フロントミッドシップ2012年10月01日 03:25

フロントミッドシップ
フロントミッドシップ


先に取り上げたSLS AMGがフロントミッドシップレイアウトなんだそうだ。SLRマクラーレンや、アストンマーチン・One-77なども同じレイアウトである。

(メルセデス・ベンツ SLS AMG)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A1%E3%83%AB%E3%82%BB%E3%83%87%E3%82%B9%E3%83%BB%E3%83%99%E3%83%B3%E3%83%84_SLS_AMG

(メルセデス・ベンツ SLRマクラーレン)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A1%E3%83%AB%E3%82%BB%E3%83%87%E3%82%B9%E3%83%BB%E3%83%99%E3%83%B3%E3%83%84_SLR%E3%83%9E%E3%82%AF%E3%83%A9%E3%83%BC%E3%83%AC%E3%83%B3

(アストンマーチン・One-77)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%B3%E3%83%9E%E3%83%BC%E3%83%81%E3%83%B3%E3%83%BBOne-77

このほかにも、マセラティ・クアトロポルテなどもトランスアクスルではあるが、フロントミッドシップと言えよう。

(マセラティ・クアトロポルテ:5代目)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9E%E3%82%BB%E3%83%A9%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%BB%E3%82%AF%E3%82%A2%E3%83%88%E3%83%AD%E3%83%9D%E3%83%AB%E3%83%86#5.E4.BB.A3.E7.9B.AE.EF.BC.882004.E5.B9.B4-.EF.BC.89

ちょっと、この辺になるとでかすぎて別格のような気がする。

FRレイアウトのことについては、以前にこのブログでも触れた。

(FRセダン)
http://kfujito2.asablo.jp/blog/2012/06/26/6492756

「レイアウトが全てではないのである。」

(フロントミッドシップ)
http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D5%A5%ED%A5%F3%A5%C8%A5%DF%A5%C3%A5%C9%A5%B7%A5%C3%A5%D7

米国における販売戦略上、2プラス2のレイアウトが取りやすいということもあるだろう。初代RX-7が、宣伝のために使い出したのが初出とは知らなかった。

ドライバーの前にエンジンをおいて、ミッドシップにすることは、クラシックなクルマでは、ごく当たり前であった。レーシングカーでも同様のレイアウトは長かった。現在のリアミッドシップは、いくつかの先行事例を経て、1960年代になってようやく標準的なレイアウトとなる。

(ミッドシップ:競技車)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9F%E3%83%83%E3%83%89%E3%82%B7%E3%83%83%E3%83%97#.E7.AB.B6.E6.8A.80.E8.BB.8A

一方、フロントに長大なエンジンを納めて、その排気量や馬力を誇示するデザインは、スポーツカーの原型となっていった。典型的な例では、ジャガーEタイプやコルベットスティングレイ(C3)が挙げられる。

(ジャガー・Eタイプ)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%82%AC%E3%83%BC%E3%83%BBE%E3%82%BF%E3%82%A4%E3%83%97

ロードスターはカッコいいんだが、クーペは間が抜けて見えるのは私だけか?。

(シボレー・コルベット:3代目 C3型)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B7%E3%83%9C%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%82%B3%E3%83%AB%E3%83%99%E3%83%83%E3%83%88#3.E4.BB.A3.E7.9B.AE_C3.E5.9E.8B.EF.BC.881968.E5.B9.B4-1982.E5.B9.B4.EF.BC.89

7リットルエンジンをドロドロいわせて走るのは、実にいい感じだが、燃費は最悪でしょうな。

このロングノーズショートデッキの流れを汲むのが最近のフロントミッドなのかもしれない。重量物を車体中央に集めることによりヨーモーメントを小さくして、運動性能の向上を図ることができる。エンジンのコンパクト化と軽量高剛性なボディが可能とした、21世紀のレイアウトである。

前輪車軸の後ろにエンジンを全て納めるレイアウトは、なかなか苦しいが、単にエンジン重心を車軸内に収めることは比較的簡単で、それをもってフロントミッドシップをうたう車もある。ホンダのFFミッドシップなどが良い例だ。

まあ、所詮、商売の世界なので、何を言ってもいいんだが、買う方は、騙されないようにしないといけない。最近出たBRZや86がフロントミッドシップとか言われると、

「うっそつけい!」

と叫びたくなる。

(トヨタ86(ハチロク)はフロントミッドシップを宣言、ではスバルBRZは?【東京モーターショー】)
http://clicccar.com/2011/12/05/88917

まあ、トヨタさんも商売ですから(三河商人?)、何言ってもいいんですけど、スバルは軍事企業なので、誠意を見せないといけないのかなあ(トヨタにだって、誠意はあると思いますが)。

