😼メキシコへの道:第4章:稲取合宿(その2)2024年10月31日 03:17

メキシコへの道:第4章:稲取合宿(その2)


10月27日(日曜日)から30日(水曜日)まで、稲取に行ってきた。

プールトレーニングしたのは、27日(日曜日)と28日(月曜日)の2日間だけ(サボリかあ?)。

29日(火曜日)は、朝の体調がすぐれず(倦怠感:発熱はない)、午後からの予定に変更してもらったんだが、昼頃になっても体調が戻らずに完全休養した。

食欲は十分で、買い置きした飯を食ったり、さらにセブンに買い出しに行くなど、食っちゃ寝したら体重が爆増して焦った(何kgになったかは極秘!)。

翌日、30日(水曜日)に、潜ってから帰ろうと思っていたんだが、大事を取って潜らずに帰ってきた。

その代わり、来週2日間だけ潜る算段をして帰ってくる。

で、成果はどうよ!?。

➀ロングホースの収納(エキジット時)
➁オーラルでの給気(エアシェア時を想定:同じ手でセカンドステージをキープしたまま)
➂7mmウェットスーツでのウエイトバランスの確認(海洋では5mmウェットだったので)
➃残圧130バールくらいでノーフィンでのバランスチェック
⑤横向きのフィンスイム
⑥足のつかないところでのエントリー、エキジット

➀:△→〇(ほぼ、安定して仕舞えるように:たまにホースがよじれるけど:もう少しで、コツが掴めそうな感じ)
➁:△→〇(セカンドキープOK!)
➂:〇(変わらず)
➃:×(できねー・・・:変わらず)
⑤:△(横向きにはなれるが、キックがいまいち:変わらず)
⑥:△→〇(一応、慣れた)

上達の跡は見られるものの、横向きのフィンキックは課題のまま。

ノーフィンでのバランスは、2.5mではムリポな感じだ(できなくてもいいと言われているけど)。

来月のチェックダイブで、國冨の4mプールなら可能かもしれない。

まあいい。

浅いところで呼吸を安定させながら、バランスを取ってゆっくり泳ぐ練習も繰り返した。

5kgつけていれば(追加分はDリングの下)、残圧70バールを切っても泳ぐことが出来る。

タンクの跳ね上がりも許容範囲で、片側を放り出して泳いでも安定している。

小技も一応繰り返して練習する(予備バンジーも付けられました)。

来週、横泳ぎのキックをメインに仕上げのトレーニングする予定。

出来る自信はないけど、やらなければ決してできるようにはならない。

横向きになること自体のストレスは、それほど感じていないけど、やはり左右差がある。

クロールの呼吸が出来ない浮沈子だからな・・・。

まあ、どうでもいいんですが。

継続は力なり。

自分を信じて挑戦するのみ・・・。

😼欧州大戦争:トマホーク2024年10月31日 05:09

欧州大戦争:トマホーク
欧州大戦争:トマホーク


(ウクライナ大統領、米にトマホーク供与要請を示唆 情報漏えいを非難)
https://jp.reuters.com/world/ukraine/4O6T75GO65NL3O6MYUDL55EHQU-2024-10-30/

「米紙ニューヨーク・タイムズは29日、ゼレンスキー大統領が先月の訪米でバイデン大統領に「勝利計画」を提示した際にトマホークの供与を求めたものの、米当局者は全く実現不可能な要求として退けたと報じた。」

「トマホークの射程距離は約2500キロと、ウクライナが現在保有するどのミサイルよりもはるかに長い。」

ゼレンスキーは、機密が漏洩したことにご不満のようだが、実現不可能な要求をしたことが明るみに出て恥をかかされたのが気に入らないのかもしれない(そうなのかあ?)。

この件については、航空万能論も記事にしている。

(米紙、ゼレンスキー大統領による勝利計画のロビー活動は失敗だった)
https://grandfleet.info/us-related/us-newspaper-zelenskys-lobbying-for-victory-plan-failed/

「ウクライナは非核抑止力パッケージとしてトマホークを要求してきたが、こんなのは全く実現不可能な要求だ」「ウクライナは長射程ミサイルをどのように使用するのか納得のいく説明をしていない」「提示された標的リストは米国や同盟国が供給できるミサイルの数を遥かに越えていた」(米政府高官)

ここで重要なのは、要求している供給量が多いとか、目標が多いという点じゃない。

「ウクライナは長射程ミサイルをどのように使用するのか納得のいく説明をしていない」

これは、エイタクムスなどを含めた文脈だが、米国はウクライナを信用していないということなわけだ。

「ゼレンスキー大統領は「ATACMSやストームシャドウの制限を解除しても戦いはエスカレーションしない=ロシアとNATOの戦いには発展しない」と説得できなかった」

機密事項とされていたトマホークの供給をばらされたのは、米国側の報復に近い。

勝手にクルスクに侵攻したりしたしな(そういうことかあ?)。

ロシアが定めたレッドラインなど存在しないと見せつけることによって、西側のNATO加盟や武器弾薬の供給について大幅な進展を期待したんだろうが、結果は裏目に出た。

ウクライナが決定的に勝たないこと、同時に決定的に負けないことが米国の利益だ。

兵員が足りないというのなら、18歳から動員して戦地に送り込めと言われてるようだしな。

強力な戦力を手に入れ、自国に有利に戦争を終息させたいゼレンスキーと、永遠に戦争を続けてロシアを疲弊させたい西側の思惑はビミョーに異なる。

若年者の動員に「危険」という表現を使っていたのは、米国の兵器を消費し続ける「マシン」としてのウクライナ国家を維持できなくなる「危険」、それを推進し続ける現政権の存続の「危険」を意味しているのかもしれない。

