🐱ブルーオリジン+ULA=🐱2024年02月23日 00:00

ブルーオリジン+ULA=ネコ


(Blue OriginがUnited Launch Allianceの買い手候補として浮上)
https://arstechnica.com/space/2024/02/blue-origin-has-emerged-as-the-likely-buyer-for-united-launch-alliance/

「バルカンとブルー・オリジン社の大型ロケット、ニュー・グレンはいずれも政府の打ち上げ契約をめぐって競合する予定で、どちらもブルー・オリジン社が開発したBE-4ロケットエンジンを使用する。」

「同社(ULA)には長年の成功実績を持つ経験豊富な打ち上げチームがおり、今年後半にニュー・グレン・ロケットの打ち上げを目指すブルー・オリジンにとって、このチームは役立つ可能性がある。」

「ULA は宇宙での極低温燃料の保管に関する専門知識を持っています。共同所有者がプログラムを停止するまでの一時期、ULA は ACES (Advanced Cryogenic Evolved Stage) として知られる革新的な上部ステージを開発していました。この上段は再利用可能であり、液体酸素と液体水素を動力源とすることを目的としていました。これらは、同じ推進剤を使用し、宇宙に長期間保管する必要がある月着陸船やタグボートを開発するブルー・オリジン社が必要とする種類の技術である。」

さすが、エリックバーガーは冴えてる。

浮沈子は、ノースロップグラマンが、液体燃料技術を補完的に取得するために買収すると思ってたんだが、ブルーとの統合が望ましいことは確かだ。

トリーブルーノは、バルカンの事業を軌道に乗せればよく、怪しげな1段目のエンジンだけの再使用に見切りをつけて、完全再使用ロケットを目指すニューグレンの開発に専念できる。

八方丸く収まる気がする。

ジェフベゾスが資産を取り崩しているというのも、強力な傍証だ。

「ULA は ACES (Advanced Cryogenic Evolved Stage) として知られる革新的な上部ステージを開発していました。この上段は再利用可能」(再掲)

ここんとこだけ、ちょっと引っかかったけどな。

(高度極低温進化ステージ)
https://en.wikipedia.org/wiki/Advanced_Cryogenic_Evolved_Stage

「ACES コンセプトには、現在の上段の軌道上での寿命を改善するという目的」

「ACES は、ULA 独自の統合車両流体 (IVF) 技術を使用して、宇宙での寿命を大幅に延長することが計画されました。」

「IVF テクノロジーは、軽量の内燃エンジンを使用し、水素と酸素の推進剤ボイルオフ (通常、ボイルオフガスが宇宙に排出されるときに廃棄されます) を使用してステージを操作します。設計には、電力の生成、ステージ姿勢の維持、および推進剤タンクの自己加圧の維持が含まれていました。これらの液体を使用することで、ヒドラジン燃料、加圧用のヘリウム、  および車両内の ほぼすべてのバッテリーが不要になるように設計されています。」

「IVFは、液体水素と液体酸素のみを移送する必要があるため、補給所の運用に最適となるようにULAによって設計されており、構築されればミッション寿命を現在の数十時間から数日に延長できる可能性がある。」

ここまでは、運用寿命の延長という話でしかないよなあ・・・。

「ACES の潜在的な用途の 1 つは、2010 年に ULA によって、より長い耐久性とより大きな燃料容量を、近宇宙の清掃と軌道離脱のために遺棄物体を回収する宇宙内燃料補給機能を備えた推進剤貯蔵所として使用することであると述べました。これらの新しいアプローチは、地球軌道への 1 アップ/1 ダウンの打ち上げライセンス制度の導入により、地球低軌道を超えた物体の捕獲と軌道離脱のコストを大幅に削減するという技術的見通しを提供します。」

「宇宙内燃料補給機能を備えた推進剤貯蔵所として使用」

これも、まあ、運用延長の「延長線上」の話だし・・・。

エリックバーガーが言うところの、再使用に相当するかどうかは不明だ。

アルテミスの月着陸船は、大気圏再突入はしない。

運用されるのは宇宙空間だけでいい。

そこへの燃料補給とかには使えそうな感じだし、低温液体燃料の管理、移送技術(来月のスターシップでテスト予定)についても、ノウハウを持っているだろう。

が、ACES自体は、再使用できない。

ニューグレンの2段目がどうなるかは分からないけど、仮にACESの技術を導入するとすれば、水素燃料ということになる。

(説明と技術仕様)
https://en.wikipedia.org/wiki/New_Glenn#Description_and_technical_specifications

「2 番目のステージは最初のステージと同じ直径を共有し、真空に最適化された 2 つのBE-3Uエンジンを使用します。推進剤として水素/酸素を使用し、消耗品となります。このエンジンはBlue Origin社製です。」

まあ、もともとBE-3Uエンジン(ニューシェパードに使われている水素エンジンの改良版)を使う予定だったから、そのまま乗っけてもいいかもしれない。

ゆくゆくは、これも再使用したいようで、プロジェクトジャービスというのが別動隊で動いている。

段階的解決も可能だから、まずは1段目の再使用で実績を積み、2段目は当初バルカンの2段目を改良して使い捨てにして、最終的にはジャービスで置き換えればいいかもしれない。

いずれにしても、シナジー効果は十分に見込める。

しかし、競争相手がファルコン9やヘビーならばともかく、開発が終了する頃にはスターシップが相手になっている可能性が高い。

「いくつかの相乗効果により、Blue OriginとULAを組み合わせたロケットは、SpaceXにとってより強力な打ち上げ競争相手となる可能性がある。」(再掲)

物事は、そう単純には行かないだろう。

ブルーオリジン+ULAがどうなるかは分からない。

①バルカン+セントールV<ファルコン9(ヘビー)
②バルカン+ACES=<ファルコン9(ヘビー)
③ニューグレン+ACES改>ファルコン9(ヘビー)
④完全再使用ニューグレン=<上段使い捨てスターシップ
⑤完全再使用ニューグレン<完全再使用スターシップ

まあ、こんなところか(テキトーです)。

①現行
②開発中止(ミッションの種類による)
③未定(シナジー効果?)
④ペイロード重量では、アットーテキにスターシップの勝ち
⑤④に加えてコストでもスターシップの勝ち

現状のULAじゃ、ファルコンシリーズ相手であっても、勝負にならない。

次期ロケットとして、ニューグレンを押し出さなくては対決にすらならない。

スターシップの開発が遅れることを祈りつつ、爆速でニューグレンを開発するしか競争に勝つ見込みはない(③にしか、勝機はない)。

スペースXのアットーテキ優位は揺るがない。

ニューグレンは、部屋の中のゾウには成り得ない。

いいとこ、部屋の中のネコか(ふつーです)・・・。

🐱コーヒー自販機とデイジー2024年02月23日 01:32

コーヒー自販機とデイジー


(Amazon倉庫のコーヒー自販機のカメラが職場の休憩室を盗撮していたことが発覚 - GIGAZINE)
https://gigazine.net/news/20240222-amazon-coffee-machine-camera-surveillance/

