🐱スターリンク:スターシールドとの違い:不可分のネットワークを切り分ける意味 ― 2023年09月28日 22:10
スターリンク:スターシールドとの違い:不可分のネットワークを切り分ける意味
(イーロン・マスクのSpaceXが軍事版Starlinkである「Starshield」の契約をペンタゴンと締結)
https://gigazine.net/news/20230928-spacex-pentagon-contract-starshield/
「7000万ドル(約100億円)を上限とし、衛星コンステレーションやユーザー端末などを介してStarshieldのエンドツーエンドサービスを提供するもの」
浮沈子の理解では、スターシールドは通信経路としてスターリンクのインフラを使う。
アップリンクやダウンリンクの際には専用の機器による通信が行われるのかもしれないが、スターレーザーを使用したクロスリンクの際には、スターリンクのハードウェアがそのまま使用される(未確認)。
以前に調べた限りでは、通信方式が独自なスターリンクは、宇宙軍の調達仕様に適合せず、そのままでは使い物にならないと言われていた。
そこに、スターシールド(ハード+ソフト)というレイヤーを噛ませることで、何らかの合意に達したのかもしれない。
「Starlinkは民間ネットワークでなければならず、戦闘には参加するものではありません。一方、Starshieldはアメリカ政府が所有し、国防省宇宙軍が管理します。これが正しい在り方というものです」
中国は、スターリンクの抗堪性(こうたんせい)を問題視しており、将来、何らかの形で機能を阻害することを考えている(たぶん)。
一体不可分なものを切り分けて、別ものだと主張することはできない(まあ、ロシアはウクライナの領土に対して同じことしてるけどな)。
そもそも、スターシールドが何ものなのかは、判然としないところがある。
S社が公共セクター(米軍など)に提供する、エンドツーエンドなサービスという説明では、何も分からない。
スターリンクの方は、我が国の国防を担う自衛隊でも導入に向けての準備が進められている。
(自衛隊、衛星通信網「スターリンク」のシステムを報道陣に公開)
https://news.yahoo.co.jp/articles/4a45d18a73e6b3e0de199946ff0b3559ca691a1b
「順次、艦艇などへ導入し、生活環境の向上にも役立てる」
護衛艦の中で、好きな時にネットゲームするために導入するわけではあるまい(いや、そうだったりして!)。
「陸・海・空の自衛隊の部隊は「スターリンク」を使って通信網を強化できないか、今年3月から実証実験を進めています。」
兵器誘導など、クリティカルな用途で使うことはないだろうけど(未確認)、GPSなどと共に、戦場でお役立ちな通信網として使用されるに違いない。
浮沈子の妄想の中では、ウクライナで最もスターリンクを利用しているのはウクライナ軍ではなく、密かに潜入している米国のエージェントではないのか(CIA関係とかな)。
以前に読んだ記事によれば、供与している端末や通信の代金としては、破格の請求を米国政府に要求しているそうだ。
表向きの話とは、全く異なる裏話が、それこそ山のようにあるに違いない。
スターシールドは米国政府の資産というなら、スターリンクの一部もそういう位置づけになる。
「私たちはSpaceXがマスク氏の気まぐれで主権国家の自衛に制限を加え、事実上ロシアの利益を擁護する目的でそのサービスを中断する能力や意思を持つことを深く懸念しています」
民間のサービスにただ乗りして(ただじゃないでしょうけど)、ロシアの利益を阻害するというのはいいのかな。
米国政府としてちゃんと調達し、ロシアに見つからないようにウクライナ政府を支援するのが筋だろうが、インフラとしてスターリンク衛星網を使う限り、イーロンマスクの気まぐれを排除することはできない。
それをさせないということなら、スターリンクとスターシールドとは、完全に一体ということになる。
敢えて区別する必要もあるまい。
セバストポリへの攻撃に、スターリンクが必要ないことは証明済みだ(ストームシャドウがスターリンクで誘導されたという話は聞かない)。
(SCALP-EG/ストーム・シャドウ)
https://ja.wikipedia.org/wiki/SCALP-EG/%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%BC%E3%83%A0%E3%83%BB%E3%82%B7%E3%83%A3%E3%83%89%E3%82%A6
