🐼スターリンク:アマゾンが逆立ちしても対抗できない唯一の理由 ― 2021年07月15日 23:59
スターリンク:アマゾンが逆立ちしても対抗できない唯一の理由
(AmazonがFacebookの衛星インターネット部門を買収、SpaceXのStarlinkに競合か)
https://gigazine.net/news/20210715-amazon-acquires-facebook-satellite-internet/
「Facebookは小型の人工衛星を用いた衛星インターネットサービスの構築を断念」
「Amazonは2023年の人工衛星打ち上げが「予想の中で最も早い打ち上げのタイミング」と海外メディアのArs Technicaに語っています。」
「最初の578基の衛星を打ち上げた後、インターネットサービスを提供する予定」
この機数でサービスインするには、相当高い高度に衛星を配置しなければならない。
現在のワンウェブが、高度1200kmで650機を目指しているから、それと同等程度ということになる(未確認)。
「Project Kuiperは3236基の低軌道衛星を打ち上げるための承認をFCCから得ており、同プロジェクトに100億ドル(約1兆1000億円)以上を投資する計画があるとしているものの、いつ衛星を打ち上げたりサービスをスタートさせたりするのかについての詳細は明らかになっていません。」
浮沈子は、以前から漠然と(たいていそうですが)衛星打ち上げ能力だけが、低軌道衛星コンステレーションに乗っかるアプリケーション(インターネットやリアルタイム地上監視)を制するカギだと思っている。
現在のスターリンクは、高度550kmを周回しているが、さらに低く、300kmくらいを周る計画もある。
衛星高度が低いということは、通信時間を短縮する上での絶対的優位性を保証する。
他に代替手段はない。
真空中を飛ぶ電波を超える速度は物理学的にムリポだ。
何百億ドルかけても、それは不可能な話ということになる。
現在、世界最大の衛星オペレーターであるスペースXは、衛星間光通信を商業的に実現しつつある。
地上局とのやり取りをすっ飛ばして、全世界を光通信で覆うことになる。
これもまた、ゲームチェンジャーだが、技術的には他社も同じことはできる。
光ではなく、電波による衛星間通信ネットワークは、既にイリジウムネクストによって実現しているからな。
スターリンクは、そいつを超拡張して、宇宙にインターネットバックボーンを作ろうとしているのだ。
世界中どこからでも、空にアンテナを向けるだけで、当局の規制なくインターネットに接続できる・・・。
いくつかの国では、それは大問題だろう。
まあいい。
しかし、次世代の低軌道衛星コンステレーションは、どれも同じ仕掛を追求するに違いないのだ。
アマゾンも、同じことを考えているだろう。
しかし、衛星高度の問題は、相変わらず存在する。
低い方がエライ!。
が、その優位を維持するには、2つの問題を解決しなければならない。
衛星の数と寿命だ。
寿命からいくか。
低軌道衛星は、薄いとは言いながら地球大気圏内を飛ぶ。
様々な機体の分子や原子にぶつかりながら飛ぶ。
詳細は知らないけど、原子状酸素は衛星デバイス(特に太陽電池)に、大きな影響を与えると言われている。
そしてもちろん、衛星の速度を減殺し、軌道寿命を短くする。
推進剤を上手く使って(電気推進とか、浮遊元素を取り込んで燃料にするとか)、その寿命を永らえることはある程度可能だけど、それにも限界はある。
少なくとも、同じ仕掛で高い軌道を回るよりもはるかに短くなる。
もう一つの問題は、見通しの悪さだ。
軌道が低くなればなるほど、地上から見た時に衛星を見ることが難しくなる。
真上にいるのは一瞬で、あっという間に地平線に隠れてしまう。
通信はブチ切れ、クソの役にも立たない。
現在のスターリンクがこの状態なわけで、衛星が適性個数配置されていなければ、ブチブチ切れる使い物にならないサービスとなってしまう。
