🐱木星圏:有人で到達可能??? ― 2024年02月06日 18:54
木星圏:有人で到達可能???
宇宙ネタで、何か面白い話はないかと探していたら、こんな記事が目に留まった。
(宇宙飛行の重要技術「電気推進ロケット」開発、効率よく高い推進力の実現に挑む)
https://newswitch.jp/p/40343
「国内外で多くのエンジンが開発されているが、その燃料のほとんどがキセノンだ。宇宙探査の需要に対しキセノンの量は枯渇すると予想される。」
国内で生産されているキセノンは、液体酸素からさらに抽出されている(エア・ウォーター社)。
(産業用ガス レアガス (Ne・Kr・Xe))
https://products.awi.co.jp/ja/industrial/business/gas/id002190
「現在、エア・ウォーターで国内生産しているレアガスはクリプトンとキセノンです。どちらのガスも酸素より沸点が高いため、液化酸素の中に凝縮されていきます。そこから精製装置を通じ余分な成分を精製・精留したのち、製品としての純粋なクリプトンとキセノンを採取することが出来ます。」
「水や二酸化炭素(CO2)を活用するなど燃料を多様化する必要がある」(電気推進ロケットエンジンの開発を進める大阪産業大学の田原弘一教授)
うーん、需給バランスを理由に燃料を多様化するということなら、既にスペースXがスターリンクV2ミニで、アルゴンガスを導入しているけどな。
(第2世代「Starlink」に搭載の新型スラスター、推力・効率性ともに大幅向上–推進剤も安価に)
https://uchubiz.com/article/new14785/
「Starlink V2 miniのホールスラスターでは推進剤にアルゴンを利用することで、キセノンやクリプトンよりもずっと安価な運用が可能になる。」
「アルゴンホールスラスターは以前のStarlinkのスラスターと比較して、2.4倍の推力と1.5倍の効率性を達成」(イーロンマスク)
アルゴンじゃ、ダメなのかあ?。
と思って読んでいたら、とんでもないことが書かれていて、浮沈子はぶっ飛んだ!。
「今後は宇宙機を飛ばしつつ燃料の現地調達が求められる」(田原教授)
「原理的に有人で到達可能な木星には水素やヘリウム、メタン、アンモニアなどがあるとされている。探査の途中で調達したガスを宇宙機の燃料として使う可能性も出てくる。」
ガスの調達の話ではない。
木星圏に、有人で到達可能というところが問題だ。
ホントかあ?。
(読者からの質問:人類が木星を訪れる日はやってきますか?)
https://www.technologyreview.jp/s/211882/will-astronauts-ever-visit-gas-giants-like-jupiter/
「放射に晒される時間を減らせるような軌道を発見し、宇宙船の設計を考案しなければなりません。NASAは、3つの羽が並んで回転し続ける探査機「ジュノー(Juno)」でこの問題を解決しましたが、人間が搭乗する宇宙船に使用できるデザインになるようには思えません。」
「有人の宇宙船が安全に木星の軌道を回るか、木星を通り過ぎるためには、木星から相当の距離を保つ必要があるでしょう。」
記事では、土星圏、天王星、海王星などにも触れている。
「このような要素から宇宙飛行士を保護する素材を使って宇宙船を製造する方法が見つかるまでの当面の間は、巨大ガス惑星に近づいて探査をするにはロボットによる無人探査機を使わざるを得ないでしょう。」
まあ、もっとも、到達可能かどうかについての言及はない。
浮沈子的には、火星圏への有人探査も不可能と考えているので、木星圏への有人探査などという話をまともに取り上げる気にはなれない。
そういう話は、SFの世界だけにしてもらいたいな(確か、イーロンマスクも言ってたような気が・・・)。
ちなみに、浮沈子は「2001年宇宙の旅」(映画)が大好きだ。
まあ、どうでもいいんですが。
「あと50年で木星域が人間の生活圏になるかもしれない」(田原教授)
タラレバの話はいくらでもある。
ろくすっぽ太陽光も届かない木星圏(地球軌道の4%)で、どうやって電磁加速エンジンを駆動するのかという問題もあるだろう。