トマホークなんてくれてやったら、モスクワだろうがレニングラード(現サンクト・ペテルブルグ)だろうが、片っ端から射ち込みかねない(と、米国は疑っているのだ)。

その結果、ウクライナがどうなろうと米国の知ったことではないが、トマホークを供給したNATOはただでは済まないだろうし、米国本土に対する報復も避けられないだろう。

大量のトマホーク(最近はステルス機能もあるようです)は、ロシアの防空網をすり抜け、米国の衛星で誘導され、大量のロシア市民を殺害する(そうなのかあ?)。

ウクライナは、それをレッドラインとは考えていないかも知れないが、西側にとっては十分過ぎるほど真っ赤っ赤のレッドラインだ。

もう一つ、重要な観点がある。

ロシアだけでなく西側にとっても、ウクライナが軍事大国になることは避けたいところだ。

供与する武器によって制御できない形でウクライナが巨大化した時、それは欧州にとっても新たな脅威だ。

米国が、ウクライナの兵器産業の育成に慎重だったのは、自国の防衛産業の保護育成の観点からだけじゃないだろう。

NATO入りを見送り続けてきたことも、この地域の軍事的なバランスを考慮していたからに他ならない。

それは、100パーセントないことが、戦勝計画のとん挫によって確認されたわけだ(そうなのかあ?)。

ロシアの戦略的意図がどこにあるかはともかく、NATOとの境界近くに軍事的なアンバランスをつくることは、現在の西側にとってはリスクだ。

北欧や東欧諸国が増大するロシアの脅威に対して、どれほど軍事力の増強を望んだとしても、そう簡単にはいかない。

まして、ウクライナのように、ロシアの懐深く入り込んだ地域で、将来的な軍事的緊張を増大させるわけにはいかない。

NATO加盟の永久放棄、非武装中立化は西側にとっても大筋では悪い話じゃないわけだ。

むしろ、ロシアの兵力をNATO境界から遠く引き離すことが出来るわけで、そのこと自体は好都合ですらある。

戦争によって疲弊したロシアと疲弊しきったウクライナが、矢折れ力尽きて終戦を迎えるというのが、西側の最良のシナリオだな。

西側が本当に望んでいるのは、ウクライナの安楽死だ。

トマホークだってえ?。

冗談じゃない!。

「こんなのは全く実現不可能な要求だ」(再掲)

標的の数の問題とか、ウクライナがどう使うか怪しいという点だけじゃない。

ロシアとNATOとの緊張をエスカレートさせる点で、短期的にも長期的にも選択肢にはならない。

が、浮沈子はひょっとしたら実現するかもしれないと見ている。

時期と数量はウクライナが十分と感じられるほどではないかも知れないが、ロシアに対する圧力という点では有効だからな。

特に、近頃話題の北朝鮮軍の投入に対しては、十分なけん制効果が期待できる。

いずれにしても、来週に迫った米国大統領選挙の結果次第だ。

トランプ政権がどう対応するかは未知数だが、停戦に向けた動きが始まることだけは間違いない。

ウクライナは、トマホークをバラされて不満だろうが、米国の言うことを聞かざるを得ない。

米国の軍事衛星の支援なくして、ウクライナがロシア本土の攻撃を効率的に行うことは難しいし、目標の捕捉も困難だろう。

砲弾の供給を止められれば、欧州からの供給だけで賄いきれないことは明らかになっちまったしな。

チェコのパベルが指摘したように、領土の一時的な放棄は避けられないだろう。

それより何より、停戦(休戦)に向けての条件づくりの中で、ウクライナ軍の解体が進むに違いない。

トマホークどころの話じゃなくなる。

表沙汰になったということは、もちろん、実現可能性がなくなったからということもあるが、事態は既にその先のステージに向けて進み始めているというのが最大の理由だろう。

戦勝計画は、泡のように消えた。

ウクライナは、国家としての存続を、本気で模索しなければならなくなる。

そこには、NATOもなければトマホークもないのだ・・・。

<以下追加>ーーーーーーーーーー

(ドネツク州ポクロフスクを「封鎖」 市当局が発表 ロシア軍接近で防衛準備)
https://www.sankei.com/article/20241031-XTGH75V4JFIMHOZQD5OYRW7UEY/

「防御拠点を構築中の地区への住民の出入りを禁止するほか、住民避難を進める。市内には現在、子供55人を含む住民約1万2000人が残っているという。」(ポクロフスクのドブリャク市長)

まだそんなにいたのか・・・。

「露軍が近く本格的なポクロフスク制圧に乗り出すとの観測」

「ウクライナ軍の防衛線を突破し、同州の主要都市クラマトルスク方面への進軍ルートを確保する思惑」(同州:ドネツク州)

去年の反転攻勢の失敗を受け、1年くらい前から同じことが言われている。

ポクロフシクやクラマトルスクの周囲には、幾重にも防御線が構築されていることになっているが、それがどれ程機能するかは不明だ(画像参照)。

(ウクライナ降伏不可避:撤退)
https://kfujito2.asablo.jp/blog/2024/02/17/9660071

「東部戦線には、既に重層的要塞が幾重にも張り巡らされているという話」

「そう簡単には突破されないだろう。」

それが嘘八百だという情報もある。

(ウクライナ軍を自滅させる嘘報告システム、元凶はシルスキー総司令官)
https://grandfleet.info/war-situation-in-ukraine/commander-in-chief-sylsky-is-to-blame-for-the-false-reporting-system-that-is-destroying-the-ukrainian-military/

「シルスキーは市街戦における悪い報告を聞きたくないため防衛戦ではなく反撃戦を続けている。つまり事前に築いた塹壕や要塞で待ち構えるのではなく、ウクライナ軍兵士はロシア軍の前に放り込まれているだけで、身を守るための遮蔽物が存在しない場所で反撃戦を演じているのだ。」(ウクライナ人ジャーナリストのブトゥソフ氏)

「ロシア人が襲撃するウクライナ軍陣地には身を守る要素が殆ど存在せず、粗末な塹壕や掘っ立て小屋は兵士がシャベルや身近な材料で作ったもので、塹壕の深さは浅く頭上を保護する遮蔽物は見当たらない。政府や軍が「我々は拠点や陣地を守っている」いうのは全て嘘だ。」(同上)

アウディーイウカ喪失後のロシア軍の進軍を見ると、都市が連なる地域を時間をかけて攻略し、その間にできたポケットをあっという間に占領していく。

つまり、コンクリート製の建物が陣地になっていて、そこで攻防を繰り広げるんだが、空爆や砲撃で建物が破壊されると一気に領土を失う展開になっている。

最近では、その都市の攻略も、周囲を攻め取って補給路を断ち、複数方面から攻略するというパターンがみられるようになってきた。

「ヒルニクを守る戦いは街の外で行われ市街戦は事実上おこなわれていない。」(同上)