無理やりノーズを伸ばして、フロントミッドに拘ることもないし、それなりの性能をコンパクトなボディで発揮できれば、地球にも優しい。

結局は、ごく一部の限られた車だけに許された贅沢なレイアウトなのだ。

ボクスターしか乗っていないが、リアミッドシップのブレーキング時のバランスの良さや、コーナーリング初期の回頭性の良さ、リアに重量物を積んでいることによるトラクションの良さを知ると、フロントミッドにこだわらなくてもいいと思うんだが。

燃比の時代2012年10月02日 22:51

燃比の時代
燃比の時代


リッター何キロ走るか、というのが、我が国における「燃費」の一般的な表示方法である。

内燃機関の燃焼は、走行条件によって著しく変わるので、従来から走行パターンを共通にして、相互比較が可能になるように表示してきた。

(燃費)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%87%83%E8%B2%BB

(10・15モード燃費)
http://ja.wikipedia.org/wiki/10%E3%83%BB15%E3%83%A2%E3%83%BC%E3%83%89%E7%87%83%E8%B2%BB

(JC08モード)
http://ja.wikipedia.org/wiki/JC08%E3%83%A2%E3%83%BC%E3%83%89

その昔は10モード燃費だったのだが、いつの間にか10・15モード燃費に変わってしまって、またまたJC08モードとやらになるという。

その度に、同じ車の燃費がころころと変わるというのも困ったものだ。実際には、「燃費の表示」が変わるだけで、燃費が変わるわけではない。

ハイブリッド車(プリウスとか)は、少々面倒なことになっているらしい。

(ハイブリッド車がカタログに対して大幅に実燃費が悪いわけは?)
http://gazoo.com/g-blog/tabby/133183/Article.aspx

この話が本当なら、経済産業省とメーカーは、詐欺罪に当たるかもしれない。完全放電したプリウスで、コールドスタートで計測してもらいたいもんだ。

ちなみに、過去に初代プリウスを所有した時の燃費は、概ねリッター15km台。高速道路では、怖くて120km以上は出せないクルマだった(床まで踏んで137km)。軽自動車並みの燃費で、軽自動車並みの最高速。しかし、広さはそこそこあって、コンパクトセダンとしてはギリギリ許容範囲である。

タイヤがプアーで、高速の側壁に激突しそうになって、速攻で売り飛ばした。3代目になって、カックンブレーキとか、多少は改善されているのだろうか(2代目を試乗したことがあるが、初代と同じ感じのクルマだった)。

欧州では、100kmの距離を何リットルの燃料で走れるかを記載している。単なる表示方法の違いなので、電卓さえあれば、たちどころに日本方式の燃費になる。

電気自動車の燃費や、プラグインハイブリッドの場合は、どうやって換算するのだろうか。

米国環境保護庁(EPA)の基準に基づいたEVの燃費表示(MPGe、マイル/ガロン相当)という換算燃費というのがあるらしい。

(ガロンのガソリンと同等のあたりのマイル:グーグルの翻訳なので・・・)
http://en.wikipedia.org/wiki/Miles_per_gallon_gasoline_equivalent

まあ、暇な時にでも、読んでやってください。

500Eに乗るときは、燃費のことは考えない方が精神衛生上良い。私の下手な運転では、街乗りでリッター5km、高速でリッター7km(ちょっと飛ばすので)、均してリッター6kmというところでしょうか。300Eに比べると、それぞれ2kmから3km落ちというところである。

排気量を考えると、順当なところか。下道をゆっくり走るときには、エンジンは1600回転辺りで、ゆるゆると回っている。加速時でも2000回転を超えることは、まずない。

それでも、ガスガズラーの中では優秀な方である。

(米、燃費ワーストランキング2011年モデル…ヴェイロン が堂々の1位)
http://response.jp/article/2010/11/09/147712.html

ちょっと古いんだが、名誉あるワーストワンは、タイトル奪回のヴェイロン。

まっ、当然だわな。高速でリッター6km台なら500Eといい勝負である。8リッタ-エンジンでこれなら、りっぱなもんじゃん!。

しかし、騙されてはいけない。

このクルマが、本気出して高速で走行すると、リッター1kmを切る。もちろん、そんなスピード(時速400km)で常時走るわけはないのだが、100リッターのガソリンタンクを12分で空にする。タンクに穴が開いているようなものだ。

その走行距離はたったの80kmである。

プリウスなら、4リットルのガソリンで走る。25分の1の燃料だ。

健全な大衆車では、実測燃費はリッター10kmから15kmくらいだろう。リッター10kmを切る車にばかり乗っていると、最近では肩身が狭い(ガソリンスタンドでは、大威張りです)。

