🚀スターシップ:IFT-8:IFT-8の繰り返しだな ― 2025年03月07日 14:07
スターシップ:IFT-8:IFT-8の繰り返しだな
(スターシップの上段ステージが2回連続の事故で消失)
https://spaceflightnow.com/2025/03/07/starship-upper-stage-lost-in-second-mishap-in-a-row/
「スターシップの上段ステージは、予定より早くエンジンが停止する事態を何度も経験しました。飛行制御が失われ、宇宙船は壮観な破片のシャワーとともにバラバラになりました。これは、スターシップ プログラムの上段ステージの 2 回連続の故障でした。」(写真のキャプションより)
「明らかに、検討すべきこと、掘り下げるべきことがたくさんあります。私たちはすぐにそれに取り組むつもりです」「私たちがこれらの飛行テストを行う主な理由は、学習するためです。この乗り物についてはまだ学ぶべきことがありますが、そう遠くない将来に私たちはここに戻ってきて、宇宙船を手に入れることになるでしょう。」(スペースXの打ち上げ解説者ダン・フオット)
「私たちは学ぶために飛行しており、多くのことを学んでいます。スターシップ計画のような開発プログラムの場合と同様に、進歩は必ずしも直線的ではありません。」(解説者のケイト・タイス氏)
浮沈子はビデオを録画してキャプチャして観た。
前回のIFT-7では、中央の海面ラプター2エンジンの1つがT+7分39秒で失火したのが最初だったが、今回のIFT-8では外周の真空ラプター2エンジンが8分4秒で失火している(画像参照)。
高度は146km(前回は141km)だったが、それ自体はおそらく無関係だろう。
「YouTubeに投稿された複数の動画には、宇宙船が分解した後、地球に向かって弧を描いて戻ってくる壮大な破片のシャワーが映っている。」
やれやれ・・・。
爆発炎上木っ端微塵での墜落は2回連続となる。
「スペースX社がいつものように迅速な復旧を試みることは間違いないが、連邦航空局が再度の故障調査を命じることはほぼ確実だ。2回連続で破壊的な故障が発生したことを考えると、今回は飛行可能な状態に戻るまでに時間がかかる可能性がある。」
ケイトタイスが言うように、進歩は必ずしも直線的ではない。
今回も弾道軌道だしな(そういうことかあ?)。
まあいい。
フィットネスをサボってまで、打ち上げを見守った甲斐があった(そんなあ!)。
ちょこっと触れておくと、トラブルで延期続きだったスーパーヘビーの打ち上げは完璧。
が、例によってブーストバックバーンで2基、ランディングバーンで1基(ブーストバックバーンの2基のうちの1基)が着火に失敗した。
メカジラキャッチ自体には成功したようだが、こちらも相変わらずのチョンボが続いている。
エンジンは、今後はラプター3への換装が進むと思われるが、今回(ラプター2の)再使用エンジンが使われたかどうかは知らない(未調査)。
消失した2段目のトラブルの原因は不明だが、制御を失った状態での飛行が続いた(確認していないけど、最初の失火からの時間は同程度か:<さらにさらに追加>参照)。
燃料配管がのたくっているエンジン上部(通称、「屋根裏」と呼ばれているらしい)での火災発生が繰り返されたとすれば問題だ。
前回の原因は、推進剤(たぶん、液体酸素)配管の共振といわれている(固有振動数と同じ周波数で飛行中の振動が発生し、増幅されて配管が破断したようだ)。
実験を繰り返して、その(振動数を発生する)推力にならないような対策を施したと言われているけど、甘かったのかも知れない。
この手の話(共振による破壊)は、H3開発の際にも発生しており、地上での燃焼試験でタービンブレードを破壊している。
H3は単体での対応で対処できただけラッキーだったとも言える。
飛ばしてみなけりゃ分からないトラブルは厄介だな・・・。
この件、何か分かればまた書く。
<以下追加>ーーーーーーーーーー
(ニューグレンは1段目を失いスターシップは2段目を失う)
https://kfujito2.asablo.jp/blog/2025/01/17/9747862
「ビデオの画面に表示された燃料系のテレメトリーデータを見ると、エンジンが停止し始めてから液体酸素の消費量が少なくなり、液体メタンとの差が拡大していることが確認できる(画像参照)。」
画像は過去記事の画像のこと。
