🐼ウクライナ侵攻不可避:殺される側の論理:2つの疑問 ― 2022年02月20日 04:31
ウクライナ侵攻不可避:殺される側の論理:2つの疑問
CNNのライブ記事で、ミュンヘンで行われている安全保障会議におけるゼレンスキーの発言が報じられている。
浮沈子的に注目したのは、彼が発した2つの疑問だ。
・ウクライナは、いつNATOに加盟できるのか。
・ロシアが侵攻した場合、どんな制裁が科される
西側は、答えられないに違いない。
ウクライナは、ロシアとの緩衝地帯であることを求められている。
どっちかといえば、ロシアにくっ付いていてもらいたいからな。
浮沈子の妄想では、侵攻と同時にNATOに加盟して、欧州大戦争が起こることになっているが、このまま推移すれば、順当にロシアが侵攻してウクライナを得ることになる。
プーチンの要求は叶えられるわけだ。
そうなったら、ロシアはどんな制裁を受けるのか。
その制裁は、ロシアを思いとどまらせるのに十分なのか。
ギリギリの立場に置かれたウクライナ大統領としては、大いに知りたいところだろうが、西側はそれを示すことはできないだろう。
(ウクライナ-ロシア危機:どんどん更新されるので該当記事は出ない)
https://edition.cnn.com/europe/live-news/ukraine-russia-news-02-19-22-intl/index.html
「NATOのパートナーは、ウクライナがいつ同盟に参加できるかについてのタイムラインを明確にする必要がある、とZelenskyはCNNに語った」
「砲撃が起こった後、国境がなくなった後、または経済がなくなった後、私たちの国が解雇された後、私たちはあなたの制裁を必要としません…なぜ私たちはそれらの制裁を必要とするのでしょうか?」
ロシアに売り渡されることを彼らは知っているのだ。
ゼレンスキーがこの時期に国外に出るリスクを冒しても、会議に参加した意義はあっただろうな。
西側には、ロシアと一戦交える覚悟はない(勝者無き核戦争になるぞと脅されているしな)。
形ばかりの経済制裁を行うことで、侵攻を抑止することはできない。
ウクライナがNATOに加盟することは、少なくとも向こう10年はない。
ロシアが衰退し、クリミア半島から撤退でもしない限り(ありえねー・・・)。
ゼレンスキーは、そのことを分かっている。
自分たちは、ロシアにドナドナされちゃうってことを。
もちろん、それはロシアにとってもリスクだ。
NATOかぶれした国家を侵略して、いつまた寝返るかも知れない国民を抱えて、安定して運営できるかどうか。
しかし、今回、ロシアはそれを選択した。
西側もそれを認めているしな(そうなのかあ?)。
ウクライナ侵攻不可避。
殺される側の抵抗は厳しいだろう。
双方の被害を最小限に抑えるための方策は必要だ。
クーデターでも起こってくれればいうことはないかも知れない。
今回、実際には、そうはならなかった。
劇場型の21世紀の戦争。
ウクライナは、当事者であり、主役のはずなんだが、なんとなく影が薄い。
臨時ニュースは流れていない。
静かな、あまりにも静かすぎる嵐の前・・・。
<以下追加>ーーーーーーーーーー
(ウクライナは挑発に応じない、しかし自衛の用意がある=ゼレンスキー大統領)
https://www.bbc.com/japanese/60450171
「ウクライナ東部で親ロシア派が一方的に独立を宣言した「ドネツク人民共和国」と「ルガンスク人民共和国」では幹部らが、戦闘に参加できる年齢の男性全員に対して動員を命令。他の住民はロシアへ避難するよう促した。」
問題は、次の記述だ・・・。
「しかし、多くの住民は退避命令に従わず、自宅にとどまった。」
やれやれ・・・。
せっかくの演出が台無しじゃん!?。
ヤバいと思ったのは以下。
「ロシア・メディアはさらに、ウクライナ国境から1キロほどロシア領内に入ったロストフ地域で砲弾の爆発があったと報道。ウクライナはこれを否定しているが、ロシアは事件捜査に着手するとしている。」
ヤバ過ぎ!。
ロストフは避難先にもなっている。
そこへの砲撃ということになれば、ロシアは躊躇うことなく進軍できるからな(ロシア領内だし)。
降りかかる火の粉は払いのけなければならないし、ロシア語を話す人々を守る義務があると主張するだろう。
米国が仕掛ける西側の情報戦にどっぷり首まで漬かって、欧州大戦争の妄想を育んでいる浮沈子と違って、ロシアメディアばっかし見ている人々は、信じちゃうかもしれないな。
(ウクライナに軍事圧力かけるロシア・プーチン大統領に辞任要求 退役大将が痛切な訴え)
https://globe.asahi.com/article/14550085
「プーチン大統領に戦争を止めるよう「直訴」したのは退役将校でつくる「全ロシア将校の会」。主導しているのは、会長を務めるレオニード・イワショフ退役大将(78)だ。現役時代にはコソボ問題なども担当し、NATO側と接触。NATOの東方拡大反対論者でもある。」
いわば、身内の反乱なんだが、内容的には当たり前過ぎてつまらん!。
浮沈子的に注目したのはこれ。
「ただ、会の声明は、ロシアの主流メディアからほぼ無視されているのが実情」
「将軍を支持するのは5%の人だけ」
ロシアは、北朝鮮みたいなところなんだろうな(そうなのかあ?)。
肥大化した軍隊と、伸び悩む産業・・・。
人々は、一部のメディアに踊らされ、盲目的に独裁を支持する。
まあ、その辺は何処でも同じかもしれないけどな。
ウクライナからの撤退を求めていなかった独仏も、ようやく重い腰を上げた。
「ドイツとフランス両政府は自国民にウクライナから退避するよう勧告した。これまでに西側の多くの政府が同様の勧告を出している。ドイツのルフトハンザ航空は21日から1週間、ウクライナへのフライトを中止すると明らかにした。」(BBCの記事より)
