🐼プロジェクトカイパー:打ち上げロケットの見境ない調達 ― 2022年04月05日 22:04
プロジェクトカイパー:打ち上げロケットの見境ない調達
(ハイパーカイパー—
ジェフ・ベゾスとアマゾンは、プロジェクト・カイパーのためにスペースX以外の全員を雇った。
ユナイテッドローンチアライアンス、アリアンスペース、ブルーオリジンの巨大な契約。)
https://arstechnica.com/science/2022/04/amazon-signs-blockbuster-launch-deal-for-its-satellite-megaconstellation/
「3つの異なるロケット会社との契約を締結し、合計83回の打ち上げ」
・アリアンスペース:ヨーロッパの新しいアリアン6ロケットの18発の打ち上げ
・ブルーオリジン:同社のニューグレンロケットの12回の打ち上げ、15回の追加打ち上げのオプション
・ユナイテッドローンチアライアンス:同社のバルカンロケットの38発の打ち上げ
「Amazonが購入するローンチの78%がBlueOriginエンジンで飛行する」
いやあ、驚いたな。
軍事需要を除く、ほぼすべての打ち上げを買い切った感じだ。
科学ミッションとかにもトバッチリが行くだろう。
「さらに、Amazonは以前、ロシアのエンジンを搭載したその車両が引退する前に、ユナイテッドローンチアライアンスから最後の9つのアトラスVロケットの打ち上げを購入したと発表しました。」(これは、たぶんバルカンロケットの38発には含まれていない)
今日は、体調が優れず、朝からうだうだして(とーぜん、フィットネスはサボリ!)、爆食爆睡していたんだが、さっきこの記事を読んだらいきなり目が覚めた。
「この打ち上げ契約は、Amazonの衛星コンステレーションが間違いなくやってくるということも意味します。アマゾンは、ブロードバンドの顧客を求めて、スターリンク、ワンウェブ、そして潜在的に他のものと競争するでしょう。」
しかし、3,236の衛星のコンステレーションが展開されるのは、実際には少なくとも4年以上先の話になる。
2020年代半ばだ。
それまでに、この事業がどうなっているのかは誰にも分からない。
ロケット業界にとっては嬉しい悲鳴だが、この波に乗り遅れた打ち上げ会社にとっては痛い話になる。
まあ、衛星の小型化も進んでいるから、必ずしも悪い話ばかりではないかもしれない。
もちろん、このブログでも何度か指摘している通り、3200機余りのコンステレーションを維持するためには、継続的な打ち上げが必要だ。
衛星寿命は不明だけど、仮に5年とした場合には、毎年、少なくとも640機の衛星を打ち上げ続けなければならない。
スターリンク衛星が、一度の打ち上げで50機余りだから、ほぼ、毎月うち上げることになる。
打上げ初期には、そのペースで上げ続けて、5年後にようやく配備が終わることになる。
軌道高度はスターリンクより高いかも知れないから、衛星寿命はもう少し長いかも知れない(ワンウェブみたいに7年とか)。
自社ロケットで上げているスターリンクは、展開のペースをコントロール可能だが、外部委託すれば思い通りにはいかないだろう。
打ち上げ会社を分散して、調整機能を期待しているんだろうけど、衛星と打ち上げロケットは、カッチリとリンクしているからな。
融通が利くのは、スペースXくらいだろう。
アマゾンが契約したロケットは、記事にもある通り、まだ開発中のものだ。
つーか、先付の契約は全部そうならざるを得ない。
現在、ファルコンシリーズを除く主だったロケットは更新の時期を迎えている。
「アリアン6ロケットとバルカンロケットはどちらも、デビュー飛行からおそらく約12か月プラスマイナスです。ニューグレンはおそらく最初の飛行から少なくとも2年です。」
ロケット業界に激震を与えた契約だ。
逆に、この話がこけたら、大変なことになるだろう。
なかなか情報が出てこないプロジェクトカイパーだったけど、今後は度々耳にすることになるかも知れない。
地球低軌道を衛星コンステレーションが網の目のように覆い尽くし、この星はすっかり姿を変えるだろう。
もちろん、宇宙旅行したって、個々の衛星が目に見えるわけではない。
それはあくまでも、通信インフラとしての新たな形態というだけの話だ。
しかし、それは必ず世界を変えていく。
アマゾンが参入して、業界が活性化するのは結構な話だ。
先行するワンウェブやスターリンクがどう迎え撃つかも楽しみだな・・・。
<以下追加>ーーーーーーーーーー
