電気ブレーキ2013年07月01日 01:39

電気ブレーキ
電気ブレーキ


もう、殆んど電車に近くなってきた自動車も、とうとう、ここまで来た。

(アコード、市販四輪車で世界初採用のフル電動ブレーキ、その実力は)
http://response.jp/article/2013/06/29/201145.html

「新型『アコードハイブリッド』には市販四輪車としては初となるフル電動ブレーキシステムが採用された。」とある。

「「ペダル・フィール・シミュレーター」と「タンデム・モーター・シリンダー」は機構的には切り離されているのだが、構造的には1つの油圧ラインでつながっていて、ペダルストロークセンサーの不具合などがあった場合には油圧ブレーキとして作動するようになっている。」

アタマが悪いのか、「機構的には切り離されている」「ペダル・フィール・シミュレーター」と「タンデム・モーター・シリンダー」が、構造的につながっているという意味がまったく理解できない。

油圧ブレーキとのハイブリッドなんだろうか?。

フル電動ブレーキというのは、ガセなのか?。

(電動サーボブレーキシステム:ホンダの開発チームの記事)
http://www.honda.co.jp/tech-story/engineer/engineer-talk/esbs/

「ブレーキペダルを踏む力を電気信号に変え、それを基にブレーキに取り付けたモーターを直接動かしてクルマを止める。つまり、"電動ブレーキ"ということですね。」

「当時の上司から、『電気がなければ止まれないじゃないか! バッテリーがあがったらどうするんだ? 電気がないと止まれないようでは開発は継続できない』といわれましたよ。バッテリーを3個載せるから大丈夫だと言い張りましたが、ダメでしたね(笑)」

「じゃあ、つながっていればいいんだろうってことで、電気がなくなったときにバックアップする油圧システムを併設しました。」

「『これならやろう!』という話になりました」

「ペダル操作部には、ペダルを踏む力を電気信号に変えるセンサーに加えて、マスターシリンダーを搭載。ふだんは、ブレーキ動作部に油圧を伝えず、代わりに、コンピューターがモーターをコントロールしてブレーキへの油圧をつくり出します。これなら、制御の自由度は大きく向上しますね。そして、いざというときには、マスターシリンダーの油圧がブレーキ動作部に伝わるのでクルマが止まるというわけですか。」

「回生ブレーキと油圧ブレーキとでは応答が全然違うんです。そのブレンドをドライバーにわからないようにするには、ペダル操作部とブレーキ動作部が独立する電動サーボブレーキが好都合でした。」

「あたりまえですが、回生ブレーキをたくさん使うと電動サーボブレーキ自体は止まり際にしか働かないです。よく動くように一生懸命つくったのに、ふだんはほとんど動いていないんです(笑)」

「踏んだら気持ちいい、もう一度踏みたい、というブレーキ。『あのブレーキがあるからHonda車に乗りたい』といわせてみたい(笑) 」

まあ、03ボクスターは、電動ブレーキでなくても、踏みたくなるブレーキですが!。

しかし、文章で書かれても、いま一つ、よくわからない。

通常は、油圧部分とペダルの動作は物理的に切り離されていて、電気信号だけがモーターに伝わる。

モーターは、油圧を作り出し、通常のブレーキキャリパーが作動して、ディスクを挟む。

電機部分が壊れると、ペダルと油圧機構が直結して、通常のブレーキとして働く。

こんな感じなんだろうか。

通常時:ペダル→電気信号→モーター→油圧→キャリパー

故障時:ペダル→油圧→キャリパー

この機構のポイントは、2つ。

その1:ブレーキの特性を電気仕掛けでいじれること(回生ブレーキの不自然さの改善含む)。

その2:最終的にキャリパーを作動させるのが油圧なので、電気系の故障のときに、油圧機構でバイパスすることにより、バックアップ経路を確保できる。

(停止までの流れ:通常時の回生ブレーキと電動サーボブレーキの作動)
http://www.honda.co.jp/tech/auto/esbs/topic3/

このアニメの中の「アクチュエーター」というのが、「タンデム・モーター・シリンダー」という機構らしい。

こうして、回生ブレーキの効率アップというオマケも付いて(というか、会社的にはこっちの方がメイン?)、日の目を見ることができた電動サーボブレーキだが、これって、油圧ブレーキの制御部を電動化した過ぎない。