木星の軌道は、ざっくり地球軌道(1億5千万km)の5倍(平均5.20260倍:7億8千万km)ある。
地球からの距離ということなら、軌道ベースで6億3千万kmだ。
人類が唯一到達した天体である地球の月は、ざっくり40万km(384,400km)の距離で、片道3日程度で到達できる(近いなあ・・・)。
割り算すれば1575倍で、片道約13年(4,725日)かかることになる(公転周期とかあるから、たぶん、そう単純じゃないとは思いますけど)。
べらぼーめ・・・。
ちなみに、アトラスVにありったけのブースター(5本:551構成)着けて打ち上げたジュノー(3,625 kg:現在も運用中)は、約5年(4年11か月)かけて木星軌道に投入されている(たぶん、最短)。
(ジュノー(宇宙船))
https://en.wikipedia.org/wiki/Juno_(spacecraft)
「木星系に到達したとき、ジュノーは約 19 天文単位を移動しました。(28億キロ)」(地球フライバイ1回)。
人工冬眠でもさせない限り、木星圏への有人探査はできないだろうし、行ったが最後、帰ってくることはできないだろう(未確認)。
木星の放射線から機器を保護するために厚さ1cmのチタン製のケースが使用されている。
(ジュノ放射線保管庫)
https://en.wikipedia.org/wiki/Juno_Radiation_Vault
「Juno Radiation Vault はほぼ立方体で、壁は厚さ 1 cm (1/3 インチ) のチタン金属でできており、各辺の面積は約 1 平方メートル (10 平方フィート) です。金庫の重さは約 200 kg (500 ポンド) です。」
「金庫内には、主要なコマンド、データ処理、および電源制御ボックスと、その他 20 台の電子ボックスがあります。」
「宇宙船は予想される 2,000 万ラドの放射線にさらされるため、保管室は放射線被ばくを約 800 分の 1 に減らす必要があります。」
べらぼーめ・・・。
ちゃんと調べていないけど、到底人体が許容できる放射線量ではないだろう。
人類は、そういうところで生活できるようには出来ていない。
「生活圏」などということを心配する必要はない。
「・・・そんな時代が到来しつつある。人類の生活圏がどこまで広がるのか。宇宙機用エンジンの開発が期待される。」(日刊工業新聞の記事)
テキトーだな・・・。
<以下追加>ーーーーーーーーーー
(宇宙植民地化:木星の衛星)
https://www.asablo.jp/app?cmd=edit&target_fqdn=kfujito2.asablo.jp&target_path=/blog/2024/02/06/9656985
「イオとエウロパの放射線レベルは極端で、遮蔽物を持たない人間は地球一日以内に死亡する」
「人間の植民地を合理的に支援できるのはカリストとおそらくガニメデだけ」
ほほう、定住可能性がないわけではないのだ。
「カリストは木星の放射線帯の外側を周回しています。」
「ガニメデの低緯度は月の磁場によって部分的に遮蔽されているが、放射線遮蔽の必要性を完全に取り除くには十分ではない。」
「どちらも、採掘して建設に使用できる水、ケイ酸塩岩、金属を利用できます。」
「2003年、NASAは将来の太陽系探査に関するHOPE (人類外惑星探査のための革命的概念)と呼ばれる研究を実施」
「選ばれた目標は木星から遠く離れており、したがって惑星の有害な放射線を考慮してカリストであった。」
「HOPE は、推進技術の大幅な進歩を想定して、有人ミッションの往復所要時間を約 2 ~ 5 年と見積もりました。」
やれやれ・・・。
今年の10月には、打ち上げ重量約6トンのエウロパクリッパーがファルコンヘビーで上がるが、クルーズ期間は5.5年だそうだ。
スターシップが完成したとしても、それ程縮まるわけではない(当初想定されていたSLSでは、木星への直接軌道で3年未満とされる)。
当然、地球低軌道上で、燃料補給してから出発しないとな(帰りはどーする!?)。
有人探査では、いろいろ運ぶものも多いから、それだけの速度は出ないだろう。
