🐼スターリンク:軌道投入失敗:値上げなんてするからさ2022年02月12日 14:58

スターリンク:軌道投入失敗:値上げなんてするからさ


(爆速ネット通信を人工衛星経由で地球上どこでも可能にする「StarlinkPremium」をイーロン・マスクが発表、ダウンロード速度最大500Mbps・アップロード速度最大250Mbps)
https://gigazine.net/news/20220203-spacex-starlink-premium/

「「プレミアム」とつくだけあって価格も標準のサービスより高くなり、保証金が500ドル(約5万7000円)で、アンテナ代とルーター代が2500ドル(約28万6000円)、さらに月額費用が500ドル必要」

ふざけんなよ!。

高過ぎ!。

(SpaceX、「Starlink」のプレミアムプラン開始 下り500Mbpsを月額500ドルで)
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2202/03/news072.html

「スモールオフィス、店舗、スーパーユーザー向け」

「レイテンシは20~40ミリ秒」(変わらず)

オフィスを構えられるところとか、店舗(つーことは客が足を運ぶところだな)には、それなりの回線がはるかに安い価格で提供されている。

この価格は、スペースXが利益を上げられる現実的な価格帯だ。

作れば作るほど赤字になるようなアンテナや、大した収益にならない通信料では商売はできない。

寛大な浮沈子は、スターリンクが軌道に乗り(文字通りですが)、現実的な価格プランが提示されたと見ている。

衛星数はまだまだ足りないし、スターレーザーでクロスリンクされたコンステレーションが展開できなければ、更なるレイテンシ(遅延時間)の圧縮は図れない。

プレミアムとは名ばかりで、実際にはようやくベータサービスから足を洗う程度だろう。

浮沈子的には、スタンダードコースでさえ、月額1万円以上も取るなら、最低でも1ギガbps以上で、レイテンシは一桁台(ms)が必要だ。

月額500ドルで500メガぽっちなんて、話にならない。

そんな中、2月初旬に打ち上げられたスターリンクが運用軌道に乗れないという話が出ている。

(「Starlinkの人工衛星40基が地球の大気圏に再突入する可能性がある」とSpaceXが公表)
https://gigazine.net/news/20220209-spacex-40-starlink-satellites-reenter/

「40基が、打ち上げ時に磁気嵐の影響を受けて正常な軌道に入らなかったため、地球の大気圏に再突入する可能性」

打ち上げられたのは49機だからな。

約8割もの損失だ。

「今回打ち上げられたStarlink衛星は2月4日に発生した磁気嵐の影響を受けた」

「磁気嵐は大気の温度と密度を高める原因となり、今回の磁気嵐では大気の抗力が通常時よりも50%増加」

「展開高度が低いため、より高性能な衛星が必要となり、かなりのコストがかかります。しかし、これは持続可能な宇宙環境を維持する上で正しいことだと思っています」

「予備的な分析では、低高度における抵抗が増加したため、衛星がセーフモードから離脱して軌道を上げる操作ができず、最大40基の衛星が地球の大気圏に再突入するか、すでに再突入していることが判明しました」

打上げは、「現地時間の2022年2月3日13時13分」とあるから、磁気嵐の影響を受けたのは直後ということになる。

今回の軌道投入の失敗については、海外メディアを中心にいくつかの記事が出ている。

(太陽嵐は最大40の新しいスターリンク衛星を破滅させる)
https://spaceflightnow.com/2022/02/08/solar-storm-dooms-40-new-starlink-satellites/

「ロケットは衛星を、地球から約130マイル(210 km)上にある周縁部または低点のある目標軌道に配置」

「通常、衛星はソーラーパネルを展開して発電を開始し、イオンスラスターを使用して動作高度335マイル(540キロメートル)まで操縦します。」

「スターリンクの打ち上げ前に先週NOAAが発表した宇宙天気予報は、1月29日に発生した太陽フレアによって引き起こされる「中程度の」地磁気嵐を予測」

「地磁気嵐は、無線伝送と送電網に影響を与える可能性」

「より多くの放射線被曝または増加した大気抵抗のいずれかから、衛星の運用を妨害する可能性」

「太陽活動の上昇から地球の大気に加えられたエネルギーは、大気を暖め、外側に膨らませます。高密度の空気は、スターリンク衛星や他の宇宙船が飛ぶ地球の数百マイル上の高度に以前存在していた希薄な分子に取って代わります。」

「スターリンク衛星の新しいバッチからのGPSナビゲーションデータは、以前の打ち上げ時よりも50パーセント高い大気抗力の増加を示しました。」

「地上管制官はフラットパネル衛星にセーフモードを指示し、大気に対して真っ直ぐに飛行して抗力を最小限に抑えました。」

うーん、宇宙空間を飛んでいる衛星も、ストリームラインを維持する必要があるということか・・・。

「予備的な分析によると、低高度での抗力の増加により、衛星はセーフモードを離れて軌道上昇操作を開始できなくなり、最大40個の衛星が地球の大気圏に再突入するかすでに再突入します」

この記述を素直に読むと、軌道上昇操作とやらは、ある程度の高度以下に落ちた衛星には適用できない感じがするな。

落ちるしかない。

「スターリンク衛星は非常に低い高度で打ち上げられ、追加の抗力を克服するためのマージンがほとんどありません。」

「低軌道に打ち上げることには別の利点もあります。Falcon 9ロケットは、より低い高度をターゲットにしている場合、1回のミッションでより多くのスターリンク宇宙船を運ぶことができます。」

うーん、それはどうかな。

低軌道配置を実施した際に、搭載機数(当時はバージョン1.0で60機搭載していた)が増えたという事実はない。

フェアリングの内部容積が、搭載機数の制限の場合、初期配置の軌道高度を上げたとしても影響はないに違いない。

「SpaceXは、地磁気嵐のリスクに対応して、将来のStarlinkの打ち上げ計画を調整する可能性があるかどうかについてのSpaceflightNowからの問い合わせに応答しませんでした。」

まあ、今回の失敗を受けて、多少は調整するだろうな。

中程度の太陽嵐で8割の衛星が失われる事態は、事業として容認できない。

不良衛星が落下するまでの期間が多少伸びたとしても、初期投入高度を上げた方がいいだろう。

(SpaceXは「地磁気嵐」のために数十の新しいスターリンク衛星を失います)
https://www.teslarati.com/spacex-starlink-satellites-doomed-geomagnetic-storm/

