🐼ISS危機一髪:540=360+1802021年08月21日 07:40

ISS危機一髪:540=360+180
ISS危機一髪:540=360+180


(ISSが540度回転する事故の異常さ 当初公表の「45度」から4日後に大幅訂正 (1/2ページ))
https://www.sankeibiz.jp/econome/news/210818/ecc2108181100007-n1.htm

「当初、この事故によってISSの姿勢が45度傾いたと公表されていたが、しかしその4日後、実際にはなんと540度、つまり1回転半もしていたことが判明」

記事の出所が不明なので、いろいろ調べたんだが(ググっただけ)、どうもNYTが詳細な記事を上げたらしい。

浮沈子は、読めなかったんだが(有料のようです)、他のメディアでもいろいろ書いてあったので間違いじゃなさそうだ(NASAの職員のツイッターも引用されてるしな)。

「ドッキングから約3時間後の16時34分、ISSのシステムが船体の異常な姿勢を検知した。ドッキングしたばかりのナウカのスラスターが、突如噴射」

「ナウカはISSの後方、地球サイドにドッキングしていた。そのスラスターは、ISSから離れようとする方向、つまり地球に向かう方向に異常噴射を続け、その結果、ISSは船首を上げながら回転をはじめた。いわゆる「バク転」である。スラスターの異常噴射は制御不能な状況であり、それはロシアの地上管制も止めることができなかった。」

噴射の方向は、浮沈子は逆だと思ってたんだが、他の記事にもそれらしきことが書いてあったので、たぶんこの通りだったんだろう。

「ジャイロの慣性力が巨大なISSの回転を止めようとしたが、スラスターの推力はその力を凌いだ。」

これは、以前の認識通り。

「ISS史上はじめて「姿勢喪失緊急事態」が発令された。これにより、姿勢制御を修正しようとしていたジャイロが停止された。なぜなら、ISSの後部に接続するナウカと、前方寄り(Z1トラス)にあるジャイロが違う方向に引き合えば、モジュールをつなぐ接続部に歪みが生じる恐れがあるからだ。」

ジャイロが停止したというのは初耳だな。

「つまりISSはこのとき一時的に、原因不明の噴出を続けるナウカのスラスターにただ従い、フリードリフト状態となったのだ。」

回るに任せたわけだ(ズヴェズダの噴射はどーなった?)。

「ジャイロがシャットダウンされると、暴走するナウカのスラスターに対抗するのは「ズヴェズダ」モジュールのスラスターに引き継がれた。」

「ナウカのスラスター噴射は止まらず、その逆方向にズヴェズダのスラスターが噴射し続ける。」

「ナウカのスラスターの燃料が切れたことによって17時29分、やっとISSの回転は止まった。」

噴射開始から回転が止まるまでは、55分間ということになる。

やれやれ・・・。

「その間、ISSの回転率は毎秒0.5度を超えることはなく」(これについては、別の情報があります。:後述)

「ナウカとの綱引きを、ロシアの無人補給機「プログレスMS-17」が主に担ったと書いたが、その後の情報ではこのモジュールのスラスターは、最終的な姿勢補正に使用されたようだ。」

これも初耳だなあ・・・。

ズヴェズダのスラスターじゃ足りなかったのかな(未確認)。

まあ、いろいろ不明な所は残る。

それでも、バク転して裏返しになった話はショックだ。

事態が終息したのは、ひとえにナウカのスラスターの燃料が尽きたことによる。

それって、打ち上げ後のトラブルで、あらかた使い切っていたからだろう(未確認)。

不幸中の幸いかもな。

ISSの回転速度は、別記事では少しだけ速かったとある。

(ロシアのモジュールが述べられているよりも深刻な失火を伴う宇宙ステーションの状況:報告)
https://www.space.com/nauka-module-space-station-tilt-more-serious

「スコヴィルによると、ステーションは毎秒最大0.56度の回転速度に達しました。」(この部分は、自動翻訳で日本語にすると映像画面に隠れちゃいます。)

まあ、どうでもいいんですが。

いくつか新しい情報もある。

「モジュールはロシアの地上局からの直接コマンドしか受信できないと言われました。宇宙ステーションは1時間以上通過しませんでした。 」

「発砲を開始してから15分後、ナウカのスラスターは停止しました」(噴射が止まった後も、回転は40分間続いていた計算になる。)

