🚀月面電波望遠鏡:500年後の世界2024年09月26日 00:39

月面電波望遠鏡:500年後の世界


(月面を巨大電波望遠鏡にする「FarView」プロジェクトの展望とは?)
https://gigazine.net/news/20240925-telescope-moon/

どーせ、大した記事じゃないんだろうと思って読んだんだが、NASAの研究者は稀有壮大なことを考えている。

「「FarView」は、約200平方キロメートルの月面に設置された10万基のダイポールアンテナで構成される電波望遠鏡アレイです。」

「FarViewは地球外での採鉱と製造という2つの野心的な技術、いわゆる「現地資源利用(in-situ resources utilization/I.S.R.U.)」と呼ばれる分野のテクノロジーの実証試験としての側面も持っています。」

「単独の電波望遠鏡建造計画にとどまらず、将来のさらに大規模な宇宙開発の足がかりとしても期待されています。」

「人類が世界一周を成し遂げた16世紀を思い浮かべてみて下さい。当時の人に『2000年ごろの世界はどうなっているでしょうか?』と尋ねても誰も現代のようなレベルの発展を想像できなかったことでしょう。私たちはまさに、そのような未来への扉を開こうとしているのです」(FarViewの主任研究員で、NASAのゴダード宇宙飛行センターの元主任技術者であるロナルド・ポリダン氏)

(マゼラン隊が世界一周航海に出発した日)
https://blog.canpan.info/funenokagakukan/archive/75

「今から500年ほど前の1519年9月20日、スペインの援助を受けたポルトガル人航海者フェルディナンド・マゼランは、アジアへの開拓を目指すため、5隻の船を率いてスペイン南部のサンルカ港から西回りで世界一周の航海に出航」

「その後、1521年3月6日にマリアナ諸島を発見し、グアム島を経てフィリピンに到着」

だが、マゼランは現地で殺されちまう。

「マゼランの死後、部下のエルカーノが指揮を引き継ぎ、残った船1隻「ヴィクトリア号」で航海を続け、1522年9月22日にスペイン・サンルカに帰港」

世界一周に、丸3年かかっている。

今日、ISSの乗員は、およそ1時間半で地球を一周している。

まあ、直接の比較はできないが、当時の人々が想像することは不可能だったろう。

ちなみに、マゼランより少し前(1492年)にアメリカ大陸(実際には周辺の島:サンサルバドル島)を発見したコロンブスまでは、ヨーロッパ人にとっては海(大西洋)の果ては巨大な滝になっていて、闇に落ち込んでいると思われていたらしいからな(未確認)。

まあ、どうでもいいんですが。

月面に巨大な電波望遠鏡を構築するというのは、与太話にしか聞こえないけど、500年も経てば当たり前になっているかもしれないし、もう、遥か昔のことになっている可能性もある。

現地調達(I.S.R.U.)の技術が洗練されてくれば、わざわざ人間が現地に行く必要はなく、ロボットに任せていくらでもできるという寸法だ。

電波望遠鏡に限った話なら、太陽系内に作る必要もない。

が、まあ、材料の調達や、設置する地べたが必要だからな。

ある程度の重力天体である必要がある。

月面が適当かどうかは知らない。

月なんて、500年も経たないうちに開発されつくしちまうだろうから、もっと離れたところの方がいいだろう(既に、月を周回する通信衛星のネットワークの話まである:<以下追加>参照)。

浮沈子的おススメはケレスだ。

(ケレス (準惑星))
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B1%E3%83%AC%E3%82%B9_(%E6%BA%96%E6%83%91%E6%98%9F)

「直径は945 kmと、メインベルト最大の天体である。」

最近、小惑星から準惑星に格上げ(?)になったようだが、本質的な影響はない。

ここなら、500年くらいは安泰だろう(そうなのかあ?)。

「ケレスは小惑星帯の中で自身の重力で形状が丸くなっていることが知られている唯一の天体である」

「2014年1月には、ケレスの表面のいくつかの地点から水蒸気が放出されていることが検出されている」

あんま、いい環境ではないかも知れない。

また、材料調達の点からも、他の小惑星から資源を持ってこなければならないというネガはある(ケレスの表面には金属含有の岩石が少ないだろう)。

まあいい。

(第2世代のStarlink衛星は第1世代の32倍もの電波を放射しており電波望遠鏡による天体観測を台無しにしてしまう可能性)
https://gigazine.net/news/20240920-starlink-satellites-leak-excess-radiation/

電波天文学は今後、地上ではなく宇宙から観測することを余儀なくされるかもしれない。

「人類は明らかに、地球から宇宙を探索する『窓』としての空を守るため、行動を起こさなければならない変曲点に近づいています。」(SKA天文台のフェデリコ・ブルーノ氏)

その行動は、衛星からの電波を抑制するのではなく、観測窓自体を取っ払って、宇宙からの観測に切り替えることかもしれない。

宇宙を探索するのは宇宙から。

500年後には、それが「当たり前」になっているかも知れないな・・・。

<以下追加>ーーーーーーーーーー

(NASA、月面通信およびナビゲーションサービスにIntuitive Machinesを選択)
https://spacenews.com/nasa-selects-intuitive-machines-for-lunar-communications-and-navigation-services/