開発チームが当初導入しようとしていたのは、ピュアな「電気ブレーキ」であったわけだ。

製品化されたのは、妥協の産物・・・?。

こんな記事もある。

(電動ブレーキ:曙ブレーキのページ)
http://www.akebono-brake.com/product_technology/technology/next_generation/index.html

「電動ブレーキは、ディスクブレーキパッドの押しつけ機構を電動化したブレーキシステムで、ブレーキペダルを踏むと電気信号が発生して、キャリパー部分のモーターが作動し、車輪にブレーキがかかる仕組みです。」

「油圧配管やABSなどの油圧装置が不要で大幅な軽量化ができます。さらに、メンテナンスなどで廃液処理されるブレーキフルードが不要で、環境負荷軽減にも貢献」

「電動ブレーキには、パーキングブレーキを電動で作動するタイプもあります。パーキング専用ブレーキが不要になることで車両全体の軽量化に貢献できる上、スイッチやアクセルによるパーキングブレーキの操作が可能」

信頼性が高ければ、電気オンリーの方がシンプルである。

(電動ブレーキユニットの開発:NTNの記事:画像はこのユニット)
http://www.ntn.co.jp/japan/products/tech/review/pdf/NTN_TR75_P053.pdf

ピュアな電気ブレーキについて、実用化される目処がたっているとはいえないようだ。

試験段階なんだろうか。

しかし、メリットがどれだけあるにしても、車両を停止させるためのデバイスなので、安全性の確保が最優先である。

利き味の追求とともに、安全性や耐久性・保守性の向上に注力してもらいたい。

(電動型制御ブレーキ)
http://www.nissan-global.com/JP/TECHNOLOGY/OVERVIEW/edib.html

日産が導入している「電動制御ブレーキ」というのは、ペダル直結の倍力装置を電動化して制御しようとするもので、基本は油圧ブレーキである。

初代プリウスのオーナーでもあった浮沈子に言わせれば、あのカックンブレーキのフィールは許し難い!。

試乗したLS600hのブレーキは、しごくマトモだったので、トヨタも改善はしているのだろう。

完全電気ブレーキの導入が、いつになるのか。

ちょっと、注目の技術である。

メガネ対時計2013年07月01日 23:44

メガネ対時計
メガネ対時計


グーグル・グラスの登場は、ある意味でインパクトがあった。

ウェアラブル端末の、一つの究極と思われたからだ。

ハンズフリーで、何時でもネットにアクセスできる。

(Google Glass)
http://ja.wikipedia.org/wiki/Google_Glass

昔、WYSIWYGという言葉が流行った。

(WYSIWYG)
http://ja.wikipedia.org/wiki/WYSIWYG

「What You See Is What You Get(見たままが得られる)の頭文字をとったものであり、「is」を外したWYSWYG(ウィズウィグ)と呼ばれることもある。」

「ディスプレイに現れるものと処理内容(特に印刷結果)が一致するように表現する技術。」という、味も素っ気もない解説。

浮沈子は、ポストスクリプトプリンターのことだとばっかり思っていた。

「見たままが得られる」というのは、まあ、比喩的な表現だが、グーグル・グラスは、カメラと連動させて、見たままを動画データとして取り込んだり、バーチャルな情報と重ね合わせて、リアルな情報を補正することも出来る。

「イノセンス」という、押井守監督のアニメ映画がある。

衒学趣味というか、うるさいくらいに古今東西の名セリフが出てくるのだが、主人公の一人、バトーの目にはコンピュータが内蔵されており、ストーリーの冒頭近くで、殺人事件の現場のシーンにおいて、見たものにネットから抽出した情報を重ね合わせて表示するという、ちょっと凝った映像が出てくる。

