきな臭い臭いがプンプンする。

来年になれば、ウクライナ紛争はさらに進展し、ドニエプル川左岸(東岸)と、黒海沿岸(オデッサ)を争う戦いが繰り広げられるといわれている(ウクライナがそう言ってるからな)。

欧州は、NATO非加盟のウクライナに対する軍事支援と、空文間違いなしのNATO第5条発動の2正面作戦を強いられる。

ロシアにそんな余力があるわけがない・・・。

ウクライナ紛争だって、3年間そう言われ続けて続いている。

戦略爆撃機の損失は、ウクライナ戦線としてではなく欧州大戦争への影響として痛手だったろう。

オレシュニク(新型中距離弾道ミサイル)があればいいというもんじゃないからな。

ウクライナの特殊作戦は、まだまだ続く可能性が高い(そういうのは得意だからな)。

損耗が拡大する前に、早いとこ使っちまうのが得策だ(そういうことかあ?)。

スバルキギャップを電撃侵攻するのに、それ程のリソースは必要ない。

NATO第5条が機能しないことを証明して見せるだけでいい。

さて、もう一つの可能性であるトランス二ストリア(沿ドニエストル共和国)へのウクライナの侵攻がどうなるかだが、ブダノフ辺りが画策してる可能性はある。

何の兆候もないし、欧州が潤沢な軍事支援を行うことが出来れば、2万トンの兵器に手を付ける必要もないだろう。

戦場は変わりつつある。

砲弾の代わりに、光ファイバーを引きずったFPVドローンが飛び交い、上空からはランセットみたいな徘徊弾薬が虎視眈々と獲物を狙っている。

重箱の隅では、ドニプロペトロウシク州への侵攻が話題だが、欧州への直接侵攻の戦端が開かれる日が、刻一刻と迫っている気がするんだがな・・・。

<以下追加>ーーーーーーーーーー

(ロ、新たな州侵攻は緩衝地帯形成が目的)
https://nordot.app/1304751696045523458

「ロシア軍がウクライナ東部ドニプロペトロウスク州に新たに侵攻を始めたとの発表に関し、侵攻は敵からの攻撃を防ぐ「緩衝地帯」づくりが目的の一つ」(ロシアのペスコフ大統領報道官)

ホントかあ?。

この話は俄かには信じられない気がするんだがな。

もちろん、メドベージェフの話とは大きく異なるが、彼はクレムリンとは距離があるからな。

ぺスコフが示した見解は、ロシアの公式のものだろう。

なぜなのか。

もちろん、和平プロセスとの整合性を取る必要があり、際限なく侵攻を続けるわけではないという明確な目的を掲げる必要があるからな。

ドネツク州の攻略に当たって、ウクライナ側の兵站を切る必要もある。

軍事的にも整合性は獲れるわけだ。

が、どうも浮沈子的にしっくり来ない。

ロシアの国内対策なのか。

厭戦気分が蔓延する中で、際限のない侵攻を続けることに対する「歯止め」を効かせようということなのかもしれない。

もうちっと、様子を見る必要があるのかもな・・・。