「Starlink 4-7の場合、地磁気嵐によって生成された放射線環境または大気の端への数日間の曝露が実際に数十のStarlink衛星に回復を超えて損傷を与えたのか、それとも異常な環境で軌道を外れたために通過したのかはあいまいです。」

ほほう、放射線環境が衛星機器に影響を与えた可能性も排除できないわけだ(未確認)。

「ソーラーアレイを最大の発電量(したがって最大の持続推力)に必要な位置に上げると、再突入も大幅に加速します。」

上昇するために太陽電池パネルを立てると、抗力も増大するというわけだな。

一定以上の抗力が存在する高度に留まってしまうと、上昇することが叶わなくなるわけだ。

40機の衛星は、その分起点を超えてしまったということだろう。

「この異常はまた、SpaceXがスターリンクの打ち上げ計画にさらに別の気象条件(地磁気嵐)を考慮に入れる必要があることを意味します。」

「Starlinkに使用される低い駐車軌道をわずかに上げ、わずかに遅い自然再突入を取引して、数十の新しい衛星を再び失うリスクを減らすことも検討する可能性があります。」

次回以降の打ち上げに注目というところか。

それでなくても、スターリンクは損失が多いと問題にされている。

(Starlink衛星はどのくらいの頻度で故障し、SpaceXは不要なスペースデブリを防ぐために何をしますか?)
https://www.elonx.cz/jak-casto-selhavaji-druzice-starlink-a-co-spacex-dela-aby-zbytecne-nevytvarelo-kosmicky-odpad/

「2022年1月、SpaceXは2,000個の打ち上げられた衛星のマイルストーンに到達しました。」

「打ち上げられた2,000の衛星のうち、約250の衛星が完全に運用されていないか、すでに軌道が外れています。」

その中には、本物の故障もあれば、敢えて軌道を外したもの、そもそも、運用経験を積むために打ち上げられ、実運用に供されなかったものも含まれている。

それらは、事業推進に影響を与えないとされ、織り込み済みなわけだ。

今回は異なる。

想定の範囲外の事象で、純損失に当たる。

初期投入軌道の見直しは行われるに違いない。

或いは、宇宙天気予報の考慮割合が大きくなり、太陽嵐による大気抗力の増加が見込まれる時期の打ち上げが延期される可能性もある。

実運用高度である540kmでは、その影響は殆どないのかも知れない。

打ち上げ直後から、運用軌道までは数か月かかるとされている。

次々と打ち上げられているスターリンクの場合、一定数の衛星は軌道上昇過程にあり、大気抗力の影響下に置かれている。

事業推進の立場からは、この影響を無視するということはあり得ない。

運用の見直しは必ず行われるだろう。

今回は、初めての事例だったが、今後の運用の中では何度も起こりうる事態だ。

初期の衛星では、太陽光の反射が天体観測の妨げになるとして話題になったが、S社にとってはそれ以来の最大の出来事なわけだ。

この事象が、値上げ直後に起こったことは印象深い。

天網恢恢疎にして漏らさず。

まあ、だからといって、値上げを撤回するわけじゃないだろうけどな・・・。

🐼変異種:最速の追加接種:チャールズ皇太子再感染に見る報道の差2022年02月13日 01:01

変異種:最速の追加接種:チャールズ皇太子再感染に見る報道の差


(チャールズ英皇太子がコロナ陽性、2度目 2日前に女王と面会)
https://www.bbc.com/japanese/60343186

〇:BBC

「皇太子は新型ウイルスのワクチンを2回接種し、ブースター接種も済ませていた」

(チャールズ英皇太子、再びコロナ陽性 2年前にも感染)
https://www.afpbb.com/articles/-/3389560

×:AFP

(チャールズ皇太子コロナ感染)
https://mainichi.jp/articles/20220212/ddm/007/040/052000c

?:毎日(有料記事で全部は読めない)

(チャールズ英皇太子が2度目のコロナ陽性…「濃厚接触」可能性のエリザベス女王には症状なし)
https://www.yomiuri.co.jp/world/20220211-OYT1T50066/

×:読売

(英チャールズ皇太子、2度目のコロナ感染 2日前に女王面会)
https://www.asahi.com/articles/ASQ2C2QJWQ2CUHBI00K.html

×:朝日

(チャールズ英皇太子 新型コロナに2度目の感染)
https://www.sankei.com/article/20220210-LEE3WOML5JNE7MTHN2YA4BBWPQ/

×:産経

(英チャールズ皇太子 新型コロナに2度目の感染 ブースター接種完了も)
https://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye6002372.html

〇:TBS

「チャールズ皇太子はおととし3月にも新型コロナウイルスに感染、その後、新型コロナワクチンを3回接種していました。」

〇印が付いているのは、チャールズ皇太子が追加接種を済ませていたことを報じているメディアだ。

追加接種をしても、ブレイクスルー感染するという象徴的な事例だな。

英王室は、チャールズ皇太子の症状の有無、エリザベス女王の検査結果については公表していない。

つーことは、皇太子には症状があり、女王は陽性だということなわけだ(そうなのかあ?)。

ちなみに、カミラ夫人は陰性。

まあ、どうでもいいんですが。

浮沈子は、3回目の接種を行い、昨日今日と副反応に見舞われている。

丸一日続いた熱はようやく下がり、35.3度の平熱に戻った。

肩の痛みは、やや軽快しているけれど、まだ続いている。

斜め下45度以上に上げようとすると痛みが出る。

倦怠感はほぼ無くなり、鼻水もあまり出なくなった。

腋下リンパ節の腫脹などはない(免疫、出来てんのかあ?)。

まあいい。

チャールズ皇太子が、何のワクチンをうったのかは知らないけれど、ワクチンうっても(ブースト接種しても)感染する。

追加接種していても、感染を完全に防ぐことはできない。

発症予防効果も万全とは言えない。

期待できるのは、重症化予防効果程度だろう(それも100パーセントじゃない)。

が、まあ、それで十分だ。

各国は、流行の真っ最中であるにもかかわらず、感染予防対策を次々と撤廃している。

べらぼーめ・・・。

英国も、流行が下火になりつつあることから、規制撤廃に動こうとしている。

感染者の自主隔離も求めない方針のようだ。

(英国、2月中に行動規制を完全撤廃見通し 陽性者の自主隔離撤廃で)
https://mainichi.jp/articles/20220210/k00/00m/030/037000c

