3度、木っ端微塵 ― 2016年01月20日 01:33
3度、木っ端微塵
17日に打ち上げられたファルコン9が、衛星の投入という本来の目的は果たしたものの、余禄である1段目の回収に失敗したという話は、このブログでも触れた。
(脚からず?)
http://kfujito2.asablo.jp/blog/2016/01/18/7994965
着陸時の動画は、生中継の中にはなかったが、スペースXは、インスタグラムに投稿したようだ。
(Video of first stage soft touchdown and leg buckling)
https://www.instagram.com/p/BAqp2Vpl8e6/
うーん、いい感じで着陸してるんだがなあ・・・。
手前に倒れて、木っ端みじんになっている。
思わず、ああーーっ!、と声を出してしまった映像(画像参照)。
(「ファルコン9」ロケットの船への着地失敗、船側から撮影された動画が公開)
http://sorae.jp/030201/2016_01_19_falcon-9.html
「ロケットの第1段機体を発射台から南に約300km離れたところに配備された船の上に降ろす試験が行われた。」
「4本ある着陸脚のうちの1本のロック機構に問題があり、脚が固定されなかったために倒れた」
まあ、仕方ないか。
着陸までのコントロールは、上手くいったようだから、次回の打ち上げに期待が持てる。
回収に成功して、再使用した場合には、コスト削減に繋がるようだが、問題は信頼性の確保とメンテナンス費用だな。
スペースシャトルは、そこで失敗したわけだ。
1970年代に構想され、81年から2011年まで、途中2回の事故による中断を挟んで、約30年間に渡って運用された。
ISSを組み立て、ハッブルを打ち上げ、人類の宇宙開発に多大の貢献をして引退した。
その間、冷戦が終結し、米国は宇宙開発において国威を発揚する必要はなくなった。
安上がりな使い捨てロケットを開発し、人工衛星などはそれで打ち上げ、有人飛行はロシアに依存することで凌いでいる。
将来的には、オリオン宇宙船で深宇宙を目指すということになっているが、それまでの間に、地球低軌道上の宇宙飛行士の運搬を民間会社にさせようとしている。
既に、ボーイングとスペースXが、契約を結んでいる。
貨物輸送については、既に2社が行っていて、さらに1社が加わることになっている。
有翼機が再登場するということだが、21世紀の技術で作るわけで、コスト管理についてはしっかりやってもらうことになるな。
宇宙船自体は、10回程度の使用に耐えるようになっているものもあるようだが、打ち上げロケットは、相変わらず使い捨てが続いている。
先日、回収に成功したブルーオリジンのニューシェパードにしても、再使用には至っていない。
もちろん、スペースXもまだだ。
ちょっと毛色が違うところでは、バージンギャラクティックのスペースシップ2がある。
飛行機(ホワイトナイト2)に吊り下げられて、上空に飛び、ロケットを噴射して上昇、弾道軌道で高度100kmに達して翼を広げて降りてくるという構想だ。
事故で失われたスペースシップ2の2号機も、完成間近といわれる。
これは、完全再使用になる。
将来的には、小型の人工衛星を打ち上げて、こっちも商売にしようと考えているようだ。
宇宙へ行くのに、使い捨てのロケットで打ち上げるというのは、そろそろ時代遅れになりそうだな。
新しい技術を開発する中では、失敗が付き物である。
何度も失敗し、それを乗り越えて初めて、成功の美酒を味わうことが出来る。
向かうところ敵なしと思われたスペースXも、昨年6月に爆発事故を起こして木っ端微塵になった。
次の打ち上げで、陸上への回収と、複数衛星の軌道投入に成功し、リベンジを果たした。
今回、連ちゃんで回収に成功すれば、目出度し目出度しなんだが、そう甘くはなかったというところだな。
浮沈子は、回収の際に脚だけで立たなくても、何らかの支えを地上側から出すような形に出来ないものだろうかと考えている。
脚だって、その分重たくなるわけだし、地上側の設備なら、軽量化もできるし、メンテナンスもしやすいだろう。
地球上のどこへでも降ろせるという必要があれば、まあ、自立できた方がいいが、回収する施設は限られた場所である。
そこに投資した方が、有利なのではないかと思っているんだがな。
それとも、スペースXの目論見は別の所にあるのかもしれない。
つまり、どこへでも降ろしたいんじゃないかということだ。
燃料を使い終わったロケットなんて、その辺に降りてもらっちゃあ困るんだがな。
クレーンで吊り上げて、トレーラーとかに積み込んで回収してもらわなければならない。
燃料だって、まだ、いくらかは残っているので、危ない話でもある。
宇宙船の方は、そこにいくと、問題なくどこへでも降ろせそうだ。
まあ、燃料は、毒性が高いヒドラジン系なので、特段の配慮を要するが、倒れたって、大爆発しないようにするのは簡単だろう。
ドラゴン2が、早いとこ実用になって、宇宙から玄関先に降りてくるのを見たいものだ。
整備車両が来て、ちょろちょろっとメンテした後は、先に着陸していた1段目と2段目にくっ付けて、そのまま打ち上げということになる。
まあ、打ち上げは、玄関からというわけにはいかないがな。
ロケットが再使用され、コストが激減した場合、本当の宇宙旅行(弾道軌道ではなく)が実現する可能性がある。
ISSに短期滞在とか、そういう話も夢ではない。
ISS自体の寿命もあるが、延命措置を施すとか、安上がりの民間宇宙ホテルを作るなどして、周回軌道に滞在する時代がやってくる。
浮沈子は、中国の天宮に期待してるんだがな。
もちろん、中華料理の宇宙食をたらふく食って、宇宙空間ならではの京劇観て、宇宙ホテルライフを満喫するのが夢だ。
そんでもって、当然のことながら、リブリーザー式の生命維持装置が入った宇宙服着て、宇宙遊泳を楽しむ・・・。
400000mのドロップオフというわけだな。
中性浮力が取れてないと、大変なことになりそうだが、宇宙空間では、その心配はない。
リブリーザーダイビングとして見れば、易しいともいえる。
今世紀中には、何らかの形で実現しそうな雰囲気になってきたが、残念ながら浮沈子は宇宙旅行は出来ないだろう。
それは、次の世代の人々のものだ。
我々の世代は、せいぜいCCRで潜って、宇宙飛行士より難しい水中遊泳を楽しむくらいだな。
悔しかったら、中性浮力取ってみい!。
17日に打ち上げられたファルコン9が、衛星の投入という本来の目的は果たしたものの、余禄である1段目の回収に失敗したという話は、このブログでも触れた。
(脚からず?)
