新RR時代2013年07月03日 01:07

新RR時代
新RR時代


今日は、絶対にP社のクルマのことは書かない!。

大型バスのことも書かない。

それでも、RR(リアエンジン、リア駆動)の話ができると思っている。

それどころか、そのうち、最も普及する駆動方式になるのではないかと考えている。

話を始める前に、RRの定義を少ししておきたい。

座席の後ろにエンジンを積むということなのである。

後輪の車軸の前なのは、MRとして区別すべきだろうが、厳密な定義は難しい。

原動機の一部でも車軸にかかっていれば、RRとすることも出来るが、それではMRの殆んど全てがRRになってしまう。

せめて原動機の重心が、後輪の車軸(リアアクスル)の後ろでないと、RRとは呼べんなあ!。

例えば、ⅰ(三菱)は、後席の後ろにエンジンを搭載している。

(三菱i(アイ)透視図)
http://www.carview.co.jp/road_impression/2006/mitsubishi_i/photo_imp/default.asp?p=2

しかし、エンジンの重心は、後輪車軸の前にあるので、MRということになる。

ロータスのエヴォーラも、同じ理由でMRである。

(おはようございます。 Lotusの新しいモデルが正式発表されました!!:透視図参照:開発コードは「eagle」だったんですねえ!)
http://minkara.carview.co.jp/en/userid/139567/blog/9645853/

うーん、まあ、ギリだな。

殆んどRRであるが、ビミョーにMRである。

浮沈子は、マニュアルの設定しかない頃に、一度だけ試乗したが、営業さんの話では、ポルシェからの乗換えが多いという(いけね!、今日は、この話は書かないんだっけ・・・)。

まあいい。

正真正銘のRRは、実は意外なところにある。

(テスラ:モデルS:特長とスペック:安全性)
http://www.teslamotors.com/jp/models/features#/safety

少し分かりづらいイラストなのだが、左側が前で右側が後ろになる。

リアタイヤの影に、モーターユニットが見えるが、確かにリアアクスルの後方に位置している。

これだけなら、大したことはない。

高級セダンがRRになったくらいでは、新RR時代とはいえない。

(BMW i3 Concept ― メガシティ・ビークル.:BMW i3 ConceptのLifeDrive(ライフ・ドライブ)アーキテクチャー.:しかしなあ、こんなとこまで50:50に拘るって、ホント、ビョーキだな・・・)
http://www.bmw-i.jp/ja_jp/bmw-i3/#the-lifedrive-architecture-of-the-bmw-i3-concept

「eDriveシステムは、全体として、同等の内燃エンジンよりもはるかにコンパクトで、駆動輪を収めるリヤ・アクスルの上の狭いエリアに、電気モーター、ギヤ・アセンブリー、駆動系エレクトロニクスが省スペースな方法で巧みに組み込まれています。」とある。

アニメーションでは、リアアクスルの「前」か「後ろ」かは良く分からないが、「上」だと書いてあるので、RRということにしておこう!(これは、MRとはいい難いし:画像参照)。

BMWが、いきなりボリュームゾーンに投入してくるとは、正直、意外だった。

高価格帯のハイブリッド車である「ⅰ8」で市場に楔を入れ、普及価格帯の「ⅰ3」は、量産効果を考えながら投入してくると思っていたのに。

それだけ自信がある、ということなのだろう。

実際、このⅰ3が成功するということは、電気自動車を量産化して販売するという、日産や三菱が既に行っていることとは、自動車という機械にとって、全く意味が異なる。

そう、アルミシャシーとカーボンボディの組み合わせによる、ボディ構造の革命なのだ。

電気自動車ならではの、シャシーとボディの分離、コンポーネント化、そして、スチールボディとの決別。

この話、長くなるので、またの機会に譲る。

で、このボディが成功すれば、他社が黙っていないだろう。

ガソリンエンジンやディーゼルエンジンを積んだ自動車に、FRやFFが多いのは、エンジンがでかくて、フロントにしか収まらないというのが本当のところだ(キャブオーバーはどーする?)。

