アクアノートの朝2012年12月31日 15:53

アクアノートの朝
アクアノートの朝


ハルハイのコーヒーを飲んだ翌朝の、食堂のコーヒーは一際である(不味い・・・)。

夕べは熱が出てしまった。

去年の二の舞である。

今朝は少し回復して、遅い朝食を取ろうと部屋を出てきた。テーブルクロスがなくなって、木製のテーブルに直接置くようになった。

コスト削減かあ?。

なんとか耳抜きさえできれば、ダイビングするのに問題はない。

今年の潜り収めである。

必殺、ホットカラマンシージュースを頼む。風邪に効く特効薬である(気のせいだけかも)。

朝食は、ボリュームのあるジャーマン・ブレックファストだ。食欲だけはある(なくなると、ヤバイ)。

目玉焼き2つ、キノコのサワーソース和え、マンゴーの切れ端が乗ったポテトサラダ(というより、ポテトだけ)、カリカリのベーコン2枚(これで250ペソは、ボッタクリじゃね?)。

あーあ、カラマンシージュースが来たが、なんと氷が・・・。

まあ、南の島ですから。

ネットは全然繋がらない。お客さんの数も増えてきた。賑やかなのはいいことだ。どでかいドイツ野郎が2人、目の前のテーブルに着く。ショップで会った二人だ。

なんで、ヤツラはこんなにでかいんだろう?。

ジャーマン・ブレックファストを食うと、でかくなるのかあ?。

視界が遮られる。

そろそろ退散しよう。

サイドマウント開眼2012年12月31日 15:54

サイドマウント開眼
サイドマウント開眼


「腰の負担が軽くなる。」

サイドマウント体験ダイビングされた方の、ファーストインプレッション。

シングルタンクで潜っている時は、腰が痛くなって困ったそうだ。

今回は、まるで違う、タンクを着けていないみたいだ、という。

イントラが何を言っても、眉唾で聞き流していた浮沈子(いや、これは話の綾です)も、第三者が語る言葉には、素直に耳を傾ける。

おまけに、アルミタンク1本でも、違和感はないそうだ。

身体に密着していなくても、動作に支障なく、快適性が向上し、結果としてリスクを減らせるのならこんな素敵なことはない。

今日のダイビングは、耳抜きの不安から、20m程度のダイビングになった。

昨日リークがあった酸素バルブも、今日は快調で、器材的には完璧である。

耳抜きは、陸上でできていたので大丈夫だろうと思って、それでも50cm毎に唾を飲み込んで少しずつ抜いた。なんとか痛みを感じることなく、ダイビングが完了した。リバースブロックにもならずに済んだ。

エキジットして、水中で器材を脱いでいる時に、吐き気がこみ上げてきて、まいった。

なんとか吐かずに済んだが、朝のカラマンシージュースをもう一度味わうことになった。

イントラは、失礼にも、なんか得した気分でしょ?、などとからかうが、必死で吐き気を堪えていた浮沈子としては、とてもそんな気分になれない。

浮上の時に、胃袋に空気を溜めてしまうのが原因なのだが、体調が悪いとうまく排出できないようだ。プールでも同じことがあったし。逆食(逆流性食道炎)の持病があるので、気をつけなければならない(一体、どんだけ病気持ちなんだ?:医者が正式につけた病名:2型糖尿病、高血圧、労作性狭心症、逆流性食道炎、重症睡眠時無呼吸症候群、適応障害、大腸ポリープ、内痔核、左側副鼻腔炎:自分でつけている病名:健忘症、脂肪代謝障害、栄養失調(過食)、老眼、近視、乱視、CCR依存症(?))。

まあ、どうでもいいんですが(よかあない!)。

話を戻す。

イントラに、サイドマウント・リブリーザーの話をしたら、酸素側にも6リッターのシリンダーがあったほうがいいという。

CCRがお釈迦になって、ベイルアウトした際に、窒素の洗い出しに使えるというのが理由。酸素用のセカンドを付けることになる。

そんでもって、左側には2本から3本のディリュエントをぶら下げる。

なんか、物入りですなあ。

それなら、バックマウントに本体と酸素・ディリュエントを付ける方が合理的だし、タンクの容量を変えるとしても、改造は最小限で済む。

世にサイドマウントCCRが流行らない理由が、何となく分かったような気になる。

ただ、背中に何もないというのは、考え様によっては革命的なコンフィギュレーションである(オープンウォーターでも、昔からあったようだが)。

器材のコンパクト化、結合技術の向上、タンクの高圧化などなど、CCRは、まだまだ進化の余地を残している。片側に、全ての要素(カウンターラングは、別でもいいです)が納められたCCRが出てくれば、一気に普及とまではいかなくても、CCRオタクが手を出すこと間違いない(浮沈子は、出すなあ)。

