スーパーヘビーのラプターエンジンは何基? ― 2020年09月02日 14:37
スーパーヘビーのラプターエンジンは何基?
去年は37基だったことが分かっている(画像参照)。
(100人以上を月や火星まで運ぶことを目指すSpaceXの新型宇宙船「スターシップ」はどんなロケットなのか?)
https://gigazine.net/news/20191001-spacex-starship-specification/
「ラプターエンジンは37基搭載」
その前は、確か40基以上だった記憶もある。
(インタープラネタリー・トランスポート・システム)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%83%97%E3%83%A9%E3%83%8D%E3%82%BF%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%83%88%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%82%B9%E3%83%9D%E3%83%BC%E3%83%88%E3%83%BB%E3%82%B7%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%A0
「打ち上げ機に42基、宇宙船に9基搭載していた」
ついこの間までは、31基と言われていた。
(スーパーヘビー(1度))
https://www.elonx.cz/vse-o-super-heavy-starship/#superheavy
「ロケットの第1ステージはスーパーヘビーと呼ばれ、直径9メートルで約70メートルを測定し、31基のラプターエンジンを搭載します。着陸により15度傾斜できるのは、7つのセンターエンジンのみです。」
今回、そのセンターに配されるエンジンが8基になり、外周に20基が配され、合計28基になるらしいが、それでフィックスするわけでもないようだ。
(Elon Musk氏は、SpaceX Super Heavyブースターアセンブリが「今週」から始まると述べています。)
https://www.teslarati.com/spacex-super-heavy-booster-assembly-timeline/
初出のイーロンXの記事では、昨年の夏の終わりに作ると言っていたプロトタイプは、1年遅れで建造が始まる。
プロトタイプに搭載されるエンジンは最大20基だが、当面は2基で始めるようだ。
「ブースターホップテストでは、スーパーヘビーはわずか2つのラプターがインストールされた状態でホップすると報告されています。」
以前から、構造上のネックがあることが指摘されている。
「スーパーヘビーが直面している最大の技術的課題は、その並外れて複雑な「スラストパック」であり、最大28のラプターエンジンをホストし、その推力のすべてをロケットの残りの部分に伝達する必要のある金属構造です。」
スーパーヘビーのエンジンが28基に減ったことは、別記事でも確認した。
(Elon MuskがSpaceXのStarshipメガロケットのアップデートを提供)
https://spaceflightnow.com/2020/09/01/elon-musk-offers-update-on-spacexs-starship-mega-rocket/
「ムスク氏は月曜日、エンジニアがラプターエンジンの推力を増加させることでスーパーヘビーブースターのデザインを微調整し、SpaceXがデザインから複数のラプターを削除できるようにしたと語った。」
「スーパーヘビーブースターには30を超えるメタン燃料のラプターエンジンを搭載する予定であると述べたが、マスク氏は月曜日のSpaceXが「構成を簡素化」しようとしていると述べた。」
「それでそれは28エンジンかもしれない」
「それはまだ多くのエンジンです。また、エンジンの推力を上げてしまいます。」
いくつまで減らすことができるかだな。
「スーパーヘビーブースターのエンジンの外側のリングには固定ノズルがあり、8つのラプターの内側のグループは推力をベクトル化して、離着陸時にロケットを操縦します。」
この仕様にしても、現段階のエンジン1基当たりの推力の見込みに基づくもので、一定の増減はあり得るということだろう。
「時間の経過とともに、外側のエンジン列はそれぞれ約300トン、つまり約60万ポンドの推力を発生させる可能性があります。」
20基の外周エンジンは、1基250トンの推力を前提としているので、単純に考えれば1基300トンまで上げられればあと3基は減らせる勘定になる。