緊張緩和の道筋は見えない。
そもそも緊張緩和(デタント)なんて、冷戦時代の用語だ。
地域紛争で緊張を煽ること自体が異常だ。
冷戦だからこそ(実際の戦闘が行われないからな)、緊張を煽る必要があったわけで、地域紛争はさっさとドンパチ始めるのが手っ取り早い。
目的を達するためには、適切な手段を選ばないとな。
米国の罠にハマって、NATOの東方拡大放棄という本音をさらけ出してしまった以上、そして、公式文書でその要求を突っぱねられた以上、プーチンは引くに引けなくなっている。
侵攻すれば冒険主義、撤退すれば敗北主義。
緊張の規模はチンケだが、置かれた状況はキューバ危機のフルシチョフと同じだ。
進むも死、退くも死(そうなのかあ?)。
死中に活を求めて、ウクライナになだれ込む公算は高い。
死体袋の山を築き、涙の川を渡ることになっても、権力の座にしがみつく。
独裁者に、安心の時などない。
常に脅かされ、孤独と不安でいっぱいなのだ。
外敵と戦い、連戦連勝している時だけ、安心でいられる。
連戦連敗したら、最悪だけどな・・・。
CNNのライブ記事で、ミュンヘンで行われている安全保障会議におけるゼレンスキーの発言が報じられている。
浮沈子的に注目したのは、彼が発した2つの疑問だ。
・ウクライナは、いつNATOに加盟できるのか。
・ロシアが侵攻した場合、どんな制裁が科される
西側は、答えられないに違いない。
ウクライナは、ロシアとの緩衝地帯であることを求められている。
どっちかといえば、ロシアにくっ付いていてもらいたいからな。
浮沈子の妄想では、侵攻と同時にNATOに加盟して、欧州大戦争が起こることになっているが、このまま推移すれば、順当にロシアが侵攻してウクライナを得ることになる。
プーチンの要求は叶えられるわけだ。
そうなったら、ロシアはどんな制裁を受けるのか。
その制裁は、ロシアを思いとどまらせるのに十分なのか。
ギリギリの立場に置かれたウクライナ大統領としては、大いに知りたいところだろうが、西側はそれを示すことはできないだろう。
(ウクライナ-ロシア危機:どんどん更新されるので該当記事は出ない)
https://edition.cnn.com/europe/live-news/ukraine-russia-news-02-19-22-intl/index.html
「NATOのパートナーは、ウクライナがいつ同盟に参加できるかについてのタイムラインを明確にする必要がある、とZelenskyはCNNに語った」
「砲撃が起こった後、国境がなくなった後、または経済がなくなった後、私たちの国が解雇された後、私たちはあなたの制裁を必要としません…なぜ私たちはそれらの制裁を必要とするのでしょうか?」
ロシアに売り渡されることを彼らは知っているのだ。
ゼレンスキーがこの時期に国外に出るリスクを冒しても、会議に参加した意義はあっただろうな。
西側には、ロシアと一戦交える覚悟はない(勝者無き核戦争になるぞと脅されているしな)。
形ばかりの経済制裁を行うことで、侵攻を抑止することはできない。
ウクライナがNATOに加盟することは、少なくとも向こう10年はない。
ロシアが衰退し、クリミア半島から撤退でもしない限り(ありえねー・・・)。
ゼレンスキーは、そのことを分かっている。
自分たちは、ロシアにドナドナされちゃうってことを。
もちろん、それはロシアにとってもリスクだ。
NATOかぶれした国家を侵略して、いつまた寝返るかも知れない国民を抱えて、安定して運営できるかどうか。
しかし、今回、ロシアはそれを選択した。
西側もそれを認めているしな(そうなのかあ?)。
ウクライナ侵攻不可避。
殺される側の抵抗は厳しいだろう。
双方の被害を最小限に抑えるための方策は必要だ。
クーデターでも起こってくれればいうことはないかも知れない。
今回、実際には、そうはならなかった。
劇場型の21世紀の戦争。
ウクライナは、当事者であり、主役のはずなんだが、なんとなく影が薄い。
臨時ニュースは流れていない。
静かな、あまりにも静かすぎる嵐の前・・・。
<以下追加>ーーーーーーーーーー
(ウクライナは挑発に応じない、しかし自衛の用意がある=ゼレンスキー大統領)
https://www.bbc.com/japanese/60450171
「ウクライナ東部で親ロシア派が一方的に独立を宣言した「ドネツク人民共和国」と「ルガンスク人民共和国」では幹部らが、戦闘に参加できる年齢の男性全員に対して動員を命令。他の住民はロシアへ避難するよう促した。」
問題は、次の記述だ・・・。
「しかし、多くの住民は退避命令に従わず、自宅にとどまった。」
やれやれ・・・。
せっかくの演出が台無しじゃん!?。
ヤバいと思ったのは以下。
「ロシア・メディアはさらに、ウクライナ国境から1キロほどロシア領内に入ったロストフ地域で砲弾の爆発があったと報道。ウクライナはこれを否定しているが、ロシアは事件捜査に着手するとしている。」
ヤバ過ぎ!。
ロストフは避難先にもなっている。
そこへの砲撃ということになれば、ロシアは躊躇うことなく進軍できるからな(ロシア領内だし)。
降りかかる火の粉は払いのけなければならないし、ロシア語を話す人々を守る義務があると主張するだろう。
米国が仕掛ける西側の情報戦にどっぷり首まで漬かって、欧州大戦争の妄想を育んでいる浮沈子と違って、ロシアメディアばっかし見ている人々は、信じちゃうかもしれないな。
(ウクライナに軍事圧力かけるロシア・プーチン大統領に辞任要求 退役大将が痛切な訴え)
https://globe.asahi.com/article/14550085
「プーチン大統領に戦争を止めるよう「直訴」したのは退役将校でつくる「全ロシア将校の会」。主導しているのは、会長を務めるレオニード・イワショフ退役大将(78)だ。現役時代にはコソボ問題なども担当し、NATO側と接触。NATOの東方拡大反対論者でもある。」