「ゴクウ」というアニメビデオもあり、こっちは片目だけだが、世界中のコンピューターを操ることが出来るという、フィクションならではの機能がある。

この辺りになると、まさしく、「見たままが得られる」ということになりそうだ。

視覚と連動したインターフェースは、人間が80パーセントの情報を視覚から得ていることもあり、非常に分かりやすく、強力な機能を付与できる。

逆に、オブジェクトが抽象化されにくいことが欠点となるかもしれない。

(How It Feels [through Glass]:動画出ます)
http://www.youtube.com/watch?v=v1uyQZNg2vE

この中で、クラゲの解説が画面に出てくるのだが、位置情報と連動させると、この水族館にいるこのクラゲの解説が出てくる可能性がある。

クラゲ一般なのか、特定の種類のクラゲなのか、ホントに特定された1匹のクラゲなのか(クラゲの人相(?)を、映像から識別できるようになるのかもしれないし・・・)。

まあいい。

今日、こんな記事が出た。

(アップル、日本で「iWatch」の商標登録を申請)
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYE96008920130701

日本だけではなく、各国で商標の登録申請を行っているらしい。

「コンピュータや周辺機器のほか、メガネ、腕時計などといった製品向けの商標として出願している。」とある。

あれ?、時計じゃないの?。

「watch」には、注視するという意味もあるので、メガネ型のデバイスに付けてもおかしくはない。

でも、まあ、時計だろうな。

(この中に正解はあるのだろうか?デザイナーの考える、「iWatch」のコンセプトデザイン6つ)
http://gori.me/apple/27137

どれも、大したこたぁないような気がするんだが。

カッコなんかどうでもいいから、流星号が呼べたり、30秒間時間が止められたりする機能が付いていた方がいい(ムムッ、タイムストッパーだな!)。

今や、ケータイやスマホを持ち歩く若者は、時計などという「余計な物」は身に着けないのかも知れない。

それらに代わるアイテムで、身につけるものといったら・・・。

やっぱ、コレでしょう!?。

(ULTRA SEVEN - linha do tempo - TRANSFORMATION:動画出ます!)
http://www.youtube.com/watch?v=w0pnz_Evxuw

(ウルトラアイの研究室)
http://members.jcom.home.ne.jp/usaq/ui.htm

マニアの間では、「Uアイ」といわれているのかあ?(どこかの政党の元代表が掲げた、ムズムズするようなスローガンではない!)。

「アイ・ウォッチの、正体見たり、ウルトラ・アイ!」

んなわきゃ、ないだろうが!。

しかし、このアイテムは、変身願望をくすぐるオトナのアイテムとしても存在感がある。

(This Masquerade : Carpenters)
http://www.youtube.com/watch?v=N30s8EGEx6s

(第10回 カーペンターズ This Masquerade:歌詞と訳)
http://barcarolle2009.cocolog-nifty.com/blog/2009/06/this-masquerade.html

まあ、偽りの時間を過ごすオトナの悲哀だな。

カレン・カーペンターって、ホント、いい声だよなあ!。

んなこたぁ、どーだっていい!。

Uアイはともかく、「iWatch」がブレスレット型の端末であるという線は固い。

今年中に発表、遅くとも来年には手に入れられるだろう。

(iWatch 発売日と予約日のリーク情報 - NAVER まとめ)
http://matome.naver.jp/odai/2136171648889285001

さて、どんなコンセプトで出てくるのだろうか。

(米Apple、「iWatch」のようなウェアラブルデバイスに関する特許を申請)
http://taisy0.com/2013/02/21/14348.html

なんか、大したことないような気もするんだが。

また、アップルの株価が下がりそうな予感がする。

(iWatch - A Future Concept:いきなり、こりゃ無理だろう?)
http://www.youtube.com/watch?v=u5OV_BJreTA

