予定によれば2012年01月02日 09:53

サイドマウントのダイバー
サイドマウントのダイバー


明日(1月2日)は10時から、ということになった。さらに、5日の沈船に続いて、6日はジンベイザメツアーがほぼ決まり(7日に変更の可能性あり)。

しかし、片道4時間と言えば、セブから日本までの時間である。

ショエーッ!。

往復で8時間・・・。ジンベイザメにご挨拶するのって、そんなに有難いことなんだろうか?。

で、8日早朝帰国の途に付く。

早いなあ。あっという間のバカンスだ。せめて1か月くらいは欲しい・・・。そうも言ってられないので、有効に使おう!。

少なくとも、あと3日間はのんびりダイビングできるわけだ。

その間に、安全停止のホバリングくらいはできるようになっておこう。

さて、今回のダイビングツアーの全貌が明らかになったところで、写真のサイドマウントのダイバーについて。

イントラなのだが、去年くらいからサイドマウントにご執心である。

別に、穴に潜ったりするわけじゃないから普通の時は、背負式でいいと思うんだけれど、なぜかサイドマウントにこだわる。

何がいいんだか、浅学非才な私にはさっぱり分からない。

ひとつには、バルブの操作がやりやすいということはあるかもしれない。しかし、シングルタンクじゃ意味ないじゃん?。

もう一つは、ローカルにタンクだけ運ばせるのに都合がいい、というのがある。これは納得でしょう!。

でも、それならBCから何から全部運んでもらえば?。

PADIの会報には、サイドマウントのコースが開催されるという記事が出ている(英語版)。世界では、サイドマウントが流行の兆しを見せているわけだ。

だーかーらー、ねっ、結局、流行りものに過ぎないんじゃない?。

しょっちゅう、ケーブ行ったりレックにペネトレーションするならいざ知らず、CCRダイバーの講習でサイドマウントで決めてみても、様にならない・・・。

まあ、一つのチャレンジではあるだろうし、ダブルタンクになれば、可搬性やら、隘路通過やら、バルブ操作やらのメリットは出てくるに違いない。

レックのペネトレーションにしても、メリットがある。タンク、すぐはずして、前に出したり、そもそも肩幅以内に収まっていれば、そのまま通過出来てしまったりするからだ。

ネットを見ると、CCRをサイドマウントしてしまったダイバーもいる。本体と酸素を片側にセットし、ディリュエントは反対に振り分けている。

まあ、これはこれでアリかな、と思うのだが、ベイルアウト用のシリンダーはどうするか、という問題が残る・・・。

足の間か・・・!?。

もっと早く、このコンフギュレーションが普及すれば、「サンクタム」でセンチネルのホースが破れて溺死してしまったおばさんダイバーは、死なずに済んだかもしれない。

まあ、その時はVRテクノロジーは撮影に器材を提供することもなかったろうし・・・。

まっ、どっちでもいいんですけど。

で、サイドマウントはシングルタンクのレクリエーショナルダイビングでも普及するのか、という命題については、300気圧対応の高圧タンクの普及が鍵でしょう。

7リットル位の細身のシリンダーをサイドマウントにして、BCは背中にちょこんと付いている。これで、ビーチエントリーしたら目立つよなあ。

でも、皆んながこんなこと始めたら、ダイバーのイメージもずいぶん変わるかもしれない。

私としては、サイドマウントなんかより、CCRが流行ってくれたほうがいいんですけど。

初減圧ダイブ2012年01月02日 15:59

初減圧ダイブ
初減圧ダイブ


1年ぶりの減圧ダイビングである。

44メートル15分で浮上開始、トータル41分のダイビングとなった。水温は、さすがに摂氏28.1度。でも、あったかいよなあ。

最近では無減圧ダイビングといっても、ほぼ100パーセント安全停止という名のもとに、シャローウォーターデコンプレッションを行なっており、また、ガイドさんによっては、ディープストップ(スントのダイコンとかに入っているプログラムで出てくる)と称して、ディープウォーターデコンプレッションを行うこともあり、厳密には「無減圧」ではない。

そもそも、無減圧で浮上しても減圧症にならない(なりにくい)から、無減圧というのだから、減圧しても「無減圧」だと言い張ることも可能だ(逆は、さすがにない・・・)。

人間の体の中では、浮上の際に無数のマイクロバブルが発生している。そのマイクロバブルが大きくなったりしなければ、とりあえず減圧症にはならないといわれている。長期にわたる弊害についてはよくわからないが、体にとっていいことはないだろう。

