自動車燃料考2012年11月08日 22:05

自動車燃料考
自動車燃料考


(都道府県別給油所数の推移)
http://www.sekiyu.or.jp/topics/index.html

いきなり、地味な統計データだが、東京のガソリンスタンドの数を見て驚く。

平成8年度末をピークに(その前は分からないが)、右肩下がりで減り続け、平成23年度末には半分になっている。神奈川県、千葉県も同様の傾向である。

いや、全国的にスタンドの数は減り続けており、半分近くになった。

近所のガソリンスタンドが、いつの間にかなくなっているのに気づいて焦る。

ちょっと古いが、グラフにした記事もある。

(ガソリンスタンド数の推移をグラフ化してみる)
http://www.garbagenews.net/archives/1677212.html

なるほどね。

(ガソリンスタンド)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AC%E3%82%BD%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%83%B3%E3%83%89

ところで、こんなことを調べてみたのは、以下の記事があったからである。

(FCV向け水素ステーション、2025年に1170件…富士経済調べ)
http://response.jp/article/2012/11/08/184545.html

水素ステーションというのは、燃料電池車等の燃料となる水素ガスを供給するサービスステーション(SS)のことなのだが、日本全国で、12箇所しかない。

(エコ・ステーション:水素ステーション)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A8%E3%82%B3%E3%83%BB%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3#.E6.B0.B4.E7.B4.A0.E3.82.B9.E3.83.86.E3.83.BC.E3.82.B7.E3.83.A7.E3.83.B3

あれっ?、「まだエコステーションに認定されていない」とある。なんだかなあ。

未来の自動車は、みんな燃料電池車になると思ってたけど、どうやら先にハイブリッドや電気自動車が普及してしまうようだ。次の次というところか。

(燃料電池自動車)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%87%83%E6%96%99%E9%9B%BB%E6%B1%A0%E8%87%AA%E5%8B%95%E8%BB%8A

あまりぱっとしない記事である。原理自体はかなり古くから知られていて、効率の問題も目鼻が付いている。ネックは耐久性だと聞いたことがある。エネルギー効率自体はさほどではないが、電気自動車と比較して、圧倒的なメリットは、給油(?)時間が短いこと。

電気自動車は、最低でも30分くらいは充電しないと走れないし、航続距離も短い。水素を燃料とする自動車は、概ねガソリン車と同等の給油時間で同等の距離を走れることが期待できる。

ガソリンと水素の最大の違いは、走行時における排出ガスのクリーン度(二酸化炭素含む)である。都市近郊のように、居住区域と自動車とが近接して存在する地域では、排出ガスによる汚染を避ける必要から、水素燃料や電気による走行が望ましい。

また、水素や電気は、様々な方法で作ることが可能であり、エネルギーとしても将来性がある。

反対に、保管管理や運搬の困難さがあり、技術的なハードルが高い。ガソリン車がこれほど普及している理由の一つが、コストの問題である。

電気自動車は、リチウムイオン電池の登場により、高密度運搬が可能になり、実用性に目処が付いてきた。

一方の燃料電池車は、未だに鳴かず飛ばずである。

2025年で、国内の水素ステーションは、1170箇所程度である。おそらく、都市近郊に立地して、コミュニティレベルの交通を担うことになるだろう。現在のガソリンスタンドの30分の1の立地密度である。

都市間交通に使うには、現実的な数字ではない。

電気自動車に至っては、さらに悲惨な状況であり、現実的な話として、自宅を一歩出たら、戻ってくるまで充電できないと覚悟を決めるべきである。夜中の充電など、事実上不可能である。

自動車という乗り物が、いかに社会インフラに依存しているかを、改めて痛感する。

500Eに乗ると、湯水のようにガソリンを使い、大威張りで諭吉を出すのだが、雨の日も風の日も、ひたすらガソリンを売り続けるSSの方に、感謝を新たにする。彼ら彼女らのおかげで、楽しいカーライフが送れるのだ。

ハイブリッド車は、ガソリンを効率よく燃やすための仕掛けを付けた、ただのガソリン自動車である。プラグインハイブリッド車も似たようなものだ。ディーゼル車、天然ガス車も、社会インフラがなければ身動きが取れない。その意味では、水素燃料自動車だって同じである。

唯一、電気自動車は、自宅で充電できるので、ある意味では、特別の社会インフラを必要としないと言えなくもないが、電力網こそ、現代の最大の社会インフラであることも事実だ。

自転車なら、燃料も要らないし、停電でも、ガソリンがなくなっても走れることは確かなんだが、動力が人間であるので、飯を食わなきゃ動けない。スーパー、コンビニ、八百屋、魚屋、肉屋、ファミレス、立ち食い、吉野家、松屋、すき屋、何でもいいが、人間こそ、社会インフラ無しでは身動きできない。

燃料電池車の普及が、いつ、どの程度の勢いで始まるにしても、その行方を決めるのは、水素ステーションの普及にかかっているといっていい。

炭素社会から水素社会へ転換する人類のエネルギーのコペルニクス的展開を象徴する水素燃料自動車(まあ、多少窒素酸化物が出ても、直接燃やすのが一番簡単なんだが)は、真の21世紀的な自動車といえよう。困難といわれている電気の蓄積だが、水素を製造することによって、化学エネルギーとして貯蔵することが可能となるのである。

ただ、現実的には、ガソリンを改質して水素を取り出すというのが最も現実的な方法だというのだから、なんだか本末転倒のような気がする。

(燃料電池)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%87%83%E6%96%99%E9%9B%BB%E6%B1%A0

(水素燃料エンジン)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B0%B4%E7%B4%A0%E7%87%83%E6%96%99%E3%82%A8%E3%83%B3%E3%82%B8%E3%83%B3

(水素自動車)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B0%B4%E7%B4%A0%E8%87%AA%E5%8B%95%E8%BB%8A

(低公害車)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BD%8E%E5%85%AC%E5%AE%B3%E8%BB%8A

まあ、大向こうを唸らせるような仕掛けでなくても、こんなことを事業化している会社もある。

(株式会社ユーズ)
http://tokyoyuden.jp/company/

実は、昔、この会社にお邪魔したことがある。仕事の関係で、廃天ぷら油を引き取ってもらった。そのころは、まだ始めたばかりの燃料用天ぷら油で、軽油に混ぜてディーゼル混合燃料にしていた。

「なんか、特徴あるんですか?」と聞いてみると、「あのー、いい匂いがするんですよね!」と言われて、キョトンとしたのを覚えている。

この燃料を入れた車の排気ガスは、天ぷらの匂いがするというのだ!。

考えてみれば当たり前なのだが、廃油の有効活用と、炭素循環(元は植物なので)など、一石二鳥のエコ活用である。

「Think globally Act locally!」

なかなか、いいキャッチフレーズだと思うんだが・・・。

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