新RR時代2013年07月03日 01:07

新RR時代
新RR時代


今日は、絶対にP社のクルマのことは書かない!。

大型バスのことも書かない。

それでも、RR(リアエンジン、リア駆動)の話ができると思っている。

それどころか、そのうち、最も普及する駆動方式になるのではないかと考えている。

話を始める前に、RRの定義を少ししておきたい。

座席の後ろにエンジンを積むということなのである。

後輪の車軸の前なのは、MRとして区別すべきだろうが、厳密な定義は難しい。

原動機の一部でも車軸にかかっていれば、RRとすることも出来るが、それではMRの殆んど全てがRRになってしまう。

せめて原動機の重心が、後輪の車軸(リアアクスル)の後ろでないと、RRとは呼べんなあ!。

例えば、ⅰ(三菱)は、後席の後ろにエンジンを搭載している。

(三菱i(アイ)透視図)
http://www.carview.co.jp/road_impression/2006/mitsubishi_i/photo_imp/default.asp?p=2

しかし、エンジンの重心は、後輪車軸の前にあるので、MRということになる。

ロータスのエヴォーラも、同じ理由でMRである。

(おはようございます。 Lotusの新しいモデルが正式発表されました!!:透視図参照:開発コードは「eagle」だったんですねえ!)
http://minkara.carview.co.jp/en/userid/139567/blog/9645853/

うーん、まあ、ギリだな。

殆んどRRであるが、ビミョーにMRである。

浮沈子は、マニュアルの設定しかない頃に、一度だけ試乗したが、営業さんの話では、ポルシェからの乗換えが多いという(いけね!、今日は、この話は書かないんだっけ・・・)。

まあいい。

正真正銘のRRは、実は意外なところにある。

(テスラ:モデルS:特長とスペック:安全性)
http://www.teslamotors.com/jp/models/features#/safety

少し分かりづらいイラストなのだが、左側が前で右側が後ろになる。

リアタイヤの影に、モーターユニットが見えるが、確かにリアアクスルの後方に位置している。

これだけなら、大したことはない。

高級セダンがRRになったくらいでは、新RR時代とはいえない。

(BMW i3 Concept ― メガシティ・ビークル.:BMW i3 ConceptのLifeDrive(ライフ・ドライブ)アーキテクチャー.:しかしなあ、こんなとこまで50:50に拘るって、ホント、ビョーキだな・・・)
http://www.bmw-i.jp/ja_jp/bmw-i3/#the-lifedrive-architecture-of-the-bmw-i3-concept

「eDriveシステムは、全体として、同等の内燃エンジンよりもはるかにコンパクトで、駆動輪を収めるリヤ・アクスルの上の狭いエリアに、電気モーター、ギヤ・アセンブリー、駆動系エレクトロニクスが省スペースな方法で巧みに組み込まれています。」とある。

アニメーションでは、リアアクスルの「前」か「後ろ」かは良く分からないが、「上」だと書いてあるので、RRということにしておこう!(これは、MRとはいい難いし:画像参照)。

BMWが、いきなりボリュームゾーンに投入してくるとは、正直、意外だった。

高価格帯のハイブリッド車である「ⅰ8」で市場に楔を入れ、普及価格帯の「ⅰ3」は、量産効果を考えながら投入してくると思っていたのに。

それだけ自信がある、ということなのだろう。

実際、このⅰ3が成功するということは、電気自動車を量産化して販売するという、日産や三菱が既に行っていることとは、自動車という機械にとって、全く意味が異なる。

そう、アルミシャシーとカーボンボディの組み合わせによる、ボディ構造の革命なのだ。

電気自動車ならではの、シャシーとボディの分離、コンポーネント化、そして、スチールボディとの決別。

この話、長くなるので、またの機会に譲る。

で、このボディが成功すれば、他社が黙っていないだろう。

ガソリンエンジンやディーゼルエンジンを積んだ自動車に、FRやFFが多いのは、エンジンがでかくて、フロントにしか収まらないというのが本当のところだ(キャブオーバーはどーする?)。