燃費を比べる「燃比」の時代になった。ちっ!、イヤな時代になったもんだ。大排気量エンジンをドロドロ(こんな音はしませんが)いわせて、世の顰蹙を買いながら走っていると、後ろめたい気持ちになる。

画像は、復活した500Eのエンジンルーム。覗いてみると、新旧取り混ぜた補器類が混在していて、賑やかである。このエンジンが、ガソリンの化学エネルギーを酸素との結合によって取り出すのだ。二酸化炭素や水蒸気(CO、NOx、CH、SOxなども)を大量に生産して、運動エネルギーと熱エネルギー(冬以外は、あんまりいらないんですが)に変換する。

この惑星のビークルは、100年経っても大して変わっちゃいない。

火星の上では、今日も原子力電池を積んだキュリオシティが、せっせと土いじりをしているというのに。このクルマ(?)の燃費って、どのくらいなのかなあ?。

(マーズ・サイエンス・ラボラトリーのページ)
http://www.nasa.gov/mission_pages/msl/index.html

見えるもの2012年10月03日 00:42

目に見えるもの
見えるもの


画像は、撮り直したカーステの、やっぱピンボケの写真。

写真は、撮り手の心の鏡だそうだから、やはりボーっとしている。

いやいや、ⅰポッドタッチは、接写が苦手のカメラなので仕方ない(人は転ぶと石の所為にする)。

上下に木目調のパネルがあるので、いささか照れくさそうに収まっている。こういうところは、あまり気にしない。

それでも、少しでも馴染むように、照明の色を変えてみた。アンバーというか、オレンジっぽい色だ。白や青では冷たいし、緑や赤は遠慮したい。黄色も見やすいのだが、安っぽい感じで、結局、昔のランプの色、麦球の色、真空管のホワンとした温もりのある色を選んだ。

時刻と日付を表示させているのは、実用性からである。

昨日は少し暑いくらいの、台風一過の晴天であった。

エアコンをガンガン効かせた室内で、マニュアルと格闘しながら、音場調整を行う。運転席のヘッドレストに付属のマイクを置いて、本体をセットしてから、10秒以内にドアを開けて脱出せよ!、と書いてある。

爆弾でも破裂するのかと、ドキドキしながら、決死の覚悟でドアを開けて外へ出ようとするのだが、ハンドルに腹がつかえて、一瞬拘束状態になる。

液晶のカウントダウンは容赦なく進む。うーっ、苦しい!。

なんとか、脱出に成功する。気分はフーディーニである。

(ハリー・フーディーニ)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8F%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%83%95%E3%83%BC%E3%83%87%E3%82%A3%E3%83%BC%E3%83%8B

ドアを閉めて、ほっと一息。暑い。時刻は昼時である(画像の時計は、12時31分を示している)。早く室内に戻りたいのだが、マニュアルを読んでも「数分かかる」と書いてあるだけである。ホワイトノイズやスタッカートの音が聞こえてくるが、どういうシークエンスで何回行うかは記述されていない。

本体の液晶表示も、車外からでは良く見えない。いい加減時間が経って、車内からの音が聞こえなくなったので、待ちきれなくなってドアを開けて見ると、終わっていた。

やれやれ、最後に「終わりました!」とか、喋ってくれてもいいような気がする。パイオニアさん、そこんとこヨロシク!。

これで、各スピーカーからの音の遅延は解消され、ウーファーからの低音が遅れる違和感もなくなって、運転席正面に、自然な音像が定位するはずである。

実際、かなりいい感じになった。たいしたもんだ。21世紀のカーステである。

カロッツェリアのDEH-970をお持ちの方で、面倒くさいから買ったままにしている方は、是非このセッティング(オートタイムアライメント&イコライジングという)を行うことをお薦めする。

注意点としては、ハンドルに腹がつかえないようにすることはもちろん(まあ、普通は問題ないでしょう)、左ハンドルのクルマの場合、リスニングポジションをフロント左に設定しておくことである。

これを、事前に行っていないと、強制的にフロント右になってしまって、音場がぐちゃぐちゃになってしまう(試していないので、断言はできませんが)。

マニュアルは、以下で手に入るので、現物だけゲットした方も、お試しください。マイクは、たぶん、何でも大丈夫だろうと思う(インピーダンスが分かりませんが)。

(取扱説明書ダウンロード>ダウンロード画面)
http://www3.pioneer.co.jp/manual/manual_select.php?p_nm=DEH-970&chr=D&page=3