「誘導方法は、GPS誘導、慣性航法誘導、地形プロファイルマッチング、赤外線画像誘導の4つ。」
もぐりこんでいるCIAのエージェントが、ネットゲームできなくなっても、問題ないと思うんだがな・・・。
<以下追加>ーーーーーーーーーー
(宇宙軍長官、商用衛星の防衛が必要かもしれないと発言)
https://arstechnica.com/space/2023/09/space-force-chief-foresees-role-in-protecting-commercial-satellites/
「昨年10月、ロシア外務省のコンスタンチン・ボロンツォフ次長は、ウクライナによる西側商業衛星の使用は「極めて危険な傾向」を確立したと述べた。ボロンツォフ氏は具体的に衛星の名前を挙げなかったが、ウクライナ軍が通信やロシア軍と戦車の動きを追跡するために使用してきたスペースXのスターリンク衛星群について言及していたことはほぼ確実だ。」
「ボロンツォフ氏は、戦時中の民間衛星の使用は本質的に軍事目標になると述べた。」
「潜在的な脅威はロシアだけではない。中国は宇宙においてより高度な能力を保有しており、将来台湾戦争などの紛争が起こった場合、スターリンクのような米国の軍事衛星や商業衛星を攻撃するために使用できる可能性がある」
「中国の国防関係の研究者らは、スターリンクに対する使用のための動的対抗策を含む精力的な対抗策の開発を求めている」
記事は、民間衛星の保護という文脈で書かれているが、宇宙軍が民間の通信能力をどのような形で調達するかという点でも興味深い。
『商業産業が提供できるサービスと、努力の性質や結果の性質から本質的に政府が提供する必要があるサービスとの間の適切な区分は何ですか?』
記事では、政府独自の通信機能の典型例として核戦力の統制を掲げているが、それだって分かりゃしない。
スマホから直接衛星に電波を飛ばせる時代だ。
専任の武官が、スーツケースに入れた核のボタンを持ち歩く時代は終わった。
(インタビュー:中国と衝突回避へ「ホットライン」必要=米宇宙軍作戦部長)
https://jp.reuters.com/world/interview/SHJHF7XTDRIQHEVDE5GYS4WRUM-2023-09-25/
「有事でも平時でもない「グレーゾーン事態」を中国が宇宙空間で作り出すことが想定される」
「そうした兆候や警告を察知し、意図を明らかにするよう相手方に呼びかけなくてはならない。グレーゾーンの餌食にならないよう敏感になる必要がある」
相手が意図的に作り出しているグレーゾーンを、ホットラインで解決できるって、本気で考えているんだろうか、この人・・・。
浮沈子的には、おめでたい話に聞こえる。
「日本にも同軍の司令部を作る検討をしていると明らかにした。設置場所など詳細には言及しなかったが、昨年12月に韓国で立ち上げた司令部と似たものになる可能性がある」
別記事によれば、横田(東京都)で検討しているらしい。
ワケワカな話には、巻き込まないでもらいたいな。
ほら、司令部ってミサイル撃ち込まれたりするところだしな・・・。
<さらに追加>ーーーーーーーーーー
(<独自>米、在日宇宙軍を創設へ 中朝の脅威に対応)
https://www.sankei.com/article/20230914-H6VTZSVOMZJERJ6SXJQDXWT7BE/
「日本に宇宙領域を担う新たな部隊「在日米宇宙軍」(仮称)を創設する」
「年内の発表を目指して準備を進めている。」
おっと、早いな・・・。
「新部隊はハワイにあるインド太平洋宇宙軍の傘下組織となり、設置場所として在日米軍司令部のある横田基地(東京都)が候補となっている。」
「防衛省が昨年3月に航空自衛隊府中基地(東京都)に編成した「宇宙作戦群」と連携する。宇宙航空研究開発機構(JAXA)とも協力していく。」
JAXAよ、おまえもか。
やれやれ・・・。
軍民の境なんて、どこにもありゃしない。
スターリンクとスターシールドは一体だ。
仕掛け上も、運用上も、境界があいまいなまま進んでいくだろう。
イーロンマスクが何と言おうと、そこは変わらない。
有事には、スターリンクは狙われる。
米国宇宙軍も、余りに数が多過ぎて、全てを守り切ることなどできはしない。
衛星を巡るスターウォーズは続く・・・。