ロシア側モジュールは、ISSが上空を通過している時でないと通信できないんだ・・・。

ヤバいな・・・。

ヤバ過ぎ!。

画像は、わざと裏返しにしてみた。

やっぱ、なんか不自然な気がする。

ISSは、イベント後に正常な姿勢に戻っているし、その後の点検で異常はないとされている(ホントのところは未確認?)。

ツイッターや報道では確認されているけど、NASAのホームページには何も出ていない。

まるで何事もなかったかのように、平常の業務のレポートが続いている。

こういうことでいいんだろうか?。

いいんだろうな。

喉元過ぎれば熱さを忘れる。

こぼれたミルクを嘆いても仕方がない(覆水盆に返らず:ちょっと違うような・・・)。

いずれにせよ、事は終わった。

ISSは日常に戻り、平穏な業務が続いている。

スターライナーは永久欠番になったが(そうだったっけえ?)、シグナスは8月12日、ユニティモジュールの天底(ナディア)ポートに無事にドッキングした(画像では裏返しで天頂側になっていますが)。

今月末には、カーゴドラゴンが前方(フォワード)にドッキングするだろう。

(SpaceX CRS-23)
https://en.wikipedia.org/wiki/SpaceX_CRS-23

「ドッキング日 2021年8月29日」

「ドッキングポート ハーモニーフォワード」

ISSは、1回転半も回っちまったことなどなかったかのように、日常を取り戻している。

宇宙は、今日も平和だ・・・。

<以下追加>ーーーーーーーーーー

(ISSへの統合作業進む新モジュール「ナウカ」エンジン誤噴射時にISSを1回転半させていた)
https://sorae.info/space/20210824-nauka-iss.html

最大角速度については、また別の数字が出ている。

「ISSの回転速度は最大で毎秒0.54度」(今までは、最大0.5度とか0.56度とか・・・。)

まあ、どうでもいいんですが。

「ずさんに見えるNASAの安全監視はロシア側との良好関係維持に直接関連」

そういえば、こんなのもあったな・・・。

(国際宇宙ステーションの空気漏れはアメリカの工作とロシアが告発、NASAは否定)
https://gigazine.net/news/20210817-soyuz-air-leak/

「多目的実験モジュール『ナウカ』以外にもソユーズMS-09に穴があった件や、ソユーズMS-10の打ち上げ中止など、ロシアは宇宙関連で多くの問題を抱えている」

「(ロシア側の告発は)信頼できるものとは思えない」

この話は、ロシアの宇宙機関が正式に取り上げたものではなく、浮沈子はロシア風のジョークと見ているけど、神経質な人には面白くないだろう。

検証することが難しい個人の精神状態に踏み込んで、泥を塗るような真似は褒められる話じゃないけどな。

合理的な懸念があるなら、正式なルートで徹底調査するはずだが、それは今のところない。

問題は深刻で、うやむやにしていい話ではないけど。

ナウカの件では、ロシアも裏ではウォッカ飲んでたと認めてるわけだから(そうだったっけえ?)、今後の調査は何杯飲んだんだとか、銘柄は何だとか、そういう話になるんだろう(未確認?)。

浮沈子は、NASAにお詫びのしるしとしてウォッカが1ダース送られてくる方に1票だな・・・。

🐼変異種:軽症の恐怖:ハッピーハイポキシア2021年08月21日 16:16

変異種:軽症の恐怖:ハッピーハイポキシア
変異種:軽症の恐怖:ハッピーハイポキシア


3日前から浮世の雑事に振り回されて、血圧は上がるは(未確認)ストレスは溜まるはで、明日のダイビングはドタキャンした(竹内さん、スミマセン!)。

今日も、フィットネスはサボリで家でゴロゴロしている。

NHKのラジオニュースを、ポッドキャストでボーっと聞いていたら、ハッピーハイポキシアがどうのこうのという話をしていた。

ああ、新型コロナでもあるんだと、改めて認識する(去年の春先から、話には出てましたけど)。

人間の呼吸を司っているのは、どっちかといえば、酸素より二酸化炭素の多寡だ。

二酸化炭素センサーが最初に反応して、呼吸を調節する。

人間は、ある程度、酸素不足については許容範囲があるようだ。

エッチなことを想像してハアハアするのは、ちょっと違うかも知れないけど(未確認:子供は分かんなくていいです!)。

まあ、どうでもいいんですが。

(「幸せな低酸素症」に注意 自宅療養者 息苦しさ感じず重症化も)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210821/k10013214951000.html