モーターなら、コンパクトでよろしい。

トラクションとスペース効率を考えれば、リアに搭載するのが有利である。

FFでは、上り坂でのトラクションがかからないし、ブレーキング時のノーズダイブも発生する。

前後のバランスを考えた場合、リアモーターというのは、一つの有力な選択肢である。

どころか、ベストの配置ではないのか。

繰り返しになるが、でかいエンジンでは、なかなか実現できないレイアウトなのである。

インホイールモーターという、また別の解もあるが、重量とコストの問題があって、これはこれで導入に向けてのハードルが高い。

サンダーバードに出てくる、ロールスロイス・ペネロープ号(ファブ1)のような、超高級6輪車とかならいいかもしれないが。

それ以外の普及価格帯のミニバンクラスまでなら、RRという構成は、最適解の一つだ。

これには、もう一つのオマケがある。

フロントの衝突安全性の向上に寄与することである。

エンジンという重量物を捌く必要がないので、ビームの構造を最適化できる。このことは、同じ安全性を確保する場合は、軽量化にも繋がる。

完全電気自動車であれ、燃料電池車であれ、モーターをリアに搭載するということは、第一選択のレイアウトになる可能性が高い。

(The all-electric BMW i3 is coming. Unveiling July 29th. It's time to learn a new german word)
http://www.facebook.com/photo.php?fbid=657220174305692&set=a.190957987598582.52541.148967578464290&type=1&theater

ⅰ3のアンベールは、今月の29日と発表されている。

ま、P社のなんとかいうクルマも、モーター駆動になったあかつきには、「いやーっ、一時は厳しかったけど、このレイアウトにしといてヨカッタねえ!」ということになるんだろうか。

いけね!、今日はこの話は書かないことにしてたんだっけ・・・。

新RR時代22013年07月03日 22:09

新RR時代2
新RR時代2


今日こそ、絶対にP社のクルマのことは書かない!。

大型バスのことも書かない。

それでも、RR(リアエンジン、リア駆動)の話ができると思っている。

で、コンパクトカーの中でも、スマートが与えたインパクトは強烈だった。

(スマート (自動車))
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%83%9E%E3%83%BC%E3%83%88_(%E8%87%AA%E5%8B%95%E8%BB%8A)

2代目になってから試乗していないが、初代には乗ったことがある。

ボディ剛性の高さに驚いた。

カチッとして、安心感がある。

ショボイエンジンは、まあ、仕方ないとしても、最悪のトランスミッションは、何とかして欲しかった。

今は、多少は改善されているのだろうか。

エンジンは、三菱の999ccを積んでいるらしい。

ⅰ(アイ)のエンジンのボアとストロークを広げたもののようだ。

(三菱・3B2型エンジン:3B21)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%89%E8%8F%B1%E3%83%BB3B2%E5%9E%8B%E3%82%A8%E3%83%B3%E3%82%B8%E3%83%B3#3B21

(Technology)
http://www.smart-j.com/products/fortwo/technology.html

で、このエンジンは、当然、RRになっている。

透視図とか見つからなかったのだが、画像のようなメンテナンスの写真をみると、確かに、RRだとわかる。

ⅰ(アイ)の場合は、前方に傾けてMRとしているのだが、スマートは、どうやら後方に傾けてRRとしているらしい。

車軸の上であることには違いないのだが・・・。

前回の「新RR時代」で、コンパクトなモーター駆動がRR構成に適していると書いたが、リッターサイズの小型エンジンも、同様の理由でRR構成としやすい。

じゃあ、軽自動車は、なぜそうしないか、という議論をしてもいいのだが、浮沈子が思うに、整備性の問題があるのではないか。

上架しないとメンテナンスが出来ないというのは、ちょっと考え物ではある。

ただし、それが真の理由ではなかろう(整備性については、後述)。

タタのナノもRRである。

(タタ・ナノ)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%BF%E3%82%BF%E3%83%BB%E3%83%8A%E3%83%8E

「リアエンジン・リアドライブ方式のモノスペース型4ドア車で、極小タイヤを装着し、舗装路面の走行性能としては必要充分な能力があるとされている。」とある。

(Technical Specifications:ナノのページ:ブレーキはドラム式)
http://www.tatanano.com/specifications.htm