内周の可動エンジンの推力(現在210トン)が比例して上がれば、こっちの基数も調整されるかもしれない(減らせても1基程度?)。
ただし、推力の合計は基本設計に関わるので大きく変わることはないと思われる(上段であるスターシップの設計が変わってきちまうからな)。
したがって、躯体構造的にはエンジンの基数にかかわらず、フィックスしていくに違いない。
スペースフライトナウの記事では、当初は有人仕様ではなく、貨物(人工衛星)打ち上げ仕様で実績を作っていくという。
健全だな・・・。
浮沈子は、当初はスターシップは使い捨てでも構わないと思っている。
完全再使用まで仕上げなくても、使い捨てで衛星打ち上げて稼ぎながら、再使用を目指して開発を継続すればいい。
スペースXが、ファルコン9の1段目の再使用を開発した手法を、今度はスターシップで行うわけだ。
しかし、1段目のスーパーヘビーについては、最初から完璧な回収が求められる(たぶん)。
その意味では、開発のハードルはむしろ高いかも知れない。
有人仕様や軌道上での給油については、それらが恙なく成功を収めた後の話だ(2030年代?)。
月より遠い太陽系の話とか出て来るけど、現在は単なる与太話に過ぎない。
「SpaceXはまた、最終的に地球軌道で宇宙船に燃料を補給し、月、火星、およびその他の目的地へのミッションで、推進剤を満載して発射できるようにすることも目指しています。」
「それが銀河、または少なくとも太陽系への入り口です」
稀有壮大とは、まさにこのことだな。
べらぼーめ・・・。
「人を乗せる前に、衛星を配信し、衛星を配信する何百ものミッションを実行して、物事を自動的に機能させる必要があります」
目標はあくまで高く掲げ、実施は手堅く現実的に。
お手本のようなビジョンだが、手元にあるのはブリキ細工のような巨大なスプレー缶だけ(1分間のホップ飛行だけで火を噴く、ショボイラプターエンジンもあるけど)。
スターシップの開発に50億ドル以上かかるとされているが、それで出来上がれば激安ということになる(SLSとオリオン宇宙船の開発費は合計400億ドル以上だし、SLSは使い捨てで、1回の打ち上げ当たり20億ドル以上かかると言われている)。
「スターシップで成功を収めれば、月面基地について真剣に考えるようになるでしょう。」
一度に100トンの貨物を月面に届ける手段が出来れば、確かに月面基地建設も見えてくる。
しかも、コストは激安(月まで1回運んでも1千万ドルくらいか)。
複数機を連続運用して、100万トンくらいの物資を送ることも可能になる(誰が受け取るんだあ?)。
1万回で1兆ドル(110兆円)の売り上げだ。
人間を運ぶところはNASAに押し付けて、美味しいところで商売が出来るわけだ。
吹っ飛んでも、人命を損ねることはないからな(どーせ、有人月着陸船を本気で取りに行くわけじゃないだろうし)。
それは、もっと先の話でいい。
有人飛行の壁がどれ程厚いか、有人での地球低軌道と月軌道の差がどれ程のものになるか、S社は十分に理解している。
現在は、そんなもんに手を付けられるような段階ではないということだな。
話を戻そう。
スターシップだけでは、低高度弾道飛行くらいしかできない。
スーパーヘビーの開発が成功しなければ、BFRは絵に描いた餅になる。
ラプターの基数は、得られる出力によって変わってくるが、合計出力は変わらない。
うーん、機体の開発は、おそらく難航するだろうな。
人類が今まで建造したことがない、べらぼーなロケットなわけで、使い捨てにしたって大変な話だ。
それを、最初から再使用を前提として開発するわけだからな。
ファルコン9の開発実績があるとはいえ、簡単な話でないことだけは確かだ。
今週からプロトタイプの建造が始まり、早ければ来月には出来上がるといわれている。
エンジンなしで応力を掛け、構造をチェックするだけでも相当な工数を要するに違いない。
どーせ、また、壊してみなけりゃ分からない材料特性とかで壁に当たることになるんだろう。
爆発に次ぐ爆発に、大いに期待できるかもしれない(ドカンドカン、ドッカーン!)。
まあ、どうでもいいんですが。
ラプターエンジンにしても、それ程楽観はできないかもしれない。
人類が初めて飛ばしたフルフロー二段燃焼エンジンだからな。
連続燃焼(5分以上燃やしたことはないようだし)、多数を束ねて同時に制御する際のノウハウ(減ったとはいえ、28基だからな)、耐久性や整備性(1000回使うらしいしな)についても未知数だ。
万が一上手くいったとして、機体と組んでみてわかる特性も出てくるかもしれない(振動とか熱的な問題とか多数のエンジンを束ねて燃やした時の流体的な問題とか)。
