🚴我田引水:自転車は歩くより効果的 ― 2025年02月13日 20:32
我田引水:自転車は歩くより効果的
(自転車で通勤する人は仕事を病気で休む日が少ないという研究結果)
https://gigazine.net/news/20250213-commute-bicycle-fewer-days-off-sick/
「長期欠勤のリスクとアクティブな通勤との関連性については、これまでまったく研究されてきませんでした」(論文の筆頭著者であり、フィンランド労働衛生研究所および東フィンランド大学の博士研究員であるEssi Kalliolahti氏)
「グラフを見比べると、通勤での運動量が多い労働者ほど、病欠の日数が少ないことがわかります。」(画像参照)
「最も活発なグループは徒歩または自転車で1週間に30km以上、平均で61kmも通勤しており、これらの人々の平均通勤距離は片道9.4km」
「このグループの人々は最も運動量が少ないグループと比較して、病欠をするリスクが8~12%低く、10日間以上の長期的な病欠をするリスクも18%低かった」
浮沈子が注目したのは、徒歩と自転車の比較だ。
「徒歩通勤と自転車通勤を分けて比較した場合、通勤距離と病欠日数の関連性は、最も運動量の多い自転車通勤のグループのみで確認された」
ほう・・・。
「今回の研究はあくまで通勤と病欠の関連性を示したものであり、直接的な因果関係を示したものではない点に注意が必要」
まあ、自転車で片道10kmも通勤している人自体が、そもそも病欠とは無縁なのかもしれない(因果関係が逆!?)。
徒歩との比較にしても、有病率が高いグループが混在し、徒歩の効果を相殺している可能性もある。
「研究チームは性別や年齢、アルコールの摂取量、社会経済的地位など、病気の統計に影響するその他の潜在的要因も考慮」
ノイズが排除しきれていない可能性もあるな。
徒歩と自転車の比較は、別の記事で調べた。
(自転車と健康:自転車の健康効果 ~メタボ編~)
https://bicycle.city.yokohama.lg.jp/kenkou/kaisho/health-detail2/
「自転車運動は有酸素運動であるため、脂肪燃焼効果が高いという特徴があります。また、同じ運動時間で歩行と比較した場合、自転車の方が歩行よりも運動強度が高くなっています。」
「また、座ってペダルをこぐため、実際よりもつらさを感じずに運動効果が期待できる運動です。」
「自転車だとゆっくり走っても10kmで30分程度」
これは、走る環境によって変わるけどな。
信号待ち、坂道、道幅、対向車や歩行者の頻度によって変わる。
浮沈子の場合、大井町までの5kmで、30分かかっている。
信号待ちなどで、半分はペダルをこいでいないからな(14か所の信号で、概ね半分停車している:平均1分としても7分間)。
また、坂道があるので、上りで速度が半分に落ちる(さらに、下りではペダルこがないしな(至福のひと時・・・):そんなことでいいのかあ?)。
5km30分は妥当だろう。
最近、足のケガに加え、腰痛が辛くなって、電車で通う日が多い(そうなのかあ?)。
エスカレーターやエレベーターも躊躇なく使う。
で、フィットネスでクロストレーナー(有酸素運動マシン)をこぐ。
まあ、どうでもいいんですが。
今日は、筋肉痛でサボリ。
明日は、午前中だけ軽く運動しようと思っている。
平均すると、週に2~3回のペースだ。
今年の目標は、既に2月の時点でドロップアウトしている(フィットネスにサボらず通って、基礎体力を向上させる)。
1月の水泳大会で100m完泳できたので、次回は運営者側の迷惑を顧みず、200mにチャレンジする(マジか!?)。
目標タイムも設定する(5分以内:ずいぶん遅くね?:初めてのチャレンジだからな)。
ただし、個人メドレーではなく、手抜き可能な平泳ぎ(ズルっ!)。
100m個人メドレーは、引き続きチャレンジで、こっちは今年と同じくタイム目標は設けない(溺れるとヤバいからな)。
飛び込みで失敗したので、それは練習しておこう。
スピードよりも、持久力重視で行く。
で、そのために必要な基礎体力を養う。
今年は、メキシコはパスになるかもしれないからな。
2年間のブランクを、水泳で誤魔化す(そういうことかあ?)。
自転車は、そのためのツールだ。
行った先のフィットネスでは手を抜いても、往復の自転車はしっかりこぐ(そういうことかあ?)。
まあ、どうでもいいんですが。
交通事故に会わないように気を付けて、一時停止ではちゃんと止まり(多段階停止励行)、見通しの悪い交差点では徐行(1m以内で止まれる速度)、歩行者との側方距離は1m・・・。
正しく運行すると、自転車(電動アシストママチャリ:自称フェラーリ号)でも結構疲れる(25年以上前の車種なので、アシスト量少な目)。
で、イトーヨーカドーの駐輪場からは、エスカレーターを多用してジェクサー大井町へ・・・。
まあいい。
浮沈子は、エスカレーターを歩いて上り下りすることはない。
いつもニコニコ、手すりに摑まって、機械が運んでくれるのを素直に待つ。
メリハリつけて、ゆるゆると運動する。
もう、運動強度や速度を云々する歳じゃない。
運動「すること」に意義がある。
いずれ、浮沈子にも自転車に乗れなくなる時が来る。
そうなったら、大井町までてくてく歩いて行くとするかな・・・。
(自転車で通勤する人は仕事を病気で休む日が少ないという研究結果)
https://gigazine.net/news/20250213-commute-bicycle-fewer-days-off-sick/
「長期欠勤のリスクとアクティブな通勤との関連性については、これまでまったく研究されてきませんでした」(論文の筆頭著者であり、フィンランド労働衛生研究所および東フィンランド大学の博士研究員であるEssi Kalliolahti氏)
「グラフを見比べると、通勤での運動量が多い労働者ほど、病欠の日数が少ないことがわかります。」(画像参照)
「最も活発なグループは徒歩または自転車で1週間に30km以上、平均で61kmも通勤しており、これらの人々の平均通勤距離は片道9.4km」
「このグループの人々は最も運動量が少ないグループと比較して、病欠をするリスクが8~12%低く、10日間以上の長期的な病欠をするリスクも18%低かった」
浮沈子が注目したのは、徒歩と自転車の比較だ。
「徒歩通勤と自転車通勤を分けて比較した場合、通勤距離と病欠日数の関連性は、最も運動量の多い自転車通勤のグループのみで確認された」
ほう・・・。
「今回の研究はあくまで通勤と病欠の関連性を示したものであり、直接的な因果関係を示したものではない点に注意が必要」
まあ、自転車で片道10kmも通勤している人自体が、そもそも病欠とは無縁なのかもしれない(因果関係が逆!?)。
徒歩との比較にしても、有病率が高いグループが混在し、徒歩の効果を相殺している可能性もある。
「研究チームは性別や年齢、アルコールの摂取量、社会経済的地位など、病気の統計に影響するその他の潜在的要因も考慮」
ノイズが排除しきれていない可能性もあるな。
徒歩と自転車の比較は、別の記事で調べた。
(自転車と健康:自転車の健康効果 ~メタボ編~)
https://bicycle.city.yokohama.lg.jp/kenkou/kaisho/health-detail2/
「自転車運動は有酸素運動であるため、脂肪燃焼効果が高いという特徴があります。また、同じ運動時間で歩行と比較した場合、自転車の方が歩行よりも運動強度が高くなっています。」
「また、座ってペダルをこぐため、実際よりもつらさを感じずに運動効果が期待できる運動です。」
「自転車だとゆっくり走っても10kmで30分程度」
これは、走る環境によって変わるけどな。
信号待ち、坂道、道幅、対向車や歩行者の頻度によって変わる。
浮沈子の場合、大井町までの5kmで、30分かかっている。
信号待ちなどで、半分はペダルをこいでいないからな(14か所の信号で、概ね半分停車している:平均1分としても7分間)。
また、坂道があるので、上りで速度が半分に落ちる(さらに、下りではペダルこがないしな(至福のひと時・・・):そんなことでいいのかあ?)。
5km30分は妥当だろう。
最近、足のケガに加え、腰痛が辛くなって、電車で通う日が多い(そうなのかあ?)。
エスカレーターやエレベーターも躊躇なく使う。
で、フィットネスでクロストレーナー(有酸素運動マシン)をこぐ。
まあ、どうでもいいんですが。
今日は、筋肉痛でサボリ。
明日は、午前中だけ軽く運動しようと思っている。
平均すると、週に2~3回のペースだ。
今年の目標は、既に2月の時点でドロップアウトしている(フィットネスにサボらず通って、基礎体力を向上させる)。
1月の水泳大会で100m完泳できたので、次回は運営者側の迷惑を顧みず、200mにチャレンジする(マジか!?)。
目標タイムも設定する(5分以内:ずいぶん遅くね?:初めてのチャレンジだからな)。
ただし、個人メドレーではなく、手抜き可能な平泳ぎ(ズルっ!)。
100m個人メドレーは、引き続きチャレンジで、こっちは今年と同じくタイム目標は設けない(溺れるとヤバいからな)。
飛び込みで失敗したので、それは練習しておこう。
スピードよりも、持久力重視で行く。
で、そのために必要な基礎体力を養う。
今年は、メキシコはパスになるかもしれないからな。
2年間のブランクを、水泳で誤魔化す(そういうことかあ?)。
自転車は、そのためのツールだ。
行った先のフィットネスでは手を抜いても、往復の自転車はしっかりこぐ(そういうことかあ?)。
まあ、どうでもいいんですが。
交通事故に会わないように気を付けて、一時停止ではちゃんと止まり(多段階停止励行)、見通しの悪い交差点では徐行(1m以内で止まれる速度)、歩行者との側方距離は1m・・・。
正しく運行すると、自転車(電動アシストママチャリ:自称フェラーリ号)でも結構疲れる(25年以上前の車種なので、アシスト量少な目)。
で、イトーヨーカドーの駐輪場からは、エスカレーターを多用してジェクサー大井町へ・・・。
まあいい。
浮沈子は、エスカレーターを歩いて上り下りすることはない。
いつもニコニコ、手すりに摑まって、機械が運んでくれるのを素直に待つ。
メリハリつけて、ゆるゆると運動する。
もう、運動強度や速度を云々する歳じゃない。
運動「すること」に意義がある。
いずれ、浮沈子にも自転車に乗れなくなる時が来る。
そうなったら、大井町までてくてく歩いて行くとするかな・・・。
😼欧州大戦争:ウクライナ戦線:終わりの始まり ― 2025年02月13日 22:30
欧州大戦争:ウクライナ戦線:終わりの始まり
(【解説】 トランプ氏とプーチン氏の電話、ウクライナを犠牲に緊張を和らげる)
https://www.bbc.com/japanese/articles/c4gw1dxxd11o
「アメリカのピート・ヘグセス国防長官の12日の発言は、ウクライナの多くの人に、氷のように冷たい水を浴びせるもの」
・将来のいかなる安全保障体制においても、ウクライナのために米軍を派遣することはない。
・ウクライナがNATOに加盟する可能性はない。
・2014年以前の国境に戻る現実的な可能性はない(その時期、ロシアはクリミア半島を占領・併合し、ドンバス地方で反政府勢力を支援していた)。
BBCのフランク・ガードナー安全保障担当編集委員は、このことの意味を次のように表現している。
「ロシアのさらなる侵攻という脅威のない、安全な未来へのウクライナ国民の希望を打ち砕くものだ。」
トランプ政権のスタンスは、欧州がウクライナの安全保障を提供すべきというものだったはずだ。