もう片側には、ディリュエントを必要なだけ付ければいいし、もっと酸素が欲しければ、ちゃんと区別できるようにして持って行ってもいい。

現在発売されている器材を改造するのでは、最適な構成にはできない。1本の筒の中で、完結できるようにしなければダメだろう。

スクラバーの形状、ソレノイドバルブや酸素センサーの配置、呼吸回路の容積や呼吸抵抗など、考慮すべき点は多い。

新しく設計し直すしかない。

レクリエーションの中の少数派であるダイビングの世界で、さらに極一部にバカ受けしているだけのCCRの、さらにマイナーなサイドマウントCCRという市場に参入してくるメーカーが、そうそう沢山あるとは思えない。

ダイビングコンピューターを作ることができれば、電気系の設計は可能だろう(詳しくは知りません)。その他の部品は、型さえ起こせば世界中どこでも製作できる。

基本特許が終了すれば、コピー機がそうであったように、価格も安く、扱いやすい製品が出てきてもおかしくない(数は出ませんが)。

価格や信頼性の問題が解決されて、CCRが一般に普及し、その中でサイドマウントが選べるという形が理想だ。利に聡い日本企業が、こんなカルトな市場に手を出すとは思えないし、中国製のCCRが出回って、死屍累々になるなんてことは願い下げだ(中国製品でも、まともなら問題ないですが)。

CCRって、ブルジョアの趣味だもんなあ・・・。

2012年のCCR2012年12月31日 21:14

2012年のCCR
2012年のCCR


無事に潜り収めも出来たので、今年のCCRシーンを振り返る。

世界の、日本の、そして浮沈子個人のCCRについて。

なんといっても、今年のCCRシーンを象徴するのが、PADIのリブリーザーへの進出である(SCRはやってたみたいです)。

特に、タイプRのリブリーザーは、様々な問題を提起した。

曰く、こんなもんが使い物になるのか?、単なる出来損ないじゃないのか、欠陥商品と言われても仕方ない、などなど(誰が言ってるかって?。ワタクシ浮沈子です)。

既に出来上がっているものを、デチューンして売ろうとしているメーカーもある(APD)。

酸素のマニュアルインフレーターを廃止するなど、機能を限定したことが、安全に繋がるならば、それもよしとしよう(浮沈子は不満ですが)。

しかし、構造的にベイルアウトのガスが絶対的に少ないCCRを運用する際に、予備のガスを携行させずに潜らせ、しかも、あろうことか、本体のオープンサーキットのマウスピースは、クローズドサーキットのそれと一体であるため、バディ同士でガスのシェアを不可能にしている(まあ、やって出来ないことはないでしょうが、まさか、それをスキルにしているわけではないでしょう)。

マーク6のソフノダイブは、プレパッキングされた二酸化炭素除去剤だが、きちんと機能するならリスク管理上は好ましい。センチネルのように二酸化炭素センサーが付いていれば、なお良かった。

バッテリーが1個しかないというのは、いくらインジケーターが付いているとはいえ、無謀である。

酸素センサーについては、何度も水中でオシャカになった経験から、「あれは、突然壊れるもんだ」という認識が必須の消耗品である。発電量が徐々に減ってはくるが、いつ身罷るかは運次第である。

初期の構造図しか見ていないが、2個あることはあっても、1系統で管理されている。

1個壊れたら、ベイルアウトである。

まあ、インスピなんかもダイビングの継続はしないが、CCRでの通常の運用をしながらエキジットできる。

それが、できない。

ディリュエントフラッシュができないとか、ADVが壊れたらどうするんだ!?、とかあるが、ぜーんぶベイルアウトである。

アドバンスになると、ステージボトルを携行するが、運用は何も変わらない。40mからの浮上はベイルアウトだけである。

せっかくのCCRの機能がもったいない。高いリダンダンシーのメリットを、ことごとく潰して、レクリエーショナル用として提供するわけである。

初めは、この機材に期待して、自分でも購入しようかと考えたこともあった。完成度は高そうだし、コンセプトに共感できる部分もあった。

簡単に使えて、軽くて、壊れにくいCCRが欲しかったからだ。

タイプRは、まだ、開発途上の器材なのかもしれない。

デチューンするAPDについては、アホくさくてコメントする気にもならない。

まあ、PADIの裾にすがって、売りまくりたい気持ちは分かるんですけど。

市販されている唯一のタイプRということもあって、マーク6のあら捜しになってしまったが、悪い器材ではなかろう。使いこなすスキルと、限界を知る知識が求められる。それは、どんなタイプのCCRでも変わらない(浮沈子なら10mでも予備ガスを携行するが)。