ファルコンヘビーで27基のエンジンの同時制御に成功しているとはいえ、3分割して実績あるファルコン9もどきにしてバラバラに着陸させるのと、ドデカい機体をクソ重い28基のエンジン付けたまま一気に降ろすのとではわけが違う。
しかも、想定されている大陸間弾道旅客機運用では、ファルコン9で2か月もかかっている再使用までのインターバルを、たった1時間にすることが求められている(1440分の1)。
まあ、少なくともいきなりは無理な話だ。
整備に1か月くらいかかることは想定の範囲内だろうが、再使用だけは石に齧りついても安定して実現させなければならない。
有人飛行に耐えられるレベルの完全再使用まで考えれば、2段目のスターシップの技術的敷居は相当高いが、当初貨物機としてサービスインする時点でのハードルは、ひょっとしたらスーパーヘビーの方が高いかもしれない。
スターシップは、最悪、当面使い捨てでも商売できる(未確認)。
少なくとも、軌道まで飛ばすことさえできれば、再使用部分は運用しながら継続して開発可能だ。
スーパーヘビーに、その手法は許されない(たぶん)。
ファルコン9の開発経験が、逆に成功体験として足を引っ張る可能性さえある。
使い捨てとして開発され、運用しながら改良していったのとは本質的に異なるかも知れない。
初めから再使用を直接狙う・・・。
中途半端な状況になり、使い捨てもできなくなっちまったらどーする?(そんなあ!)。
初めから再使用を狙わずに、まずは使い捨てから確実に仕上げて、ファルコンシリーズのように徐々に再使用に持って行った方がいいのではないか。
あるいは、ULAのバルカンロケットのように、エンジンだけ再使用するとか(28基も、どーやって回収するんだあ?)。
スーパーヘビーは、機体自体のコストは激安だろうからな。
それでも、十分にペイするに違いない。
エンジンだけは、何としても再使用したいところだ。
打ち上げ後の機体を回収だけに特化して、再使用しないという妥協案もある。
エンジンは再使用に回すが、機体は新たに製造した新品を使う。
スターシップの方は、機体を再使用するところがミソだが、スーパーヘビーはエンジンの再使用がメインだからな。
まあいい。
人類史上最大の打ち上げロケットが建造される(当面プロトタイプですが)。
完成したところで、多少長め(72m)のスプレー缶にしか見えないに違いない(グリッドフィンとテールフィンのような着陸脚カバー(空力効果はないようですが)が付くだけ)。
来年に上がると言っているようだが、2基掛けのホッピング用がせいぜいというところか。
搭載される燃料の重さでぶっ壊れなければ、上等の部類だろう(そうなのかあ?)。
来年中にエンジンに点火できれば、良しとしなければならないかもしれない。
ロケット開発は難しい。
一寸先は闇だ。
いままで、誰も成し遂げたことがない完全再使用ロケット(軌道打ち上げロケットとして)。
宇宙開発の聖杯の一つだ。
その、第一段の建造が始まる・・・。
<以下追加>----------
(スターシップSN6が短距離飛行の準備ができて、最初の72メートルスーパーヘビーロケットの生産も始まります)
https://www.elonx.cz/starship-sn6-je-pripravena-na-svuj-kratky-let-zacina-take-vyroba-prvni-72metrove-rakety-super-heavy/
「スーパーヘビーロケットの最初のプロトタイプの生産が今週開始される」
垂直組み立て棟、発射台(脚だけ)の画像もある。
「Starshipに関するニュースを含む年次プレゼンテーションが今年10月に開催される可能性」
今年は遠隔開催されることになった国際宇宙会議が10月にあるからな。
例年、そこでBFRのプレゼンテーションが行われている。
「脚が最終的に4つだけになり、真空中でエンジンの排気ガスとの接触を防ぐために間隔が広くなる」
へえ、初耳だな。
「10月の最初のスーパーヘビーフライトは野心的」
「来年まで軌道に乗る最初のミッションを期待していない」
当然だろう。
「このメタンエンジンの開発は、予想よりも明らかに進んでいます。」
それにしては、長秒燃焼試験が遅れていたり、ホッピングテストで火を噴いたりしている。
耐久性よりも、出力増強に走っているのかも知れない。
行きつく先は明らかだな(ドッカーン!)。
<さらに追加>----------
(E・マスク悲願の火星植民 「異常に速い」開発ペースの内幕 (1/2ページ))
https://www.sankeibiz.jp/econome/news/200902/ecc2009020702001-n1.htm