http://kfujito2.asablo.jp/blog/2016/01/18/7994965
着陸時の動画は、生中継の中にはなかったが、スペースXは、インスタグラムに投稿したようだ。
(Video of first stage soft touchdown and leg buckling)
https://www.instagram.com/p/BAqp2Vpl8e6/
うーん、いい感じで着陸してるんだがなあ・・・。
手前に倒れて、木っ端みじんになっている。
思わず、ああーーっ!、と声を出してしまった映像(画像参照)。
(「ファルコン9」ロケットの船への着地失敗、船側から撮影された動画が公開)
http://sorae.jp/030201/2016_01_19_falcon-9.html
「ロケットの第1段機体を発射台から南に約300km離れたところに配備された船の上に降ろす試験が行われた。」
「4本ある着陸脚のうちの1本のロック機構に問題があり、脚が固定されなかったために倒れた」
まあ、仕方ないか。
着陸までのコントロールは、上手くいったようだから、次回の打ち上げに期待が持てる。
回収に成功して、再使用した場合には、コスト削減に繋がるようだが、問題は信頼性の確保とメンテナンス費用だな。
スペースシャトルは、そこで失敗したわけだ。
1970年代に構想され、81年から2011年まで、途中2回の事故による中断を挟んで、約30年間に渡って運用された。
ISSを組み立て、ハッブルを打ち上げ、人類の宇宙開発に多大の貢献をして引退した。
その間、冷戦が終結し、米国は宇宙開発において国威を発揚する必要はなくなった。
安上がりな使い捨てロケットを開発し、人工衛星などはそれで打ち上げ、有人飛行はロシアに依存することで凌いでいる。
将来的には、オリオン宇宙船で深宇宙を目指すということになっているが、それまでの間に、地球低軌道上の宇宙飛行士の運搬を民間会社にさせようとしている。
既に、ボーイングとスペースXが、契約を結んでいる。
貨物輸送については、既に2社が行っていて、さらに1社が加わることになっている。
有翼機が再登場するということだが、21世紀の技術で作るわけで、コスト管理についてはしっかりやってもらうことになるな。
宇宙船自体は、10回程度の使用に耐えるようになっているものもあるようだが、打ち上げロケットは、相変わらず使い捨てが続いている。
先日、回収に成功したブルーオリジンのニューシェパードにしても、再使用には至っていない。
もちろん、スペースXもまだだ。
ちょっと毛色が違うところでは、バージンギャラクティックのスペースシップ2がある。
飛行機(ホワイトナイト2)に吊り下げられて、上空に飛び、ロケットを噴射して上昇、弾道軌道で高度100kmに達して翼を広げて降りてくるという構想だ。
事故で失われたスペースシップ2の2号機も、完成間近といわれる。
これは、完全再使用になる。
将来的には、小型の人工衛星を打ち上げて、こっちも商売にしようと考えているようだ。
宇宙へ行くのに、使い捨てのロケットで打ち上げるというのは、そろそろ時代遅れになりそうだな。
新しい技術を開発する中では、失敗が付き物である。
何度も失敗し、それを乗り越えて初めて、成功の美酒を味わうことが出来る。
向かうところ敵なしと思われたスペースXも、昨年6月に爆発事故を起こして木っ端微塵になった。
次の打ち上げで、陸上への回収と、複数衛星の軌道投入に成功し、リベンジを果たした。
今回、連ちゃんで回収に成功すれば、目出度し目出度しなんだが、そう甘くはなかったというところだな。
浮沈子は、回収の際に脚だけで立たなくても、何らかの支えを地上側から出すような形に出来ないものだろうかと考えている。
脚だって、その分重たくなるわけだし、地上側の設備なら、軽量化もできるし、メンテナンスもしやすいだろう。
地球上のどこへでも降ろせるという必要があれば、まあ、自立できた方がいいが、回収する施設は限られた場所である。
そこに投資した方が、有利なのではないかと思っているんだがな。
それとも、スペースXの目論見は別の所にあるのかもしれない。
つまり、どこへでも降ろしたいんじゃないかということだ。
燃料を使い終わったロケットなんて、その辺に降りてもらっちゃあ困るんだがな。
クレーンで吊り上げて、トレーラーとかに積み込んで回収してもらわなければならない。
燃料だって、まだ、いくらかは残っているので、危ない話でもある。
宇宙船の方は、そこにいくと、問題なくどこへでも降ろせそうだ。
まあ、燃料は、毒性が高いヒドラジン系なので、特段の配慮を要するが、倒れたって、大爆発しないようにするのは簡単だろう。
ドラゴン2が、早いとこ実用になって、宇宙から玄関先に降りてくるのを見たいものだ。
整備車両が来て、ちょろちょろっとメンテした後は、先に着陸していた1段目と2段目にくっ付けて、そのまま打ち上げということになる。
まあ、打ち上げは、玄関からというわけにはいかないがな。
ロケットが再使用され、コストが激減した場合、本当の宇宙旅行(弾道軌道ではなく)が実現する可能性がある。
ISSに短期滞在とか、そういう話も夢ではない。
ISS自体の寿命もあるが、延命措置を施すとか、安上がりの民間宇宙ホテルを作るなどして、周回軌道に滞在する時代がやってくる。
浮沈子は、中国の天宮に期待してるんだがな。
もちろん、中華料理の宇宙食をたらふく食って、宇宙空間ならではの京劇観て、宇宙ホテルライフを満喫するのが夢だ。
そんでもって、当然のことながら、リブリーザー式の生命維持装置が入った宇宙服着て、宇宙遊泳を楽しむ・・・。
400000mのドロップオフというわけだな。
中性浮力が取れてないと、大変なことになりそうだが、宇宙空間では、その心配はない。
リブリーザーダイビングとして見れば、易しいともいえる。