「イングランドで新型コロナウイルスの陽性者に義務づけている自主隔離措置を2月下旬に撤廃できそうだとの見通し」

やれやれ・・・。

英国では、現在でも、毎日200人以上が新型コロナで死んでいる。

死にたくなければワクチンをうて!。

まあ、ワクチンうっても死ぬときゃ死ぬ。

しかし、もう、感染を防ごうとはしない。

新型コロナで死ぬようなやつは死んでよし!。

我々は、そういう時代に突入しつつある。

まだ、有効な治療薬の普及が遅れているから、我が国では直ちに5類感染症になることはないだろうけど、それも時間の問題だろう。

今でも、国内では毎日100人超の死者を出している。

その中で、月末には、水際対策が大幅に緩和される様だ。

どーせなら、海外からの帰国者の待機期間が短くなるといいな(現在、メキシコ帰りは施設3日、自宅4日の合計7日間:世界標準は5日ですが)。

自宅だけで5日くらいになってくれないかな。

メキシコの感染者数は、我が国よりもはるかに少ない(アベレージで2万人弱:我が国では9万人以上)。

まあ、ろくすっぽ検査が行われていないからな。

当てにはならない(実際には、少なくとも数倍の感染者がいると思われる)。

マスク手洗い密回避など、感染対策には万全を期すけれど、麻疹と同程度の感染力を持つオミクロンから完全に逃げ切ることは難しい。

現地での感染は、想定の範囲内ということになる。

やれやれ・・・。

帰国72時間以内のPCR検査で陰性とならなければ、帰りの飛行機には乗れない。

現地に残って、陰性証明が出るまで延泊することになる。

その間、症状が重くなれば、入院治療ということにもなりかねない。

オミクロンの流行の合間を縫って渡航しようと思ってたんだが、このまま流行が収まってくれるかどうかは保証の限りじゃないしな。

とりあえず、追加接種がうてただけでもよしとするしかない。

英国皇太子は罹っちまったけどな・・・。

🐼ウクライナ侵攻不可避:「すでにその時は過ぎている」:米兵も撤退2022年02月13日 08:28

ウクライナ侵攻不可避:「すでにその時は過ぎている」:米兵も撤退


(ウクライナの米兵160人が出国へ 米国防総省「安全と安心を考え」)
https://www.asahi.com/articles/ASQ2F0BRMQ2DUHBI032.html

「兵士の安全と安心を最優先に考え、慎重に決断した」

これは尋常じゃない。

「いまはウクライナを去る時ではない。すでにその時は過ぎている」

まだ、24時間くらいは残ってたんじゃないのかあ?。

まあいい。

ロシアが言うように、アングロサクソンがヒステリーを起こしているのなら、或いは、大芝居をうっているというなら、アカデミー賞ものの演技力だな。

米国のウクライナ大使館も、事実上の店じまいを始めている。

「戦争地帯では、我々ができることは限られている」

「軍事侵攻となれば、米軍による救出作戦も期待できない」

最高司令官である米国大統領は、そのシナリオはないと明言している。

米兵の撤退も、偶発的な衝突を回避するための方策に違いない。

米国は、ロシア軍との衝突による不本意な戦争への突入を回避することに躍起だ。

そのためには、同胞の命も見捨てると腹を括っている。

文字通り、「すでにその時は過ぎている」のだ。

米ロ首脳会談は、ロシアは米国が持ちかけたと言っているけど、どうやら初めはロシアから申し出たようだ。

(ウクライナ情勢 バイデン大統領とプーチン大統領が電話会談へ)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220212/k10013480231000.html

「当初ロシア側から今月14日に電話会談を実施することを打診されたものの、アメリカ側から、前倒しして12日に行うことを提案した」

(米ロ首脳 電話会談 バイデン大統領 “侵攻の場合 厳しい制裁”)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220213/k10013481281000.html?utm_int=news-new_contents_latest_001

「NATO=北大西洋条約機構のさらなる拡大など、ロシアにとって重要な要素は考慮されていない」

「プーチン大統領がこれを慎重に吟味し近く対応を示す」

「両首脳は当面は連絡をとりあっていくことで一致した」

進展は見られず、状況は変わらなかった。

(ロシアも在ウクライナ大使館機能縮小 「第三国が挑発の可能性」)
https://mainichi.jp/articles/20220212/k00/00m/030/271000c

「ロシア外務省は12日、ウクライナにあるロシア大使館などの機能の一部を縮小すると発表」

「ウクライナや第三国による挑発行為の可能性がある」

「米英両国のウクライナへの影響力を考えれば、ウクライナで何らかの武力による活動が準備されているのを両国は知っているはずだ」

ロシアは、偽旗作戦の布石を打ち始めた。

在ウクライナロシア大使館は、職員家族などの国外退去を以前(昨年)から徐々に行ってきた。

準備は、長期に渡り、確実に続いている。

突然行われたものでもなければ、西側の挑発によって行われたものでもない。

周到に計画され、着実に実行されてきたものだ。

侵攻は秒読みに入っている。

プーチンの対応は、文書による回答や電話会談ではないだろう。

鉄砲玉か、ミサイルか、さもなくば核兵器か。

(米露首脳が電話協議 バイデン氏、「ウクライナ侵攻すれば重い代償」)
https://mainichi.jp/articles/20220213/k00/00m/030/019000c