そうなれば、ウクライナはロシアの侵攻を受ける心配なく、復興から繁栄への道を安心して歩み始めることが出来るというものだ。
ウクライナに「安全な未来」がないということはだな、欧州にはウクライナに十分な安全保障を提供する意思がないということと同義だ(そうなのかあ?)。
英国は、ウクライナに100年寄り添うと宣言している。
BBCの編集委員は、それを忘れちまったのかあ?。
「ヘグセス氏の発言は、北大西洋条約機構(NATO)のウクライナの最も親しい支援国の一部にとっても打撃となった。」
英国もまた、被害者の一人と言いたいんだろう(そういうことかあ?)。
全部、トランプが悪い・・・。
いや、バイデンからトランプに替わったことが悪いというのが正確なところか。
手のひらを返したような米国の政策転換が、それに引きずられて3年間踊り続けた欧州各国に襲い掛かっている。
べらぼーめ・・・。
裏切られた感は、ウクライナに勝るとも劣らないだろう。
特に、NATOに関しての明確な拒否は、ウクライナ問題にとどまらない。
トランプ政権がこの先、NATO離脱に本気で取り組む可能性を示唆している。
トランプ1.0の時、しかるべき分担金(国防費)を払わない国に対して、ロシアに好きに攻撃させると言ったとか言わなかったとか・・・。
あん時はGDP2パーセントだったが、今回は5パーセントだ。
実際、米国自体がGDP5パーセントに満たない(3パーセント程度か)。
ちなみに、ロシアは6パーセント超。
NATOに入れるかも!。
まあ、どうでもいいんですが。
米国の欧州からの距離感は、ここ数か月で劇的に変わるだろう。
グリーンランド騒動は尾を引いているし、NATO加盟国であるカナダが米国の51番目の州になるようなことがあれば、米国のNATO離脱と共に、NATO自体が崩壊する(「北大西洋」条約機構じゃなくなるからな:アイスランドが加盟しているから辛うじて該当するか)。
まあいい。
欧州は、否応なく、自前でロシアと対峙することになる。
ウクライナどころの騒ぎではないだろう。
ウクライナを押し付けられて、どうするかは自分たちで決めろと突き放されたわけだ。
もっとも、米国が離脱しちまえば、ウクライナのNATO加盟に明確に反対する国が減るわけで、それはそれでウクライナにとって悪い話じゃないかも知れない(そうなのかあ?)。
もっとも、ロシアが米国が手を引いた後の欧州本体に手を出すことを考えれば、そういう見立ては本末転倒ということになる。
ウクライナの安全保障どころか、ようやく平和を手にしたウクライナが、NATOによって再び紛争に巻き込まれるという皮肉な事態も想定される。
ぶっちゃけ、欧州はウクライナを切る腹だろう。
国家は正義では動かない。
国益で動く。
米国の関与なきウクライナは、欧州の国益にはならない。
不十分な安全保障体制の下で、不安定なまま放置され、数年後にロシアに再度侵攻され、事実上の敗戦を迎えることになる。
BBCの解説記事は、そこまで明言はしていないけど、その可能性をにおわせている。
(【解説】 トランプ氏、プーチン氏に国際社会への復帰を呼びかける)
https://www.bbc.com/japanese/articles/cvgly6gyp2eo
「ロシア政府関係者らは、話し合いの用意はできていると主張する。しかし実際にはすぐに、2024年6月にプーチン氏が示した、最後通告のような「和平案」に話を向ける。」
「この案ではロシアは、自分たちが支配しているすべてのウクライナ領土に加え、ウクライナが現在管理している同国の領土もいくらか獲得する。」
今回の交渉では、ここは幾分調整されるかもしれない(停戦条件など、どーせ破られるわけだから、どーでもいーのだ:そんなあ!)。
「そのうえ、ウクライナは北大西洋条約機構(NATO)への加盟を認められず、ロシアは西側の制裁が解除される。」
制裁解除は、完全には見通せないけど、少なくとも新たな制裁を科す話は消えるだろう。
「ロシアは話し合いの準備ができている。しかし、自分たちの条件でだ」(ロシアの新聞)
「外交辞令抜きで言えば、それは実質的に最後通告だ」(同上)
ウクライナにとっては踏んだり蹴ったりの話ばかりだが、少なくとも停戦は現実的な話になりつつある。
トランプ政権のスタンスは、ウクライナにとっては厳しいものには違いないが、「停戦」こそが最大の報酬だからな。
それは間違いなくロシアが軍事力を増強する時間を与え、ウクライナに再侵攻するリスクを拡大し、加えて欧州本体を狙うための時間を短縮することに繋がる。
トランプ政権が言うように、欧州が軍事費を増額させなければ、ロシアにいいように攻撃されちまうだろう。
ウクライナを、その盾として使うかどうかは欧州が決める。
ウクライナがつかの間の平和を取り戻すことは好ましい。
できれば、それが永続的なものとなって欲しいけど、それを決めるのはウクライナじゃない。
欧州とロシアが決める。
20世紀末から21世紀にかけて、黒海沿岸にウクライナという国があった・・・。
ソ連からの独立を果たし、ロシア寄りの国家となったが、その後西側寄りの政権が誕生し、ロシアの侵攻を受け事実上の独立戦争を数度にわたって繰り広げたが、結局ロシアの一部となった・・・。
プーチンは、国家解体までは求めていない。
EUへの加盟も、当初から認める腹だ。
後釜と見做されているメドベージェフは、ウクライナ国家の存続を認めていない。
まあ、先の話だからどうなるかは分からないけど、ウクライナの分割統治を経て、東欧諸国の再度の併合の中でロシア本土に再統合される公算が高いだろう。
独立なんてさせたから、西側の介入を許したわけだからな(と、メドベージェフ辺りは思っているに違いないのだ)。
「彼は3年前、政治的な荒野にいた。」(彼:プーチンのこと)
「ウクライナへの本格侵攻を決断し、世界からのけ者にされた。」
「国連は総会で、ロシアの「ウクライナに対する不法な武力行使」を非難する決議を、圧倒的多数で採択した。」
「ロシアは数多くの国際的制裁を受けた。翌年には国際刑事裁判所(ICC)が、プーチン大統領に対する逮捕状を発行した。」
これらの措置が、今後どうなるかは分からない。
プーチンがウクライナに武力侵攻した背景には、ソ連崩壊に伴う各種の決断とその後の対応が影響している。
誰(プーチン含む)がどう考えたって、ロシアの侵攻を正当化することは出来ない。
この3年間、プーチンは耐えがたきを耐え、忍び難きを忍んで「特別軍事作戦」を続けてきた。
中国やイラン、北朝鮮にまで頭を下げ、節を屈して真っ暗なトンネルの中を進んできた。
「ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は、今回の電話協議をしただけで、すでに外交的勝利のようなものを手にした。」
「多くの点で、プーチン氏はすでに望んだものを手にしている。それは、ウクライナについて、おそらくはウクライナやヨーロッパの頭越しにアメリカと直接交渉する機会であり、国際政治の場で重要な役割を担う機会だ。」
ゼレンスキー主演の物語は終わろうとしている(そうなのかあ?)。
全世界のスポットライトを浴び、莫大な支援を受けながらロシアと対峙し続けた3年間のドラマは幕引きを迎える。
少なくとも、BBCのスティーヴ・ローゼンバーグ・ロシア編集長(モスクワ)はそう見ているようだ。
モスクワから見る景色は、少し違うのかもしれない。
ウクライナもロシアも、この3年間、多くの犠牲者を出した。
停戦がウクライナにとって好ましいものであることは間違いない。
ロシアの次なる野望をどう封じ込め、ドンパチさせずに済むかはこれからの話だ。
バイデンのように、ウクライナでドンパチ続けることで封じ込めることは、結果的に出来なかった。
それだけが歴史的事実であり、世界が認識しなければならないただ一つの現実だ。
事は終わった。
浮沈子は、トランス二ストリアへの侵攻がサプライズされると見ているけど、そんな妄想は実現しない方がいい。
武器よ、さらばだな・・・。
<以下追加>ーーーーーーーーーー
(トランプ氏「まず停戦」 プーチン氏「降伏」による戦勝 ウクライナ和平、行方は不透明)
https://www.sankei.com/article/20250213-2FJAOA56DZNVNFT2XSN2IABW2Q/
「ウクライナ支援は米国の利益にもなる」(ウクライナのゼレンスキー大統領)
そうじゃないって主張を掲げて大統領選挙に臨み、結果を得たトランプに、バイデンの決め台詞が通じるわけはない(むしろ、逆効果だろう)。
「あくまでもウクライナの「降伏」による戦勝を達成する考え」(ロシアのプーチン大統領)
「トランプ氏が停戦実現を急ぐ背景には、ウクライナ支援に伴う米国の負担を軽減しつつ、覇権的行動を続ける中国の抑制や不法移民対策など国内問題に財政的・人的資源を振り分けたい思惑」
「ただ、ウクライナの利益を度外視した合意を結べば、武力や威嚇による一方的な現状変更を認めないとしてきた国際規範をさらに揺るがす。」
その「国際規範」とやらは、ロシアには通用しなかったわけだ。
ならず者国家の言いなりになり、罪もないウクライナに煮え湯を飲ませようとするトランプという構図だな。
産経も、まだバイデンの呪縛に囚われている。
中国が出てきたついでに触れれば、米ロ首脳の電話会談の実現に、中国が一役買っていたという話も出ている。
(中国、ウクライナ紛争終結へ和平推進 米ロ首脳会談を提案=WSJ)
https://jp.reuters.com/world/ukraine/2VA7LSHVANIB3EXSUCVSXRR3QY-2025-02-13/
「WSJによると、中国当局はここ数週間、仲介者を通じてトランプ陣営に対し、首脳会談の開催と停戦後の平和維持活動について提案」
「トランプ氏は12日、プーチン氏と電話会談し、ウクライナでの戦争終結に向けた交渉を直ちに開始することで合意」
早期に停戦が成立すれば、米国は対中国政策に本腰を入れられるようになるそうだから、それこそ利益相反だろう。
昔、「複雑怪奇」と言って解散した内閣もあったけどな・・・。
(平沼騏一郎内閣)
https://kotobank.jp/word/%E5%B9%B3%E6%B2%BC%E9%A8%8F%E4%B8%80%E9%83%8E%E5%86%85%E9%96%A3-864276
「・・・この間、ノモンハン事件で日ソ関係が険悪となり、また日本軍による天津(てんしん)イギリス租界封鎖問題で日英会談が行われ、さらにアメリカが日米通商航海条約の廃棄を通告するなど事態が急速に転回したうえ、8月23日にドイツは突如、独ソ不可侵条約を結んだ。世界情勢の急転回についていけなくなった平沼内閣は、「欧州情勢は複雑怪奇」の一語を残して総辞職した。」
浮沈子は、米国が中国と決定的に対立することは不可能と見ている。
ウクライナを巡る軍事的緊張が解ければ、2年後に中国が台湾を併合することはほぼ確実となる。
米国は手も足も出せないだろう。
トランプの任期中だからな。
猶更だ。
韓国も危ないな(そうなのかあ?)。
米国の核の傘の下で惰眠を貪り、世界情勢の急転回についていけなくなれば、内閣総辞職では済まないだろう。
その核の傘だって怪しいもんだ。
ゼレンスキーではないけど、核武装していれば侵略は防ぐことが出来たかもしれない。
まあいい。
米国は、ただただウクライナから、いや、欧州から手を引きたがっている。
中東への関与は、石油資源へのアクセスという実利を伴うけど、ウクライナの地下資源にはそれほどの価値はないからな。
様々な規制でがんじがらめの欧州には、市場としての魅力も乏しい。
