😼ガザ消滅不可避:イラン核武装のリアリティ ― 2024年10月05日 01:16
ガザ消滅不可避:イラン核武装のリアリティ
(イランとイスラエル、報復の応酬へ ヒズボラ窮地で自制転換―中東緊張、戦火拡大に現実味)
https://www.jiji.com/jc/article?k=2024100200926&g=int
「イランは、軍事力で上回るイスラエルや米国との全面戦争は避けたいのが本音」
「ヒズボラがイスラエルの攻勢で窮地に陥ったことで、強硬姿勢に転じた。」
「イスラエルに厳しく対処しなければ、親イラン組織への求心力や威信が低下すると、イラン指導部が危惧した可能性」
「われわれを攻撃すれば、われわれは誰であれ攻撃する。イランでも同じだ」(ネタニヤフ首相)
「事実上の核保有国イスラエルと、核開発を進めるイランの本格衝突を招きかねない。」
「イスラエルがイラン核施設など重要施設を狙う攻撃に強度を上げれば、歯止めが利かない報復の連鎖も懸念」
さてさて、中東情勢は緊迫の度を高めている。
ブルームバーグは、そんな中、とんでもない話を報道した。
(劣勢のイランに核武装の恐れ、「究極の抑止力」追求か)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-10-04/SKST2HT0G1KW00
「・・・イランはこれまでになく劣勢に立たされている。」
「追い詰められ、より脅威を感じているイランが核開発を加速させ、核兵器を追求するのではないかと懸念」
詳しくは知らないんだが、イランは宗教的な理由から核兵器の開発を行っていないと言われている(ちょっと濃い目のウランを濃縮しているだけ)。
「イラン国内の強硬派が、(中略)イランの最高指導者ハメネイ師に核兵器開発を命じるよう圧力をかけるかもしれない。」
「ハメネイ師はどちらの道を選ぶべきかを検討している可能性」(イスラエル高官)
まあ、そういうふうに煽って、イランの核施設への攻撃を行おうとしているわけだ。
「核兵器の獲得はイランにとって長期的なステップであり、中東での現在の紛争に直ちに影響を及ぼすものではない。」
そういう状況下でイランを追い詰めることが、結果として核武装を促すことになると言いたいのだろう。
「イランが核開発に踏み切るとの見通しはイスラエルとの緊張が破壊的なまでにエスカレートするとの新たな懸念をあおっている。」
「ネタニヤフ首相の主なライバルの1人であるナフタリ・ベネット氏は「イランの核開発を破壊する」よう呼びかけた。」
どうやら、この辺りが真相のようだな(イスラエルの国内事情?)。
イスラエルによるイランの核施設への攻撃が、直ちに核開発をエスカレートさせるとするには無理がある。
「もしイランが原子爆弾の製造を決断すれば、中東地域で核軍拡競争に火がつく可能性がある。サウジアラビアの事実上の指導者であるムハンマド・ビン・サルマン皇太子は、イランが核兵器を製造するなら、サウジも同じことをせざるを得ないだろうと述べている。」
シーア派が核武装なら、スンニ派も核武装か・・・。
やれやれ・・・。
浮沈子的には、記事の末尾の指摘が気になるところだ。
「核兵器の開発は「(核戦争に)エスカレートすることへの恐怖をワシントンとエルサレムに抱かせる」ため、長期的には「究極の抑止力を提供する」ことになる」(米シンクタンク、民主主義防衛財団(FDD)の核不拡散・生物兵器対策プログラム副ディレクター、アンドレア・ストリッカー氏:以下同じ)
「長期的には「究極の抑止力を提供する」ことになる」
「そうなれば、イランの代理勢力はそれほど対応されなくなり、イラン政権はさらなる侵略を追求できるようになる」
相互の核抑止による緊張下での安定ではなく、ヒズボラやハマスのようなイランの代理勢力によるイスラエル攻撃が激化するというのだ。
ポスト冷戦の中で懸念された、低強度紛争みたいなのが生じるというわけか。
通常兵器による全面戦争に至らない武力衝突や、テロリズムが蔓延ることに繋がる。
イスラエルは、イランが核武装しても報復するんだろうか?。
「われわれを攻撃すれば、われわれは誰であれ攻撃する。イランでも同じだ」(ネタニヤフ首相:再掲)
イランは、核武装しているイスラエルを直接攻撃しているからな。
状況はやや異なるが、ウクライナもまた、核武装しているロシアを越境攻撃(クルスクでは侵攻も)している。
核兵器による抑止というのは、外交上の舌戦ではともかく、現実の世界では機能していないようにも見える。