モーターなら、コンパクトでよろしい。

トラクションとスペース効率を考えれば、リアに搭載するのが有利である。

FFでは、上り坂でのトラクションがかからないし、ブレーキング時のノーズダイブも発生する。

前後のバランスを考えた場合、リアモーターというのは、一つの有力な選択肢である。

どころか、ベストの配置ではないのか。

繰り返しになるが、でかいエンジンでは、なかなか実現できないレイアウトなのである。

インホイールモーターという、また別の解もあるが、重量とコストの問題があって、これはこれで導入に向けてのハードルが高い。

サンダーバードに出てくる、ロールスロイス・ペネロープ号(ファブ1)のような、超高級6輪車とかならいいかもしれないが。

それ以外の普及価格帯のミニバンクラスまでなら、RRという構成は、最適解の一つだ。

これには、もう一つのオマケがある。

フロントの衝突安全性の向上に寄与することである。

エンジンという重量物を捌く必要がないので、ビームの構造を最適化できる。このことは、同じ安全性を確保する場合は、軽量化にも繋がる。

完全電気自動車であれ、燃料電池車であれ、モーターをリアに搭載するということは、第一選択のレイアウトになる可能性が高い。

(The all-electric BMW i3 is coming. Unveiling July 29th. It's time to learn a new german word)
http://www.facebook.com/photo.php?fbid=657220174305692&set=a.190957987598582.52541.148967578464290&type=1&theater

ⅰ3のアンベールは、今月の29日と発表されている。

ま、P社のなんとかいうクルマも、モーター駆動になったあかつきには、「いやーっ、一時は厳しかったけど、このレイアウトにしといてヨカッタねえ!」ということになるんだろうか。

いけね!、今日はこの話は書かないことにしてたんだっけ・・・。

新RR時代22013年07月03日 22:09

新RR時代2
新RR時代2


今日こそ、絶対にP社のクルマのことは書かない!。

大型バスのことも書かない。

それでも、RR(リアエンジン、リア駆動)の話ができると思っている。

で、コンパクトカーの中でも、スマートが与えたインパクトは強烈だった。

(スマート (自動車))
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%83%9E%E3%83%BC%E3%83%88_(%E8%87%AA%E5%8B%95%E8%BB%8A)

2代目になってから試乗していないが、初代には乗ったことがある。

ボディ剛性の高さに驚いた。

カチッとして、安心感がある。

ショボイエンジンは、まあ、仕方ないとしても、最悪のトランスミッションは、何とかして欲しかった。

今は、多少は改善されているのだろうか。

エンジンは、三菱の999ccを積んでいるらしい。

ⅰ(アイ)のエンジンのボアとストロークを広げたもののようだ。

(三菱・3B2型エンジン:3B21)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%89%E8%8F%B1%E3%83%BB3B2%E5%9E%8B%E3%82%A8%E3%83%B3%E3%82%B8%E3%83%B3#3B21

(Technology)
http://www.smart-j.com/products/fortwo/technology.html

で、このエンジンは、当然、RRになっている。

透視図とか見つからなかったのだが、画像のようなメンテナンスの写真をみると、確かに、RRだとわかる。

ⅰ(アイ)の場合は、前方に傾けてMRとしているのだが、スマートは、どうやら後方に傾けてRRとしているらしい。

車軸の上であることには違いないのだが・・・。

前回の「新RR時代」で、コンパクトなモーター駆動がRR構成に適していると書いたが、リッターサイズの小型エンジンも、同様の理由でRR構成としやすい。

じゃあ、軽自動車は、なぜそうしないか、という議論をしてもいいのだが、浮沈子が思うに、整備性の問題があるのではないか。

上架しないとメンテナンスが出来ないというのは、ちょっと考え物ではある。

ただし、それが真の理由ではなかろう(整備性については、後述)。

タタのナノもRRである。

(タタ・ナノ)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%BF%E3%82%BF%E3%83%BB%E3%83%8A%E3%83%8E

「リアエンジン・リアドライブ方式のモノスペース型4ドア車で、極小タイヤを装着し、舗装路面の走行性能としては必要充分な能力があるとされている。」とある。

(Technical Specifications:ナノのページ:ブレーキはドラム式)
http://www.tatanano.com/specifications.htm