何か他の理由のためというのは、米国がそう主張しているだけの話で、実際にそうかどうかは別だろう。
第二次大戦後、冷戦を挟んで米国が中心となって築き上げてきた国際秩序が、今、音を立てて崩壊している。
そのことを明確に認識し、対応していかなければ二等国家(自国の運命を自国で決められない)としての我が国の舵取りは出来ない。
バイデン政権は、ウクライナをロシアに突きつける匕首として利用した。
それは、ある程度は成功したかもしれない。
が、ロシアはそれを凌ぎ切った。
やれやれ・・・。
この先も、ウクライナの二の舞になりかねない話はいくらでも出てくるだろう。
逆に、北朝鮮辺りは、ロシアの匕首として利用されるかもしれないしな。
この手の話は、キューバ危機にも通じる。
大国の周縁国は、常にそのリスクに晒されている。
ウクライナは若い国だ。
出だしは芳しくなかったけど、国家を維持できれば挽回の可能性は高い。
ロシアの思惑を躱し、独自のポジションを見つけることが出来れば、発展の可能性はある。
終わりの始まりではなく、始まりの終わりにしないとな・・・。
<さらに追加>ーーーーーーーーーー
(ウクライナ「何らかの形で」和平協議に参加=ロシア大統領府)
https://jp.reuters.com/world/ukraine/KOV3NYXU4VO5JKLLMHJCXOJODU-2025-02-13/
「首脳会談の準備には数カ月かかる可能性があり、サウジアラビアの首都リヤドが会談開催地として適切との点で双方が合意」(クレムリン(ロシア大統領府)のペスコフ報道官:インタファックス通信)
数か月というのは驚きだな。
それまで、ウクライナが持つのかあ?。
「ウクライナは戦争終結に向けた協議に「何らかの形で」参加するとの見通し」(ペスコフ:タス)
欧州の参加については、少なくとも記事では触れられていない。
「協議には米国とロシアのルートが別途設けられることになる」(同上)
ロシアを停戦交渉の場に引きずり出したことだけでも、トランプの大成功だ。
他国の運命を決められる真の主権国家(プーチンの自説)同士による首脳会談の設定は、ウクライナ紛争の終結を意味する。
ここ数日、ウクライナ戦線の動きは少ない。
ライバーによれば、ロシア軍が再編中ということだけど、クルスクでのロシア軍の奪還、ポクロフシク周辺でのウクライナ軍の反撃とロシア軍の再攻撃程度の話しかない。
チャシブヤールやクルスクでの戦闘は続いているんだろうけど、両軍とも前線の位置を変えるほどの進展はない。
これが、停戦交渉の行方を見据えた動きかどうかは知らない。
しかし、首脳会談が数か月先ということになれば、その間に前線は大きく動くだろう。
(ウクライナ抜きの和平合意「受け入れられず」、ゼレンスキー氏が強調)
https://jp.reuters.com/world/ukraine/H3QVTOBO65IL7MWQQXJACOBSPM-2025-02-13/
「独立国家として、ウクライナ抜きの合意は一切受け入れることはできない」(ウクライナのゼレンスキー大統領)
「プーチン氏が思い描く計画通りに事態を進ませないことが重要だ」(同上)
「米国がロシアと協議を開始する前に、米国とウクライナが戦争終結に向けた計画を策定することが重要」(同上)
ぺスコフの「なんらかの形」によるウクライナの協議参加は、トランプの配慮を受けたものかもしれない。
が、それはまやかしの協議だ。
(米ロ首脳、再び電話協議の可能性 直接会談前に=ロシア大統領府)
https://jp.reuters.com/world/ukraine/ZIKEZJZ3UJNFVCMWA7UHTBJC4Q-2025-02-13/
「プーチン大統領とトランプ米大統領の直接会談を前に、両首脳が再び電話協議を行う可能性」(クレムリン(ロシア大統領府)のペスコフ報道官)
本当の協議、そして、その詰めは米ロで行われる。
浮沈子が注目したのはロシア政府の見解だな。
「ロシア政府は、ウクライナ戦争終結に向けたトランプ氏の見解に感銘を受けたとした上で、両首脳の会談の準備が進んでいると述べた。」
「感銘」かよ!?。
いったい、どんな「見解」を表明したんだあ?。
事態は急展開している。
ウクライナは乗り遅れ、欧州は話題にも出てこない。
裏で中国が暗躍し、米ロ双方に貸しを作っている(そうなのかあ?)。
(欧州各国、米の「抜け駆け」を一斉批判 ウクライナ和平交渉巡り)
https://jp.reuters.com/world/ukraine/AX2S4RAORNMGNAKAMTPUWRLB3E-2025-02-13/
「われわれに知らされずに行われた合意がうまくいかないことは明らかだ。いかなる合意もウクライナと欧州の参加を必要とするだろう」(欧州連合(EU)の外相に当たるカラス外交安全保障上級代表)
「宥和政策に効果があった試しは一度もない」(同上)
そういえば、そんな話もあったな・・・。
「和平交渉が始まる前に米国がロシアに譲歩をするべきでなかった」(ドイツのピストリウス国防相)
「トランプ政権の「強さによる平和」というスローガンに沿わない「弱さによる平和」に警告」(フランスのルコルニュ国防相)
「欧州が「トランプ大統領とプーチン大統領が全員にとっての解決策を見つけてくれるという幻想に陥るべきではない」」(リトアニアのサカリエネ国防相)
「ウクライナが中心にいない交渉はあり得ない」(英国のスターマー首相)
その「あり得ない」交渉が、正に現実に起こっている。
欧州が「あるべき」交渉の議論に拘泥している中で、トランプとプーチンの直接会談の準備が進む。
これは融和政策なんてもんじゃない。
米国はロシアと一緒になって、ウクライナという死肉を食い漁っている。
欧州は、その食い散らかされた残りを押し付けられる。
それだけならまだしも、浮沈子の妄想が現実になれば、欧州自体がメニューに載ることになる。
テーブルについているのは米ロだけだ。
(ウクライナ戦闘終結に向け交渉開始で米ロが合意 中国は歓迎「建設的な役割を果たす」)
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/1728767?display=1
「中国はロシアとアメリカが一連の国際問題について意思疎通や対話を強化することを歓迎する」(中国外務省 郭嘉昆報道官)
「中国は対話と交渉が危機解決の唯一の手段だと考え、和平協議を促してきた」「中国は引き続き関係各国と意思疎通を保持し、政治的な解決を推進するために建設的な役割を果たしていく」(同上)
「中国はこれまでブラジルとともに問題の解決に向けた提案を行う一方、ロシアに対して経済的な結びつきを強めるなど大きな影響力を持っており、今後、米ロの交渉にどのように関与するか注目」
おそらく、停戦交渉への直接的な関与はないだろうけど、停戦後の監視や復興支援には積極的な役割を果たすことが期待される。
我が国の対応はどうなんだろうか?。
(日本政府、米ロの動向注視 「領土回復困難」発言論評せず)
https://www.jiji.com/jc/article?k=2025021300608&g=pol
「ロシアのウクライナ侵略に対応するに当たり米ロ関係は極めて重要であり、動向を注視していく」(林芳正官房長官)
「他国の発言の逐一に政府として評価を述べることは差し控える」(同上)
・動向注視=何もしない
・差し控える=評価能力の欠如
まあ、どうでもいいんですが。
欧州のように「脊髄反射」的発言をしないというのは、当事国ではない我が国としては適切ともいえる。
この件(米ロによる停戦交渉の急速な展開)に対して慎重であることは、必ずしも悪いことじゃない。
地政学的パラダイムの大転換が起こっているわけで、バイデンの路線にも控えめだった我が国は、いいポジションにいる。
ウクライナの復興需要に上手く乗れれば、経済的にも政治的にもゲインは大きいだろう。
欧州が反米的スタンスでゼレンスキー政権と共倒れすれば、ライバルは中国ということになる。
が、まあ、そう単純には行かないだろうけどな・・・。
<さらにさらに追加>ーーーーーーーーーー
(将来の停戦ラインを巡る戦い、ロシア軍は東部戦線で前進し続ける)
https://grandfleet.info/war-situation-in-ukraine/fighting-for-future-ceasefire-line-russian-troops-continue-to-advance-on-eastern-front/
「両軍の衝突回数は減少しているもののロシア軍の前進は止まっていない。」
「ロシア軍がクピャンスク方面、リマン方面、ポクロウシク方面、クラホヴェ方面、ヴェリカノボシルカ方面で前進した」(DEEP STATE)
「米国とロシアの間で戦争終結に向けた交渉が始まり、将来の停戦ラインは戦場の前線位置に基づいて決められる可能性」(航空万能論ブログ管理人)
「両軍は将来の停戦ラインを巡って2024年よりも激しい戦いを演じるかもしれない。」(同上)
「停戦に近づけば近づくほど前線での戦闘が激しくなる」(Telegraph)
浮沈子は、陣地の変動(もっぱらロシア軍の前進)の少なさで見ていたけど、そして、確かに一時期よりその範囲は小さいけど、そのことが戦闘の激化が衰えたことには、必ずしもならないようだ。
停戦の話の中では、安全保障という言葉が頻繁に出てくる。
ロシアも、ウクライナも、欧州も、それぞれがそれぞれの安全保障を求める。
もちろん、米国にもある。
莫大な軍事費を投じることが出来る米国は、前方展開して、軍事的に安全保障を確保できるが、ロシアを含めてふつーの国はなかなかそうはいかない。
ウクライナに対するバイデン政権の軍事支援は、この前方展開の変則的な形態と見做すことが出来る。
欧州には、ガッツリ派兵しているからな。
で、そうはいかないその他大勢の国々は、同盟を結んだりして、なるべく侵略されないように画策するわけだ。
自国の兵を養ったり、大量破壊兵器を所有したりするのも、実際にドンパチして戦争を遂行したり相手国に核爆弾落としたりすることよりも何よりも、この安全保障の手段として機能することを期待しているわけだ。
力による平和の本来の意味はそこにある。
んじゃあ、どれだけの安全保障があれば安心できるのかは、様々な要因が絡んでいて、これといった標準的なものはない。
ぶっちゃけ、国家の数だけあるともいえる。
我が国の場合は、米国との軍事同盟(その名も日米安全保障条約)及び平和憲法に基づく自衛に必要な最小限の軍備で、戦後80年近くを凌いできた。
ウクライナは、核兵器かNATO加盟がなければ、安心して枕を高くして寝ることが出来ない(少なくとも、ゼレンスキーはそう言ってるからな)。
100万人の軍隊を擁していても、ロシアに隣接する地政学的リスクをコントロールできない。
ロシアは、NATOが配備する核兵器(ミサイル)が脅威だと考えている。
もちろん、通常戦力も脅威だが、自国が核兵器に頼っているだけに、NATO側の核配備には敏感だ。
ウクライナのNATO加盟は、その脅威を決定的に増大させる。
モスクワまで15分で届く核兵器を配備されれば、物理的に防ぐ手段はない。
(トランプ政権の発表に欧州はパニック、プーチンにとって最良のシナリオが実現)
https://grandfleet.info/european-region/trump-administration-announcement-causes-panic-in-europe-putins-best-case-scenario-comes-true/