(ABL Space Systemsは、2022年にProjectKuiperの最初の衛星を打ち上げます:2021年11月1日の記事)
https://spacenews.com/abl-space-systems-to-launch-project-kuipers-first-satellites-in-2022/
「規制当局への提出によると、AmazonはProjectKuiperコンステレーションを5つのフェーズで展開することを期待しています。最初の要求では、578個の衛星を高度630キロメートル、傾斜角51.9度に配置する必要があります。」
「2022年の第4四半期までにKuiperSat-1およびKuiper-Sat-2プロトタイプを低軌道(LEO)に配置する」
このプロトタイプ衛星は、ABLとかいう会社の小型ロケットで打ち上げられるようだ。
(KuiperSat 1、2)
https://space.skyrocket.de/doc_sdat/kuipersat-1.htm
「衛星はKaバンドのプロトタイプブロードバンドペイロードを備えており、590kmの軌道から動作します。」
「2022年後半に2つのABLRS1ロケットで周回する予定です。」
初期配置の低軌道が630kmということは、スターリンク(550km)よりは長寿命の可能性があるかもな。
しかし、2機のプロトタイプを先行して飛ばすところは、まんまスターリンクの真似っこだな。
(スターリンク:打ち上げ履歴)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%82%AF#%E6%89%93%E3%81%A1%E4%B8%8A%E3%81%92%E5%B1%A5%E6%AD%B4
「2018年2月22日14:17 2基の試験衛星はTintin A/Bと呼ばれる」
ちなみに、ワンウェブは、初期から6機の衛星を運用していた。
(フランス領ギアナから打ち上げられた最初の6つのOneWeb衛星)
https://spaceflightnow.com/2019/02/27/first-six-oneweb-satellites-launched-from-french-guiana/
「SpaceX、Telesat、LeoSatは、同様のプロジェクトに取り組んでいる他の企業の1つであり、SpaceXは昨年最初の2つのStarlinkデモ衛星を打ち上げ、Telesatは2018年1月にテスト用の最初の低軌道ブロードバンド衛星も打ち上げました。」
テレサットも、やや規模は小さいがクロスリンクを持つ低軌道コンステレーションを展開しようとしている(ちなみに、レオサットは資金調達に失敗して、衛星を打ち上げることなく2019年に消えた)。
(テレサットは2020年半ばの星座メーカーの選択に備えています:2020年5月1日)
https://spacenews.com/telesat-preparing-for-mid-2020-constellation-manufacturer-selection/
「2022年にテレサットLEOの展開を開始し、78個の衛星を極軌道に打ち上げることが求められています。星座の残りの220個の衛星は、2023年末までに傾斜軌道に打ち上げられます。」
「テレサットLEO衛星は約800キログラムの重さがあり、10年間続くように設計され、2つの冗長なクリプトン燃料の電気推進システムを搭載します。」
「衛星間リンクにより、テレサットは衛星をリレーとして使用してコンステレーションを制御できるようになります。」
「テレサットは、その星座をインターネットにリンクするために、世界中に50のゲートウェイステーションを設置したいと考えています。」
「Telesatは、30〜50ミリ秒の信号遅延または遅延を目標としています。」
性能的には無難な所だろう。
地上のゲイトウェイとクロスリンクとでバランスを取ろうという姿勢も健全だ。
こういう、中規模な低軌道コンステレーションが展開すると面白いな。
御三家(スターリンク、ワンウェブ、カイパー)だけじゃつまらんからな・・・。
<以下追加>ーーーーーーーーーー
(3236基の人工衛星でインターネットを構築するAmazonの「Project Kuiper」がアリアンスペースなど3社と契約し最大83回のロケット打ち上げを予定)
https://gigazine.net/news/20220406-project-kuiper-launch-investment/
アルステクニカの記事と、元ネタは一緒みたいだから、目新しい話はない。