「(事態打開に向けた)根本的な変化はなかった。プーチン氏が侵攻の決断をしたかどうか完全に把握できていない」

この段階で、つまり、物理的要素が整った現在において、侵攻の意図が把握できていないことは重大な問題だ。

ひょっとしたら、本当に侵攻の意図はないのかも知れない。

そうだとしたら、ロシア軍にアカデミー助演賞を与えなければらない。

クレムリンのガードは堅いな。

鉄のカーテンは健在だ。

答えは近日中に明らかになる。

ロシアの撤退はないだろう。

もちろん、部隊の一部は交替するかもしれない。

新たな部隊の到着の前の、一時的な撤退を演出する可能性はある。

その時こそがヤバイ。

ロシアは3方向からの侵攻を準備している。

北、東、南。

本命は東だが、北の勢力も大きい。

南は、限定的な侵攻に留まる。

キエフに近い北部の勢力の一時撤退は、シナリオとして悪くない。

東部戦線は、いずれにしても最初の侵攻になる。

南部は、西側の黒海からの援軍を阻止する構えだから、当初は侵攻しない。

東、北、南の順番が妥当だろうな。

と見せかけて、偽旗作戦的には南から行うことだってありうる。

海に落ちる砲弾を、回収して真偽を確かめるのは困難だ。

自軍に向けて打ち込まれた砲弾を、ウクライナからのものだと主張することはサルでも出来る(ロシアだから、クマかも・・・)。

3方向同時という、最も効率的な展開だってあるからな。

面倒くさい演出は飛ばして、短期決戦、全力で電撃侵攻する。

全てのおぜん立ては整っているからな。

遠慮はいらない。

米ロの電話会談は1時間という短時間で終わった。

双方、得るものはなかったに違いない。

会談を行ったこと、外交チームが引き続きコンタクトを取り続けることだけが成果だ。

時間は常にロシアに味方する。

雪解けが始まるまでは。

それまで引っ張ることが出来れば、米国の勝ちだ。

地面が凍り付き、ロシアが引っ張る理由は消えた。

ロシア側のシナリオが、急速に展開する場面が来たわけだ。

ウクライナ侵攻不可避。

浮沈子の妄想は頂点に達し、今週中にはブチ切れそうだ。

ウクライナ軍のクーデターもなければ、大どんでん返しのNATOへの電撃加盟もない。

順当に戦闘が始まり、激戦が繰り広げられ、ウクライナが蹂躙されてロシアが覇権を握る。

西側は指をくわえて見ているだけで、事が一段落してからおもむろに経済制裁を発動する。

つまらん・・・。

戦術核は用いられず、隠し核弾頭によるキエフの焦土作戦もない。

傭兵を使った巧妙な偽旗作戦も、ひょっとしたらないかも知れない。

そんな面倒くさいことをしなくても、侵攻は可能だからな・・・。

<以下追加>ーーーーーーーーーー

(KLM航空、ウクライナ便運航停止 ロシア侵攻懸念)
https://www.jiji.com/jc/article?k=2022021300199&g=int

「ウクライナ領空も航行しない」

正直忘れていたんだが、この一言で思い出した。

(マレーシア航空17便撃墜事件)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9E%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%82%A2%E8%88%AA%E7%A9%BA17%E4%BE%BF%E6%92%83%E5%A2%9C%E4%BA%8B%E4%BB%B6

「他国もだが、ウクライナは自国領土を通過する民間航空機の上空通過料(overflight fee)を受け取っており、これが紛争地域を通過する民間空輸経路を封鎖しなかった要因の可能性がある」

まあ、悪いのはウクライナ当局じゃないけどな。

オランダは、この件で苦い思いをしているからな。

「乗客の3分の2以上(68%)はオランダ人だった。」

KLMが真っ先に運航を停止し、ウクライナ領空の航行を辞めたのは当然かもしれない。

やれやれ・・・。

ちなみに、マレーシア航空はウクライナには就航していない。

まあ、どうでもいいんですが。

フランスは、主要国で唯一、国外退去などを求めていないけれど、エールフランスはどうするんだろうな(KLMと経営は一緒です)。

(ボルィースピリ国際空港:就航航空会社と就航都市)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9C%E3%83%AB%E3%82%A3%E3%83%BC%E3%82%B9%E3%83%94%E3%83%AA%E5%9B%BD%E9%9A%9B%E7%A9%BA%E6%B8%AF#%E5%B0%B1%E8%88%AA%E8%88%AA%E7%A9%BA%E4%BC%9A%E7%A4%BE%E3%81%A8%E5%B0%B1%E8%88%AA%E9%83%BD%E5%B8%82

航空会社:就航地
・ウクライナ国際航空:いっぱい(略)
・スカイアップ航空(ウクライナ):バルセロナ、ラルナカ、ナポリ、トビリシ
・エーゲ航空:アテネ
・エア・アラビア(UAE):シャールジャ
・エア・アスタナ(カザフスタン):アスタナ、アルマトイ
・エールフランス:パリ/シャルル・ド・ゴール
・マルタ航空:マルタ
・モルドバ航空:キシナウ
・エア・セルビア:ベオグラード(2019年6月4日に再開)
・エア・バルティック(ラトビア):リガ
・オーストリア航空:ウィーン
・アゼルバイジャン航空:バクー
・ベラヴィア(ベラルーシ):ミンスク
・ブリティッシュ・エアウェイズ:ロンドン/ヒースロー(2019年10月3日に終了)
・ブリュッセル航空(ベルギー):ブリュッセル
・チェコ航空:プラハ
・エル・アル航空(イスラエル):テル・アビブ
・フライドバイ(UAE):ドバイ
ジョージアン・エアウェイズ(グルジア):トビリシ
・イラク航空:バグダッド
・KLMオランダ航空:アムステルダム
・ラウダモーション(オーストリア):ウィーン
・LOTポーランド航空:ワルシャワ
・ルフトハンザドイツ航空:フランクフルト、ミュンヘン
・ノルディカ航空(エストニア):タリン
・カタール航空:ドーハ
・ライアンエアー(アイルランド):いっぱい(略)
・スイス国際航空:チューリッヒ
・ターキッシュ エアラインズ(トルコ):イスタンブール

結構あるなあ・・・。

日系の航空会社は飛んでいない。

浮沈子的注目は、ロシアの航空会社が入っていないことだな。

他社にしたところで、ロシアへの直行便もない(割愛した2社の就航地にもありません)。

ウィキには、関連する記事へのリンクが貼られていた(2015年10月13日の記事)。

(ロシア交通省は、ウクライナとロシアの間の空の便を10月25日から完全に停止するというウクライナ国家航空庁からの通達を受理した。ロシア交通省が明らかにした)
https://jp.sputniknews.com/20151013/1024770.html