「ただし、Amazonは従業員に無料でコーヒーを提供しているので、実際にはカメラは使われておらず、またカメラには音声を録音する機能もないとキャロル氏は話しました。」

浮沈子の脳裏に、2001年宇宙の旅(映画)のワンシーンが、忽然として浮かんできた・・・。

(映画史に残るSF映画の傑作(その2)“2001年宇宙の旅)
https://ict-spt.com/%E6%98%A0%E7%94%BB%E5%8F%B2%E3%81%AB%E6%AE%8B%E3%82%8Bsf%E6%98%A0%E7%94%BB%E3%81%AE%E5%82%91%E4%BD%9C%EF%BC%88%E3%81%9D%E3%81%AE2%EF%BC%892001%E5%B9%B4%E5%AE%87%E5%AE%99%E3%81%AE%E6%97%85/

「危険があると感じた二人はHALの目が届かない場所を選び、作業艇のポッドの中に入りHALとの連結をすべて切った上で二人だけの協議を行う。」

「しかしそのやり取りは唇の動きを読む読唇術でHALによってすべて解読されていた。」

じゃーん!。

「お分かりのはずだ。あなた方の秘密の相談は唇の動きですべて読み取っている。あなた方は私の回路を切断しようとしているがそれではこの重大任務が果たせなくなる。」

AIが映像から唇の動きを読み取って、読唇術を行うというのはありそうな話だ。

(GoogleのAIは専門家よりも高精度な読唇術が可能 - GIGAZINE)
https://gigazine.net/news/20161125-google-ai-lip-read/

「開発ではAIのニューラルネットワークに何千時間分ものBBCのTV放送で読唇術を学習させ、実際の発言内容の46.8%を正確に読唇可能なソフトウェアに仕上がったそうです。「46.8%」という数字だけ見るとそれほど画期的なソフトウェアではないように感じるかもしれませんが、AIが読唇した映像をプロの読唇術者が同じように読唇したところ、正しく言葉を拾えたのは全体のわずか12.4%のみで、AIがいかに高精度であるかがわかります。」

2016年の記事だからな。

8年も前だ。

ちゃんと調べていないので、今、どのくらいの精度になっているかは知らない。

最近、加齢に伴って耳が遠くなってきたとはいえ、まだ、読唇術に頼るほどでもない浮沈子としては、あまり関心がないからな。

アマゾンのコーヒー自販機のカメラの記事自体は、会社の言い分が正しいような気がするけど、じゃあ、天井とかに明示的に取り付けられているカメラに録音機能がないとか、読唇術で会話を読み取る機能がないかというのは別の話だ。

記事ではそこのところは分からない。

まあ、どうでもいいんですが。

現代社会では、いたるところに監視カメラが設置されていて、顔認識で個人を特定するなどは簡単だ。

浮沈子は、既に歩く病気のデパート状態で、医療機関を受診する機会が多いが、その度に保険証代わりのマイナンバーカードを機械に入れて読み取らせ、カメラに向かってウインクする(えーと、顔認証です)。

ちゃんと認識できないと、何度もやり直すことになるからな(ウインクなんてするからじゃね?)。

そういう技術は、読唇術も含めて、利便性の向上に大いに活用してもらいたいんだが、それが行き過ぎれば個人の生活が脅かされたりすることにつながりかねない。

個人情報が盗まれて、名簿業者に渡ったりするのは日常茶飯事だからな。

怪しいメールが送られてくることには、最近は馴れっこになったが、最初はビビった!。

現代社会に生きる上での税金のようなものだと思って、気軽に付き合うことにしている。

コーヒー自販機のカメラで撮影して、ネットに飛ばして解析し、個人を特定して「会話を盗み見」することにどれだけの価値があるのかは知らない。

が、そういう妄想を抱かせるのに十分な社会になったということなわけだ。

AIが管理する社会になれば、エレベーターの監視カメラで盗み見した会話を解析され、個人情報と紐づけられて、家に帰ると怪しいメールが届いていたりすることになる(浮沈子は、基本、スマホを持ち歩かないので!)。

「2001年宇宙の旅」には、ボーマンがHAL9000の機能を削除していくシーンが出てくる。

「将来確実に起こるであろう人間対コンピューターの戦いである。頭脳中枢を切られたHALが徐々に意識を失って朦朧となり「デイジー」を歌いながら白痴化していく姿に何故かほっと安堵を感じるものがあった。」

このブログでも、過去に書いた記憶があるけどな(探すのが面倒なので、ウィキから引用します)。

(デイジー・ベル)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%87%E3%82%A4%E3%82%B8%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%83%99%E3%83%AB

「この曲は、世界で初めてコンピュータが歌った歌として知られる。1961年にIBM 704による音声合成によって歌われた。これが、1968年の映画『2001年宇宙の旅』の終盤の展開の元ネタとなっている。」

「1968年のSF映画・小説『2001年宇宙の旅』では、分解され機能を喪失しつつあるコンピュータHAL 9000が「デイジー・ベル」の一部を歌うシーンがあり、その際にIBM 704について言及している。映画での実際の歌声は、HAL9000役の声優ダグラス・レインによるものである。」

まあいい。

「Amazonは、カメラを搭載していないか、またはカメラが無効な新しいコーヒー自販機が到着するまでの間、この職場のコーヒー自販機はカメラをテープで覆った状態で稼働させているとしています。」(初出のギガジンの記事)

「カメラをテープで覆った状態」か。

コーヒー自販機が「デイジー」を歌ったかどうかは知らない・・・。

🐱ウクライナ降伏不可避:友人2024年02月23日 23:42

ウクライナ降伏不可避:友人
ウクライナ降伏不可避:友人


(国家間に真の友人はいない:シャルル・ド・ゴール、我が国以外は全て仮想敵国である:チャーチル)
https://blog.goo.ne.jp/globalstandard_ieee/e/32b85cebb80dec9de377ec9af45a08dc

「〇アングロ、サクソンの移動」

一、隣接する国は互いに敵対する。
二、敵の敵は戦術的な味方である。
三、敵対していても、平和な関係を作ることはできる。
四、国際関係は、善悪でなく損得で考える。
五、国際関係は利用できるか、利用されていないかで考える。
六、優れた陸軍大国が同時に海軍大国を兼ねることはできない。
その逆も然り。
七、国際政治を損得で見る。善悪を持ちこまない。
八、外国を利用できるか考える。
九、日本が利用されているのではないか疑う。
十、目的は自国の生存と発展だけ。
十一、手段は選ばない。
十二、損得だけを考える。道義は擬装である。
十三、国際関係を2国間だけでなく,多国間的に考える。
十四、油断しない。
十五、友好,理解を真に受けない。
十六、徹底的に人が悪い考え(性悪説?)に立つ。
十七、科学技術の発達を考慮する。