「準備された防衛ラインの欠如、適切な訓練の実施、旅団司令部の指揮能力、部隊間の協調性や意思疎通の不備、各部隊の能力評価、人事問題などは2022年のセベロドネツクやリシチャンシクの戦いで露呈しており、2023年のソレダル、バフムート、アウディーイウカの戦いで問題がクローズアップされるようになっただけ」(航空万能論ブログ管理人)

(クラヒフカも陥落寸前、市内や郊外で軍旗を掲げるロシア軍兵士が登場)
https://grandfleet.info/war-situation-in-ukraine/russian-soldiers-hoisting-military-flags-in-krahivka-just-before-it-fell/

「我が旅団はヒルニク解放作戦が完了後、直ちにクラヒフカ解放作戦を開始した。自信をもって前進し、敵を戦術的に包囲し、挟み撃ちにし、敵の防衛ラインを徐々に破壊した。絶え間ない猛攻と的を絞った攻撃によって敵の力を削ぎ、装備と要塞を残して敵は撤退した」(第114自動車化狙撃旅団(ボストーク旅団))

「まだ中心部や南市内の住宅地やテリコンの状況が不明だが、この一帯で最も標高が高いテリコン群(80m級と90級)が占領されてしまったため、3方から敵が迫るクラヒフカ市内で粘る必要性は皆無だ。」(航空万能論ブログ管理人)

ロシア軍は、数的優位を最大限に活用して、ウクライナ軍を撤退に追い込む「勝ちパターン」を手に入れている。

「都市」という要塞に頼り、そこを拠点として凌いできたけど、もう、ポクロフシクとの間に大きな町はない。

産経の記事にもあるように、「主要都市クラマトルスク方面への進軍ルートを確保する思惑」とみられる。

ウクライナ国内の戦闘に、トマホークは役に立たないだろう。

果てしなく続く前線の後退。

領土というリソースを失い続けて、その代わりに何を得たのか。

形ばかりの支援の表明と、勝てない戦い、負けられない戦いを延々と続けるのに必要なだけの武器弾薬と、動員年齢(現在25歳)を引き下げろという米国議員からの圧力だけだ(そうなのかあ?)。

国家(間)に真の友人はいない(ドゴール)。

戦勝計画の秘密事項をバラされて不満たらたら・・・。

戦力の分散と消耗を強いるクルスク侵略は、戦術的な敗北を重ねる最大の要因となっているようだ。

それで、ロシアの設定したレッドラインなどないことをパートナー国に示すことが出来れば、トマホークもまんまとせしめることが出来たかもしれないけど、そうは問屋が卸さなかったわけだ。

戦略的にウクライナを軍事強国にしたくない、NATOの真の思惑を読み違えたな。

クルスク侵攻、戦勝計画、長距離ロケット砲の使用制限解除、トマホーク供与、東部南部戦線の状況悪化は、全て繋がっている。

ロシアのレッドラインは突破したけど、NATOのレッドライン(!?)は突破できなかったということだ。

ウクライナは国家の存在を賭けて戦っている。

独立戦争なわけだ。

窮鼠猫を噛む。

今後も、なにをしでかすか分かったものではない。

それも、パートナー国に極秘でな・・・。

<さらに追加>ーーーーーーーーーー

(ロシア、1週間でウクライナ領土196平方キロ制圧=メディア)
https://jp.reuters.com/world/ukraine/YJIKC4AMSVK6LPRQRRLRKXFYKU-2024-10-29/

「ロシアは20─27日の1週間でウクライナの領土196.1平方キロメートルを制圧した。今年に入ってから1週間当たりで最速の進軍ペース」(ウクライナのオープンソース地図を分析したロシアのメディアグループ「Agentstvo」)

「ロシア軍は先週、ブフレダル近郊の95平方キロとポクロウシク近郊の63平方キロを掌握。いずれもウクライナ東部のドンバス地方」(同上)

クピャンスク方面でも、若干の侵攻を許したからな。

簡単のために、1週間で200平方キロメートルとすると、1年間でざっと1万平方キロメートルを失うことになる(合ってますう?)。

ウクライナの領土は、約60万平方キロメートルと言われ、そのうち、やく20パーセントはロシアの占領下にある。

残りの80パーセント(48万平方キロメートル)を、毎年1万平方キロメートルずつ削り取られていくとしても、半世紀近く経たなければロシアは全土を掌握することはできない。

まあ、そう単純じゃないし、今後も、クルスクみたいにウクライナがロシア領を侵略することだってあるだろうからな(そうなのかあ?)。

まあいい。

チェコのパベル大統領(元軍人)は、ロシアがウクライナ全土を軍事侵攻することは不可能だと言っていたけど、それは現在の侵略ペースのレベルが続いた場合の話だ。

週に200平方キロメートルというのは、クルスク侵攻による東部戦線の戦力低下によるところが大きいと言われている。

果たしてそうだろうか?。

米国議会下院の議決の遅れで砲弾の供給が途絶えた時も、これ程の侵略速度にはならなかった。

現在、砲弾は当時の10対1から2対1程度まで改善されているとも言われている。

ロシアの軍事費は膨れ上がり、経済を圧迫していると言われているが、ウクライナだって、西側から莫大な支援を受け取っているし、税収の全てを戦費につぎ込んでいる。

投入されるリソースにしても、昨年に比べて悪化しているわけではないだろう。

そこには、何か質的な差、もっと言えば、戦い方の巧拙の差があるに違いないのだ。

今回の占領地の拡大にはブーレダル(ブフレダル)を失ったことが大きく影響している。

それは間違いない。

が、その後の進軍を許したことは、また別の話だ。

後方陣地(防御線)の欠如(不在?)、戦略的撤退の運用のまずさが露呈したと言っていい。

では、この進行速度の増加は一時的なものなのか?。

ウクライナ軍が心を入れ替えて態度を改め、撤退戦に徹し、防御陣地の構築に汗水たらして励むことになるとは思えないしな。

ウクライナが東部で築いてきたブーレダルのような要塞は、後方にはない。

「防御拠点を構築中の地区への住民の出入りを禁止するほか、住民避難を進める。」(ロイター:<以下追加>:再掲)

ロシア軍が7kmまで迫ってから、慌てて構築している有様だ。

やれやれ・・・。

ソ連の軍事教育を受けてきたシルスキー総司令官は、政治指導に忠実であることが骨身に染みついているから、ゼレンスキーの言うとおりにしか行動しないだろうしな。

そのゼレンスキーにしても、プロの政治家としてのキャリアが十分とは言えない(元々、俳優さんですから)。

相手にしているロシアが完璧でないことだけが救いだったが(そうなのかあ?)、間抜けなクマのロシア軍には学習能力という長期戦に不可欠な才能はあったわけだ(やや時間は掛かるけど)。