いわば、身内の反乱なんだが、内容的には当たり前過ぎてつまらん!。
浮沈子的に注目したのはこれ。
「ただ、会の声明は、ロシアの主流メディアからほぼ無視されているのが実情」
「将軍を支持するのは5%の人だけ」
ロシアは、北朝鮮みたいなところなんだろうな(そうなのかあ?)。
肥大化した軍隊と、伸び悩む産業・・・。
人々は、一部のメディアに踊らされ、盲目的に独裁を支持する。
まあ、その辺は何処でも同じかもしれないけどな。
ウクライナからの撤退を求めていなかった独仏も、ようやく重い腰を上げた。
「ドイツとフランス両政府は自国民にウクライナから退避するよう勧告した。これまでに西側の多くの政府が同様の勧告を出している。ドイツのルフトハンザ航空は21日から1週間、ウクライナへのフライトを中止すると明らかにした。」(BBCの記事より)
緊張緩和の道筋は見えない。
そもそも緊張緩和(デタント)なんて、冷戦時代の用語だ。
地域紛争で緊張を煽ること自体が異常だ。
冷戦だからこそ(実際の戦闘が行われないからな)、緊張を煽る必要があったわけで、地域紛争はさっさとドンパチ始めるのが手っ取り早い。
目的を達するためには、適切な手段を選ばないとな。
米国の罠にハマって、NATOの東方拡大放棄という本音をさらけ出してしまった以上、そして、公式文書でその要求を突っぱねられた以上、プーチンは引くに引けなくなっている。
侵攻すれば冒険主義、撤退すれば敗北主義。
緊張の規模はチンケだが、置かれた状況はキューバ危機のフルシチョフと同じだ。
進むも死、退くも死(そうなのかあ?)。
死中に活を求めて、ウクライナになだれ込む公算は高い。
死体袋の山を築き、涙の川を渡ることになっても、権力の座にしがみつく。
独裁者に、安心の時などない。
常に脅かされ、孤独と不安でいっぱいなのだ。
外敵と戦い、連戦連勝している時だけ、安心でいられる。
連戦連敗したら、最悪だけどな・・・。
🐼スターリンク:磁気嵐対策:初期投入軌道変更など ― 2022年02月20日 05:30
スターリンク:磁気嵐対策:初期投入軌道変更など
(地磁気嵐は最後のミッションからほとんどのスターリンク衛星を殺しますが、SpaceXはすでに修正されています)
https://www.elonx.cz/geomagneticka-boure-zpusobila-zanik-vetsiny-druzic-starlink-z-posledni-mise-spacex-uz-ale-zavedlo-napravu/
「11個の衛星しかありませんでした。なんとか保存できました。残りは打ち上げの数日後に大気中で燃えました。」
49機の打ち上げで、差し引き38機が失われたことになる。
残った11機が、所期の衛星寿命(5年くらい?)を全うできるかどうかも怪しい。
で、S社はどうしたのか。
「衛星が325 x 337kmのパラメーターを持つより高い円軌道で打ち上げられる」
今までは、ペリジーが210kmと、超低高度だったからな。
この変更が一時的なものなのか、磁気嵐対策として定着するのかは分からない。
背に腹は代えられない。
不良衛星が多少長い期間(数週間または数か月)、初期軌道に留まることになったとしても、8割の衛星を失うよりはいいだろう(そもそも、この軌道高度で恒常的に運用される衛星は、今のところ殆どない)。
記事には、細かい話も出ている。
「ロケットの打ち上げ能力がわずかに低下することを意味し、1回の打ち上げで打ち上げることができる衛星の最大数に反映されています。次のスターリンクミッションで4-8したがって、ロケットは前回より3衛星少なく、合計46個の衛星を搭載します。」
「SpaceXは、飛行場シェルターと第1ステージの着陸条件が季節的に改善されたため、冬にフロリダのスターリンクミッションを南東部で実施することを決定したため、この数は予想よりもわずかに少なくなっています。ただし、この軌道は、ペイロードが53衛星から49衛星に減少した従来の北東部ほど最適ではありません。」
軌道を上げたことによる機数の減少は3機。
元々、1段目の回収地点を、冬季だけ、海況が穏やかな南側に変更したことで、4機減らしているから、バージョン1.0から1.5への重量増に伴い減少した53機(1.0は60機)からは、差し引き7機が減っている。
ドッグレッグ操作をしないで済む北東方向への打ち上げが可能な季節になれば、高度を上げただけのロスで、打ち上げ機数は増えるだろう(50機くらいと見ているようです)。
「長期的にスターリンクミッションに強力なファルコンヘビーを使用することは理にかなっていますか」
ははあ、ペトルメレチンは、ファルコンヘビーが使用される可能性も考えているようだなあ・・・。
浮沈子は、それはないと思ってるけどな。
大型のフェアリングが実用化して、センターコアの再使用がコンスタントに行われることになったとしても、運用上の制約が大きいヘビーで打ち上げるメリットはそれほど大きくはない(せいぜい100機くらいか)。
それよりも、早いとこスターシップを実用化して、2段目使い捨てでもいいから、数百機を同時に投入する方が現実的だろう。
「ファルコン9が将来スターシップに置き換えられることを期待していますか?」
浮沈子的には、こっちに一票だな・・・。
<以下追加>ーーーーーーーーーー
(3-5 地磁気嵐)
https://www.nict.go.jp/publication/shuppan/kihou-journal/kihou-vol48no3/0305.pdf
「地磁気嵐は、汎地球的に磁場強度が数十~数百 nT減少する太陽風-磁気圏-電離圏複合系で生じる最も大規模な擾乱現象である。」
減少するのかあ!?。