元ネタはこちら。

(歴史の渦)
https://rekishi-no-uzu.info/2018/05/21/post-992/

ウクライナとかイスラエル(ガザ)の話を追いかけていると、ふと、国家とは何かと考えさせられることがある。

浮沈子は、3番目の「敵対していても平和な関係」というのが気に入っている。

これだけが、気の滅入るようなリストの中で、唯一の希望を与える。

だが、それは同時に、国家間の平和という状態がいかに脆く、いとも簡単に崩れてしまうものかを表している。

自らの生存と発展のみを追求し、隣国と敵対し、常に警戒し続ける存在。

国家に真の友人はいない。

当然だろうな・・・。

<以下追加>ーーーーーーーーーー

(「ロシアは戦争に適応した」“プーチンの戦争”2年の今を分析)
https://www3.nhk.or.jp/news/special/international_news_navi/articles/qa/2024/02/23/37855.html

「ウクライナでは『動員』を行った場合の政治的なコストが大きすぎて、指導部がその選択肢を排除している。」(ポーランドの軍事アナリスト、コンラッド・ムジカ氏)

「動員に前向きだったザルジニー氏は解任され、後任のシルスキー総司令官はそうではない。私は必要だと思うが、状況は変わらないだろう」(同上)

同感だな・・・。

ウクライナの人口ピラミッド(2020年)を見ると、25歳から29歳までは約150万人の男がいる。

(ウクライナの人口ピラミッド(2020年))
https://honkawa2.sakura.ne.jp/8979.html

当局は、動員可能年齢の下限を2歳引き下げようとしている(27歳→25歳)。

この年齢層の全員を動員できたとしても、60万人にしかならない(150÷5×2=60)。

もちろん、そんなことはできない。

仮に大規模な動員を掛けようとしても果たせず、結局、現在の軍を維持することが出来ずに、兵員不足の状況はじり貧になっていく。

ムジカ氏の見立てでは、今年戦力差が最大となるということだが、来年とか再来年にはさらに開くだろう(テキトーです)。

「ことしは、おそらくロシアとウクライナの戦力の差が、侵攻が始まって以来最も大きくなり、極めて重要な年になるだろう。ウクライナにとって最上のシナリオとして期待できるのは戦線をこう着状態に持ち込むことだ。一方で、最悪のシナリオは、ロシア軍にドネツク州で前線を突破され、さらにその先まで進まれることだ」

「ムジカ氏が最新の分析で懸念を深めているのが、さきほどの部隊の配置図でもみたハルキウ州のクピヤンシク方面の戦況です。」

「クピヤンシクには、大規模な鉄道の拠点があり、制圧すれば部隊の展開が容易になります。さらに、クピヤンシクから南に向けて軍を動かせば、プーチン政権が一方的に併合を宣言したものの、全域を掌握できていないドネツク州へと到達することができると指摘。」

「ムジカ氏は、ロシア軍は今春、前線の後方に展開させる部隊を投入して圧力を強め、クピヤンシクを経由してドネツク州全域の制圧を目指していると予測しています。」

クピヤンシク占領
→ハルキウ州を南下
→ドネツク州北部へ進軍
→ドネツク州全域の制圧

画像には、クピヤンシク方面の部隊配置図を載せた。

非対称戦の典型だな。

兵力の差は歴然だ。

もちろん、ドネツク州は東部からの圧力も受けている。

バフムト郊外、アウディーイウカ郊外などなど・・・。

記事には、このほかにも様々な記載があるけど、浮沈子的に気になったのは以下のくだりだ。

「(ロシアでは)ドローンの生産力も急激に増えていることも指摘。品質に問題があったとしても実戦に投入し、現場で得られた情報を元に改良を進めている」

「ロシアは欧米側より戦場の変化に対応するスピードが早い」

これって、どこかで聞いたような話だ・・・。

そう、スペースXの開発手法と同じじゃん!?。

もう、間抜けなクマとか(そうなのかあ?)、そういうイメージは捨てた方がいい。

実戦の中で鍛えられたシステムは強い。

それは、ウクライナ軍も同じだ。

NATOはポーランドに拠点を作り、ウクライナ軍のノウハウを吸収しようとしている。

戦場で勝てないウクライナから、少しでも何かを回収しないとな。

莫大な投資が、ドブに金を捨てるだけになる。

国家に真の友人はいない。

利用できるか、利用されているか・・・。

「長期戦を進めるために兵力を増強し、戦時下の体制で侵攻を続けるロシア。兵力確保の問題と、欧米の“支援疲れ”に直面するウクライナ。」

「ことし戦況は、正念場を迎えることになりそうです。」

欧州は、正念場の後のことも、しっかり考えているようだ・・・。

<さらに追加>ーーーーーーーーーー

(【侵攻2年】兵士に給料が全額支給されなくなっている…5年ぶりに来日した、ボグダンさんが語るウクライナの現状)
https://www.dailyshincho.jp/article/2024/02231054/?all=1

(【侵攻2年】「ゼレンスキー大統領の信用は落ちている。今年中に政権が代わるかも…」「今後戦争を続けても対価が高すぎる」来日したウクライナ人・ボグダンさんの本音)
https://www.dailyshincho.jp/article/2024/02231055/?all=1

「ロシアがウクライナに侵攻してまもなく2年になる。その間、ウクライナでボランティア活動を続けるボグダン・パルホメンコ氏が日本にやって来た。彼にとって5年ぶりの国外、5年ぶりの日本だという。」

浮沈子は、こういう等身大の話が苦手だ。

そもそも、生身の人間が苦手だからな。

が、この記事は興味深く読んだ。

生活者目線の話だが、ウクライナの人々が何を考えて暮らしているのかが分かる。

「まさか2年も続くとは思いませんでした。2022年2月24日に始まり、早ければ6月、長くても半年で終わるのではないかと考えていました。それがこうして2年、信じられません。ウクライナで生活している人々にとっては10年くらい続いているような感覚があります。」

「ロシアはいま、何を攻撃目標にしているのだろう。」(デイリー新潮)

「ウクライナの兵士が着る軍服の工場であるとか穀物倉庫……公表されてはいませんが、民間の倉庫にもウクライナの兵器が入っているので、そういった倉庫が標的にされています。」