この2つのネガさえ解決できれば、低軌道衛星コンステレーションのメリットを最大に引き出して、サービスを好きなだけ展開することができる。
まあ、ほかにも、光学天文学やら電波天文学、同業他社との競合や、打ち上げ時に衛星と干渉するリスクなどなどがあるが、それらは全てオミットする(そんなあ!)。
で、その解決手段というのはただ一つ。
数限りなく衛星を打ち上げ続けるロケットを持つことだ。
衛星寿命が仮に5年(スターリンクの場合)とすると、コンステレーション機数÷5の衛星を、毎年打ち上げ続けない限り、維持できないからな。
ワンウェブが、1000kmオーバーの軌道を選択せざるを得なかったのは、それ以上の機数を維持するために必要な打ち上げ能力を確保できなかったからに他ならない。
それは、おそらく、アマゾンも同じだ。
彼らが使用することができるロケットは全て使い捨てで、打ち上げ頻度を上げることが難しい。
金の問題だけではないのだ。
もちろん、需要と供給はお互い高め合うから、今後、打ち上げ頻度が高まり、毎週の打ち上げが可能になれば、ワンウェブも超低軌道に展開し始めるかもしれない。
現在、その能力を実際に持っているのはスペースXただ1社だけだ。
年間、1000機規模の衛星を軌道に上げ続ける。
しかし、彼らのビジョンには、それでも少な過ぎる。
年間、2千400機以上上げなければ、1万2千機の初期構成も達成できない。
部分的再使用ロケットであるファルコン9をもってしても、それは困難を極める。
月に2回の打ち上げでは、半分ちょっとしか上げることはできない(60機×12か月×2回=1440機)。
衛星を小型化して、1度に倍の機数を積むか、打ち上げ頻度を高くして、毎週打ち上げるか。
うーん、どっちも難しそうだなあ・・・。
彼らの選択は明快だ。
ロケットをデカくして、6倍以上の衛星を積む(400機だそうです)。
やれやれ・・・。
スターシップが出来るのがいつになるかは知らないが、一刻も早く飛ばしてスターリンクを充実させたいだろう。
火星に行く金を稼ぐためにもな。
まあ、どうでもいいんですが。
アマゾンは、逆立ちしてもそんなことはできない。
唯一解決策があるとすれば、完成したスターシップに運んでもらうことだな。
ビジネスだからな。
嫌とは言わんだろう。
ブルーオリジンに運んでもらう手もあるけど、ニューグレンは、スターシップより、余程実現可能性が低いからな。
もう、何かの間違いでもなければ、飛ぶことはないだろう。
既存の打ち上げ手段に頼る限り、スターリンクだけが低軌道衛星コンステレーションの旨味を最大限利用できる。
ワンウェブや、アマゾンは、それに準じるビジネスを展開するのが精一杯だ。
それでも、ビジネスとして成功させられればたいしたものだ。
アンテナを空に向ければ、どこからでも通信ができる。
静止衛星は、20世紀にその役割を果たし、21世紀に新たな主役にその座を譲ろうとしている。
もちろん、座して死を待つのみということはないだろう。
静止軌道上の通信宇宙ステーションとして、巨大化し、長寿命化していくに違いない。
燃料だけではなく、通信機器も何らかの形でバージョンアップしたり、増設したりすることが出来るようになるかもしれない。
1万機のトラポンを積む静止軌道通信宇宙ステーションが、数十年の寿命で維持されるようになる可能性は十分ある。
低遅延を求めない通信需要は、一定程度あるからな。
パラダイムシフトだ。
高い付加価値で、高収益を狙う低軌道コンステレーションか、数をこなして利益を稼ぐ静止軌道か。
両者は、暫くは共存するかもしれない。
その先はどーなる?。
今度は、人類の方が宇宙に住むようになって、アンテナを地球に向けて暮らすようになるのだ。
デカい衛星だな(えーと、惑星ですが)。
静止軌道上の宇宙コロニーならいいが、そうでなければ地上に多数のアンテナを設置しなければならないだろう。
さもなければ、低軌道衛星コンステレーションのアンテナをいくつか、逆に向けてもらうというのも手かもしれない。