浮沈子は、「嵐」というくらいだから、増加するんだとばかり思っていたけどな。
「この現象は中低緯度の地磁気の水平成分が半日~数日にわたって汎地球的に減少した状態が継続することに特徴付けられる。」
ミスプリじゃないみたいだ。
「地磁気擾乱のない静穏時には、地磁気は比較的規則的な変動を示す。この変動は熱圏中性大気の潮汐運動に伴うダイナモ作用の作り出す電離層電流に起因する。なお、大気の潮汐運動は太陽からの熱エネルギーによって駆動されている。」
熱圏というのは、大気鉛直構造における熱に着目した区分のひとつで、成層圏のさらに上の中間圏のそのまた上に乗っかっている超高層大気層だ。
(熱圏)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%86%B1%E5%9C%8F
「この上には外気圏がありその境界を熱圏界面、熱圏と中間圏との境界は中間圏界面(高度約80km)と呼ばれる」
概ね80kmから800km(リンクされている理科年表の図には、500kmという記述も)の高さで、地球低軌道の人工衛星などもこの中を飛んでいる(もちろん、スターリンクもISSも飛んでます)。
磁気嵐の中にも2種類あるらしく、極域でオーロラの原因になる「サブストーム」(変動レンジは数百から数千nT、変動時間は数時間程度)というのと、中低緯度地域で1日から数日にわたって起こる変動幅が一桁小さい「地磁気嵐」に分かれるようだ。
「地磁気の減少が促進している期間を「主相(main phase)」、減少が回復している期間を「回復相(recoveryphase)」と呼ぶ。」
ややっこしいことに、この変動(減少→増加(回復))の前に一時的に増加が見られることがあるようだ。
「主相の開始前に磁場強度が短時間の間に急増する「急始部(SC: suddencommencement)」を伴うことがある。これは「急始(SC)型地磁気嵐」と呼ばれている。急始部から主相の開始までを「初相(initial phase)」と
呼ぶ。急始部を伴わないものは「緩始(SG)型地磁気嵐」と呼ばれている。」
さらにややっこしいのは、中低緯度における地磁気嵐の時にも、高緯度でのサブストームが頻発するらしい・・・。
「地磁気嵐時には、サブストームも頻発しており、これに対応した短い周期の地磁気変動が地磁気嵐の変動に重畳するため、複雑な変動パターンを示す。」
「サブストームが頻発しても、地磁気嵐が発達するとは限らない。」
「今日では、サブストームと地磁気嵐の関係は単純ではなく、むしろ独立な現象ととらえるべきだという見方に傾きつつある。」
もう、ワケワカ・・・。
磁気嵐の原因や発生のメカニズム、定量的な測定や数式などは、全て割愛する(そんなあ!)。
浮沈子の理解を超えた論文を引用したのは、人工衛星に対する熱圏の磁気嵐による影響が書かれていたから。
「補遺:地磁気嵐の社会への影響:
地磁気嵐の発達時には磁気圏の対流運動も発達してサブストームが頻発し、極域の電離層電流が増大する。極域に流入したエネルギーは熱
圏大気を加熱し、大気組成比を変動させたり、大規模な大気の運動を引き起こしたりする。」
「これによって、電離層の臨界周波数が変化する電離圏嵐が発生し、通信障害が生じることがある」
まあ、詳細はともかくとして、電磁気的変動があるわけだから、通信障害は想定の範囲内だ。
しかし、スターリンクがそれで落ちてきたわけではない(通信障害が起こったかどうかは未確認)。
「熱圏大気が加熱されて膨張することで、低高度を飛んでいる人工衛星の姿勢や軌道が著しく変化することがある。」
主因はこっちなわけだ。
太陽からの荷電粒子の飛来→磁気嵐→極域(高緯度地域)への電離層電流の増大→熱圏大気の過熱→大気の膨張→効力の増大→スターリンクの軌道低下→墜落炎上消滅・・・。
ってな感じかあ?。
まあ、どうでもいいんですが。
なお、電離圏(電離層)というのは、熱的鉛直構造とは別に、大気の電離に着目した時の層区分で、高度50kmから500km(800kmという記述も)にあたる(スターリンク(初期軌道)もISSも飛んでます)。
(電離層)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%9B%BB%E9%9B%A2%E5%B1%A4
「地球を取り巻く大気の上層部にある分子や原子が、紫外線やエックス線などにより電離した領域」
短波通信華やかなりし頃は、インターネットなんかに依存しないで、電離層に反射して戻ってきた電波で、遠方との通信が出来たわけだけどな。
その有難い電離層を経由した熱圏大気の過熱のせいで、衛星インターネットの花形に躍り出たスターリンク衛星が落ちるというのは、何とも皮肉を感じざるを得ないな・・・。
(スペースX、打ち上げ直後のスターリンク衛星約40機を失う。原因は地磁気嵐)
https://sorae.info/space/20220216-spacex-starlink.html
「打ち上げられた49機のうち最大40機が発表時点で大気圏に再突入したか、再突入する見込みとされています。」
「軌道上物体に詳しい天体物理学者のJonathan McDowellさんによると、2月13日までに失われた衛星の数は38機に上るようです。」
あと2機くらいは、これから落ちるということかな・・・。
<さらに追加>ーーーーーーーーーーー
(次のSpaceXの打ち上げにより、より少ないスターリンク衛星をより高い軌道に配備します)
https://spaceflightnow.com/2022/02/20/next-spacex-launch-to-deploy-fewer-starlink-satellites-into-higher-orbit/
「ロケットが運ぶことができる現世代のスターリンク衛星の数を52から49に減らします。」
