複雑2015年11月30日 20:07

複雑
複雑


有人宇宙飛行の契約と、軍事衛星の打ち上げの契約。

まあ、企業としては嬉しい限りなんだろうが、単なるファンから見ると、複雑な心境だな。

(SpaceXがNASAから有人飛行初受注。有人用ドラゴンとは?)
http://www.gizmodo.jp/2015/11/spacexnasa.html

「SpaceXがNASAから初めて有人飛行契約を受注し、2017年に彼らの宇宙船ドラゴンをファルコン9ロケットで打ち上げることになりました。」

「SpaceXは今年6月、ファルコン9の爆発による初のミッション失敗を経験し、ISS行きの食料や水、科学実験装置など、重量にして4000ポンド(約1.8トン)分を失っていました。」

うーん、我が国では考えられない懐の広さだな。

つーか、2年もあれば、改善は可能とみているんだろう。

無人機の打ち上げ実績を重ねて、人乗せて木っ端微塵に吹っ飛ぶのだけは勘弁してほしい。

この記事の中にも出てくるが、ユナイテッド・ローンチ・アライアンス(ULA)が、ロシア製のエンジンを調達できないことから、スペースXが空軍の契約を取りそうだという記事もある。

(SpaceX、米空軍から初受注へ)
http://www.gizmodo.jp/2015/11/spacex_airforce.html

「米国とロシアの間の緊張が高まっていることを受けて、ULAが使っているロシア製のRD-180エンジンの使用が制限されることになった」

「条件に対応した提案を申請できなかった」

「ULAが身を引くとなれば、SpaceXが空軍から受注することになるのはほぼ確実」

しかしなあ、軍事衛星を打ち上げるっていうのは、何となくイメージ的には暗いよなあ・・・。

まあいい。

宇宙ビジネスというのは、そういうものだ。

政府系の需要があってこその世界である。

スパイ衛星をバンバン打ち上げて稼いだ金で、民間の衛星を破格の値引きで打ち上げては、商用衛星の契約を取ったと騒いでいる会社もあるしなあ(どこお?)。

議会が共和党優勢から変わらない限り、ボーイングがロビー活動を行っても、ロシア製エンジンの輸入制限が解かれることはないだろう。

垂直着陸を成功させて気を吐く、ブルーオリジンのエンジン開発を待つしかない。

まあ、空軍の衛星打ち上げなんてしなくっても、ロッキードマーチンも、ボーイングも潰れることはない。

まあ、スペースXだって、捌き切れないほどの注文が殺到してるわけだしな。

そんな状況を、指を咥えて眺めているしかないのが我が国のロケットの実態だ。

カナダの衛星を取れたのは、試験飛行の2段目の実験に相乗りしただけで、ビジネスとして勝ち取ったわけではない。

メディアの記事をよく読むと、H3が出来るまでは、市場競争力はゼロだと書いてある(まあ、そうハッキリとは言わんでしょうが・・・)。

で、そのH3ができる頃には、スペースXは再利用ロケットの運用に成功していることだろう。

彼我の差は、益々開く一方だ。

中国も、ロシアも、次々と新しいロケットを開発しているし、ESAだって次世代ロケットの開発を進めている。

伏兵インドは、めっちゃ安上がりのロケットで対抗してくるに違いない。

もちろん、価格勝負だけではないだろうが、最後はそこで競うことになる。

電気推進衛星(全電化衛星)が一般化すれば、今回導入したほぼ静止軌道まで持ち上げる性能にしても、どれだけのアドバンテージになるかは微妙だ。

(呉作越舟)
http://kfujito2.asablo.jp/blog/2015/03/03/7583519

「(ファルコン9ロケット、初の「オール電化」衛星2機の同時打ち上げに成功)
http://www.sorae.jp/030807/5458.html

「この「オール電化衛星」の話は、このブログでも書いたことがある。
(全電気衛星)
http://kfujito2.asablo.jp/blog/2014/03/27/7255333
1年近く前の記事だが、ようやく上がったわけだ。」

いずれにしても、世界の中で一角を占めるというのは、並大抵ではない。

衛星打ち上げビジネスに参入するからには、最小限のコストで、最大のパフォーマンスを発揮しなければならない。

再利用ロケットが、どの程度物になるかは未知数だ。

スペースシャトルだって、再利用でコスト削減とか言いながら、結局割高になった経緯もある。

100分の1のコストが実現できたとしても、1回60億円から100億円している打ち上げコストを、航空機並みに減らすことにはならない。

1000分の1から、1万分の1以下にしなければ、宇宙旅行なんて酔狂な話はできっこないのだ。

再利用だけでは、そんなことは無理だ。

もっと、効率的に、コストを激減させる方策が必要である。

いっそのこと、高度100km位のビルを建ててしまうというのはどうか?(工学的に可能なのかあ?)。

高速のエレベーターで、最上階に上がると、そこは宇宙空間ということになる。

なんなら、そこからバンジージャンプしてもいい!。

で、高度50km位で、宙ぶらりんになるわけだ(高血圧の方には、無理だな)。

なんか、そのくらいの発想がないと、庶民が宇宙に行くなんてのは夢のまた夢である。

軍事衛星とISSへの送り迎えだけじゃあ、夢が無さ過ぎる(NASA過ぎる?)・・・。

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