「今朝、目を覚ますと安らかな眠りを楽しんでいたダブルベット(NATOのこと)の片方が空いていることに気がついた。何れにせよ米国はもういない、彼らの最優先事項は国境と中国で欧州は二の次になったのだ」(イタリアのLa Stampa)
記事は各国のメディアの報道を取り上げている。
・英国のTelegraph
・英国のFinancial Times
・米国のBloomberg
・米国のDefenseNews
・フランスのLe Monde
・ドイツのDie Welt
・イタリアのLa Stampa
「管理人は全ての報道に目を通している訳では無いが、各国の主要メディアやディフェンスメディアの報道を見る限り「欧州はパニック状態に陥った」と表現しても過言ではなく、(中略)戦後の欧州で米軍のプレゼンスが低下するかもしれない」という点で、NATOの集団的自衛権も機能するのかどうか怪しくなってきた。」(航空万能論ブログ管理人)
欧州がパニクるのは当然として、どうもメディア自体がパニックになっている感じだ。
米国の豹変は、各国の主要メディアにとってもサプライズだったようで、ウクライナ支援だけではなく、欧州に対する米国の支援が消えることに対する「恐怖」をまざまざと感じさせる。
「朝起きると米国が欧州から手を引いていた」というイタリア紙の表現は、うーん、如何にもイタリアっぽい気がするな。
「ウクライナ支援、ウクライナを交渉テーブルに着けるため提供する安全保障、戦後に派遣されるかもしれない平和維持軍の全てを欧州が負担すべき」(ヘグセス米国防長官)
「もはや米国はウクライナや欧州に安全保障を提供することに関心がない」(Telegraph)
『トランプは我々のことを資金提供者としか見ておらず、米国の要求に応じても我々の立場がどうなるのか分からない』(ある高官:FT)
「欧州のNATO加盟国に対する防衛力強化やウクライナの再建費用(推定3兆ドル=約460兆円)を押し付けられたことに驚愕」(Bloomberg)
「欧州防衛の将来についても米国のビジョンを示した。米国は太平洋を優先し、NATOの集団的自衛権は欧州諸国が運用と費用を受け持つことになる」(Le Monde)
メディアはウクライナはそっちのけで(そうなのかあ?)、本当に気がかりなのは欧州がこの件(ウクライナ停戦)から締め出されたことと、その理由が欧州に対する米国の政策転換だったことを隠さない。
ぶっちゃけ、ウクライナの将来に関心がないことを、先に米国が鮮明にしたことこそが一番の衝撃かも知れない。
ホントは、欧州こそが無気力無関心無責任(三無主義)だったわけだが、米国に先に言われちまったわけだからな。
いまさら、実は我々も、当初からそれ程入れ込んでいたわけじゃないんだけど、とは言えないだろう。
先に言ったもん勝ちだ(そういうことかあ?)。
まあいい。
「トランプ大統領は「ゼレンスキー大統領に対する世論調査の結果が思わしくないこと」や「選挙の必要性」を強調し、露骨にゼレンスキー大統領の退陣を望んでいることを示唆」(Bloomberg)
浮沈子的には、仮に米国が望んでいたとしても、現政権はそう簡単には覆らないと見ているけどな。
欧州は全力で支援するだろうし(選挙だけ?)、選挙を行わざるを得なくなれば、政敵を徹底して排除しようとするに違いない(やっぱ、ロシアと同じかあ?)。
他に有力な候補者がいるとは思えず、米国の支援からの撤退を利用して、悪者に仕立て上げ、ロシアとの徹底抗戦に打って出るかもしれない。
そうなれば、トランス二ストリアへの逆侵攻がリアリティを帯びてくる。
現政権は、少なくとも1回、軍部のクーデターを経験している(未然に阻止したけどな)。
そっちの対策も怠りないだろう。
トランプ政権がゼレンスキーの退陣を示唆した以上、これ以上米国主導の停戦プランに期待することは出来ない。
ウクライナは、言いなりになって降伏するしかないのか。
それとも、今一度欧州を結束させて、ロシアに対する反転攻勢を試みるのか。
浮沈子的には、もちろん、反転攻勢などは不可能と見ている。
米国の支援なしで戦えるのは、たとえ武器弾薬がある程度提供されたとしても、1年かそこらだ。
領土というリソースを失い続けながら、勝てる見込みのない戦争を続ける意味などない。
支援を続ける欧州にしても、米国と同等以上の支援を提供することは物理的に不可能だ。
今回の米国のスタンスは、ウクライナ戦線だけではなく、来るべき欧州大戦争におけるNATOの結束を揺るがす事態を想定させる。
メディアやNATO国防相会談に出席したメンバーが動揺したのは、正にこの点だからな。
ゼレンスキーがNATO入りに拘り続けるのも、集団的自衛権の発動という「血の盟約」があるからこそで、そこに米国の関与が期待できず、たとえばウクライナにロシアが再侵攻された時に当てになるのがポーランドとルーマニアだけ(ハンガリーとスロバキアは当てにできない?)ということなら、絶対に核兵器の方を選択するだろう(そういうことかあ?)。
浮沈子は、元々NATO第5条はプログラム規定だと見ている。
集団的自衛権が発動されて、加盟国が一丸となって防戦するというファンタジーがあったらいいなあとか、そういうおとぎ話を仕込んでおけば、誰も張子の虎に立ち向かおうとはしないだろうという希望的観測みたいなもんだ(そうなのかあ?)。
特に、後から加盟した東欧諸国に対しては、そもそも第5条の適用自体が本当にあるのかどうかさえ怪しい。
そりゃあ、もちろん形式的にはあることになっているし、最近もスバルキギャップで演習しているけど、実際問題として、じゃあ、どの程度の侵攻があった場合にどういう規模でどういう段階を踏んで展開するのかなどの話は聞こえてこない。
つまり、そんなもんはないということなわけだ(そうなのかあ?)。
敵対する勢力が接している場合、ふつーは偶発的な衝突を避けるための具体的な措置が講じられている。
意図せぬ武力衝突のエスカレーションを未然に防止するためだ。
NATOとロシアだって、そういうつながりはあるに違いない。
武力衝突が大規模に行われる場合、最低でも数か月以上の準備期間が必要だ。
その間の部隊の移動や物流は、現代では衛星などで簡単に捕捉される。
そこに何か写っていたとすれば、実際に何かがあるということなわけだ(北朝鮮からの派兵についてプーチンが言った通りだな)。
威力偵察程度なら秘匿できるかもしれないけどな。
NATOとロシアとの間に、そういう丁寧な仕掛けがどの程度あるのか。
双方が評価し合って、齟齬をきたさないような調整が定期的に行われているのかいないのかが問題だ。
出来れば、様々なレベルで多層的なコミュニケーションがとられていることが望ましい。
そう、敵対国同士であればある程、平和を築くための努力を惜しみなく行わなければならない。
お互い、異なる国家を営んでいる以上、様々な理由で対立することは当然だ。
んな、対立も何もなければ、一つの国家としてガチャンコしちまった方がいいわけだからな。
ウクライナが欧州からの支援を受けて、ロシアと対峙し続けるなら、欧州大戦争は間違いなく勃発する(つーか、連続的に戦線が拡大する)。
米国の支援なしに戦闘を続ける中で、ウクライナと欧州が構築した停戦計画をロシアに呑ませることは困難を極めるだろう。
仮にできたとしても、それがトランプの計画よりマシかどうかは分からない。
今、この状況で振り返ると、先月末にリークされた100日停戦プランは、かなりリアルだったということになる(プーチンとの電話会談は、日程通り行われたからな)。
(欧州大戦争:ウクライナ戦線:謎の停戦案)
https://kfujito2.asablo.jp/blog/2025/01/28/9750597
「<戦争終結までのプロセス>
○1月下旬〜2月上旬にプーチン大統領と電話会談(実施済み)
△2月か3月にプーチンとゼレンスキー両者と会談(プーチンとの会談は数か月先)
・4月20日の復活祭までに停戦を宣言
・その時点でウクライナ軍はロシア領のクルスクから撤退
・国連の国際平和会議(IPC)が戦争終結のための両国の仲介作業を開始
・合意された戦争終結の条件に関する宣言は5月9日までに発表
・その後、ウクライナ政府には戒厳令の延長や動員を行わないよう要請
<合意に含まれる事項>
△ウクライナのNATO加盟を禁じ、中立を宣言すること(NATO非加盟は確定)
△2030年までにウクライナがEUの一員となること(EUの判断)
○EUが戦後の復興を支援すること
×ウクライナは自国の軍隊の規模を維持し、アメリカから軍事支援を受け続けることができる。(ウ軍の規模は縮小、米国の軍事支援は打ち切り:未確認)
○ロシアによる占領地を奪還しようとする軍事的・外交的試みを放棄
○占領地に対するロシア連邦の主権を公式に承認
△西側の対ロ制裁の一部解除:終戦協定の遵守状況によっては3年以内に解除される可能性も(具体な内容は不明)
△ロシアの石油・ガスのEUへの輸出制限は解除される代わりに特別関税を課し、その収入はウクライナの復興に充てられる。(復興支援は欧州丸抱え)」
米国の軍事支援は打ち切られるだろう。
今後の日程としては、トランプとゼレンスキーの直接会談だが、雲行きは怪しくなってきている。
停戦条件は、むしろ厳しい内容になってくるだろう。
特に、欧州は丸抱えでウクライナの後始末を押し付けられている。
米軍の派遣はないけど、何らかの形で軍事支援が継続される可能性は皆無じゃない。
武器弾薬の提供以外だって、軍事支援は可能だ(ヘルメットとかあ?)。
が、それらは欧州が提供することが望ましいだろう。
バイデン政権やボリスジョンソンにそそのかされてロシアと軍事衝突することを選んだゼレンスキー政権は、自国民を戦争に駆り立て、世界を巻き込み、多大な犠牲を払った。
米国は煙のように消え去り、茫然自失の欧州と傷だらけのウクライナが取り残された。
賭けに勝ったのはプーチンだ。
それは間違いない。
ロシアはその配当を受け取ることになるだろう。
それを払わされるのは欧州だ(ウクライナは払えないからな)。
米国は、おそらく1セントも払う気はないし、これまでの支援も取り返そうとするだろう。
死肉に群がるハゲタカのようにな。
欧州が払わなければ、つまり、ウクライナを支援しなければ、ロシアは欧州に直接取り立てに来るだろう。
北極海から黒海まで、フィンランドからモルドバやルーマニアまでは、取り立ての対象だ。
やれやれ・・・。
浮沈子は、それは時間の問題だし、ウクライナ戦線とは繋がっていると見ているけどな。
欧州はおそらく何もできないし、動こうともしないだろう。
もっともありそうなシナリオは、ウクライナを見捨てることだ。
見捨てると言って悪ければ、ロシアに委ねることになる。
ロシア猫は舌なめずりしながら、目の前に差し出されたウクライナというネズミをどうするのか。
統治の問題があるからな。
まずは選挙だろう。
ウクライナの未来はウクライナが選ぶ。
戒厳令が解除されれば、ウクライナ軍は崩壊する(って、ゼレンスキーが言ってたしな)。
彼らは家に戻り、この3年間の戦いを振り返り、よーっく考えて投票するだろう。
その選択は、自らに再び降りかかる。
それが火の粉になるのか、慈雨になるのかは誰も知らない・・・。
<また追加>ーーーーーーーーーー
(トランプ大統領がロシア寄りの発言を連発 「G8」復活主張、ウクライナは交渉の「一部」)
https://www.sankei.com/article/20250214-PWCPDI4IQ5JAHJHPABGPLSP3WY/
「ロシアが14年3月にG8から除外されたのは、現在に続く同国によるウクライナの主権と領土への侵害の起点となったクリミア併合が理由」
それを認めようという方針なんだから、G8復帰要請は米国の新たな政策として当然だろう。
問題は次だな・・・。
