🐼そういえばあれはどーなった:スターライナーの打ち上げ予定決まる:まあ今までも何度か決まっては先送りされてきたが今回は本物?2021年06月20日 17:45

そういえばあれはどーなった:スターライナーの打ち上げ予定決まる:まあ今までも何度か決まっては先送りされてきたが今回は本物?


(NASAとボーイングはスターライナーレビューからの推奨事項を締めくくります)
https://spacenews.com/nasa-and-boeing-close-out-recommendations-from-starliner-review/

「NASAとボーイングは6月16日、2019年12月の宇宙船の最初の軌道飛行試験(OFT)ミッションの問題に対処するために、2020年初頭の独立したレビューからすべてのアクションを終了したと発表しました。」

思い返せば、一昨年のクリスマスの頃だ・・・。

(打ち上げ成功なるも、スターライナーの軌道投入エンジン点火に失敗!?)
http://kfujito2.asablo.jp/blog/2019/12/20/9191856

「だっせーっ!。」

なんとも下品な感想だな・・・。

この後、軌道を立て直し、安定した周回軌道に持ち込めたのは奇跡だ。

2日後に、大気圏再突入を果たし、無事に着陸して見せてなんとかつくろった感じはあった。

が、しかし・・・。

(スターライナーのチョンボの陰に、本質的な問題が横たわっている懸念)
http://kfujito2.asablo.jp/blog/2020/02/07/9211391

「ボーイングはスターライナーを打ち上げた後でソフトウェアのバグに気づき、飛行中にバグを修正したとのこと。大気圏へ再突入する2時間前に修正済みのコードを送信したそうで、間一髪のところでスターライナーの破損を免れたということになります。」

度重なるチョンボの連続を、辛うじて切り抜けたことがバレ、人間が乗っていれば上手くいった発言をしていた当時のNASA長官のメンツは丸つぶれ。

まあ、どうでもいいんですが。

それから今日まで幾星霜・・・。

1年半に及ぶ改修作業が終わり、OFT-2と名付けられた追加無人ミッションの日程が決まった様だ。

「NASAは、OFT-2と呼ばれるスターライナーの2回目の無人宇宙船のテスト飛行が、フロリダのケープカナベラル宇宙軍基地から7月30日にアトラスで打ち上げられる予定であることを確認しました。」(初出のスペースニュースの記事より)

だだし、これが予定通りにいくかどうかについては懸念もある。

打上げに使用されるアトラスロケットが、何か問題を起こしているようだ。

「アトラス5での別のミッションの打ち上げが遅れたため、今月初めに打ち上げ日が問題になっているようです。ユナイテッドローンチアライアンスは6月4日、6月23日に打ち上げが予定されていた宇宙試験プログラム(STP)3ミッションを遅らせていると述べました。同社は、「ロケットの準備状況を評価する」ために遅延が必要であると述べた。」(同上:一部自動翻訳修正)

「ユナイテッドローンチアライアンスの社長兼最高経営責任者であるトリーブルーノは、STP-3の遅延は、セントールの上段に動力を供給するRL10エンジンの新しいノズルエクステンションに見られる振動または「リンギング」を調査することであるとツイートしました。「この構成を再度実行する前に、その動作を完全に理解していることを確認したい」と彼は書いた。」

「ただし、スターライナーミッションに使用されるケンタウロスは、同じノズル延長を使用しません。ULAは6月10日、スターライナーの打ち上げの準備を開始し、「次のアトラス5の打ち上げ」と呼び、NASAとボーイングがミッションのために以前に発表した7月30日に予定されているとツイートしました。」

まあ、スターライナーで使う2段目のセントールロケットは、エンジン2基掛けだしな(1段目の問題ではないようです)。

フライトスケジュールを見る限り、OFT-2の前には、STP-3の打ち上げ予定はない(8月みたいです)。

(List of Atlas launches (2020–2029):Future launches:2021)
https://en.wikipedia.org/wiki/List_of_Atlas_launches_(2020%E2%80%932029)#2021_2

「Date / time (UTC):Rocket,Configuration:Launch site:Payload:Orbit:Customer:
・30 July 2021 Atlas V N22 CCSFS, SLC-41 Boeing Starliner LEO to ISS Boeing
Boeing Orbital Flight Test 2.
・August 2021 Atlas V 551 CCSFS, SLC-41 STP-3 (STPSat-6, LDPE-1) GEO United States Space Force(以下略)」