で、今回のビデオを見返してみると、同様に、エンジンの停止後の酸素消費量に低下がみられる。
やっぱ、屋根裏に漏出している感じだ(ポンプで加速されないので、盛れている方が消費が少ない?)。
ちなみに、浮沈子が見た映像はこちらから。
(GO! - SpaceX - Starship - Suborbital Test Flight 8 - OLP-A - Starbase Texas - March 6, 2025)
https://www.youtube.com/watch?v=wQG053ogu20&t=481s
開始点は、S社の宣伝映像のスタートから(t=481sの数字は開始からの秒数のようだ)。
<さらに追加>ーーーーーーーーーー
(スペースX「スターシップ」打ち上げ連続失敗、火星計画に暗雲)
https://jp.reuters.com/markets/global-markets/4ZGC5WLVVNPS3B3G22DZQKWEWQ-2025-03-07/
「しかし今回で打ち上げ失敗は8回目となった。」
浮沈子は、S社の打ち上げについてはキビシー評価をする方だけど、ここまで断言はしない(5回目とかは、まあまあ成功と言ってもいいんじゃね?)。
ロイターのJoey Roulette記者の評価は厳しい。
「同社は声明で、スターシップの後部セクションで発生したエネルギーの急激な放出が原因で複数のエンジンが停止したと指摘した。「この結果、姿勢制御ができなくなり、最終的にスターシップとの通信が途絶えた」と説明した。」
この記事で、S社は「エネルギーの急激な放出」(=爆発)が起こったと認めている。
記事にリンクしている動画には、木っ端微塵になった2段目の破片が夕暮れの空をかすめて飛び去って行く姿が映っている。
あーあ・・・。
<さらにさらに追加>ーーーーーーーーーー
念のために、録画しておいた前回の動画と見比べた。
(Booster Caught- Starship Loss - SpaceX - Test Flight 7 - OLP-A - Starbase Texas - January 16, 2025)
https://www.youtube.com/watch?v=ZrqlsAo7bVg
エンジンの一つが消えてからテレメトリーが消失するまでの時間を見てみた。
<前回>
エンジン停止:T+7分39秒
テレメトリー消失:T+8分25秒
ーーーーーーーーーーーーーー
経過時間:00分46秒間
<今回>
エンジン停止:T+8分04秒
テレメトリー消失:T+9分32秒
ーーーーーーーーーーーーーー
経過時間:01分28秒間(=88秒間)
うーん、倍近い時間だな・・・。
もう一つの違いは、機体の回転の有無だ。
前回は、殆ど回転していないが、今回はぐるんぐるん回っちまってる。
漏れ出した酸素が、どこか1方向から勢いよく噴出したのかも知れない。
前回は均等に漏れ出た可能性もある。
今回の回転がセンサーの故障などでないことは、映像や燃料計の読み値が急激な変化を示していることで確認できる(前回は回転している映像はないし、テレメトリーの姿勢画像や推進剤の読み値も安定している)。
2段目の推進剤タンクの配置は、上部に液化メタン、下部に液体酸素で、この構成は変わっていないが、配管系は変えているようだ。
テレメトリーで推進剤が片減り(メタンが早い)していることから、前回と同じく配管破断による漏れと思われるけど、全く異なる原因の可能性は、現時点では排除できない。
データの解析を待つしかない。
理由は分からないが、異常な回転があったことは気になる。
また、前回と比べて飛行時間がやや伸びているにも拘らず、飛散した破片がやや西側に落ちていることも不自然だ。
(スターシップ計画は2回連続の失敗で新たな障害に直面)
https://arstechnica.com/science/2025/03/the-starship-program-hits-another-speed-bump-with-second-consecutive-failure/
「木曜日の失敗した飛行による残骸は、スターシップ7便の後に残骸が落下した地域の西側に落ちたようだ。」
飛行プロファイルは同じと思われるけど、詳細は確認していない。
まあいい。
2回続けて失敗した原因の究明は困難だろう。
異なる理由によるものなのか、対策が十分ではなかったからか。
スターシップは暗礁に乗り上げている・・・。
