デンドライト ― 2013年02月13日 21:55
デンドライト
火を噴く飛行機B787のリチウムイオンバッテリーについて、興味深い知見が得られているようだ。
(B787バッテリー、内部微細結晶が出火原因か)
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20130213-OYT1T00336.htm?from=ylist
WSJの記事は、有料会員でないと読めないので、安売新聞、じゃなくて読売新聞の記事でガマンする。
越前谷知子は、まだニューヨークにいるようだ。
じゃなくて、この記事の中に「デンドライト」という、昔々の大昔に聞いたような単語が出てきた。
(デンドライト)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%87%E3%83%B3%E3%83%89%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%88
浮沈子が覚えていたのは、こっちの方。
(樹状突起)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%A8%B9%E7%8A%B6%E7%AA%81%E8%B5%B7
神経細胞の樹状突起も、デンドライトという。
今回は、金属などが溶液中で過飽和状態から一気に析出する時の樹木のような形の結晶体のことである。
冬の窓ガラスにできる氷の結晶の美しさに見とれた記憶、ありません?。
あれも、デンドライトである。
リチウムイオン電池の負極に、金属リチウムを使用した場合のデンドライトによる短絡(ショート)の弊害は、よく知られた話だ。
(リチウム電池 リチウム金属負極に有効なセパレーター 安全性高め、優れた特性引き出す)
http://sangakukan.jp/journal/journal_contents/2010/06/articles/1006-03-6/1006-03-6_article.html
研究室レベルでは、エネルギー密度を高めるために、未だに金属リチウムの負極を試しているが、実際の電池では、こんな危ない橋は渡らない。
(リチウムイオン電池の基本構成とその特長)
http://www.jsae.or.jp/~dat1/mr/motor33/No33_03.pdf
記事にあるように、負極にカーボン、正極にコバルト酸リチウムなどを使用している。
ちなみに、リサイクルしているのはリチウムではなく、希少金属のコバルトである。リチウムのリサイクルは、実際には行われていないようだ。
で、先ほどの首都大学の記事の中に、気になる記述がある。
「リチウムイオン電池では負極に安全な黒鉛材料が使用されているが、低温下や電気自動車などで使用される大きな電流値での充電により、黒鉛負極上にリチウム金属が析出することが知られている。この場合にも、析出したリチウム金属は電池の短絡の原因となり、黒鉛負極を使用したとしても電池が安全な状態でなくなる。」とある。
低温環境で大電流の充電を行うとくれば、B787のことを思い出さざるを得ない。
しかも、航空機の振動により、金属析出の起こりやすい条件は、さらに整っている。
読売の記事には、「デンドライトは可能性の一つとして調べているが、まだ特定しておらず、その他の可能性も排除していない」とかいてあるが、極めて黒に近い状況なのではないか。
さて、このことが持つ意味は大きい。
リチウムイオン電池の本質的な問題であり、根本的な手の打ちようがない。せいぜい、セパレーターを強固なものにして、金属の結晶が突き破らないようにするとか、形状を工夫するとか。
すぐに対応できるような話ではない。
何年も、ひょっとしたら何十年もかかる話である。
もう、選択の余地はないのではないか。
リチウムイオン電池からの決別である。
少なくとも、少しは安心して飛行機に乗れるようになる。
今のままのバッテリーを、手直しして認可を取り直したとしても、リスクを抱えたままの状態でこの先、何十年も作り続けることになる。
軍用機などのバッテリーとは違う。性能優先で選択したのはいいが、運用できないようでは話にならんじゃないか。
B社のCEOの判断が、裏目に出てくるような気がしてならない。
火を噴く飛行機B787のリチウムイオンバッテリーについて、興味深い知見が得られているようだ。
(B787バッテリー、内部微細結晶が出火原因か)
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20130213-OYT1T00336.htm?from=ylist
WSJの記事は、有料会員でないと読めないので、安売新聞、じゃなくて読売新聞の記事でガマンする。
越前谷知子は、まだニューヨークにいるようだ。
じゃなくて、この記事の中に「デンドライト」という、昔々の大昔に聞いたような単語が出てきた。
(デンドライト)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%87%E3%83%B3%E3%83%89%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%88
浮沈子が覚えていたのは、こっちの方。
