🚀オリオン宇宙船:耐熱シールド:秘密な訳も秘密 ― 2024年10月31日 22:12
オリオン宇宙船:耐熱シールド:秘密な訳も秘密
(NASA、オリオンの耐熱シールド侵食の根本原因を発見、ただし公表せず)
https://spacenews.com/nasa-finds-but-does-not-disclose-root-cause-of-orion-heat-shield-erosion/
「問題の根本原因が何であるか、決定的な判断が下されました」(NASA探査システム開発ミッション局のロリ・グレイズ副次官代理)
「エイムズにあるアークジェット施設で、それを実証し、再現することができました。」(同上)
おおっ、やったじゃん!。
で、何が原因で、アルテミス2にはどういう対策をすることになったわけ?。
「今は話しません」「それが明らかになれば、すべて一緒に明らかになるでしょう。」
何それ?。
「根本的な原因が判明しました。熱シールドだけでなく、それが実際にアルテミス2号にどのように適用されるかについての次のステップについても、何が起こっているのかをしっかり理解するために、機関内で話し合いを行っています」(ムーン・トゥ・マーズ・オフィスのラキエシャ・ホーキンス副次官)
「彼女はまた、具体的な根本原因を明らかにすることを拒否」
やれやれ・・・。
「将来のミッションのために何をする必要があるかはわかっていますが、アルテミス2号の耐熱シールドはすでに構築されています。では、アルテミス2号で宇宙飛行士の安全をどのように確保するのでしょうか?」(前出のグレイズ氏)
「グレイズ氏は、NASAがアルテミス2号の耐熱シールド損失を軽減する方法を研究するために追加テストを実施していると述べた。」
「テストは11月末までに完了する予定」「その後、管理者と協議し、管理者が今後の進め方について最終決定を下す予定です」「私たちは可能な限り迅速に動いており、決定は間もなく下されるでしょう。」
「ホーキンス氏は、NASAが熱シールド問題とアルテミス2号の計画について「できれば年末までに」より詳しい情報を提供すると期待していると述べた。」
アルテミス1で明らかになった耐熱シールドの損傷について、根本原因と対策が分かった(再現までできたわけだし)にもかかわらず、その原因の詳細と具体的にアルテミス2について、いつまでにどういう対策を施すのかについては、早くても年末まで(2か月間)秘密だという。
うーん、判じ物だなあ。
「将来のミッションのために何をする必要があるかはわかっていますが、アルテミス2号の耐熱シールドはすでに構築されています。」(再掲)
つまりこれは、宇宙飛行士の安全と打ち上げスケジュールとのビミョーな問題を孕んでいるということなわけだ(そうなのかあ?)。
耐熱シールドは、交換が必要だ。
それは分かっているが、アルテミス2のそれは、既に組付けられている。
「NASAは、アルテミス2号が2026年より前に打ち上げられるかどうかについて業界では懐疑的な見方が広がっているにもかかわらず、打ち上げ日を2025年9月のまま維持している。」
それを交換するということになれば、打ち上げ予定日は下手をすれば1年以上ずれ込むと言われている。
その決定に係る事項だから、原因も含めて秘密ということになっているらしい。
べらぼーめ・・・。
アルテミス計画は、極めて政治的色彩が濃い。
米国大統領選挙を控え、この時期に何かを決定することは避けたいところだ。
まして、もしトラにでもなれば、大どんでん返しが待っているかも知れないしな。
NASAのネルソン長官だって交代させられるに違いない(そうなのかあ?)。
確認しておこう。
NASAは、オリオン宇宙船の耐熱シールドが、現状のままでは不適格だという結論に達している。
おそらく、当初予定の月からの自由帰還軌道を取った場合、正常に宇宙飛行士を保護することが保証できないと分かっている。
対策の選択肢は2つしかない。
耐熱シールドを変えるか、軌道を変えるか。
それも、月からの帰還軌道を取った場合、安全な大気圏再突入は保証できない。
どうするか。
アルテミス2の計画を抜本的に変更し、月周回ではなく、耐熱シールドへの負担が少なくて済む地球周回軌道に変更するというわけだ(未確認)。
そりゃあ、どっちにしてもお偉いさんの判断が必要だよなあ・・・。
この件については、アルスも記事にしている。
(何らかの理由でNASAはオリオンの耐熱シールド問題を秘密扱いしている)
https://arstechnica.com/space/2024/10/for-some-reason-nasa-is-treating-orions-heat-shield-problems-as-a-secret/
「複数のNASA関係者は月曜日、答えはわかっているが、明かさないと述べた。」