さて、こうして設定した音をじっくりと聴く暇もあらばこそ、500Eは、ドライバーズシートの交換に、5度目(1:とりあえずヤナセ、2:J-AUTO大手術、3:同水漏れ、4:同カーステ、5:同シート)の入院となった。今週末には、マイ500Eの、とりあえずの完成車が出来上がるわけだ。

残る宿題は、スロットルアクチュエイター(エラー吐いてます)、EZL点火装置(20年モノ)、エアコン(鈴虫と雨だれの音が)、ライト周り(暗いです)、エンジン腰上オーバーホール(予防メンテ)である。

ちょっと一休み、というところか。

クラウド自動車2012年10月03日 21:50

クラウド自動車
クラウド自動車


コンピューターの世界は、クラウドがキーワードになっている。インターネットの向こうにあるモヤモヤした世界。

仕掛けは簡単なのだが、使っているユーザーは専門家ではないので、モヤモヤしてしまう。インターネットを介した、マルチサーバーシステムというだけのことだ。

もちろん、売っている方はちゃあんと分かっている。コンピューターの利用は、昔は専門家同士でやっていたのだが、最近は、カスタムメイドの仕立て服から、つるしの裾直しに変わってきた。

着れりゃいいんでしょ?。

着ているほうも、こんなもんでいいや、となる。素人だし、品質が分かるほどの知識も経験もない。安くて、とりあえず使えればいいや、となる。

薄利多売、後の面倒は一切見ないで、売り切りである。

クラウドとはよく言ったものだ。煙に巻かれるようなものである。そして、使えなくなれば捨てればいい。使い捨てのシステム、使い捨てのサービスである。安いから、惜しくはない。育てようという気にもならない。長く使うよりは、新しいものに乗り換えたほうが安い。

こんな風潮が、自動車の世界にもやってきた。

(【CEATEC 2012 Vol.36】トヨタ友山常務、Smart INSECT「スマホにタイヤがついたようなもの」)
http://www.rbbtoday.com/article/2012/10/03/95283.html

世界トップクラスのメーカーの重役が、「この車の価値というのはクラウドの中にあります。」と、臆面もなく言ってのける。

ふざけんじゃねえよ!(どうも、最近口が悪くてスミマセン・・・)。

テメエは、クルマ屋なのか、それともスマホ屋なのか、どっちなんだか、はっきりしろい!。

「『iPhoneに4つのタイヤがついて、これでどうだ』という感じですね。」ときたもんだ。

もう、勝手にしやがれ!!。

自動車とスマホについては、このブログでも触れたことがある。

(電脳自動車)
http://kfujito2.asablo.jp/blog/2012/04/08/6404254

ユビキタス化するコンピューターが、自動車を取り込み、デバイス化し、形は自動車でも、実はコンピューターの一部なのだと言いたかった。

クラウド化したコンピューターを除いた車の価値は、せいぜい5万円に過ぎない。金属と樹脂とガラスとゴムで出来た工業製品である。

(クルマの価値)
http://kfujito2.asablo.jp/blog/2012/06/16/6482013

エンジン屋とか、ボディ屋とか、塗装屋とか、自動車にも職人の世界があって、その道の専門家集団が匠の技を継承してきた。良くも悪くも、徒弟制度でなければ継承できないコアな技術があったわけだ。

これからは、CAD・CAMで作られたドンガラに、スマホを糊付けすると自動車になるそうだ(自動電気掃除機のルンバに椅子を付けたようなものか)。

てやんでえ、そんなもんが自動車であってたまるもんか!。

私は、断固反対する。抗議する。徹底抗戦する。オスプレイ配備、ハンターイ!(違うでしょ!)。

初めの引用記事に登場する、Willサイファという車は、究極の使用価値を追求した、距離従量課金のリースという販売形態を導入していた。

(トヨタ・WiLL サイファ)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%88%E3%83%A8%E3%82%BF%E3%83%BBWiLL_%E3%82%B5%E3%82%A4%E3%83%95%E3%82%A1

全然分かっていない記者は、携帯電話と自動車の関係ばかりを強調しているのだが、友山さんは、はっきりと言っている。

工業製品としてのコモディティ化した自動車で、商売する気は、全然ないのだ。そんなもんは、原価で提供したっていい(そこまでは、言ってませんが)。

「・・・こうしたものにITが融合することによって、その商品価値が、大きな車とは違うものが出てくるという期待感が我々にはあるんです。新しい価値観が出てくると思っているんですよね。」とある。