「戦争が長期化すると、兵士にも給料が届いていなかったりするんです。例えば、前線の兵士には前線手当が付くので、日本円で40万円ほどの給料が支払われる。前線でなければ5万円程度です。しかし、そのお金も全額が支給されなくなってきています。」

ああ、そういうことなら、大規模動員なんてとんでもないよなあ・・・。

「キーウには攻撃してくるドローンを迎撃するスポットがいくつかあり、そこに勤務する人はボランティア兵です。」

そうなんだ・・・。

「これまで日本からは、個人の方から支援はいただいていますが、企業からというのはなかなかありません。」

いやあ、それは難しいかもしれないな。

「日本は国土の75%が山地で、災害も多い。ウクライナは戦争さえなければ災害は滅多にないし、国土も平野で農業が盛んで、ヨーロッパのハブでもある。平和になったら日本の人々にウクライナに来てもらいたいです。」

浮沈子も、可能なら行ってみたい国だ(黒海でダイビングも?)。

まあ、その頃までウクライナがあるかどうかだが、後編では興味深い話が出てくる。

「特に今年が危ないと思います。すでに国内に製造生産はなく、経済がボロボロの中、アメリカからの支援も途絶えました。兵士はもちろん一般国民も精神的にボロボロで疲れも溜まっています。そんな中、国は法律を変え、兵士の大規模招集をしやすくしようとしています。もちろん国民からの反発も大きくなっています。」

「ウォロディミル・ゼレンスキー大統領はヴァレリー・ザルジニー軍総司令官を解任した。ウクライナの人々はこれをどう思っているのだろう。」(デイリー新潮)


「不満は大きいですね。彼はウクライナ人にとって英雄なんです。2014年のロシアによるクリミア併合の頃から彼はずっと戦っており、大きな成果を残し、軍からもウクライナ人からも支持されています。メディアに全く出ない人でもあり、不言実行タイプなところも尊敬されている。そして、権力を乱用するとか汚職の話も一切ない。もちろん好みはあるでしょうが、彼以上の軍人はいないという意見が多い。」

もう、手放しだな・・・。

「後任のオレクサンドル・シルスキー総司令官はどうだろう。」(デイリー新潮)

「正直言って、人気はないですね。シルスキーさんはもともとロシア生まれであり、ロシアの軍事学校を卒業していることもある。また、ザルジニーさんは人の命を大切にすることでも有名でした。彼がゼレンスキー大統領の攻撃命令に反対したのも、人が死んでしまうからでした。一方のシルスキーさんは、大統領に忠実だと言われています。」

「ゼレンスキー大統領の人気はどうなのだろう。」(デイリー新潮)

「下がっています。言っていることは綺麗ですけど、信用は落ちています。年内に政権が代わるかもしれません。」

「国民から見れば、自分たちが選んでいない人たちが政権を握り続けていることになります。新しい招集法案も議会にかけられ、さらに不満が大きくなったら……軍事クーデター、革命だってないとは言い切れません。」

マジか!?。

「ザルジニーさんが出馬すれば、間違いなく当選するでしょう。他に候補者はいません。もっとも、彼を押す勢力には前大統領のペトロ・ポロシェンコ 氏がいる。ポロシェンコ氏が大統領に戻ることはなくても、ザルジニーさんが大統領になれば彼が首相になるかもしれません。そうなると再び汚職まみれの国に戻ってしまうかもしれません。」

政権の汚職体質が、国民に不人気なことは洋の東西を問わないようだ。

ゼレンスキー自身の評価も厳しい。

「結局、彼は今もマネージャーに使われる芸能人なんだと思います。」

まあ、そうなんだろうな。

「戦況はどうなっていくのだろう。」

「今後も戦争を続けるのなら、対価が高すぎると思います。」

「多くの若者を招集し、何かを生産するのではなく誰かを殺すために自分の力を使うわけです。その力は、いま占領されているウクライナの領土を取り戻すために使われるわけですが、本当にそこまでする価値があるのだろうか。そこまでして戦争を続ける意味があるのだろうか。」

まあ、この辺りは想定の範囲内なんだが、次の認識は興味深い。

「むしろ、領土は現状のまま停戦して、ウクライナの製造業や軍需産業なども立て直し、5年、10年先に安定した後で取り戻してもいいのではないかと考えています。」

まあ、ゼレンスキーは、即座に否定するだろうな。

ロシアを甘く見てはいけない。

「ロシアだってウクライナに勝てないことはわかっているはず。ですから、永世中立国家として行くのがいいのではないかと考えています。」

「ロシアの望みは、ウクライナがNATO(北大西洋条約機構)に加盟しないことです。ウクライナはロシアに対してはNATOに加盟しない、ヨーロッパに対してはロシア側につかないことを約束する。その上でヨーロッパとロシアにお金を供出させ、ウクライナは永世中立国になればいい。」

ムリポだな・・・。

浮沈子が注目しているウクライナの人口の話も出てくる。

「ウクライナの人口2500万人程度で、あれだけ広大な領土を維持するのは難しいと思います。」

もちろん、正確な統計がないので、研究機関の推計値だが、2000万人から2800万人の間という浮沈子の見立ての中に納まっている。

順当だ。

「NATOはポーランドにウクライナ軍との訓練拠点を作ることを発表しました。それってウクライナ軍がロシアから得たノウハウを学ぶところです。それくらいの価値がある」

既にふれたように、ウクライナのためではなく、NATO諸国のためだ。

「いまのプーチンは彼自身ではなく、みんなが作り上げた虚像だと思います。もしロシアがそろそろウクライナから手を引きたいと考え出したら、新しいキャラクターの大統領が生まれるかもしれません。もしそうなれば、ウクライナとの終戦は一気に近づくことになる。ロシアだって戦争を続けることにメリットはないのですから。」

この手の話が、現地ではまかり通っているのか。

ボグダン氏が特別なのかもしれないし、そういう風に考える人々が一定程度いるのかもしれない。

支援ボランティア活動をしていることで、戦争の実態に触れ、早く終戦になってもらいたいと願う気持ちが強いからかもしれない。

ウクライナ人一般の認識からは、少し離れているような気がする。

「ボグダンという名前には「神が与えた人」という意味があるんです。私は日本とウクライナの架け橋になるために生まれたのかもしれません。」

国家に真の友人はいない。

友人になれるのは、やっぱ、生身の人間だけだろうな・・・。

<さらにさらに追加>ーーーーーーーーーー

(ドイツ政府 ウクライナへの長距離巡航ミサイル供与には否定的)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240223/k10014368841000.html