(スターシップの上段ステージが2回連続の事故で消失)
https://spaceflightnow.com/2025/03/07/starship-upper-stage-lost-in-second-mishap-in-a-row/
「スターシップの上段ステージは、予定より早くエンジンが停止する事態を何度も経験しました。飛行制御が失われ、宇宙船は壮観な破片のシャワーとともにバラバラになりました。これは、スターシップ プログラムの上段ステージの 2 回連続の故障でした。」(写真のキャプションより)
「明らかに、検討すべきこと、掘り下げるべきことがたくさんあります。私たちはすぐにそれに取り組むつもりです」「私たちがこれらの飛行テストを行う主な理由は、学習するためです。この乗り物についてはまだ学ぶべきことがありますが、そう遠くない将来に私たちはここに戻ってきて、宇宙船を手に入れることになるでしょう。」(スペースXの打ち上げ解説者ダン・フオット)
「私たちは学ぶために飛行しており、多くのことを学んでいます。スターシップ計画のような開発プログラムの場合と同様に、進歩は必ずしも直線的ではありません。」(解説者のケイト・タイス氏)
浮沈子はビデオを録画してキャプチャして観た。
前回のIFT-7では、中央の海面ラプター2エンジンの1つがT+7分39秒で失火したのが最初だったが、今回のIFT-8では外周の真空ラプター2エンジンが8分4秒で失火している(画像参照)。
高度は146km(前回は141km)だったが、それ自体はおそらく無関係だろう。
「YouTubeに投稿された複数の動画には、宇宙船が分解した後、地球に向かって弧を描いて戻ってくる壮大な破片のシャワーが映っている。」
やれやれ・・・。
爆発炎上木っ端微塵での墜落は2回連続となる。
「スペースX社がいつものように迅速な復旧を試みることは間違いないが、連邦航空局が再度の故障調査を命じることはほぼ確実だ。2回連続で破壊的な故障が発生したことを考えると、今回は飛行可能な状態に戻るまでに時間がかかる可能性がある。」
ケイトタイスが言うように、進歩は必ずしも直線的ではない。
今回も弾道軌道だしな(そういうことかあ?)。
まあいい。
フィットネスをサボってまで、打ち上げを見守った甲斐があった(そんなあ!)。
ちょこっと触れておくと、トラブルで延期続きだったスーパーヘビーの打ち上げは完璧。
が、例によってブーストバックバーンで2基、ランディングバーンで1基(ブーストバックバーンの2基のうちの1基)が着火に失敗した。
メカジラキャッチ自体には成功したようだが、こちらも相変わらずのチョンボが続いている。
エンジンは、今後はラプター3への換装が進むと思われるが、今回(ラプター2の)再使用エンジンが使われたかどうかは知らない(未調査)。
消失した2段目のトラブルの原因は不明だが、制御を失った状態での飛行が続いた(確認していないけど、最初の失火からの時間は同程度か:<さらにさらに追加>参照)。
燃料配管がのたくっているエンジン上部(通称、「屋根裏」と呼ばれているらしい)での火災発生が繰り返されたとすれば問題だ。
前回の原因は、推進剤(たぶん、液体酸素)配管の共振といわれている(固有振動数と同じ周波数で飛行中の振動が発生し、増幅されて配管が破断したようだ)。
実験を繰り返して、その(振動数を発生する)推力にならないような対策を施したと言われているけど、甘かったのかも知れない。
この手の話(共振による破壊)は、H3開発の際にも発生しており、地上での燃焼試験でタービンブレードを破壊している。
H3は単体での対応で対処できただけラッキーだったとも言える。
飛ばしてみなけりゃ分からないトラブルは厄介だな・・・。
この件、何か分かればまた書く。
<以下追加>ーーーーーーーーーー
(ニューグレンは1段目を失いスターシップは2段目を失う)
https://kfujito2.asablo.jp/blog/2025/01/17/9747862
「ビデオの画面に表示された燃料系のテレメトリーデータを見ると、エンジンが停止し始めてから液体酸素の消費量が少なくなり、液体メタンとの差が拡大していることが確認できる(画像参照)。」
画像は過去記事の画像のこと。
で、今回のビデオを見返してみると、同様に、エンジンの停止後の酸素消費量に低下がみられる。