「世の中には実現しない計画が数多くあります」
この記事の中で、唯一正鵠を得ていると思われる記述だな。
標題につられて読んでしまったが、希望的観測と事実誤認に溢れ、読者に誤解を与えかねない(おまいに言われたくない・・・)。
S社の正式リリースは昨年の国際宇宙会議だから、スーパーヘビーのラプターエンジンの基数は公式には37基でいい。
しかし、8月4日に上がったのは、あくまでもプロトタイプでスターシップではない。
本文を読めば、テスト機であることは明記されているが、リードの部分では本番機のように書いている。
問題だな。
ファルコン9の打ち上げ頻度に関する記述も怪しい。
高頻度打ち上げしているのは、スターリンクという自社需要を満たすためで、価格が安いからとばかりは言えない。
再使用によって、短い打ち上げサイクルに対応できている部分が大きいのではないか。
主要部品の多くを内製し、コスト削減や合理的な生産計画が行えるメリットもある。
再使用によるコスト削減だけが、ファルコン9の競争力の源であるという認識はいかがなものかだな。
競合他社がファルコン9を意識しているのは確かだろうが、バルカンを含めて当初から再使用ロケットとして設計されているものは一つもない(唯一、当初から再使用を目指しているブルーオリジン(老舗じゃないけど)のニューグレンはなぜかスルー・・・)。
一定規模以上の軌道打ち上げロケットが、国家事業の一環(つまり公共事業)として、経済合理性をある程度度外視していることは周知の事実だ。
さもなければ、中国だってロシアだって、ファルコン9で打ち上げない理由はない(インドなら勝てるかも!)。
なにより、規模からいえば最大のライバルであるはずの米国のSLSは、中止になるどころかNASAから大量発注を受けているからな。
まあいい。
スターマンが、10月7日に火星に最接近するというのは初耳だな。
まあ、落下するようなことはないだろうが、宇宙探査コミュニティでは、そのことによる生物汚染が懸念されていたからな。
もろ手を上げて喜んでいる場合じゃない(ゆゆしき事態か?)。
月周回の宇宙旅行以降は、与太話以上の何物でもない。
大言壮語大得意のCEOの口車に乗せられて、いい気になってる場合じゃないだろう。
まあ、火星軌道以遠に自社のクルマを飛ばすくらいだからな。
口車に乗るくらいは大目に見ないとな・・・。
去年は37基だったことが分かっている(画像参照)。
(100人以上を月や火星まで運ぶことを目指すSpaceXの新型宇宙船「スターシップ」はどんなロケットなのか?)
https://gigazine.net/news/20191001-spacex-starship-specification/
「ラプターエンジンは37基搭載」
その前は、確か40基以上だった記憶もある。
(インタープラネタリー・トランスポート・システム)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%83%97%E3%83%A9%E3%83%8D%E3%82%BF%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%83%88%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%82%B9%E3%83%9D%E3%83%BC%E3%83%88%E3%83%BB%E3%82%B7%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%A0
「打ち上げ機に42基、宇宙船に9基搭載していた」
ついこの間までは、31基と言われていた。
(スーパーヘビー(1度))
https://www.elonx.cz/vse-o-super-heavy-starship/#superheavy
「ロケットの第1ステージはスーパーヘビーと呼ばれ、直径9メートルで約70メートルを測定し、31基のラプターエンジンを搭載します。着陸により15度傾斜できるのは、7つのセンターエンジンのみです。」
今回、そのセンターに配されるエンジンが8基になり、外周に20基が配され、合計28基になるらしいが、それでフィックスするわけでもないようだ。
(Elon Musk氏は、SpaceX Super Heavyブースターアセンブリが「今週」から始まると述べています。)
https://www.teslarati.com/spacex-super-heavy-booster-assembly-timeline/
初出のイーロンXの記事では、昨年の夏の終わりに作ると言っていたプロトタイプは、1年遅れで建造が始まる。