純酸素で6メートルまでのダイビングとかなら、減圧症についてあまり考えなくてもいいが、不活性ガスを混合した「空気」とか、ナイトロックスとか、トライミックス、ヘリオックスなどを、深いところでかぱかぱ吸うと、体内に窒素ガスやヘリウムガスが取り込まれて悪さをする。減圧症だけじゃなくて、窒素酔い、ヘリウム酔い(150メートル位で出る、不活性ガス昏睡)などもある。

じゃあ、酸素だけで潜りゃあいいじゃん!、というわけにはいかんのよ。高圧で酸素を吸った場合、酸素中毒というおっそろしい症状が出て、痙攣したり意識を失ったりする。まあ、地上だったらどうってことないかもしれないけど、水中だったら命取りである。

だから、ダイビングは難しい。その時に応じた適切なガスを吸わなければいけない。

普通は、空気よりも酸素の割合を少し高くした窒素との混合ガスを吸う。どこかの国では、未だに普通の空気を吸わせているらしいが・・・。

酸素中毒にならないように、運用深度に制限があるが、巷で混合してくれるナイトロックスは、レクリエーショナルダイビングの推奨深度である18メートルでは影響ない。

ちゃんと、講習を受けてからでないと、ナイトロックスは吸わせてもらえない。ダイバーになったら、アドバンス取る前に、ナイトロックスとりましょう!(宣伝)。でも、日本じゃ合法的に水中で吸うことはできませんからね。あくまでも、自己責任です(だからこそ、しっかり講習を受ける必要があるわけです)。

で、深く潜ったり、長い時間潜ったりするときは、ガスの種類を途中で変える。水中で酸素が濃い(分圧が高い)ガスを吸って、体の中の不活性ガスを追い出したりもするわけです。だから、本当は空気なんか吸っていて、ちょこっと止まっていたからといって、効果的な減圧になっているかどうかは、科学的には疑問ですな。

でも、しないよりはいいかも。

今日のCCRでの減圧ダイビングは、19メートルで6分間というのが最大であった。減圧深度と時間は、動的に変化するので、その天井(シーリング)と時間を守らないといけない。ゆっくり時間をかけて浮上しているので、余裕でクリアしている。本当は、天井ギリギリで浮上をコントロールするのが効果的なのだが、そこまでシビアな調整はまだできない。

29分位のところで、シーリングがゼロになる。浮上しても良い状況になったということだ。だからといって、あわてて急速な浮上をしてはいけない。まったりと斜面を上がりながら、十分な時間をかけて徐々に浮上する。

これが、CCRにとってはつらいところなのだが、泣き言は言えない。ようやく、エキジットして、2012年の初の減圧ダイビングは終わった。

水中ナイトロックス製造機であるCCRでも、ちょっと深くにちょっと潜っただけで減圧ダイビングになってしまう。

深度と浮上速度(時間も)をしっかり管理することができれば、普通のダイビングである。これって、でもやっぱり、テクニカルダイビングなんだろうなあ・・・。

前半終了2012年01月02日 20:31

水中から見上げたダイバー
水中から見上げたダイバー


バカンス(勝手にそう呼んでいる。1か月以上でないと、概ね言わないらしい)も、半分が過ぎてしまった。

この間に、ほぼ1年ぶりの海ダイブを果たし、深度を上げ(下げ?)、減圧ダイビングまでこなしたのだから、よしとしなければならない。

いやいや、そもそもバカンスとは「何もしない」というのが、語源であるということらしいので、こんなに一生懸命何かをやってはいけないのだ。

悲しい、奴隷の性である。

今日のダイビングでは、少し耳抜きに難があった。鼻が詰まり気味である。部屋の冷房が効きすぎているのかもしれない。

明日のダイビングは、9時から始めると告げられた。ゆっくり静養して、栄養をつけよう(つまり、食っちゃ寝ですか)。

遊びに来て体調を崩してしまっては何にもならない。疲れが出てきたのかな?。

明日からは、後半だ。沈船やジンベイザメなど、ハードなスケジュールもある。ジンベイは、6日に決定した(これで、7日にのんびりできる。体調を整えておかなければ・・・。

海に立つ虹2012年01月02日 20:34

海に立つ虹
海に立つ虹


元日の夕方に写した写真を掲載する。

こちら(セブ)では珍しくないのか、誰も見ていない。大騒ぎしてアイポッドタッチ4Gを引っ張り出したりして写真を撮ったのは私だけ・・・。

今年こそ、良い年でありますように。

等圧相互拡散?2012年01月03日 01:55

ガンガゼ、見っけ!
ガンガゼ、見っけ!