今世紀中には、何らかの形で実現しそうな雰囲気になってきたが、残念ながら浮沈子は宇宙旅行は出来ないだろう。
それは、次の世代の人々のものだ。
我々の世代は、せいぜいCCRで潜って、宇宙飛行士より難しい水中遊泳を楽しむくらいだな。
悔しかったら、中性浮力取ってみい!。
原油価格 ― 2016年01月20日 14:34
原油価格
世界経済には、全く疎い浮沈子。
気になるのは、近所のスタンドのハイオクガソリンの価格だけ・・・。
まあ、それだって、世界経済の一部だし、原材料や光熱水費は円のレートや原油価格と無関係ではない。
最近の円安で、海外に潜りに行っても、割安感が減ってしまったが、国内での日用品の価格はそれほど変わらない。
理由はいくつかあるだろうが、消費が伸びないので値上げしにくいということ、原油価格が安いということが大きいだろうと、勝手に思っている。
先物で30ドルを切ったというから、ちょっと原油価格について調べてみた。
(原油価格)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8E%9F%E6%B2%B9%E4%BE%A1%E6%A0%BC
「2010年代初頭にはイギリスのブレント原油(Brent Crude)の先物価格が比重を増してきている。国際取引での単位は1バレル(158.9873リットルで、通常は約159リットル)当たりのアメリカドル ($/bbl) で表記される」
「原油価格は市場経済により需要と供給のバランスで決まるとされ、需要面では世界経済の景気動向やガソリン・プラスチックなど様々な石油製品の需要動向が影響し、供給面では産油国での供給動向(戦争・内戦による減産、タンカー襲撃、新しい油田の開発による増産)が影響する。」
「国際的な指標となるのは、ブレント原油価格。アメリカの原油価格の指標とされるのは、WTI。アジアで指標となるのはドバイ原油価格との位置づけ。(2014年現在の三大指標)」
基礎が分かったところで、価格の動きを歴史から拾う。
「1960年 -:約2 - 3ドル
1973年:10 - 12ドル:第一次オイルショック
1978年:30 - 40:ドル第二次オイルショック
1980年頃 -:約20ドル:市場の時代
1999年:9ドル台:アジア通貨危機の影響など
2008年7月:147.27ドル
2008年12月:30ドル台前半
2010年4月:85ドル付近
2011年 -:100ドル超
2016年1月:約28ドル」
やれやれ、この乱高下に付き合わされている関係者は、たまらんだろうな。
画像は1987年以降の価格変動のグラフである。
「1987年5月からのイギリス・北海ブレント原油スポット価格の推移。ドル建て、青線は実際の価格、赤線は2011年11月を基準とした物価(CPI-U)を考慮した実効価格である。」
今の物価に直すと、概ね20ドルくらいの価格で推移していたのが、今世紀に入るころから上昇基調になり、最近になって下落してきたことが読み取れる。
需給の変動をもろに受けて、大きく変動するようになった。
歴史的に見れば、20ドルを割ることになったとしてもおかしくないという観測には、それなりに説得力があるということだ。
情勢としては、中国の経済成長の鈍化などによる需要の低迷、イラン原油の市場参加に伴う供給の増加など、値下がり要因が指摘されている。
IMFも、今年の世界全体の経済成長を、下方修正したばっかしだしな。
輸入価格に敏感な我が国の経済の中で、消費者としてしか参加していない浮沈子は、原油価格の下落や円高は大歓迎なんだが、石油関係の方や輸出関連の企業はそうはいかないだろう。
円のレートは、若干の変動はあっても、このところ安値安定が続いて、これで原油が安くなれば、経済の基調としては悪くないということになる。
まあ、このところの原油価格が高過ぎたということだろう。
ガソリン価格が少し下がってくれると有り難いんだがな。
電気料金の値下げも期待される。
20ドルを切る情勢になれば、殆どを火力で賄っている我が国は、相当程度助かるだろう。
原油価格は、その辺りが相場ということになるかも知れない。
画像のグラフとみると、そろそろ石油の時代が終わりつつあるんじゃないかとすら思えてくる。
こんな滅茶苦茶な価格変動をする資材に、世界経済が振り回されていていいんだろうか?。
まあ、当分は仕方ないんだろうな。
原油価格の推移に、暫く注目というところか。
世界経済には、全く疎い浮沈子。
気になるのは、近所のスタンドのハイオクガソリンの価格だけ・・・。
まあ、それだって、世界経済の一部だし、原材料や光熱水費は円のレートや原油価格と無関係ではない。
最近の円安で、海外に潜りに行っても、割安感が減ってしまったが、国内での日用品の価格はそれほど変わらない。
理由はいくつかあるだろうが、消費が伸びないので値上げしにくいということ、原油価格が安いということが大きいだろうと、勝手に思っている。
先物で30ドルを切ったというから、ちょっと原油価格について調べてみた。
(原油価格)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8E%9F%E6%B2%B9%E4%BE%A1%E6%A0%BC
「2010年代初頭にはイギリスのブレント原油(Brent Crude)の先物価格が比重を増してきている。国際取引での単位は1バレル(158.9873リットルで、通常は約159リットル)当たりのアメリカドル ($/bbl) で表記される」
「原油価格は市場経済により需要と供給のバランスで決まるとされ、需要面では世界経済の景気動向やガソリン・プラスチックなど様々な石油製品の需要動向が影響し、供給面では産油国での供給動向(戦争・内戦による減産、タンカー襲撃、新しい油田の開発による増産)が影響する。」