(イーロン・マスクのSpaceXが軍事版Starlinkである「Starshield」の契約をペンタゴンと締結)
https://gigazine.net/news/20230928-spacex-pentagon-contract-starshield/
「7000万ドル(約100億円)を上限とし、衛星コンステレーションやユーザー端末などを介してStarshieldのエンドツーエンドサービスを提供するもの」
浮沈子の理解では、スターシールドは通信経路としてスターリンクのインフラを使う。
アップリンクやダウンリンクの際には専用の機器による通信が行われるのかもしれないが、スターレーザーを使用したクロスリンクの際には、スターリンクのハードウェアがそのまま使用される(未確認)。
以前に調べた限りでは、通信方式が独自なスターリンクは、宇宙軍の調達仕様に適合せず、そのままでは使い物にならないと言われていた。
そこに、スターシールド(ハード+ソフト)というレイヤーを噛ませることで、何らかの合意に達したのかもしれない。
「Starlinkは民間ネットワークでなければならず、戦闘には参加するものではありません。一方、Starshieldはアメリカ政府が所有し、国防省宇宙軍が管理します。これが正しい在り方というものです」
中国は、スターリンクの抗堪性(こうたんせい)を問題視しており、将来、何らかの形で機能を阻害することを考えている(たぶん)。
一体不可分なものを切り分けて、別ものだと主張することはできない(まあ、ロシアはウクライナの領土に対して同じことしてるけどな)。
そもそも、スターシールドが何ものなのかは、判然としないところがある。
S社が公共セクター(米軍など)に提供する、エンドツーエンドなサービスという説明では、何も分からない。
スターリンクの方は、我が国の国防を担う自衛隊でも導入に向けての準備が進められている。
(自衛隊、衛星通信網「スターリンク」のシステムを報道陣に公開)
https://news.yahoo.co.jp/articles/4a45d18a73e6b3e0de199946ff0b3559ca691a1b
「順次、艦艇などへ導入し、生活環境の向上にも役立てる」
護衛艦の中で、好きな時にネットゲームするために導入するわけではあるまい(いや、そうだったりして!)。
「陸・海・空の自衛隊の部隊は「スターリンク」を使って通信網を強化できないか、今年3月から実証実験を進めています。」
兵器誘導など、クリティカルな用途で使うことはないだろうけど(未確認)、GPSなどと共に、戦場でお役立ちな通信網として使用されるに違いない。
浮沈子の妄想の中では、ウクライナで最もスターリンクを利用しているのはウクライナ軍ではなく、密かに潜入している米国のエージェントではないのか(CIA関係とかな)。
以前に読んだ記事によれば、供与している端末や通信の代金としては、破格の請求を米国政府に要求しているそうだ。
表向きの話とは、全く異なる裏話が、それこそ山のようにあるに違いない。
スターシールドは米国政府の資産というなら、スターリンクの一部もそういう位置づけになる。
「私たちはSpaceXがマスク氏の気まぐれで主権国家の自衛に制限を加え、事実上ロシアの利益を擁護する目的でそのサービスを中断する能力や意思を持つことを深く懸念しています」
民間のサービスにただ乗りして(ただじゃないでしょうけど)、ロシアの利益を阻害するというのはいいのかな。
米国政府としてちゃんと調達し、ロシアに見つからないようにウクライナ政府を支援するのが筋だろうが、インフラとしてスターリンク衛星網を使う限り、イーロンマスクの気まぐれを排除することはできない。
それをさせないということなら、スターリンクとスターシールドとは、完全に一体ということになる。
敢えて区別する必要もあるまい。
セバストポリへの攻撃に、スターリンクが必要ないことは証明済みだ(ストームシャドウがスターリンクで誘導されたという話は聞かない)。
(SCALP-EG/ストーム・シャドウ)
https://ja.wikipedia.org/wiki/SCALP-EG/%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%BC%E3%83%A0%E3%83%BB%E3%82%B7%E3%83%A3%E3%83%89%E3%82%A6
「誘導方法は、GPS誘導、慣性航法誘導、地形プロファイルマッチング、赤外線画像誘導の4つ。」