同じ過ちを10回くらいは繰り返すけど、20回目くらいから改善してくる。

それが有効でなければ、30回目くらいからは別の手を繰り出してくるんだろう(未確認)。

そのサイクルが半分になり、やがては10分の1になる。

進軍のパターンを見ると、バフムトの時(正面突破の肉弾戦)とは異なる改善が見て取れる。

浮沈子がみるところ、クルスク侵攻はこうした質的変化を加速したに過ぎない。

量的な均衡がそれを覆い隠していただけで、バランスが崩れたことによって一気に表面化し出している。

防御線の欠如に伴い、その傾向は今後も加速する可能性がある。

週に200平方キロメートルというのは始まりに過ぎないだろう。

実際、ウクライナ軍自身が、クルスク侵攻の際に短期間で1000平方キロメートルを占領しているからな。

防御線が不十分な地域では、決して不可能でないことを自ら証明している。

ロシアの侵攻が、併合を宣言した4州(とクリミア)に留まらないだろうということは想定の範囲内だ。

現に、クピャンスクやハルキウ市北部(ボルチャンスク辺り)は、ハルキウ州で「越境」攻撃だからな。

浮沈子的には、南部戦線も怪しいと見ているけど、そっちがどうなるかは分からない。

いずれにしても、ウクライナ側の大幅な改善がなければ、ロシア軍の進軍速度が今後増加する懸念は高い。

ウクライナ軍が航空優勢を確保できるだけの戦闘機や爆撃機を備え、ロシア国内の軍事目標を好きなだけ攻撃できる戦力を携えて、地上軍の進軍を支援できるようにするには、相当の期間が必要だろう。

真の再反転攻勢(クルスクみたいなサプライズじゃなくって)を掛けられるようになれば、後方陣地がなくてもバレずに済む(そういうことかあ?)。

「シルスキーは(中略)防衛戦ではなく反撃戦を続けている。」(再掲:<以下追加>:ブトゥソフ氏)

それが何をもたらしているかは明白だ。

兵員のいたずらな損耗であり、西側の優秀な兵器の浪費であり、ウクライナが避けなければならない「小さなロシア軍」化に陥っていくことなわけだ。

今のところ、それが改善される気配はない。

最近の報道は、北朝鮮の参戦で持ち切りだが、1万人程度の外国戦力の投下で何が変わるわけではないだろう。

米国大統領選挙の行方の方が気になるな・・・。

<さらにさらに追加>ーーーーーーーーーー

(ウクライナが16万人追加動員 東部での劣勢や北朝鮮派兵が影響か)
https://mainichi.jp/articles/20241031/k00/00m/030/169000c

「リトビネンコ国家安全保障国防会議書記が29日の最高会議(議会)で「これまでに105万人の国民を動員したが、さらに16万人を追加動員する」と述べた。動員は今後3カ月間に実施される見通し。」

「セリドベが陥落する見通しであることを認めたうえで、ドネツク州での露軍の攻勢の原因として自軍の弾薬、兵器不足に加え、人員不足、前線の兵士の疲弊、交代要員の欠如などを挙げた。」(ウクライナ軍のマルチェンコ少将)

この16万人の追加動員で、復員が叶うかどうかは分からない。

が、背に腹は代えられない。

投入しなければ、前線の崩壊は避けようがない。

これで息を吹き返せるかどうかは、また別の話だ。

兵員不足で苦労しているのはロシア軍も同じだろうけど、レベルが違うからな。

ウクライナ軍は、待ったなしだ。

今後、3か月内と言っているけど、それで間に合うのかどうか・・・。

こんな記事もあった。

(ロシアがジョージアで勝利、モルドバも同様に=ウクライナ大統領)
https://jp.reuters.com/world/ukraine/3L2A3Y7RK5LWLCZGUTU4O752TQ-2024-10-31/

「ジョージアではロシアが勝利したことを認識しなければならない。まずジョージアの一部を乗っ取り、次に政策と政府を変えた。そして今、(ジョージアには)親ロシア政権がある」(ウクライナのゼレンスキー大統領)

「ロシアのレッドライン(越えてはならない一線)を越えることに反対する発言を西側がやめない限り、モルドバでも同じようなことが起きる」(同上)

国家の一部を乗っ取り、政策と政府を変え、「そして今、親ロシア政権がある」か・・・。

ウクライナの未来は確定しているのかもな。

モルドバのことを心配してる場合じゃないだろう・・・。

😼欧州大戦争:血の代償2024年10月31日 19:46

欧州大戦争:血の代償
欧州大戦争:血の代償


(北朝鮮のロシア派兵、ひどい目にあっても得られる利益に変わりはない)
https://grandfleet.info/indo-pacific-related/north-koreas-dispatch-of-troops-to-russia-may-be-a-pain-but-its-still-a-good-thing/

「北朝鮮軍にとってロシア軍との共同訓練、スタンドオフ兵器、自爆型ドローン、電子戦、暗視・熱光学を駆使する戦い慣れた敵との本格的な交戦は貴重な経験になるだろう」(米WARZONE:以下同じ)

「これは多くの北朝鮮兵が死ぬことを意味する。もしロシア軍が北朝鮮兵を肉弾戦に使用するのであれば多くの死傷者を出すことになる」

「血の代償を支払うことになっても実戦から得られる学習曲線の勾配は急で、この経験は必ず文書化される可能性が高い。残酷かもしれないが「戦場での甚大な人的損失から生じる教訓」は第三者を通じて伝えられる教訓とは価値が異なり、北朝鮮兵が戦場で苦労して学んだこと、戦闘経験が豊富なロシア軍兵士から学んだことは戦闘教義、訓練、兵器開発に生かされるだろう」

「現代戦の現実を直接理解するため多くの自国民を犠牲にすることはリスクの高い取り組みだが、今回はそれが現実のものになってる。北朝鮮兵をロシア軍に組み込めば言語、考え方、装備の必要性から厄介者になるかもしれない。大量の逃亡も発生するかもしれない。それでも北朝鮮軍が戦場から得られる利益には何の影響もない。」