ICD(Isobaric counterdiffusion)といっても、日本語のページは一切ない(見つけられないだけかも)。けっこう古くから知られている現象(1973年)で、ディープダイビングでは、窒素ガスとヘリウムガスの拡散速度の違いによって、ガス交換のタイミングを誤ると、Ⅲ型減圧症(どうも、耳の奥がやられてめまいなどの症状が出るらしい。これも、日本語の正確な記述は見当たらない)の原因になるといわれている。

counterdiffusionを、相互拡散と直訳しているが、正確な訳語かどうか、確認すらできない。英語のページだと、ちょろっと調べるとぞろぞろ出てくる。

(ウィキペディア)
http://en.wikipedia.org/wiki/Isobaric_counterdiffusion

(アドバンスド・ダイバー・マガジン)
http://www.advanceddivermagazine.com/articles/icd/icd.html

(DANヨーロッパ)
http://www.daneurope.org/web/guest/readarticle?p_p_id=web_content_reading&p_p_lifecycle=0&p_p_mode=view&p_r_p_-1523133153_groupId=10103&p_r_p_-1523133153_articleId=16528&p_r_p_-1523133153_articleVersion=1.0&p_r_p_-1523133153_articleType=General+Web+Content&p_r_p_-1523133153_commaCategories=&p_r_p_-1523133153_commaTags=answers&p_r_p_-1523133153_templateId=GENERIC_TEMPLATE_NO_IMG

(原論文:1973年発表)
http://diverclub.ru/File/Lambertsen_science_1973.pdf

http://diverclub.ru/File/vertigo_lambertsen_1973.pdf

暇な人は、よく読んでください。

で、要約すると、同じ深度でも拡散速度が速いガスに交換した場合、それだけで減圧症になってしまうということらしい。だから、たっぷり窒素を取り込んだ状態でヘリウムを吸ってはいかん!、というのはよくわかる。ヘリウムの方が拡散速度は速いからだ。

そもそも、トライミックスからナイトロックスへの切り替えは行うが、逆ってないでしょ?。

しかし、どうやら事はそう単純ではないようだ。

ヘリウムガスからナイトロックスへの切り替えの際も、注意を要する。

Inner Ear Decompression Sickness (IEDCS) という症状があって(これがⅢ型らしい)、ヘリオックスとかトライミックスでヘリウムをたっぷり溜め込んでから、ナイトロックスに切り替えるときにも、不活性ガスの過飽和が一時的に起こり、内耳に障害を与えるというのだ。

(原論文:2003年発表)
http://jap.physiology.org/content/94/6/2145.long

それは、どうやら窒素の溶解性がヘリウムよりも4.5倍高く、このために不活性ガスの過飽和が起こることによるとされている。

(そのページ)
http://www.scubaengineer.com/isobaric_counter_diffusion.htm

どーすりゃええんじゃい!。

Steve Burtonによれば、5分の1ルールを適用せい!、ということらしい。オープンサーキットの場合、中くらいの濃さのナイトロックスを持っていく必要があることになる。

CCRの場合は、分圧の調整になるのか?。

実際の運用については、もう少し調べてみる必要がありそうだ。

ちなみに、酸素環境による再加圧(つまり、高圧酸素療法)は、このⅢ型減圧症に有効だそうだ。

また、「APD Projection - DivePlanner and DiveStore」に入っている、ダイブプランナーという減圧ソフトには、Isobaric Counter Diffusion Warningsの機能が付いている(宣伝)。

(APD Projection - DivePlanner and DiveStore)
http://www.apdivingdirect.com/int/catalog/product_info.php?products_id=348

フリーの減圧ソフトのVプランナーにも、Warning levels & colorsの項に、IBCD (Isobaric counter diffusion) levelsとして、載っている。

(V-Planner)
http://www.hhssoftware.com/v-planner/faqhelp.html#warning

その一方で、こんなページもあった。

(HLPlannerのFAQ)
http://www.hlplanner.com/faq.htm#f5

古くから知られていながら、新しい知見が加えられ、より安全なダイビングを行うための知恵と工夫が生み出されていくICD対策なのだが、昔のテクニカルダイビングのマニュアルや、古くからのテクニカルダイバーの間では、あまりお目にかかったり話題にならない。

これからも、目が離せない話題だ。