「国際的な指標となるのは、ブレント原油価格。アメリカの原油価格の指標とされるのは、WTI。アジアで指標となるのはドバイ原油価格との位置づけ。(2014年現在の三大指標)」
基礎が分かったところで、価格の動きを歴史から拾う。
「1960年 -:約2 - 3ドル
1973年:10 - 12ドル:第一次オイルショック
1978年:30 - 40:ドル第二次オイルショック
1980年頃 -:約20ドル:市場の時代
1999年:9ドル台:アジア通貨危機の影響など
2008年7月:147.27ドル
2008年12月:30ドル台前半
2010年4月:85ドル付近
2011年 -:100ドル超
2016年1月:約28ドル」
やれやれ、この乱高下に付き合わされている関係者は、たまらんだろうな。
画像は1987年以降の価格変動のグラフである。
「1987年5月からのイギリス・北海ブレント原油スポット価格の推移。ドル建て、青線は実際の価格、赤線は2011年11月を基準とした物価(CPI-U)を考慮した実効価格である。」
今の物価に直すと、概ね20ドルくらいの価格で推移していたのが、今世紀に入るころから上昇基調になり、最近になって下落してきたことが読み取れる。
需給の変動をもろに受けて、大きく変動するようになった。
歴史的に見れば、20ドルを割ることになったとしてもおかしくないという観測には、それなりに説得力があるということだ。
情勢としては、中国の経済成長の鈍化などによる需要の低迷、イラン原油の市場参加に伴う供給の増加など、値下がり要因が指摘されている。
IMFも、今年の世界全体の経済成長を、下方修正したばっかしだしな。
輸入価格に敏感な我が国の経済の中で、消費者としてしか参加していない浮沈子は、原油価格の下落や円高は大歓迎なんだが、石油関係の方や輸出関連の企業はそうはいかないだろう。
円のレートは、若干の変動はあっても、このところ安値安定が続いて、これで原油が安くなれば、経済の基調としては悪くないということになる。
まあ、このところの原油価格が高過ぎたということだろう。
ガソリン価格が少し下がってくれると有り難いんだがな。
電気料金の値下げも期待される。
20ドルを切る情勢になれば、殆どを火力で賄っている我が国は、相当程度助かるだろう。
原油価格は、その辺りが相場ということになるかも知れない。
画像のグラフとみると、そろそろ石油の時代が終わりつつあるんじゃないかとすら思えてくる。
こんな滅茶苦茶な価格変動をする資材に、世界経済が振り回されていていいんだろうか?。
まあ、当分は仕方ないんだろうな。
原油価格の推移に、暫く注目というところか。
CCRの安全性 ― 2016年01月20日 20:18
CCRの安全性
器材の安全性については、余り詳しくない。
これを評価するには、デバイスの個々の故障確率を調べて、その残存率を計算してみなければならない。
オープンサーキットでも、クローズドサーキットでも、それは同じだ。
リブリーザーの場合、構造上の問題もあるので、単純な計算では、正確に評価できないという問題もある。
加えて、電子デバイスの不具合については、一ケタ違う頻度で発生する(ような気がしている)。
これを、同じ運用の中で比較すれば、もちろん、オープンサーキットの方が安全という結果になる。
桁違いで。
ただし、リブリーザーの場合、運用の形態がオープンサーキットと同じということはないので、単純には比較できない。
浮沈子の経験でも、例えば、グアムの有名なポイントであるブルーホールや、ギャブギャブ2では、オープンサーキットで潜る時とは、プロファイルが全く異なる。
オープンサーキットでは、確実に減圧ダイビングになるようなプロファイルで、潜水時間も長い。
シングルタンクでは、到底ガスが持たない。
テクニカルダイビングのプロファイルと潜水時間、潜水深度で潜っているのだ。
比較するなら、同等のプロファイルで見るべきだろう。
運用を抜きにして、器材の安全性をいくら突き詰めても、正しい評価は出来ない。
加えて、とんでもない誤解もまかり通っている。
(リブリーザー3 0728)
http://jsuga.exblog.jp/18737814/
「潜降と浮上は、減圧停止の時間も含めて、オープンサーキットでする。目標深度に、あるいは目標深度が40mよりも深いならば、40mに到達してからリブリーザーに切り替える。今もすでに、そうしているリブリーザーダイバーも少なくないのだろうが、それが普遍的なルールになるべきだと思う。」
かんべんしてくれ!。
断言するが、ちゃんとしたトレーニングを受けたCCRダイバーで、そんなことするやつは一人もいない。
全くの誤解であって、事実誤認も甚だしい。
須賀氏は、どっからそんな誤った情報を仕入れてしまったんだろうか?。
浮沈子のヨタブログを読んでいる方は、オープンサーキットのベイルアウトタンクは、CCRの不具合が生じた時の手段であって、ディリュエントガスとして使う他は、オープンサーキットで吸うことは、通常運用ではないということをご存知だろう。
自動車が故障して、JAF呼んで牽引してもらっていても、自動車は自走と牽引のハイブリッドだなどという話にはならない。
まあ、トレーニングの段階では、SCR運用や緊急時のサニティ呼吸、回路内の全水没などの対応として、そんなことばっかやってるので、そういう誤解が生じる余地は、皆無ではない・・・。
CCRって、習い始めると、まともに呼吸するより、ベイルアウトの練習ばっかで、オープンサーキットで呼吸してる方が長いぜ・・・。
まあいい。
それは、ある意味、正しい誤解(?)でもあるわけだな。
オープンサーキットの初級の練習だって、殆どはトラブル対応のスキル練習だから、似たようなもんだろう。
だからって、スクーバダイビングは、毎回浮上の際に緊急スイミングアセントしているわけじゃない!。