核を持とうが持つまいが、武力衝突は様々なレベルで浸透し、展開し、激化していく。
核武装が効果を表すとすれば、通常戦力による戦闘の抑止ではなく、核攻撃を受けた際の報復攻撃だけのような気もする(戦略核の場合)。
戦術核は、もう、ふつーの兵器だ。
使われることを前提とした核兵器。
それでも、その隔絶した威力のために、使用に当たっては特別の措置が講じられている。
155mm砲弾のように射ち出すわけではない(核砲弾というのもあるみたいですけど)。
まあ、どうでもいいんですが。
イランが、少なくとも直ちに核武装に走るということはない。
が、将来的な選択肢として、その可能性は十分にある。
しかし、それによって中東情勢が静穏になるという期待はできない。
むしろ、激化する可能性さえある。
もう、核兵器を通常兵器による武力衝突抑止力の手段として考えることはできなくなってきている。
紛争当事国や、その可能性がある国々は、ウクライナやイランを見て、核兵器所有による抑止力に期待しているかも知れないが、それほど単純な話ではないだろう。
また、現に核兵器を所有している国々は、ロシアやイスラエルがそうであるように、非核所有国からの攻撃を抑止できないことを肝に銘じるべきだろう。
核兵器による戦争の抑止は、神話(myth:神話、作り話、(根拠の薄い)社会的通念)に過ぎない。
それでも、為政者は強大な破壊力を持つ兵器を所有したがる。
銃の所持と似たようなもんか。
一種の万能感を得たいに違いないのだ。
第2次世界大戦後、核保有国は核兵器の拡散を防止することに奔走してきた。
それは見事に失敗し、今日、10指に余る核保有国を生み出すに至った。
浮沈子の妄想の中では、ウクライナも台湾も、核兵器クラブに仲間入りすることになっている(そんなあ!)。
公然と核兵器を保有する大国に対抗するためには、自らも核武装するしかないのだ(そうなのかあ?)。
それが幻(神話)に過ぎないと分かっていても、その欲望に打ち勝つことは難しい。
ハメネイは、宗教に基づき、核武装を否定し続けている。
そう、強固な精神的動機付けがなければ、誘惑には勝てない。
しかし、イランはいずれ、核武装することになるだろう。
アラーの神の思し召しでな・・・。
(イランとイスラエル、報復の応酬へ ヒズボラ窮地で自制転換―中東緊張、戦火拡大に現実味)
https://www.jiji.com/jc/article?k=2024100200926&g=int
「イランは、軍事力で上回るイスラエルや米国との全面戦争は避けたいのが本音」
「ヒズボラがイスラエルの攻勢で窮地に陥ったことで、強硬姿勢に転じた。」
「イスラエルに厳しく対処しなければ、親イラン組織への求心力や威信が低下すると、イラン指導部が危惧した可能性」
「われわれを攻撃すれば、われわれは誰であれ攻撃する。イランでも同じだ」(ネタニヤフ首相)
「事実上の核保有国イスラエルと、核開発を進めるイランの本格衝突を招きかねない。」
「イスラエルがイラン核施設など重要施設を狙う攻撃に強度を上げれば、歯止めが利かない報復の連鎖も懸念」
さてさて、中東情勢は緊迫の度を高めている。
ブルームバーグは、そんな中、とんでもない話を報道した。
(劣勢のイランに核武装の恐れ、「究極の抑止力」追求か)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-10-04/SKST2HT0G1KW00
「・・・イランはこれまでになく劣勢に立たされている。」
「追い詰められ、より脅威を感じているイランが核開発を加速させ、核兵器を追求するのではないかと懸念」
詳しくは知らないんだが、イランは宗教的な理由から核兵器の開発を行っていないと言われている(ちょっと濃い目のウランを濃縮しているだけ)。
「イラン国内の強硬派が、(中略)イランの最高指導者ハメネイ師に核兵器開発を命じるよう圧力をかけるかもしれない。」
「ハメネイ師はどちらの道を選ぶべきかを検討している可能性」(イスラエル高官)
まあ、そういうふうに煽って、イランの核施設への攻撃を行おうとしているわけだ。
「核兵器の獲得はイランにとって長期的なステップであり、中東での現在の紛争に直ちに影響を及ぼすものではない。」
そういう状況下でイランを追い詰めることが、結果として核武装を促すことになると言いたいのだろう。
「イランが核開発に踏み切るとの見通しはイスラエルとの緊張が破壊的なまでにエスカレートするとの新たな懸念をあおっている。」
