スピード322014年11月06日 17:19

スピード32
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英語版のウィキが更新され、感染者と死者の累計数が減るという珍事となった。

(Timeline of reported cases and deaths)
http://en.wikipedia.org/wiki/Ebola_virus_epidemic_in_West_Africa#Timeline_of_reported_cases_and_deaths

「2 Nov 2014:
国名:感染者:死者
Guinea:1,731:1041
Liberia:6,525:2,697
Sierra Leonee:4,759:1,160
Nigeria:20:8
Senegal:1:0
United States:4:1
Spain:1:0
Mali:1:1
合計:13042:4908」

今回、WHOはシエラレオネの集計の修正があったりして、かなり混乱している。

(EBOLA RESPONSE ROADMAP
SITUATION REPORT
5 NOVEMBER 2014)
http://apps.who.int/iris/bitstream/10665/137510/1/roadmapsitrep_5Nov14_eng.pdf?ua=1

「国名:感染者:死者
Guinea:1,731:1041
Liberia:6,525:2,697
Sierra Leonee:4,759:1070
Nigeria:20:8
Senegal:1:0
United States:4:1
Spain:1:0
Mali:1:1
合計:13042:4818」

例によって、最新情報。

「「国名:感染者:死者:集計日
Guinea:1,731:1041:(11月2日)
Liberia:6,525:2,697:(10月31日)
Sierra Leonee:4864:1468:(11月5日)
Nigeria:20:8:(11月5日)
Senegal:1:0:(11月5日)
United States:4:1:(11月5日)
Spain:1:0:(11月5日)
Mali:1:1:(11月5日)
合計:13147:5216」

主要3か国以外は、WHOの発表日になっている。

どう集計しても、感染者は1万3千人を超え、死者は間違いなく5000人を超えた。

この一月に限っても、感染者は5500人以上、死者は約1400人増加した。

前月の増加は、それぞれ、およそ3800人と1600人だから、怪しげな集計上でもエボラのスピードはまだ衰えたとはいえない。

国別や地域別に見れば、終息に向かっているとか、終息したところもあるだろうが、主要3か国に限って言えば、何一つ楽観できる要素はない。

巷では、リベリアの感染者の増加が減ったといわれている。

(エボラ熱死者、5000人突破へ=リベリアで新規感染減少か-WHO)
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201410%2F2014102900990

「一方、感染拡大が最も深刻なリベリアでは「新規感染が減っている」と強調。主な感染要因とされる埋葬に際しての安全対策が浸透しつつあると指摘した。」

ではなぜ、モンロビアでの感染拡大は収まらないのか。

直近でさえ、毎週50人からの感染者が発生しているのは、どういう理由なんだろう?。

そりゃあ、一時期の数分の1になったとはいえ、リベリア全体の新規感染の半数以上が首都で発生し続けている。

これだけの規模の感染を終息させることは、極めて難しくなっている。

多くが7日から10日といわれる潜伏期間を経て、繰り返し感染が継続している。

発症者を片っ端から医療施設に入れるしかない。

それもままならない状況で、感染の収束を図るのは困難だ。

ギニアやシエラレオネの状況については、既にこのブログでも触れた。

(ギニアの憂鬱2)
http://kfujito2.asablo.jp/blog/2014/11/06/7484048

(シエラレオネの憂鬱2)
http://kfujito2.asablo.jp/blog/2014/11/06/7484254

いずれも、終息などという状況は全く見えてこない。

リベリアは、従来の数字を一気に書き換える訂正を行い、感染者の数が10月下旬に激増した。

集計モレだったとしても、反映後も増加は続いている。

傾向としては、増え続けている。

減少しているというのは、増加が減っただけで、感染者数は増え続けている。

つまり、伝播自体は続いているということだ。

これが危ない。

10月22日に大規模な修正があってから、10月31日までの9日間に、359人が新たに感染している。

これをもって、感染者が減っているというなら、上等じゃないか。

相手は、致死率7割といわれる世紀の伝染病なのだ。

250人が死の宣告を受けたことになる。

WHOは、大量の資源を投じているので、何の成果も上がっていないという批判を何よりも恐れている。

それは、リベリアを拠点にして活動を展開している米国にしても同じだ。

(米大統領、エボラ熱対策で62億ドルを議会に要請へ=関係者)
http://jp.reuters.com/article/jp_ebola/idJPKBN0IP32520141106

円安で、今日は115円まで行ったというから、それで換算すると7130億円ということになる。

予備費コミということだが、大変な額だ。

中間選挙が終わって、ボロ負けしたオバマは、逆にもう、何も恐れるものはない。

自らが信じる政策を議会にぶつけて、通らなければ共和党批判をすればいいだけだ。

次期大統領選挙に向けて、それはボディブローのように効いてくるだろう。

ポジションは悪くない。

彼が選挙を戦うことは、二度とないのだから。

それだけに、歴史に名を残そうとして、取り組んだ政策の成否には神経を尖らすことになる。

エボラは重要政策の一つになるだろう。

だから、大金を投じて効果がありませんでしたでは済まない。

WHOが役人根性出して、成果をでっち上げるようなことがあれば、国内からも国際社会からも批判を浴びることになる。

しかし、7000億円というのはでかいな。

想像もつかない。

死ぬまで吉野家の牛丼(アタマの大盛り:460円)食い続けても、そんなには食えない(って、そういう比較するかあ?)。

(吉野家メニュー)
http://www.yoshinoya.com/menu/don/gyudon.html

まあ、どうでもいいんですが。

過剰な投資が必要な時期は、もう過ぎてしまったかもしれない。

あとは、ワクチンが出来るまでの時間をどう稼ぐかという段階に入っている。

可能な限りの資源を投じて、エボラの足を引っ張ることで、感染の拡大を少しでも抑制するしかない。

それが、主要3か国の犠牲者を減らし、他の国への飛び火感染を抑えることに繋がる。

それができなければ、エボラに追いつくどころではなくなる。

エボラの後姿さえ、現在では見えてこない。

遥か彼方を猛スピードで走っていることは、何の疑いもないのだ。

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