宇宙ネタで、何か面白い話はないかと探していたら、こんな記事が目に留まった。
(宇宙飛行の重要技術「電気推進ロケット」開発、効率よく高い推進力の実現に挑む)
https://newswitch.jp/p/40343
「国内外で多くのエンジンが開発されているが、その燃料のほとんどがキセノンだ。宇宙探査の需要に対しキセノンの量は枯渇すると予想される。」
国内で生産されているキセノンは、液体酸素からさらに抽出されている(エア・ウォーター社)。
(産業用ガス レアガス (Ne・Kr・Xe))
https://products.awi.co.jp/ja/industrial/business/gas/id002190
「現在、エア・ウォーターで国内生産しているレアガスはクリプトンとキセノンです。どちらのガスも酸素より沸点が高いため、液化酸素の中に凝縮されていきます。そこから精製装置を通じ余分な成分を精製・精留したのち、製品としての純粋なクリプトンとキセノンを採取することが出来ます。」
「水や二酸化炭素(CO2)を活用するなど燃料を多様化する必要がある」(電気推進ロケットエンジンの開発を進める大阪産業大学の田原弘一教授)
うーん、需給バランスを理由に燃料を多様化するということなら、既にスペースXがスターリンクV2ミニで、アルゴンガスを導入しているけどな。
(第2世代「Starlink」に搭載の新型スラスター、推力・効率性ともに大幅向上–推進剤も安価に)
https://uchubiz.com/article/new14785/
「Starlink V2 miniのホールスラスターでは推進剤にアルゴンを利用することで、キセノンやクリプトンよりもずっと安価な運用が可能になる。」
「アルゴンホールスラスターは以前のStarlinkのスラスターと比較して、2.4倍の推力と1.5倍の効率性を達成」(イーロンマスク)
アルゴンじゃ、ダメなのかあ?。
と思って読んでいたら、とんでもないことが書かれていて、浮沈子はぶっ飛んだ!。
「今後は宇宙機を飛ばしつつ燃料の現地調達が求められる」(田原教授)
「原理的に有人で到達可能な木星には水素やヘリウム、メタン、アンモニアなどがあるとされている。探査の途中で調達したガスを宇宙機の燃料として使う可能性も出てくる。」
ガスの調達の話ではない。
木星圏に、有人で到達可能というところが問題だ。
ホントかあ?。
(読者からの質問:人類が木星を訪れる日はやってきますか?)
https://www.technologyreview.jp/s/211882/will-astronauts-ever-visit-gas-giants-like-jupiter/
「放射に晒される時間を減らせるような軌道を発見し、宇宙船の設計を考案しなければなりません。NASAは、3つの羽が並んで回転し続ける探査機「ジュノー(Juno)」でこの問題を解決しましたが、人間が搭乗する宇宙船に使用できるデザインになるようには思えません。」
「有人の宇宙船が安全に木星の軌道を回るか、木星を通り過ぎるためには、木星から相当の距離を保つ必要があるでしょう。」
記事では、土星圏、天王星、海王星などにも触れている。
「このような要素から宇宙飛行士を保護する素材を使って宇宙船を製造する方法が見つかるまでの当面の間は、巨大ガス惑星に近づいて探査をするにはロボットによる無人探査機を使わざるを得ないでしょう。」
まあ、もっとも、到達可能かどうかについての言及はない。
浮沈子的には、火星圏への有人探査も不可能と考えているので、木星圏への有人探査などという話をまともに取り上げる気にはなれない。
そういう話は、SFの世界だけにしてもらいたいな(確か、イーロンマスクも言ってたような気が・・・)。
ちなみに、浮沈子は「2001年宇宙の旅」(映画)が大好きだ。
まあ、どうでもいいんですが。
「あと50年で木星域が人間の生活圏になるかもしれない」(田原教授)
タラレバの話はいくらでもある。
ろくすっぽ太陽光も届かない木星圏(地球軌道の4%)で、どうやって電磁加速エンジンを駆動するのかという問題もあるだろう。
木星の軌道は、ざっくり地球軌道(1億5千万km)の5倍(平均5.20260倍:7億8千万km)ある。