「ネタニヤフ首相の主なライバルの1人であるナフタリ・ベネット氏は「イランの核開発を破壊する」よう呼びかけた。」
どうやら、この辺りが真相のようだな(イスラエルの国内事情?)。
イスラエルによるイランの核施設への攻撃が、直ちに核開発をエスカレートさせるとするには無理がある。
「もしイランが原子爆弾の製造を決断すれば、中東地域で核軍拡競争に火がつく可能性がある。サウジアラビアの事実上の指導者であるムハンマド・ビン・サルマン皇太子は、イランが核兵器を製造するなら、サウジも同じことをせざるを得ないだろうと述べている。」
シーア派が核武装なら、スンニ派も核武装か・・・。
やれやれ・・・。
浮沈子的には、記事の末尾の指摘が気になるところだ。
「核兵器の開発は「(核戦争に)エスカレートすることへの恐怖をワシントンとエルサレムに抱かせる」ため、長期的には「究極の抑止力を提供する」ことになる」(米シンクタンク、民主主義防衛財団(FDD)の核不拡散・生物兵器対策プログラム副ディレクター、アンドレア・ストリッカー氏:以下同じ)
「長期的には「究極の抑止力を提供する」ことになる」
「そうなれば、イランの代理勢力はそれほど対応されなくなり、イラン政権はさらなる侵略を追求できるようになる」
相互の核抑止による緊張下での安定ではなく、ヒズボラやハマスのようなイランの代理勢力によるイスラエル攻撃が激化するというのだ。
ポスト冷戦の中で懸念された、低強度紛争みたいなのが生じるというわけか。
通常兵器による全面戦争に至らない武力衝突や、テロリズムが蔓延ることに繋がる。
イスラエルは、イランが核武装しても報復するんだろうか?。
「われわれを攻撃すれば、われわれは誰であれ攻撃する。イランでも同じだ」(ネタニヤフ首相:再掲)
イランは、核武装しているイスラエルを直接攻撃しているからな。
状況はやや異なるが、ウクライナもまた、核武装しているロシアを越境攻撃(クルスクでは侵攻も)している。
核兵器による抑止というのは、外交上の舌戦ではともかく、現実の世界では機能していないようにも見える。
核を持とうが持つまいが、武力衝突は様々なレベルで浸透し、展開し、激化していく。
核武装が効果を表すとすれば、通常戦力による戦闘の抑止ではなく、核攻撃を受けた際の報復攻撃だけのような気もする(戦略核の場合)。
戦術核は、もう、ふつーの兵器だ。
使われることを前提とした核兵器。
それでも、その隔絶した威力のために、使用に当たっては特別の措置が講じられている。
155mm砲弾のように射ち出すわけではない(核砲弾というのもあるみたいですけど)。
まあ、どうでもいいんですが。
イランが、少なくとも直ちに核武装に走るということはない。
が、将来的な選択肢として、その可能性は十分にある。
しかし、それによって中東情勢が静穏になるという期待はできない。
むしろ、激化する可能性さえある。
もう、核兵器を通常兵器による武力衝突抑止力の手段として考えることはできなくなってきている。
紛争当事国や、その可能性がある国々は、ウクライナやイランを見て、核兵器所有による抑止力に期待しているかも知れないが、それほど単純な話ではないだろう。
また、現に核兵器を所有している国々は、ロシアやイスラエルがそうであるように、非核所有国からの攻撃を抑止できないことを肝に銘じるべきだろう。
核兵器による戦争の抑止は、神話(myth:神話、作り話、(根拠の薄い)社会的通念)に過ぎない。
それでも、為政者は強大な破壊力を持つ兵器を所有したがる。
銃の所持と似たようなもんか。
一種の万能感を得たいに違いないのだ。
第2次世界大戦後、核保有国は核兵器の拡散を防止することに奔走してきた。
それは見事に失敗し、今日、10指に余る核保有国を生み出すに至った。
浮沈子の妄想の中では、ウクライナも台湾も、核兵器クラブに仲間入りすることになっている(そんなあ!)。
公然と核兵器を保有する大国に対抗するためには、自らも核武装するしかないのだ(そうなのかあ?)。
それが幻(神話)に過ぎないと分かっていても、その欲望に打ち勝つことは難しい。
ハメネイは、宗教に基づき、核武装を否定し続けている。
そう、強固な精神的動機付けがなければ、誘惑には勝てない。
しかし、イランはいずれ、核武装することになるだろう。
アラーの神の思し召しでな・・・。
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