「中等症で通常なら息切れをするような肺炎を起こした状態で、酸素を十分取り込めていないのに息苦しさを感じないケースがあり「ハッピー・ハイポキシア」=「幸せな低酸素症」と呼ばれています。」

ハイポキシアなんて、医療関係者か、ヘンタイダイバー(CCRユーザー)くらいにしか縁がない用語だったんだがな。

最近の東京都では、自宅療養が原則となり、誰もが身近になった(そうなのかあ?)。

CCRでは、概ね水酸化カルシウムの顆粒(宇宙用では水酸化リチウム使ったりするかも)で二酸化炭素を吸着(厳密には化学反応)させて、ほぼ完全に取り除いてしまうから、酸素不足になった時の反応がない。

浮沈子は経験ないけど、聞いた話では何の予兆もなく、突然意識を失うそうだ。

水中だからな。

あっという間に溺れてアウト!。

ヤバい話なのだ・・・。

新型コロナで、似たような話が出ていることは知っていたけど、改めて考えると、軽症者を自宅療養にするリスクは計り知れない。

(急変する新型コロナ肺炎 体内では何が起きているのか(自撮り))
https://www.nhk.or.jp/covid19-shogen/occupation/occupation1/446714.html

「取材日:2020年5月 9日」

日付に注意だ。

もう、1年以上前から、我が国でも分かっている話だからな。

「我々人間は、低酸素に対して耐性があるのです。」

関連で、ちょっと調べた。

(大気中酸素濃度の上昇史とそのメカニズムの解明)
https://park.itc.u-tokyo.ac.jp/tajika/research/%E5%A4%A7%E6%B0%97%E4%B8%AD%E9%85%B8%E7%B4%A0%E6%BF%83%E5%BA%A6%E3%81%AF%E3%81%AA%E3%81%9C%E4%B8%8A%E6%98%87%E3%81%97%E3%81%9F%E3%81%AE%E3%81%8B/?lang=ja#:~:text=%E5%A4%A7%E6%B0%97%E4%B8%AD%E3%81%AE%E9%85%B8%E7%B4%A0%E6%BF%83%E5%BA%A6,%E3%81%A8%E8%80%83%E3%81%88%E3%82%89%E3%82%8C%E3%81%A6%E3%81%84%E3%81%BE%E3%81%99%EF%BC%8E

記事中にグラフがあるんだが、そのままだと(字が)ちっちゃくて見えない。

デカい画像データは貼り付けられているので、右クリックして新しいタブなどで開くと拡大画像が見られる。

縦軸が対数表記なので何だが、要するに、地球上の酸素が今ほど濃かった時代は殆どない(全球凍結後のオーバーシュート期だけ)。

ご先祖様は、ハイポキシアに耐えてきたのだ。

つーか、元々は低濃度酸素状態だったのが、高濃度酸素状態に適応して生き残ってきたということになる。

酸素の増減に対して許容能力があることは、進化的にも不自然な話ではない。

まあいい。

ハッピーハイポキシアについては、興味深いレポートも出ている。

(No.107 新型コロナウィルス感染症の低酸素血症:息切れを起こさない不思議さ)
https://www.rcc-icr.com/post/no-107-%E6%96%B0%E5%9E%8B%E3%82%B3%E3%83%AD%E3%83%8A%E3%82%A6%E3%82%A3%E3%83%AB%E3%82%B9%E6%84%9F%E6%9F%93%E7%97%87%E3%81%AE%E4%BD%8E%E9%85%B8%E7%B4%A0%E8%A1%80%E7%97%87%EF%BC%9A%E6%81%AF%E5%88%87%E3%82%8C%E3%82%92%E8%B5%B7%E3%81%93%E3%81%95%E3%81%AA%E3%81%84%E4%B8%8D%E6%80%9D%E8%AD%B0%E3%81%95

具体な症例については、記事を読んでもらうとして、浮沈子的にはやっぱ、以下の記述が気になる。

「・看護では息切れをどのようにして観察しているか?
➡呼吸数が多い、脈拍数が多い、顔つきが苦しそうだ、などにより判断しているがCOVID-19では明らかにこれらの観察は間違いである。」

「・COVID-19ではパルスオキシメーターで測定した酸素レベルが高いので安心していたが悪化し、死亡したという報告がある。家庭でパルスオキシメーターで管理する場合には十分な注意を要する。」