イーロンXでは、53機だったけどな。
調べてみると、バージョン1.5になってから52機で飛んだのは1回(スターリンク4-4)だけ(53機も1回ですけど:スターリンク4-1)。
しかし、52機というのは、カリフォルニアから打ち上げた時だからな。
直接比較はできない。
53機と比べるのだ妥当だろう。
ペトルメレチンの勝ちだな・・・。
(地磁気嵐は最後のミッションからほとんどのスターリンク衛星を殺しますが、SpaceXはすでに修正されています)
https://www.elonx.cz/geomagneticka-boure-zpusobila-zanik-vetsiny-druzic-starlink-z-posledni-mise-spacex-uz-ale-zavedlo-napravu/
「11個の衛星しかありませんでした。なんとか保存できました。残りは打ち上げの数日後に大気中で燃えました。」
49機の打ち上げで、差し引き38機が失われたことになる。
残った11機が、所期の衛星寿命(5年くらい?)を全うできるかどうかも怪しい。
で、S社はどうしたのか。
「衛星が325 x 337kmのパラメーターを持つより高い円軌道で打ち上げられる」
今までは、ペリジーが210kmと、超低高度だったからな。
この変更が一時的なものなのか、磁気嵐対策として定着するのかは分からない。
背に腹は代えられない。
不良衛星が多少長い期間(数週間または数か月)、初期軌道に留まることになったとしても、8割の衛星を失うよりはいいだろう(そもそも、この軌道高度で恒常的に運用される衛星は、今のところ殆どない)。
記事には、細かい話も出ている。
「ロケットの打ち上げ能力がわずかに低下することを意味し、1回の打ち上げで打ち上げることができる衛星の最大数に反映されています。次のスターリンクミッションで4-8したがって、ロケットは前回より3衛星少なく、合計46個の衛星を搭載します。」
「SpaceXは、飛行場シェルターと第1ステージの着陸条件が季節的に改善されたため、冬にフロリダのスターリンクミッションを南東部で実施することを決定したため、この数は予想よりもわずかに少なくなっています。ただし、この軌道は、ペイロードが53衛星から49衛星に減少した従来の北東部ほど最適ではありません。」
軌道を上げたことによる機数の減少は3機。
元々、1段目の回収地点を、冬季だけ、海況が穏やかな南側に変更したことで、4機減らしているから、バージョン1.0から1.5への重量増に伴い減少した53機(1.0は60機)からは、差し引き7機が減っている。
ドッグレッグ操作をしないで済む北東方向への打ち上げが可能な季節になれば、高度を上げただけのロスで、打ち上げ機数は増えるだろう(50機くらいと見ているようです)。
「長期的にスターリンクミッションに強力なファルコンヘビーを使用することは理にかなっていますか」
ははあ、ペトルメレチンは、ファルコンヘビーが使用される可能性も考えているようだなあ・・・。
浮沈子は、それはないと思ってるけどな。
大型のフェアリングが実用化して、センターコアの再使用がコンスタントに行われることになったとしても、運用上の制約が大きいヘビーで打ち上げるメリットはそれほど大きくはない(せいぜい100機くらいか)。
それよりも、早いとこスターシップを実用化して、2段目使い捨てでもいいから、数百機を同時に投入する方が現実的だろう。
「ファルコン9が将来スターシップに置き換えられることを期待していますか?」
浮沈子的には、こっちに一票だな・・・。
<以下追加>ーーーーーーーーーー
(3-5 地磁気嵐)
https://www.nict.go.jp/publication/shuppan/kihou-journal/kihou-vol48no3/0305.pdf
「地磁気嵐は、汎地球的に磁場強度が数十~数百 nT減少する太陽風-磁気圏-電離圏複合系で生じる最も大規模な擾乱現象である。」
減少するのかあ!?。
浮沈子は、「嵐」というくらいだから、増加するんだとばかり思っていたけどな。
「この現象は中低緯度の地磁気の水平成分が半日~数日にわたって汎地球的に減少した状態が継続することに特徴付けられる。」
ミスプリじゃないみたいだ。
「地磁気擾乱のない静穏時には、地磁気は比較的規則的な変動を示す。この変動は熱圏中性大気の潮汐運動に伴うダイナモ作用の作り出す電離層電流に起因する。なお、大気の潮汐運動は太陽からの熱エネルギーによって駆動されている。」
熱圏というのは、大気鉛直構造における熱に着目した区分のひとつで、成層圏のさらに上の中間圏のそのまた上に乗っかっている超高層大気層だ。
(熱圏)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%86%B1%E5%9C%8F
「この上には外気圏がありその境界を熱圏界面、熱圏と中間圏との境界は中間圏界面(高度約80km)と呼ばれる」
概ね80kmから800km(リンクされている理科年表の図には、500kmという記述も)の高さで、地球低軌道の人工衛星などもこの中を飛んでいる(もちろん、スターリンクもISSも飛んでます)。
磁気嵐の中にも2種類あるらしく、極域でオーロラの原因になる「サブストーム」(変動レンジは数百から数千nT、変動時間は数時間程度)というのと、中低緯度地域で1日から数日にわたって起こる変動幅が一桁小さい「地磁気嵐」に分かれるようだ。
「地磁気の減少が促進している期間を「主相(main phase)」、減少が回復している期間を「回復相(recoveryphase)」と呼ぶ。」
ややっこしいことに、この変動(減少→増加(回復))の前に一時的に増加が見られることがあるようだ。
