プリムローズ ― 2014年05月26日 07:46
プリムローズ
(サクラソウ)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B5%E3%82%AF%E3%83%A9%E3%82%BD%E3%82%A6
「英名:Primrose」
ハンガー・ゲーム第3巻読了した。
うーん、これはどうかなあ。
第13地区によるキャピトルとの戦いということなんだが、思い出したのはエヴァンゲリヲンシリーズの劇場版だ。
荒唐無稽、支離滅裂、雲散霧消して、後には何も残らない。
この物語のモチーフであった、主人公の妹(プリムローズ・エバディーン)への家族愛が、最後にその対象を失うことによって、ブツッと音を立てて切れてしまうということになった。
んでもって、スノー大統領の胸に挿した白いバラではなく、非情極まりない第13地区のコイン首相を射抜くという大どんでん返しによって大団円を迎えるという、予定調和というか、手抜きというか・・・。
エピローグを読めば、続編は、やはり当初の期待通り、彼女の子供たちの世代になるわけで、帝国は崩壊したが、集団指導体制も長続きはしないという伏線も張ってある。
今度は、姉と弟というわけだ。
「だが、世の中にはずっとひどい、恐ろしいゲームが存在するのだ。」
次回作に期待というところだな。
この作品を通じて、作者が読者に何を伝えたかったのかを語るのは無意味だ。
成長の過程で、極限の状況に置かれながら、強い生存本能によって生き残っていく主人公の物語は、まあ、余りに現実離れして当初はなかなか付いていけない。
それでも頑張って読んでいくうちに、自分のわがままを通そうとする身勝手な少女について、まあ、そういうのもアリかな、と思えてくるから不思議だ。
周りのオトナたちが、彼女を利用しながら自分たちの目的を果たそうとする第3巻は、特にその思いを強くする。
キャピトルに潜入する辺りから、設定の甘さが目立つようになるが、この手の話はゲーム感覚(おっと、題名にもゲームって付いてましたな)で、浮沈子的には鬱陶しい。
最後の設定には、もう少し緻密な仕掛けを用意してもらいたかったな。
まあいい。
手抜きのストーリーのせいで殺されてしまったプリムには、お気の毒様としか言いようがない。
バラ園の章でのスノー大統領のセリフに、浮沈子は1票だな。
この物語の中で、浮沈子的に、いささかなりとも実在感があった登場人物は、ヘイミッジ・アバナシーという飲んだくれの教育係(第50回記念大会勝利者)だな。
まあ、相対的にそう感じるだけで、最初から最後まで登場する、オトナの象徴である。
身勝手で狡猾でおせっかいだが、肝心なところでは殆ど役に立たないとガキに思われている(に違いない)。
まあ、オトナというのは、実際にそういう面もあるから、一概に否定は出来ないが、この人物が描かれていることで、この物語が成立しているといっても過言ではない。
ハンガー・ゲームがこれほどの読者と、映画ファンを獲得したのは、一つには、このキャラのおかげだ。
第2作の映画を観ただけだが、俳優も好演している(ちょっと変わった俳優なので、リンク張っておきます)。
(ウディ・ハレルソン)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A6%E3%83%87%E3%82%A3%E3%83%BB%E3%83%8F%E3%83%AC%E3%83%AB%E3%82%BD%E3%83%B3
主人公の、ゲイルとピータを巡る恋の鞘当ては、オジサン読者としてはいささかうるさい感じがするが、若い読者や女性には気になる方もいるようだ。
まあ、どうでもいいんですが。
浮沈子的には、主人公には終生独身を貫いてもらいたかったと思うんだが、それでは大多数の読者が許すまい。
ハッピーエンドは、やっぱ、収まるところに収まった姿が欲しいわけだ。
浮沈子は、この主人公のカットニスは、全然魅力的に描かれていないんじゃないかと感じる。
作者も、この少女をそのように描こうとは思っていないに違いない。
ごく普通の少女を、まあ、多少どぎつくして、困難な状況に叩き込んで、肉体と精神がぼろぼろになるまで痛めつけるという、いささかサディスティックな描き方をしているに過ぎない。
いやはや、ピータに好かれて良かったと浮沈子も思う。
その点では、ヘイミッチと同感だな。
この1週間余り、この物語で楽しませてもらった。
第3巻の映画化は決まっているらしいが、2部作になるらしい。
前編が今年、後編は来年の封切り(日本で上映されるかどうかは、微妙ですな)だという。
スペクタクルシーンには不自由しないだろうが、単なるSF戦争映画にしないためには、主人公の葛藤をどこまで描ききることが出来るかに掛かっていることはいうまでもない。
たぶん、映画館で観ることになるだろうが、IMAX映画であるにも拘らず、日本では通常フィルムでの上映に終わった第2作のことを考えると、仮に上映されたとしても、同じことになる確率が高い。
第1作や第2作が、原作にかなり忠実に作られているのをみても、第3作がその手法を踏襲するのは確実だ(この原作で、2本作るのは大変だろうが)。
期待しよう。
(The Hunger Games: Mockingjay Official Trailer HD)
https://www.youtube.com/watch?v=8e2xY0pMz70