「西側諸国の盟主である米国の大統領がこうした経緯を無視することは、ロシアのプロパガンダ(政治宣伝)に利用されるなどの〝隙〟となる恐れがある。」
米国が西側諸国の盟主でなくなってから3週間が経った。
ロシアのプロパガンダに利用されないためにも、そういう認識は改めるべきだろう。
米国が北米大陸を中心とした地域大国であることは変わらない。
世界最大の軍事大国であり、経済大国であることも事実だが、最早、米国一国主義の下、西側の盟主でないことは間違いない。
「バイデン政権は21年の発足当初からNATOの門戸開放政策を維持する一方、加盟を熱望するウクライナには言質を与えない方針を貫いた。トランプ氏の主張は根拠がなく、侵略の正当化にもつながりかねない。」
確かにNATO加盟について、米国は一貫して反対の立場を貫いてきた。
そこは間違いないところだ。
しかし、将来に渡っての加盟を明確に否定したこともない。
悪質だな・・・。
その立場を擁護するかのような産経の認識は問題だ。
「加盟を熱望するウクライナには言質を与えない方針」(再掲)
つまりは、騙しのテクニックを駆使したわけだ。
このことは、領土奪還についても同じだ。
トランプは、その点では誠実だ(そうなのかあ?)。
「ロシアの立場にある国が(ウクライナの)NATO入りを容認できるはずがない」(トランプ)
「ヘグセス国防長官が12~13日、ウクライナのNATO加盟や、ロシアがウクライナ南部クリミア半島の併合を一方的に宣言した2014年以前の領土を同国が回復するのは「非現実的だ」などと述べたのは「とても正確だった」とした。」
まあ、外交的にいささかあからさまで、身も蓋もない感は否めない。
身内からも、軌道修正を食らっている。
(ウクライナのNATO加盟、完全に否定せず=米高官)
https://jp.reuters.com/world/ukraine/NCZ2P7ANKFNQTNKQVP4FIPRU34-2025-02-14/
「米国のウクライナ担当副特使ジョン・コール氏は、ミュンヘンでロイターの取材に応じ、ウクライナのNATO加盟の可能性を米国は否定したのかという質問に対し、まだ検討事項としてあると答えた。同国の国境がロシアによるクリミア併合前の状態に戻る可能性もあると語った。」
まあ、可能性と蓋然性の議論なんだろう。
しかし、おそらく、プーチンやロシア政府を停戦交渉へと動かしたのは、外交テクニックの常識を無視したトランプの「誠実さ」であったのかも知れない。
浮沈子は、産経が国防に熱心に取り組んできた点を評価しているけど、今、現状認識が付いて行けてない感を抱いている。
自由と民主主義は、我が国が同盟国をはじめ、多くの国々と共有する重要な価値観だが、世界がそれで動いているという幻想は捨てた方が無難だ。
トランプに追随しろとは言わない。
ハチャメチャな話であることは間違いない。
「力による平和」の原義は、平時に兵を養い有事に備えることだ。
ドンパチやらずに済めば上策、ドンパチやって兵を損ない、再び有事に備えなければならなくなるのは下策だ。
まあ、ソ連みたいに養い過ぎて自滅しちまったら元も子もないけどな。
米国の強制力はロシアに向けられるわけではない。
双方が、他国の運命を決めることが出来る真の主権国家である以上、お互いがぶつかり合うことはないのだ。
米国の力は、欧州とウクライナに向けられる。
産経の見立て通り、交渉ではその力が試されることになるだろう・・・。
<またまた追加>ーーーーーーーーーー
(米副大統領、対ロ制裁・軍事行動を示唆 和平交渉巡り圧力=WSJ)
https://jp.reuters.com/world/ukraine/OMIFCBFZDRMU5KLIGCFHFGPZIM-2025-02-14/
「多くの人々に衝撃を与えるような合意が生まれると思う」(バンス米副大統領)
「トランプ大統領は狭い視野でこの件に臨むつもりはない。『全ての選択肢があり得る。合意を結ぼう』と言うだろう」(同上)
うーん、まだサプライズがあるって言うのかあ?。
ガザの米国所有とレジャーランド化(そうだったっけえ?)に引き続き、ウクライナを米国領土として接収しようってんじゃないよねえ?。
かつて、ベトナム戦争当時、全土を駐車場にしようって話もあったくらいだから、米国の発想は滅茶苦茶だ。
米国の海外領土にするくらいでは、もう、誰も驚かないだろう。
(米国民はウクライナに価値見いだす、戦後経済に参加へ=財務長官)
https://jp.reuters.com/world/us/VRCU3HVJGFPU7GMMLQ5H7PNSUY-2025-02-14/
「戦後ウクライナへの米国の関与には戦略的鉱物資源、エネルギー、国有企業などが含まれる可能性」(ベッセント米財務長官)
鉱物資源が大したことないのは分かっているけど、エネルギーと国有企業は気になる。
投資対象としては、原子力発電くらいしか思い当たらない。
国有企業では、防衛関連への投資は悪くない。
欧州へはGDP5パーセントの軍事費確保で政治圧力をかけ、需要をこじ開けているからな。
そこに突っ込む武器弾薬をウクライナで作って売り込むというのは、短期的にはおいしい商売だ。
しかし、そんな程度ではサプライズにはならない。
もっと、こう、度肝を抜くような話だ。
歴史に残るような、どでかい取引・・・。
(【解説】 トランプ氏とプーチン氏の電話、ウクライナを犠牲に緊張を和らげる)
https://www.bbc.com/japanese/articles/c4gw1dxxd11o
「アメリカのピート・ヘグセス国防長官の12日の発言は、ウクライナの多くの人に、氷のように冷たい水を浴びせるもの」
・将来のいかなる安全保障体制においても、ウクライナのために米軍を派遣することはない。
・ウクライナがNATOに加盟する可能性はない。
・2014年以前の国境に戻る現実的な可能性はない(その時期、ロシアはクリミア半島を占領・併合し、ドンバス地方で反政府勢力を支援していた)。
BBCのフランク・ガードナー安全保障担当編集委員は、このことの意味を次のように表現している。
「ロシアのさらなる侵攻という脅威のない、安全な未来へのウクライナ国民の希望を打ち砕くものだ。」
トランプ政権のスタンスは、欧州がウクライナの安全保障を提供すべきというものだったはずだ。
そうなれば、ウクライナはロシアの侵攻を受ける心配なく、復興から繁栄への道を安心して歩み始めることが出来るというものだ。
ウクライナに「安全な未来」がないということはだな、欧州にはウクライナに十分な安全保障を提供する意思がないということと同義だ(そうなのかあ?)。
英国は、ウクライナに100年寄り添うと宣言している。
BBCの編集委員は、それを忘れちまったのかあ?。
「ヘグセス氏の発言は、北大西洋条約機構(NATO)のウクライナの最も親しい支援国の一部にとっても打撃となった。」
英国もまた、被害者の一人と言いたいんだろう(そういうことかあ?)。
全部、トランプが悪い・・・。
いや、バイデンからトランプに替わったことが悪いというのが正確なところか。
手のひらを返したような米国の政策転換が、それに引きずられて3年間踊り続けた欧州各国に襲い掛かっている。
べらぼーめ・・・。
裏切られた感は、ウクライナに勝るとも劣らないだろう。
特に、NATOに関しての明確な拒否は、ウクライナ問題にとどまらない。
トランプ政権がこの先、NATO離脱に本気で取り組む可能性を示唆している。
トランプ1.0の時、しかるべき分担金(国防費)を払わない国に対して、ロシアに好きに攻撃させると言ったとか言わなかったとか・・・。
あん時はGDP2パーセントだったが、今回は5パーセントだ。
実際、米国自体がGDP5パーセントに満たない(3パーセント程度か)。
ちなみに、ロシアは6パーセント超。
NATOに入れるかも!。
まあ、どうでもいいんですが。
米国の欧州からの距離感は、ここ数か月で劇的に変わるだろう。
グリーンランド騒動は尾を引いているし、NATO加盟国であるカナダが米国の51番目の州になるようなことがあれば、米国のNATO離脱と共に、NATO自体が崩壊する(「北大西洋」条約機構じゃなくなるからな:アイスランドが加盟しているから辛うじて該当するか)。
まあいい。
欧州は、否応なく、自前でロシアと対峙することになる。
ウクライナどころの騒ぎではないだろう。
ウクライナを押し付けられて、どうするかは自分たちで決めろと突き放されたわけだ。
もっとも、米国が離脱しちまえば、ウクライナのNATO加盟に明確に反対する国が減るわけで、それはそれでウクライナにとって悪い話じゃないかも知れない(そうなのかあ?)。
もっとも、ロシアが米国が手を引いた後の欧州本体に手を出すことを考えれば、そういう見立ては本末転倒ということになる。
ウクライナの安全保障どころか、ようやく平和を手にしたウクライナが、NATOによって再び紛争に巻き込まれるという皮肉な事態も想定される。
ぶっちゃけ、欧州はウクライナを切る腹だろう。
国家は正義では動かない。
国益で動く。
米国の関与なきウクライナは、欧州の国益にはならない。
不十分な安全保障体制の下で、不安定なまま放置され、数年後にロシアに再度侵攻され、事実上の敗戦を迎えることになる。
BBCの解説記事は、そこまで明言はしていないけど、その可能性をにおわせている。
(【解説】 トランプ氏、プーチン氏に国際社会への復帰を呼びかける)
https://www.bbc.com/japanese/articles/cvgly6gyp2eo
「ロシア政府関係者らは、話し合いの用意はできていると主張する。しかし実際にはすぐに、2024年6月にプーチン氏が示した、最後通告のような「和平案」に話を向ける。」
「この案ではロシアは、自分たちが支配しているすべてのウクライナ領土に加え、ウクライナが現在管理している同国の領土もいくらか獲得する。」
今回の交渉では、ここは幾分調整されるかもしれない(停戦条件など、どーせ破られるわけだから、どーでもいーのだ:そんなあ!)。
「そのうえ、ウクライナは北大西洋条約機構(NATO)への加盟を認められず、ロシアは西側の制裁が解除される。」
制裁解除は、完全には見通せないけど、少なくとも新たな制裁を科す話は消えるだろう。
「ロシアは話し合いの準備ができている。しかし、自分たちの条件でだ」(ロシアの新聞)
「外交辞令抜きで言えば、それは実質的に最後通告だ」(同上)
ウクライナにとっては踏んだり蹴ったりの話ばかりだが、少なくとも停戦は現実的な話になりつつある。
トランプ政権のスタンスは、ウクライナにとっては厳しいものには違いないが、「停戦」こそが最大の報酬だからな。
それは間違いなくロシアが軍事力を増強する時間を与え、ウクライナに再侵攻するリスクを拡大し、加えて欧州本体を狙うための時間を短縮することに繋がる。
トランプ政権が言うように、欧州が軍事費を増額させなければ、ロシアにいいように攻撃されちまうだろう。
ウクライナを、その盾として使うかどうかは欧州が決める。
ウクライナがつかの間の平和を取り戻すことは好ましい。
できれば、それが永続的なものとなって欲しいけど、それを決めるのはウクライナじゃない。
欧州とロシアが決める。
20世紀末から21世紀にかけて、黒海沿岸にウクライナという国があった・・・。
ソ連からの独立を果たし、ロシア寄りの国家となったが、その後西側寄りの政権が誕生し、ロシアの侵攻を受け事実上の独立戦争を数度にわたって繰り広げたが、結局ロシアの一部となった・・・。
プーチンは、国家解体までは求めていない。
EUへの加盟も、当初から認める腹だ。
後釜と見做されているメドベージェフは、ウクライナ国家の存続を認めていない。