「また、ULAとの契約には打ち上げとは別に「打ち上げをサポートする生産およびインフラ」も含まれているとのことです。」
具体に何かは不明だ。
「スコットランドの中心付近から南アメリカの最南端よりさらに南、全人類の95%が居住するエリアを通信網に収める」
「複数の企業から打ち上げの能力を借りることで、コストやスケジューリングのリスクが軽減」
使い捨てでコスト高なロケット(ニューグレン除く)と、打ち上げ会社の利益が乗るからな。
コストの低減ということなら、スペースXの方に分があるだろう。
リスクヘッジにしても、そのための分散というよりは、想定される打ち上げ期間の中で、巷の打ち上げ能力の有りっ丈をかき集めた感が強い(S社を除く)。
単に、1社に集中して発注することができなかっただけの話かもしれない。
そう考えると、リスクヘッジにはなっていない可能性もある(どこか1社がこければ、打ち上げは頓挫する)。
まあ、いざという時のS社頼みは可能かもしれないけどな(実際、競合他社のワンウェブは救ってもらったしな)。
まあいい。
プロジェクトカイパーは始動した。
低軌道コンステレーションによる衛星インターネットが成功するかどうかは、まだ分からない。
静止衛星業界からは、目の敵にされているからな(レイテンシの点からは絶対的に不利だし)。
スペースデブリの問題や天体観測への障害などを持ち出して、機会あるごとに妨害工作に走るに違いないのだ。
後追いに走る欧州や、中国からもクレームがついている。
しかし、規制当局は腹を括っている。
地球低軌道大規模衛星コンステレーションの時代は、確実に訪れることになる。
地上の回線に依存せず(もちろん、全くしないわけではありませんが)、アンテナを空に向ければ世界と接続できる時代だ。
実に21世紀的だな。
携帯電話やGPSが一世を風靡したように、今や衛星インターネットが当たり前になる時代になった。
宇宙は手の届くところにある。
しかし、人類は地上で生きることしかできない。
戦争し、殺し合い、奪い合って生きる。
このギャップをどう埋めるのか。
それとも、埋められずに生き続けるのか。
それもまた、21世紀的な話かもしれないな・・・。
(ハイパーカイパー—
ジェフ・ベゾスとアマゾンは、プロジェクト・カイパーのためにスペースX以外の全員を雇った。
ユナイテッドローンチアライアンス、アリアンスペース、ブルーオリジンの巨大な契約。)
https://arstechnica.com/science/2022/04/amazon-signs-blockbuster-launch-deal-for-its-satellite-megaconstellation/
「3つの異なるロケット会社との契約を締結し、合計83回の打ち上げ」
・アリアンスペース:ヨーロッパの新しいアリアン6ロケットの18発の打ち上げ
・ブルーオリジン:同社のニューグレンロケットの12回の打ち上げ、15回の追加打ち上げのオプション
・ユナイテッドローンチアライアンス:同社のバルカンロケットの38発の打ち上げ
「Amazonが購入するローンチの78%がBlueOriginエンジンで飛行する」
いやあ、驚いたな。
軍事需要を除く、ほぼすべての打ち上げを買い切った感じだ。
科学ミッションとかにもトバッチリが行くだろう。
「さらに、Amazonは以前、ロシアのエンジンを搭載したその車両が引退する前に、ユナイテッドローンチアライアンスから最後の9つのアトラスVロケットの打ち上げを購入したと発表しました。」(これは、たぶんバルカンロケットの38発には含まれていない)
今日は、体調が優れず、朝からうだうだして(とーぜん、フィットネスはサボリ!)、爆食爆睡していたんだが、さっきこの記事を読んだらいきなり目が覚めた。
「この打ち上げ契約は、Amazonの衛星コンステレーションが間違いなくやってくるということも意味します。アマゾンは、ブロードバンドの顧客を求めて、スターリンク、ワンウェブ、そして潜在的に他のものと競争するでしょう。」
しかし、3,236の衛星のコンステレーションが展開されるのは、実際には少なくとも4年以上先の話になる。
2020年代半ばだ。
それまでに、この事業がどうなっているのかは誰にも分からない。
ロケット業界にとっては嬉しい悲鳴だが、この波に乗り遅れた打ち上げ会社にとっては痛い話になる。
まあ、衛星の小型化も進んでいるから、必ずしも悪い話ばかりではないかもしれない。
もちろん、このブログでも何度か指摘している通り、3200機余りのコンステレーションを維持するためには、継続的な打ち上げが必要だ。