ОFTー2は最優先。

満を持しての打ち上げということになる。

ISSのスケジュールとのすり合わせもあるからな。

この時期になれば、現在ISSハーモニーのゼニスポートに係留されているCRS-22のカーゴドラゴンが切り離され、前方のポートにあるクルードラゴンを天頂に移設する作業も終わっているはずなわけだ。

このタイミングを外すわけにはいかないからな。

次の打ち上げであるCRS-23は、現在の予定では8月16日の打ち上げだ。

多少の延期はあるかも知れないが、この隙間を縫ってのミッションということになる(ポートが塞がっちまうからな)。

この後になると、そのカーゴドラゴンが離脱した後(9月末くらいか)になる。

そこでも、もたもたしていると、クルー3の打ち上げが10月末に迫ってくるという忙しさだ(クルー2は、クルー3がドッキングした後に離脱するから、この際にもポートが塞がる)。

やれやれ・・・。

「NASAは、OFT-2ミッションが予定通りに開始され、成功した場合、今年、スターライナーの最初の搭乗員飛行である搭乗員飛行試験ミッションの飛行を検討していると述べました。」

まあ、タラレバの話だ。

大チョンボの後に、1年以上かけて対策してきたんだから、今度こそ大丈夫だと信じたいが(ホントかあ?)、宇宙開発は一寸先は闇だ。

何が起こるかは分からない。

浮沈子は、クルードラゴンの無人ミッションの成功を喜んだが、その同じ機体が地上テストで木っ端微塵に跡形もなく吹っ飛んだことを忘れるわけにはいかないからな。

(クルードラゴンデモ-1)
https://en.wikipedia.org/wiki/Crew_Dragon_Demo-1

「別のテスト中、2019年4月20日、クルーデモ1で使用されていたカプセルは、ランディングゾーン1でスーパードラコエンジンを発射したときに予期せず破壊されました。」

原因は、チタン製のバルブと言われている(酸化剤と接触して燃焼か)。

(クルードラゴンの事故について私たちが知っていることと知らないことは次のとおりです
会社は間違いなく忙しいイースターの週末を過ごしました。)
https://arstechnica.com/science/2019/04/heres-what-we-know-and-what-we-dont-about-the-crew-dragon-accident/

「オレンジ色のプルームは、ドラゴンのスーパードラコエンジンで使用されている酸化剤である四酸化二窒素がその場所で燃焼した結果でした。」

地上テストで吹っ飛ばず、ヤバい設計を抱えたまま現在も運用されていたかもしれないと考えると、ぞっとするな・・・。

スターライナーに、まだ、隠れた瑕疵があるかどうかは知らない。

それが表面化せずに、隠蔽されたまま運用に供されるよりは、この段階で明確になり、必要な改修を受ける方が望ましいことは言うまでもない。

まあ、ISSに係留された状態で吹っ飛ぶのだけは勘弁してもらいたいな。

係留期間は数日だろうから、8月上旬には結果が分かるということになる。

その頃には、まだ、2度目のワクチン接種は終わってないかもしれないけどな・・・。

<以下追加>ーーーーーーーーーー

(ULAは予期しないエンジン振動を研究するためにアトラス5の打ち上げを遅らせます)
https://spaceflightnow.com/2021/06/10/ula-delays-atlas-5-launch-to-study-unexpected-engine-vibrations/

「エンジニアが先月のミッションで新しい上段エンジンノズルの予期しない振動を分析したため、以前6月23日に予定されていた米軍用のアトラス5ロケットは延期されました。」

「スターライナーのテスト飛行を開始する予定のアトラス5ロケットは、異なるバージョンのエアロジェットロケットダインRL10エンジンを使用した2エンジンのセントール上段を使用します。新しいRL10エンジンバリアントは、5月18日の最新のアトラス5発売でデビューしました。」

「RL10C-1-1エンジンは、以前のアトラス5ロケットで飛行したエンジンよりも大きなノズルを備えており、最初の運用ミッションで飛行する新しい3Dプリントインジェクターを導入している」

「ツインエンジンのCentaurは、カーボンノズルエクステンションのないRL10の古いバージョンであるRL10A-4-2エンジンを搭載しています。」

この事象の解析の結果が、スターライナーの打ち上げに使用される2基掛けのセントールロケットに影響するわけではなさそうだ。

「OFT-2のミッションは4日から8日続くと予想されています。」

再度、2日で帰ってきちゃうことになれば、スターライナーの命運は尽きるだろう・・・。