「ドイツ空軍が保有する長距離巡航ミサイル、タウルス」

「500キロの射程で、イギリスやフランスがすでに供与したミサイル、ストームシャドーやスカルプの射程の倍」

「破壊力も強力で、分厚い装甲で覆われた軍事施設も攻撃できるとして「バンカーバスター」とも呼ばれています。」

特定の兵器が、戦況を変えることにはつながらないという話は、これまでもいくらもあった。

長距離ロケット砲や、レオパルト2戦車などなど。

浮沈子は、突出した性能の、数が限られた兵器は無意味だと思っている。

タウルスも、例え供与されたとしても同じことになる。

だが、ドイツがどういう立場なのかを考える時に、供与に踏み切るかどうかは重要なサインだ。

「ウクライナを支援する上では「ロシアの勝利を防ぐ」と同時に「戦争がNATOの加盟国に拡大することを防ぐ」という2つの原則を両立させる必要がある」(与党「社会民主党」の有力者のひとりで外交政策などを専門とするラルフ・シュテグナー連邦議会議員)

「タウルスを送るべきだという意見には賛成できない。もしそうなったら次に求められるのは何か。潜水艦か。軍隊の派遣か。私たちは、NATOとしてこの戦争に関与しないことが目的の1つだと常に考えなければならない。本当に大きな問題が起きたらどうするのか」

「タウルスの供与は、ロシアの激しい反発を招き、事態のエスカレートにつながるおそれがあるという見方」

「シュテグナー議員は、ショルツ首相も同じ認識だとしています。」

バイデンと同じジレンマに陥っている。

「ウクライナへの軍事的関与をこれ以上拡大することに支持が得られるとは思わない。政治的に許される範囲で兵器を供与することになる」

もちろん、ロシアを刺激しなければ、欧州は安泰だというのは幻想に過ぎない。

「ロシアはプーチン氏のもとだけでなくそれ以前から他国へ侵略を繰り返してきた。ウクライナ侵攻はこれまで繰り返されてきたことの先鋭化だ」(ロシアの歴史研究で知られるミュンヘン・ルートヴィヒマクシミリアン大学のマルティン・シュルツェ・ベッセル教授)

「侵攻の主な目的はヨーロッパの安全保障への挑戦だ。このため、この戦争をロシアとウクライナの戦争とみるべきではない」

「政府はタウルスを供与すればロシアが戦争をエスカレートさせると見ているのだろう。しかし、ウクライナを中途半端に支援はできず、できることはすべてやるべきだ。この戦争は、プーチン氏が諦めないかぎり終わらないことを首相は理解していないようだ」

ベッセル氏が言うことが本当なら、プーチンがいなくなってもロシアは他国への侵略を繰り返し続けるだろう。

この戦争を、プーチンの戦争と見做すことは危険なのだ。

出来ることを全てやって(手持ちのタウルスも全部供与して?)、ロシアを止められなかったらどーする!?。

ドイツ軍は既に、NATOとロシアとの直接対決を想定したシナリオを検討し始めている(いくつかあるシナリオの一つでは、年内に侵攻というやつまである)。

欧州が逆立ちしても、ウクライナが勝てる見込みはない(弾薬足りないし、兵士は動員できないし)。

ウクライナのことは諦めて(そんなあ!)、自国の防衛を固めることに専念すべきじゃないのかあ?。

ロシアは、既に余裕モードに入っている(そうなのかあ?)。

ウクライナはテキトーにあしらいながら、本命であるNATOとの対決に向けて、膨大な軍備を整えつつある。

それは、来るべきトランプ政権とのディールに備えるためでもある。

彼の任期中には、ひょっとしたらNATOにはちょっかい出さないかも知れない(2パーセント払っていないとこは危ないけどな:そうなのかあ?)。

「タウルスを含めて可能なかぎりの支援を行ってロシアを敗北に追い込んでいくのか。」

「それともウクライナを勝たせずロシアを刺激しない程度の支援にとどめて事態の推移を見ていくのか。」

「アメリカに次いで多大な支援を行ってきたドイツの考えも揺れています。」

残念ながら、ドイツにはその選択肢はない・・・。

<また追加>ーーーーーーーーーー

(軍事侵攻2年 “ウクライナ勝利し終結”が10% 欧州の世論調査)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240223/k10014368761000.html

「侵攻当初はヨーロッパ内でウクライナが勝たなければいけないという『正義派』と、ウクライナがどのような代償を払っても平和を早急に実現するという『和平派』に分かれた議論があった。しかし、いまは平和の実現が、何を意味するかをめぐって意見の相違が出てきているかもしれない」(どっかのシンクタンク)

「ことし11月のアメリカ大統領選挙でトランプ前大統領が当選すれば、交渉による終結を求める圧力が強まることも予想されるため、ヨーロッパ各国の指導者は和平協議はロシアに有利でウクライナとヨーロッパに不利な形でまとまる可能性もあることをあらかじめ国民に説明すべきだ」(たぶん同上)

このアンケートには、バイアスが掛かっている。

「!ルト三国やフィンランドといった国は含まれていません。」

それにしても、ウクライナの勝利を信じる人々が、わずか1割というのはショッキングな話だ。

「戦争の終わり方として最も考えられるものは何か」

「ハンガリーでは「ウクライナの勝利」と答えた人が4%にとどまり、「ロシアの勝利」と答えた人が31%」

多くの人々は、「ウクライナとロシアの交渉」(12か国平均で37%)と答えている。

無難だからな。

おそらく、もう、何が何でもウクライナが勝たなければならないという「正義派」は、ごく少数になっているに違いない(皆無?)。

欧州の各国政府はともかく、そこに暮らす人々は、ゼレンスキーの偽善(!)にとっくの昔に気付いている(そうなのかあ?)。

ウクライナごとき(!)を勝たせるために、なぜ、我々が犠牲にならなければならないのか。

勝利に必要な動員も掛けられず、政権維持のためにザルジニーを首にして、扱いやすいなんとかいう将軍を充てた(シルスキーです!)。

ロシアは、欧州への野望を抱いている(未確認:プーチンは、興味ないと言ってたけどな:ホントかあ?)。

ウクライナに支援しても、汚職塗れでどこかに消えるだけだ。

我々の軍備を整え、来るべき対ロシア戦争に備える方がいいのではないか。

浮沈子には、欧州の人々のそんな声が聞こえるような気がする(幻聴かあ?)。

ロシアの勝利で終わると考えている人々は、ウクライナの勝利を信じる人々の2倍だ。

実際には、もっと多いかもしれない。

「「興味がない」「わからない」などがあわせて34%」

これもまた、無難な回答だからな。

ヨーロッパ人は現実的だ。

米国民のように素直(単純?)じゃない(そうなのかあ?)。

戦争の長期化が、「正義派」→「和平派」の流れを引き起こしている。

えーと、浮沈子は基本的に和平派だ。

ウクライナの地で、どんな統治が行われようと、知ったことではない。

ドンパチなどは、とっとと止めて、穏やかな日常を取り戻すのが一番だろう。

(「伝えなければ私の国は見捨てられる」 ウクライナ人NHKディレクターの使命感、侵略から2年)
https://www.sankei.com/article/20240222-P465SLFOGVNE3CFBCGQBFIRAJA/