宇宙時代は、ややっこしいな・・・。
(AmazonがFacebookの衛星インターネット部門を買収、SpaceXのStarlinkに競合か)
https://gigazine.net/news/20210715-amazon-acquires-facebook-satellite-internet/
「Facebookは小型の人工衛星を用いた衛星インターネットサービスの構築を断念」
「Amazonは2023年の人工衛星打ち上げが「予想の中で最も早い打ち上げのタイミング」と海外メディアのArs Technicaに語っています。」
「最初の578基の衛星を打ち上げた後、インターネットサービスを提供する予定」
この機数でサービスインするには、相当高い高度に衛星を配置しなければならない。
現在のワンウェブが、高度1200kmで650機を目指しているから、それと同等程度ということになる(未確認)。
「Project Kuiperは3236基の低軌道衛星を打ち上げるための承認をFCCから得ており、同プロジェクトに100億ドル(約1兆1000億円)以上を投資する計画があるとしているものの、いつ衛星を打ち上げたりサービスをスタートさせたりするのかについての詳細は明らかになっていません。」
浮沈子は、以前から漠然と(たいていそうですが)衛星打ち上げ能力だけが、低軌道衛星コンステレーションに乗っかるアプリケーション(インターネットやリアルタイム地上監視)を制するカギだと思っている。
現在のスターリンクは、高度550kmを周回しているが、さらに低く、300kmくらいを周る計画もある。
衛星高度が低いということは、通信時間を短縮する上での絶対的優位性を保証する。
他に代替手段はない。
真空中を飛ぶ電波を超える速度は物理学的にムリポだ。
何百億ドルかけても、それは不可能な話ということになる。
現在、世界最大の衛星オペレーターであるスペースXは、衛星間光通信を商業的に実現しつつある。
地上局とのやり取りをすっ飛ばして、全世界を光通信で覆うことになる。
これもまた、ゲームチェンジャーだが、技術的には他社も同じことはできる。
光ではなく、電波による衛星間通信ネットワークは、既にイリジウムネクストによって実現しているからな。
スターリンクは、そいつを超拡張して、宇宙にインターネットバックボーンを作ろうとしているのだ。
世界中どこからでも、空にアンテナを向けるだけで、当局の規制なくインターネットに接続できる・・・。
いくつかの国では、それは大問題だろう。
まあいい。
しかし、次世代の低軌道衛星コンステレーションは、どれも同じ仕掛を追求するに違いないのだ。
アマゾンも、同じことを考えているだろう。
しかし、衛星高度の問題は、相変わらず存在する。
低い方がエライ!。
が、その優位を維持するには、2つの問題を解決しなければならない。
衛星の数と寿命だ。
寿命からいくか。
低軌道衛星は、薄いとは言いながら地球大気圏内を飛ぶ。
様々な機体の分子や原子にぶつかりながら飛ぶ。
詳細は知らないけど、原子状酸素は衛星デバイス(特に太陽電池)に、大きな影響を与えると言われている。
そしてもちろん、衛星の速度を減殺し、軌道寿命を短くする。
推進剤を上手く使って(電気推進とか、浮遊元素を取り込んで燃料にするとか)、その寿命を永らえることはある程度可能だけど、それにも限界はある。
少なくとも、同じ仕掛で高い軌道を回るよりもはるかに短くなる。
もう一つの問題は、見通しの悪さだ。
軌道が低くなればなるほど、地上から見た時に衛星を見ることが難しくなる。
真上にいるのは一瞬で、あっという間に地平線に隠れてしまう。
通信はブチ切れ、クソの役にも立たない。
現在のスターリンクがこの状態なわけで、衛星が適性個数配置されていなければ、ブチブチ切れる使い物にならないサービスとなってしまう。
この2つのネガさえ解決できれば、低軌道衛星コンステレーションのメリットを最大に引き出して、サービスを好きなだけ展開することができる。
