🐼大気圏再突入時の通信途絶:「応答しろ、アポロ。応答しろ!」「・・・」:ドラマチックなシーンが消えてなくなるかも2021年07月02日 22:34

大気圏再突入時の通信途絶:「応答しろ、アポロ。応答しろ!」「・・・」:ドラマチックなシーンが消えてなくなるかも
大気圏再突入時の通信途絶:「応答しろ、アポロ。応答しろ!」「・・・」:ドラマチックなシーンが消えてなくなるかも


確か、記憶では謎の円盤UFOでも、フォスターがムーンベースから地球に帰還する際に、進入角度が深すぎてヤバくなったシーンがあったと思ったんだがな。

宇宙船が、大気圏に再突入する時には、断熱圧縮で高温化した大気がプラズマとなり、通信を妨害してブラックアウト(素潜りのとは違います)するって聞いたことがある。

あれって、摩擦熱じゃないってのが、定番の解説なんだけど、ホントは摩擦熱だって混じってるんじゃね?。

まあ、どうでもいいんですが。

浮沈子が好きなアポロ13の中にも、件のシーンは出てくる・・・。

(アポロ13:えーと、今日は映画の方を引用してみました。)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%9D%E3%83%AD13

「大気圏突入」

「いよいよ大気圏突入が迫るが、運の悪い事に着水海域にはハリケーンが迫っており、またスラスターやパラシュートが凍結している恐れ、シールドにヒビがある可能性など、不安要素は山積みであった。」

「さらに侵入角度が浅くなってきてる事も判明したが、これらの問題のすべてには、もはや対処の手段がなく、ここまで英知の限りを尽くして困難を克服してきた彼らも、あとは幸運を祈ることしかできないのだ。」

「間もなく司令船は超高速で大気圏に再突入し、摂氏数万度の火炎に包まれ、ヒューストンとの交信も途絶する。」

「ヒューストンは無線で司令船に呼びかける。」

「だが、交信復帰予定の3分を経っても応答はない。」

いやあ、このあらすじを書いた人は、才能あるなあ・・・。

「4分が経過し、誰もが最悪の事態を覚悟したとき、青空にオレンジ色のパラシュートが花開き、司令船が応答する。アポロ13号が地球に還ってきたのだった。」

パチパチパチ・・・。

と、まあ、定番というか、当たり前というか、大気圏再突入の時には、通信途絶というのが決まりなわけだ。

手に汗握るシーンの演出には欠かせないわけだな。

上手くいった時にはばんばんざいだが、スペースシャトルコロンビアのように、空中分解して空の藻屑となった例もある・・・。

(コロンビア号空中分解事故)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B3%E3%83%AD%E3%83%B3%E3%83%93%E3%82%A2%E5%8F%B7%E7%A9%BA%E4%B8%AD%E5%88%86%E8%A7%A3%E4%BA%8B%E6%95%85

「(2003年2月1日)午前8時44分09秒(EI+000)、太平洋上空高度約120kmで大気圏に再突入した。」(日付は浮沈子追加)

「コロンビアが宇宙空間から大気圏に降下する際、機体(特に主翼前縁)表面の温度は、6分間で約1,370℃にまで達する。この熱は、しばしば空気との摩擦によるものと説明されるが、正確には、90%以上が急激な空気の断熱圧縮による温度上昇によるものである。」

おおっ、やっぱ、摩擦による加熱も、ちっとだけどあるじゃん!。

「午前8時59分32秒(EI+923)、機体の破壊に関する機長の発言が録音された。「了解。あー、バ…(ここで録音が途絶える)」。これが管制室が飛行士と交わした最後の会話であり、また最後の録音であった。」

記録を読むことが辛くなる記事だな。

「管制室はこの時点では信号が送られてこなくなったことに対する懸念はあったものの、重大な事故が発生したことを自覚していなかった。午前9時00分18秒まで船内の気圧は正常で、乗組員はまだ意識があり事態に対処していた可能性がある」

「午前9時12分39秒(EI+1710)、シャトルが空中分解したという報告を受け、飛行司令官は緊急事態(機体が喪失したことを意味する)を宣言し、破片が飛散した地域の捜索救助隊に協力を依頼した。また彼は地上指揮官(Ground Controller, GC)に対し、「GC、こちら管制室。すべての出入り口を閉鎖せよ」と命じた。2分後、管制センターは緊急時対応を実施し、すべての人間は管制室に出入りすることが許されなくなった。また飛行司令官は後の調査のためにすべての飛行データを保存した」

全ては、15分ほどの間に起こり、通信が途絶した後、機体はバラバラに分解した。

通信が途切れたのは高温の過熱のためなのか、通信システムが壊れたためなのかは知らない。

ちょっと、嫌な話を出してしまったな。

この事故を受け、後年(2011年7月)、スペースシャトルは退役に追い込まれる(2005年7月に再開したんだが、結局持たなかった)。

ISSへの宇宙飛行士の輸送は、もっぱら使い捨て宇宙船のソユーズに頼ることになり、米国はついこの間まで、不倶戴天の敵であるロシアに泣いて縋って運んでもらっていたのだ(そうだったのかあ?)。

米国の宇宙船が復帰したのは、ほぼ9年ぶり。

昨年(2020年5月)のクルードラゴンデモ2だった・・・。

まあいい。

スペースシャトルも含めて、とにかく大気圏再突入というリスキーなオペレーションに加えて、通信途絶というブラックアウトな現象が起こるというのがポイントなわけだ。

危機一髪の状況の演出として、これ以上のものはないだろう。

しかし・・・。

時は21世紀。

ひょっとしたら、状況は変わるかも知れない。

(SpaceXは、スターシップがスターリンクアンテナで「プラズマブラックアウト」を打ち負かすことができると言います)
https://www.teslarati.com/spacex-starship-plasma-blackout-starlink-test/

「おそらく最も驚くべきことは、スターリンクアンテナがスターシップが軌道再突入を通して強力な通信リンクを維持することを可能にする可能性があるというスペースXの主張です。」

「伝統的に、再突入が可能なすべての宇宙船は、地球の上層大気に気を配るときに、過熱したプラズマの鞘を生成します。そのプラズマはほとんどの電波を効果的に遮断し、再突入する宇宙船にとって避けられない数分間の通信「途絶」を引き起こします。」

「スターリンクがどういうわけかスペースXがその「プラズマ障壁」を突破することを可能にすることができれば、それは会社に軌道スターシップの再突入、降下、着陸を完成させるプロセスにとって非常に貴重な前例のない能力を与えるでしょう」

詳細は分からないが、スターシップの側面には、確かに例のスターリンクのアンテナらしきものが取り付けられている。

うーん、これがブラックアウトを回避して、通信を確保する秘密なのかあ?。

これまでの通信は、宇宙船と地上とを、直接結ぶことによって行われてきた。

現在の通信が、衛星経由で行われているのかどうかは知らない。

周波数帯によって、ブラックアウトしやすい波長があるのかも知れない。

それをかいくぐって、何らかの方法でスターリンク経由で途切れることのない通信が可能になれば、再突入の最中に、ピザを注文することだって可能になるかも知れないしな。

「アポロ、応答しろ!」

「なんだよお、うるせーなあ!」

「ピザのトッピングは何にするんだあ?」

あーあ、これじゃあドラマにならんじゃないの・・・。

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