「私たちにとっての平和は、私たちの言語を話して自由に生きることなんです」

現在のウクライナ政府が、ドンバス地方において、人々がロシア語を話し、彼らの望む生活を認めていたかどうかは知らない。

まあ、プーチンがウクライナ人のアイデンティティを尊重するとは思えないがな。

ウクライナは、事実上見捨てられている。

欧州には、もう、何が何でも助けようという熱はない。

自分のことは、自分たちで何とかしてくれ!。

(ゼレンスキー大統領「新たな反転攻勢の準備進める」 米インタビュー)
https://www.asahi.com/articles/ASS2R6JPWS2RUHBI021.html

「新たな反転攻勢、新たな作戦の準備を進める」(ウクライナのゼレンスキー大統領)

「米国では議会で、ウクライナ支援の議論が行き詰まっている。」

「議会の支援なしに我々は生き残るか。もちろんだ。ただ、我々全員(が生き残る)というわけにはいかない」

生き残ってほしいとは思うが、浮沈子には、ゼレンスキーほどの確信はない。

国家に真の友人はいない。

欧州にも、米国にも見捨てられ、孤独な戦いを強いられるウクライナ(そうなのかあ?)。

もちろん、口ではいろいろな約束をするし、紙にも書くかもしれないが、友好や理解を真に受けないことは重要だ。

油断してはならない。

「戦果が出ている黒海周辺での作戦を「成功物語」と呼び、これを続ける必要性にも触れ、「ロシアは何かしらの『サプライズ』(驚き)を得ることになる」」

どーせ、ドローン潜水艇とか準備しているに決まっている(開発中と報じられています)。

たとえ、南部回廊(オデッサなど)を押さえられても、ルーマニアとかから発進させられれば攻撃は可能だ。

一定の戦果を挙げることはできるだろう。

その戦果(破壊)を、領域支配に結び付けられるかどうか。

時間は、それ程残されてはいないだろうな・・・。

<またまた追加>ーーーーーーーーーー

かかりつけ医に診療に行ったり、愚弟と会食したり、薬を買いに行ったりして、浮世の雑事に塗れる。

ロシアのウクライナ侵攻から2年が経つ。

米国の支援が止まり、欧州の支援は口先だけ。

肝心の砲弾やロケット弾は届かず、A50やスホーイ戦闘爆撃機などは屠ってみたものの、先の見通しは暗い。

ゼレンスキー大統領は、730日分勝利に近づいていると言っているけど、どこの国の勝利かが問題だな(そんなあ!)。

ちょうど、米国では共和党のサウスカロライナでの予備選が始まっている。

もちろん、ここでの結果は決まっている(トランプ圧勝)。

もう、もしトラとか言ってられない。

確トラだな。

そうすると、ウクライナと欧州は、米国の支援なしでロシアと戦うことになる。

英国のスナクは、必要なことは何でもすると言ってたけど、んじゃあ、英国軍を派遣して、ロシアとドンパチやればいい。

ウクライナは、兵隊足りないからな。

欧州は、いずれ、ロシアと直接対決することになる。

今年中かも知れないし、3年後かも、5年後かも、10年後かも知れないが、必ず相まみえることになる。

先手を打って、NATO軍が仕掛けるのが一番確実な気がするが、欧州の弾薬庫は空っぽで、半年も持たないだろう(そうなのかあ?)。

ラインメタルのパッペルガーCEOは、そう言ってたからな。

(独ラインメタル、砲弾大幅増産の用意あり=CEO)
https://jp.reuters.com/article/idUSKBN2U909M/

「ドイツの武器在庫は過去1年間にわたるウクライナへの供与で大きく減少している。」(ロイター)

「155ミリ砲の砲弾については、年間の生産を45万─50万発分に増強できる」(パッペルガー氏)