(サクラソウ)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B5%E3%82%AF%E3%83%A9%E3%82%BD%E3%82%A6
「英名:Primrose」
ハンガー・ゲーム第3巻読了した。
うーん、これはどうかなあ。
第13地区によるキャピトルとの戦いということなんだが、思い出したのはエヴァンゲリヲンシリーズの劇場版だ。
荒唐無稽、支離滅裂、雲散霧消して、後には何も残らない。
この物語のモチーフであった、主人公の妹(プリムローズ・エバディーン)への家族愛が、最後にその対象を失うことによって、ブツッと音を立てて切れてしまうということになった。
んでもって、スノー大統領の胸に挿した白いバラではなく、非情極まりない第13地区のコイン首相を射抜くという大どんでん返しによって大団円を迎えるという、予定調和というか、手抜きというか・・・。
エピローグを読めば、続編は、やはり当初の期待通り、彼女の子供たちの世代になるわけで、帝国は崩壊したが、集団指導体制も長続きはしないという伏線も張ってある。
今度は、姉と弟というわけだ。
「だが、世の中にはずっとひどい、恐ろしいゲームが存在するのだ。」
次回作に期待というところだな。
この作品を通じて、作者が読者に何を伝えたかったのかを語るのは無意味だ。
成長の過程で、極限の状況に置かれながら、強い生存本能によって生き残っていく主人公の物語は、まあ、余りに現実離れして当初はなかなか付いていけない。
それでも頑張って読んでいくうちに、自分のわがままを通そうとする身勝手な少女について、まあ、そういうのもアリかな、と思えてくるから不思議だ。
周りのオトナたちが、彼女を利用しながら自分たちの目的を果たそうとする第3巻は、特にその思いを強くする。
キャピトルに潜入する辺りから、設定の甘さが目立つようになるが、この手の話はゲーム感覚(おっと、題名にもゲームって付いてましたな)で、浮沈子的には鬱陶しい。
最後の設定には、もう少し緻密な仕掛けを用意してもらいたかったな。
まあいい。
手抜きのストーリーのせいで殺されてしまったプリムには、お気の毒様としか言いようがない。
バラ園の章でのスノー大統領のセリフに、浮沈子は1票だな。
この物語の中で、浮沈子的に、いささかなりとも実在感があった登場人物は、ヘイミッジ・アバナシーという飲んだくれの教育係(第50回記念大会勝利者)だな。
まあ、相対的にそう感じるだけで、最初から最後まで登場する、オトナの象徴である。
身勝手で狡猾でおせっかいだが、肝心なところでは殆ど役に立たないとガキに思われている(に違いない)。
まあ、オトナというのは、実際にそういう面もあるから、一概に否定は出来ないが、この人物が描かれていることで、この物語が成立しているといっても過言ではない。
ハンガー・ゲームがこれほどの読者と、映画ファンを獲得したのは、一つには、このキャラのおかげだ。
第2作の映画を観ただけだが、俳優も好演している(ちょっと変わった俳優なので、リンク張っておきます)。
(ウディ・ハレルソン)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A6%E3%83%87%E3%82%A3%E3%83%BB%E3%83%8F%E3%83%AC%E3%83%AB%E3%82%BD%E3%83%B3
主人公の、ゲイルとピータを巡る恋の鞘当ては、オジサン読者としてはいささかうるさい感じがするが、若い読者や女性には気になる方もいるようだ。
まあ、どうでもいいんですが。
浮沈子的には、主人公には終生独身を貫いてもらいたかったと思うんだが、それでは大多数の読者が許すまい。
ハッピーエンドは、やっぱ、収まるところに収まった姿が欲しいわけだ。
浮沈子は、この主人公のカットニスは、全然魅力的に描かれていないんじゃないかと感じる。
作者も、この少女をそのように描こうとは思っていないに違いない。
ごく普通の少女を、まあ、多少どぎつくして、困難な状況に叩き込んで、肉体と精神がぼろぼろになるまで痛めつけるという、いささかサディスティックな描き方をしているに過ぎない。
いやはや、ピータに好かれて良かったと浮沈子も思う。
その点では、ヘイミッチと同感だな。
この1週間余り、この物語で楽しませてもらった。
第3巻の映画化は決まっているらしいが、2部作になるらしい。
前編が今年、後編は来年の封切り(日本で上映されるかどうかは、微妙ですな)だという。
スペクタクルシーンには不自由しないだろうが、単なるSF戦争映画にしないためには、主人公の葛藤をどこまで描ききることが出来るかに掛かっていることはいうまでもない。
たぶん、映画館で観ることになるだろうが、IMAX映画であるにも拘らず、日本では通常フィルムでの上映に終わった第2作のことを考えると、仮に上映されたとしても、同じことになる確率が高い。
第1作や第2作が、原作にかなり忠実に作られているのをみても、第3作がその手法を踏襲するのは確実だ(この原作で、2本作るのは大変だろうが)。
期待しよう。
(The Hunger Games: Mockingjay Official Trailer HD)
https://www.youtube.com/watch?v=8e2xY0pMz70
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