「ロシア軍はウクライナとの戦争に50万人以上を動員(前線と後方を合わせた数)しているため、自軍の兵士よりも扱いにくい「1万人程度の北朝鮮軍」で大きな変化が起きるとは考えにくい」(航空万能論ブログ管理人)

「派兵の規模が数万人~十数万人に拡大するならウクライナとの戦いにおいて決定的な要素になるかもしれない。」(同上)

「「北朝鮮のロシア派兵は援軍ではなく実戦を経験するのが最大の目的」「戦場でひどい目にあったとしても(北朝鮮兵にとって)勝つことが最大の目的ではない」「手痛い失敗を経験するほうが現代戦の現実を早く理解できる」と言ったところで、これは西側諸国には実行不可能」(同上)

北朝鮮軍の参戦は、ここ数日のウクライナをめぐる話題の最たるもので、検索をかけるとウクライナ関係のニュースの半分くらいはこの話題がヒットする。

やれやれ・・・。

ブログ管理人が指摘している通り、1万人規模の派兵では戦線に影響を与えるとは思えないが、兵士の死という血の代償を払っても手に入れる価値があるんだろう。

「西側諸国には実行不可能」(再掲)

既に、西側からも様々な形でウクライナ入りしている軍人がいると言われる(供与した兵器の操作指導や傭兵の名を借りた軍事訓練などなど)。

クルスク侵攻にも深く関わっているという話もある。

その中には、ロシアの空爆や戦場で命を落とした兵士もいるに違いない。

大っぴらにできないからな。

北朝鮮の派兵は、ウクライナをはじめ、韓国が大々的に取り上げてきたから、欧米も知らん顔(当然知ってたはずだ)が出来なくなってきた。

一部には、既に犠牲者が出ているという話まで出ている。

まあ、どうでもいいんですが。

血の代償は、様々な形で既に西側も払っている。

北朝鮮だけじゃない。

ロシアと強い結びつきがあると言われるチェチェン共和国は、ロシア国境からの侵攻(威力偵察?)に対して特殊部隊を派遣していると言われているし、その他にも、親ロシアの衛星国からの参戦は既にあるだろう(未確認)。

兵士の派遣はともかく、ベラルーシは当初から様々な形で関わっているしな。

この戦争は、実質的には枢軸国と連合国との戦いになっている。

第3次世界大戦は、欧州大戦争として既に始まっている。

まあ、今のところ、戦域はウクライナ周辺(クルスクなどを含む)に限定されているけど、戦争当事国(どこ?)は、その範囲を広げたがっている。

まあいい。

北朝鮮だけじゃない。

韓国もまた、観測部隊を派兵しようとしている。

(韓国国防長官「ウクライナに参観団送るのは軍の当然の任務」(1))
https://japanese.joins.com/JArticle/325656

「ウクライナに参観団や戦況分析団を派遣することについて「軍の当然の任務」と明らかに」(韓国の金竜顕(キム・ヨンヒョン)国防部長官)

やれやれ・・・。

「イラク戦争をはじめ各種戦争で参観団や戦況分析団を派遣してきた」

「特にウクライな戦争の場合、北の軍が参戦するため、北の軍の戦闘動向などをよく分析し、今後わが軍に有用な情報として活用することができる」

手ぶらで行くわけにもいかず、砲弾くらいは手土産に持っていくんだろう(未確認)。

「北は派兵を条件にロシアに先端軍事技術支援を要求する可能性が高い」「例えば戦術核兵器の高度化や大陸間弾道ミサイル(ICBM)ミサイルの高度化、偵察衛星、原子力潜水艦など先端軍事技術を要求する可能性が高い」

そういえば、今日は北朝鮮がICBMを発射したという報道で持ち切りだったな。

(北朝鮮“ICBM発射” 核・ミサイル開発推進を強調【詳しく】)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20241031/k10014624621000.html

「防衛省によりますと、31日午前7時11分ごろ、北朝鮮の首都・ピョンヤン近郊から少なくとも1発のICBM級のミサイルが北東の方向に発射」

「通常より角度をつけて打ち上げる「ロフテッド軌道」で発射されたとみられ、午前8時37分ごろ、北海道の奥尻島の西およそ200キロの日本のEEZ=排他的経済水域の外側の日本海に落下したと推定される」

「飛行距離はおよそ1000キロ、最高高度はおよそ7000キロを超えたと推定」

「高度は北朝鮮が発射したミサイルの中で最も高い」

「飛行時間は1時間26分で、これまでで最も長い」

「ミサイルの1段目の推進力はある意味確立されているので変わっていないと思うが、大気圏を脱出し宇宙空間に入ったあとに推進力を加える2段目、3段目に新しい技術が加えられた可能性がある。関係を深めているロシアからの技術が入ってきている可能性があり、今回の発射はそれを試すねらいもあったと考えられる」(海上自衛隊の元海将で金沢工業大学虎ノ門大学院の伊藤俊幸教授)

おっと、もう導入済みかよ!?。

「アメリカ大統領選挙が目前に迫るなか、次の大統領が誰になろうと、ICBMの能力を示して交渉に持ち込みたい考えがあると思う。その場合の交渉とは非核化交渉ではなく、核保有国として核をどう管理するのかという軍備管理交渉をアメリカに持ちかけたいのだろう」(北朝鮮情勢に詳しい南山大学の平岩俊司教授)

うーん、それはやや穿ち過ぎなきもするけどな。

「ICBMの多弾頭化、つまり複数の弾頭を運ぶ能力を持つことが1つの課題なので、そのために今回、より推進力の高いICBMの発射実験をした可能性も十分注意する必要がある」(同上)

マーブ(MIRV(Multiple Independently-targetable Reentry Vehicle, マーヴ、複数個別誘導再突入体))かよ!?。

やれやれ・・・。

(MIRV)
https://ja.wikipedia.org/wiki/MIRV

「ひとつの弾道ミサイルに複数の弾頭(一般的に核弾頭)を装備しそれぞれが違う目標に攻撃ができる弾道ミサイルの弾頭搭載方式」

北朝鮮が7回目の核実験に踏み切る可能性も懸念されている。

「核の小型化が国防5か年計画にとって非常に重要な意味を持つとすれば、どこかのタイミングで核実験をやりたいのは間違いないので、警戒を続ける必要がある」(前出の平岩俊司教授)