まあ、先の話だからどうなるかは分からないけど、ウクライナの分割統治を経て、東欧諸国の再度の併合の中でロシア本土に再統合される公算が高いだろう。
独立なんてさせたから、西側の介入を許したわけだからな(と、メドベージェフ辺りは思っているに違いないのだ)。
「彼は3年前、政治的な荒野にいた。」(彼:プーチンのこと)
「ウクライナへの本格侵攻を決断し、世界からのけ者にされた。」
「国連は総会で、ロシアの「ウクライナに対する不法な武力行使」を非難する決議を、圧倒的多数で採択した。」
「ロシアは数多くの国際的制裁を受けた。翌年には国際刑事裁判所(ICC)が、プーチン大統領に対する逮捕状を発行した。」
これらの措置が、今後どうなるかは分からない。
プーチンがウクライナに武力侵攻した背景には、ソ連崩壊に伴う各種の決断とその後の対応が影響している。
誰(プーチン含む)がどう考えたって、ロシアの侵攻を正当化することは出来ない。
この3年間、プーチンは耐えがたきを耐え、忍び難きを忍んで「特別軍事作戦」を続けてきた。
中国やイラン、北朝鮮にまで頭を下げ、節を屈して真っ暗なトンネルの中を進んできた。
「ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は、今回の電話協議をしただけで、すでに外交的勝利のようなものを手にした。」
「多くの点で、プーチン氏はすでに望んだものを手にしている。それは、ウクライナについて、おそらくはウクライナやヨーロッパの頭越しにアメリカと直接交渉する機会であり、国際政治の場で重要な役割を担う機会だ。」
ゼレンスキー主演の物語は終わろうとしている(そうなのかあ?)。
全世界のスポットライトを浴び、莫大な支援を受けながらロシアと対峙し続けた3年間のドラマは幕引きを迎える。
少なくとも、BBCのスティーヴ・ローゼンバーグ・ロシア編集長(モスクワ)はそう見ているようだ。
モスクワから見る景色は、少し違うのかもしれない。
ウクライナもロシアも、この3年間、多くの犠牲者を出した。
停戦がウクライナにとって好ましいものであることは間違いない。
ロシアの次なる野望をどう封じ込め、ドンパチさせずに済むかはこれからの話だ。
バイデンのように、ウクライナでドンパチ続けることで封じ込めることは、結果的に出来なかった。
それだけが歴史的事実であり、世界が認識しなければならないただ一つの現実だ。
事は終わった。
浮沈子は、トランス二ストリアへの侵攻がサプライズされると見ているけど、そんな妄想は実現しない方がいい。
武器よ、さらばだな・・・。
<以下追加>ーーーーーーーーーー
(トランプ氏「まず停戦」 プーチン氏「降伏」による戦勝 ウクライナ和平、行方は不透明)
https://www.sankei.com/article/20250213-2FJAOA56DZNVNFT2XSN2IABW2Q/
「ウクライナ支援は米国の利益にもなる」(ウクライナのゼレンスキー大統領)
そうじゃないって主張を掲げて大統領選挙に臨み、結果を得たトランプに、バイデンの決め台詞が通じるわけはない(むしろ、逆効果だろう)。
「あくまでもウクライナの「降伏」による戦勝を達成する考え」(ロシアのプーチン大統領)
「トランプ氏が停戦実現を急ぐ背景には、ウクライナ支援に伴う米国の負担を軽減しつつ、覇権的行動を続ける中国の抑制や不法移民対策など国内問題に財政的・人的資源を振り分けたい思惑」
「ただ、ウクライナの利益を度外視した合意を結べば、武力や威嚇による一方的な現状変更を認めないとしてきた国際規範をさらに揺るがす。」
その「国際規範」とやらは、ロシアには通用しなかったわけだ。
ならず者国家の言いなりになり、罪もないウクライナに煮え湯を飲ませようとするトランプという構図だな。
産経も、まだバイデンの呪縛に囚われている。
中国が出てきたついでに触れれば、米ロ首脳の電話会談の実現に、中国が一役買っていたという話も出ている。
(中国、ウクライナ紛争終結へ和平推進 米ロ首脳会談を提案=WSJ)
https://jp.reuters.com/world/ukraine/2VA7LSHVANIB3EXSUCVSXRR3QY-2025-02-13/
「WSJによると、中国当局はここ数週間、仲介者を通じてトランプ陣営に対し、首脳会談の開催と停戦後の平和維持活動について提案」
「トランプ氏は12日、プーチン氏と電話会談し、ウクライナでの戦争終結に向けた交渉を直ちに開始することで合意」
早期に停戦が成立すれば、米国は対中国政策に本腰を入れられるようになるそうだから、それこそ利益相反だろう。
昔、「複雑怪奇」と言って解散した内閣もあったけどな・・・。
(平沼騏一郎内閣)
https://kotobank.jp/word/%E5%B9%B3%E6%B2%BC%E9%A8%8F%E4%B8%80%E9%83%8E%E5%86%85%E9%96%A3-864276
「・・・この間、ノモンハン事件で日ソ関係が険悪となり、また日本軍による天津(てんしん)イギリス租界封鎖問題で日英会談が行われ、さらにアメリカが日米通商航海条約の廃棄を通告するなど事態が急速に転回したうえ、8月23日にドイツは突如、独ソ不可侵条約を結んだ。世界情勢の急転回についていけなくなった平沼内閣は、「欧州情勢は複雑怪奇」の一語を残して総辞職した。」
浮沈子は、米国が中国と決定的に対立することは不可能と見ている。
ウクライナを巡る軍事的緊張が解ければ、2年後に中国が台湾を併合することはほぼ確実となる。
米国は手も足も出せないだろう。
トランプの任期中だからな。
猶更だ。
韓国も危ないな(そうなのかあ?)。
米国の核の傘の下で惰眠を貪り、世界情勢の急転回についていけなくなれば、内閣総辞職では済まないだろう。
その核の傘だって怪しいもんだ。
ゼレンスキーではないけど、核武装していれば侵略は防ぐことが出来たかもしれない。
まあいい。
米国は、ただただウクライナから、いや、欧州から手を引きたがっている。
中東への関与は、石油資源へのアクセスという実利を伴うけど、ウクライナの地下資源にはそれほどの価値はないからな。
様々な規制でがんじがらめの欧州には、市場としての魅力も乏しい。
何か他の理由のためというのは、米国がそう主張しているだけの話で、実際にそうかどうかは別だろう。
第二次大戦後、冷戦を挟んで米国が中心となって築き上げてきた国際秩序が、今、音を立てて崩壊している。
そのことを明確に認識し、対応していかなければ二等国家(自国の運命を自国で決められない)としての我が国の舵取りは出来ない。
バイデン政権は、ウクライナをロシアに突きつける匕首として利用した。
それは、ある程度は成功したかもしれない。
が、ロシアはそれを凌ぎ切った。
やれやれ・・・。
この先も、ウクライナの二の舞になりかねない話はいくらでも出てくるだろう。
逆に、北朝鮮辺りは、ロシアの匕首として利用されるかもしれないしな。
この手の話は、キューバ危機にも通じる。
大国の周縁国は、常にそのリスクに晒されている。
ウクライナは若い国だ。
出だしは芳しくなかったけど、国家を維持できれば挽回の可能性は高い。
ロシアの思惑を躱し、独自のポジションを見つけることが出来れば、発展の可能性はある。
終わりの始まりではなく、始まりの終わりにしないとな・・・。
<さらに追加>ーーーーーーーーーー
(ウクライナ「何らかの形で」和平協議に参加=ロシア大統領府)
https://jp.reuters.com/world/ukraine/KOV3NYXU4VO5JKLLMHJCXOJODU-2025-02-13/
「首脳会談の準備には数カ月かかる可能性があり、サウジアラビアの首都リヤドが会談開催地として適切との点で双方が合意」(クレムリン(ロシア大統領府)のペスコフ報道官:インタファックス通信)
数か月というのは驚きだな。
それまで、ウクライナが持つのかあ?。
「ウクライナは戦争終結に向けた協議に「何らかの形で」参加するとの見通し」(ペスコフ:タス)
欧州の参加については、少なくとも記事では触れられていない。
「協議には米国とロシアのルートが別途設けられることになる」(同上)
ロシアを停戦交渉の場に引きずり出したことだけでも、トランプの大成功だ。
他国の運命を決められる真の主権国家(プーチンの自説)同士による首脳会談の設定は、ウクライナ紛争の終結を意味する。
ここ数日、ウクライナ戦線の動きは少ない。
ライバーによれば、ロシア軍が再編中ということだけど、クルスクでのロシア軍の奪還、ポクロフシク周辺でのウクライナ軍の反撃とロシア軍の再攻撃程度の話しかない。
チャシブヤールやクルスクでの戦闘は続いているんだろうけど、両軍とも前線の位置を変えるほどの進展はない。
これが、停戦交渉の行方を見据えた動きかどうかは知らない。
しかし、首脳会談が数か月先ということになれば、その間に前線は大きく動くだろう。
(ウクライナ抜きの和平合意「受け入れられず」、ゼレンスキー氏が強調)
https://jp.reuters.com/world/ukraine/H3QVTOBO65IL7MWQQXJACOBSPM-2025-02-13/
「独立国家として、ウクライナ抜きの合意は一切受け入れることはできない」(ウクライナのゼレンスキー大統領)
「プーチン氏が思い描く計画通りに事態を進ませないことが重要だ」(同上)
「米国がロシアと協議を開始する前に、米国とウクライナが戦争終結に向けた計画を策定することが重要」(同上)
ぺスコフの「なんらかの形」によるウクライナの協議参加は、トランプの配慮を受けたものかもしれない。
が、それはまやかしの協議だ。
(米ロ首脳、再び電話協議の可能性 直接会談前に=ロシア大統領府)
https://jp.reuters.com/world/ukraine/ZIKEZJZ3UJNFVCMWA7UHTBJC4Q-2025-02-13/
「プーチン大統領とトランプ米大統領の直接会談を前に、両首脳が再び電話協議を行う可能性」(クレムリン(ロシア大統領府)のペスコフ報道官)
本当の協議、そして、その詰めは米ロで行われる。
浮沈子が注目したのはロシア政府の見解だな。
「ロシア政府は、ウクライナ戦争終結に向けたトランプ氏の見解に感銘を受けたとした上で、両首脳の会談の準備が進んでいると述べた。」
「感銘」かよ!?。
いったい、どんな「見解」を表明したんだあ?。
事態は急展開している。
ウクライナは乗り遅れ、欧州は話題にも出てこない。
裏で中国が暗躍し、米ロ双方に貸しを作っている(そうなのかあ?)。
(欧州各国、米の「抜け駆け」を一斉批判 ウクライナ和平交渉巡り)
https://jp.reuters.com/world/ukraine/AX2S4RAORNMGNAKAMTPUWRLB3E-2025-02-13/
「われわれに知らされずに行われた合意がうまくいかないことは明らかだ。いかなる合意もウクライナと欧州の参加を必要とするだろう」(欧州連合(EU)の外相に当たるカラス外交安全保障上級代表)
「宥和政策に効果があった試しは一度もない」(同上)
そういえば、そんな話もあったな・・・。
「和平交渉が始まる前に米国がロシアに譲歩をするべきでなかった」(ドイツのピストリウス国防相)
「トランプ政権の「強さによる平和」というスローガンに沿わない「弱さによる平和」に警告」(フランスのルコルニュ国防相)
「欧州が「トランプ大統領とプーチン大統領が全員にとっての解決策を見つけてくれるという幻想に陥るべきではない」」(リトアニアのサカリエネ国防相)
「ウクライナが中心にいない交渉はあり得ない」(英国のスターマー首相)