「代わりにNASA関係者は、2025年9月に正式に打ち上げが予定されているオリオン宇宙船による初の月周回有人ミッション「アルテミス2」にとってこれが何を意味するのかを判断するために、さらなる検討が行われるまで待つつもりだ。」
わけわか・・・。
「これはアルテミス2号計画をどうするかという決定と発表が、バイデン政権の終盤、おそらくビル・ネルソン氏のNASA長官の任期中、選挙後のレームダック期間まで行われないことを意味する。」
やっぱ、スティーブンクラークも、選挙絡みの日程と見ているようだ。
「ここで問題となるのは、NASA の管理者が、アルテミス II 号でオリオンの耐熱シールドをそのまま飛行させるのが十分安全だと判断するか、あるいは、人を乗せるとリスクが大きすぎると判断するかだ。」
浮沈子は、その問題についてはケリがついていると思っているんだがな。
「エンジニアたちはカリフォルニアにあるNASAエイムズ研究センターのアークジェット施設内でのテストで根本原因の発見を確認し、炭化損失を再現したと彼女は述べた。この施設は、宇宙船が極超音速の大気圏突入時に受ける空気熱力学的加熱をシミュレートできる。これを行うために、エンジニアたちは連続電気アークを備えたテストチャンバーを使用してガスを熱膨張させ、高温にし、その超高温の流れを真空中に吊るされたテストサンプルに向ける。」
「この能力はアークジェット試験施設をユニークなものにしているが、それでも宇宙船の熱シールドが再突入時に受けるストレスを完全に再現することはできない。」
「容赦のない有人宇宙飛行の世界では、エンジニアはこれに躊躇するべき」
当然だろう。
「飛んでみなければ分からないこともある」(アルテミス II ミッションのパイロット、ビクター・グローバー氏)
「最終決定はNASA長官ビル・ネルソン氏が下す予定」
NASAは、耐熱シールドの調査において、決してオープンな姿勢を貫いてきたわけではない。」
「同局がオリオンの耐熱シールドの予想外の性能を初めて明らかにしたのは、アルテミス1号ミッションの終了から4か月後の2023年3月だった。」
「アルテミス1号が地球に帰還してから約1年半が経った今年5月になって、NASAの監察総監監視機関は、 着水後のオリオンの耐熱シールドの状態を示す初めて公開可能な画像を含む報告書を発表した。」
「米会計検査院(GAO)が6月に発表した別の報告書によると、熱シールド問題に関する予備分析の結果、技術者らは「材料の透過性がモデルが示していたよりも低い」と示唆された」
「アルテミスIIについては、当局者らは、現在の調査では新たな耐熱シールドモデルを用いて飛行軌道を評価し、これがこの問題に対処するのに十分かどうかを判断していると述べた」(GAO)
その結論は出ているだろう。
「GAO の報告書からは、この問題がヒートシールドの設計に関係するものなのか、それともその製造方法や取り付け方法に関係するものなのかは明らかではない。」
が、その対策も分かっている。
「耐熱シールドに変更を加えるには、技術者が宇宙船を部分的に分解して修理し、宇宙船の 2 つの主要要素を再接続し、すでに完了している飛行前テストの一部をやり直す必要があるだろう。」
「そうなると、アルテミス II ミッションは必然的に 1 年以上遅れることになる。」
やっぱそうだよなあ・・・。
「エンジニアたちは、熱シールドをそのまま飛行させても安全だと管理者や乗組員の安全担当者を納得させるデータを提示できると期待している。アルテミス II ミッションの最後にオリオン宇宙船が大気圏に突入する角度を調整することで、エンジニアたちが熱シールドの加熱プロファイルを調節できる方法はいくつかある。」
浮沈子は、この点に疑問を感じている。
そう単純な話じゃないだろう。
さらに、ビルネルソンは、従来から安全優先でアルテミス計画を推進すると明言している。
外野は中国との月面着陸レースに夢中になるが、米国の場合、既にあまりに多くの犠牲者を出しているからな。
直接の関係があるかは不明だが、耐熱シールドは、一度設計変更を受けている。
「オリオン宇宙船の耐熱シールドの 2 度目の再設計となる。NASA とロッキード マーティンは当初、オリオンの耐熱シールドをモノリシック、つまり 1 つのユニットとして設置することを計画していた。これは 1960 年代後半から 1970 年代前半に月へ向かったアポロ司令船の場合と同じである。」
「2014年にオリオン宇宙船が地球周回軌道上で初の試験飛行を行った後、管理者は熱シールドをアルテミス1号で使用されたブロック構造に切り替えた。」
・2014年12月5日:デルタ IV ヘビー:長楕円軌道からの無人再突入試験:モノリシック構造
・2022年11月16日(打ち上げ日):SLSブロックI:月周回軌道への無人飛行(自由帰還軌道ではない):ブロック構造
・2025年9月:SLSブロックI:乗員4名による月楕円軌道への有人飛行???:ブロック構造???