「ウクライナ内閣は「アエロフロート」や「トランスアエロ」社をはじめとする一連のロシアの航空会社に対し、10月25日からウクライナ上空の飛行禁止を宣言していた。これに対する報復措置としてロシアもウクライナの航空会社の飛行を禁じていた。」

うーん、併合した後も前途多難な感じだな・・・。

<さらに追加>ーーーーーーーーーー

(ウクライナの緊張:ゼレンスキーが落ち着くように促すので、米国は避難する大使館を擁護します)
https://www.bbc.com/news/world-europe-60365017

「英国国防大臣のベン・ウォレスは、ナチスドイツの宥和への侵略を阻止するための最近の西側の外交努力を比較した。」

「ウォレス氏はサンデータイムズ紙に「ミュンヘンの気配が漂っている」と語った。これは、第二次世界大戦を阻止できなかったヒトラーとの合意への言及である。」

「ウクライナの英国大使ヴァディム・プリステイコは、ウォレス氏のコメントを批判した。」

「「私たちが世界のパートナーを怒らせ、実際に戦争を引き起こしたこの行為を彼らに思い出させるのに最適な時期ではない」と彼はBBCラジオ4のブロードキャスティングハウスプログラムに語った。」

英国ならではの反応かも知れない。

(ミュンヘン会談)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9F%E3%83%A5%E3%83%B3%E3%83%98%E3%83%B3%E4%BC%9A%E8%AB%87

「ドイツ系住民が多数を占めるズデーテンの自国への帰属を主張したドイツのアドルフ・ヒトラー総統に対し、イギリス・フランス両首脳は、これ以上の領土要求を行わないことを条件に、ヒトラーの要求を全面的に認め・・・」

「この会談で成立したミュンヘン協定は、戦間期の宥和政策の典型とされ、ドイツの更なる増長を招き、結果的に第二次世界大戦を引き起こしたことから、一般には強く批判される」

これを持ち出すのは、ウクライナ東部地区の問題が酷似しているからかもしれないが、当時とは状況が異なるので軍事介入しないことを非難するネタにはならないと思うんだがな。

しかし、全体状況の中では思い当たる節もある。

「ミュンヘン会談の際に英仏がナチス・ドイツに譲歩したのは、戦争を回避するためだけでなく、ナチス・ドイツの勢力拡大よりもソビエト連邦の共産主義の方が脅威と考え、ドイツに譲歩することによって矛先をソ連に向けさせ牽制させようという思惑があったことが最大の理由だったと考えられている。」

ナチスドイツをロシアに、ソ連を中国に置き換えると、浮沈子の妄想の中の「ウクライナを穏便にロシアに差し出すことによって、中国への将来のけん制に繋げる」構想と同じ構図になるからな。

歴史は、その後、独ソ不可侵条約が結ばれ、複雑怪奇なる様相を呈して展開することになる(もちろん、それも反故にされますけど)。

ミュンヘン合意の半年後、ナチスドイツはチェコスロバキア全土に進駐し、協定は半年で空文化した。

20世紀の歴史を、21世紀に持ち出しても意味はない。

それが分かっていても、ついつい連想する英国の文化があるんだろうな。

世界に帝国を築いた大国意識・・・。

プーチンも、大ロシア帝国の妄想から抜け出せずにいる(たぶん)。

100年後、後世の歴史家たちが、現在の状況をどう記述することになるかは知らない。

その際に、20世紀の欧州の運命を分けたミュンヘン合意を持ち出すことになるかどうかはいささか疑問だ。

歴史が繰り返すことはない。

その時々の状況の中で、真っ新な紙の上に、新たに記述されていくだけだ。

そして、それを今、現実の世界で行っているのは、我々自身だ。

20世紀にナチスドイツを当て馬にしてけん制しようとしたソ連は崩壊し、その後のロシアが中国への当て馬として位置づけられようとしている(そうなのかあ?)。

当時も今も、米国は自ら動こうとはしなかったからな。

欧州のことは欧州で決める。

ウクライナへのロシアの侵攻を食い止められれば、マクロンは、さながら当時のチェンバレンのように歓迎されるかもしれない。

躍る阿呆に見る阿呆。

まあ、どうでもいいんですが。

英国の国防省の時代錯誤な連想は、ヨーロッパの宿痾なのかもしれないな・・・。

<さらにさらに追加>ーーーーーーーーーー

(「ロシアはウクライナ海上物流の寸断狙う」 元米軍高官)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN121L90S2A210C2000000/

「第2次世界大戦下の1943年、旧ソ連がドイツからキエフを奪還するために反撃した際には70万人を動員し、キエフを包囲して制圧するのに1カ月かかった。」

プロの軍人さんだから、戦史のお勉強は十分したんだろう。

しかし、80年前の兵力と比較して、十分な戦力がないと断定するのは如何なものか。

21世紀の戦争は、キエフ制圧に2日あれば十分ということのようだからな。

一方で、海上封鎖による経済的打撃を狙うというのは的を得ている気もする。

現在の状態が10年続けば、黙っていてもウクライナは崩壊する。

短期的な視点だけでなく、中長期を見据えて対策を練ることも重要だ。

陸上兵力を動かさず、海上封鎖だけ行った場合、西側はロシアに対する経済制裁を全面的に発動するだろうか?。

「ロシアは全ての欧州諸国がロシア制裁を実行しないように一定の段階で軍事行動に歯止めをかけるだろう。大都市であるオデッサを武力制圧すればロシアと経済関係が強いドイツやイタリアなども制裁を実行せざるをえない」

パーシャルな状態を維持し、西側の分断を図るというのは合理的な戦略だ。

日経の記事には、かなり省略された部分があるような気がする。

浮沈子のトンデモな妄想とは比較できないけどな・・・。

🐼変異種:最速の追加接種:肩の痛み軽減2022年02月13日 10:23

変異種:最速の追加接種:肩の痛み軽減
変異種:最速の追加接種:肩の痛み軽減


木曜日(2022年2月10日)に追加接種し、3日目の朝が来た。

接種した左肩の痛みが軽減している。

水平くらいまでなら、平気で上げられるようになった。

45度上方に上げると、まだ痛みがある。

ティッシュは取れるが、エアコンのリモコン操作は痛い感じだ(うーん、分かり辛い例えだな・・・)。

まあいい。

熱は完全に平熱で、倦怠感もない。

一時は、新型コロナに罹患したかとビビったが、単なる副反応の発現だったようだ。

接種部位の周りが赤く腫れるという「モデルナアーム」とやらにはなっていない。

(モデルナアームは18人に1人 女性が83% 自衛隊中央病院が公表)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210828/k10013228021000.html