プロトタイプに搭載されるエンジンは最大20基だが、当面は2基で始めるようだ。
「ブースターホップテストでは、スーパーヘビーはわずか2つのラプターがインストールされた状態でホップすると報告されています。」
以前から、構造上のネックがあることが指摘されている。
「スーパーヘビーが直面している最大の技術的課題は、その並外れて複雑な「スラストパック」であり、最大28のラプターエンジンをホストし、その推力のすべてをロケットの残りの部分に伝達する必要のある金属構造です。」
スーパーヘビーのエンジンが28基に減ったことは、別記事でも確認した。
(Elon MuskがSpaceXのStarshipメガロケットのアップデートを提供)
https://spaceflightnow.com/2020/09/01/elon-musk-offers-update-on-spacexs-starship-mega-rocket/
「ムスク氏は月曜日、エンジニアがラプターエンジンの推力を増加させることでスーパーヘビーブースターのデザインを微調整し、SpaceXがデザインから複数のラプターを削除できるようにしたと語った。」
「スーパーヘビーブースターには30を超えるメタン燃料のラプターエンジンを搭載する予定であると述べたが、マスク氏は月曜日のSpaceXが「構成を簡素化」しようとしていると述べた。」
「それでそれは28エンジンかもしれない」
「それはまだ多くのエンジンです。また、エンジンの推力を上げてしまいます。」
いくつまで減らすことができるかだな。
「スーパーヘビーブースターのエンジンの外側のリングには固定ノズルがあり、8つのラプターの内側のグループは推力をベクトル化して、離着陸時にロケットを操縦します。」
この仕様にしても、現段階のエンジン1基当たりの推力の見込みに基づくもので、一定の増減はあり得るということだろう。
「時間の経過とともに、外側のエンジン列はそれぞれ約300トン、つまり約60万ポンドの推力を発生させる可能性があります。」
20基の外周エンジンは、1基250トンの推力を前提としているので、単純に考えれば1基300トンまで上げられればあと3基は減らせる勘定になる。
内周の可動エンジンの推力(現在210トン)が比例して上がれば、こっちの基数も調整されるかもしれない(減らせても1基程度?)。
ただし、推力の合計は基本設計に関わるので大きく変わることはないと思われる(上段であるスターシップの設計が変わってきちまうからな)。
したがって、躯体構造的にはエンジンの基数にかかわらず、フィックスしていくに違いない。
スペースフライトナウの記事では、当初は有人仕様ではなく、貨物(人工衛星)打ち上げ仕様で実績を作っていくという。
健全だな・・・。
浮沈子は、当初はスターシップは使い捨てでも構わないと思っている。
完全再使用まで仕上げなくても、使い捨てで衛星打ち上げて稼ぎながら、再使用を目指して開発を継続すればいい。
スペースXが、ファルコン9の1段目の再使用を開発した手法を、今度はスターシップで行うわけだ。
しかし、1段目のスーパーヘビーについては、最初から完璧な回収が求められる(たぶん)。
その意味では、開発のハードルはむしろ高いかも知れない。
有人仕様や軌道上での給油については、それらが恙なく成功を収めた後の話だ(2030年代?)。
月より遠い太陽系の話とか出て来るけど、現在は単なる与太話に過ぎない。
「SpaceXはまた、最終的に地球軌道で宇宙船に燃料を補給し、月、火星、およびその他の目的地へのミッションで、推進剤を満載して発射できるようにすることも目指しています。」
「それが銀河、または少なくとも太陽系への入り口です」
稀有壮大とは、まさにこのことだな。
べらぼーめ・・・。
「人を乗せる前に、衛星を配信し、衛星を配信する何百ものミッションを実行して、物事を自動的に機能させる必要があります」
目標はあくまで高く掲げ、実施は手堅く現実的に。
お手本のようなビジョンだが、手元にあるのはブリキ細工のような巨大なスプレー缶だけ(1分間のホップ飛行だけで火を噴く、ショボイラプターエンジンもあるけど)。
スターシップの開発に50億ドル以上かかるとされているが、それで出来上がれば激安ということになる(SLSとオリオン宇宙船の開発費は合計400億ドル以上だし、SLSは使い捨てで、1回の打ち上げ当たり20億ドル以上かかると言われている)。
「スターシップで成功を収めれば、月面基地について真剣に考えるようになるでしょう。」
一度に100トンの貨物を月面に届ける手段が出来れば、確かに月面基地建設も見えてくる。
しかも、コストは激安(月まで1回運んでも1千万ドルくらいか)。