まあ、どこかでやるだろうけど。

「北朝鮮によるICBMの発射に対抗するとして、韓国軍は31日、アメリカ軍と共同訓練を行いました。」

「訓練には米韓両軍の最新鋭戦闘機F35などのほか、無人機も含めておよそ110機が参加」

どうも、こっちの方が米国大統領選よりも、ターゲットとしての真実味がありそうだな。

このICBMの射程については、我が国の分析が上がっている。

「北朝鮮が発射したICBM級の弾道ミサイルは、飛しょう距離や飛しょう高度などの得られている情報を踏まえれば、弾頭の重量などによっては1万5000キロを超える射程となりうるとみられる」(林官房長官)

推定では単弾頭ということだが、実際にマーブを搭載した場合を想定したダミーを積んでいたかどうかは分からない。

そもそも、小型核弾頭の開発はこれからだろうし、その技術をロシアが与えるかどうかも問題だ。

「今回の発射が、地域の安全保障にとって重大で差し迫った脅威で、国際社会に対する明白かつ深刻な挑戦」(外務省の大河内アジア大洋州局審議官は、アメリカ国務省のベイリー朝鮮・モンゴル部長、韓国外務省のイ・ジュンイル朝鮮半島政策局長と電話で協議)

ICBMで、射程が1万5千kmということになれば、「地域の安全保障」というレベルではないだろう。

「アメリカのインド太平洋軍は今回の発射についてアメリカの領土や同盟国に対する差し迫った脅威にはならなかったと判断しているが、不必要に緊張を高め、地域の安全保障情勢を不安定化させるリスクがある」(アメリカ・ホワイトハウスのNSC=国家安全保障会議のサベット報道官)

抑制的な態度は、軍事大国として当然だが、射程を考えれば米国本土がすっぽりと収まる(画像参照:フロリダ半島の先端まで、ピョンヤンから1万2千km余り)。

呑気に構えていられるのは今のうちだな・・・。

<以下追加>ーーーーーーーーーー

(トマホーク供与要請、ウクライナの焦り示す=ロシア大統領府)
https://jp.reuters.com/world/ukraine/HZXDIR44PBOYHCDIQDKIJMGIOY-2024-10-31/

「ペスコフ氏は記者団に対し、ロシア軍が過去3カ月でこの2年間で最速のペースで前進している前線の状況は明らかだと主張。」

「このような状況を背景に、ウクライナ政権はかなり神経質になり始めている」(ペスコフ氏)

浮沈子的に気になったのは、次のくだりだ。

「また、ウクライナが掲げる「勝利計画」について、同国が西側を戦争に完全に引きずり込み、それを正当化することが最終目的との見方を示した。」

武器や砲弾、経済的支援だけではなく、西側の積極的関与(義務)を増大させようとする戦勝計画(勝利計画)が、「西側を戦争に完全に引きずり込み、それを正当化すること」だと認識し、「最終目的」だとしている。

そう言ってしまえば身も蓋もない。

西側の中にも、様々な軋轢がある。

米国では民主党政権とトランプの対立、欧州ではウクライナ支援に積極的な英国などと、反対するハンガリーなどとの対立、いくつかの国内では保守派と極右の対立も鮮明だ。

基本的には、NATOとロシア軍との直接対決を避け、ウクライナへの派兵を含む全面支援ではなく、財政的支援と「限られた武器弾薬」の支援に留め、戦争の当事者にならない路線(レッドライン?)を堅持している。

戦勝計画が突っぱねられたのは、それが「西側のレッドライン」を踏み越えていたからに他ならない。

グランドデザインとして、ロシアとの緩衝地帯としてのウクライナを維持するということもある。

ここに、軍事強国が誕生することは、ロシアにとってはもちろん、西側にとっても望ましい状況ではないからな。

それを踏まえてぺスコフの発言を読むと、「神経質」になっているのは、ひょっとするとロシアの方なのではないかと思える。

核抑止力を最大限アピールして、西側を「レッドライン」の向こうに踏みとどまらせることに必死なロシア・・・。

戦勝計画は、西側を引きずり込むことが最終目的ではない。

ロシアに軍事手段による解決を断念させ、戦争を終結し、平和を取り戻し、かつ、長期的に維持することが目的のはずだ。

そのためには、少なくとも一時的にせよ「レッドライン」を踏み越えさせる必要があるというデザインになっている。

それは、あくまでも「手段」であって、目的ではない。

しかし、ロシアはそのプロセスに同意しない。

あくまでも、ウクライナを非武装化し、NATO加盟を断念させることに拘る。

NATO非加盟かつ非核武装状態であったとしても、一時的にせよ、ウクライナが軍事強国として存続することは認められないんだろう。

ロシアが、東部戦線などでの攻勢を持続できるかどうかは分からない。

戦争は相手のある行為だからな。

クルスク侵攻のようなカウンターパンチを食らうこともあるし・・・。

核の脅しがどこまで通用するかということもある(そろそろ飽きが来る頃かあ?)。

何か、ほかに西側をけん制する手段はないのか。

北朝鮮の派兵は、一風変わった一手になっている。

ロシアにとっては、手持ちの駒が増えたということだ。

戦況に与える効果は限られているし、元よりそれが目的ではないだろう。

しかし、計らずもウクライナや韓国が盛り上げてくれたことで、政治的には望外の効果をもたらしている。

しめしめ・・・(そういうことかあ?)。

確認しておこう。

クレムリンは、戦勝計画の秘密事項がトマホークだったことに焦っている(そうなのかあ?)。

仮にそれが実現していれば、西側は確実にウクライナ紛争に当事者として加わることになる。

ロシアとしては、それは避けたい(今のところ?)。

没になったことにホッとしているに違いない。

東部戦線の攻勢や核の脅しだけではなく、西側にこれ以上深入りさせない次の一手を模索していたわけだ。

北朝鮮の派兵は、偶然(そうなのかあ?)このタイミングで話題になった。

西側が、これに釣られてウクライナに派兵することはないだろう。

ラブロフは、既に派遣されている傭兵や教官などの実体を指摘してけん制に走っているしな。

状況をどう利用することが出来るかはビミョーな点もあるけど、ロシア側の手詰まり感を払しょくする効果はあった。

前線への派兵の規模、関与の度合い(どこに配置するかなど)は、おそらくロシアのコントロール下にある。

押したり引いたりしながら、この駒を上手く使えば役に立つ。

グランドデザインのスキームの中に西側を留めておくことが、ロシアにとっては最重要だ。

欧州大戦争のタイミングは、ロシアが制御したいからな・・・。

🚀オリオン宇宙船:耐熱シールド:秘密な訳も秘密2024年10月31日 22:12

オリオン宇宙船:耐熱シールド:秘密な訳も秘密


(NASA、オリオンの耐熱シールド侵食の根本原因を発見、ただし公表せず)
https://spacenews.com/nasa-finds-but-does-not-disclose-root-cause-of-orion-heat-shield-erosion/

