全電気衛星 ― 2014年03月27日 13:54
全電気衛星
気になる記事を見つけた。
(ボーイング、世界初の全電気式衛星「702SP」の進捗状況…「製造は順調」)
http://response.jp/article/2014/03/27/219956.html
(ボーイング、 世界初の全電気式衛星のデリバリーに向けて進捗
ABS社とユーテルサット社向け702SP小型衛星の主要構造組み立てを完了:元記事)
http://www.boeing.jp/%E3%83%8B%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%82%B9/%E3%83%95%E3%83%AC%E3%82%B9%E3%83%AA%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%82%B9/2014/3%E6%9C%88/%E4%B8%96%E7%95%8C%E5%88%9D%E3%81%AE%E5%85%A8%E9%9B%BB%E6%B0%97%E5%BC%8F%E8%A1%9B%E6%98%9F%E3%81%AE%E3%83%86%E3%83%AA%E3%83%8F%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%81%AB%E5%90%91%E3%81%91%E3%81%A6%E9%80%B2%E6%8D%97
なんか、元記事をコピペしたんじゃないかという手抜き記事だな。
少しはましな解説がある記事を見つけた。
(2012-05-16 ボーイングに立ち向かの欧州 電気推進開発バトル)
http://www.spaceref.co.jp/news/4Thur/2012_05_16sat.html
「軌道市保持のための電気推進はすでに多くの衛星に搭載されているが、軌道投入用の推進に電気推進を使用するのは初めてである。」
「電気推進技術は化学推進よりも設計が複雑であり、最大の欠点は静止軌道に到達するまでに半年間も必要となることであると、その欠点を指摘している。しかし、この欠点は打ち上げコストの低減で十分相殺されるとしている。」
「ボーイングは1650kgのヒドラジンの代わりに150kgのキセノンを使用する。衛星コストは大体100億円、打ち上げ時質量はほぼ2トンとなる。」
キセノンを反動質量として用いるということで、コンベンショナルなイオンエンジンと思われるが、詳細は不明だ。
(イオンエンジン)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A4%E3%82%AA%E3%83%B3%E3%82%A8%E3%83%B3%E3%82%B8%E3%83%B3
従来から、イオンエンジンを静止衛星などの姿勢制御や高度維持に使用するということはあったというが、軌道投入用の推進に電気推進を使用するところがキモな訳だ。
1650kgの推進燃料が、150kgで済むという美味しい技術である。
最大の欠点は静止軌道に到達するまでに半年間も必要となるが、打ち上げコストの低減によるメリットの方が上回ると踏んでいるのだろう。
ローンチシステムは、スペースXのファルコン9が使用される見込みだ。
(Boeing 702:702SP)
http://en.wikipedia.org/wiki/Boeing_702#702SP
(Boeing 702 Fleet)
http://www.apcon.aero/news/boeing702.pdf
いち早く商業化に漕ぎ着けたというところが凄いところだ。
衛星ビジネスにおけるボーイングのアドバンテージは、ぐっと上がったな。
イオンエンジンといえば、我々日本人が想起するのは、「はやぶさ」と相場が決まっている。
「はやぶさ (MUSES-C) (ISAS/JAXA)
工学実験探査機。主推進器として、イオン源・中和器共にマイクロ波放電式を採用した8mN級イオンエンジンμ10を4機搭載。小惑星 (1998SF36) イトカワに到達。2003年(平成15年)5月9日打ち上げ。2010年(平成22年)6月13日地球に帰還。」
満身創痍の中、7年もの歳月をかけて帰還したストーリーに、心を動かされる。
耐熱カプセルを放出した後、流星となって燃え尽きる姿は悲壮感に溢れ、その美しさに息を呑むほどだった。
(はやぶさ (探査機):大気圏再突入:動画あります)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%AF%E3%82%84%E3%81%B6%E3%81%95_(%E6%8E%A2%E6%9F%BB%E6%A9%9F)#.E5.A4.A7.E6.B0.97.E5.9C.8F.E5.86.8D.E7.AA.81.E5.85.A5
用が済んだら燃え尽きちゃうという、サラリーマンの悲哀を感じるところもあるんだが・・・。
まあいい。
イオンエンジンだけではなく、プラズマ推進などさまざまなタイプの電気推進が模索されているようだが、基本的には反動物質を加速して、その反作用で進むというロケットの基本に忠実な仕掛けだ。
化学推進に比べて推力は小さいが、比推力は大きい(効率が高い)という基本的な特徴に変わりはない。
イカロスなどが用いた太陽帆とは、原理的に全く異なる。
マレーシア機が墜ちたといわれるインド洋も広大だが、人類が到達可能といわれる太陽系の地球近傍だけでも、その広大さは桁違いだ。
安上がりの衛星をバンバン上げて、高速モバイル通信を安価に実現していただけるとありがたいんだが、衛星に限っては屋内の受信が出来ないというのが玉に瑕であるな。
通信事業者のバックボーン構築コストが減るということくらいか。
気になる記事を見つけた。