その「あり得ない」交渉が、正に現実に起こっている。
欧州が「あるべき」交渉の議論に拘泥している中で、トランプとプーチンの直接会談の準備が進む。
これは融和政策なんてもんじゃない。
米国はロシアと一緒になって、ウクライナという死肉を食い漁っている。
欧州は、その食い散らかされた残りを押し付けられる。
それだけならまだしも、浮沈子の妄想が現実になれば、欧州自体がメニューに載ることになる。
テーブルについているのは米ロだけだ。
(ウクライナ戦闘終結に向け交渉開始で米ロが合意 中国は歓迎「建設的な役割を果たす」)
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/1728767?display=1
「中国はロシアとアメリカが一連の国際問題について意思疎通や対話を強化することを歓迎する」(中国外務省 郭嘉昆報道官)
「中国は対話と交渉が危機解決の唯一の手段だと考え、和平協議を促してきた」「中国は引き続き関係各国と意思疎通を保持し、政治的な解決を推進するために建設的な役割を果たしていく」(同上)
「中国はこれまでブラジルとともに問題の解決に向けた提案を行う一方、ロシアに対して経済的な結びつきを強めるなど大きな影響力を持っており、今後、米ロの交渉にどのように関与するか注目」
おそらく、停戦交渉への直接的な関与はないだろうけど、停戦後の監視や復興支援には積極的な役割を果たすことが期待される。
我が国の対応はどうなんだろうか?。
(日本政府、米ロの動向注視 「領土回復困難」発言論評せず)
https://www.jiji.com/jc/article?k=2025021300608&g=pol
「ロシアのウクライナ侵略に対応するに当たり米ロ関係は極めて重要であり、動向を注視していく」(林芳正官房長官)
「他国の発言の逐一に政府として評価を述べることは差し控える」(同上)
・動向注視=何もしない
・差し控える=評価能力の欠如
まあ、どうでもいいんですが。
欧州のように「脊髄反射」的発言をしないというのは、当事国ではない我が国としては適切ともいえる。
この件(米ロによる停戦交渉の急速な展開)に対して慎重であることは、必ずしも悪いことじゃない。
地政学的パラダイムの大転換が起こっているわけで、バイデンの路線にも控えめだった我が国は、いいポジションにいる。
ウクライナの復興需要に上手く乗れれば、経済的にも政治的にもゲインは大きいだろう。
欧州が反米的スタンスでゼレンスキー政権と共倒れすれば、ライバルは中国ということになる。
が、まあ、そう単純には行かないだろうけどな・・・。
<さらにさらに追加>ーーーーーーーーーー
(将来の停戦ラインを巡る戦い、ロシア軍は東部戦線で前進し続ける)
https://grandfleet.info/war-situation-in-ukraine/fighting-for-future-ceasefire-line-russian-troops-continue-to-advance-on-eastern-front/
「両軍の衝突回数は減少しているもののロシア軍の前進は止まっていない。」
「ロシア軍がクピャンスク方面、リマン方面、ポクロウシク方面、クラホヴェ方面、ヴェリカノボシルカ方面で前進した」(DEEP STATE)
「米国とロシアの間で戦争終結に向けた交渉が始まり、将来の停戦ラインは戦場の前線位置に基づいて決められる可能性」(航空万能論ブログ管理人)
「両軍は将来の停戦ラインを巡って2024年よりも激しい戦いを演じるかもしれない。」(同上)
「停戦に近づけば近づくほど前線での戦闘が激しくなる」(Telegraph)
浮沈子は、陣地の変動(もっぱらロシア軍の前進)の少なさで見ていたけど、そして、確かに一時期よりその範囲は小さいけど、そのことが戦闘の激化が衰えたことには、必ずしもならないようだ。
停戦の話の中では、安全保障という言葉が頻繁に出てくる。
ロシアも、ウクライナも、欧州も、それぞれがそれぞれの安全保障を求める。
もちろん、米国にもある。
莫大な軍事費を投じることが出来る米国は、前方展開して、軍事的に安全保障を確保できるが、ロシアを含めてふつーの国はなかなかそうはいかない。
ウクライナに対するバイデン政権の軍事支援は、この前方展開の変則的な形態と見做すことが出来る。
欧州には、ガッツリ派兵しているからな。
で、そうはいかないその他大勢の国々は、同盟を結んだりして、なるべく侵略されないように画策するわけだ。
自国の兵を養ったり、大量破壊兵器を所有したりするのも、実際にドンパチして戦争を遂行したり相手国に核爆弾落としたりすることよりも何よりも、この安全保障の手段として機能することを期待しているわけだ。
力による平和の本来の意味はそこにある。
んじゃあ、どれだけの安全保障があれば安心できるのかは、様々な要因が絡んでいて、これといった標準的なものはない。
ぶっちゃけ、国家の数だけあるともいえる。
我が国の場合は、米国との軍事同盟(その名も日米安全保障条約)及び平和憲法に基づく自衛に必要な最小限の軍備で、戦後80年近くを凌いできた。
ウクライナは、核兵器かNATO加盟がなければ、安心して枕を高くして寝ることが出来ない(少なくとも、ゼレンスキーはそう言ってるからな)。
100万人の軍隊を擁していても、ロシアに隣接する地政学的リスクをコントロールできない。
ロシアは、NATOが配備する核兵器(ミサイル)が脅威だと考えている。
もちろん、通常戦力も脅威だが、自国が核兵器に頼っているだけに、NATO側の核配備には敏感だ。
ウクライナのNATO加盟は、その脅威を決定的に増大させる。
モスクワまで15分で届く核兵器を配備されれば、物理的に防ぐ手段はない。
(トランプ政権の発表に欧州はパニック、プーチンにとって最良のシナリオが実現)
https://grandfleet.info/european-region/trump-administration-announcement-causes-panic-in-europe-putins-best-case-scenario-comes-true/
「今朝、目を覚ますと安らかな眠りを楽しんでいたダブルベット(NATOのこと)の片方が空いていることに気がついた。何れにせよ米国はもういない、彼らの最優先事項は国境と中国で欧州は二の次になったのだ」(イタリアのLa Stampa)
記事は各国のメディアの報道を取り上げている。
・英国のTelegraph
・英国のFinancial Times
・米国のBloomberg
・米国のDefenseNews
・フランスのLe Monde
・ドイツのDie Welt
・イタリアのLa Stampa
「管理人は全ての報道に目を通している訳では無いが、各国の主要メディアやディフェンスメディアの報道を見る限り「欧州はパニック状態に陥った」と表現しても過言ではなく、(中略)戦後の欧州で米軍のプレゼンスが低下するかもしれない」という点で、NATOの集団的自衛権も機能するのかどうか怪しくなってきた。」(航空万能論ブログ管理人)
欧州がパニクるのは当然として、どうもメディア自体がパニックになっている感じだ。
米国の豹変は、各国の主要メディアにとってもサプライズだったようで、ウクライナ支援だけではなく、欧州に対する米国の支援が消えることに対する「恐怖」をまざまざと感じさせる。
「朝起きると米国が欧州から手を引いていた」というイタリア紙の表現は、うーん、如何にもイタリアっぽい気がするな。
「ウクライナ支援、ウクライナを交渉テーブルに着けるため提供する安全保障、戦後に派遣されるかもしれない平和維持軍の全てを欧州が負担すべき」(ヘグセス米国防長官)
「もはや米国はウクライナや欧州に安全保障を提供することに関心がない」(Telegraph)
『トランプは我々のことを資金提供者としか見ておらず、米国の要求に応じても我々の立場がどうなるのか分からない』(ある高官:FT)
「欧州のNATO加盟国に対する防衛力強化やウクライナの再建費用(推定3兆ドル=約460兆円)を押し付けられたことに驚愕」(Bloomberg)
「欧州防衛の将来についても米国のビジョンを示した。米国は太平洋を優先し、NATOの集団的自衛権は欧州諸国が運用と費用を受け持つことになる」(Le Monde)
メディアはウクライナはそっちのけで(そうなのかあ?)、本当に気がかりなのは欧州がこの件(ウクライナ停戦)から締め出されたことと、その理由が欧州に対する米国の政策転換だったことを隠さない。
ぶっちゃけ、ウクライナの将来に関心がないことを、先に米国が鮮明にしたことこそが一番の衝撃かも知れない。
ホントは、欧州こそが無気力無関心無責任(三無主義)だったわけだが、米国に先に言われちまったわけだからな。
いまさら、実は我々も、当初からそれ程入れ込んでいたわけじゃないんだけど、とは言えないだろう。
先に言ったもん勝ちだ(そういうことかあ?)。
まあいい。
「トランプ大統領は「ゼレンスキー大統領に対する世論調査の結果が思わしくないこと」や「選挙の必要性」を強調し、露骨にゼレンスキー大統領の退陣を望んでいることを示唆」(Bloomberg)
浮沈子的には、仮に米国が望んでいたとしても、現政権はそう簡単には覆らないと見ているけどな。
欧州は全力で支援するだろうし(選挙だけ?)、選挙を行わざるを得なくなれば、政敵を徹底して排除しようとするに違いない(やっぱ、ロシアと同じかあ?)。
他に有力な候補者がいるとは思えず、米国の支援からの撤退を利用して、悪者に仕立て上げ、ロシアとの徹底抗戦に打って出るかもしれない。
そうなれば、トランス二ストリアへの逆侵攻がリアリティを帯びてくる。
現政権は、少なくとも1回、軍部のクーデターを経験している(未然に阻止したけどな)。
そっちの対策も怠りないだろう。
トランプ政権がゼレンスキーの退陣を示唆した以上、これ以上米国主導の停戦プランに期待することは出来ない。
ウクライナは、言いなりになって降伏するしかないのか。
それとも、今一度欧州を結束させて、ロシアに対する反転攻勢を試みるのか。
浮沈子的には、もちろん、反転攻勢などは不可能と見ている。
米国の支援なしで戦えるのは、たとえ武器弾薬がある程度提供されたとしても、1年かそこらだ。
領土というリソースを失い続けながら、勝てる見込みのない戦争を続ける意味などない。
支援を続ける欧州にしても、米国と同等以上の支援を提供することは物理的に不可能だ。
今回の米国のスタンスは、ウクライナ戦線だけではなく、来るべき欧州大戦争におけるNATOの結束を揺るがす事態を想定させる。
メディアやNATO国防相会談に出席したメンバーが動揺したのは、正にこの点だからな。
ゼレンスキーがNATO入りに拘り続けるのも、集団的自衛権の発動という「血の盟約」があるからこそで、そこに米国の関与が期待できず、たとえばウクライナにロシアが再侵攻された時に当てになるのがポーランドとルーマニアだけ(ハンガリーとスロバキアは当てにできない?)ということなら、絶対に核兵器の方を選択するだろう(そういうことかあ?)。
浮沈子は、元々NATO第5条はプログラム規定だと見ている。
集団的自衛権が発動されて、加盟国が一丸となって防戦するというファンタジーがあったらいいなあとか、そういうおとぎ話を仕込んでおけば、誰も張子の虎に立ち向かおうとはしないだろうという希望的観測みたいなもんだ(そうなのかあ?)。
特に、後から加盟した東欧諸国に対しては、そもそも第5条の適用自体が本当にあるのかどうかさえ怪しい。
