宇宙の歴史2013年12月04日 16:40

宇宙の歴史
宇宙の歴史


タイムマシンがあればいいなあ、と思っている人々は大勢いるだろう。

未来を見て、競馬の勝馬投票券を買うとか、過去に戻って、失敗の尻拭いをするとか。

そういう、ふとどきな使い方ではなく、歴史学者とかは、当時の世界に行って直接見聞したり、失われてしまった記録や遺構を確認できればいいと考えているかもしれない。

しかし、その夢のようなタイムマシンを持っている研究者がいる。

天文学者といわれている連中だな。

まあ、タイムマシンとか大げさな話ではなく、ドデカイ望遠鏡を使い倒して、宇宙空間の遠くの方を見ることができるわけだ。

そうすると、自動的に過去の宇宙を眺めることになる。

真空中を光が進む速度は有限なので、1光年離れた天体(そんな「近く」の天体は、見つかってませんが)から、いま、地球に届いた光は、1年前にその天体を出発したことになる。

じゃあ、その1年後に当る、いま、この瞬間はどうなっているかというと、いまから1年後にならないと分からない。

えーっ!?、それじゃあ、いつまで経っても、過去の姿しか見られないってことなのかあ?。

もちろんその通りだし、もっといえば遠方の天体ほど、速い速度で我々から遠ざかっていることが分かっているので、どんどん昔の姿しか見えなくなっていってしまうことになる。

ただし、ご近所(といっても、100万光年とか、1000万光年くらいの単位の話ですが)の局所的な宇宙空間では、近付いてくる天体もある。

(銀河系とアンドロメダ銀河の衝突合体)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%8A%80%E6%B2%B3%E7%B3%BB%E3%81%A8%E3%82%A2%E3%83%B3%E3%83%89%E3%83%AD%E3%83%A1%E3%83%80%E9%8A%80%E6%B2%B3%E3%81%AE%E8%A1%9D%E7%AA%81%E5%90%88%E4%BD%93

「2002年から2010年までハッブル宇宙望遠鏡でアンドロメダ銀河の動きを追跡した結果、2012年、科学者達は、衝突は決定的だとの結論に達した」とある。

まあ、心配には及ばない。

その頃には、地球上の生命なんて、影も形も無くなっているだろう。

(Date set for desert Earth)
http://news.bbc.co.uk/2/hi/sci/tech/specials/washington_2000/649913.stm

「If we calculated correctly, Earth has been habitable for 4.5 billion years and only has a half billion years left.」

この話が本当なら、地球上の生命の余命は、5億年ということになる。

「銀河系とアンドロメダ銀河の衝突合体(Andromeda–Milky Way collision)は、約40億年以内に発生すると予測されている」

知るかよ!。

まあいい。

宇宙の歴史は、この先もまだまだ続くのだろうが、人類がそれを認識することはない。

他の恒星系に移住するにしても、偶然近くを通り過ぎる恒星が現れない限り、余りに遠すぎて不可能である。

生態系の遺伝子プールをデータとして記録して、宇宙に播種するとかしない限り、地球上の生命の存在は、5億年先でおしまい!。

これは、SFとかではなく、科学的な推測であって、蓋然性がある。

さて、そんな夢も希望も打ち砕くような話ではなく、こんな記事が目に止まった。

(巨大な天体「ヒミコ」をアルマ望遠鏡とハッブル宇宙望遠鏡で観測…日米の国際研究チーム)
http://response.jp/article/2013/11/26/211621.html

(巨大天体“ヒミコ”の謎解明)
http://www.nationalgeographic.co.jp/news/news_article.php?file_id=00020131125003

(AN INTENSELY STAR-FORMING GALAXY AT z ~ 7 WITH LOW DUST AND METAL CONTENT REVEALED BY DEEP ALMA AND HST OBSERVATIONS:元記事:というか、論文そのものを読めます)
http://authors.library.caltech.edu/42637/

(ヒミコ (天体))
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%92%E3%83%9F%E3%82%B3_(%E5%A4%A9%E4%BD%93)

「ヒミコは「くじら座」の方向、129億光年離れた遠方にある非常に明るい巨大なガス雲で、2009年に発見された。137億年前に宇宙が誕生してからわずか8億年後のもの」とナショジオにある。

「一直線に並んだ3つの星団を巨大な水素ガス雲が包み込んでいる構造をしていることが、東京大学宇宙線研究所の大内正己准教授や国立天文台、ハーバード・スミソニアン天体物理学センターなどの共同研究で分かった。3星団は合体してさらに大きな天体を形作ろうとしているところで、銀河が作られる最初の過程を明らかにする上で重要な成果だという。」

「データに基づけば、この天体は「早期宇宙で次の大規模な物体に比べ10倍以上の大きさで、太陽質量の400億倍の質量」を持ち、「大きさは5万5千光年でわれわれの銀河の半分くらいの半径」をもつと言われている」と、ウィキにある。

「ヒミコの発見によって、宇宙の初期に現代の平均的な銀河と同じ程度の大きさの巨大天体が存在したことになった。これは小さな天体が重力によって徐々に集まっていき大きな天体が形作られていくという現代の宇宙論では説明ができない。」

じゃあ、どう説明してくれるんだあ?。

「また、その後も宇宙初期に成長した銀河やブラックホールが発見されている」

ヒミコだけが、特別の存在ではないかもしれないというのだ。

いやあ、大変なことになってきたわけだな。

正に、「銀河の歴史が、また1ページ」というところである。

なお、画像は、観測結果を元に描かれた想像図であるので、念のため。