(Tata’s Nano Comes to the Big Apple:透視図を見ると、MRだなあ)
http://www.lassiwithlavina.com/24_7_talkischeap/tatas-nano-comes-to-the-big-apple/html

こういった究極のコンパクトカーの場合は、RRという機構は、コスト的なメリットも大きいだろう。

「他の部品もコストダウンのため、複合部分を一体加工しているものも多く(モジュール化)、整備や故障時の対応に課題があるといえる。」とある。

水冷ポルシェのエンジンは、インターミディエイトシャフトがぶっ飛ぶと、丸ごと交換だというから、大した問題ではなかろう(また書いてしまった・・・)。

まあいい。

日本市場に投入する予定はないと書いてあるので、試乗するわけにもいかないが、スクーターがライバルという変わったコンセプトのクルマである。

究極のミニマム、ベーシックカーだ。

ある意味で、現代におけるクルマの原点である。

「助手席側のドアミラーが無い」とあるが、ポルシェ912の写真を見ると、運転席側のサイドミラーしかない。

(ポルシェ・912)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9D%E3%83%AB%E3%82%B7%E3%82%A7%E3%83%BB912

(Porsche 912)
http://en.wikipedia.org/wiki/Porsche_912

確かに、助手席側ミラーはない(付いている写真もあります)。

書かないといっている割には、なぜかP社に関係ある記述が出てきてしまう・・・。

まあ、どうでもいいんですが。

ナノは、インド版国民車だという記述もある。

国民車といえば、フォルクスワーゲン・タイプ1を挙げないわけにはいかない(これって、P社じゃないからOK!)。

(フォルクスワーゲン・タイプ1)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A9%E3%83%AB%E3%82%AF%E3%82%B9%E3%83%AF%E3%83%BC%E3%82%B2%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%82%BF%E3%82%A4%E3%83%971

RR隆盛の歴史は、ガソリン自動車黎明期の第1期(1890年代)、このタイプ1を初めとしたコンパクト車の勃興期である第2期(1930年代)、そして、浮沈子が予言する第3期(2020年代:ホントかあ?)に大きく区分される。

タイプ1(ビートル)は、正に、燦然と輝くRRのヒーロー、ナンバー1、空前にして絶後(たぶん)の販売台数「2152万9464台」を記録したクルマである。

「ポルシェは整備性にも重きを置いており、ビートルのエンジンルームはコンパクトだが整備に支障のないように必要充分なゆとりが確保されていた。」とある。

RRだから、整備性が悪いというわけではないようだ。

「エンジン交換も比較的容易で、1970年代などに盛んに行われたファン・ミーティングでは「エンジン脱着競争」(ル・マン式スタートの如く、車から離れたスタート地点から二人一組のチームが車に駆け寄り、エンジンを外した後、それを台車に載せてスタート地点に戻り、また車に戻ってエンジンを装着し、エンジン始動の後に車をスタート地点までバックさせてゴール。平均タイムは20分少々)が恒例行事として行われていた。」とある。

(How to remove (and replace!) a Beetle engine in a record time:動画出ます)
http://www.youtube.com/watch?v=7T51LmuhOA8

「だが1960年代以降は、設計の古さによるスペース・ユーティリティの悪さや、リアエンジンとスイングアクスル式独立懸架による高速走行時の不安定さ、空冷エンジンの騒音などが問題視されるようになる。」

「しかし、フォルクスワーゲン社は決定的な代替車種開発に失敗し続けて1970年前後は経営困難に苦しみ、1974年に前輪駆動方式の本格的な代替車「フォルクスワーゲン・ゴルフ」を世に出すまで、前時代化したビートルを主力車種としたまま、改良のみでしのぐことになった。」

今や、ブガッティ、アウディ、ベントレー、ランボルギーニ、ポルシェなどを傘下に納め、飛ぶ鳥を落とす勢いのVWだが、このころは、ビートル頼みのショボイメーカーだったわけだ。