えっ?、オレ様は、究極まで吸い尽して浮上するから、毎回エア切れだってえ?。
3分の1ルールを適用すべきだな。
180のタンクで潜ったら、60残して浮上するような潜水計画を立てるべきだ。
潜水計画なんて、立てたことないってえ?。
うーん、話にならんな・・・。
まあ、どうでもいいんですが。
話を戻そう。
浮沈子は、SCRのことは良く知らないので、ちっとは分かるCCRの話をすれば、最近のCCRは目くじら立てて危険性を喧伝しなければならないような代物ではない。
正しく整備し、消耗品を換え、正しい手順で準備し、普通に潜れば、概ね生きて浮上することが出来る。
CCRを使って、数百時間水中で過ごしている浮沈子が、こうしてヨタブログを書いているのが何よりの証拠だ。
CCRの事故の中には、器材の不良から発生したものもあるかもしれない。
具体的に、何例がそれにあたるかは分からないが、そんな時でも、正しいベイルアウト(緊急浮上)の手順を使って生還する方策はある。
それが出来なかったのは、正しい運用が身についていなかったからであって、器材だけに頼って誤った運用をしたからと言えなくもない。
CCRが正常作動しなかった場合を含めて、CCRの運用は構築されている。
ハードとソフトはセットだ。
オープンサーキットでも、それは同じで、オレ様でも何様でも、器材の不具合に対応できなければ、深刻な事態になる。
フリーフローしてしまったセカンドステージを、ボー然とみていると、あっという間にガス切れになり、エア切れサインを出せなかったり、バディのオクトパスから吸えなかったりすればあの世行きは免れない。
そんなことくらい、ダイバーなら誰だって出来るだろうってえ?。
その通り、CCRダイバーだって、器材のトラブルに対応するくらい、誰だってできる。
そこまでトレーニングして、初めて認定されるべきだし、そうでなければ、認定は出来ない。
浮沈子が、CCRのインストラクターになった暁には、その基準は徹底して順守する。
大昔、高校時代に数学の試験があった。
クラスの生徒が解答用紙に書いた感想(なんで、感想なんか書くんだあ?)。
「楽しい授業、優しいテスト、甘い採点!」
スキルを細分化し、スモールステップで学ぶことが出来るプログラムでは、楽しい授業、優しいテストまでは可能だ。
しかし、命にかかわるダイビングの講習では、甘い採点はない。
スキルを身に着けるということは、脳の中に新たな回路を構築することに他ならない。
簡単に作ることが出来て、苦労なくマスタリーできる方もいれば、浮沈子のように何年もかけて、忘却と再学習を繰り返しながら身に着けていく方もいるだろう。
結局、要求水準に達しなければ、認定を諦めることになる。
それで潜ることは許されない。
インストラクターの安全管理の下で、トレーニングを続けながら潜るか、CCRでのダイビングを断念するしかない。
高い金を払って購入したユニットは、床の間の飾りにするか、売りに出すことになる・・・。
CCRダイビングは、そういうリスクとも付き合わなければならない。
だから、その意味でも、誰にでも勧められる器材ではないのだ。
レクリエーショナルレベルとはいえ、増大する器材のリスクに対応し、経済的、時間的なリスクを受け入れ、年齢によっては、老化との戦いという避けがたいリスクも織り込まなければならない。
正直言って、忘れちゃうのだ!。
新しいことは覚えられなくなるし、2つのことを同時に解決するという能力も衰えることになる。
男の子は、特にダメだな(人によると思いますが)。
マルチに脳を使えない。
浮沈子は、CCRについて書く時には、なるべく客観的に書こうと努力しているが、時折(しばしば?)、個人的な印象で書いてしまう。
浮沈子が、CCR使いとして適性があるかどうかは、いささか疑問だ。
CCRパイロットとしての、ライトスタッフはない。
人によっては、苦も無く中性浮力を取って、ホバリングしてしまうし、機器の操作にしても、スマホを扱うように簡単にマスターする(まあ、似たようなもんだしな)。
だから、浮沈子には、人様に教える資格は十分にあると確信している。
苦手、失敗、苦労については、人後に落ちない・・・。
まあ、それだけじゃあ、教授者としては不足だがな。
そのための自身のスキルアップは継続する。
話は逸れたが、そういったソフト面での対応をしっかりと行い、その上で運用して、初めて器材の複雑さをカバーした安全性を確保できる。
運用限界が高い器材を、訓練の範囲に留めて運用するというのが基本だ。
PO2の設定にもよるが、ポセイドンなら、水深15mで、3時間の連続運用が可能だし、NDLの範囲で40mまで行くことが出来る。
それを超える運用は、別途トレーニングをクリアしなければならない。
40mまでの減圧ダイビング、60mまでのノーモキシックトライミックスを使った減圧ダイビング、器材の限界である100mまでのハイポキシックトライミックスを使った減圧ダイビング(指導団体や、器材によって異なります)。
そりゃあ、オープンサーキットだって、330mを超えるダイビングを可能にしているわけだし。
要するに、器材の限界や安全性は、それを可能にする運用に掛かっているといってもいい。
CCRの場合、呼吸回路に生じる呼吸抵抗が深度によって増大するという構造的な欠陥(?)があるので、チャレンジングな大深度潜水(ここでは、200m超え)には不向きということはある。
その場合には、呼吸回路内のガスを、呼吸抵抗が少ない、分子量が小さいガスに置換してやるという必要も出てくる。
ここでは、そういうレベルの話はしない。
浮沈子も詳しくないしな。
CCRの安全性は、器材の安全性だけでは語れないという話を延々とした。
それは、オープンサーキットでも同じだが、それを補うダイビングスキルの割合は、CCRの方が桁違いに大きい。