「モデルナの新型コロナウイルスワクチンを接種したあと、腕が赤くなったり、かゆみが出たりする「モデルナ・アーム」」

「およそ18人に1人に見られた」

「このうちの83%が女性」

「症状が出たのは、1回目の接種の4日後から最も遅いケースで21日後で、多くが1週間前後に出ていました。」

「また、ほとんどは4日間から8日間で症状が消えていました。」

「女性に多く、若い年代だとさらに多い可能性がある。」

「症状自体は比較的穏やか」

遅発性の副反応のようだな。

ジジイの浮沈子に出るかどうかは分からないが、出るとしたら明日辺りからかもしれない。

注意して見ていて、現れるようなら報告する。

<以下追加>ーーーーーーーーーー

(コロナワクチン 3回目接種の効果は? どれを打てばいい? 副反応は?)
https://www.asahi.com/relife/article/14541971

「(1)なぜ追加のワクチン接種が必要?
(2)追加接種でワクチンの効果は回復する?
(3)3回目の副反応は、2回目より強い?
(4)追加接種の対象者は? 優先順位は?
(5)追加接種はどこで受ければいい?
(6)ファイザー、モデルナどちらがいい?
(7)追加接種の効果持続は? 4回目もある?」

誰もが感じる疑問に、出来るだけわかりやすく答えている。

浮沈子が一番知りたいのは、ファイザー、ファイザー、モデルナの接種後、自分がどのくらいの期間、有効な免疫を持続できるかということなわけだが、残念ながら期待していた答えはない。

「追加接種直後から3か月目までは発症予防効果が50~75%あるのが、接種後4~6カ月後には40~50%に下がります。また、入院を防ぐ効果は追加接種の直後に80~95%だったのが、4~6カ月後には75~85%に下がるとみられています。」

3か月は持つけど、4か月目以降は運次第ということになるのかあ(未確認)。

何度か書いているけど、最速の追加接種は、最速の免疫減弱でもあるわけで、早ければいいということはない。

本来なら、有効な免疫値(?)をきちんと測定した上で、副反応などを勘案し、一人一人にオーダーメイドで接種すべきだ。

抗体値を標準にした方がいいのか、インビトロの試験を咬ませるべきなのか、細胞性免疫の指標(んなもんがあるのかあ?)まで見るべきなのか。

「Q9:今後も、半年に1回、あるいは年に1回といった頻度でワクチンを打ち続けなくてはならないのでしょうか」

「A:それはまだわかりません。」

浮沈子は、死ぬまで4か月ごとにうつ覚悟はできている。

次回は6月なわけだ。

接種券、早く送れよ・・・。

<さらに追加>ーーーーーーーーーー

(結局、オミクロン株に新型コロナワクチンは効くのか?ファイザーとモデルナで効果や副反応に違いは?)
https://news.yahoo.co.jp/byline/kutsunasatoshi/20220213-00281892

「発症予防効果(概ね感染予防効果と同じ)」

一介の臨床医だったころならともかく、国立大学教授職を拝命している方がこういう認識では困るな・・・。

まあいい。

忽那教授(ピエン超えてパオンとかは、もう言わないんだろうな)が、例によってわかりやすい記事を載せている。

ネタ元は先に引用した朝日のリライフと同じだが、自分の親御さんへの接種の話とか、素人にも分かりやすいエピソードを添えて解説してくれるのは嬉しい。

「高齢者では若い人と比べると副反応が少ないこと、また心筋炎のリスクも極めて小さいことから、多少効果の高いモデルナを自分の親には勧めています。」

ファイザー2回うった後、3回目はモデルナを選択した浮沈子は、感染症専門医から見ても妥当な選択をしたということで、ちょっとホッとする。

一定程度の副反応は出たけど、3日間でほぼ解消した(モデルナアームが出るとしたら、これからかも知れませんが)。

「モデルナはブースター接種の際は投与量が半分になっていることから、2回目と比べて3回目の副反応の頻度が大きく下がっています。」

まあ、頻度は下がっても、程度は同じかもしれないから、当たっちまったら堪えるしかないけどな。

熱発悪寒腕の痛みは結構辛い。

鼻水も出るから、痛い腕を伸ばしてティッシュを頻繁に取る羽目にもなった(ティッシュのボックスを右側に置けばいいだけじゃね?)。

まあ、どうでもいいんですが。

1、2回目の接種はファイザーだったが、副反応の程度は変わらない感じだ。

発熱も同程度。

鼻水はモデルナの方が出た気がする。

オミクロンの初期症状と似ているところが曲者だがな。

精神的にはビビった(とうとう捕まっちまったかあ!?、とかな)。

丸3日経って、副反応と思われるものはほぼ解消されている。

接種した腕の痛みも、違和感程度に収まった(真上に手を上げても痛みはない)。

モデルナを敬遠する気持ちは分からないではないけれど、それを理由にファイザーをうつタイミングを待つというのは本末転倒かも知れない。

「特に基礎疾患のある方や高齢者の方はぜひともブースター接種をご検討ください。」

素のオミクロンの病原性は、最強デルタと大して違わない。

ジジババ持病持ちなど、ハイリスクグループにとっては、同じ様に脅威だ。

若年者で持病持ちだと、ワクチンとの相性もあるから、かかりつけ医との調整が必要だが、うたない選択肢はないだろう(未確認)。

繰り返し接種することのネガが蓄積されたとしても、ジジババの場合、余命を考えれば悩むことはない。

10年後に明らかになる隠れた副作用があったとしても、それがどーしたな年齢なら接種を躊躇うことはない。

浮沈子は、死ぬほど注射が嫌いだが、贅沢は言えない。

我が国では、皮下に圧送するワクチンデリバリーはできないからな。

鼻腔に噴霧するワクチンとかも、早く開発してもらいたいものだ。

そういうやつなら、4か月毎といわず、毎日でも注入できるからな。

今後、低年齢の子供達へのワクチンの普及を考えれば、デリバリーの方法も重要な要素になってくるだろう。

子どもに優しいことは、ジジババにも優しい。

筋注でなくなるだけでも、接種率は向上するに違いない(垂直に針を刺すところを直視できない!)。

当局には、10年先を見据えたワクチン戦略で動いてもらいたいもんだな・・・。

🐼月とロケット:ポンプ→バーナー?2022年02月14日 08:31

月とロケット:ポンプ→バーナー?