地球からの距離ということなら、軌道ベースで6億3千万kmだ。
人類が唯一到達した天体である地球の月は、ざっくり40万km(384,400km)の距離で、片道3日程度で到達できる(近いなあ・・・)。
割り算すれば1575倍で、片道約13年(4,725日)かかることになる(公転周期とかあるから、たぶん、そう単純じゃないとは思いますけど)。
べらぼーめ・・・。
ちなみに、アトラスVにありったけのブースター(5本:551構成)着けて打ち上げたジュノー(3,625 kg:現在も運用中)は、約5年(4年11か月)かけて木星軌道に投入されている(たぶん、最短)。
(ジュノー(宇宙船))
https://en.wikipedia.org/wiki/Juno_(spacecraft)
「木星系に到達したとき、ジュノーは約 19 天文単位を移動しました。(28億キロ)」(地球フライバイ1回)。
人工冬眠でもさせない限り、木星圏への有人探査はできないだろうし、行ったが最後、帰ってくることはできないだろう(未確認)。
木星の放射線から機器を保護するために厚さ1cmのチタン製のケースが使用されている。
(ジュノ放射線保管庫)
https://en.wikipedia.org/wiki/Juno_Radiation_Vault
「Juno Radiation Vault はほぼ立方体で、壁は厚さ 1 cm (1/3 インチ) のチタン金属でできており、各辺の面積は約 1 平方メートル (10 平方フィート) です。金庫の重さは約 200 kg (500 ポンド) です。」
「金庫内には、主要なコマンド、データ処理、および電源制御ボックスと、その他 20 台の電子ボックスがあります。」
「宇宙船は予想される 2,000 万ラドの放射線にさらされるため、保管室は放射線被ばくを約 800 分の 1 に減らす必要があります。」
べらぼーめ・・・。
ちゃんと調べていないけど、到底人体が許容できる放射線量ではないだろう。
人類は、そういうところで生活できるようには出来ていない。
「生活圏」などということを心配する必要はない。
「・・・そんな時代が到来しつつある。人類の生活圏がどこまで広がるのか。宇宙機用エンジンの開発が期待される。」(日刊工業新聞の記事)
テキトーだな・・・。
<以下追加>ーーーーーーーーーー
(宇宙植民地化:木星の衛星)
https://www.asablo.jp/app?cmd=edit&target_fqdn=kfujito2.asablo.jp&target_path=/blog/2024/02/06/9656985
「イオとエウロパの放射線レベルは極端で、遮蔽物を持たない人間は地球一日以内に死亡する」
「人間の植民地を合理的に支援できるのはカリストとおそらくガニメデだけ」
ほほう、定住可能性がないわけではないのだ。
「カリストは木星の放射線帯の外側を周回しています。」
「ガニメデの低緯度は月の磁場によって部分的に遮蔽されているが、放射線遮蔽の必要性を完全に取り除くには十分ではない。」
「どちらも、採掘して建設に使用できる水、ケイ酸塩岩、金属を利用できます。」
「2003年、NASAは将来の太陽系探査に関するHOPE (人類外惑星探査のための革命的概念)と呼ばれる研究を実施」
「選ばれた目標は木星から遠く離れており、したがって惑星の有害な放射線を考慮してカリストであった。」
「HOPE は、推進技術の大幅な進歩を想定して、有人ミッションの往復所要時間を約 2 ~ 5 年と見積もりました。」
やれやれ・・・。
今年の10月には、打ち上げ重量約6トンのエウロパクリッパーがファルコンヘビーで上がるが、クルーズ期間は5.5年だそうだ。
スターシップが完成したとしても、それ程縮まるわけではない(当初想定されていたSLSでは、木星への直接軌道で3年未満とされる)。
当然、地球低軌道上で、燃料補給してから出発しないとな(帰りはどーする!?)。
有人探査では、いろいろ運ぶものも多いから、それだけの速度は出ないだろう。
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