だから、正しい運用を身に着けずにCCRを使うことは許されない。
それには個人差があり、一概に難しいとも言えないし、簡単だともいえない。
CCRの運用が長い浮沈子の場合、オープンサーキットの方が難しく感じることもある。
人それぞれだが、道楽としてCCRにチャレンジしてみようというのは、悪い選択ではない。
経済的な理由や、習得の困難さに個人差があることから、誰にでも勧められるわけではない。
トレーニング自体を楽しめる方、器材のトラブルを受け入れ、正しく対処できる方、それらを克服した先にある、次元の違うダイビングに心底魅せられた方だけが、この器材を使うべきだ。
レクリエーショナルダイビングの世界だって、とてつもない破壊力を持っている。
無限圧限界時間は、とんでもなく長く、ガス持ちの良さを考えれば、ダイビングの常識を覆す能力がある。
ポイントの3つや4つのハシゴは当たり前。
毎回(!)連続3時間のダイビング。
30mまでの滞底時間も長く、15m辺りでは、NDLは無限大になる。
気のせいだという方もいるが、浮沈子やそれに近い年齢の方(一緒にして、スイマセン!)の感想では、疲れ方が全く違う。
シングルタンクのダイビングでは、およそ考えられないプロファイルを、平然と取ることが出来る。
まあ、ガイドも大変だがな。
こんなダイバーが増えて来たら、ちょっと今までのビジネスモデルではやっていけないのではないか。
水中で酸素や混合ガスを吸うことが、大っぴらに認められるようになってから、この春で1年になろうとしている。
日陰の存在だったナイトロックスやトライミックスについても、今後は当たり前の呼吸ガスになるだろう。
指導団体によっては、水中で空気を吸うことを認めないところもある。
危険なガスだからというわけだ。
(SF2 サイドマウントリブリーザー)
http://nolimit.ti-da.net/e7494109.html
「2015年4月よりIART日本支部が正式に発足しました。」
「他のダイビング指導団体と異なるのは、最初のOWコースからナイトロックスを使って講習を行う点です。」
「高圧環境下で呼吸する空気は体に悪い毒ガスという考えから、40mまではナイトロックス、40m以深はヘリウムを加えることになっています」
その意味では、我が国の規制当局は半歩進んでいる。
通達では、30mを超えたらトライミックス、40mを超えたらヘリオックスを推奨している。
(高気圧作業安全衛生規則の一部を改正する省令の施行等について:9ページ参照)
http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11300000-Roudoukijunkyokuanzeneiseibu/sekoutuutatu.pdf
「ウ (前略)なお、水深 30 メートル以上 40 メートル以下の場所における潜水業務についても、呼吸用ガスとして空気を用いないことが望ましいこと。」
「エ 呼吸用ガスとして空気を用いることが認められない水深 40 メートルを超える潜水業務においては、ヘリウムを呼吸用不活性ガスとして用いることが望ましいこと。」
ちなみに、減圧表の代わりに導入されたビュールマンの式は、足掛け3年目になっても、未だに誤ったまま告示され続けている。
(高気圧作業安全衛生規則第八条第二項等の規定に基づく厚生労働大臣が定める方法等(平成26年12月1日厚生労働省告示第457号) )
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000071152.html
まあいい。
この件については、もう関わり合いは御免だ。
いずれにしても、リブリーザーは、導入の段階から普及の段階に至ろうとしている。
そのスピードは遅々としているが、ある意味では健全なことだと思っている。
この器材とトレーニングの意義が正当に評価され、市場に受け入れられるようになるまでには、十分な時間が取られることが望ましい。
その間に、誤った概念や知識がはびこって、普及を阻害することがないようにしなければならない。
指導団体が、もっと積極的に正しい知識の普及に努めてくれるといいんだがな(PADIだけじゃなくって!)。
器材の安全性については、余り詳しくない。
これを評価するには、デバイスの個々の故障確率を調べて、その残存率を計算してみなければならない。
オープンサーキットでも、クローズドサーキットでも、それは同じだ。
リブリーザーの場合、構造上の問題もあるので、単純な計算では、正確に評価できないという問題もある。
加えて、電子デバイスの不具合については、一ケタ違う頻度で発生する(ような気がしている)。
これを、同じ運用の中で比較すれば、もちろん、オープンサーキットの方が安全という結果になる。
桁違いで。
ただし、リブリーザーの場合、運用の形態がオープンサーキットと同じということはないので、単純には比較できない。
浮沈子の経験でも、例えば、グアムの有名なポイントであるブルーホールや、ギャブギャブ2では、オープンサーキットで潜る時とは、プロファイルが全く異なる。
オープンサーキットでは、確実に減圧ダイビングになるようなプロファイルで、潜水時間も長い。
シングルタンクでは、到底ガスが持たない。
テクニカルダイビングのプロファイルと潜水時間、潜水深度で潜っているのだ。
比較するなら、同等のプロファイルで見るべきだろう。
運用を抜きにして、器材の安全性をいくら突き詰めても、正しい評価は出来ない。
加えて、とんでもない誤解もまかり通っている。
(リブリーザー3 0728)
http://jsuga.exblog.jp/18737814/