「主相の開始前に磁場強度が短時間の間に急増する「急始部(SC: suddencommencement)」を伴うことがある。これは「急始(SC)型地磁気嵐」と呼ばれている。急始部から主相の開始までを「初相(initial phase)」と
呼ぶ。急始部を伴わないものは「緩始(SG)型地磁気嵐」と呼ばれている。」
さらにややっこしいのは、中低緯度における地磁気嵐の時にも、高緯度でのサブストームが頻発するらしい・・・。
「地磁気嵐時には、サブストームも頻発しており、これに対応した短い周期の地磁気変動が地磁気嵐の変動に重畳するため、複雑な変動パターンを示す。」
「サブストームが頻発しても、地磁気嵐が発達するとは限らない。」
「今日では、サブストームと地磁気嵐の関係は単純ではなく、むしろ独立な現象ととらえるべきだという見方に傾きつつある。」
もう、ワケワカ・・・。
磁気嵐の原因や発生のメカニズム、定量的な測定や数式などは、全て割愛する(そんなあ!)。
浮沈子の理解を超えた論文を引用したのは、人工衛星に対する熱圏の磁気嵐による影響が書かれていたから。
「補遺:地磁気嵐の社会への影響:
地磁気嵐の発達時には磁気圏の対流運動も発達してサブストームが頻発し、極域の電離層電流が増大する。極域に流入したエネルギーは熱
圏大気を加熱し、大気組成比を変動させたり、大規模な大気の運動を引き起こしたりする。」
「これによって、電離層の臨界周波数が変化する電離圏嵐が発生し、通信障害が生じることがある」
まあ、詳細はともかくとして、電磁気的変動があるわけだから、通信障害は想定の範囲内だ。
しかし、スターリンクがそれで落ちてきたわけではない(通信障害が起こったかどうかは未確認)。
「熱圏大気が加熱されて膨張することで、低高度を飛んでいる人工衛星の姿勢や軌道が著しく変化することがある。」
主因はこっちなわけだ。
太陽からの荷電粒子の飛来→磁気嵐→極域(高緯度地域)への電離層電流の増大→熱圏大気の過熱→大気の膨張→効力の増大→スターリンクの軌道低下→墜落炎上消滅・・・。
ってな感じかあ?。
まあ、どうでもいいんですが。
なお、電離圏(電離層)というのは、熱的鉛直構造とは別に、大気の電離に着目した時の層区分で、高度50kmから500km(800kmという記述も)にあたる(スターリンク(初期軌道)もISSも飛んでます)。
(電離層)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%9B%BB%E9%9B%A2%E5%B1%A4
「地球を取り巻く大気の上層部にある分子や原子が、紫外線やエックス線などにより電離した領域」
短波通信華やかなりし頃は、インターネットなんかに依存しないで、電離層に反射して戻ってきた電波で、遠方との通信が出来たわけだけどな。
その有難い電離層を経由した熱圏大気の過熱のせいで、衛星インターネットの花形に躍り出たスターリンク衛星が落ちるというのは、何とも皮肉を感じざるを得ないな・・・。
(スペースX、打ち上げ直後のスターリンク衛星約40機を失う。原因は地磁気嵐)
https://sorae.info/space/20220216-spacex-starlink.html
「打ち上げられた49機のうち最大40機が発表時点で大気圏に再突入したか、再突入する見込みとされています。」
「軌道上物体に詳しい天体物理学者のJonathan McDowellさんによると、2月13日までに失われた衛星の数は38機に上るようです。」
あと2機くらいは、これから落ちるということかな・・・。
<さらに追加>ーーーーーーーーーーー
(次のSpaceXの打ち上げにより、より少ないスターリンク衛星をより高い軌道に配備します)
https://spaceflightnow.com/2022/02/20/next-spacex-launch-to-deploy-fewer-starlink-satellites-into-higher-orbit/
「ロケットが運ぶことができる現世代のスターリンク衛星の数を52から49に減らします。」
イーロンXでは、53機だったけどな。
調べてみると、バージョン1.5になってから52機で飛んだのは1回(スターリンク4-4)だけ(53機も1回ですけど:スターリンク4-1)。
しかし、52機というのは、カリフォルニアから打ち上げた時だからな。
直接比較はできない。
53機と比べるのだ妥当だろう。
ペトルメレチンの勝ちだな・・・。
🐼ISS落下:だいぶ先の話だけど:民間後継機は上がるのか ― 2022年02月20日 21:11
ISS落下:だいぶ先の話だけど:民間後継機は上がるのか
「ISS落下」
このサブタイトルで、9年間引っ張る(そんなあ!)。
2030年には運用を終え、無人にして高度を落とし、2031年には南太平洋に落とす。
アキショムの追加モジュールが取り付けられたり、空気の洩れが止まらないロシアモジュールの一部が外されたりするかもしれないけど、概ね、現状を維持して飛び続ける。
運用が延期されたことについては、既に書いた。
(宇宙の宝石:ISSの意義:2030年まで存続)
http://kfujito2.asablo.jp/blog/2022/01/25/9458718
「新品のシェルドライが全没!(水温14度で死ぬかと思った)。」
おっと、こっちの話じゃなかったか・・・。
「人類には見上げるものが必要だというのは、先代のNASA長官であったブライデンスタインの名セリフだが、確かに世界中どこでも(高緯度地方を除けば)空を見ればそこにISSが見えるわけだから、その象徴的意義は高いといえる。」
宇宙ネタも枯れ気味だったので、困った時の鳥嶋さんの記事を当たった。
(国際宇宙ステーション、2030年まで運用へ - 廃棄処分と後継機はどうなる?)