「COVID-19で生じている低酸素血症は、複雑な機序で起こっていること、また、簡単にパルスオキシメーターで読み取る値で判断してはならない。」

この記事もそうだが、呼吸中枢やそこに至る神経系がウイルスに侵されることが原因ではないかという話はよく出てくるが、明確なエビデンスとしての話は見たことがない。

このお医者さんは専門医なので、名前で検索して別記事も読んだ。

(コロナ軽症からの突然死 ウイルスが呼吸中枢に影響与える可能性)
https://www.news-postseven.com/archives/20210121_1628633.html?DETAIL

羽田雄一郎参院議員の話が出てくる。

思い出してもヤバい話だ。

「数日前から発熱や倦怠感といった症状が続き、PCR検査を受けるため秘書の運転する車で病院に向かう途中で突然、呼吸が荒くなった。「俺、肺炎かな」と口にした直後、意識を失い、すぐに救急搬送されたが、搬送先の病院に到着する前に死亡」

自治医大の先生も出てくる。

「誰もが『ハッピー・ハイポキシア』になる可能性がありますが、その後に急激に肺炎が重症化するのは高齢者だけでなく、40代でも血圧が高めだったり、太り気味、喫煙歴があるなどするとリスクが高まります。自宅やホテルでの療養が増えている状況では、突然重症化する人や急死する人がさらに増えるかもしれません」(前出・讃井医師)

と、まあ、こういう話を読んだうえで、次の記事を読むわけだな。

(気付いたら重症化「幸せな低酸素血症」に注意 コロナ自宅療養で専門家指摘)
https://news.yahoo.co.jp/articles/7a76f62dedf2c1e6a78276e621c0c1aa4ad8644a

「後藤医師は血中酸素飽和度を測るパルスオキシメーターについて「備えとして持っておいた方がいい」と話す。」

「意識、体温、血圧、脈拍数、呼吸数など、多角的な数値を見ることが大切。重症化の始まりを見逃さず、治療薬の投与タイミングを逃さない事が大切」

素人に、それを要求するのかあ?。

「<新型コロナ感染の緊急性の高い症状例(厚労省公表)>
▼顔色が明らかに悪い
▼唇が紫色になっている
▼いつもと違う、様子がおかしい
▼息が荒くなった(呼吸数が多くなった)
▼急に息苦しくなった
▼生活をしていて少し動くと息苦しい
▼胸の痛みがある
▼横になれない。座らないと息ができない
▼肩で息をしている
▼突然(2時間以内を目安)ゼーゼーしはじめた
▼ぼんやりしている(反応が弱い)
▼もうろうとしている(返事がない)
▼脈がとぶ、脈のリズムが乱れる感じがする」

ハッピーハイポキシアは、息苦しさを感じない。

息切れもしない。

「呼吸数が多い、脈拍数が多い、顔つきが苦しそうだ、などにより判断しているがCOVID-19では明らかにこれらの観察は間違い」(再引用)

誤った観察を奨励してどーする!?。

が、まあ、ちゃんと(!)息苦しくなる人もいるだろうから、間違ってはいないけど、確実に漏れる人は出る。

もう、そうなったらどうしようもない。

感染制御から撤退し、重症者制御に舵を切り、自宅療養での事故を許容している現在の態勢では、寿命と諦めるしかないのかもな。

浮沈子が気になることがもう一つある。

死亡率(致命率:感染者に対する死亡者の割合)が0.12パーセントと、諸外国に比べて低い点だ。

(「0.12%」…数字が語る世界の中の日本のコロナ)
https://www.fnn.jp/articles/-/226678

「G7 新規感染者数(直近1週間)における新規死亡者数(直近1週間)の割合
アメリカ:0.49%
イギリス:0.32%
フランス:0.33%
イタリア:0.55%
ドイツ:0.29%
カナダ:0.25%
日本:0.12%」

そのこと自体は喜ばしいことだし、我が国の医療が頑張っていることに感謝すべきだが、それを根拠(の一つ)に感染制御を放棄するのは時期尚早過ぎる気がする。

もう、片足突っ込んでるけど。

「引き続き、新規感染者数そのものを抑え込むための取組みを進め、この0.12%をゼロに近づけていくための努力を続けなければならない。」

「冷静で客観的なアプローチがいまほど求められている時はない。」

東京都の感染者は、感染研の脇田さんの言葉を借りれば「踊り場状態」なんだろうが、このままの状態が続けば、確実に在宅での事故は増える。

ハッピーハイポキシアは、サイレントハイポキシアともいわれるそうだ。

声なき声は届かない。

死人に口なしだからな・・・。