「潜降と浮上は、減圧停止の時間も含めて、オープンサーキットでする。目標深度に、あるいは目標深度が40mよりも深いならば、40mに到達してからリブリーザーに切り替える。今もすでに、そうしているリブリーザーダイバーも少なくないのだろうが、それが普遍的なルールになるべきだと思う。」
かんべんしてくれ!。
断言するが、ちゃんとしたトレーニングを受けたCCRダイバーで、そんなことするやつは一人もいない。
全くの誤解であって、事実誤認も甚だしい。
須賀氏は、どっからそんな誤った情報を仕入れてしまったんだろうか?。
浮沈子のヨタブログを読んでいる方は、オープンサーキットのベイルアウトタンクは、CCRの不具合が生じた時の手段であって、ディリュエントガスとして使う他は、オープンサーキットで吸うことは、通常運用ではないということをご存知だろう。
自動車が故障して、JAF呼んで牽引してもらっていても、自動車は自走と牽引のハイブリッドだなどという話にはならない。
まあ、トレーニングの段階では、SCR運用や緊急時のサニティ呼吸、回路内の全水没などの対応として、そんなことばっかやってるので、そういう誤解が生じる余地は、皆無ではない・・・。
CCRって、習い始めると、まともに呼吸するより、ベイルアウトの練習ばっかで、オープンサーキットで呼吸してる方が長いぜ・・・。
まあいい。
それは、ある意味、正しい誤解(?)でもあるわけだな。
オープンサーキットの初級の練習だって、殆どはトラブル対応のスキル練習だから、似たようなもんだろう。
だからって、スクーバダイビングは、毎回浮上の際に緊急スイミングアセントしているわけじゃない!。
えっ?、オレ様は、究極まで吸い尽して浮上するから、毎回エア切れだってえ?。
3分の1ルールを適用すべきだな。
180のタンクで潜ったら、60残して浮上するような潜水計画を立てるべきだ。
潜水計画なんて、立てたことないってえ?。
うーん、話にならんな・・・。
まあ、どうでもいいんですが。
話を戻そう。
浮沈子は、SCRのことは良く知らないので、ちっとは分かるCCRの話をすれば、最近のCCRは目くじら立てて危険性を喧伝しなければならないような代物ではない。
正しく整備し、消耗品を換え、正しい手順で準備し、普通に潜れば、概ね生きて浮上することが出来る。
CCRを使って、数百時間水中で過ごしている浮沈子が、こうしてヨタブログを書いているのが何よりの証拠だ。
CCRの事故の中には、器材の不良から発生したものもあるかもしれない。
具体的に、何例がそれにあたるかは分からないが、そんな時でも、正しいベイルアウト(緊急浮上)の手順を使って生還する方策はある。
それが出来なかったのは、正しい運用が身についていなかったからであって、器材だけに頼って誤った運用をしたからと言えなくもない。
CCRが正常作動しなかった場合を含めて、CCRの運用は構築されている。
ハードとソフトはセットだ。
オープンサーキットでも、それは同じで、オレ様でも何様でも、器材の不具合に対応できなければ、深刻な事態になる。
フリーフローしてしまったセカンドステージを、ボー然とみていると、あっという間にガス切れになり、エア切れサインを出せなかったり、バディのオクトパスから吸えなかったりすればあの世行きは免れない。
そんなことくらい、ダイバーなら誰だって出来るだろうってえ?。
その通り、CCRダイバーだって、器材のトラブルに対応するくらい、誰だってできる。
そこまでトレーニングして、初めて認定されるべきだし、そうでなければ、認定は出来ない。
浮沈子が、CCRのインストラクターになった暁には、その基準は徹底して順守する。
大昔、高校時代に数学の試験があった。
クラスの生徒が解答用紙に書いた感想(なんで、感想なんか書くんだあ?)。
「楽しい授業、優しいテスト、甘い採点!」
スキルを細分化し、スモールステップで学ぶことが出来るプログラムでは、楽しい授業、優しいテストまでは可能だ。
しかし、命にかかわるダイビングの講習では、甘い採点はない。
スキルを身に着けるということは、脳の中に新たな回路を構築することに他ならない。
簡単に作ることが出来て、苦労なくマスタリーできる方もいれば、浮沈子のように何年もかけて、忘却と再学習を繰り返しながら身に着けていく方もいるだろう。
結局、要求水準に達しなければ、認定を諦めることになる。
それで潜ることは許されない。
インストラクターの安全管理の下で、トレーニングを続けながら潜るか、CCRでのダイビングを断念するしかない。
高い金を払って購入したユニットは、床の間の飾りにするか、売りに出すことになる・・・。
CCRダイビングは、そういうリスクとも付き合わなければならない。
だから、その意味でも、誰にでも勧められる器材ではないのだ。
レクリエーショナルレベルとはいえ、増大する器材のリスクに対応し、経済的、時間的なリスクを受け入れ、年齢によっては、老化との戦いという避けがたいリスクも織り込まなければならない。
正直言って、忘れちゃうのだ!。
新しいことは覚えられなくなるし、2つのことを同時に解決するという能力も衰えることになる。
男の子は、特にダメだな(人によると思いますが)。
マルチに脳を使えない。
浮沈子は、CCRについて書く時には、なるべく客観的に書こうと努力しているが、時折(しばしば?)、個人的な印象で書いてしまう。
浮沈子が、CCR使いとして適性があるかどうかは、いささか疑問だ。
CCRパイロットとしての、ライトスタッフはない。
人によっては、苦も無く中性浮力を取って、ホバリングしてしまうし、機器の操作にしても、スマホを扱うように簡単にマスターする(まあ、似たようなもんだしな)。
だから、浮沈子には、人様に教える資格は十分にあると確信している。
苦手、失敗、苦労については、人後に落ちない・・・。
まあ、それだけじゃあ、教授者としては不足だがな。
そのための自身のスキルアップは継続する。
