🐱スターライナー:CFTは4月2024年01月27日 13:20

スターライナー:CFTは4月


(ロケットレポート:イランが軌道に到達。中国企業が素晴らしい着陸試験を達成)
https://arstechnica.com/space/2024/01/rocket-report-iran-reaches-orbit-chinese-firm-achieves-impressive-landing-test/

「スターライナーは4月の発売に向けて順調に進んでいます。」

昨年の延期では、2つの問題が指摘されていた。

・パラシュートの索の強度不足
・絶縁テープの可燃性

で、今回、その問題に解決のめどがついたというわけだ。

「宇宙機関の飛行証明プロセス中に特定された技術的問題の解決において、チームは大きな進歩を遂げた」

「スターライナーのパラシュートシステムへの最近の改良が検証された今月初めの落下試験の成功を受けて、NASAとボーイングは、スターライナーの初の有人飛行に先立って、テストデータの最終分析を実施し、システム全体の認証を完了することに取り組んでいます。」

「ボーイングはまた、特定の環境条件で可燃性のリスクをもたらした可能性があるP213テープの除去を完了しました。」

やれやれ・・・。

記事にはNASAブログへのリンクが貼られている。

(NASAとボーイングが飛行試験準備の次の段階に移行)
https://blogs.nasa.gov/commercialcrew/2024/01/24/nasa-boeing-move-into-next-phases-of-flight-test-prep/

「NASAとボーイングはスターライナーの初の有人飛行に先立って、試験データの最終分析を実施し、システム全体の認証を完了することに取り組んでいる。この標準的な NASA プロセスは、スターライナーのパラシュート システムが乗組員の安全要件を満たしていることを独自に検証するために設計されており、今後 6 ~ 8 週間にわたって継続される予定です。」

これに先立ち、パラシュートの落下試験が行われた。

(スターライナーのパラシュートシステムのアップグレードが有人飛行前にテストされました)
https://blogs.nasa.gov/commercialcrew/2024/01/12/starliner-parachute-system-upgrade-tested-before-crewed-flight/

「1月9日にアリゾナ州の砂漠上空で試験された。パラシュートの展開と試験品の軟着陸が視覚的に確認された。」

ぱっと見は、成功ということのようだ。

が、NASAの解析受けて承認されるまでには数か月かかるということだな。

まあいい。

一方の、絶縁テープについては、初めのブログに詳しい。

「一方、ボーイング社は、特定の環境条件下で可燃性のリスクをもたらした可能性があるP213テープの除去を完了した。ボーイングはスターライナーの乗組員モジュールから17ポンド(約4,300フィート)以上の物質を除去した。」

「テープを剥がすことでスターライナーのハードウェアへのリスクが高まる箇所については、ボーイング社は、P213のテープを別の不燃性で擦れに強いテープで覆ったり、ワイヤーハーネスに防火帯を設置したりするなど、テスト済みの修復技術を適用した。」

懸念が払しょくされ、打ち上げに向けての準備も進んでいる。

「ボーイングはスターライナーの組み立て完了を1月末に目指している。」

「アップグレードされたパラシュートは、スターライナーの前部熱シールドと上昇カバーとともに配送され、宇宙船に設置されました。」

「今後数か月間、チームは次のことを行います。」

・総合的な乗務員飛行試験の認定を完了するために取り組む。
・すでにサービスモジュールに結合されているスターライナー宇宙船に最後の仕上げを施します。
・運用条件のシミュレーションを実行して、乗組員、飛行管制官、地上運用チームとともにミッションの各段階をリハーサルします。
・宇宙空間での操縦のために、搭載されたスラスター用の推進剤を宇宙船に燃料として供給します。
・ULA アトラス V ロケットとスターライナー宇宙船を積み重ねてから、フロリダ州のケープカナベラル宇宙軍基地にあるスペース ローンチ コンプレックス-41 のパッドに転がします。
・そして、システムとチームの準備が整っていることを確認するために、打ち上げ数日前に飛行準備状況レビューで最高潮に達する、詳細なシステムレビューに取り組みます。

うーん、これを4月までに完了させようってかあ?。

その間には、パラシュートの認証手続きもある(もう、積み込んじゃったみたいですが)。

ネックになるのは、相変わらず統合テストだろう。

スターライナーは、テストをする度に、解決すべき問題よりも多くの問題を発見するというトホホな状況に陥ってきた(そうなのかあ?)。

新規開発だから、そういう事態は想定の範囲内だが、ライバルのスペースXは、そういう事態を織り込んで開発しているのに対して、ボーイングは想定外のトラブルとして対応しようとしている。