タイプTでも、タイプQ(?、「究」極のCCRですな!)でも、同じことである。スクーバということであれば、オープンサーキットでも同じだ。

さて、日本のシーンでは、様々なリブリーザーが登場した。JEM(SCR)、rEbo、JJ、マーク6(他にもあるかも知れない)。従来からあるインスピ3兄弟や、メガロドンシリーズ、キスシリーズ、センチネル、オプティマも健在だ(健在なのか?)。

日本で数人しかいなかった、リブリーザーのインストラクターも、きっと10人以上にはなっているだろう。もっといるかもしれない。

酸素の販売、水中での吸入など、リブリーザーの運用におけるローカルな事情があるとはいえ、ディストリビューターや販売店が増えてくることは大歓迎であり、さらなる普及を期待したい。

ただ、国内での普及は、当分ないだろうな。

景気悪いし、ダイビングって、所詮マイナーな遊びだし、リブリーザーって金かかるし、タイミング悪すぎ。

それこそ、リゾートの高級ホテルでひと夏過ごすようなリッチな層でないと手を出さないだろう。さもなければ、ショウモナイCCRオタクとか。

どれほどPADIが力を入れても、日本のダイビングを変えるのは容易ではない。まあ、最低でもこの先10年は変わらないと断言しておこう(またまた、怪しい断言・・・)。

そもそも、浮沈子がCCRを始めた動機の一つが、何時でも最適のナイトロックスが吸えるというメリットであった。

すみませんが、日本でナイトロックスを予約なしで常時提供できるショップって、あるんでしょうか?(詳しくは知りません)。

しかも、ガイドやインストラクターを使っているショップが、彼らにナイトロックスを業として吸わせることは、本日現在も、犯罪である(本人が勝手に吸う分には、問題はない?)。

減圧表なんか絶対守らない彼らこそ、真っ先にナイトロックスやCCRの恩恵を受けるべきなのに。アスベストの使用と酷似している。何十年か先になって、このことが国家的な犯罪であったというようなことにならなければいいんだが。

若いうちから無理なダイビングして、何十年後かに、無菌性骨壊死が顕在化して、国家賠償を求める破目になる可能性も高い。

浮沈子は、ナイトロックスの普及を妨げていた国家の責任が大きいと思うんだが、当局は、減圧表を守らない方が悪いと開き直るでしょうな。

もっとも、現在の国定の減圧表通りに潜ったら、間違いなく減圧症になるといわれているようですが(深さにもよります)。

まず、ナイトロックスの普及が先行し、ダイバー全員がクウキなどという毒ガスを吸うことがなくなり(32パーセントのナイトロックスは、レクリエーショナルダイビングのほぼ限界深度まで使えます)、その後にCCRの普及があるというのが本来の姿だ。

ナイトロックスがPADIのスペシャルティになってから、何年経ったかは知らないが、まあ、あと数年は普及しないでしょうな(製造設備の規制も厳しい)。

日本の状況を書いていると、絶望的になるが、それでも明るい話題がないわけではない。

伊藤英明がCCRを使用していたことは、関係者の間では知られた話だが、本物の海猿でも、リブリーザーの運用が始まったようだ。

(平成24年度 海上保安庁関係 予算概算要求概要:10ページ参照)
http://www.mlit.go.jp/common/000167595.pdf

いくら何でも、根性だけでは救難活動は出来ないし、60mのクウキ潜水を業務命令する映画を作っちゃいけないでしょ!?(絵を見るとセンチネルみたいだから、また田中さんの所から調達したのかなあ?)。

NHKの潜水班が、メガロドン(昔はマーク5)を使っているのは有名な話だが(今でもそうなんだろうか)、供給元がセンチネルを導入したので、今後はそちらになるかもしれない。

(NHK報道資料:ネタは去年のです)
http://www.nhk.or.jp/pr/keiei/shiryou/soukyoku/2011/05/003.pdf

何人かのタレントが、リブリーザーを使用しているが、今後の普及には、イメージ作りも大切だ。

(鈴木麻里オフィシャルブログ)
http://beamie.jp/t/mari_suzuki.html

そうか!、浮沈子自身がタレントになればいいんだ!(冗談にも、程がある)。

さて、最後に浮沈子自身の話を少し。

中性浮力の悩みから解き放たれて、ようやくストレスなくダイビングができるようになったことは特筆すべき点である。

今年は海潜りこそ殆どできなかったが、プールでの練習は月に1回欠かさず続けてきたし、ほぼ固まったコンフィギュレーションの扱いにも慣れてきた。

普通に潜っている分には、CCRを意識することも殆どない。もちろん、ディスプレイや残圧の確認は頻繁に行ってはいるが、それが苦にならない。

これからは、それをベースにして、ダイビングそのものを発展させていきたい。その意味では、大切な区切りになった年でもある。

今年のダイビングは、これで終わり。明日からは、2013年のCCRダイビングということになる。

世界の、日本の、浮沈子のダイビングは、この先どんな展開になるのだろうか。