話は逸れたが、そういったソフト面での対応をしっかりと行い、その上で運用して、初めて器材の複雑さをカバーした安全性を確保できる。
運用限界が高い器材を、訓練の範囲に留めて運用するというのが基本だ。
PO2の設定にもよるが、ポセイドンなら、水深15mで、3時間の連続運用が可能だし、NDLの範囲で40mまで行くことが出来る。
それを超える運用は、別途トレーニングをクリアしなければならない。
40mまでの減圧ダイビング、60mまでのノーモキシックトライミックスを使った減圧ダイビング、器材の限界である100mまでのハイポキシックトライミックスを使った減圧ダイビング(指導団体や、器材によって異なります)。
そりゃあ、オープンサーキットだって、330mを超えるダイビングを可能にしているわけだし。
要するに、器材の限界や安全性は、それを可能にする運用に掛かっているといってもいい。
CCRの場合、呼吸回路に生じる呼吸抵抗が深度によって増大するという構造的な欠陥(?)があるので、チャレンジングな大深度潜水(ここでは、200m超え)には不向きということはある。
その場合には、呼吸回路内のガスを、呼吸抵抗が少ない、分子量が小さいガスに置換してやるという必要も出てくる。
ここでは、そういうレベルの話はしない。
浮沈子も詳しくないしな。
CCRの安全性は、器材の安全性だけでは語れないという話を延々とした。
それは、オープンサーキットでも同じだが、それを補うダイビングスキルの割合は、CCRの方が桁違いに大きい。
だから、正しい運用を身に着けずにCCRを使うことは許されない。
それには個人差があり、一概に難しいとも言えないし、簡単だともいえない。
CCRの運用が長い浮沈子の場合、オープンサーキットの方が難しく感じることもある。
人それぞれだが、道楽としてCCRにチャレンジしてみようというのは、悪い選択ではない。
経済的な理由や、習得の困難さに個人差があることから、誰にでも勧められるわけではない。
トレーニング自体を楽しめる方、器材のトラブルを受け入れ、正しく対処できる方、それらを克服した先にある、次元の違うダイビングに心底魅せられた方だけが、この器材を使うべきだ。
レクリエーショナルダイビングの世界だって、とてつもない破壊力を持っている。
無限圧限界時間は、とんでもなく長く、ガス持ちの良さを考えれば、ダイビングの常識を覆す能力がある。
ポイントの3つや4つのハシゴは当たり前。
毎回(!)連続3時間のダイビング。
30mまでの滞底時間も長く、15m辺りでは、NDLは無限大になる。
気のせいだという方もいるが、浮沈子やそれに近い年齢の方(一緒にして、スイマセン!)の感想では、疲れ方が全く違う。
シングルタンクのダイビングでは、およそ考えられないプロファイルを、平然と取ることが出来る。
まあ、ガイドも大変だがな。
こんなダイバーが増えて来たら、ちょっと今までのビジネスモデルではやっていけないのではないか。
水中で酸素や混合ガスを吸うことが、大っぴらに認められるようになってから、この春で1年になろうとしている。
日陰の存在だったナイトロックスやトライミックスについても、今後は当たり前の呼吸ガスになるだろう。
指導団体によっては、水中で空気を吸うことを認めないところもある。
危険なガスだからというわけだ。
(SF2 サイドマウントリブリーザー)
http://nolimit.ti-da.net/e7494109.html
「2015年4月よりIART日本支部が正式に発足しました。」
「他のダイビング指導団体と異なるのは、最初のOWコースからナイトロックスを使って講習を行う点です。」
「高圧環境下で呼吸する空気は体に悪い毒ガスという考えから、40mまではナイトロックス、40m以深はヘリウムを加えることになっています」
その意味では、我が国の規制当局は半歩進んでいる。
通達では、30mを超えたらトライミックス、40mを超えたらヘリオックスを推奨している。
(高気圧作業安全衛生規則の一部を改正する省令の施行等について:9ページ参照)
http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11300000-Roudoukijunkyokuanzeneiseibu/sekoutuutatu.pdf
「ウ (前略)なお、水深 30 メートル以上 40 メートル以下の場所における潜水業務についても、呼吸用ガスとして空気を用いないことが望ましいこと。」
「エ 呼吸用ガスとして空気を用いることが認められない水深 40 メートルを超える潜水業務においては、ヘリウムを呼吸用不活性ガスとして用いることが望ましいこと。」
ちなみに、減圧表の代わりに導入されたビュールマンの式は、足掛け3年目になっても、未だに誤ったまま告示され続けている。
(高気圧作業安全衛生規則第八条第二項等の規定に基づく厚生労働大臣が定める方法等(平成26年12月1日厚生労働省告示第457号) )
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000071152.html
まあいい。
この件については、もう関わり合いは御免だ。
いずれにしても、リブリーザーは、導入の段階から普及の段階に至ろうとしている。
そのスピードは遅々としているが、ある意味では健全なことだと思っている。
この器材とトレーニングの意義が正当に評価され、市場に受け入れられるようになるまでには、十分な時間が取られることが望ましい。
その間に、誤った概念や知識がはびこって、普及を阻害することがないようにしなければならない。
指導団体が、もっと積極的に正しい知識の普及に努めてくれるといいんだがな(PADIだけじゃなくって!)。
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