最初の設計変更が行われた理由は不明だ。
また、今回の耐熱シールドの損傷が、その変更によるものかどうかも分からない。
NASAはお役所だからな。
政治的影響を受けるのは仕方ない。
高度な技術的任務を遂行する以上、その決定には合理性が求められる。
月への帰還は、人類が半世紀以上温め続けた夢だ。
安全を確保したうえで、着実な歩みを進めてもらいたい。
中国に先を越されたって(2030年頃)、インドにも置いて行かれたって(2040年頃)、それはそれで仕方ない(そうなのかあ?)。
米国が宇宙開発をけん引する時代もやがて終わる。
ソ連がけん引した時代は、すでに過去のものになったしな。
ISSが引退した後、地球軌道上にあるのは中国の宇宙ステーションだけになる。
月起動ステーションが上がっているかどうかは分からない。
そもそも、上がるかどうかも怪しい(そうなのかあ?)。
アポロの頃のように、宇宙開発が冒険だった時代は終わった。
耐熱シールドは作り直して、想定外の損傷が起こらない状況で使うべきだ。
もし、間が開くということが問題なら、アルテミス2を、有人地球周回軌道ミッションに変更するべきだろう。
んな、再突入軌道をちょこっと弄って、つじつまを合わせようなどというさもしい根性は捨てちまうに限る。
月は、まあ、数十億年くらいは逃げはしないだろうからな・・・。
<以下追加>ーーーーーーーーーー
自分のブログを読み返して、NASAはまだ、アルテミス2に於いて、月周回軌道からの再突入を諦めていないらしいことに気づいた(記事をちゃんと読んでいない証拠だな)。
「グレイズ氏は、NASAがアルテミス2号の耐熱シールド損失を軽減する方法を研究するために追加テストを実施していると述べた。」「テストは11月末までに完了する予定」(スペースニュース:再掲)
「エンジニアたちは、熱シールドをそのまま飛行させても安全だと管理者や乗組員の安全担当者を納得させるデータを提示できると期待している。」(アルス:再掲)
しかし、アルスの記事にもある通り、「飛んでみなければ分からないこともある」(アルテミス II ミッションのパイロット、ビクター・グローバー氏)
「この能力はアークジェット試験施設をユニークなものにしているが、それでも宇宙船の熱シールドが再突入時に受けるストレスを完全に再現することはできない。」(アルス:再掲)
カリフォルニアにあるNASAエイムズ研究センターのアークジェット施設で原因解明(同じ状態を再現できた)ということだったが、それでも限界があるという点に注意だ。
「この施設は、宇宙船が極超音速の大気圏突入時に受ける空気熱力学的加熱をシミュレートできる。これを行うために、エンジニアたちは連続電気アークを備えたテストチャンバーを使用してガスを熱膨張させ、高温にし、その超高温の流れを真空中に吊るされたテストサンプルに向ける。」(アルス:再掲)
まあいい。
浮沈子的結論は変わらない。
たとえ、数年の遅れにつながるとしても、アルテミス2の耐熱シールドは交換すべきだ。
再突入の度に、ハラハラドキドキするような宇宙船は、21世紀的じゃないからな・・・。
(NASA、オリオンの耐熱シールド侵食の根本原因を発見、ただし公表せず)
https://spacenews.com/nasa-finds-but-does-not-disclose-root-cause-of-orion-heat-shield-erosion/
「問題の根本原因が何であるか、決定的な判断が下されました」(NASA探査システム開発ミッション局のロリ・グレイズ副次官代理)
「エイムズにあるアークジェット施設で、それを実証し、再現することができました。」(同上)
おおっ、やったじゃん!。
で、何が原因で、アルテミス2にはどういう対策をすることになったわけ?。
「今は話しません」「それが明らかになれば、すべて一緒に明らかになるでしょう。」
何それ?。
「根本的な原因が判明しました。熱シールドだけでなく、それが実際にアルテミス2号にどのように適用されるかについての次のステップについても、何が起こっているのかをしっかり理解するために、機関内で話し合いを行っています」(ムーン・トゥ・マーズ・オフィスのラキエシャ・ホーキンス副次官)