複数機を連続運用して、100万トンくらいの物資を送ることも可能になる(誰が受け取るんだあ?)。
1万回で1兆ドル(110兆円)の売り上げだ。
人間を運ぶところはNASAに押し付けて、美味しいところで商売が出来るわけだ。
吹っ飛んでも、人命を損ねることはないからな(どーせ、有人月着陸船を本気で取りに行くわけじゃないだろうし)。
それは、もっと先の話でいい。
有人飛行の壁がどれ程厚いか、有人での地球低軌道と月軌道の差がどれ程のものになるか、S社は十分に理解している。
現在は、そんなもんに手を付けられるような段階ではないということだな。
話を戻そう。
スターシップだけでは、低高度弾道飛行くらいしかできない。
スーパーヘビーの開発が成功しなければ、BFRは絵に描いた餅になる。
ラプターの基数は、得られる出力によって変わってくるが、合計出力は変わらない。
うーん、機体の開発は、おそらく難航するだろうな。
人類が今まで建造したことがない、べらぼーなロケットなわけで、使い捨てにしたって大変な話だ。
それを、最初から再使用を前提として開発するわけだからな。
ファルコン9の開発実績があるとはいえ、簡単な話でないことだけは確かだ。
今週からプロトタイプの建造が始まり、早ければ来月には出来上がるといわれている。
エンジンなしで応力を掛け、構造をチェックするだけでも相当な工数を要するに違いない。
どーせ、また、壊してみなけりゃ分からない材料特性とかで壁に当たることになるんだろう。
爆発に次ぐ爆発に、大いに期待できるかもしれない(ドカンドカン、ドッカーン!)。
まあ、どうでもいいんですが。
ラプターエンジンにしても、それ程楽観はできないかもしれない。
人類が初めて飛ばしたフルフロー二段燃焼エンジンだからな。
連続燃焼(5分以上燃やしたことはないようだし)、多数を束ねて同時に制御する際のノウハウ(減ったとはいえ、28基だからな)、耐久性や整備性(1000回使うらしいしな)についても未知数だ。
万が一上手くいったとして、機体と組んでみてわかる特性も出てくるかもしれない(振動とか熱的な問題とか多数のエンジンを束ねて燃やした時の流体的な問題とか)。
ファルコンヘビーで27基のエンジンの同時制御に成功しているとはいえ、3分割して実績あるファルコン9もどきにしてバラバラに着陸させるのと、ドデカい機体をクソ重い28基のエンジン付けたまま一気に降ろすのとではわけが違う。
しかも、想定されている大陸間弾道旅客機運用では、ファルコン9で2か月もかかっている再使用までのインターバルを、たった1時間にすることが求められている(1440分の1)。
まあ、少なくともいきなりは無理な話だ。
整備に1か月くらいかかることは想定の範囲内だろうが、再使用だけは石に齧りついても安定して実現させなければならない。
有人飛行に耐えられるレベルの完全再使用まで考えれば、2段目のスターシップの技術的敷居は相当高いが、当初貨物機としてサービスインする時点でのハードルは、ひょっとしたらスーパーヘビーの方が高いかもしれない。
スターシップは、最悪、当面使い捨てでも商売できる(未確認)。
少なくとも、軌道まで飛ばすことさえできれば、再使用部分は運用しながら継続して開発可能だ。
スーパーヘビーに、その手法は許されない(たぶん)。
ファルコン9の開発経験が、逆に成功体験として足を引っ張る可能性さえある。
使い捨てとして開発され、運用しながら改良していったのとは本質的に異なるかも知れない。
初めから再使用を直接狙う・・・。
中途半端な状況になり、使い捨てもできなくなっちまったらどーする?(そんなあ!)。
初めから再使用を狙わずに、まずは使い捨てから確実に仕上げて、ファルコンシリーズのように徐々に再使用に持って行った方がいいのではないか。
あるいは、ULAのバルカンロケットのように、エンジンだけ再使用するとか(28基も、どーやって回収するんだあ?)。
スーパーヘビーは、機体自体のコストは激安だろうからな。
それでも、十分にペイするに違いない。
エンジンだけは、何としても再使用したいところだ。
打ち上げ後の機体を回収だけに特化して、再使用しないという妥協案もある。
エンジンは再使用に回すが、機体は新たに製造した新品を使う。
スターシップの方は、機体を再使用するところがミソだが、スーパーヘビーはエンジンの再使用がメインだからな。
まあいい。
人類史上最大の打ち上げロケットが建造される(当面プロトタイプですが)。
完成したところで、多少長め(72m)のスプレー缶にしか見えないに違いない(グリッドフィンとテールフィンのような着陸脚カバー(空力効果はないようですが)が付くだけ)。
