再使用ロケット2013年08月22日 22:38

再使用ロケット
再使用ロケット


ロケットというのは、使い捨てが一般で、再使用するには再使用に耐える材料の選定、専用設計のみならず、各部を徹底的に点検、整備して、万全を期さなければならない。

んなら、最初から再使用を考えずに、安上がりな材料と運用で、使い捨てにしたほうが、遥かに安く付くというのはスペースシャトルでさんざん経験してきたところだ。

しかしながら、人類というのは懲りない面々が多く、未だに再使用ロケットの夢を追い求めているのだ。

我が国において、ペンシルロケット発祥の地である、秋田の能代実験場で、こんなロケットが飛んでいたんだそうだ。

(再使用ロケットの研究)
http://www.jaxa.jp/article/interview/no3/

(発射動画:動画出ます)
http://www.jaxa.jp/article/interview/no3/img/rvt9.mpg

(科学映像館(宇宙) RVT-9 JAXA フライト実験成功)
http://www.youtube.com/watch?v=Ogm5w6RxS3A

どうやら、金が続かなくてお蔵入りになり、忘れ去られてしまったようだ。

ところが、これが米国の民間企業が打ち上げたとなると、世界中で大騒ぎになっている。

(グラスホッパー (ロケット))
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B0%E3%83%A9%E3%82%B9%E3%83%9B%E3%83%83%E3%83%91%E3%83%BC_(%E3%83%AD%E3%82%B1%E3%83%83%E3%83%88)

最新の情報によれば、横方向への遷移飛行もこなしたそうだ。

(スペースX社のグラスホッパー、初の横方向への飛行)
http://www.sorae.jp/030899/4978.html

この記事の中に、「再使用ロケットのデルタ・クリッパー実験機(DC-X)」というのが出てくる。

(DC-X:画像参照)
http://ja.wikipedia.org/wiki/DC-X

JAXAのRVTシリーズに酷似している。

いや、もとい、RVT「が」酷似している・・・。

真似っこ饅頭、マメ屋の小僧であるな。

(GRASSHOPPER 100M LATERAL DIVERT TEST:スペースX元記事)
http://www.spacex.com/news/2013/08/14/grasshopper-100m-lateral-divert-test

なかなかやるじゃないか!。

見る限り、飛行経路や制御も安定しているようで、低出力噴射の調節もうまくいっているようだ。

これだけ見てると、再使用ロケットなんて、明日にでも実現しそうな気がするが、そう簡単ではないのだろう。

なぜなら、彼らはこれを使って、人間を宇宙に送り込もうとしているのだから。

(普通の人が宇宙旅行できる時代がついに来る!?民間企業「スペースX」宇宙船ドラゴンの偉業)
http://diamond.jp/articles/-/19608

「スペースXでは今後、ファルコンを再利用型に、そしてドラゴンを有人宇宙船へと作り替える開発を進める予定」とある。

さて、そんな米国の状況を上目遣いで見ながら、地道に開発を続けているのが我が国である。

(イプシロン「準備順調」 JAXAが会見)
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/kagoshima/news/20130821-OYT8T00027.htm

燃焼制御の利かない固体燃料ロケットを使用(もちろん、使い捨て)して、安上がりの打ち上げを行おうというのだが、後期型のE-Iでも、1回の打ち上げに30億円の費用がかかる。

M-Vロケットに比べれば、半分以下とはいえるが、3分の1には届かない。

打ち上げ能力にいたっては、3分の2以下である。

イーロン・マスクは、再使用ロケットのコストを、打ち上げ1回当り10億円(使い捨ての10分の1)くらいに見積もっているので、イプシロンなんかでは、とてもとても太刀打ちできない。

世の中は、金持ちだけが儲かる仕組みになっているのだ。

この有人再使用ロケットで、宇宙を往復すると、概ね一人当たり、1.5億円くらいの出費になる(ドラゴンは7人乗りだし)。

まだまだ高い。

チャールズ・ブランソンのスペースシップは、2千万円くらいだという。

うーん、2千円くらいで行けるようにならないものか。

やっぱ、軌道エレベーターが出来ないと、庶民が気軽に宇宙旅行するというわけにはいかないのだろう。

(軌道エレベータ)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%BB%8C%E9%81%93%E3%82%A8%E3%83%AC%E3%83%99%E3%83%BC%E3%82%BF

「一つの試算によると現行ロケットの場合、物資1ポンドあたりの輸送コストが4 - 5万ドルであるのに対し、軌道エレベータの場合約100ドル(1 kg 当たり220ドル)となる」とある。

浮沈子の場合は、約200万円ということになる(割り算するな!)。

まだまだ、高い。

(蜘蛛の糸)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%9C%98%E8%9B%9B%E3%81%AE%E7%B3%B8

(蜘蛛の糸:青空文庫)
http://www.aozora.gr.jp/cards/000879/files/92_14545.html

「ある日の事でございます。御釈迦様は極楽の蓮池のふちを、独りでぶらぶら御歩きになっていらっしゃいました。池の中に咲いている蓮の花は、みんな玉のようにまっ白で、そのまん中にある金色の蕊からは、何とも云えない好い匂いが、絶間なくあたりへ溢れて居ります。極楽は丁度朝なのでございましょう。」

フィクションとは、便利なものである。

お釈迦様は、どのようにして極楽に行くことができたのか(軌道エレベーターか?)。

池の水が絶えないのはなぜなのか(雨乞いの踊りでもしたのかあ?)。

真空の宇宙で蓮の花が咲くのは何故か。

匂いの粒子は、真空中で、どのように拡散するのか。

まあいい。

カンダタと大差ない浮沈子は、蜘蛛の糸にすがって宇宙に行くしかないのかもしれない。

「そこでカンダタは大きな声を出して、「こら、罪人ども。この蜘蛛の糸は己のものだぞ。お前たちは一体誰に尋いて、のぼって来た。下りろ。下りろ。」と喚きました。
 その途端でございます。今まで何ともなかった蜘蛛の糸が、急にカンダタのぶら下っている所から、ぷつりと音を立てて断れました。ですからカンダダもたまりません。あっと云う間もなく風を切って、独楽のようにくるくるまわりながら、見る見る中に暗の底へ、まっさかさまに落ちてしまいました。
 後にはただ極楽の蜘蛛の糸が、きらきらと細く光りながら、月も星もない空の中途に、短く垂れているばかりでございます。」

「自分ばかり地獄からぬけ出そうとする、カンダタの無慈悲な心が、そうしてその心相当な罰をうけて、元の地獄へ落ちてしまったのが、御釈迦様の御目から見ると、浅間しく思召されたのでございましょう。」

まあ、自業自得というわけだな。

しかし、蜘蛛の糸には、知られざる続編がある(わきゃない!)。

一度は血の池の底に沈んだカンダタだが、再び垂れてきた蜘蛛の糸にぶら下がって、今度は地獄に蠢く罪人共もろとも極楽に辿り着き、お釈迦様を寄って集ってボコボコにしちまいましたとさ・・・(罰当たりな!)。

「しかし極楽の蓮池の蓮は、少しもそんな事には頓着致しません。その玉のような白い花は、カンダタの足のまわりに、ゆらゆら萼を動かして、そのまん中にある金色の蕊からは、何とも云えない好い匂が、絶間なくあたりへ溢あふれて居ります。極楽ももう夕暮れ近くなったのでございましょう。」

これが、本当の蜘蛛の糸の再使用というヤツだな。