おっと、この記事って、去年の1月30日だぜ・・・。

先日の話では、10年後に、やっと20万発だそうだ(新工場での話だから、総量ではもっと生産できるのかもしれない)。

やれやれ・・・。

このおっさん、ホントに口先だけだからなあ。

ウクライナは、マジで消滅の危機に瀕している。

つーか、ちゃんと独立することが出来ずに、再びロシアの傀儡政権の統治下に置かれることになりかねない。

ウクライナ紛争の実態が、ロシアの内政問題(!)でウクライナ地域の独立戦争(!)だととらえれば、何かと理解しやすいことは既に書いた。

我々は、ソ連崩壊後のロシアを見誤っている。

この国は、もう、自分でもどうしようもないほどの拡張主義だ。

つーか、ある程度の規模になれば、国家というのは、そもそも、そういうものなのかもしれない。

戦争は、そういう大国の性というか業というか、その発露として、放っておけば必然的に発生する。

だからこそ、政治的にも経済的にも軍事的にも、四方八方からがんじがらめにして、暴走しないように抑制しておかなければならない。

それでも、ちょっと油断すると、するりと抜け出してすぐにドンパチ始める。

まあ、どうでもいいんですが。

先日から、「国家(間)に真の友人はいない」というのを、決め台詞として書いている。

元々はドゴールのセリフらしい。

フランスは、軍事支援ではドイツに大きく水を開けられている。

それでも、まあ、なんとかかっこを付けてはいるけどな。

それでも、ドイツと比べると、危機感には乏しい感じだ(そうなのかあ?)。

そのドイツにしたって、軍関係者はともかく、一般市民にロシアとドンパチやる切羽詰まった感覚はないだろう(未確認)。

バルト3国やポーランドとは異なる。

今日、午後から体調がすぐれず、うだうだと寝たり起きたりしていたら、新たな妄想が湧いてきて困った。

ウクライナは、ポーランドやバルト3国を巻き込んで、NATOから分離させようとしているのではないか。

まあ、例によって、単なる妄想だけど、一定の合理性はある。

もう、兵員にしても、ウクライナ単独ではどうしようもないし、長期に戦闘を続けていく上では、欧州との一体化は不可欠だ。

でも、NATOに入れてもらえない。

それなら、隣国やその近隣諸国を巻き込んで、NATOの枠組みとは別に、対ロシア有志連合(お友達?)を作っちまえばいい・・・。

で、そのリソースを使って、ロシアとドンパチを続けようというわけだ。

ルーマニアとかも巻き込んでおいた方がいいな。

黒海へのアクセスや、防空支援のメリットがある。

プーチンにとっては、飛んで火に入る何とやらだろう。

降りかかる火の粉は払いのけなければならない。

欧州大戦争は、向こうから仕掛けてきたというストーリーで始まる。

だが、ドイツやフランス、英国は黙って見ているだろうか?。

そこが問題なわけだが、確トラになって、欧州も米国からの支援が受けられないな中で、ロシアとディールするには何らかの手土産が必要だからな。

フィンランドは分からないけど、東欧諸国は、結果的に再びロシアの勢力圏内ということになるかも知れない。

そこは、戦争の推移にもよるだろう。

ロシアとの緩衝地帯という形で、NATOから引っぺがされてケリがつく。

EUには残存することになるかも知れない。

ウクライナは、自らのアイデンティティを維持するために、欧州を巻き込みに掛かっている・・・。

もちろん、ただの妄想だ。

が、欧州大戦争は回避され、多少ドンパチしても東欧中戦争くらいで済む。

ロシアにとっても、美味しい話だ。

米国の関与無き欧州の新たな姿が見えてくる気がする(幻覚じゃね?)。

その引き金をウクライナが引く。

ウクライナ自身は、東部と南部を失い、内陸国となるけど、一定の独立を確保できるかも知れない。

また、東欧諸国との新たな安全保障を得ることが出来る可能性もある。

そこには、トルコも関与するだろうしな。

国境線が、今のままということはないだろう。

ウクライナ西部は、ポーランドに上げちゃう。

ハンガリーやスロバキアは、どーするんだろうな。

モルドバは、いい面の皮だな。

ロシアの影響が強まる中、バルト3国の運命は暗い。

カリーニングラードの件があるから、ラトビアとリトアニアは再びロシアに併合だろうな。

ついでにエストニアもな(ついでなのかあ?)。

ソ連崩壊後の勢力図が、概ね元に戻る感じだ。

確トラ(トランプ政権二期目)の先に何が起こるかは知らない。

が、米国の欧州関与が激減するのは確実だ。

それは、一時的なものではなく、二度と元には戻らない不可逆的な変化だ。

冷戦の時のような、鉄のカーテンが引かれるわけではないだろう。

東欧諸国にしても、ウクライナにしても、一定の独立は維持される(バルト3国除く?)。

軍備をどうするかは分からないけど、NATOに準じる方がいいかもしれない。

ロシアとしても、そこまで統治するのはコストがかかるからな。

が、自衛のための最小限の軍備に限られるだろう。

緩衝地帯としての機能が阻害されない程度だな。

100年くらいは、その態勢で持たせなければならない。

さて、次のウクライナはどこになるのかな・・・。

<もっと追加>ーーーーーーーーーー

(ウクライナ侵攻が3年目突入、甚大な犠牲と細る国際的支援で疲弊)
https://jp.reuters.com/markets/japan/funds/7HMXUUIZCRPJVNANYMWYVMU5HI-2024-02-24/

「第2次世界大戦以降の欧州で最も致命的だと言われる紛争が勃発して以来、ウクライナはかつてないほど弱体化している。」

記事の内容に、取り立てて注目すべき点はないんだが、浮沈子的にはこの記事の区分を、ロイターが「投資信託」に分類しているのが気になる。

つまりだな、ロイター的には、ウクライナに投資価値がないということなんだろう(そうなのかあ?)。

<良い兆し>

・ロシアの戦車と兵士が首都キーウ(キエフ)方面に侵攻を開始した後、数日から数週間、規模ではるかに勝る敵を撃退し、完全な敗北を免れた。大方の予想を裏切った上、ロシア政府の見込んでいた最善のシナリオを覆した。
→過去の栄光!?。

・ゼレンスキー大統領にはまだ多くの支援者がいる。24日には主要7カ国(G7)首脳会議(サミット)が開催される予定で、ゼレンスキー氏も参加して安全保障、対ロシア制裁などの喫緊の問題について話し合う予定
→支援は口先だけ!?。

・米国のバイデン大統領は、政治的対立により追加支援610億ドルの議会審議が難航しているとはいえ、信頼できる支持者であることに変わりはない。
→次はトランプか!?。

・西側による経済制裁や中国への依存拡大に対処しなければならない(ロシア)政府にとって、代償は大きい。
→経済制裁は空文化!?(以下の<もっともっと追加>参照)。

・「勝利が待っていると確信している」(ゼレンスキー大統領)
→有り余っているのは抗戦意欲だけ!?。

・(ロシアの国内総生産(GDP)の増加について、)国内エコノミストの中には国防費の急増によるものであり、停滞や景気後退が迫っていると警告する向きもある。
→短期的には、景気は上向き!?。

<悪い兆し>

・戦争から丸2年が経過し、国際的な援助や軍事物資の供給は細っている。ウクライナ軍による夏期の反転攻勢は不首尾に終わり、ロシア軍が攻勢を強める戦況
→地域によってはウクライナが攻勢に出ているところもあると言われている(黒海北西部、アゾフ海周辺の空域など:撃沈、撃墜多数!)。

・2024年末を見据えると、米国の11月の選挙で大統領が交代し、ウクライナとロシアとの戦争に対する政策が変わり、今後の見通しが不透明になる可能性がある。
→確トラだからなあ・・・。

・ウクライナの検事総長は23日に、過去2年間における12万2000件以上の戦争犯罪容疑の捜査を開始したと発表
→これからも増え続けるに違いない(停戦交渉の際の取引材料として、記録し続けることは重要だ)。

・侵攻開始当初の衝撃は徐々に薄れ、疲労へと変化している。2022年後半にみられた、ロシアによる勝利とウクライナの見事な反転攻勢は、塹壕戦のような激しい消耗戦へ移行、ロシアは兵士を補充できる人口がはるかに多く、軍事予算も多いため、長期戦の方が有利に働く可能性
→戦争遂行の基盤的事実として、認めざるを得ない。ウクライナは借金経営で乗り切ろうとしているが、継続して融資を受けられるかどうかは不透明だ。

・村や町や都市は破壊され、軍は疲弊し、弾薬は不足。一方でロシアのミサイルや無人機による攻撃は毎日のように降り注いでいる。
ロシア軍は今年2月初め、東部ドネツク州の要衝アブデーフカを掌握。数カ月にわたる市街戦に終止符を打ち、この9か月間で最大の勝利を収めた。
→足元の経営状況は最悪だな・・・。

・双方で数万人の兵士が死亡、数万人が負傷し、数千人のウクライナ市民が命を落とした。
→許容可能な人的損耗は、ロシアの方がはるかに大きい。

・最近の世界銀行の調査によると、同国の経済再建には10年間で4860億ドルの費用がかかる見込み。200万戸の住宅が完全に破壊もしくは一部損壊し、600万人近くが海外に避難している。
→これをいい兆しと捉えるかどうかは、意見の分かれるところだが、復興需要(投資対象?)がべらぼーに多いことは確かだ。