「インテュイティブ・マシーンズは、アルテミス月面探査キャンペーンを支援するため、月面での通信およびナビゲーションサービスを提供する最大48億ドルのNASA契約を獲得」

「・・・ルナ・パスファインダー宇宙船を製造しているサリー・サテライト・テクノロジー・リミテッド(SSTL)がある。この宇宙船は、NASAの商業月面ペイロードサービスプログラムの一環であるファイアフライ・エアロスペースの2回目の月面着陸ミッションで2026年に月へ飛行する予定」

「月面経済には複数のシステムが必要になるだろう」(SSTLの創設者で会長のマーティン・スウィーティング卿)

「将来、確実にしなければならないのは相互運用性だ」(同上)

うーん、月軌道は既に複数の衛星コンステレーションの展開が想定されている。

NASAの月面電波望遠鏡は、構築される以前から観測障害(電波妨害)を考慮しなければならないわけだ(そうなのかあ?)。

火星は、既にスペースX社が火星版スターリンクを展開することが決まってるしな。

(イーロン・マスクが描くStarLinkの未来「火星にインターネットをつなぐ」の現実味)
https://www.appbank.net/2021/11/12/technology/2151980.php

「StarLinkのサービスの利用契約書にも「火星での紛争はそこで制定された法律を使って解決する」と書かれています。」

ホントかあ?(未確認)。

「新しいルーターに刻まれているロゴは、地球から火星への軌道変換楕円(人工衛星の軌道)であると説明し、StarLinkが火星へも展開することを暗に示唆しています。」

まあいい。

もちろん、宇宙に展開される観測装置からのデータは、何らかの通信手段を介して地球に送らなければならないから、それが必要であることは確かだ。

それが電波であれば、電波望遠鏡と少なからず干渉することは避けられない。

大気で減衰する心配がなければ、レーザー通信がお勧めだ。

月面では、将来的にはアップリンクやダウンリンクもレーザー通信になるかもしれないな(未確認)。

それでも、衛星の補足や追尾には電波を使うだろうから、完全にレーザーだけでの運用は難しいに違いない(未調査)。

悩ましいところだ。

ダイポールアンテナを無数に展開したアレイで検出するのは、長波長の電磁波だから、それと干渉しない波長は問題ないかもしれない。

今はまだ、月を周回するスペースデブリの話は問題になっていないけど、将来的にはそれも考慮する必要があるだろうし、光学観測装置(月面望遠鏡)が設置されるようになれば、衛星そのものの反射についても、地球低軌道と同様にノイズになる恐れがあるからな。

やれやれ・・・。

鶏が先か卵が先か(ちょっと違うような・・・)。

観測装置と衛星ノイズのいたちごっこは、500年先でも続いているに違いない・・・。

<さらに追加>ーーーーーーーーーー

(はるか (人工衛星))
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%AF%E3%82%8B%E3%81%8B_(%E4%BA%BA%E5%B7%A5%E8%A1%9B%E6%98%9F)

「宇宙科学研究所(現宇宙航空研究開発機構宇宙科学研究所)が打ち上げた電波天文衛星」

「光学系はカセグレン式を採用し、主鏡の最大径は10m(有効径8m)、主鏡から3.4mの高さに副鏡が取り付けられている。主鏡の反射面は金メッキされたモリブデンのワイヤーメッシュでできている」

「観測は1.6GHz、5GHz、22GHzの3つの周波数帯で可能である。またVLBIを実施する機器を有し、地球上の電波望遠鏡と連携して世界初のスペースVLBI観測(VSOP計画)を実施」

ノイズとなっている低軌道衛星に観測アンテナを付け、逆転の発想で電波天文衛星を作ってしまうことはできないかと考えて調べたんだが、単発ではあるけど我が国でも実績があった。

(VSOP計画:VLBI Space Observatory Programme)
https://ja.wikipedia.org/wiki/VSOP%E8%A8%88%E7%94%BB

「宇宙科学研究所(現宇宙航空研究開発機構)・国立天文台で研究・開発・運用が行われたスペースVLBI計画である。」

「VSOP」の名称は計画の中心人物であった森本雅樹が酒を好んでいたことに由来する」(VSOP:very superior old pale (とても優れた古い澄んだブランデー)。20 - 30年熟成させたもの:それをもじって、名付けたらしい。)

まあ、そこはどうでもいいんですが。

後継の計画は中止された。

スペースVLBIは、高い周波数(=短い波長)での観測を目指したものだが、ダイポールアンテナを使うような長波長の場合は、低軌道衛星群を使うことも可能なのではないか(未確認)。

スターリンクにダイポールアンテナを付けることを義務付けるようにすれば、一石二鳥な気がするんだがな。

もっとも、電波の指向性の問題があるから、そう単純にはいかないだろうし、球面に配置されたアンテナで有効なアレイが構成できるかどうかは分からない。

この件、何か分かったらまた書く。

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