(ボーイング、世界初の全電気式衛星「702SP」の進捗状況…「製造は順調」)
http://response.jp/article/2014/03/27/219956.html
(ボーイング、 世界初の全電気式衛星のデリバリーに向けて進捗
ABS社とユーテルサット社向け702SP小型衛星の主要構造組み立てを完了:元記事)
http://www.boeing.jp/%E3%83%8B%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%82%B9/%E3%83%95%E3%83%AC%E3%82%B9%E3%83%AA%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%82%B9/2014/3%E6%9C%88/%E4%B8%96%E7%95%8C%E5%88%9D%E3%81%AE%E5%85%A8%E9%9B%BB%E6%B0%97%E5%BC%8F%E8%A1%9B%E6%98%9F%E3%81%AE%E3%83%86%E3%83%AA%E3%83%8F%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%81%AB%E5%90%91%E3%81%91%E3%81%A6%E9%80%B2%E6%8D%97
なんか、元記事をコピペしたんじゃないかという手抜き記事だな。
少しはましな解説がある記事を見つけた。
(2012-05-16 ボーイングに立ち向かの欧州 電気推進開発バトル)
http://www.spaceref.co.jp/news/4Thur/2012_05_16sat.html
「軌道市保持のための電気推進はすでに多くの衛星に搭載されているが、軌道投入用の推進に電気推進を使用するのは初めてである。」
「電気推進技術は化学推進よりも設計が複雑であり、最大の欠点は静止軌道に到達するまでに半年間も必要となることであると、その欠点を指摘している。しかし、この欠点は打ち上げコストの低減で十分相殺されるとしている。」
「ボーイングは1650kgのヒドラジンの代わりに150kgのキセノンを使用する。衛星コストは大体100億円、打ち上げ時質量はほぼ2トンとなる。」
キセノンを反動質量として用いるということで、コンベンショナルなイオンエンジンと思われるが、詳細は不明だ。
(イオンエンジン)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A4%E3%82%AA%E3%83%B3%E3%82%A8%E3%83%B3%E3%82%B8%E3%83%B3
従来から、イオンエンジンを静止衛星などの姿勢制御や高度維持に使用するということはあったというが、軌道投入用の推進に電気推進を使用するところがキモな訳だ。
1650kgの推進燃料が、150kgで済むという美味しい技術である。
最大の欠点は静止軌道に到達するまでに半年間も必要となるが、打ち上げコストの低減によるメリットの方が上回ると踏んでいるのだろう。
ローンチシステムは、スペースXのファルコン9が使用される見込みだ。
(Boeing 702:702SP)
http://en.wikipedia.org/wiki/Boeing_702#702SP
(Boeing 702 Fleet)
http://www.apcon.aero/news/boeing702.pdf
いち早く商業化に漕ぎ着けたというところが凄いところだ。
衛星ビジネスにおけるボーイングのアドバンテージは、ぐっと上がったな。
イオンエンジンといえば、我々日本人が想起するのは、「はやぶさ」と相場が決まっている。
「はやぶさ (MUSES-C) (ISAS/JAXA)
工学実験探査機。主推進器として、イオン源・中和器共にマイクロ波放電式を採用した8mN級イオンエンジンμ10を4機搭載。小惑星 (1998SF36) イトカワに到達。2003年(平成15年)5月9日打ち上げ。2010年(平成22年)6月13日地球に帰還。」
満身創痍の中、7年もの歳月をかけて帰還したストーリーに、心を動かされる。
耐熱カプセルを放出した後、流星となって燃え尽きる姿は悲壮感に溢れ、その美しさに息を呑むほどだった。
(はやぶさ (探査機):大気圏再突入:動画あります)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%AF%E3%82%84%E3%81%B6%E3%81%95_(%E6%8E%A2%E6%9F%BB%E6%A9%9F)#.E5.A4.A7.E6.B0.97.E5.9C.8F.E5.86.8D.E7.AA.81.E5.85.A5
用が済んだら燃え尽きちゃうという、サラリーマンの悲哀を感じるところもあるんだが・・・。
まあいい。
イオンエンジンだけではなく、プラズマ推進などさまざまなタイプの電気推進が模索されているようだが、基本的には反動物質を加速して、その反作用で進むというロケットの基本に忠実な仕掛けだ。
化学推進に比べて推力は小さいが、比推力は大きい(効率が高い)という基本的な特徴に変わりはない。
イカロスなどが用いた太陽帆とは、原理的に全く異なる。
マレーシア機が墜ちたといわれるインド洋も広大だが、人類が到達可能といわれる太陽系の地球近傍だけでも、その広大さは桁違いだ。
安上がりの衛星をバンバン上げて、高速モバイル通信を安価に実現していただけるとありがたいんだが、衛星に限っては屋内の受信が出来ないというのが玉に瑕であるな。
通信事業者のバックボーン構築コストが減るということくらいか。
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