・ゼレンスキー氏は最大50万人以上の追加動員を可能にする法案を議会に提出しようとしている。これが実現すれば、経済がまひ状態に陥ると懸念するエコノミストもいる。
→政権が、大規模追加動員に消極的な理由の一つだ。ドンパチには勝てるかも知れないが、国は亡びる・・・。

・(ロシアの)2023年の国内総生産(GDP)は前年比3.6%増加した
→ロシアにとっては、少なくとも短期(2~3年間)の戦争継続に問題はない。

・3月の大統領選挙では、プーチン氏の勝利は揺るがない
→ウクライナの徹底抗戦の継続性より、ロシアのウクライナ掌握の意志の方が強い気がする(民主主義の構造的欠陥と、専制主義(独裁主義)の国家目的推敲の効率性の差か)。

ロイターだからな。

顧客に情報を売って商売するというビジネスモデルで食ってる企業だから、基本的なポイントは押さえている。

短期的浮き沈みは別にしても、ドンパチが続く限り、ウクライナに積極的に投資しようという気にはなれない。

復興需要は確かに大きいだろうが、ロシア支配地域が拡大していけば、逆に目減りするリスクもある。

この冬、ロシアは電源供給網よりも、軍需産業を直接狙う方針に改めている。

もちろん、戦争終結がロシアの思惑通りに展開されれば、ウクライナの軍需を将来的に当てにすることはできない。

その時のウクライナの社会インフラがどの程度損傷されているかは不明だが、このブログでも人口問題で見た通り、海外避難者がそのまま国外に定着し、ウクライナに足止めされている野郎どもが国外に移住するような事態になれば、復興需要の見直しが必要になるかも知れない。

ただ、破壊が進むこと自体は、悪いことばかりじゃない。

古い設備の更新を強制的に行うことにもつながる(スクラップアンドビルドだが、既にスクラップの段階は終わってるからな)。

より効率的なシステムに移行することが出来れば、経済に弾みがつく可能性もある。

ちょっと逆説的だが、欧州でドンパチが始まり、ウクライナからの製品が使われるようになれば、ちょうど我が国の復興に朝鮮戦争が果たしたのと同じ効果が期待できる。

まるっとロシアに占領されて、ロシア側の需要を取り込み、NATOを攻撃する側に供給するというのが、ウクライナの発展に最も寄与するという皮肉な構図だ。

もっとも、ウクライナが完全勝利して、NATO側に供給してもいいんだがな(ありえねー・・・)。

景気の低迷が続く欧州より、金回りがいいロシアに売った方が儲かりそうな気もする(そんなあ!)。

まあ、どうでもいいんですが。

戦争は、非人道的経済行為だ。

そこで生まれる需要を取り込み、経済の発展に繋げていくことで、疲弊した国土を回復させることが出来る。

わが国は、太平洋戦争で敗北し、痛い目を見たが、戦後、奇跡の回復と発展を遂げた。

「過ちは繰り返しませんから」と誓いを立ててから幾星霜・・・。

浮沈子の知るある経営者は、「戦争待望論者」だった。

「損得だけを考える。道義は擬装である」

投資対象としてのウクライナ。

世界は、冷徹な目で、この国を眺めている・・・。

<もっともっと追加>ーーーーーーーーーー

(ロシア国庫、異例の潤沢ぶり 手持ち現金は侵略前の13倍以上)
https://www.cnn.co.jp/world/35215684.html

「ロシアによるインドへの原油販売は制裁措置には抵触せす、全面的に合法な取引となっている。」

「ロシア産原油を材料にしたインドによる精製品の買い手は昨年、13億ドル相当の取引をしていた米国が最大の顧客」

やれやれ・・・。

記事を読むと、いろいろ裏の事情もあるようだが(「影の原油タンカー船団」の話とか)、ウクライナへの支援がストップしているなかで、このニュースは不都合だな。

「インドが中東産原油の一層の調達に乗り出せば、原油価格は1バレルあたり75~76ドルの水準ではなく、150ドルに急騰」

だから、ロシアからの原油を輸入して、原油価格を抑えているのは正当だとしているわけだ。

米国は、ロシア産原油をインドが輸入していることを非難しながら、その一方で、ちゃっかり精製された石油製品を大量に輸入して、間接的かつ合法的にロシア経済の発展に貢献している。

「ロシア政府の歳入は昨年、過去最高の約3200億ドルに達し、さらに膨らむ見通しとなっている。このうちの約3分の1がウクライナでの戦費に充てられていた。今年はこの比率がさらに増える見通し。」

この話は、経済制裁の抜け道の一つに過ぎない。

ハイテク製品(我が国からの輸出も含む)をはじめとして、この手の話題には事欠かないだろう。

以前には、我が国がロシア産天然ガスの最大の輸入国になっている話も取り上げた。

「国際関係を2国間だけでなく,多国間的に考える」

「国際関係は、善悪でなく損得で考える」

わが国は、自国の防空が手薄なことを棚に上げ、米国のライセンスで生産しているパトリオットシステムのパック2ミサイルを、米国に輸出することになった(その後どうなったかは未確認)。

米国の在庫を補填し、米国で製造されたパック2ミサイルはウクライナに供与されている(今は止まってるでしょうけど、やがては再開される)。

日米同盟は、我が国の外交の基軸だから、なんでも言いなりだけど、ロシアからの天然ガスの輸入、第三国を経由しての兵器部品の輸出、玉突きでのウクライナ支援、戦後需要を見越したウクライナ支援など、多様な国際関係の中で生きている。

相互に密接な関係があるサプライチェーンを切り替えるには時間が掛かる。

そんなことをしているうちに、ウクライナが負けちまって、割高で非効率な選択をした挙句、ライバル企業(抜け道を上手に使って、有利な取引を継続?)にシェアを奪われたら元も子もない。

その穴埋めは、どこもしてくれない。

過酷な競争の中で生き残るためには、仏心は徒になる。

米国は、その手本を示している(そうなのかあ?)。

経済制裁は、米国が他国を排除して、自国の取引を増大させるための手段だろう(未確認)。

いや、ウクライナ紛争そのものが、苛烈な国際競争の表出かもしれない。

戦争はビジネスだ。

投資に見合う利益がなければ、追加投資は打ち切られ、資金は引き上げられる。

バイデン政権の意図とは異なるだろうが、米国はいい時期に支援を中断したともいえる(ウクライナが戦場で勝てなくなったタイミングだ)。

このまま撤退すれば、その結果は欧州が負う。

引き際としても悪くはない。

やっぱ、民主主義は優れた統治手法だな(そういうことかあ?)・・・。