やっぱ、屋根裏に漏出している感じだ(ポンプで加速されないので、盛れている方が消費が少ない?)。
ちなみに、浮沈子が見た映像はこちらから。
(GO! - SpaceX - Starship - Suborbital Test Flight 8 - OLP-A - Starbase Texas - March 6, 2025)
https://www.youtube.com/watch?v=wQG053ogu20&t=481s
開始点は、S社の宣伝映像のスタートから(t=481sの数字は開始からの秒数のようだ)。
<さらに追加>ーーーーーーーーーー
(スペースX「スターシップ」打ち上げ連続失敗、火星計画に暗雲)
https://jp.reuters.com/markets/global-markets/4ZGC5WLVVNPS3B3G22DZQKWEWQ-2025-03-07/
「しかし今回で打ち上げ失敗は8回目となった。」
浮沈子は、S社の打ち上げについてはキビシー評価をする方だけど、ここまで断言はしない(5回目とかは、まあまあ成功と言ってもいいんじゃね?)。
ロイターのJoey Roulette記者の評価は厳しい。
「同社は声明で、スターシップの後部セクションで発生したエネルギーの急激な放出が原因で複数のエンジンが停止したと指摘した。「この結果、姿勢制御ができなくなり、最終的にスターシップとの通信が途絶えた」と説明した。」
この記事で、S社は「エネルギーの急激な放出」(=爆発)が起こったと認めている。
記事にリンクしている動画には、木っ端微塵になった2段目の破片が夕暮れの空をかすめて飛び去って行く姿が映っている。
あーあ・・・。
<さらにさらに追加>ーーーーーーーーーー
念のために、録画しておいた前回の動画と見比べた。
(Booster Caught- Starship Loss - SpaceX - Test Flight 7 - OLP-A - Starbase Texas - January 16, 2025)
https://www.youtube.com/watch?v=ZrqlsAo7bVg
エンジンの一つが消えてからテレメトリーが消失するまでの時間を見てみた。
<前回>
エンジン停止:T+7分39秒
テレメトリー消失:T+8分25秒
ーーーーーーーーーーーーーー
経過時間:00分46秒間
<今回>
エンジン停止:T+8分04秒
テレメトリー消失:T+9分32秒
ーーーーーーーーーーーーーー
経過時間:01分28秒間(=88秒間)
うーん、倍近い時間だな・・・。
もう一つの違いは、機体の回転の有無だ。
前回は、殆ど回転していないが、今回はぐるんぐるん回っちまってる。
漏れ出した酸素が、どこか1方向から勢いよく噴出したのかも知れない。
前回は均等に漏れ出た可能性もある。
今回の回転がセンサーの故障などでないことは、映像や燃料計の読み値が急激な変化を示していることで確認できる(前回は回転している映像はないし、テレメトリーの姿勢画像や推進剤の読み値も安定している)。
2段目の推進剤タンクの配置は、上部に液化メタン、下部に液体酸素で、この構成は変わっていないが、配管系は変えているようだ。
テレメトリーで推進剤が片減り(メタンが早い)していることから、前回と同じく配管破断による漏れと思われるけど、全く異なる原因の可能性は、現時点では排除できない。
データの解析を待つしかない。
理由は分からないが、異常な回転があったことは気になる。
また、前回と比べて飛行時間がやや伸びているにも拘らず、飛散した破片がやや西側に落ちていることも不自然だ。
(スターシップ計画は2回連続の失敗で新たな障害に直面)
https://arstechnica.com/science/2025/03/the-starship-program-hits-another-speed-bump-with-second-consecutive-failure/
「木曜日の失敗した飛行による残骸は、スターシップ7便の後に残骸が落下した地域の西側に落ちたようだ。」
飛行プロファイルは同じと思われるけど、詳細は確認していない。
まあいい。
2回続けて失敗した原因の究明は困難だろう。
異なる理由によるものなのか、対策が十分ではなかったからか。
スターシップは暗礁に乗り上げている・・・。
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