衛星寿命は不明だけど、仮に5年とした場合には、毎年、少なくとも640機の衛星を打ち上げ続けなければならない。
スターリンク衛星が、一度の打ち上げで50機余りだから、ほぼ、毎月うち上げることになる。
打上げ初期には、そのペースで上げ続けて、5年後にようやく配備が終わることになる。
軌道高度はスターリンクより高いかも知れないから、衛星寿命はもう少し長いかも知れない(ワンウェブみたいに7年とか)。
自社ロケットで上げているスターリンクは、展開のペースをコントロール可能だが、外部委託すれば思い通りにはいかないだろう。
打ち上げ会社を分散して、調整機能を期待しているんだろうけど、衛星と打ち上げロケットは、カッチリとリンクしているからな。
融通が利くのは、スペースXくらいだろう。
アマゾンが契約したロケットは、記事にもある通り、まだ開発中のものだ。
つーか、先付の契約は全部そうならざるを得ない。
現在、ファルコンシリーズを除く主だったロケットは更新の時期を迎えている。
「アリアン6ロケットとバルカンロケットはどちらも、デビュー飛行からおそらく約12か月プラスマイナスです。ニューグレンはおそらく最初の飛行から少なくとも2年です。」
ロケット業界に激震を与えた契約だ。
逆に、この話がこけたら、大変なことになるだろう。
なかなか情報が出てこないプロジェクトカイパーだったけど、今後は度々耳にすることになるかも知れない。
地球低軌道を衛星コンステレーションが網の目のように覆い尽くし、この星はすっかり姿を変えるだろう。
もちろん、宇宙旅行したって、個々の衛星が目に見えるわけではない。
それはあくまでも、通信インフラとしての新たな形態というだけの話だ。
しかし、それは必ず世界を変えていく。
アマゾンが参入して、業界が活性化するのは結構な話だ。
先行するワンウェブやスターリンクがどう迎え撃つかも楽しみだな・・・。
<以下追加>ーーーーーーーーーー
(ABL Space Systemsは、2022年にProjectKuiperの最初の衛星を打ち上げます:2021年11月1日の記事)
https://spacenews.com/abl-space-systems-to-launch-project-kuipers-first-satellites-in-2022/
「規制当局への提出によると、AmazonはProjectKuiperコンステレーションを5つのフェーズで展開することを期待しています。最初の要求では、578個の衛星を高度630キロメートル、傾斜角51.9度に配置する必要があります。」
「2022年の第4四半期までにKuiperSat-1およびKuiper-Sat-2プロトタイプを低軌道(LEO)に配置する」
このプロトタイプ衛星は、ABLとかいう会社の小型ロケットで打ち上げられるようだ。
(KuiperSat 1、2)
https://space.skyrocket.de/doc_sdat/kuipersat-1.htm
「衛星はKaバンドのプロトタイプブロードバンドペイロードを備えており、590kmの軌道から動作します。」
「2022年後半に2つのABLRS1ロケットで周回する予定です。」
初期配置の低軌道が630kmということは、スターリンク(550km)よりは長寿命の可能性があるかもな。
しかし、2機のプロトタイプを先行して飛ばすところは、まんまスターリンクの真似っこだな。
(スターリンク:打ち上げ履歴)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%82%AF#%E6%89%93%E3%81%A1%E4%B8%8A%E3%81%92%E5%B1%A5%E6%AD%B4
「2018年2月22日14:17 2基の試験衛星はTintin A/Bと呼ばれる」
ちなみに、ワンウェブは、初期から6機の衛星を運用していた。
(フランス領ギアナから打ち上げられた最初の6つのOneWeb衛星)
https://spaceflightnow.com/2019/02/27/first-six-oneweb-satellites-launched-from-french-guiana/
「SpaceX、Telesat、LeoSatは、同様のプロジェクトに取り組んでいる他の企業の1つであり、SpaceXは昨年最初の2つのStarlinkデモ衛星を打ち上げ、Telesatは2018年1月にテスト用の最初の低軌道ブロードバンド衛星も打ち上げました。」