来年に上がると言っているようだが、2基掛けのホッピング用がせいぜいというところか。
搭載される燃料の重さでぶっ壊れなければ、上等の部類だろう(そうなのかあ?)。
来年中にエンジンに点火できれば、良しとしなければならないかもしれない。
ロケット開発は難しい。
一寸先は闇だ。
いままで、誰も成し遂げたことがない完全再使用ロケット(軌道打ち上げロケットとして)。
宇宙開発の聖杯の一つだ。
その、第一段の建造が始まる・・・。
<以下追加>----------
(スターシップSN6が短距離飛行の準備ができて、最初の72メートルスーパーヘビーロケットの生産も始まります)
https://www.elonx.cz/starship-sn6-je-pripravena-na-svuj-kratky-let-zacina-take-vyroba-prvni-72metrove-rakety-super-heavy/
「スーパーヘビーロケットの最初のプロトタイプの生産が今週開始される」
垂直組み立て棟、発射台(脚だけ)の画像もある。
「Starshipに関するニュースを含む年次プレゼンテーションが今年10月に開催される可能性」
今年は遠隔開催されることになった国際宇宙会議が10月にあるからな。
例年、そこでBFRのプレゼンテーションが行われている。
「脚が最終的に4つだけになり、真空中でエンジンの排気ガスとの接触を防ぐために間隔が広くなる」
へえ、初耳だな。
「10月の最初のスーパーヘビーフライトは野心的」
「来年まで軌道に乗る最初のミッションを期待していない」
当然だろう。
「このメタンエンジンの開発は、予想よりも明らかに進んでいます。」
それにしては、長秒燃焼試験が遅れていたり、ホッピングテストで火を噴いたりしている。
耐久性よりも、出力増強に走っているのかも知れない。
行きつく先は明らかだな(ドッカーン!)。
<さらに追加>----------
(E・マスク悲願の火星植民 「異常に速い」開発ペースの内幕 (1/2ページ))
https://www.sankeibiz.jp/econome/news/200902/ecc2009020702001-n1.htm
「世の中には実現しない計画が数多くあります」
この記事の中で、唯一正鵠を得ていると思われる記述だな。
標題につられて読んでしまったが、希望的観測と事実誤認に溢れ、読者に誤解を与えかねない(おまいに言われたくない・・・)。
S社の正式リリースは昨年の国際宇宙会議だから、スーパーヘビーのラプターエンジンの基数は公式には37基でいい。
しかし、8月4日に上がったのは、あくまでもプロトタイプでスターシップではない。
本文を読めば、テスト機であることは明記されているが、リードの部分では本番機のように書いている。
問題だな。
ファルコン9の打ち上げ頻度に関する記述も怪しい。
高頻度打ち上げしているのは、スターリンクという自社需要を満たすためで、価格が安いからとばかりは言えない。
再使用によって、短い打ち上げサイクルに対応できている部分が大きいのではないか。
主要部品の多くを内製し、コスト削減や合理的な生産計画が行えるメリットもある。
再使用によるコスト削減だけが、ファルコン9の競争力の源であるという認識はいかがなものかだな。
競合他社がファルコン9を意識しているのは確かだろうが、バルカンを含めて当初から再使用ロケットとして設計されているものは一つもない(唯一、当初から再使用を目指しているブルーオリジン(老舗じゃないけど)のニューグレンはなぜかスルー・・・)。
一定規模以上の軌道打ち上げロケットが、国家事業の一環(つまり公共事業)として、経済合理性をある程度度外視していることは周知の事実だ。
さもなければ、中国だってロシアだって、ファルコン9で打ち上げない理由はない(インドなら勝てるかも!)。
なにより、規模からいえば最大のライバルであるはずの米国のSLSは、中止になるどころかNASAから大量発注を受けているからな。
まあいい。
スターマンが、10月7日に火星に最接近するというのは初耳だな。
まあ、落下するようなことはないだろうが、宇宙探査コミュニティでは、そのことによる生物汚染が懸念されていたからな。
もろ手を上げて喜んでいる場合じゃない(ゆゆしき事態か?)。
月周回の宇宙旅行以降は、与太話以上の何物でもない。
大言壮語大得意のCEOの口車に乗せられて、いい気になってる場合じゃないだろう。
まあ、火星軌道以遠に自社のクルマを飛ばすくらいだからな。
口車に乗るくらいは大目に見ないとな・・・。
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