https://news.mynavi.jp/techplus/article/20220218-2274824/
運用の延長と問題点、廃棄や後継機など、まんべんなく触れている。
宇宙関連記事のお手本だな・・・。
アポロ計画、スペースシャトル、国際宇宙ステーションといえば、米国の、いや、人類の宇宙開発史に燦然と輝く巨星たちだ。
もちろん、ロシアのミール宇宙ステーションや、改良を続けて今でも現役で飛んでいるソユーズシリーズも貴重だけれど、金のつぎ込み方の桁が違うような気がする。
それに比べたら、SLSなんて、ままごとのようなもんだな。
まあ、どうでもいいんですが。
長期の持続性という点では、スペースシャトルと肩を並べる。
幸い、今のところ、ISSでの死亡事故とかは起こっていない。
(宇宙で「おぼれる」寸前、船外活動中の水トラブル ISS)
https://www.cnn.co.jp/fringe/35034845-2.html
「パルミターノ氏がおぼれていた可能性もあったかどうかという質問に対し、船外活動責任者のカリナ・エバスリー氏は「その危険は間違いなくあった」と断言した。」
(宇宙服の水漏れ、事故の1週間前にも発生 NASA認める)
https://www.afpbb.com/articles/-/3009408
「パルミターノ氏のトラブルを調べていた調査チームは、この事故を米宇宙計画史上最も深刻な事故と位置づけていた。」
(NASA宇宙服でまた水漏れ、ISS船外活動中)
https://www.afpbb.com/articles/-/3040784
「着用していたヘルメット内部に水が溜っていたことを発見」
「NASAは今回の水漏れについて、2013年に起きイタリア人宇宙飛行士が溺れかけた同様の問題と比べて「軽微」」
先日取り上げたS社の宇宙服開発(ポラリスミッション)の話は、この辺りから出ているんだろう。
ちょっと前には、ロシアモジュールの逆噴射で、ISS丸ごと1回転半もバク転した話もあったが、幸い事故には至らなかった。
ISSは、今日も無事に飛んでいる。
「米国のバイデン政権は2021年12月31日、ISSを2030年まで運用する計画を発表。それを受け米国航空宇宙局(NASA)は2022年2月1日、2030年までのISSの運用と、その後の解体処分、そして民間による新たな宇宙ステーションの計画について明らかにした。」
詳細な引用は割愛する。
廃棄処分については、具体的な記述もある。
「軌道変更には、ロシアの「プログレス」補給船を3機、また米国の「シグナス」補給船を順次使い、逆噴射をかける。」
「軌道離脱作業の最初の数か月間は、ISSに宇宙飛行士が滞在した状態で行われる。」
いっけねー、逆噴射掛け過ぎちまったあ!。
機長、何をするんですか!。
まあいい。
Axiom Spaceのモジュールについても触れられている。
「2024年に打ち上げを予定している。打ち上げ後はISSのモジュールのひとつとして運用され、宇宙実験や宇宙旅行者の滞在に使われたのち、ゆくゆくは廃棄前のISSから離脱して、独立した宇宙ステーションとして運用」
民間の宇宙ステーションの開発が、ISSの廃棄に間に合わなければ、中国の宇宙ステーションだけが地球を周回する時期がやってくるだろう。
記事の中で懸念されている通り、民間の計画が予定通り進むとは思えないしな。
資金の調達、打ち上げ手段の確保、長期運用のノウハウの獲得などなど、エトセエトセ・・・。
「ロシアは以前、ISSの運用延長を支持してはいたが、最近では2025年以降にISS計画から離脱し、独自の宇宙ステーションを建設するという話や、中国の宇宙ステーションと協力するという話も出てきている。米ロ関係にも左右されることでもあり、ロシアが2030年までISS計画に参加し続けるかは不透明」
ロシアネタに強い鳥嶋さんにも見えていないわけだ。
浮沈子的には、中国の宇宙ステーションに、新しいモジュールだけ引っ越すというのが妥当な気がするんだがな。
逆に、中国がウェルカムかどうかは分からない。
ロシアのモジュールは、ヤバそうだから断ろうとかな。
その間にも、アルテミス計画は進捗し、人類は再び月に降り立つことになるだろう。
月周回ステーションも、その頃には上がっているかもしれない(工学的にはそれ程、難しい話じゃないだろうからな)。
常時滞在型ではないから、起動したり、シャットダウンしたりするノウハウは、改めて開発しなければならないかもしれない。
ロシア(当時のソ連)の宇宙ステーション(サリュート時代ですが)は、常時滞在ではなかったけどな。
ロシアは、金も人もノウハウも、次々と失われていき、ISSの終焉と共に、宇宙から姿を消すかもしれない。
月軌道ステーションの本格稼働が、2030年代になる可能性だってある。
SLSの遅れ、NASAの金欠、公共事業的宇宙開発の流れが月軌道に及べば、月面着陸を餌にして各国の技術と金を拠出させるというマスタープランも吹っ飛ぶかもしれないしな(半世紀以上を経て、アポロのノウハウは失われちまってるしな)。
中国は、独自路線を突っ走るだろうし、インドはひたすらその中国を追い続ける。
欧州に有人宇宙ロケットの計画はないし、そのための予算も付かない。
この、閉塞的末期的絶望的欲求不満的爆発寸前的状況を打破するのは、S社しかないのか(ブルーオリジンはどーした!?)。
別に、宇宙空間に人間が出て行かなくてもいい。
人類の地平が、月周回軌道までだったとしても、それはそれで構わない。
ISSなき後、ひょっとしたら、人類は、宇宙空間から撤退する道を選ぶかもしれない(そうなのかあ?)。
それは決して、浮沈子の妄想の中だけとは限らない。
民間の乗客を乗せたISSが、重大事故を起こして、制御されないまま落っこちて来たらどーする!?。
今後、満身創痍のまま、9年間の長きに渡り無事に飛び続けることが最低限必要だ。
ISS落下・・・。
予定の制御落下以外で、このタイトルを使わずに済むことを願うしかないな・・・。
「ISS落下」
このサブタイトルで、9年間引っ張る(そんなあ!)。
2030年には運用を終え、無人にして高度を落とし、2031年には南太平洋に落とす。
アキショムの追加モジュールが取り付けられたり、空気の洩れが止まらないロシアモジュールの一部が外されたりするかもしれないけど、概ね、現状を維持して飛び続ける。
運用が延期されたことについては、既に書いた。
(宇宙の宝石:ISSの意義:2030年まで存続)
http://kfujito2.asablo.jp/blog/2022/01/25/9458718
「新品のシェルドライが全没!(水温14度で死ぬかと思った)。」
おっと、こっちの話じゃなかったか・・・。
「人類には見上げるものが必要だというのは、先代のNASA長官であったブライデンスタインの名セリフだが、確かに世界中どこでも(高緯度地方を除けば)空を見ればそこにISSが見えるわけだから、その象徴的意義は高いといえる。」
宇宙ネタも枯れ気味だったので、困った時の鳥嶋さんの記事を当たった。
(国際宇宙ステーション、2030年まで運用へ - 廃棄処分と後継機はどうなる?)