(Tata’s Nano Comes to the Big Apple:透視図を見ると、MRだなあ)
http://www.lassiwithlavina.com/24_7_talkischeap/tatas-nano-comes-to-the-big-apple/html

こういった究極のコンパクトカーの場合は、RRという機構は、コスト的なメリットも大きいだろう。

「他の部品もコストダウンのため、複合部分を一体加工しているものも多く(モジュール化)、整備や故障時の対応に課題があるといえる。」とある。

水冷ポルシェのエンジンは、インターミディエイトシャフトがぶっ飛ぶと、丸ごと交換だというから、大した問題ではなかろう(また書いてしまった・・・)。

まあいい。

日本市場に投入する予定はないと書いてあるので、試乗するわけにもいかないが、スクーターがライバルという変わったコンセプトのクルマである。

究極のミニマム、ベーシックカーだ。

ある意味で、現代におけるクルマの原点である。

「助手席側のドアミラーが無い」とあるが、ポルシェ912の写真を見ると、運転席側のサイドミラーしかない。

(ポルシェ・912)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9D%E3%83%AB%E3%82%B7%E3%82%A7%E3%83%BB912

(Porsche 912)
http://en.wikipedia.org/wiki/Porsche_912

確かに、助手席側ミラーはない(付いている写真もあります)。

書かないといっている割には、なぜかP社に関係ある記述が出てきてしまう・・・。

まあ、どうでもいいんですが。

ナノは、インド版国民車だという記述もある。

国民車といえば、フォルクスワーゲン・タイプ1を挙げないわけにはいかない(これって、P社じゃないからOK!)。

(フォルクスワーゲン・タイプ1)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A9%E3%83%AB%E3%82%AF%E3%82%B9%E3%83%AF%E3%83%BC%E3%82%B2%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%82%BF%E3%82%A4%E3%83%971

RR隆盛の歴史は、ガソリン自動車黎明期の第1期(1890年代)、このタイプ1を初めとしたコンパクト車の勃興期である第2期(1930年代)、そして、浮沈子が予言する第3期(2020年代:ホントかあ?)に大きく区分される。

タイプ1(ビートル)は、正に、燦然と輝くRRのヒーロー、ナンバー1、空前にして絶後(たぶん)の販売台数「2152万9464台」を記録したクルマである。

「ポルシェは整備性にも重きを置いており、ビートルのエンジンルームはコンパクトだが整備に支障のないように必要充分なゆとりが確保されていた。」とある。

RRだから、整備性が悪いというわけではないようだ。

「エンジン交換も比較的容易で、1970年代などに盛んに行われたファン・ミーティングでは「エンジン脱着競争」(ル・マン式スタートの如く、車から離れたスタート地点から二人一組のチームが車に駆け寄り、エンジンを外した後、それを台車に載せてスタート地点に戻り、また車に戻ってエンジンを装着し、エンジン始動の後に車をスタート地点までバックさせてゴール。平均タイムは20分少々)が恒例行事として行われていた。」とある。

(How to remove (and replace!) a Beetle engine in a record time:動画出ます)
http://www.youtube.com/watch?v=7T51LmuhOA8

「だが1960年代以降は、設計の古さによるスペース・ユーティリティの悪さや、リアエンジンとスイングアクスル式独立懸架による高速走行時の不安定さ、空冷エンジンの騒音などが問題視されるようになる。」

「しかし、フォルクスワーゲン社は決定的な代替車種開発に失敗し続けて1970年前後は経営困難に苦しみ、1974年に前輪駆動方式の本格的な代替車「フォルクスワーゲン・ゴルフ」を世に出すまで、前時代化したビートルを主力車種としたまま、改良のみでしのぐことになった。」

今や、ブガッティ、アウディ、ベントレー、ランボルギーニ、ポルシェなどを傘下に納め、飛ぶ鳥を落とす勢いのVWだが、このころは、ビートル頼みのショボイメーカーだったわけだ。