「彼女はまた、具体的な根本原因を明らかにすることを拒否」
やれやれ・・・。
「将来のミッションのために何をする必要があるかはわかっていますが、アルテミス2号の耐熱シールドはすでに構築されています。では、アルテミス2号で宇宙飛行士の安全をどのように確保するのでしょうか?」(前出のグレイズ氏)
「グレイズ氏は、NASAがアルテミス2号の耐熱シールド損失を軽減する方法を研究するために追加テストを実施していると述べた。」
「テストは11月末までに完了する予定」「その後、管理者と協議し、管理者が今後の進め方について最終決定を下す予定です」「私たちは可能な限り迅速に動いており、決定は間もなく下されるでしょう。」
「ホーキンス氏は、NASAが熱シールド問題とアルテミス2号の計画について「できれば年末までに」より詳しい情報を提供すると期待していると述べた。」
アルテミス1で明らかになった耐熱シールドの損傷について、根本原因と対策が分かった(再現までできたわけだし)にもかかわらず、その原因の詳細と具体的にアルテミス2について、いつまでにどういう対策を施すのかについては、早くても年末まで(2か月間)秘密だという。
うーん、判じ物だなあ。
「将来のミッションのために何をする必要があるかはわかっていますが、アルテミス2号の耐熱シールドはすでに構築されています。」(再掲)
つまりこれは、宇宙飛行士の安全と打ち上げスケジュールとのビミョーな問題を孕んでいるということなわけだ(そうなのかあ?)。
耐熱シールドは、交換が必要だ。
それは分かっているが、アルテミス2のそれは、既に組付けられている。
「NASAは、アルテミス2号が2026年より前に打ち上げられるかどうかについて業界では懐疑的な見方が広がっているにもかかわらず、打ち上げ日を2025年9月のまま維持している。」
それを交換するということになれば、打ち上げ予定日は下手をすれば1年以上ずれ込むと言われている。
その決定に係る事項だから、原因も含めて秘密ということになっているらしい。
べらぼーめ・・・。
アルテミス計画は、極めて政治的色彩が濃い。
米国大統領選挙を控え、この時期に何かを決定することは避けたいところだ。
まして、もしトラにでもなれば、大どんでん返しが待っているかも知れないしな。
NASAのネルソン長官だって交代させられるに違いない(そうなのかあ?)。
確認しておこう。
NASAは、オリオン宇宙船の耐熱シールドが、現状のままでは不適格だという結論に達している。
おそらく、当初予定の月からの自由帰還軌道を取った場合、正常に宇宙飛行士を保護することが保証できないと分かっている。
対策の選択肢は2つしかない。
耐熱シールドを変えるか、軌道を変えるか。
それも、月からの帰還軌道を取った場合、安全な大気圏再突入は保証できない。
どうするか。
アルテミス2の計画を抜本的に変更し、月周回ではなく、耐熱シールドへの負担が少なくて済む地球周回軌道に変更するというわけだ(未確認)。
そりゃあ、どっちにしてもお偉いさんの判断が必要だよなあ・・・。
この件については、アルスも記事にしている。
(何らかの理由でNASAはオリオンの耐熱シールド問題を秘密扱いしている)
https://arstechnica.com/space/2024/10/for-some-reason-nasa-is-treating-orions-heat-shield-problems-as-a-secret/
「複数のNASA関係者は月曜日、答えはわかっているが、明かさないと述べた。」
「代わりにNASA関係者は、2025年9月に正式に打ち上げが予定されているオリオン宇宙船による初の月周回有人ミッション「アルテミス2」にとってこれが何を意味するのかを判断するために、さらなる検討が行われるまで待つつもりだ。」
わけわか・・・。
「これはアルテミス2号計画をどうするかという決定と発表が、バイデン政権の終盤、おそらくビル・ネルソン氏のNASA長官の任期中、選挙後のレームダック期間まで行われないことを意味する。」
やっぱ、スティーブンクラークも、選挙絡みの日程と見ているようだ。
「ここで問題となるのは、NASA の管理者が、アルテミス II 号でオリオンの耐熱シールドをそのまま飛行させるのが十分安全だと判断するか、あるいは、人を乗せるとリスクが大きすぎると判断するかだ。」