「問題の根本原因が何であるか、決定的な判断が下されました」(NASA探査システム開発ミッション局のロリ・グレイズ副次官代理)

「エイムズにあるアークジェット施設で、それを実証し、再現することができました。」(同上)

おおっ、やったじゃん!。

で、何が原因で、アルテミス2にはどういう対策をすることになったわけ?。

「今は話しません」「それが明らかになれば、すべて一緒に明らかになるでしょう。」

何それ?。

「根本的な原因が判明しました。熱シールドだけでなく、それが実際にアルテミス2号にどのように適用されるかについての次のステップについても、何が起こっているのかをしっかり理解するために、機関内で話し合いを行っています」(ムーン・トゥ・マーズ・オフィスのラキエシャ・ホーキンス副次官)

「彼女はまた、具体的な根本原因を明らかにすることを拒否」

やれやれ・・・。

「将来のミッションのために何をする必要があるかはわかっていますが、アルテミス2号の耐熱シールドはすでに構築されています。では、アルテミス2号で宇宙飛行士の安全をどのように確保するのでしょうか?」(前出のグレイズ氏)

「グレイズ氏は、NASAがアルテミス2号の耐熱シールド損失を軽減する方法を研究するために追加テストを実施していると述べた。」

「テストは11月末までに完了する予定」「その後、管理者と協議し、管理者が今後の進め方について最終決定を下す予定です」「私たちは可能な限り迅速に動いており、決定は間もなく下されるでしょう。」

「ホーキンス氏は、NASAが熱シールド問題とアルテミス2号の計画について「できれば年末までに」より詳しい情報を提供すると期待していると述べた。」

アルテミス1で明らかになった耐熱シールドの損傷について、根本原因と対策が分かった(再現までできたわけだし)にもかかわらず、その原因の詳細と具体的にアルテミス2について、いつまでにどういう対策を施すのかについては、早くても年末まで(2か月間)秘密だという。

うーん、判じ物だなあ。

「将来のミッションのために何をする必要があるかはわかっていますが、アルテミス2号の耐熱シールドはすでに構築されています。」(再掲)

つまりこれは、宇宙飛行士の安全と打ち上げスケジュールとのビミョーな問題を孕んでいるということなわけだ(そうなのかあ?)。

耐熱シールドは、交換が必要だ。

それは分かっているが、アルテミス2のそれは、既に組付けられている。

「NASAは、アルテミス2号が2026年より前に打ち上げられるかどうかについて業界では懐疑的な見方が広がっているにもかかわらず、打ち上げ日を2025年9月のまま維持している。」

それを交換するということになれば、打ち上げ予定日は下手をすれば1年以上ずれ込むと言われている。

その決定に係る事項だから、原因も含めて秘密ということになっているらしい。

べらぼーめ・・・。

アルテミス計画は、極めて政治的色彩が濃い。

米国大統領選挙を控え、この時期に何かを決定することは避けたいところだ。

まして、もしトラにでもなれば、大どんでん返しが待っているかも知れないしな。

NASAのネルソン長官だって交代させられるに違いない(そうなのかあ?)。

確認しておこう。

NASAは、オリオン宇宙船の耐熱シールドが、現状のままでは不適格だという結論に達している。

おそらく、当初予定の月からの自由帰還軌道を取った場合、正常に宇宙飛行士を保護することが保証できないと分かっている。

対策の選択肢は2つしかない。

耐熱シールドを変えるか、軌道を変えるか。

それも、月からの帰還軌道を取った場合、安全な大気圏再突入は保証できない。

どうするか。

アルテミス2の計画を抜本的に変更し、月周回ではなく、耐熱シールドへの負担が少なくて済む地球周回軌道に変更するというわけだ(未確認)。

そりゃあ、どっちにしてもお偉いさんの判断が必要だよなあ・・・。

この件については、アルスも記事にしている。

(何らかの理由でNASAはオリオンの耐熱シールド問題を秘密扱いしている)
https://arstechnica.com/space/2024/10/for-some-reason-nasa-is-treating-orions-heat-shield-problems-as-a-secret/

「複数のNASA関係者は月曜日、答えはわかっているが、明かさないと述べた。」

「代わりにNASA関係者は、2025年9月に正式に打ち上げが予定されているオリオン宇宙船による初の月周回有人ミッション「アルテミス2」にとってこれが何を意味するのかを判断するために、さらなる検討が行われるまで待つつもりだ。」

わけわか・・・。

「これはアルテミス2号計画をどうするかという決定と発表が、バイデン政権の終盤、おそらくビル・ネルソン氏のNASA長官の任期中、選挙後のレームダック期間まで行われないことを意味する。」

やっぱ、スティーブンクラークも、選挙絡みの日程と見ているようだ。

「ここで問題となるのは、NASA の管理者が、アルテミス II 号でオリオンの耐熱シールドをそのまま飛行させるのが十分安全だと判断するか、あるいは、人を乗せるとリスクが大きすぎると判断するかだ。」

浮沈子は、その問題についてはケリがついていると思っているんだがな。

「エンジニアたちはカリフォルニアにあるNASAエイムズ研究センターのアークジェット施設内でのテストで根本原因の発見を確認し、炭化損失を再現したと彼女は述べた。この施設は、宇宙船が極超音速の大気圏突入時に受ける空気熱力学的加熱をシミュレートできる。これを行うために、エンジニアたちは連続電気アークを備えたテストチャンバーを使用してガスを熱膨張させ、高温にし、その超高温の流れを真空中に吊るされたテストサンプルに向ける。」

「この能力はアークジェット試験施設をユニークなものにしているが、それでも宇宙船の熱シールドが再突入時に受けるストレスを完全に再現することはできない。」

「容赦のない有人宇宙飛行の世界では、エンジニアはこれに躊躇するべき」

当然だろう。

「飛んでみなければ分からないこともある」(アルテミス II ミッションのパイロット、ビクター・グローバー氏)