テレサットも、やや規模は小さいがクロスリンクを持つ低軌道コンステレーションを展開しようとしている(ちなみに、レオサットは資金調達に失敗して、衛星を打ち上げることなく2019年に消えた)。
(テレサットは2020年半ばの星座メーカーの選択に備えています:2020年5月1日)
https://spacenews.com/telesat-preparing-for-mid-2020-constellation-manufacturer-selection/
「2022年にテレサットLEOの展開を開始し、78個の衛星を極軌道に打ち上げることが求められています。星座の残りの220個の衛星は、2023年末までに傾斜軌道に打ち上げられます。」
「テレサットLEO衛星は約800キログラムの重さがあり、10年間続くように設計され、2つの冗長なクリプトン燃料の電気推進システムを搭載します。」
「衛星間リンクにより、テレサットは衛星をリレーとして使用してコンステレーションを制御できるようになります。」
「テレサットは、その星座をインターネットにリンクするために、世界中に50のゲートウェイステーションを設置したいと考えています。」
「Telesatは、30〜50ミリ秒の信号遅延または遅延を目標としています。」
性能的には無難な所だろう。
地上のゲイトウェイとクロスリンクとでバランスを取ろうという姿勢も健全だ。
こういう、中規模な低軌道コンステレーションが展開すると面白いな。
御三家(スターリンク、ワンウェブ、カイパー)だけじゃつまらんからな・・・。
<以下追加>ーーーーーーーーーー
(3236基の人工衛星でインターネットを構築するAmazonの「Project Kuiper」がアリアンスペースなど3社と契約し最大83回のロケット打ち上げを予定)
https://gigazine.net/news/20220406-project-kuiper-launch-investment/
アルステクニカの記事と、元ネタは一緒みたいだから、目新しい話はない。
「また、ULAとの契約には打ち上げとは別に「打ち上げをサポートする生産およびインフラ」も含まれているとのことです。」
具体に何かは不明だ。
「スコットランドの中心付近から南アメリカの最南端よりさらに南、全人類の95%が居住するエリアを通信網に収める」
「複数の企業から打ち上げの能力を借りることで、コストやスケジューリングのリスクが軽減」
使い捨てでコスト高なロケット(ニューグレン除く)と、打ち上げ会社の利益が乗るからな。
コストの低減ということなら、スペースXの方に分があるだろう。
リスクヘッジにしても、そのための分散というよりは、想定される打ち上げ期間の中で、巷の打ち上げ能力の有りっ丈をかき集めた感が強い(S社を除く)。
単に、1社に集中して発注することができなかっただけの話かもしれない。
そう考えると、リスクヘッジにはなっていない可能性もある(どこか1社がこければ、打ち上げは頓挫する)。
まあ、いざという時のS社頼みは可能かもしれないけどな(実際、競合他社のワンウェブは救ってもらったしな)。
まあいい。
プロジェクトカイパーは始動した。
低軌道コンステレーションによる衛星インターネットが成功するかどうかは、まだ分からない。
静止衛星業界からは、目の敵にされているからな(レイテンシの点からは絶対的に不利だし)。
スペースデブリの問題や天体観測への障害などを持ち出して、機会あるごとに妨害工作に走るに違いないのだ。
後追いに走る欧州や、中国からもクレームがついている。
しかし、規制当局は腹を括っている。
地球低軌道大規模衛星コンステレーションの時代は、確実に訪れることになる。
地上の回線に依存せず(もちろん、全くしないわけではありませんが)、アンテナを空に向ければ世界と接続できる時代だ。
実に21世紀的だな。
携帯電話やGPSが一世を風靡したように、今や衛星インターネットが当たり前になる時代になった。
宇宙は手の届くところにある。
しかし、人類は地上で生きることしかできない。
戦争し、殺し合い、奪い合って生きる。
このギャップをどう埋めるのか。
それとも、埋められずに生き続けるのか。
それもまた、21世紀的な話かもしれないな・・・。
コメントをどうぞ
※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。
※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。
※投稿には管理者が設定した質問に答える必要があります。