開発体制のバックボーン、投入されるリソース、コスト、時間のいずれもが、不足していたり、後追いだったり、超過したりするわけだ。

下請けを上手く使えていない懸念もある。

スラスターの燃料系のバルブの固着は、典型的だな。

インテグレートの能力に問題ありだ。

S社は、多くを内製しており、そのリスクは相対的に小さいのかもしれないが、外部調達の仕掛けも多いだろう(未確認)。

出来上がった宇宙船は、おそらく、似て非なるものになっているに違いない。

絶縁テープの材質の問題は、有人打ち上げの前に気付いて幸いだった。

似たような話は、クルードラゴンにもあったからな(チタン製のバルブ)。

こっちは、無人テストが終わって、地上試験で大爆発を起こして気付いた。

いずれの宇宙船も、そのトラブルを抱えたまま、無人でISSにドッキングしている。

やれやれ・・・。

ISSの責任者は、新しい宇宙船がドッキングする度に、吹っ飛ばされる危険を覚悟しなければならないわけだ。

まあいい。

統合テスト(シミュレーション)で新たな問題が見つかれば、あるいは、それをすり抜けて、リハーサルで発覚すれば更なる延期ということになる。

スターライナーには後がない。

2030年に運用終了が予定されているISSミッションでは、6回の飛行が期待されている。

・クルー8:NET 2024 年 2 月~2024 年後半:確定
・クルー9:NET 2024 年 8 月~2025 年初頭:確定
・スターライナー1:2025年前半
・クルー10:2025年後半
・スターライナー2:2026年前半
・クルー11:2026年後半
・スターライナー3:2027年前半
・クルー12:2027年後半
・スターライナー4:2028年前半
・クルー13:2028年後半
・スターライナー5:2029年前半
・クルー14:2029年後半(契約はここまで)
・スターライナー6:2030年前半(契約はここまで)

(国際宇宙ステーション:ミッションの終了)
https://en.wikipedia.org/wiki/International_Space_Station#End_of_mission

「2022年1月、NASAは、軌道離脱モジュールを使用してISSを軌道から離脱させ、残骸を南太平洋の遠隔地に誘導する計画日を2031年1月と発表した。」

おっと、あと1回(半年くらい?)は延長できそうだな(そうなのなあ?)。

(NASA、宇宙ステーション軌道離脱ビークルの「ハイブリッド」契約アプローチを提案)
https://spacenews.com/nasa-proposals-hybrid-contract-approach-for-space-station-deorbit-vehicle/

「RFP 草案では、ステーションの軌道離脱のタイミングにある程度の柔軟性を持たせることが示されています。NASAは入札予定者に対し、完成した軌道離脱ロケットを2027年9月までに納品し、早ければ「緊急」打ち上げ日である2028年1月に打ち上げられるかどうかを尋ねている。RFP草案には、2031年3月までの契約を2035年9月まで延長するオプションも含まれており、NASAが2030年以降もISSを延長する能力を留保していることを示唆している。」

「NASAは、最終RFPを7月12日頃に発表し、提案期限は8月28日になる予定であると述べている。契約締結は2024年1月初旬になると予想している。」

「米国軌道離脱機(USDV)」(United States Deorbit Vehicle)とやらの契約が締結されたという話は聞かない。

(NASA、ISS離脱ロケットの契約戦略を修正)
https://spacenews.com/nasa-revises-contract-strategy-for-iss-deorbit-vehicle/

「NASAは締め切りを2月12日に延期した。授与は5月下旬か6月上旬に予定されている。」

半年くらい先延ばしになったようだな。

ISSの廃棄は、ある程度の柔軟性を持たされているようだ(ロシアが、2028年までしか合意していないということもあるしな)。

スターライナー6は、オンスケジュールな場合、2030年8月頃に終了する。

2030年1月の廃棄の場合、無人で行われるだろう廃棄プロセスに引っかかるスケジュールは組めない。

半年ずらすことになれば、USDVと運用が重なる。

後がないということに変わりはない。

USDVの基本契約が「2031年3月まで」とあるので、そもそもISSの廃棄スケジュールが動いている可能性もある(未確認)。

問題なのは、クルードラゴンと異なり、2機しか建造されていないスターライナーは、連続して運用することができないことだな。

まあ、どうでもいいんですが。

ミッションインを果たすためには、いずれにしてもCFTの完璧な成功が求められる。

えっ?、クルードラゴンだって、トイレの配管が外れただろうってえ?。

まあ、そのくらいは許容範囲かな・・・。

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