爪の垢2013年01月30日 20:14

爪の垢
爪の垢


ぬけぬけと、よくぞ言ったものだ。

(国交省航空局、B787のトラブル原因究明前にも再発防止策とる方針)
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYE90T04120130130

「国土交通省航空局の高野滋・航空事業安全室長は「今運航停止している787を飛行に戻すことを考えるのが、われわれと米連邦航空局(FAA)の緊急のミッション」と語った。」とある。

(航空局の役割)
http://www.mlit.go.jp/koku/15_bf_000715.html

<以下、引用>
航空輸送の果たす役割

1.国際交流の拡大、観光立国の推進
国際ネットワークの拡充とサービス向上により、我が国を訪れる外国人旅行者を倍増、観光立国を推進。これらによる地域経済への波及効果によって地域経済の活性化を促進。

2.地域間交流の拡大、地域の活性化
国内ネットワークの拡充とサービス向上により、航空輸送が国民の足として定着し、都市と地方の交流、地域間交流を拡大、国内観光を振興。これらによる地域経済への波及効果によって地域経済の活性化を促進。

3.都市の再生
ボーダレス化が進展し、都市間の国際競争が激化する中、航空輸送は、都市の国際競争力強化のための戦略的基盤。

4.我が国の経済社会の活性化・国際競争力の向上
航空輸送は、地域間交流の拡大、国際交流の拡大、都市の再生等を促進し、我が国の経済社会を活性化、国際競争力を向上。

今後もその役割が増大する航空輸送全般について、航空局は、適切に対応してまいります。

<引用、ここまで>

この役所は、飛行機を飛ばすことを推進する役所で、安全を第一に消費者に成り代わって規制権限を行使するところではないのだ。

「安全」なんて、一言も書いていない。

そんな役所のエライ人が、「原因究明は後回しにして、とにかく早くB787を飛行させなきゃ」と、そればっかりで頭がいっぱいなのだ。

そればかりか、FAAの役割も同じだと、他国の行政機関のことまで解説している。

冗談じゃあない!。

しかし、ここまでハッキリ言われると、かえってその言葉の真実性が光って見える。開き直りというか、職務に忠実と言うか、公務員の鏡ですなあ!。

電池の専門家がいないので、自分たちでは判断できないのだろうが、判断できないから安全ということには、絶対ならないだろう。FAA頼みの弱小部局の悲哀も感じられる(今回の担当者は、たった5人だそうだ)。

そんな信じられないニュースが流れている中で、気になる話がある。

(ラフード米運輸長官、退任を表明)
http://jp.reuters.com/article/marketsNews/idJPJT828085220130129

この人、電池の安全が1000パーセント確認されるまで、B787の飛行を許可しないと言っていた人だ。

辞めるってことは、もう、そんな話はチャラになって、50パーセント位安全なら、許可しちゃえ!、ってことになるのかあ?。

(ANAのB787、昨年バッテリー10個交換の事実)
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYE90T02420130130?rpc=188

「787型機のバッテリートラブルが今月起きる以前に、同機のリチウムイオン電池10個を交換していたことを明らかにした。点検の結果、安全性に影響のある不具合は見つからなかったと判断し、当局には報告しなかったという。」とある。

メーカーには、きっと報告しているに違いない。

これだけ頻発するのは、電池の不良だけでは説明がつかないだろう。それを、電池の交換を繰り返して対応していたこと自体が問題なのに、ロイターはまたしてもバッテリーメーカーにコメントを求めるという、アホ丸出しの取材姿勢である。

ユアサも、「うちのせいじゃない!」って、ハッキリ言ってやりゃあいいじゃん!?。

なんで、ANAの整備責任者に取材しないの?。

まあ、応じてくれるとは思わないけど・・・。

(ボーイングから787型機生産計画変更の連絡はない=三菱重幹部)
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYE90S06620130129?rpc=188

「同機の生産に対して懸念しているものはない」と語る三菱重工業の鯨井洋一代表取締役常務執行役員は、ボーイング(あるいは当局)から何がしかの情報を得ているに違いない。

(誰かがウソをついている)
http://kfujito2.asablo.jp/blog/2013/01/25/6701461

「ノルウェー・エアシャトルのCEOが、どんな話を聞いたのかは知らないが、「ボーイングにはバッテリー問題を解決するプランがあり、当社への引き渡し前に解決するのは確実だ」と言わせるマジックの種明かし」が、原因究明と対策を切り離すことで当局と手打ちをするシナリオが決まっているから、なんて話だったら、ナンセンスもいいところだ。

行政当局には、各方面から相当な圧力がかかっていると見ていい。

(フランシス・ケルシー)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%82%B7%E3%82%B9%E3%83%BB%E3%82%B1%E3%83%AB%E3%82%B7%E3%83%BC

すいません、爪の垢ください!。

もし、彼らの誰かがこの話を知っているとしたら(たぶん、知らない人はいないと思うが)、自分たちが、何を守る立場にいるかを、今一度思い出して欲しいものだ。

まあ、業界の発展を促進する立場なので、期待する方が間違っているとは思うけど。

日本には、飛行機の搭乗者を守ってくれる役所って、ないんだろうな。乗客は、金儲けを目的とする航空会社が、必要悪としか思っていない航空機に乗せられて、墜落して死んじまうしか手が無いっていうわけだ(「緊急のミッション」だってさ!)。

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