浮沈子は、その問題についてはケリがついていると思っているんだがな。
「エンジニアたちはカリフォルニアにあるNASAエイムズ研究センターのアークジェット施設内でのテストで根本原因の発見を確認し、炭化損失を再現したと彼女は述べた。この施設は、宇宙船が極超音速の大気圏突入時に受ける空気熱力学的加熱をシミュレートできる。これを行うために、エンジニアたちは連続電気アークを備えたテストチャンバーを使用してガスを熱膨張させ、高温にし、その超高温の流れを真空中に吊るされたテストサンプルに向ける。」
「この能力はアークジェット試験施設をユニークなものにしているが、それでも宇宙船の熱シールドが再突入時に受けるストレスを完全に再現することはできない。」
「容赦のない有人宇宙飛行の世界では、エンジニアはこれに躊躇するべき」
当然だろう。
「飛んでみなければ分からないこともある」(アルテミス II ミッションのパイロット、ビクター・グローバー氏)
「最終決定はNASA長官ビル・ネルソン氏が下す予定」
NASAは、耐熱シールドの調査において、決してオープンな姿勢を貫いてきたわけではない。」
「同局がオリオンの耐熱シールドの予想外の性能を初めて明らかにしたのは、アルテミス1号ミッションの終了から4か月後の2023年3月だった。」
「アルテミス1号が地球に帰還してから約1年半が経った今年5月になって、NASAの監察総監監視機関は、 着水後のオリオンの耐熱シールドの状態を示す初めて公開可能な画像を含む報告書を発表した。」
「米会計検査院(GAO)が6月に発表した別の報告書によると、熱シールド問題に関する予備分析の結果、技術者らは「材料の透過性がモデルが示していたよりも低い」と示唆された」
「アルテミスIIについては、当局者らは、現在の調査では新たな耐熱シールドモデルを用いて飛行軌道を評価し、これがこの問題に対処するのに十分かどうかを判断していると述べた」(GAO)
その結論は出ているだろう。
「GAO の報告書からは、この問題がヒートシールドの設計に関係するものなのか、それともその製造方法や取り付け方法に関係するものなのかは明らかではない。」
が、その対策も分かっている。
「耐熱シールドに変更を加えるには、技術者が宇宙船を部分的に分解して修理し、宇宙船の 2 つの主要要素を再接続し、すでに完了している飛行前テストの一部をやり直す必要があるだろう。」
「そうなると、アルテミス II ミッションは必然的に 1 年以上遅れることになる。」
やっぱそうだよなあ・・・。
「エンジニアたちは、熱シールドをそのまま飛行させても安全だと管理者や乗組員の安全担当者を納得させるデータを提示できると期待している。アルテミス II ミッションの最後にオリオン宇宙船が大気圏に突入する角度を調整することで、エンジニアたちが熱シールドの加熱プロファイルを調節できる方法はいくつかある。」
浮沈子は、この点に疑問を感じている。
そう単純な話じゃないだろう。
さらに、ビルネルソンは、従来から安全優先でアルテミス計画を推進すると明言している。
外野は中国との月面着陸レースに夢中になるが、米国の場合、既にあまりに多くの犠牲者を出しているからな。
直接の関係があるかは不明だが、耐熱シールドは、一度設計変更を受けている。
「オリオン宇宙船の耐熱シールドの 2 度目の再設計となる。NASA とロッキード マーティンは当初、オリオンの耐熱シールドをモノリシック、つまり 1 つのユニットとして設置することを計画していた。これは 1960 年代後半から 1970 年代前半に月へ向かったアポロ司令船の場合と同じである。」
「2014年にオリオン宇宙船が地球周回軌道上で初の試験飛行を行った後、管理者は熱シールドをアルテミス1号で使用されたブロック構造に切り替えた。」
・2014年12月5日:デルタ IV ヘビー:長楕円軌道からの無人再突入試験:モノリシック構造
・2022年11月16日(打ち上げ日):SLSブロックI:月周回軌道への無人飛行(自由帰還軌道ではない):ブロック構造
・2025年9月:SLSブロックI:乗員4名による月楕円軌道への有人飛行???:ブロック構造???