「最終決定はNASA長官ビル・ネルソン氏が下す予定」

NASAは、耐熱シールドの調査において、決してオープンな姿勢を貫いてきたわけではない。」

「同局がオリオンの耐熱シールドの予想外の性能を初めて明らかにしたのは、アルテミス1号ミッションの終了から4か月後の2023年3月だった。」

「アルテミス1号が地球に帰還してから約1年半が経った今年5月になって、NASAの監察総監監視機関は、 着水後のオリオンの耐熱シールドの状態を示す初めて公開可能な画像を含む報告書を発表した。」

「米会計検査院(GAO)が6月に発表した別の報告書によると、熱シールド問題に関する予備分析の結果、技術者らは「材料の透過性がモデルが示していたよりも低い」と示唆された」

「アルテミスIIについては、当局者らは、現在の調査では新たな耐熱シールドモデルを用いて飛行軌道を評価し、これがこの問題に対処するのに十分かどうかを判断していると述べた」(GAO)

その結論は出ているだろう。

「GAO の報告書からは、この問題がヒートシールドの設計に関係するものなのか、それともその製造方法や取り付け方法に関係するものなのかは明らかではない。」

が、その対策も分かっている。

「耐熱シールドに変更を加えるには、技術者が宇宙船を部分的に分解して修理し、宇宙船の 2 つの主要要素を再接続し、すでに完了している飛行前テストの一部をやり直す必要があるだろう。」

「そうなると、アルテミス II ミッションは必然的に 1 年以上遅れることになる。」

やっぱそうだよなあ・・・。

「エンジニアたちは、熱シールドをそのまま飛行させても安全だと管理者や乗組員の安全担当者を納得させるデータを提示できると期待している。アルテミス II ミッションの最後にオリオン宇宙船が大気圏に突入する角度を調整することで、エンジニアたちが熱シールドの加熱プロファイルを調節できる方法はいくつかある。」

浮沈子は、この点に疑問を感じている。

そう単純な話じゃないだろう。

さらに、ビルネルソンは、従来から安全優先でアルテミス計画を推進すると明言している。

外野は中国との月面着陸レースに夢中になるが、米国の場合、既にあまりに多くの犠牲者を出しているからな。

直接の関係があるかは不明だが、耐熱シールドは、一度設計変更を受けている。

「オリオン宇宙船の耐熱シールドの 2 度目の再設計となる。NASA とロッキード マーティンは当初、オリオンの耐熱シールドをモノリシック、つまり 1 つのユニットとして設置することを計画していた。これは 1960 年代後半から 1970 年代前半に月へ向かったアポロ司令船の場合と同じである。」

「2014年にオリオン宇宙船が地球周回軌道上で初の試験飛行を行った後、管理者は熱シールドをアルテミス1号で使用されたブロック構造に切り替えた。」

・2014年12月5日:デルタ IV ヘビー:長楕円軌道からの無人再突入試験:モノリシック構造
・2022年11月16日(打ち上げ日):SLSブロックI:月周回軌道への無人飛行(自由帰還軌道ではない):ブロック構造
・2025年9月:SLSブロックI:乗員4名による月楕円軌道への有人飛行???:ブロック構造???

最初の設計変更が行われた理由は不明だ。

また、今回の耐熱シールドの損傷が、その変更によるものかどうかも分からない。

NASAはお役所だからな。

政治的影響を受けるのは仕方ない。

高度な技術的任務を遂行する以上、その決定には合理性が求められる。

月への帰還は、人類が半世紀以上温め続けた夢だ。

安全を確保したうえで、着実な歩みを進めてもらいたい。

中国に先を越されたって(2030年頃)、インドにも置いて行かれたって(2040年頃)、それはそれで仕方ない(そうなのかあ?)。

米国が宇宙開発をけん引する時代もやがて終わる。

ソ連がけん引した時代は、すでに過去のものになったしな。

ISSが引退した後、地球軌道上にあるのは中国の宇宙ステーションだけになる。

月起動ステーションが上がっているかどうかは分からない。

そもそも、上がるかどうかも怪しい(そうなのかあ?)。

アポロの頃のように、宇宙開発が冒険だった時代は終わった。

耐熱シールドは作り直して、想定外の損傷が起こらない状況で使うべきだ。

もし、間が開くということが問題なら、アルテミス2を、有人地球周回軌道ミッションに変更するべきだろう。

んな、再突入軌道をちょこっと弄って、つじつまを合わせようなどというさもしい根性は捨てちまうに限る。

月は、まあ、数十億年くらいは逃げはしないだろうからな・・・。

<以下追加>ーーーーーーーーーー

自分のブログを読み返して、NASAはまだ、アルテミス2に於いて、月周回軌道からの再突入を諦めていないらしいことに気づいた(記事をちゃんと読んでいない証拠だな)。

「グレイズ氏は、NASAがアルテミス2号の耐熱シールド損失を軽減する方法を研究するために追加テストを実施していると述べた。」「テストは11月末までに完了する予定」(スペースニュース:再掲)

「エンジニアたちは、熱シールドをそのまま飛行させても安全だと管理者や乗組員の安全担当者を納得させるデータを提示できると期待している。」(アルス:再掲)

しかし、アルスの記事にもある通り、「飛んでみなければ分からないこともある」(アルテミス II ミッションのパイロット、ビクター・グローバー氏)

「この能力はアークジェット試験施設をユニークなものにしているが、それでも宇宙船の熱シールドが再突入時に受けるストレスを完全に再現することはできない。」(アルス:再掲)

カリフォルニアにあるNASAエイムズ研究センターのアークジェット施設で原因解明(同じ状態を再現できた)ということだったが、それでも限界があるという点に注意だ。

「この施設は、宇宙船が極超音速の大気圏突入時に受ける空気熱力学的加熱をシミュレートできる。これを行うために、エンジニアたちは連続電気アークを備えたテストチャンバーを使用してガスを熱膨張させ、高温にし、その超高温の流れを真空中に吊るされたテストサンプルに向ける。」(アルス:再掲)

まあいい。

浮沈子的結論は変わらない。

たとえ、数年の遅れにつながるとしても、アルテミス2の耐熱シールドは交換すべきだ。

再突入の度に、ハラハラドキドキするような宇宙船は、21世紀的じゃないからな・・・。