NASAの予算2017年03月21日 09:10

NASAの予算


先立つものがなければ、先へは進めない。

NASAの予算は、0.8%の減額にとどまり、全体への影響は極めて少なくなった。

他が、20パーセントとか削減されているのに比べれば、贅沢な話だ。

(NASA、トランプ政権下で小惑星サンプルリターン「ARM」キャンセルか)
http://sorae.jp/030201/2017_03_21_arm.html

「NASAは全体で0.8%の予算カット」

「小惑星サンプルリターン計画「ARM」のキャンセル」

「木星衛星エウロパへの着陸船ミッション」(予算つかなくなる)

ARMは、オバマの遺産だからな。

カットは当然だろう。

エウロパの方は、ちょっと意外だったな。

宇宙人とのツイッターは、先送りになったわけだ。

まあいい。

軍事費を増額する一方で、削り込まれている他の予算に対して、NASAは、満額回答に近いだろう。

その見返りに、内部の再調整を行ったに違いない。

この際、どさくさに紛れて、ややっこしい話を整理してしまおうと。

有人小惑星探査が消えて、SLSは、益々その目的を失いつつある。

ブロック2が出来るまでは、火星へは行けない。

その開発費は膨大だ。

ブロック1で、地球ー月系のL2へ、宇宙ステーションを建設するくらいか。

それも、怪しくなってきた。

あれは、ARMの一部だしな。

月周回飛行を実現した後の有人計画はない(たぶん)。

予算的にはともかく、計画ベースでNASAの有人飛行が停滞するのは見えている。

ちょっと方針が見えなくなった気がする。

何の結果も出さずに、10年間を凌ぐというのは、いささか厳しいだろう。

ロシアと中国は、その間に有人月面着陸と独自の宇宙ステーションを持つことになる。

有人飛行では、並ばれてしまうわけだな。

無人探査だけが、NASAの取り柄になる。

地球外生命も見つからず、厳しい10年が待っているわけだ。

その先に、有人火星探査があるんだろうか?。

そこに注力していく中で、何らかの結果を出すことが出来るだろうか。

火星からのサンプルリターンというのが、一つの目玉になるかもしれないが、所詮は無人飛行に過ぎない。

ロボットで、何でもできるなら、わざわざ人間が行く必要はない。

そんなことをしているうちに、どっかの会社のシャチョーが、自前の宇宙船で、月とか火星に着陸して、植民を始めるようになる。

面目丸潰れで、NASA無用論さえ出かねない。

もちろん、ロケット打ち上げだけがNASAの仕事じゃない。

探査機作ったり、衛星作ったりすることが本来の仕事なんだろう。

歴史的に見れば、NASAは、月に人類を送り込むために作られた組織だ。

大陸間弾道弾を開発するための煙幕として、民事専念という建前を作ったわけだな(そうなのかあ?)。

月に行くのを止めた後、スペースシャトルやISSといった、実利を追求してきたけど、欲求不満は溜まるばかり・・・。

有人飛行なくして、巨額の予算を与える理由などない。

火星への有人飛行というのが、そのための仮想の目的として設定されてきた。

その化けの皮が剥がれるのは、浮沈子は時間の問題だと思っている。

ひょっとしたら、NASAの内部では、有人火星飛行は不可能という結論が出ているのかもしれない。

その不都合な真実を隠すためには、SLSを作り続け、マイルストーンを積み重ねていくしかないのだ。

向こう8年間、少なくとも4年間は、停滞を覚悟しなければならないだろうな。

ストかよ2017年03月21日 21:39

ストかよ


人類の持てる技術の粋を凝らした最先端のテクノロジーが詰まった、ロケット打ち上げ。

べらぼーに高額な衛星を乗せて、宇宙の高みに紅蓮の炎を上げて駆け上がっていく・・・。

・・・はずだったんだがな。

(アリアン5、ストで打ち上げ延期 ブラジル・韓国の通信衛星搭載)
http://www.afpbb.com/articles/-/3122138

「職員らによるストライキにより、21日に予定されていた「アリアン5(Ariane 5)」ロケットの打ち上げが延期された。」

ストかよ・・・。

まあ、多くの労働者のおかげでロケットが上がるわけだから、待遇の改善を求めて、ストを打つということもあるんだろう。

実際、これが初めてではないようだしな。

(Arianespace delays launch of Ariane 5 Flight VA236 due to ‘social movement’)
http://www.spaceflightinsider.com/organizations/arianespace/arianespace-delays-launch-ariane-5-flight-va236-due-social-movement/

「In 2011, Arianespace had to delay an Ariane 5 launch due to a strike within a different organization at the launch site, resulting in a 24-hour setback to the liftoff.」

2011年には、フライトナンバー544、558、559、560、561の計5回の打ち上げがあったが、どれが該当するかは分からない。

打ち上げは、いずれも成功している。

まあ、558のインテルサットは、太陽電池パネルの展開に一部失敗したらしいけどな。

今回は、ブラジルと韓国の衛星を搭載しているようだ。

「ブラジルの「SGDC」衛星は同国政府と軍の戦略通信のほか、ブラジル全土にブロードバンドサービスを提供して遠隔地などでのインターネット接続を支援することを目的としている。」

「韓国の衛星通信事業者KTサット(KTsat)の「KOREASAT-7」は、韓国、フィリピン、インド、インドネシア、東南アジア向けの動画やデータ通信サービスに使われる予定。」

衛星は、どっちもタレスアレニア製らしい。

「地元労組によると、今回のストライキはフランス電力(EDF)のギアナ部門とクールー病院の職員らが中心となって行われたという。」

やれやれ・・・。

ロケット会社も楽じゃないな。

そのとばっちりかどうかは分からないが、フロリダからの打ち上げも延期になっている。

OA-7:3月24日→3月27日
SES-10:3月27日→3月29日

まあ、たぶん、関係ないだろうけどな。

労働運動でロケットが遅延するというのは、いかにもフランスらしい。

顧客に対して、コスト削減の努力をアピールするには、絶好の手段だろう。

労働者から文句が出るくらい、コスト削ってますって。

いずれも、契約の範囲内ということで、違約金とかの問題にはならないようだ。

そこは、労働組合と雇用者側との馴れ合い(?)ということもあるだろうしな。

会社の収益を圧迫することなく、圧力をかける。

どーせアリアンスペースなんて、ロクな給料払ってないんじゃね?。

まあ、どうでもいんですが。

明日からロタツアーで、いろいろ用意をしながら書いている。

早めに休んで、明日遅刻しないようにしないとな。