(天文学者たちは今、月に打ち上げようとしているロケットはファルコン9ではないと言います
衝撃物体は2014年に打ち上げられた中国のロケットから来ている可能性があります。)
https://arstechnica.com/science/2022/02/actually-a-falcon-9-rocket-is-not-going-to-hit-the-moon/

「約3週間前、Ars Technicaは、天文学者がFalcon 9ロケットの上段を追跡していることを最初に報告し、3月4日に月に衝突することをますます確信していました。」

「報道の多くは、2015年にNOAAの深宇宙気候観測所ミッション(DSCOVR)が開始された後、Falcon9ロケットの第2ステージを適切に処分できなかったとしてSpaceXを批判しました。」

そういえば、そんなニュースが流れていた気がする。

地球周回軌道(地球月間の比較的低い軌道)を離れたロケットの2段目が、太陽周回軌道まで上がれずに月と一緒に地球の周りをまわることは珍しくない。

それが、再び地球や月の重力に捉えられて落下することもあるだろう。

2段目のロケットといえども、衛星などに比べれば大きいから、地球に舞い戻ったとしても完全に燃え尽きるとは限らない。

ファルコン9の燃料タンクの一部(加圧用ヘリウム容器)が落下してきた話は、このブログでも取り上げている。

地球に落ちてくるくらいだから、月に落ちることだってあるだろう。

珍しい話ではあるけれど、だからどーしたと思って、記事を読むこともなかった。

体調が悪く(ワクチン接種の後遺症ではありません)、予約した國富のプールダイビングをキャンセルしてのんびり静養を決め込んだ朝、ウクライナ侵攻もなく、オミクロンの流行もピークアウトして、何かないかとネットを漁っていたら、上記の記事に当たった。

中国だってえ!?。

「しかし、私たち全員が間違っていたことがわかりました。ファルコン9ロケットは、実際、来月月を攻撃することはありません。代わりに、それはおそらく中国のロケットです。」

「実際にはファルコン9ロケットの上段ではないことに気付いたのは、NASAのジェット推進研究所であるジョンジョルジーニのエンジニアでした。」

「これにより、グレイは自分のデータを掘り下げて、他の潜在的な候補者を特定」

「2014年10月に長征3Cロケットで打ち上げられた中国の嫦娥5-T1ミッション」

今度は間違いないんだろうなあ。

長征ロケットの1段目が地球に無制御落下して、世界中が大騒ぎになったのは記憶に新しい。

月面なら、まあ、人的被害は少なくともないからな。

中国当局は無視するか、データの解釈が間違っていると主張するか、或いは素直に認めて衝突の観測に参加するかを迫られるだろう。

「しかし、それはかなり説得力のある証拠だと思います。したがって、2022年3月4日12:25 UTCに月に衝突しようとしている物体は、実際には嫦娥5-T1ロケットステージであると確信しています。」

もしそれが本当なら、DSCOVR宇宙船を打ち上げたファルコン9の2段目は、相変わらずふらふらと月軌道辺りを飛び回っているわけだ。

宇宙は広い。

地球低軌道の大混雑とは裏腹に、静止軌道以上のシスルナ空間はスカスカに違いない。

太陽周回軌道まで上がった惑星探査機を打ち上げたロケットも多いが、せいぜい100とかそういうオーダーだろう(未確認)。

太陽系外に飛び出そうとしているロケット(探査機含む)は、数えるほどしかない。

探査機は、通信によって所在を確認し続けることができるが、それを打ち上げたロケットを追跡することは難しい。

地球周回軌道上なら、追跡できる可能性はあるが、それも一部に留まるだろう。

マッチポンプな話ではあるけれど、展開によっては火に油を注ぐことになりかねない。

今更、どうしようもないだろうけどな・・・。

<以下追加>ーーーーーーーーーー

(まもなく月に衝突するロケットはSpaceX製ではなく「中国製」だと訂正される)
https://gigazine.net/news/20220214-astronomers-say-chinese-rocket-strike-moon/

「グレイ氏の予測はあくまで状況証拠であり、具体的に2022年3月4日に月に衝突するオブジェクトと嫦娥5号T1を結びつける物証は存在しません。」

元ネタが同じ記事だからな。

何か新しいことが書いてあるわけではない。

(SpaceXのロケットが制御不能となり月に衝突するとの予測)
https://gigazine.net/news/20220127-out-of-control-spacex-rocket-smash-moon/

「今回月の裏面に衝突すると予測されたのは、4.4トンもあるFalcon 9の2段目ブースター」

以前の記事も念のため読んでみた。

「なお、グレイ氏の予測に対して天文学者のJonathan McDowell氏は「2015年に高軌道に残された古いFalcon 9のパーツが、3月4日に月に衝突する予定です。興味深い事例ですが、大きな影響はありません」とツイートしています。」

ジョナサンマクダウェルも信じちゃったわけだからな。

無理もないかも知れないな・・・。

(月に衝突するとされたFalcon 9、実は中国のロケットの残骸だったことが判明)
https://japanese.engadget.com/astronomers-now-say-rocket-in-lunar-impact-orbit-isnt-a-falcon9-040050451.html

内容的にはアルスの記事と大して変わらないが、自動翻訳よりは読みやすいのでリンクしておく。

「従来、こうした地球から遠ざかり深宇宙に消えていくロケットの残骸などには注意が払われることはありませんでした。グレイ氏はこうした物体に注目しているのは小惑星を追跡するコミュニティだけだと述べ、打ち上げた人々がそのような物体を最後に観測した位置を公表するようにすることで、その追跡と特定がしやすくなるとしています。」