「価値観」という言葉を、「儲け話」と読み替えると、三河商人の本音が見えてくるような気がしませんか?。

トヨタの車作りは、既に異次元に突入しようとしているのだ。下手をすると、今後10年以内に、トヨタは自動車というハードウェアを作ることから手を引いてしまうかもしれない。

少なくとも、委託生産とか、OEMとか。

センチュリーのように、子会社に作らせてブランド付けて売るだけの会社になる可能性は大いにある。そもそも、このグループで収益率が高いのが金貸し業であった時代は、つい、この間のことである。

今後は、サービス業に注力して、果てはIBMのように、ソリューションビジネスに特化するかもしれない。1つの都市(国家?)の交通システムを丸ごと請け負うとか。その時のキーテクノロジーは、間違いなくクラウドである。多種多様な移動手段を、最適化して、場合によっては、ダイヤさえ柔軟に変更して運行する。駅前のタクシーの行列や、乗り捨てのレンタカー、航空機や、船舶の運航、パーソナルモビリティ(つまり、乗用車)の迂回誘導、衛星を利用した広域運用。貨物需要の予想と、戦略的なロジスティクス。

コンピューターと移動体を密に連携させるだけで、エネルギーや環境や効率的な移動の問題が解決できる可能性があり、巨大なインフラビジネスが産まれる。

そして、究極にあるのが、通信と移動との融合だ。生身の人間を移動させなくても済めば、物流の集中も抑制できて、地産地消型の産業構造が出来上がる。就活の面接はテレビ電話で行い、自宅の近くのサテライトオフィスに出勤するのも、週に1日か2日。

管理監督が必要なのは、そうしないとロクに仕事をしないでサボってばかりいる、どこかの誰かさんのような社員と、病院とか工場のような、労働集約型の産業だけになる。

学校なんかは、クラブ活動をするためだけに登校すれば、自宅学習で十分だ(昔から、実践していたツワモノもいましたが・・・)。

所有価値から使用価値へと激変してきた自動車の、正に未来を見つめたトヨタのコンセプト。夢物語ではなく、着実に商売に結びつけ、実践していく手堅い手法。この会社、侮れませんぞ。

聴こえる音2012年10月04日 21:24

聴こえる音
聴こえる音


人間が聴くことができる音は、アナログである。

それさえ守ってくれれば、どこまでがデジタルであろうが、文句は言わない。

(【CEATEC 12】クラリオンのフルデジタルカーオーディオ、その実力は)
http://response.jp/article/2012/10/04/182503.html

この中に出てくる、「Dnote」という技術を解説したページを探すと、こんなのが出てきた。

(Dnote Technology)
http://www.trigence.co.jp//%E6%8A%80%E8%A1%93%E7%B4%B9%E4%BB%8B/

株式会社 Trigence Semiconductorという開発元なのだが、「高精度AD/DA変換技術や高速インターフェース技術等のミックスドシグナルLSI回路技術を専門」としているベンチャーである。

クラリオンとホシデンが製品開発を行っているようだ。動画のインタビューに答えているのを聞いていると、クラリオンは、今年中に製品を出す模様である。

(世界初の車載用フルデジタルAVナビゲーション/スピーカーシステム 01DRIVEシリーズを発売)
http://www.clarion.com/jp/ja/newsrelease/index_2012/120927_02/index.html

まあ、音響技術としてこなれていない(デジタル駆動のスピーカーは、世界初)のと、値段がこなれていない(普及価格帯のざっと10倍)のと、人柱になるのは御免被りたいので、私は絶対手を出さないが、ワンチップでアンプなしの構成は刺激的だ。

デジタル信号で、デバイスを直接駆動する(まあ、スピーカーなんて、「押す」か「引く」かしかないし・・・)のだから、シンプルこの上ない。

革命といってもいい。ここまでくれば、聴覚神経と直付けして完全デジタル再生まで、あと一歩である。

(人工内耳:ダイビングができなくなるというのは、ちょっと・・・)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BA%BA%E5%B7%A5%E5%86%85%E8%80%B3

キワモノといっても、この技術は素性がいいので、音響機器メーカーが本気を出せば、かなりいい線までいくんじゃないだろうか。スピーカーのコストダウンがどこまで出来るかが勝負である。

今までの、音響機器の常識をぶち破る画期的なテクノロジーだ。

まずは、特殊な領域(医療機器とか)から導入されていって、一点突破、全面展開にならないとも限らない。

ダイバーとしては、水中音響機器としての活用に注目したいところだ。デジタル駆動スピーカーの高速追従性は、水中の信号伝播に、良い特性を発揮するような気がする。

水中で、ハイビジョンのストリーミング動画を楽しめる日も近いのではないか(別に、浮上してから観たっていいんじゃないの?)。