(樹状突起)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%A8%B9%E7%8A%B6%E7%AA%81%E8%B5%B7
神経細胞の樹状突起も、デンドライトという。
今回は、金属などが溶液中で過飽和状態から一気に析出する時の樹木のような形の結晶体のことである。
冬の窓ガラスにできる氷の結晶の美しさに見とれた記憶、ありません?。
あれも、デンドライトである。
リチウムイオン電池の負極に、金属リチウムを使用した場合のデンドライトによる短絡(ショート)の弊害は、よく知られた話だ。
(リチウム電池 リチウム金属負極に有効なセパレーター 安全性高め、優れた特性引き出す)
http://sangakukan.jp/journal/journal_contents/2010/06/articles/1006-03-6/1006-03-6_article.html
研究室レベルでは、エネルギー密度を高めるために、未だに金属リチウムの負極を試しているが、実際の電池では、こんな危ない橋は渡らない。
(リチウムイオン電池の基本構成とその特長)
http://www.jsae.or.jp/~dat1/mr/motor33/No33_03.pdf
記事にあるように、負極にカーボン、正極にコバルト酸リチウムなどを使用している。
ちなみに、リサイクルしているのはリチウムではなく、希少金属のコバルトである。リチウムのリサイクルは、実際には行われていないようだ。
で、先ほどの首都大学の記事の中に、気になる記述がある。
「リチウムイオン電池では負極に安全な黒鉛材料が使用されているが、低温下や電気自動車などで使用される大きな電流値での充電により、黒鉛負極上にリチウム金属が析出することが知られている。この場合にも、析出したリチウム金属は電池の短絡の原因となり、黒鉛負極を使用したとしても電池が安全な状態でなくなる。」とある。
低温環境で大電流の充電を行うとくれば、B787のことを思い出さざるを得ない。
しかも、航空機の振動により、金属析出の起こりやすい条件は、さらに整っている。
読売の記事には、「デンドライトは可能性の一つとして調べているが、まだ特定しておらず、その他の可能性も排除していない」とかいてあるが、極めて黒に近い状況なのではないか。
さて、このことが持つ意味は大きい。
リチウムイオン電池の本質的な問題であり、根本的な手の打ちようがない。せいぜい、セパレーターを強固なものにして、金属の結晶が突き破らないようにするとか、形状を工夫するとか。
すぐに対応できるような話ではない。
何年も、ひょっとしたら何十年もかかる話である。
もう、選択の余地はないのではないか。
リチウムイオン電池からの決別である。
少なくとも、少しは安心して飛行機に乗れるようになる。
今のままのバッテリーを、手直しして認可を取り直したとしても、リスクを抱えたままの状態でこの先、何十年も作り続けることになる。
軍用機などのバッテリーとは違う。性能優先で選択したのはいいが、運用できないようでは話にならんじゃないか。
B社のCEOの判断が、裏目に出てくるような気がしてならない。
アルファ4C ― 2013年02月13日 22:23
アルファ4C
ボクスター乗りとしては、いささか気になるクルマである。
(アルファ ロメオ、コンパクト・スーパーカー「4C」の市販モデルを発表!)
http://jp.autoblog.com/2013/02/12/alfa-romeo-4c-appears-uncovered-before-geneva-debut/
なんか、安っぽい感じなんだが、記事によると700万円くらいだろうという。
しかし、動力系の中身がジュリエッタと同じ(1.75リットルターボ)だとか、ぱっと見が冴えない(好きずきですな)とかは、この際問題ではない。
構成がミッドシップだとか、パワーウエイトレシオ(おおっ!、懐かしい単語だ!)が4キロを切るとか、そんなことはどうでもいい!。
「耐力・構造機能を持つカーボン製のシャシー」というところに、このクルマの全ての価値がある。
ついに、1千万円を切ってきたわけだな。
日本にも導入されるようなので、麻布のアルファ屋さんまで試乗に行ってもいいか・・・。
ボクスター乗りとしては、いささか気になるクルマである。
(アルファ ロメオ、コンパクト・スーパーカー「4C」の市販モデルを発表!)
http://jp.autoblog.com/2013/02/12/alfa-romeo-4c-appears-uncovered-before-geneva-debut/
なんか、安っぽい感じなんだが、記事によると700万円くらいだろうという。
しかし、動力系の中身がジュリエッタと同じ(1.75リットルターボ)だとか、ぱっと見が冴えない(好きずきですな)とかは、この際問題ではない。
構成がミッドシップだとか、パワーウエイトレシオ(おおっ!、懐かしい単語だ!)が4キロを切るとか、そんなことはどうでもいい!。
「耐力・構造機能を持つカーボン製のシャシー」というところに、このクルマの全ての価値がある。
ついに、1千万円を切ってきたわけだな。
日本にも導入されるようなので、麻布のアルファ屋さんまで試乗に行ってもいいか・・・。
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