地球近傍には、いつ落ちてくる変わらなない人工天体や自然の天体がウヨウヨしているわけだ。

(宇宙から地球に毎年5000トン以上もの微小な隕石が降り注いでいる)
https://gigazine.net/news/20210412-extraterrestrial-fall-earth/

推定方法は不明だが、記事にはこう記述されている。

「大気圏に突入する前の宇宙塵の総量は年間約1万5000トン」

べらぼーめ・・・。

これらの殆どは、顕微鏡サイズの微小隕石と思われる。

「年間降下量が10トン未満しかないと見積もられている通常の隕石」

爆発してニュースになるサイズなヤツは、ごくごく一部なわけだ。

面白いのは、推定値に3倍もの開きがあることだな。

南極での降下物の研究からは、地球上に降り注いでいるのはせいぜい5千トンくらいしかない(毎年合計5200トン)。

「大気圏突入前に宇宙塵が除去されている」

「地球周辺の宇宙空間に存在する宇宙塵が想定より少ない」

「かなりの割合の宇宙塵が検出からすり抜けている」

まあ、どっちにしても、膨大なわけだ。

しかも、宇宙空間では弾丸より速いスピードで飛び回っている。

何を好き好んで、そんなヤバいところに出かけて行かなけりゃならないんだあ?。

ちょっと前の記事になるけど、ソラエが大型打ち上げロケットの今年の見通しを記事にしている。

(【前編】2022年の宇宙開発はどうなる? スターライナー打ち上げ&新型ロケットの登場)
https://sorae.info/column/2022-space-development-part1.html

・巻き返しなるか? ボーイングの新型宇宙船「スターライナー」:「OFT-2」(Orbital Flight Test-2)を2022年5月以降に実施する予定:「CFT」(Crew Flight Test)が2022年中に行われる予定

・相次いで予定されている新型ロケットの打ち上げ
● スペースXの新型宇宙船「Starship(スターシップ)」初の軌道試験飛行:3月頃を目標に、スターシップが初めて宇宙空間に到達する軌道飛行試験が実施される予定
● NASAの超大型ロケット「SLS(スペースローンチシステム)」:今年3月以降に打ち上げられる予定(この記事の後に、延期が発表されています。)
● ULAの新型ロケット「ヴァルカン」:「ヴァルカン」の初打ち上げを実施する予定(時期未定?)
● ブルーオリジンの新型ロケット「ニューグレン」:開発中

ソラエのコラムニスト(出口隼詩)は、バルカンロケットは今年は飛ばないと思ってるみたいだな(そうなのかあ?)。

項目建てを見ると、有人宇宙船(スターライナー)と打ち上げロケット(スターシップなど)という括りになっている。

将来的にはともかく、バルカンロケットは、当初から有人運用を想定して開発されている。

スターライナーは、ゆくゆくはバルカンロケットで打ち上げられるわけだからな。

これらの打ち上げロケットは、地球低軌道や静止軌道だけではなく、月軌道や惑星探査にも用いられることが想定されている(中には、火星移住を想定しているのもありますが)。

まあいい。

宇宙空間に飛び出す上段は、探査機などと共に加速し、軌道に乗り、しかし、その後制御を失い、宇宙を彷徨うデブリとなる。

完全再使用を狙っているスターシップ以外は、全て中国ロケットと同じ状況になる可能性を持っているわけだ。

月面に衝突するのが、ファルコン9の2段目でなければいいという問題じゃない(逆に、中国ロケットはデブリじゃなくなるわけだからな)。

宇宙空間にゴミまき散らして、後は知らぬ存ぜぬという態度がいつまで通用するのか。

新型ロケット開発で、そういう話が考慮されているのかどうか。

太陽周回軌道に追いやれる燃料があればいいという問題じゃないと思うんだがな・・・。

<さらに追加>ーーーーーーーーーー

(月面衝突が予想される物体、米ではなく中国ロケットの残骸だった NASA発表)
https://www.cnn.co.jp/fringe/35183539.html

「NASAは14日、月面衝突が予想されるのは嫦娥5号のT1ブースターと思われると発表。ジェット推進研究所でこの物体の16~17年にかけての軌道を分析した結果、衝突が予想される物体はファルコン9の残骸ではないことが分かったとしている。」

「一方、グレイ氏が自身のデータを検証して出した結論は、NASAとは異なる。同氏は、この物体は中国が14年の月探査機打ち上げに使ったロケット「長征3C」の第3段だとしている。」

へーっ、修正された予想(ロケット)は違ってるんだ。

うーん、これは悩ましいな。

「米ハーバード・スミソニアン天体物理学センターのジョナサン・マクダウェル氏は、深宇宙軌道の宇宙ゴミを突き止めることは「決して簡単ではない」と言う。」

で、どっち!?。

「同氏は「少なくとも80%、恐らくは90%の確率」で、グレイ氏が新たに打ち出した説の方が正しそうだと話している。」

まあ、どっちにしても中国のロケットであることに変わりはない。

「ほかの専門家やNASAもグレイ氏の説を支持」(以前の、誤っていた予想:ファルコン9の2段目)

専門家でも、間違う時は間違う。

月軌道まで上がるロケットは、それほど多いわけではない。

年に数本だろう。

今年は、小惑星プシケの探査機が上がる。

(サイキ (宇宙機))
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B5%E3%82%A4%E3%82%AD_(%E5%AE%87%E5%AE%99%E6%A9%9F)

「打上げ日時 2022年8月」

「打上げ機 ファルコンヘビー」

久々のヘビーのお出ましだな。

「2023年5月23日に火星でスイングバイを行う軌道に投入され、小惑星帯に位置する小惑星プシケに向かう。」

いくつか関連記事を読んだんだが、効率的にプシケに辿り着く軌道を見つけたらしい。

太陽に近づくことなく、火星スイングバイだけでいけるらしい(断熱材とか省略できるので有利と言われている)。

「2026年1月31日に小惑星プシケを周回する軌道に投入」

当初は、2029年といわれていたわけだから、随分早くなった。

当然、2段目は月軌道を超えて飛ぶことになるんだろう(未確認)。

燃料を、少し余分に積んで、計画的に月にぶつけたら面白そうだな・・・。