https://news.mynavi.jp/techplus/article/20220218-2274824/
運用の延長と問題点、廃棄や後継機など、まんべんなく触れている。
宇宙関連記事のお手本だな・・・。
アポロ計画、スペースシャトル、国際宇宙ステーションといえば、米国の、いや、人類の宇宙開発史に燦然と輝く巨星たちだ。
もちろん、ロシアのミール宇宙ステーションや、改良を続けて今でも現役で飛んでいるソユーズシリーズも貴重だけれど、金のつぎ込み方の桁が違うような気がする。
それに比べたら、SLSなんて、ままごとのようなもんだな。
まあ、どうでもいいんですが。
長期の持続性という点では、スペースシャトルと肩を並べる。
幸い、今のところ、ISSでの死亡事故とかは起こっていない。
(宇宙で「おぼれる」寸前、船外活動中の水トラブル ISS)
https://www.cnn.co.jp/fringe/35034845-2.html
「パルミターノ氏がおぼれていた可能性もあったかどうかという質問に対し、船外活動責任者のカリナ・エバスリー氏は「その危険は間違いなくあった」と断言した。」
(宇宙服の水漏れ、事故の1週間前にも発生 NASA認める)
https://www.afpbb.com/articles/-/3009408
「パルミターノ氏のトラブルを調べていた調査チームは、この事故を米宇宙計画史上最も深刻な事故と位置づけていた。」
(NASA宇宙服でまた水漏れ、ISS船外活動中)
https://www.afpbb.com/articles/-/3040784
「着用していたヘルメット内部に水が溜っていたことを発見」
「NASAは今回の水漏れについて、2013年に起きイタリア人宇宙飛行士が溺れかけた同様の問題と比べて「軽微」」
先日取り上げたS社の宇宙服開発(ポラリスミッション)の話は、この辺りから出ているんだろう。
ちょっと前には、ロシアモジュールの逆噴射で、ISS丸ごと1回転半もバク転した話もあったが、幸い事故には至らなかった。
ISSは、今日も無事に飛んでいる。
「米国のバイデン政権は2021年12月31日、ISSを2030年まで運用する計画を発表。それを受け米国航空宇宙局(NASA)は2022年2月1日、2030年までのISSの運用と、その後の解体処分、そして民間による新たな宇宙ステーションの計画について明らかにした。」
詳細な引用は割愛する。
廃棄処分については、具体的な記述もある。
「軌道変更には、ロシアの「プログレス」補給船を3機、また米国の「シグナス」補給船を順次使い、逆噴射をかける。」
「軌道離脱作業の最初の数か月間は、ISSに宇宙飛行士が滞在した状態で行われる。」
いっけねー、逆噴射掛け過ぎちまったあ!。
機長、何をするんですか!。
まあいい。
Axiom Spaceのモジュールについても触れられている。
「2024年に打ち上げを予定している。打ち上げ後はISSのモジュールのひとつとして運用され、宇宙実験や宇宙旅行者の滞在に使われたのち、ゆくゆくは廃棄前のISSから離脱して、独立した宇宙ステーションとして運用」
民間の宇宙ステーションの開発が、ISSの廃棄に間に合わなければ、中国の宇宙ステーションだけが地球を周回する時期がやってくるだろう。
記事の中で懸念されている通り、民間の計画が予定通り進むとは思えないしな。
資金の調達、打ち上げ手段の確保、長期運用のノウハウの獲得などなど、エトセエトセ・・・。
「ロシアは以前、ISSの運用延長を支持してはいたが、最近では2025年以降にISS計画から離脱し、独自の宇宙ステーションを建設するという話や、中国の宇宙ステーションと協力するという話も出てきている。米ロ関係にも左右されることでもあり、ロシアが2030年までISS計画に参加し続けるかは不透明」
ロシアネタに強い鳥嶋さんにも見えていないわけだ。
浮沈子的には、中国の宇宙ステーションに、新しいモジュールだけ引っ越すというのが妥当な気がするんだがな。
逆に、中国がウェルカムかどうかは分からない。
ロシアのモジュールは、ヤバそうだから断ろうとかな。
その間にも、アルテミス計画は進捗し、人類は再び月に降り立つことになるだろう。
月周回ステーションも、その頃には上がっているかもしれない(工学的にはそれ程、難しい話じゃないだろうからな)。
常時滞在型ではないから、起動したり、シャットダウンしたりするノウハウは、改めて開発しなければならないかもしれない。
ロシア(当時のソ連)の宇宙ステーション(サリュート時代ですが)は、常時滞在ではなかったけどな。
ロシアは、金も人もノウハウも、次々と失われていき、ISSの終焉と共に、宇宙から姿を消すかもしれない。
月軌道ステーションの本格稼働が、2030年代になる可能性だってある。
SLSの遅れ、NASAの金欠、公共事業的宇宙開発の流れが月軌道に及べば、月面着陸を餌にして各国の技術と金を拠出させるというマスタープランも吹っ飛ぶかもしれないしな(半世紀以上を経て、アポロのノウハウは失われちまってるしな)。
中国は、独自路線を突っ走るだろうし、インドはひたすらその中国を追い続ける。
欧州に有人宇宙ロケットの計画はないし、そのための予算も付かない。
この、閉塞的末期的絶望的欲求不満的爆発寸前的状況を打破するのは、S社しかないのか(ブルーオリジンはどーした!?)。
別に、宇宙空間に人間が出て行かなくてもいい。
人類の地平が、月周回軌道までだったとしても、それはそれで構わない。
ISSなき後、ひょっとしたら、人類は、宇宙空間から撤退する道を選ぶかもしれない(そうなのかあ?)。
それは決して、浮沈子の妄想の中だけとは限らない。
民間の乗客を乗せたISSが、重大事故を起こして、制御されないまま落っこちて来たらどーする!?。
今後、満身創痍のまま、9年間の長きに渡り無事に飛び続けることが最低限必要だ。
ISS落下・・・。
予定の制御落下以外で、このタイトルを使わずに済むことを願うしかないな・・・。
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