まあ、ほかにも、光学天文学やら電波天文学、同業他社との競合や、打ち上げ時に衛星と干渉するリスクなどなどがあるが、それらは全てオミットする(そんなあ!)。
で、その解決手段というのはただ一つ。
数限りなく衛星を打ち上げ続けるロケットを持つことだ。
衛星寿命が仮に5年(スターリンクの場合)とすると、コンステレーション機数÷5の衛星を、毎年打ち上げ続けない限り、維持できないからな。
ワンウェブが、1000kmオーバーの軌道を選択せざるを得なかったのは、それ以上の機数を維持するために必要な打ち上げ能力を確保できなかったからに他ならない。
それは、おそらく、アマゾンも同じだ。
彼らが使用することができるロケットは全て使い捨てで、打ち上げ頻度を上げることが難しい。
金の問題だけではないのだ。
もちろん、需要と供給はお互い高め合うから、今後、打ち上げ頻度が高まり、毎週の打ち上げが可能になれば、ワンウェブも超低軌道に展開し始めるかもしれない。
現在、その能力を実際に持っているのはスペースXただ1社だけだ。
年間、1000機規模の衛星を軌道に上げ続ける。
しかし、彼らのビジョンには、それでも少な過ぎる。
年間、2千400機以上上げなければ、1万2千機の初期構成も達成できない。
部分的再使用ロケットであるファルコン9をもってしても、それは困難を極める。
月に2回の打ち上げでは、半分ちょっとしか上げることはできない(60機×12か月×2回=1440機)。
衛星を小型化して、1度に倍の機数を積むか、打ち上げ頻度を高くして、毎週打ち上げるか。
うーん、どっちも難しそうだなあ・・・。
彼らの選択は明快だ。
ロケットをデカくして、6倍以上の衛星を積む(400機だそうです)。
やれやれ・・・。
スターシップが出来るのがいつになるかは知らないが、一刻も早く飛ばしてスターリンクを充実させたいだろう。
火星に行く金を稼ぐためにもな。
まあ、どうでもいいんですが。
アマゾンは、逆立ちしてもそんなことはできない。
唯一解決策があるとすれば、完成したスターシップに運んでもらうことだな。
ビジネスだからな。
嫌とは言わんだろう。
ブルーオリジンに運んでもらう手もあるけど、ニューグレンは、スターシップより、余程実現可能性が低いからな。
もう、何かの間違いでもなければ、飛ぶことはないだろう。
既存の打ち上げ手段に頼る限り、スターリンクだけが低軌道衛星コンステレーションの旨味を最大限利用できる。
ワンウェブや、アマゾンは、それに準じるビジネスを展開するのが精一杯だ。
それでも、ビジネスとして成功させられればたいしたものだ。
アンテナを空に向ければ、どこからでも通信ができる。
静止衛星は、20世紀にその役割を果たし、21世紀に新たな主役にその座を譲ろうとしている。
もちろん、座して死を待つのみということはないだろう。
静止軌道上の通信宇宙ステーションとして、巨大化し、長寿命化していくに違いない。
燃料だけではなく、通信機器も何らかの形でバージョンアップしたり、増設したりすることが出来るようになるかもしれない。
1万機のトラポンを積む静止軌道通信宇宙ステーションが、数十年の寿命で維持されるようになる可能性は十分ある。
低遅延を求めない通信需要は、一定程度あるからな。
パラダイムシフトだ。
高い付加価値で、高収益を狙う低軌道コンステレーションか、数をこなして利益を稼ぐ静止軌道か。
両者は、暫くは共存するかもしれない。
その先はどーなる?。
今度は、人類の方が宇宙に住むようになって、アンテナを地球に向けて暮らすようになるのだ。
デカい衛星だな(えーと、惑星ですが)。
静止軌道上の宇宙コロニーならいいが、そうでなければ地上に多数のアンテナを設置しなければならないだろう。
さもなければ、低軌道衛星コンステレーションのアンテナをいくつか、逆に向けてもらうというのも手かもしれない。
宇宙時代は、ややっこしいな・・・。
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