水冷エンジン、FF構成という、パラダイムの転換に成功して発展を遂げるわけだが、ビートルが歴史的な車種であったことは確かである。

排ガス規制、騒音規制という、ポルシェと同じような理由から、空冷エンジンの命脈は尽き、既に、代替車(ゴルフなど)が普及していたことから20世紀初頭に生産を終える。

水冷ビートルはFFとして甦るが、中身はゴルフやジェッタである。

(フォルクスワーゲン・ニュービートル:ゴルフと同じA4プラットフォーム)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A9%E3%83%AB%E3%82%AF%E3%82%B9%E3%83%AF%E3%83%BC%E3%82%B2%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%8B%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%83%93%E3%83%BC%E3%83%88%E3%83%AB

(フォルクスワーゲン・ザ・ビートル:こちらは、ジェッタと同じA5プラットフォーム)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A9%E3%83%AB%E3%82%AF%E3%82%B9%E3%83%AF%E3%83%BC%E3%82%B2%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%82%B6%E3%83%BB%E3%83%93%E3%83%BC%E3%83%88%E3%83%AB

RRは、現代の乗用車においては不遇の構成であり、現役の車種は殆んどない。

浮沈子が主張する、第3期隆盛期となる「新RR時代」は、本当に来るのだろうか?。

一世を風靡しているFFに、取って代わることが出来るのだろうか。

本質的に低コストで実現でき、スペース効率にも優れるRRは、原動機の配置と駆動輪の組み合わせとして、決して劣っているわけではない。

優れたボディと電子制御サスペンションを組み合わせれば、世界屈指のスポーツカーにも採用できるという実例もある(また書いてしまった・・・)。

今後も、RRの動向に注目していきたい。

マルチホイール2013年07月03日 23:54

マルチホイール
マルチホイール


ここでいうマルチホイールというのは、3輪車のこと。

特に、注目なのは、前輪が2つある3ホイラーである。

(ピアジオの三輪スクーター)
http://www.narikawa.co.jp/piaggio_top.html

(2014 YAMAHA 3輪スクーターLMW(Leaning Multi Wheel))
http://meisourider.blog134.fc2.com/blog-entry-2263.html

(YAMAHA Leaning Multi Wheel WEB Mr. Bike:動画出ます)
https://www.youtube.com/watch?feature=player_embedded&v=ol0e0fDyPsA

これって、どこかで見た記憶がある。

(トヨタのリーンするパーソナルモビリティがジュネーブモーターショーでデビュー【動画】:i-ROAD)
http://clicccar.com/2013/03/06/214499/

トヨタが作るとクルマになり、ヤマハが作るとバイクになるわけだが、トヨタのi-ROADの方は、自分でバランスをとる必要はない。

電子制御でリーン(傾き)をコントロールしてる。

ピアジオやヤマハのは、二輪イクと同じで、ライダーが積極的にバランスを取らないとコケる。

乗り物としての本質的な違いがあるわけだ。

i-ROADについては、以前にもこのブログで取り上げている。

(電気じかけのオレンジ)
http://kfujito2.asablo.jp/blog/2013/03/17/6748297

三輪自動車については、このページ。

(Three-wheeler)
http://en.wikipedia.org/wiki/Three_wheeled_car

(三輪自動車)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%89%E8%BC%AA%E8%87%AA%E5%8B%95%E8%BB%8A

(オート三輪:懐かしいですなあ!)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AA%E3%83%BC%E3%83%88%E4%B8%89%E8%BC%AA

こんなのもある。

(ターレットトラック)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%83%AC%E3%83%83%E3%83%88%E3%83%88%E3%83%A9%E3%83%83%E3%82%AF

魚市場などで走り回っている、小回りの利く運搬車である。

以前、紹介したモーガンにも三輪車がある。

(Super Sports 1937.jpg:昔のやつ)
http://en.wikipedia.org/wiki/File:Morgan_Super_Sports_1937.jpg

(2012 US-spec Morgan 3-wheeler.jpg(復刻版:画像参照))
http://en.wikipedia.org/wiki/File:2012_US-spec_Morgan_3-wheeler.jpg

車種こそ少ないが、3輪自動車アンドバイクは、独自の世界を作っているようだ。