水冷エンジン、FF構成という、パラダイムの転換に成功して発展を遂げるわけだが、ビートルが歴史的な車種であったことは確かである。

排ガス規制、騒音規制という、ポルシェと同じような理由から、空冷エンジンの命脈は尽き、既に、代替車(ゴルフなど)が普及していたことから20世紀初頭に生産を終える。

水冷ビートルはFFとして甦るが、中身はゴルフやジェッタである。

(フォルクスワーゲン・ニュービートル:ゴルフと同じA4プラットフォーム)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A9%E3%83%AB%E3%82%AF%E3%82%B9%E3%83%AF%E3%83%BC%E3%82%B2%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%8B%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%83%93%E3%83%BC%E3%83%88%E3%83%AB

(フォルクスワーゲン・ザ・ビートル:こちらは、ジェッタと同じA5プラットフォーム)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A9%E3%83%AB%E3%82%AF%E3%82%B9%E3%83%AF%E3%83%BC%E3%82%B2%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%82%B6%E3%83%BB%E3%83%93%E3%83%BC%E3%83%88%E3%83%AB

RRは、現代の乗用車においては不遇の構成であり、現役の車種は殆んどない。

浮沈子が主張する、第3期隆盛期となる「新RR時代」は、本当に来るのだろうか?。

一世を風靡しているFFに、取って代わることが出来るのだろうか。

本質的に低コストで実現でき、スペース効率にも優れるRRは、原動機の配置と駆動輪の組み合わせとして、決して劣っているわけではない。

優れたボディと電子制御サスペンションを組み合わせれば、世界屈指のスポーツカーにも採用できるという実例もある(また書いてしまった・・・)。

今後も、RRの動向に注目していきたい。

マルチホイール2013年07月03日 23:54

マルチホイール
マルチホイール


ここでいうマルチホイールというのは、3輪車のこと。

特に、注目なのは、前輪が2つある3ホイラーである。

(ピアジオの三輪スクーター)
http://www.narikawa.co.jp/piaggio_top.html

(2014 YAMAHA 3輪スクーターLMW(Leaning Multi Wheel))
http://meisourider.blog134.fc2.com/blog-entry-2263.html

(YAMAHA Leaning Multi Wheel WEB Mr. Bike:動画出ます)
https://www.youtube.com/watch?feature=player_embedded&v=ol0e0fDyPsA

これって、どこかで見た記憶がある。

(トヨタのリーンするパーソナルモビリティがジュネーブモーターショーでデビュー【動画】:i-ROAD)
http://clicccar.com/2013/03/06/214499/

トヨタが作るとクルマになり、ヤマハが作るとバイクになるわけだが、トヨタのi-ROADの方は、自分でバランスをとる必要はない。

電子制御でリーン(傾き)をコントロールしてる。

ピアジオやヤマハのは、二輪イクと同じで、ライダーが積極的にバランスを取らないとコケる。

乗り物としての本質的な違いがあるわけだ。

i-ROADについては、以前にもこのブログで取り上げている。

(電気じかけのオレンジ)
http://kfujito2.asablo.jp/blog/2013/03/17/6748297

三輪自動車については、このページ。

(Three-wheeler)
http://en.wikipedia.org/wiki/Three_wheeled_car

(三輪自動車)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%89%E8%BC%AA%E8%87%AA%E5%8B%95%E8%BB%8A

(オート三輪:懐かしいですなあ!)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AA%E3%83%BC%E3%83%88%E4%B8%89%E8%BC%AA

こんなのもある。

(ターレットトラック)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%83%AC%E3%83%83%E3%83%88%E3%83%88%E3%83%A9%E3%83%83%E3%82%AF

魚市場などで走り回っている、小回りの利く運搬車である。

以前、紹介したモーガンにも三輪車がある。

(Super Sports 1937.jpg:昔のやつ)
http://en.wikipedia.org/wiki/File:Morgan_Super_Sports_1937.jpg

(2012 US-spec Morgan 3-wheeler.jpg(復刻版:画像参照))
http://en.wikipedia.org/wiki/File:2012_US-spec_Morgan_3-wheeler.jpg

車種こそ少ないが、3輪自動車アンドバイクは、独自の世界を作っているようだ。