そりゃあ、もちろん形式的にはあることになっているし、最近もスバルキギャップで演習しているけど、実際問題として、じゃあ、どの程度の侵攻があった場合にどういう規模でどういう段階を踏んで展開するのかなどの話は聞こえてこない。
つまり、そんなもんはないということなわけだ(そうなのかあ?)。
敵対する勢力が接している場合、ふつーは偶発的な衝突を避けるための具体的な措置が講じられている。
意図せぬ武力衝突のエスカレーションを未然に防止するためだ。
NATOとロシアだって、そういうつながりはあるに違いない。
武力衝突が大規模に行われる場合、最低でも数か月以上の準備期間が必要だ。
その間の部隊の移動や物流は、現代では衛星などで簡単に捕捉される。
そこに何か写っていたとすれば、実際に何かがあるということなわけだ(北朝鮮からの派兵についてプーチンが言った通りだな)。
威力偵察程度なら秘匿できるかもしれないけどな。
NATOとロシアとの間に、そういう丁寧な仕掛けがどの程度あるのか。
双方が評価し合って、齟齬をきたさないような調整が定期的に行われているのかいないのかが問題だ。
出来れば、様々なレベルで多層的なコミュニケーションがとられていることが望ましい。
そう、敵対国同士であればある程、平和を築くための努力を惜しみなく行わなければならない。
お互い、異なる国家を営んでいる以上、様々な理由で対立することは当然だ。
んな、対立も何もなければ、一つの国家としてガチャンコしちまった方がいいわけだからな。
ウクライナが欧州からの支援を受けて、ロシアと対峙し続けるなら、欧州大戦争は間違いなく勃発する(つーか、連続的に戦線が拡大する)。
米国の支援なしに戦闘を続ける中で、ウクライナと欧州が構築した停戦計画をロシアに呑ませることは困難を極めるだろう。
仮にできたとしても、それがトランプの計画よりマシかどうかは分からない。
今、この状況で振り返ると、先月末にリークされた100日停戦プランは、かなりリアルだったということになる(プーチンとの電話会談は、日程通り行われたからな)。
(欧州大戦争:ウクライナ戦線:謎の停戦案)
https://kfujito2.asablo.jp/blog/2025/01/28/9750597
「<戦争終結までのプロセス>
○1月下旬〜2月上旬にプーチン大統領と電話会談(実施済み)
△2月か3月にプーチンとゼレンスキー両者と会談(プーチンとの会談は数か月先)
・4月20日の復活祭までに停戦を宣言
・その時点でウクライナ軍はロシア領のクルスクから撤退
・国連の国際平和会議(IPC)が戦争終結のための両国の仲介作業を開始
・合意された戦争終結の条件に関する宣言は5月9日までに発表
・その後、ウクライナ政府には戒厳令の延長や動員を行わないよう要請
<合意に含まれる事項>
△ウクライナのNATO加盟を禁じ、中立を宣言すること(NATO非加盟は確定)
△2030年までにウクライナがEUの一員となること(EUの判断)
○EUが戦後の復興を支援すること
×ウクライナは自国の軍隊の規模を維持し、アメリカから軍事支援を受け続けることができる。(ウ軍の規模は縮小、米国の軍事支援は打ち切り:未確認)
○ロシアによる占領地を奪還しようとする軍事的・外交的試みを放棄
○占領地に対するロシア連邦の主権を公式に承認
△西側の対ロ制裁の一部解除:終戦協定の遵守状況によっては3年以内に解除される可能性も(具体な内容は不明)
△ロシアの石油・ガスのEUへの輸出制限は解除される代わりに特別関税を課し、その収入はウクライナの復興に充てられる。(復興支援は欧州丸抱え)」
米国の軍事支援は打ち切られるだろう。
今後の日程としては、トランプとゼレンスキーの直接会談だが、雲行きは怪しくなってきている。
停戦条件は、むしろ厳しい内容になってくるだろう。
特に、欧州は丸抱えでウクライナの後始末を押し付けられている。
米軍の派遣はないけど、何らかの形で軍事支援が継続される可能性は皆無じゃない。
武器弾薬の提供以外だって、軍事支援は可能だ(ヘルメットとかあ?)。
が、それらは欧州が提供することが望ましいだろう。
バイデン政権やボリスジョンソンにそそのかされてロシアと軍事衝突することを選んだゼレンスキー政権は、自国民を戦争に駆り立て、世界を巻き込み、多大な犠牲を払った。
米国は煙のように消え去り、茫然自失の欧州と傷だらけのウクライナが取り残された。
賭けに勝ったのはプーチンだ。
それは間違いない。
ロシアはその配当を受け取ることになるだろう。
それを払わされるのは欧州だ(ウクライナは払えないからな)。
米国は、おそらく1セントも払う気はないし、これまでの支援も取り返そうとするだろう。
死肉に群がるハゲタカのようにな。
欧州が払わなければ、つまり、ウクライナを支援しなければ、ロシアは欧州に直接取り立てに来るだろう。
北極海から黒海まで、フィンランドからモルドバやルーマニアまでは、取り立ての対象だ。
やれやれ・・・。
浮沈子は、それは時間の問題だし、ウクライナ戦線とは繋がっていると見ているけどな。
欧州はおそらく何もできないし、動こうともしないだろう。
もっともありそうなシナリオは、ウクライナを見捨てることだ。
見捨てると言って悪ければ、ロシアに委ねることになる。
ロシア猫は舌なめずりしながら、目の前に差し出されたウクライナというネズミをどうするのか。
統治の問題があるからな。
まずは選挙だろう。
ウクライナの未来はウクライナが選ぶ。
戒厳令が解除されれば、ウクライナ軍は崩壊する(って、ゼレンスキーが言ってたしな)。
彼らは家に戻り、この3年間の戦いを振り返り、よーっく考えて投票するだろう。
その選択は、自らに再び降りかかる。
それが火の粉になるのか、慈雨になるのかは誰も知らない・・・。
<また追加>ーーーーーーーーーー
(トランプ大統領がロシア寄りの発言を連発 「G8」復活主張、ウクライナは交渉の「一部」)
https://www.sankei.com/article/20250214-PWCPDI4IQ5JAHJHPABGPLSP3WY/
「ロシアが14年3月にG8から除外されたのは、現在に続く同国によるウクライナの主権と領土への侵害の起点となったクリミア併合が理由」
それを認めようという方針なんだから、G8復帰要請は米国の新たな政策として当然だろう。
問題は次だな・・・。
「西側諸国の盟主である米国の大統領がこうした経緯を無視することは、ロシアのプロパガンダ(政治宣伝)に利用されるなどの〝隙〟となる恐れがある。」
米国が西側諸国の盟主でなくなってから3週間が経った。
ロシアのプロパガンダに利用されないためにも、そういう認識は改めるべきだろう。
米国が北米大陸を中心とした地域大国であることは変わらない。
世界最大の軍事大国であり、経済大国であることも事実だが、最早、米国一国主義の下、西側の盟主でないことは間違いない。
「バイデン政権は21年の発足当初からNATOの門戸開放政策を維持する一方、加盟を熱望するウクライナには言質を与えない方針を貫いた。トランプ氏の主張は根拠がなく、侵略の正当化にもつながりかねない。」
確かにNATO加盟について、米国は一貫して反対の立場を貫いてきた。
そこは間違いないところだ。
しかし、将来に渡っての加盟を明確に否定したこともない。
悪質だな・・・。
その立場を擁護するかのような産経の認識は問題だ。
「加盟を熱望するウクライナには言質を与えない方針」(再掲)
つまりは、騙しのテクニックを駆使したわけだ。
このことは、領土奪還についても同じだ。
トランプは、その点では誠実だ(そうなのかあ?)。
「ロシアの立場にある国が(ウクライナの)NATO入りを容認できるはずがない」(トランプ)
「ヘグセス国防長官が12~13日、ウクライナのNATO加盟や、ロシアがウクライナ南部クリミア半島の併合を一方的に宣言した2014年以前の領土を同国が回復するのは「非現実的だ」などと述べたのは「とても正確だった」とした。」
まあ、外交的にいささかあからさまで、身も蓋もない感は否めない。
身内からも、軌道修正を食らっている。
(ウクライナのNATO加盟、完全に否定せず=米高官)
https://jp.reuters.com/world/ukraine/NCZ2P7ANKFNQTNKQVP4FIPRU34-2025-02-14/
「米国のウクライナ担当副特使ジョン・コール氏は、ミュンヘンでロイターの取材に応じ、ウクライナのNATO加盟の可能性を米国は否定したのかという質問に対し、まだ検討事項としてあると答えた。同国の国境がロシアによるクリミア併合前の状態に戻る可能性もあると語った。」
まあ、可能性と蓋然性の議論なんだろう。
しかし、おそらく、プーチンやロシア政府を停戦交渉へと動かしたのは、外交テクニックの常識を無視したトランプの「誠実さ」であったのかも知れない。
浮沈子は、産経が国防に熱心に取り組んできた点を評価しているけど、今、現状認識が付いて行けてない感を抱いている。
自由と民主主義は、我が国が同盟国をはじめ、多くの国々と共有する重要な価値観だが、世界がそれで動いているという幻想は捨てた方が無難だ。
トランプに追随しろとは言わない。
ハチャメチャな話であることは間違いない。
「力による平和」の原義は、平時に兵を養い有事に備えることだ。
ドンパチやらずに済めば上策、ドンパチやって兵を損ない、再び有事に備えなければならなくなるのは下策だ。
まあ、ソ連みたいに養い過ぎて自滅しちまったら元も子もないけどな。
米国の強制力はロシアに向けられるわけではない。
双方が、他国の運命を決めることが出来る真の主権国家である以上、お互いがぶつかり合うことはないのだ。
米国の力は、欧州とウクライナに向けられる。
産経の見立て通り、交渉ではその力が試されることになるだろう・・・。
<またまた追加>ーーーーーーーーーー
(米副大統領、対ロ制裁・軍事行動を示唆 和平交渉巡り圧力=WSJ)
https://jp.reuters.com/world/ukraine/OMIFCBFZDRMU5KLIGCFHFGPZIM-2025-02-14/
「多くの人々に衝撃を与えるような合意が生まれると思う」(バンス米副大統領)
「トランプ大統領は狭い視野でこの件に臨むつもりはない。『全ての選択肢があり得る。合意を結ぼう』と言うだろう」(同上)
うーん、まだサプライズがあるって言うのかあ?。
ガザの米国所有とレジャーランド化(そうだったっけえ?)に引き続き、ウクライナを米国領土として接収しようってんじゃないよねえ?。
かつて、ベトナム戦争当時、全土を駐車場にしようって話もあったくらいだから、米国の発想は滅茶苦茶だ。
米国の海外領土にするくらいでは、もう、誰も驚かないだろう。
(米国民はウクライナに価値見いだす、戦後経済に参加へ=財務長官)
https://jp.reuters.com/world/us/VRCU3HVJGFPU7GMMLQ5H7PNSUY-2025-02-14/
「戦後ウクライナへの米国の関与には戦略的鉱物資源、エネルギー、国有企業などが含まれる可能性」(ベッセント米財務長官)
鉱物資源が大したことないのは分かっているけど、エネルギーと国有企業は気になる。
投資対象としては、原子力発電くらいしか思い当たらない。
国有企業では、防衛関連への投資は悪くない。
欧州へはGDP5パーセントの軍事費確保で政治圧力をかけ、需要をこじ開けているからな。
そこに突っ込む武器弾薬をウクライナで作って売り込むというのは、短期的にはおいしい商売だ。
しかし、そんな程度ではサプライズにはならない。
もっと、こう、度肝を抜くような話だ。
歴史に残るような、どでかい取引・・・。
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