もぐりこんでいるCIAのエージェントが、ネットゲームできなくなっても、問題ないと思うんだがな・・・。
<以下追加>ーーーーーーーーーー
(宇宙軍長官、商用衛星の防衛が必要かもしれないと発言)
https://arstechnica.com/space/2023/09/space-force-chief-foresees-role-in-protecting-commercial-satellites/
「昨年10月、ロシア外務省のコンスタンチン・ボロンツォフ次長は、ウクライナによる西側商業衛星の使用は「極めて危険な傾向」を確立したと述べた。ボロンツォフ氏は具体的に衛星の名前を挙げなかったが、ウクライナ軍が通信やロシア軍と戦車の動きを追跡するために使用してきたスペースXのスターリンク衛星群について言及していたことはほぼ確実だ。」
「ボロンツォフ氏は、戦時中の民間衛星の使用は本質的に軍事目標になると述べた。」
「潜在的な脅威はロシアだけではない。中国は宇宙においてより高度な能力を保有しており、将来台湾戦争などの紛争が起こった場合、スターリンクのような米国の軍事衛星や商業衛星を攻撃するために使用できる可能性がある」
「中国の国防関係の研究者らは、スターリンクに対する使用のための動的対抗策を含む精力的な対抗策の開発を求めている」
記事は、民間衛星の保護という文脈で書かれているが、宇宙軍が民間の通信能力をどのような形で調達するかという点でも興味深い。
『商業産業が提供できるサービスと、努力の性質や結果の性質から本質的に政府が提供する必要があるサービスとの間の適切な区分は何ですか?』
記事では、政府独自の通信機能の典型例として核戦力の統制を掲げているが、それだって分かりゃしない。
スマホから直接衛星に電波を飛ばせる時代だ。
専任の武官が、スーツケースに入れた核のボタンを持ち歩く時代は終わった。
(インタビュー:中国と衝突回避へ「ホットライン」必要=米宇宙軍作戦部長)
https://jp.reuters.com/world/interview/SHJHF7XTDRIQHEVDE5GYS4WRUM-2023-09-25/
「有事でも平時でもない「グレーゾーン事態」を中国が宇宙空間で作り出すことが想定される」
「そうした兆候や警告を察知し、意図を明らかにするよう相手方に呼びかけなくてはならない。グレーゾーンの餌食にならないよう敏感になる必要がある」
相手が意図的に作り出しているグレーゾーンを、ホットラインで解決できるって、本気で考えているんだろうか、この人・・・。
浮沈子的には、おめでたい話に聞こえる。
「日本にも同軍の司令部を作る検討をしていると明らかにした。設置場所など詳細には言及しなかったが、昨年12月に韓国で立ち上げた司令部と似たものになる可能性がある」
別記事によれば、横田(東京都)で検討しているらしい。
ワケワカな話には、巻き込まないでもらいたいな。
ほら、司令部ってミサイル撃ち込まれたりするところだしな・・・。
<さらに追加>ーーーーーーーーーー
(<独自>米、在日宇宙軍を創設へ 中朝の脅威に対応)
https://www.sankei.com/article/20230914-H6VTZSVOMZJERJ6SXJQDXWT7BE/
「日本に宇宙領域を担う新たな部隊「在日米宇宙軍」(仮称)を創設する」
「年内の発表を目指して準備を進めている。」
おっと、早いな・・・。
「新部隊はハワイにあるインド太平洋宇宙軍の傘下組織となり、設置場所として在日米軍司令部のある横田基地(東京都)が候補となっている。」
「防衛省が昨年3月に航空自衛隊府中基地(東京都)に編成した「宇宙作戦群」と連携する。宇宙航空研究開発機構(JAXA)とも協力していく。」
JAXAよ、おまえもか。
やれやれ・・・。
軍民の境なんて、どこにもありゃしない。
スターリンクとスターシールドは一体だ。
仕掛け上も、運用上も、境界があいまいなまま進んでいくだろう。
イーロンマスクが何と言おうと、そこは変わらない。
有事には、スターリンクは狙われる。
米国宇宙軍も、余りに数が多過ぎて、全てを守り切ることなどできはしない。
衛星を巡るスターウォーズは続く・・・。
コメントをどうぞ
※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。
※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。
※投稿には管理者が設定した質問に答える必要があります。