最初の設計変更が行われた理由は不明だ。
また、今回の耐熱シールドの損傷が、その変更によるものかどうかも分からない。
NASAはお役所だからな。
政治的影響を受けるのは仕方ない。
高度な技術的任務を遂行する以上、その決定には合理性が求められる。
月への帰還は、人類が半世紀以上温め続けた夢だ。
安全を確保したうえで、着実な歩みを進めてもらいたい。
中国に先を越されたって(2030年頃)、インドにも置いて行かれたって(2040年頃)、それはそれで仕方ない(そうなのかあ?)。
米国が宇宙開発をけん引する時代もやがて終わる。
ソ連がけん引した時代は、すでに過去のものになったしな。
ISSが引退した後、地球軌道上にあるのは中国の宇宙ステーションだけになる。
月起動ステーションが上がっているかどうかは分からない。
そもそも、上がるかどうかも怪しい(そうなのかあ?)。
アポロの頃のように、宇宙開発が冒険だった時代は終わった。
耐熱シールドは作り直して、想定外の損傷が起こらない状況で使うべきだ。
もし、間が開くということが問題なら、アルテミス2を、有人地球周回軌道ミッションに変更するべきだろう。
んな、再突入軌道をちょこっと弄って、つじつまを合わせようなどというさもしい根性は捨てちまうに限る。
月は、まあ、数十億年くらいは逃げはしないだろうからな・・・。
<以下追加>ーーーーーーーーーー
自分のブログを読み返して、NASAはまだ、アルテミス2に於いて、月周回軌道からの再突入を諦めていないらしいことに気づいた(記事をちゃんと読んでいない証拠だな)。
「グレイズ氏は、NASAがアルテミス2号の耐熱シールド損失を軽減する方法を研究するために追加テストを実施していると述べた。」「テストは11月末までに完了する予定」(スペースニュース:再掲)
「エンジニアたちは、熱シールドをそのまま飛行させても安全だと管理者や乗組員の安全担当者を納得させるデータを提示できると期待している。」(アルス:再掲)
しかし、アルスの記事にもある通り、「飛んでみなければ分からないこともある」(アルテミス II ミッションのパイロット、ビクター・グローバー氏)
「この能力はアークジェット試験施設をユニークなものにしているが、それでも宇宙船の熱シールドが再突入時に受けるストレスを完全に再現することはできない。」(アルス:再掲)
カリフォルニアにあるNASAエイムズ研究センターのアークジェット施設で原因解明(同じ状態を再現できた)ということだったが、それでも限界があるという点に注意だ。
「この施設は、宇宙船が極超音速の大気圏突入時に受ける空気熱力学的加熱をシミュレートできる。これを行うために、エンジニアたちは連続電気アークを備えたテストチャンバーを使用してガスを熱膨張させ、高温にし、その超高温の流れを真空中に吊るされたテストサンプルに向ける。」(アルス:再掲)
まあいい。
浮沈子的結論は変わらない。
たとえ、数年の遅れにつながるとしても、アルテミス2の耐熱シールドは交換すべきだ。
再突入の度に、ハラハラドキドキするような宇宙船は、21世紀的じゃないからな・・・。
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